🚀再使用ロケット:欧州の取組2024年07月22日 01:07

再使用ロケット:欧州の取組


(ロケットレポート:ファイアフライのCEOが辞任、アルテミスIIコアステージが工場を出発)
https://arstechnica.com/space/2024/07/rocket-report-fireflys-ceo-steps-down-artemis-ii-core-stage-leaves-factory/

「テミスのホップテストは来年に延期」

「アリアネグループが開発し、ESAが資金提供している欧州のテミス再使用型ブースターの最初のホップテストは、来年まで開始されないと欧州宇宙飛行が報じている。」

「テミスのホップは、スペースXがファルコン9ブースターの回収と再利用を開始する前に、一連の大気圏内での上下飛行テスト飛行を行ったスペースXのグラスホッパーロケットに似ている。」

「テミス ブースターは、ESA が資金提供したメタン燃料のプロメテウス エンジンで駆動されます。ヨーロッパの大型再使用ロケットは 2030 年代まで飛行しない可能性が高いですが、アリアン グループの子会社であるマイア スペースは、来年にもデビューする予定の、より小型で部分的に再使用可能な 2 段式ロケットを開発しています。」

「マイア ロケットは、改良されたテミス ブースターを第 1 段として使用します。」

(テミスプログラム)
https://en.wikipedia.org/wiki/Themis_programme

「2020年12月現在の推定プログラムタイムラインは次のとおりです。」

2020年:タンク充填と地上支援装置のテストで構成される基本段階のテスト。
2021年:プロメテウスエンジンのテスト
2022年: 低高度ホップテスト(発射場までの短距離飛行)
2023年: 初期飛行試験
2023~2024年: ループテスト(再利用可能な実証機の繰り返し飛行)
2025年: 完全な飛行エンベロープテスト

つまりだな、2020年の予定では、2022年だった低高度ホップテストが2025年になったわけで、3年間の遅延ということだが、この業界では何の問題もないだろう(そうなのかあ?)。

マイアロケットは、その成果をいち早く生かして飛び立とうとしているようだが、少なくとも2028年ころにならなければ飛ばないに違いない(テキトーです)。

(ミッション)
https://maia-space.com/missions/

「2025 初飛行」

「2026年最初の回復」

無理無理!。

そもそも、テミスが飛ばなければ話は始まらない。

低高度ホップテストが順調に行ったとしても、完全に再使用機としてのテストが行われるのは早くて2028年、下手をすれば2030年代に入ってしまうだろう。

マイアロケットが飛ぶのは、2030年以降と見ておいた方が無難だ。

欧州が取り組んでいる再使用ロケットはほかにもある。

(カリスト)
https://en.wikipedia.org/wiki/CALLISTO

「小型の日本製40kN LOX - LH2ロケットエンジンで推進される再使用型VTVL デモンストレーター」

「2015年にプロジェクトが開始された時点では、CALLISTOは欧州宇宙機関(ESA)が主導していたわけではなく、当初はドイツ航空宇宙センター(DLR)とフランス宇宙機関(CNES)の単独共同プロジェクトだった。2017年6月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がCALLISTOパートナーシップに参加することを決定した。」

「この頃、日本がロケットのエンジンを提供することが合意された。そのエンジンは、JAXAが再使用型観測ロケットプログラム用に開発した40kNの再点火可能なLOx/LH2エンジンである。このエンジンは、15%の推力増加と16~46kNのスロットリング範囲を提供するように改造され、着陸段階での機体の適切な制御を可能にする。」

「プロジェクトのさまざまな側面は​​パートナー機関間で分担されており、DLRはフェアリング、ナビゲーション、フィン、機器ベイ構造、水素タンク、着陸システムを担当しています。CNESは過酸化水素スラスタ、テレメトリ、中和システム、地上セグメントを担当し、機器ベイの最終組み立ても行います。JAXAは酸素タンク、後部ベイ構造、電源、推進を担当しています。3つの組織はすべて、搭載コンピューターとフライトソフトウェアに取り組みます。」

水素エンジンというのは、最近の流行りじゃない。

が、まあ、完全な試験機だから問題ではない。

この研究が先行して、テミスの開発に生かされればいいんだろうが、こっちも遅れに遅れているからな。

「2018年には、プロジェクトのスケジュールではロケットの初飛行が2020年後半に行われ、飛行試験が2021年末までに完了する予定であると発表された。」

もちろん、今日に至るまで、実機の影も形もない。

「2024年には多数の飛行適性レビューが行われる予定です。」

やれやれ・・・。

(1段再使用飛行実験(CALLISTO)プロジェクト)
https://www.kenkai.jaxa.jp/research/callisto/callisto.html

「研究の目標」

「・・・
・CALLISTO実験機の着陸から再飛行までの一連の運用を通じて、ヘルスマネジメント技術などのエンジン再整備を効率化する技術を試行するとともに、運用コストに関するデータを蓄積します。

・CALLISTO実験機の開発と飛行実験を通して蓄積したデータに加えて、その他の要素研究の状況も踏まえて総合的な評価を実施し、1段再使用ロケットの取り組み方針を明確にします。」

我が国の次期基幹ロケットは、再使用を前提に開発することが決まっている。

打ち上げが年に2回くらいしかない現状を踏まえれば、再使用にするメリットはあまりないだろう。

使い捨てで十分なのではないか。

政府系衛星だけを打ち上げるのに、それ程高頻度である必要はない。

コストを考えても、製品寿命が20年で、1つのモデルで50回程度の打ち上げしか行わないのなら、使い捨てで十分な気もする。

カリストの研究より、テミスの開発が先行するかもしれない(そうなのかあ?)。

1段目の部分的再使用が実用化されるかどうかはビミョーだ。

アリアン6は、それを生かすことが出来る高頻度な打ち上げ需要がないことを理由に、使い捨てで開発された。

たぶん、スペースXにしても、スターリンクの打ち上げがなければ、また、他の低軌道コンステレーションの打ち上げ需要(米軍とか)がなければ、それ程頻繁に打ち上げられることはないだろう。

