おうちにいてね週間も終わり、検査が2倍になれば行動抑制も半分でいいという都合の良い真実を先取りしてお出かけ2020年05月08日 12:26

おうちにいてね週間も終わり、検査が2倍になれば行動抑制も半分でいいという都合の良い真実を先取りしてお出かけ


いつものレストランで書き始めた与太ブログ。

日本中が大注目の記事・・・。

(PCR検査を倍にすれば、接触「5割減」でも収束可能?)
https://www.asahi.com/articles/ASN557T4WN54ULBJ01C.html

「感染の兆候が体に一つでも表れた時点で検査して隔離することが有効だろう。接触機会を減らす対策はひとえに市民生活と経済を犠牲にする一方、検査と隔離のしくみの構築は政府の責任。その努力をせずに8割削減ばかりを強調するなら、それは国の責任放棄に等しい」

朝日が好きそうなパターンだが、この話は突っ込みどころ満載だな。

本当にやる気になって取り組んでいるかどうかはともかく、国はこの記事で必要とされる検査能力2倍への努力はやると言っている。

さらに、現在のアクセス制限である37.5度4日間という足枷(専門家会議はインフルエンザとの見分けに必要という見解)も見直しすると言っている。

(「PCR検査相談の新しい目安 きょうにも公表」加藤厚労相)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200508/k10012421691000.html

「早ければきょう中にも公表したい」

ホテルや自宅隔離については、取り組みの主体は地方政府に押し付けているが、退院基準の見直しを行い、病院以外の隔離を認めてきた。

例によって、対策が後追いだったり、自宅隔離中や検査へのアクセス制限中に急変する事態はあるが、努力を怠っているわけではない(十分でないことは一目瞭然!)。

8割削減だけ求めて、何もしていないわけじゃあない。

そもそも、PCR検査の問題は、もっと悩ましいところにある。

偽陰性が出やすい(検体採取や検査の感度の問題)、擬陽性の問題、有効性の問題が指摘されているが、本質的な話じゃない。

症状が出てから検査したって、既に手遅れというところが問題なわけだ。

無症候性キャリアの問題はとりあえず置いといても、発症前の感染が全体の半分を占めるところにある。

それでも、現在のようにたっぷりと人体で培養して、その間も家族初め周囲に感染させまくってからようやく繋がらない「相談」電話にアクセス(検査へのアクセスでないところに注意!)できて、それからさらに発熱外来への「予約」を取り、検査にアクセス出来たころには既に重症化していたり、運が悪ければそれ以前にあの世行きというよりはいい。

しかし、どれ程初期であっても、発症者を対象として検査を行っている限り、この感染症を終息させることは難しい。

発症前からの感染の方が多いという事実を踏まえれば、検査の考え方を抜本的に見直す必要がある。

(トランプ米大統領「これから毎日検査」 スタッフの新型コロナ感染で)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020050800244&g=int

「これまで週1回の検査を受けてきたが、これからは毎日1回受ける」

もちろん、大統領が周囲に感染させるリスクを減らすことが主目的ではない(副大統領を保護する意味は大きいけどな)が、感染を早期に把握するにはそれしかないのだ。

米国大統領は特別の存在だ。

世界を何度も滅亡させるのに十分な膨大な核兵器のボタンを握っている。

だからといって、それは例外で、一般市民は症状もないのにPCR検査(抗原検査でもいいですが)を受ける必要はないという考え方をいつまでも続けるのか。

ロサンゼルス郡では、既に先月から回数無制限、全住民対象(発症の有無にかかわらず)、しかも無料のPCRが実施されている。

朝日の記事で紹介されている対策では、たった2倍の検査能力でいいとあるが、それでも5割の接触制限を求められる。

今後、10年続く新型コロナの時代に、社会経済活動を続けながら感染制御を行うには、1日10億件の検査能力が不可欠だ(いつから10億件になったんだあ?)。

検体採取の問題(医師会は、唾液を検体とすることを提案している)、検査態勢の見直し(診断目的でなければ医療機関経由でなくてもOKとするなど)、隔離解除の問題(ウイルスの残渣を引っ掛けていつまでも陽性が続く)とか、解決すべき問題は多々ある。