再使用ロケットは、高頻度打ち上げの需要があって初めて成立するモデルのような気がしている。

スターシップが実用化されれば、民間衛星はごっそり持っていかれるだろうしな。

10分の1以下のコストで上げられるのに、わざわざ高い金を払うというのはいかがなものかということになる。

特殊な時期、特殊な軌道に上げる必要がある研究用の衛星や探査機以外には、わざわざ国産の使い捨てロケットを使う必要もないだろうしな。

それだって、高頻度打ち上げの中で、吸収されてしまうかもしれない。

S社独り勝ちな状況が生まれる。

まあ、どうでもいいんですが。

S社以外の再使用ロケットに未来はない(そうなのかあ?)。

が、それでも、再使用に取り組まなければ生き残ることはできないだろう。

高頻度打ち上げがない再使用というのは、新たな状況だ。

JAXAが目的としている年6回の打ち上げとか、ESAの年間10回程度の打ち上げでペイするような再使用ロケットを作らなければならない。

カリストは水素燃料で試験するようだが、図体がデカくなっちまう水素燃料で再使用という話はないだろう。

灯油やメタンエンジンの開発はこれからということになる。

欧州は、その点ではプロメテウスエンジンを開発していて一日の長がある。

スターシップが飛ぶ時代に、部分的再使用ロケットの開発に莫大な金を投入するという時代錯誤な話になる。

が、米国はSLSというお荷物を抱え、更に時代錯誤な使い捨てロケットの開発(2段目とかブースターとか)を続けることになるわけで、S社以外はいずこも同じ状況なわけだ。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子は、再使用ロケットの時代が来るのではないかと思っていたけど、案外、そうじゃない気もしている。

高頻度打ち上げな需要は限られていて、それはスターシップのような完全再使用ロケットに独占される。

それ以外の打ち上げ需要って、いったいどの程度あるんだろうか。

商用静止軌道は年間20機程度だし、電気推進やら燃料補給で衛星寿命が長くなるから、これからは減少傾向になる。

しかも、それを打ち上げるロケットがスターシップになっちまったら、1機当たりの質量は10トンを軽く超えてくるようになるだろう。

他のロケットで打ち上げられない超重量級衛星が増えてくれば、ますます需要は減少するだろう。

GPSなどの中軌道衛星の打ち上げ需要は限られているし、それだって相乗りになる可能性もある。

低軌道の地球観測衛星などは、殆ど相乗りで十分だろう。

本当に限られた軌道を取らざるを得ない研究用の衛星でなければ、各国が開発する使い捨てロケットなり、部分的再使用ロケットの登場する機会は無くなる。

つまり、再使用ロケットの時代は来ないということなわけだ。

しかし、S社一択の状況のリスクもあるからな。

今回、ファルコン9の2段目の不具合で打ち上げが止まっているように、何か問題が起これば宇宙開発全体がスタックする。

ブルーオリジンが頑張って、せめて2社体制で高頻度打ち上げをカバーするようにならないとな。

2020年代は仕方ないとしても、2030年代にはそういう形にしてもらわないと、健全な状況にはならない。

民間航空業界におけるB社のようなことになれば、宇宙開発全体に弊害が広がることになる。

S社は、事故調査が完了しないうちにロケット飛ばしたいようだが、有効な再発防止策が取られるかどうかはビミョーだ。

地上や宇宙空間での安全が確保されるなら、バンバン故障しても構わないということにはならんだろう。

ちゃんと原因突き止めて、キッチリ対応してもらわんとな・・・。

🚀近頃宇宙で流行るもの2024年07月13日 17:17

近頃宇宙で流行るもの


配管からのガス漏れと2段目エンジン再点火失敗。

スターライナーのヘリウム配管フランジからのガス漏れ、アリアン6の2段目エンジンの再点火(正確には、2度目の再点火)が不発に終わった話は既に取り上げた。

(スターリンク衛星、ファルコン9上段の故障で失われる)
https://spacenews.com/starlink-satellites-lost-on-falcon-9-upper-stage-failure/

「マーリンエンジン1基の初回燃焼時に第2段で液体酸素の漏れが見られたと指摘されている。」

「エンジンの部品に異常に氷が堆積した」

「同社は、エンジンの予定された1秒間の再点火中に発生した異常の性質については詳しく述べなかった。マスク氏は、エンジンが「RUD」、つまり「予定外の急速な分解」(rapid unscheduled disassembly)に見舞われたと述べた」

ファルコン9よ、おまえもか・・・。

エンジンはぶっ壊れたが、2段目の機体は破壊されず、不活性化措置は取られたようだ。

「スペースXは声明で「ステージは生き残り、衛星を展開した」と述べている。ステージはまた、ミッション終了時の標準的な手順である「自己不活性化」も可能で、ステージの分解を引き起こす可能性のある燃料タンクとバッテリーからエネルギー源を除去した。」

やれやれ・・・。

ファルコン9、特にスターリンクの打ち上げなんて飛んで当たり前、成功した打ち上げにニュース価値はなく、失敗した時だけ取り上げられるという不幸な状況になっている(そうなのかあ?)。

FAAは、待ってましたとばかりに、ファルコン9による打ち上げを全面的に停止した。

「飛行再開は、事故に関連するシステム、プロセス、手順が公共の安全に影響を及ぼさないとFAAが判断した場合に限られる」

民間宇宙旅行の打ち上げだけではなく、NASAのISSミッションも延期になる可能性が高い。

スターライナーは、8月中旬以降もISSに留まり続ける可能性が出てきた(ポート空けなくていいからな)。

まあ、どうでもいいんですが。

「宇宙産業は、この事故以前にも300回以上の連続打ち上げ成功を記録していたファルコン9への依存度をますます高めている。これは、その高い飛行率と他の乗り物への対応力不足によるものだ。」

年間100回もの打ち上げをこなすロケットに、依存するなというのが無理な話だ。

スターシップの時代になれば、その傾向はますます顕著になるだろう(たぶん、年間1000回以上)。

「ファルコン9号が何カ月も飛行停止となれば、打ち上げ計画が長期にわたる遅延に直面し、代替打ち上げの選択肢もほとんどないため、業界の多くにとって「壊滅的」となるだろう」

既に確立されたと思っていたファルコン9の打ち上げで、しかも、使い捨てとなっている2段目の、さらに、これまで1度も失敗したことがなかったマーリンD真空エンジンでトラブルが起きたことの影響は大きい。

が、形あるものは全て壊れる。

永遠に不変なものなど、この世にはない。

「壊れないものはない!」という真理だけが永遠に不変なだけだ。

スペースXに、何かが起こっている。

ボーイングにも起こり、NASAにも起こり、アリアンにも起こった何か・・・。

ダイビングのように、リスクを伴うレジャーをしていると、その辺りが何となく見えてくる気がする。

物事が上手くいっているように見えるのは、そこにリスクがなくなったからではない。

リスクは、それを回避するための措置を講じられて、一時的に表面化していないだけの話だ。

相変わらず厳然として存在し、ミッションを脅かし続けている。

適切に回避するための努力を怠れば、たちどころに表面化して禍いをもたらす。

確認を怠らず、万が一の備えを整え、避け難いと思われれば躊躇なく断念する。

今回のファルコン9のトラブルは、上手の手から水が漏れた類の話だが、それがたまたまなのか、慢心手抜き思い込みな話なのかは知らない。

原因はやがて明らかにされるだろうが、数百回の打ち上げを経てもなお、そこには魔物が潜んでいる。

使い捨ての2段目でのトラブルか・・・。

回収して、何が起こったのかを確認することはできない。

スターライナーのサービスモジュールみたいなもんだからな。

データを丹念に洗い出し、地上でのシミュレーションを行い、再現できなければ追加の打ち上げを行って確認するしかない。

開発ではそれでいいかも知れないけど、トラブルシューティングになれば、まれに起こる事象に対する仮説を検証することは難しい。

何が起こっているのか、その限度は何か、どの程度の頻度で起こるのか、回避や代替の手段はあるのか。

まあいい。

今日は、Nバンのエアコンの修理依頼に行ってきた。

蛍光塗料入りのガスに入れ替えて、漏洩か所を見つける算段をすることになった(機器的な故障でない場合)。

こっちも、配管からのガス漏れかあ!?。

幸い、エンジンの起動に問題はない。

北半球の暑い夏、ガス漏れの夏・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(米「スペースX」 主力ロケット打ち上げ失敗 液体酸素漏れる)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240713/k10014510671000.html

「地元メディアによりますと、このロケットの失敗は、エンジンの燃焼試験の際に爆発し、積んでいた人工衛星が失われた2016年以来だということです。」

NHKが直近の失敗の例としてい取り上げたのは、アモス6の地上試験の際の爆発だ。

原因は酸素タンクの中に設置されたヘリウムを入れた複合材料のタンクによるものとされており、今回の爆発(RUD?)の原因とは異なる(たぶん)。

地元メディアのせいにしているけど(そうなのかあ?)、あんま適切とは思えないな。

機体が無事だったことを考えると、トラブったのはエンジンだけだろう。

浮沈子的に注目しているのは、今まで問題を起こしたことがない2段目のマーリンDエンジンがトラブったことだ。

液酸の配管系統(エンジン内?)からの漏れが原因かもしれないけど、そこんとこはまだ分からない。

原因究明と解決策の策定は長期間に及ぶ可能性もある。

アモス6の時も、かなり手間取ったからな(記憶では、3か月くらい止まったと思ったんだがな:2016年9月3日(事故日)から2017年1月13日まで(次の打ち上げの前日):4か月半近く止まった:大外れ!)。

「アメリカのFAA=連邦航空局は、このロケットの打ち上げを再開するには調査の完了と新たな許可が必要だとしています。」

来年まで、ファルコン9(ヘビーも)が飛ばないなんてことになれば、大騒ぎだ。

この事態の影響は、想像をはるかに超えて大きいかもしれない。

有人打ち上げはもちろん、無人の打ち上げもひっ迫しているからな。

10月10日には、エウロパクリッパーの打ち上げも予定されている(2段目は、ファルコン9と同じ)。

が、こっちはこっちで、別の問題を抱えているようだ・・・。

(NASA、エウロパ・クリッパーの電気スイッチの評価を継続)
https://blogs.nasa.gov/europaclipper/2024/07/11/nasa-continues-assessing-electrical-switches-on-europa-clipper/

「NASA のエウロパ クリッパー ミッションのエンジニアたちは、宇宙船の電気の流れを制御するトランジスタの広範なテストを続けています。」

「トランジスタの問題は、同様の部品が予想よりも低い放射線量で故障するという報告をミッションチームが受けた5月に発覚」

「2024年6月には、この問題をユーザーに知らせる業界アラートが発令」

やれやれ・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

スペースニュースの追加記事によれば、20機のスターリンク衛星は軌道を上げることが出来ずに全機大気圏で消滅するとのこと。

合掌・・・。

🚀アリアン6:初打ち上げの評価2024年07月11日 21:27

アリアン6:初打ち上げの評価
アリアン6:初打ち上げの評価


(欧州の新型ロケット「アリアン6」初打ち上げ 軌道到達と超小型衛星放出に成功)
https://sorae.info/ssn/20240710-ariane6.html

「欧州宇宙機関(ESA)は日本時間2024年7月10日に「アリアン6」ロケット初号機の打ち上げを実施しました。ロケット2段目の軌道到達と搭載されていたペイロードの軌道投入に成功したことがESAから発表されています。」

おう、成功だったのかあ?。

「一方、打ち上げミッション第3段階の技術デモンストレーションとして発射2時間37分後頃に計画されていた2段目エンジン3回目の燃焼と、それに続く再突入カプセル2機の分離は実施されませんでした。」

「2段目のVinciエンジンを再点火するにはアリアン6用に開発された補助推進装置(Auxiliary Propulsion Unit: APU)が必要」

「APUの主な役割は推進剤タンクの加圧ですが、浮遊する推進剤をVinciエンジンの再点火時にタンクの底へ集めるために加速度を生じさせたり、必要に応じて推力を追加させたりする役割も」

「APUは超小型衛星放出後に一旦は再始動したものの、何らかの問題が生じて数秒後に停止し、その後の2段目は計画通りの軌道から逸れていった」

ミッションとしては部分的成功という評価が妥当なんだろう。

(打ち上げ履歴)
https://en.wikipedia.org/wiki/Ariane_6#List_of_launches

「質量シミュレータを搭載したアリアン6号の初飛行。上段は補助動力装置の異常により2度目の再起動に失敗し、軌道離脱噴射が不可能となった。」

「このペイロードは主に質量シミュレーターであったが、複数の相乗りペイロードも搭載していた。これらには、5つの実験(GAREFのPariSat、Sint-PieterscollegeのPeregrinus、OLEDCOMMのLIFI、Libre SpaceのSIDLOC、ESAのYPSat )と8つのCubeSat(RapidCubeのOOV-Cube、PTSのCurium One 、リスボン大学のISTSat、カタロニア工科大学の3Cat-4 、SpacemanicのGRBBEta、モンペリエ大学のROBUSTA-3 、 NASAのCURIE 、Orbital MatterのReplicator)が含まれており、これらは正常に展開された。この打ち上げでは、第2段が軌道から外れた後に展開される予定だった再突入カプセル2つ(ArianeGroupのSpaceCase SC-X01とThe Exploration CompanyのNyx Bikini )も搭載されていたが、機体は予定通り再突入しなかった。」