1日10億件への道は遠い。

緊急事態からの出口戦略だけではなく、中長期的な視点に立って検査戦略を見直していくことは必要だ。

朝、体温を測るように、誰もが気軽に検査する。

検査態勢の出口戦略(1日10億件から1日10件への縮小?)も考えとかないとな(時期尚早かあ?)・・・。

<追加>

(富士フイルム、PCR検査を自動化 件数増へ熟練不要に)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58823130X00C20A5MM8000/

「検体を装置にセットするだけで全自動で調べられるPCR検査用の試薬を開発」

「検査時間も従来の4~6時間から約75分に短縮できる。月内に国内向けに発売する。」

まだ長いな。

5分くらいにならんとな、体温計のようなわけにはいかないからな。

(PCR検査相談目安見直し「37度5分以上」表記なくす 厚労省)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200508/k10012423041000.html

「新たな目安では「37度5分以上」という表記を取りやめ」

気になる記述も・・・。

「「症状が4日以上続く場合」は必ず相談するよう」

余計な記述は残してるな・・・。

3秒で止まっちまっても大成功なスタティックファイアテスト:期待(!)の大爆発は起こらず2020年05月08日 16:27

3秒で止まっちまっても大成功なスタティックファイアテスト:期待(!)の大爆発は起こらず


ちょっと間が開いたが、スターシップのスタティックファイアテスト(静的点火試験)が成功した。

3秒間だけだが、爆発せず燃料を充填出来(圧力は少なめですが)、一応点火し、無事に停止(ここ、特に重要です!)出来たことは目出度い。

大ニュースだ。

メタン燃料が爆発して大火災になり、ボカチカの施設が木っ端みじんに吹っ飛んだというなら、大したニュースにはならない(そうなのかあ?)。

またか・・・。

しかし、前回の低温加圧テスト(比較的安全な液体窒素でメタンを置き換え)に引き続き、爆発性のほんまもんのメタン燃料(もちろん液酸も)を加圧して貯留し、点火試験を成功させたというのは驚くべき話だ。

(SpaceXがStarshipテストロケットでRaptorエンジンをテスト発射)
https://spaceflightnow.com/2020/05/06/spacex-test-fires-raptor-engine-on-starship-test-rocket/

「Starship車両の底面にある単一のメタン燃料のRaptorエンジンが、午後9時のCDT Tusesday(午後10時EDT、0200 GMT)の数分前に点火しました。宇宙船がテキサス州ボカチカにあるSpaceXの施設のテストスタンドに立つと、エンジンが数秒間点火し、鮮やかなオレンジ色の排気が爆発しました。」

こうすんなりいくと、なんか物足りない気がするんだがな。

ラプターエンジンが単体で作動することは確認されているし、昨年の給水塔ライクなスターホッパーによる飛行試験も成功している。

その意味では、図体がデカくなっただけの今回の試験が成功したことには、大した意味がないような気もする(まだ1mmも飛んでないしな)。

ステンレス製のタンクで、実物大に近い構造を作り、制作技術、材料の選定、バルブや配管、制御システムを作り上げる工程で失敗を繰り返してきた。

その成果が現れたわけだな。

今回のテストの評価は行われている最中だろうが、早速、次回のテストの話も出ている。

「SpaceXは、Starship車両の500フィート(150メートル)のホップテストに向けて準備を進めています。SpaceXがStarshipの下でさらにラプターのテスト射撃を試みるのか、それとも500フィートのホップを試みる前に低空飛行を行うのかは明確ではありません。」

順当に考えれば、もう少し長めのスタティックファイアテストを何度か繰り返して、各部のデータを収集してから先に進むのが順当だろうが、この会社の場合は何が順当かは分からないからな。

壊して見なけりゃわからんだろう!?(そうなのかあ?)。

まあいい。

(SpaceXのStarshipロケットが初めて発砲した(そして生き残った))
https://www.teslarati.com/spacex-starship-survives-raptor-static-fire/

「SN4は4.9バール(〜70 psi)にしか加圧されず、安全な軌道飛行に必要な〜8.5バールからかなり離れていましたが、小さな飛行試験を実行するには十分すぎると報告されています。」

「Starship SN4の最初の部分ウェットドレスリハーサル(WDR)を効果的にマークしたいくつかの限られた燃料供給の後、SpaceXは5月2日に最初のテスト試行を中止しました。5月3日に、Starship SN4にもう一度推進剤が搭載され、単独のラプターエンジンでスピンプライムテストと呼ばれるものを実行しました。」