「打ち上げ結果:部分的な失敗」

うーん、まあ、どっちでもいいんですが。

が、浮沈子の評価は異なる。

(ヨーロッパ初のアリアン6号の飛行は目的のほとんどを達成したが、予定より早く終了した。)
https://arstechnica.com/space/2024/07/europes-first-ariane-6-flight-achieved-most-of-its-goals-but-ended-prematurely/

「8分を少し切ったところで、ヴァルカン2.1エンジンが停止し、ロケットの主段が下がって上段のヴィンチエンジンが軌道速度まで加速する役割を終えた。主段と同じ液体水素と液体酸素の混合物を燃焼するヴィンチエンジンは、飛行開始から18分半ほど経過して予備的な移行軌道に到達するまで噴射された。」(初期点火:浮沈子注)

「上段は地球を半周した後、ヴィンチエンジンを短時間再点火し、高度約360マイル(580キロメートル)、赤道に対して62度の傾斜で円軌道を描いた。」(第1回再点火:浮沈子注)

「しかし、その発言から間もなく、上段の故障により、ヴィンチエンジンは地球の大気圏に再び突入して破壊的な再突入を狙う3回目の燃焼を完了することができなくなった。」(2度目の再点火に失敗:つーか、再点火はしたんだが継続できなかった:浮沈子注)

「ほとんどのロケットは推進剤タンクを加圧するためにヘリウムを使用しますが、設計者は重量を軽減し、低推力のセカンダリーエンジンとしてのAPUの追加の利点を活用するために、アリアン6にAPUを導入しました。」

「上段には補助推進装置(APU)も搭載されており、基本的には小型の第2エンジンで、いくつかの重要な機能を果たす。」

「これらには、上段の推進剤タンクから少量の液体水素と液体酸素を引き出し、3D プリントされたガス発生器で加熱し、その後、ガスをタンクに注入して加圧するといったことが含まれます。APU はまた、ヴィンチ エンジンが点火される前に上段のタンクに浮遊している推進剤を沈めたり、宇宙空間でのロケットの位置を微調整してペイロードをわずかに異なる軌道に放出したりするのに十分な、低レベルの推力も生成します。」

ガス発生機(ガスジェネレーター)で生成されたガスというのは、たぶん、水蒸気だろう(燃料が水素と酸素だからな:未確認)。

最近のロケットは、2段目の長期間運用や再点火が流行っていて(流行りなのかあ?)、いろいろ複雑な仕掛けを施している。

欧州らしい小技の連発で、使い捨てロケットのネガを、少しでも緩和して再使用に対抗しようといういじましい取り組みだ(そういうことかあ?)。

「ある時点で、APU を再点火しました」「再点火しましたが、その後停止しました。なぜ停止したのかはわかりません。これは、すべてのデータを入手したときに理解する必要があることです。」(アリアン6ロケットの主契約者であるアリアングループのCEO、マーティン・シオン氏)

「APU の故障は、残りの試験飛行にいくつかの影響を及ぼした。APU が作動せず、ロケットの燃料タンクを適切に調整できなかったため、ヴィンチ エンジンは再起動できなかった。」

「ミッション開始から 2 時間半以上経過して予定されていたこの 3 回目のヴィンチ燃焼は、ロケットの速度を十分減速させて軌道から外れ、大気圏に再突入し、太平洋上でロケットが分解するはずだった。」

この故障の影響が、初回の点火や燃焼に及ぼす影響は見えていない。

「フランスの打ち上げサービス会社アリアンスペースのCEO、ステファン・イスラエル氏は、APUの問題は次回のアリアン6号の飛行には「影響しない」と述べた。」

「この飛行では、CSO-3というフランス軍の偵察衛星が打ち上げられる予定」

「フランスのCSO-3衛星は低高度軌道に打ち上げられる。1つの衛星で低軌道に打ち上げられるため、このミッションでは火曜日に試みたようにアリアン6号の上段でAPUを複数回点火する必要はないと思われる。」

しかしながら、推進剤タンクの加圧や推進剤をタンクの下部に押し付ける加速は必要だからな。

アリアン6は、ホットステージじゃないから、2段目を分離した時の加速はゼロになる。

その際にAPUを働かせているかどうかは不明だ(<以下追加>参照)。

もしそうなら、今回、3回目の点火(2回目の再点火)後に失火したというのは重要なネガになる。

APUの作動に信頼がおけないということだ。

「今夜の打ち上げ成功によって我々は次のミッションの準備ができる」

ステファンイズラエルは強気の発言をしているけど、根本的なところで問題を抱えていることを露呈した打ち上げとなった。

最後の最後で躓いたわけではない。

16機のペイロード(その中で2段目から分離されるのは11機)のうち、分離できなかったのは2機だけだから、成功は16機中14機(87.9%)だとか、そういう割合の話でもない。

1回目の再点火には成功しているから、確かに機能することは確認されたが、2度目の再点火(継続燃焼)に失敗したことの影響はデカい。

原因の究明は急務だ。

同時に、このロケットに対する今後の運用にも影響が出かねない。

(欧州宇宙機関、アリアン6ロケット初号機を打ち上げるが上段に問題発生)
https://spaceflightnow.com/2024/07/07/esa-makes-final-preparations-for-its-inaugural-ariane-6-launch/

「6月下旬、前述のEUMETSAT(欧州気象衛星輸出機構)は、メテオサットMTG-S1衛星の打ち上げを、アリアン6(アリアン64構成を採用した最初のロケット)の3回目の打ち上げから、スペースXのファルコン9ロケットに変更すると発表した。これは、ル・モンド紙が最初に報じた。」

これに対しては、関係者から避難囂々だったようだが、初打ち上げの状況を見れば、先見の明有りというところだろう。

「アリアン6号の打ち上げに必要な技術的条件は整っており、ロケットも確かに利用可能でした。欧州の主要な宇宙開発国や欧州委員会が欧州のロケットで欧州の衛星を打ち上げるよう呼びかけているこの時期に、ユーメトサットがこのような決定を下した理由を私は待ち焦がれています!」(CNESの会長兼CEOであるフィリップ・バティスト氏)

ズバリ、信頼性の欠如だ。

「EUMETSATの決定は「理解しがたい」」(ESAのヨゼフ・アッシュバッハー事務局長)

今は、十分理解できるんじゃないのかあ?。

「ロケット危機の終焉は手の届くところにある。今こそ、欧州が間近に迫っている宇宙への自律アクセスを支援する時だ」(同上)

鼻息が荒いのは結構だが、実質が伴わなければ何にもならない。

フランスの軍事衛星が今年上がるかどうかに注目だな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ローンチタイムライン)
https://spaceflightnow.com/wp-content/uploads/2024/07/20240705_Ariane6_launch_timeline.jpg

スペースフライトナウのページに張られていた画像を見ると、発射後のシーケンスが確認できる(ちゃんと見てない証拠だな)。

画像からのOCRはこのページを参照・・・。

(無料&ブラウザ上でPDF・JPEG・PNG・GIFファイルからOCRによるテキスト抽出ができる「OCR PDFs and images directly in your browser」)
https://gigazine.net/news/20240404-ocr-pdfs-and-images-directly-in-your-browser/

「Time Event
(hh:mm:ss)
 -00:00:07 Valcain ignition.

➀ 00:00:00 Booster ignition and liftoff

➁ 00:02:16 Booster separation

➂ 00:03:39 Fairing separation

  00:07:35 Vulcain 2.1 cutoff

➃ 00:07:41 Upper stage separation

⑤ 00:07:50 First Vinci boost

  00:08:53 First Auxiliary Propulsion Unit power up

  00:18:32 Vinci cutoff

⑥ 00:56:20 Second Vinci boost

  00:56:42 Vinci cutoff

  01:05:36 Auxiliary Propulsion Unit cutoff

⑦ 01:05:53 First separation command:

         00V-Cube, Curium One, Robusta-3A and initialisation of YPSat and Peregrinus

⑧ 01:05:56 Second separation command:

         3Cat-4, ISTSat-1, GRBBeta and initialisation of SIDLOC and Pariat

⑨ 01:06:02 Third separation command:

         CURIE and Replicator

  01:14:12 Second Auxiliary Propulsion Unit power up

  01:43:41 Auxiliary Propulsion Unit cutoff

  01:51:11 Third Auxiliary Propulsion Unit power up

⑩ 02:37:15 Third Vinci boost

  02:37:43 Vinci cutoff

  02:39:26 Auxiliary Propulsion Unit cutoff

⑪ 02:40:13 Capsule separation command:

         Nyx Bikini and SpaceCase SCX01

  02:40:33 First passivation manoeuvre」

ポイントは⑤からだな。

➃で2段目を切り離した直後に、ヴィンチエンジンを点火している(00:07:50)。

APUの起動はその後だ(00:08:53)。

つまり、初回のヴィンチエンジンの点火には、ステファンイズラエルが言うように、APUの不具合は影響しないと考えるのが妥当だ。

興味深いのは、必ずしもヴィンチエンジンの点火とAPUの起動とは1対1で対応しているわけではないことだな。

そこんとこだけ抽出するとこうなる。

00:07:50 First Vinci boost:第1回目ヴィンチ起動
(ヴィンチのみ起動)
00:08:53 First Auxiliary Propulsion Unit power up:第1回目APU起動
(両方起動)
00:18:32 Vinci cutoff:第1回目ヴィンチ停止(作動時間10分42秒)
(この間はAPUのみ起動)
00:56:20 Second Vinci boost:第2回目ヴィンチ起動
(両方起動)
00:56:42 Vinci cutoff:第2回目ヴィンチ停止(作動時間12秒)
(この間はAPUのみ起動)
01:05:36 Auxiliary Propulsion Unit cutoff:第1回目APU停止(作動時間57分46秒)
(推力なし)
01:14:12 Second Auxiliary Propulsion Unit power up:第2回目APU起動
(この間はAPUのみ起動)
01:43:41 Auxiliary Propulsion Unit cutoff:第2回目APU停止(作動時間29分29秒)
(推力なし)
01:51:11 Third Auxiliary Propulsion Unit power up:第3回目APU起動(起動するもその後停止)
(この間はAPUのみ起動予定)
02:37:15 Third Vinci boost:第3回目ヴィンチ起動予定
(両方起動予定)
02:37:43 Vinci cutoff:第3回目ヴィンチ停止予定(作動時間28秒予定)
(この間はAPUのみ起動予定)
02:39:26 Auxiliary Propulsion Unit cutoff:第3回目APU停止予定(作動時間38分15秒予定)
(推力なし)

このシーケンスを見ると、確かに、いいところまでは行った感じだな。

部分的失敗というのは妥当な評価かも知れない。

01:14:12の第2回目APU起動と、その後の30分近い燃焼は上手くいっている。

まあいい。

欧州の威信を賭けたロケットは、初めから完璧には動作しなかった。

その影響がどうなるのかは知らない。

2段目の初期点火にAPUが関与していない点は確認出来た。

が、その信頼性に疑問符が付いたことは事実だ。

初期点火後に、衛星をデプロイしたあと、APUの点火や再点火のテストを行うことは可能だろう。

ミッションをこなしながら、熟成させていくことは可能だ。

今後に期待だな・・・。

🚀スターライナー:問題の本質2024年07月11日 19:52

スターライナー:問題の本質


(スターライナーのスラスター問題に関するNASAの最新情報:これは問題ない)
https://arstechnica.com/space/2024/07/starliner-still-doesnt-have-a-return-date-as-nasa-tests-overheating-thrusters/

「スターライナーのサービスモジュールにある28基の反応制御システムスラスタのうち5基が、先月宇宙船が宇宙ステーションに接近した際にオフラインになった。」

「スターライナーの飛行ソフトウェアは、5基の制御ジェットが過熱して推力を失い始めたときに、これらを無効にした。スラスタのうち4基は後に回復」

1基は回復していない。

つまり、スラスターの故障の原因は過熱らしいこと、そして、それは場合によっては回復不可能な損傷をエンジンに与えるということだ。

「これらの小型スラスタは、軌道離脱噴射自体には必要ありません。軌道離脱噴射では、別のエンジンセットを使用してスターライナーの速度を減速し、軌道から外れて着陸に向かいます。しかし、スターライナーは、軌道離脱噴射のために適切な方向に操縦するために、十分な制御ジェットを作動させる必要があります。」