ほほう、すんなりいったわけじゃないんだ・・・。

「SpaceXは数時間かけて船のメタン推進剤をリサイクル(および再冷却)し、プレバーナーテストを正常に実行し、ラプターのタービンを回転させ、最終的に燃焼室内で混合する2つのガスジェネレーターに点火しました。」

「5月5日午後8時57分CDT(01:57 UTC、5月6日)にラプターエンジンを発火させました。マスクは、点火テスト(約3秒続く)が正常に完了してから数時間後に確認しました。」

標題に(そして生き残った)などと書かれる程度には、リスキーなテストだったんだろう。

「Starshipにはすでに着陸脚が取り付けられており、このような短くて遅いホップのためにノーズコーンは必要ありませんが、SpaceXは、SN4が安全に飛行できるようになる前に、ある種の姿勢制御システム(ガススラスタなど)を取り付ける必要がある場合もあります。」

記事には、飛び上がる前に数回のテスト行われるような記述もある。

「おそらく追加のテストが1〜2回保留中」

昨年のスターホッパーとは、大きさも重さもバランスも異なる。

新エンジンと専用の制御システムがうまく作動して、離着陸が成功するかどうかは分からない。

その前に行われるであろう「追加のテスト」とやらが、無事に済むかどうかさえ不明だ。

そもそも、実用化されたメタンエンジンは、人類史上存在しないからな(BEー4がどうなっているのかは未確認)。

移動体に取り付けられ、空に舞い上がったこともない。

前例無き事態には、前例無き対応で。

まあ、対応の方は前例豊富かもな・・・。

壊してみなくちゃわかんない(そんなあ!)。

一歩進むためには、3回くらいぶっ壊さないとな。

我々は、アポロ計画において、サターン5型ロケットのFー1エンジンの開発で苦労した話を知っている。

(F-1ロケットエンジン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-1%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3

「7年間にわたる開発期間中には、燃焼の不安定性に起因する問題が何度も起こり、それはしばしば大事故にまで発展した」

「これらの問題は予想もしなかった時に突然発生するため、最初のうちは対策は遅々として進まなかった。4 kHzの振動と24 kHzの高調波が確認された。」

エンジン内部で火薬を爆発させるという掟破りの手法で解決されたようだが、今のところラプターの開発はスムーズに進んでいるように見える(推力不足との話がどうなったかは未確認)。

スターシップは、その巨大さや構造(ステンレス使用など)、運用(完全再使用)など、前代未聞のロケットであり、同時に宇宙船でもある。

ブースターの助けを借りるとはいえ、自力で宇宙空間に上がって軌道飛行し、再び完全な形で着陸する再使用型宇宙船としては、スペースシャトル以来ということになる。

耐熱タイルむき出しで離床し、14名の宇宙飛行士の命を奪った呪われた宇宙機・・・。

米国は、再使用に見切りをつけ、使い捨ての安物(!)を作り続ける道を選んだ(そうなのかあ?)。

スターシップは、その長い長いトンネルの出口に見える光だ。

ぶっ壊れるなら、今のうちに徹底的に壊れるがいい。

1段目のエンジン(BEー4)だけ回収しようというULAのバルカンロケットのような、志が低い話ではない。

全て、丸ごと回収して、整備もそこそこに再使用するという夢のようなロケットなわけだ。

つーか、我々が思い描いていた宇宙ロケット本来のカタチだ。

実現までに少々時間が掛かったとしても、人類の歴史の中では僅かな遅れだ。

安全安心なロケットを得るために、必要なことは全てやっておいてもらいたいもんだな・・・。

根拠なき推定なのか:アフリカは若年層多いから感染爆発はない?2020年05月08日 22:30

根拠なき推定なのか:アフリカは若年層多いから感染爆発はない?


(アフリカで数千万人感染の恐れ WHO「流行数年続く」)
https://www.asahi.com/articles/ASN58426YN58UHBI001.html

集団免疫なんて念頭にないド素人集団のアフリカ経済委員会と違って、一応専門家集団の端くれだから、年内に12億人以上が感染するなどとは言わない。

「感染防止対策に失敗すれば、アフリカで今後、数千万人が感染する恐れがある」

「2900万~4400万人がこの1年で感染する恐れがある」

「流行は数年間続く」

ちっと控えめに過ぎる気もするけど、まあ、妥当な線だな。

問題は次だ・・・。

「若年層が多いことなどを理由に、「世界の他の国のように指数関数的には感染は拡大しないだろう」」

アフリカの年齢階層別人口が典型的なピラミッド型であることは、このブログでも書いた(事例的に採り上げたのはナイジェリアだが、たぶん他も同じ傾向だろう:未確認)。

我が国でも、10代以下の感染者数自体は相対的に少ないと見られている(浮沈子は信じてないけどな)。

(日本国内の感染者9800人 NHKデータ分析)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/analysis/

「男性:
・10歳未満 1.1%
・10代 1.8%」

「女性:
・10歳未満 1.4%
・10代 3.0%」

しかし、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染が、若年層で少ないというエビデンスはない。

新生児を含めた、一定規模以上の網羅的な抗体検査を行ったという話は聞かないからな(WHOアフリカ地域事務局は、独自に調査したのかも知れない)。

我々が見ているのは、感染者ではなく発症者だ。

ごく一部では、例えばダイヤモンドプリンセスなどのように、無症状の感染者を拾っているが、殆ど全ての検査は発症者に対して行われている。

だから、そもそも医療機関にアクセスしない軽症の感染者を含めて、このウイルスの全体的な感染状況を知ることはできていない。

もう、全世界で400万人が罹患しつつあるというのに。

やれやれ・・・。

じゃあ、逆に、アフリカでの指数関数的な感染爆発は起こるのか。

潜在する若年感染者が、急速に高齢者層に感染を広げて、億単位の発症者を生み出し、てんてこ舞いの事態になるのか。

そうはならない(たぶん)。

西アフリカのエボラの時に見たように、アフリカでは人は静かに死んでいく。

PCR検査にアクセスすることも、人工呼吸器のお世話になることもない。

そんなもんは、限られた都市部の病院だけにしかない。

風邪の症状が進行し、肺炎になり、呼吸困難を起こして死ぬ。

感染症だと分かっているから、埋葬等については注意深く行われるだろうが、再び、葬式経由で拡散する可能性もある(良い子は触らないでね!)。

爆発的な感染が起こらないように見えるのは、それを捕捉する仕組みがないからに過ぎない。

「今後4~6週間で多くの国で感染のピークを迎えるという。」

地元のアフリカ連合の見立ても、おそらくは違っている。

ひょっとすると、アフリカは(そしてインドも)世界で最も早く自然感染による集団免疫を獲得する可能性がある。

それは、決して好ましいことではなく、憂うべきことなのだが。

「南ア政府の感染対策を担う専門家のサリム・アブドル・カリム氏は「国内の感染者は今後、数十万~百万人単位に及ぶとの予測が出ている」と話す。」

そんな程度ではないだろう(南アフリカ共和国の人口は、約6千万人)。

ワクチン接種もままならない医療環境の中で、新型コロナは静かに蔓延していく。

それで何かが変わるわけではない。

社会的距離政策は、豊かな先進国だけが取り得る贅沢な処方箋だ。

一度はそれを試みるかもしれないが、長くは続かない(経済的に持たないからな)。

海外からの渡航を制限することも困難だろうし、一度国内に入った感染症を終息させるのは至難の業だ。

ただ指を咥えて眺めているだけしかない。

その感染速度を少しだけ遅らせることができたとしても、そして、10年後にワクチンが使えるようになった時としても、トータルで亡くなる人はさほど変わらないかもしれない(そんなあ!)。

特効薬が誕生し、広く行きわたり、医療サービスに容易にアクセスすることができるようになって初めて、この地域の死者数が減ることになる。

ワクチンがもっと早く開発されたら救われるんじゃないか。

残念ながら、その見込みも少ない。

そもそも、現在でも必要とされるワクチン接種が十分に行われているわけじゃない。

それを支援する立場の先進国だって、今はそれどころじゃないしな。

アフリカの新型コロナに光が当たる日は来るのか。

欧米の感染が終息し、余った特効薬の売り先を探して国連が買い上げてくれるとかになれば、思い出したように話題になるだろう(そうなのかあ?)。

風呂は上から温まる(どっかの国の与党党首の名言ですが)。

21世紀の人類は、あんま進歩しているとは言えないかもな・・・。