問題は解決されたわけではない。

「商業乗組員プログラムの素晴らしい点は、乗組員を帰還させるために使用できる 2 台の乗り物、2 つの異なるシステムがあることです」(NASAの商業乗組員プログラムマネージャー、スティーブ・スティッチ氏)

「そのため、データを調べて、何か別のことをする必要があるかどうかを決定するのにもう少し時間がかかります。しかし、現在の最優先の選択肢は、スターライナーでブッチとスニを帰還させることです。現時点では、そうしない理由は見当たりません。」(同上)

歯にものが挟まった言い方だが、スターライナーを使わずに、クルードラゴンで2人の宇宙飛行士を帰還させるという選択肢は(現時点では)ないということだ。

そうなんだろうか?。

「問題の本質」

「この一連のテストは、スターライナーのスラスターが軌道上で経験したことを模倣した一連の点火で7月3日に始まった。」(テストの内容は割愛:スラスターの過熱を再現)

「しかし、テスト技術者は地上のスラスターを宇宙でスターライナーのスラスターが経験したほど熱くすることができなかった」

「当局は今週後半にテストを再開し、週末に終了することを望んでいる。」

つまりだな、地上試験は失敗したということだ。

(宇宙船スターライナー飛行士が地球帰還に自信、機体不具合でISS滞在長期化)
https://jp.reuters.com/life/FSJI4HPOFNPE5HHCR4EAEZTYJQ-2024-07-11/

「現在NASAとボーイングが進めている調査の結果が鍵を握っている」(スターライナーに乗り込んだバリー・ウィルモア氏)

今後の調査で原因が特定できない場合、彼らの帰還は一か八かのギャンブルとなる。

そりゃあ、緊急事態でのリスク承知の帰還とは異なり、試験飛行としての安全を確保したうえでの帰還として、ギャンブルになるということなわけだ。

それでも、故障が起こった原因を特定できずに離脱させることに変わりはない。

故障を起こしたサービスモジュールは、再突入の前に切り離され、地球大気圏で燃え尽きる。

証拠隠滅・・・。

不具合を起こしたのが、エンジンの想定外の長時間高頻度使用に伴う加熱によるという仮説は、地上試験によって確認されないままということになる(まだ、来週の試験が残ってるけどな)。

それは、ヘリウム漏れについても同様だ。

「ヘリウム漏出の原因特定作業も行われている。」

(スターライナーはテストが続く中、7月末に復帰予定)
https://spacenews.com/starliner-return-eyed-for-end-of-july-as-tests-continue/

「私たちが達成できた温度は、飛行データに基づいて期待していた温度とは少し違う」(NASAの商業乗組員プログラムマネージャー、スティーブ・スティッチ氏)

「同氏によると、エンジニアたちはヒーターを使って、エンジンの噴射自体と太陽光への露出によってエンジンが受ける温度条件を再現しようとした」

「スターライナーのサービスモジュールにある「ドッグハウス」と呼ばれるスラスターを収容する構造物は、これまで考えられていたよりも多くの熱を保持する可能性がある」

ボーイングの杜撰な熱設計か・・・。

「エンジニアたちは、宇宙船の離陸に向けたスラスターの性能のモデル化に着手する前に、追加のテストが必要かどうかを検討している。RCSスラスターは、ステーションからの離陸や軌道離脱にはそれほど頻繁には使用されず、実際の軌道離脱の燃焼は別の大型スラスターによって行われる。」

うーん、そっちも心配だな(同じドッグハウス内に収容)。

「同氏は、(中略)地上テストと関連作業が完了するまでクルー飛行テスト(CFT)ミッションの終了を待ちたいと強調」

つまりだな、安全性は確認されていないということだ(そうなのかあ?)。

「エンジニアらがスラスターの問題とヘリウム漏れの両方に関連する「30件強」の作業に取り組んでおり、その半分以上は完了していると述べた。すべて来週末までに完了する予定」(ボーイングの副社長兼商業乗務員プログラムマネージャーのマーク・ナッピ氏)

検討の結果、スラスターの交換やドッグハウスの再設計が必要ということになれば、開発はさらに遅延する。

当局にとって(もちろん、B社にとっても)懸念されるのはそっちの方の話かもしれない。

軌道上に実機がある間に、地上試験で出来ることを行い、改善できる要素(例えば、ソフトウェアの差し替え:B社は得意だからな)があれば、この試験飛行の間に目途を着けたいに違いない(離脱時にチェックするつもりかも)。

世間は、帰還できないでISSで暇こいている2人の宇宙飛行士のことばっか気にしているけど、本質的な話はそこじゃないのかもしれない。

宇宙飛行士は消耗品だ(そんなあ!)。

「打ち上げの数日前には、スターライナーでブッチとスニを家に帰さなければなりません」「私たちはデータを追跡し、いつドッキング解除と着陸を目標にできるかを見極めるために真剣に取り組んでいます。一部のデータでは、楽観的に見て7月末までになるだろうと示唆していると思います。」(スティッチ氏)

つまり、逆に悲観的に見れば、8月中旬ギリギリまで帰還できないことになる。

おそらく、そうなるに違いない。

バッテリーの寿命から見たスターライナーの係留期間は7月20日に切れるけど、認定しているのが当事者のNASAだからな。

どーにでもなるだろう。

2つの問題(ヘリウム漏れとスラスターの故障)をどこまで解決できるかというのが、CFTにおける本質だ。

解決できないまま、再突入で実機(サービスモジュール)を失うことになれば、下手をするともう一度CFTを行う必要が出てくるかもしれない。

そこは、まあ、無人で飛ばしてもいいのかもしれないし、実際にISSに接舷しなくても、同じ条件でシミュレーションできるだけでいいかもしれない。

が、環境要因(軌道上の熱環境含む)があるから、地上試験だけで済ませるわけにはいかないだろう(だからこそ、今、粘りに粘っているわけだからな)。

報道では、そことのところが今一つ明確ではない気がする。

つーか、当事者(NASAとボーイング)が、明確にしたくないところでもある(CFT-2が必要とか)。

やれやれ・・・。

この件に付き合い始めて1か月以上になるけど、ようやく全容が見えてきた気がする。

んな話は無人機のレベルで解決しておくべき話だ。

2回も飛ばしたくせに、何やってたんだか・・・。

まあいい。

浮沈子的には、この背景にあるのはエアロジェット・ロケットダインとB社との関係にあるのではないかと見ている。

仕様に従って部品を納品すればいいという考えのロケットダインと、それにまつわるトラブルシューティングを含めて解決への協力を期待するB社との軋轢は、バルブ固着(OFT-2)で表面化した。

その結末がどうなったかは知らないが、スラスター供給元のロケットダインと、宇宙船の設計製造に当たっているB社という構図は同じだ。

熱設計が問題ということなら、B社の責任は大きい。

スターライナーのサービスモジュールに搭載されている合計52基のエンジンは使い捨てになる。

コスト構造として、ライバルであるクルードラゴン(エンジンは全て回収される)に比べて割高になることは明らかだ。

つーことはだな、徹底したコスト管理が行われていることになる(そういうのは、B社は得意だからな:そうなのかあ?)。

CFTの打ち上げ前に、必要な冗長性(運用手順)が確保されていなかったことが発見されて、対策が講じられるまで打ち上げが延期された話は記憶に新しい。

この宇宙船はヤバ過ぎる。

モグラ叩きのように、次々と新たなトラブルが表面化する。

まだ開発レベルだし、運用初期にはありがちな話だが、その内容がひどすぎるからな。

尋常とは思えない。

悪いことは言わない。

ISSに閉じ込められている宇宙飛行士2人は、クルードラゴンで帰還させるべきだ。

テスト飛行とはいえ、潜在的なリスクが大き過ぎる。

ISSの運用やスケジュールに多少の変更が必要だろうけど、それで失うものは贖いがつく。

基礎的な設計(今回判明しているのは熱設計:まだ、そうと決まったわけではないけど)に瑕疵がある可能性が高いスターライナーは、まだ、有人で飛ばせる段階には至っていない。

ヘリウム漏れについては、まだ、謎なままだ(原因の判明も、解決の見通しもない)。

たっぷり積んでいるから大丈夫というのは、現状の漏洩率が変わらないと仮定した場合の仮の話だ。

打ち上げ前には、1か所だった漏洩か所は、現在では5倍に増えている。

仮に、ISSから離脱して、サービスモジュールを切り離す(これ自体もヤバいイベントだけどな)までに、さらに5倍(25か所)の漏洩か所が生じたらどーする!?。

10倍積んでるから大丈夫とは、必ずしも言えないのではないのかあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

おそらく、スターライナーは今月(7月)中にはISSを離脱できないだろう。

当局は、ギリギリまで解決の道を探りたいに違いない。

それでも、浮沈子的にはCFT-2の可能性が高まっている気がする。

或いは、スターライナーの運用断念か。

当局は、2つの問題が解決されない限り、ミッション運用はしないと明言している。

ISSタクシーはケツカッチンのミッションだからな。

2030年までしか、ISSが飛んでいないとすれば、来年前半の運用開始がギリギリとなる。

来年後半ということになれば、場合によってはISSの運用期間の延長が必要だ。

2025年前期:クルードラゴン
2025年後期:スターライナー1回目
2026年前期:クルードラゴン
2026年後期:スターライナー2回目
2027年前期:クルードラゴン
2027年後期:スターライナー3回目
2028年前期:クルードラゴン
2028年後期:スターライナー4回目
2029年前期:クルードラゴン
2029年後期:スターライナー5回目
2030年前期:クルードラゴン
2030年後期:スターライナー6回目

2030年後期というのは、少なくとも2031年2月くらいまでは、ISSに係留されているということだからな。

おそらく、CFT-2が行われることになれば、2025年後期のミッションスタートに間に合わない公算が高い。

それよりなにより、打ち上げに必要なアトラスVが足りなくなる。

既に、使用可能な1段目は限られており、アマゾンと奪い合うことになる(そうなのかあ?)。

NASAとB社は追い詰められている。

やっぱ、宇宙飛行士の気分にかまってる暇なんてないだろう。

「私は文句を言っていませんし、ブッチも文句を言っていません。私たちがここに2週間余分にいることに対して」(NASAの宇宙飛行士スニ・ウィリアムズ:スペースニュースの記事より)

2週間の余分の滞在期間は、おそらく2か月に達するだろう(当初予定は6月14日だった:もう忘れたけど?)。

かくも長き不在かあ・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(NASAとボーイング、スターライナーの帰還に先立ち地上テストを実施:Posted onJuly 10, 2024)
https://blogs.nasa.gov/boeing-crew-flight-test/2024/07/10/nasa-boeing-conduct-ground-tests-ahead-of-starliner-return/

「今月末に機関レベルの準備状況の見直しが行われた後、NASAとボーイングは、有人飛行試験の新たな目標帰還日を選択する予定」(After an agency-level readiness review later this month, NASA and Boeing plan to select a new target return date for the Crew Flight Test.)

ちょっと英語のお勉強・・・。

(later this month のニュアンスについて)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1211317617

「今月後半あるいは、今月下旬というように使われるようですが、微妙に違います。」

「ベストアンサー:
月初めに「later this month」と云えばその月の下旬、月の中央あたりで「later this month」といえば下旬でも「月末近く」と言ったニューアンスになります。 聞き手にとっては何れにしても明確な日にちにはなりませんが、大部分の場合「月末の4~5日間に」と理解しています。」

NASAの記事は、10日にリリースされている(上旬だけど、まあ、月半ばな印象だ)。

既に見たように、追加の地上試験が行われるかどうかも含めて、来週末(7月20日)までには、何らかの結論(試験結果)が出ているものと思われる。

それを評価するプロセス(1週間くらい?:26日頃か)を経て、幹部がうんうん唸って結論を出すんだろう(29日頃か)。

月内に、離脱(帰還)の目標日が設定されることはない(タイミングは4日に1回訪れるそうです)。

早くて8月上旬(8月2日以降?)、遅ければ中旬にかかる可能性もある(12日ころ?)。

もちろん、ギリギリまで粘ったというエクスキューズも必要だ。

NASAはお役所だからな。

納税者に対して、説明責任を果たさなければならない。

つーことは、あれだな、CFT-2は不可避という結論が既に出ているということなわけだ(そうなのかあ?)。

こんな状況で、正規のミッションを実施するわけにはいかないだろう。

改善するための影響は小さくない。

熱設計をやり直せば、構造・材質的な変更やそれらに伴う必要な試験も行わなければならない。

それを避けるために、スラスターの噴射時間や噴射間隔を短くして運用ができないかをシミュレーションしているんだろうが、付け焼刃な対策で済むかどうかは怪しい。

ヘリウム漏れはもっと深刻になる可能性もある。

延々と止まらない漏れと格闘し続けたSLSの悪夢が蘇るからな(あれもB社じゃなかったっけえ?)。

CFTで、やるだけのことはやったという言い訳を作っておかなければ、CFT-2に移ることはできないだろう。

➀2度目の有人飛行になるのか、➁OFT-3として無人で行うのか、➂強引にミッションにつなげて、OFT-2+ミッション1にするのか。

➂の場合の宇宙飛行士の数や、ロシア側の乗員の可否も問題になるだろうな。

まあ、どうでもいいんですが。

地上試験で、熱的劣化が再現できなかったというのは痛いな。

それが真の原因なのか、はたまた別の原因(エンジンそのものの欠陥)に伴う現象として出ているだけなのかは分からない。

このトンネルを抜けるには、もう少し時間が必要なようだ・・・。

🚀再使用ロケット:JAXAの研究2024年07月02日 09:09

再使用ロケット:JAXAの研究


(日本、再利用可能な次世代ロケットの研究を実施)
https://spacenews.com/japan-conducting-studies-for-reusable-next-gen-rocket/

「宇宙政策に関する基本計画に基づき、JAXAは三菱重工と共同で、第一段再利用機能を備えた新世代ロケットの研究を開始した」(JAXA広報部)

なんだ、まだ研究段階か・・・。

「H3は、H-2Aロケットのより高性能でコスト効率の高い後継機となることを目的とした使い捨てロケットです。」(昨日、運用打ち上げに成功したようです)

「液体水素と液体酸素の混合燃料で稼働」

「液体メタンも液体水素も候補の一つです」(JAXA)

ふーん、液体メタンは流行の最先端なわけだ。

「スペースX、ブルーオリジン、ULAなどの米国のロケット企業、および中国の国営企業CASCと民間企業のランドスペースとiSpaceは、メタン・液体酸素ロケットを打ち上げたか、打ち上げ間近である。」

まあいい。

「JAXAは、H3に比べて低地球軌道(LEO)への1キログラム当たりのコストを約半分に削減することを目標としている」

「現在、JAXAとMHIが新型ロケットの詳細な検討を行っているため、目標ペイロードの能力は確定していない。」

「基本計画では、このロケットは宇宙輸送計画の一環として2030年代までに完成するとしている。このプロジェクトは、完全な再利用と有人宇宙飛行をサポートするために拡大される可能性」

いやいや、それはムリポだろう。

我が国には、宇宙飛行士が爆発炎上木っ端微塵になっちまったり、ISSへ行ったきり帰ってこられなくなる状況を受け入れるメンタリティはない。

また、完全再使用を実現するために、100機ものロケットを試し打にするような開発手法を認める文化(文化なのかあ?)もない。

H3は、1回失敗しただけで大騒ぎだ。

やれやれ・・・。

重工に再使用ロケットの開発を飲ませるのは大変だったろうな。

軌道打ち上げロケットのような高負荷、大エネルギーエンジンを再使用するというのは、基本的には筋が悪い。

H3のLE-9エンジンのように、低コストで使い捨てにするのが理に適っている。

そもそも、このエンジン自体が、爆発性が少ないということで有人機に向いているとして採用されたと記憶している。

それを、できたそばから捨てちまう話がスタートしたわけだ。

我が国の宇宙開発は臨機応変だな(そういうことかあ?)。

「インターステラーを含む新興企業が現在、ロケット打ち上げに取り組んでいる。」

ここの社長は、再使用ロケットに否定的だからな。

まあ、どうでもいいんですが。

15年先(開発は2030年代中だそうです)を見据えてスタートした我が国の再使用ロケットの「研究」。

100回の打ち上げと99回の失敗を受け入れて、完成させることが出来るかどうかは分からない。

中国は一足先に、再使用ロケット開発における墜落爆発炎上木っ端微塵を演じて見せた(そういうことかあ?)。

S社ほどではないにしても、トライアンドエラーを受け入れる素地は整っている(関係者の処分(粛清?)はいくらでもできるだろうしな:そうなのかあ?)。

我が国が、チャレンジや冒険を受け入れる基盤を作ることが出来るかどうかが問題だ。

S社が1段目の再使用(回収)に成功したのは2015年。

早くても、2035年ころになると思われるH4(名称未定)の1段目回収ということになると、完全に1世代(20年)遅れていることになる。

浮沈子の見立てでは、そのころにはスターシップの有人化が果たされている可能性があるからな。

もちろん、完全再使用。

彼我の差は、広がるばかりだ。

まあ、どうでもいいんですが。

名目上とは言いながら、我が国も再使用ロケットの「研究」に名乗りを上げているわけだ。

「現時点では詳細はほとんど決まっていない。」

掛け声倒れになる可能性もあるということだな(そうなのかあ?)。

我が国はこれから縮退の時期に入ることになる。

人工は半減し、GDPも縮小、開発コストはかけられず、単独国家として宇宙開発が続けられるかどうかも疑問だ。

飛ぶ鳥を落とす勢いの米国や、猛然と食らいついている中国とは比較にならない。

それはそれで仕方ない。

出来る範囲で、国際協力にも縋りながら、ちまちまと進めていくしかない。

独自の打ち上げ能力を持続していくためには、技術伝承のサイクル(20年?)で、開発を続けていくしかない。

再使用というのは、その際に頭のてっぺんに乗っけるための帽子に過ぎない。

何も新規性がないところに、開発の金を投じるわけにはいかないからな。

しかも、経費を削減するという錦の御旗もついてくる(コストを約半分に削減することを目標:再掲)。

そうでもしなければ、開発予算は取れないからな。

しかし、それはあくまでも名目だ。

実現できるかどうかは別の話。

ぶっちゃけ、浮沈子的には、我が国が再使用ロケットを本気で開発しようとしているようには見えない。

今後の展開次第では、独自打ち上げロケットの維持自体が困難になる可能性もある。

10分の1の値段で、はるかに高頻度に打ち上げられるロケット(スターシップ)があるのに(2035年時点)、なんで独自ロケットが必要なのか。

その議論に耐えられるだけの需要と技術は、我が国にはないからな(未確認)。

まあ、頑張ってくださいとしか言いようがない。

部屋の中のゾウ(スターシップ)が解き放たれた時、打ち上げロケットの世界は様変わりするだろう。

H4ロケットは、重工にとって第二のスペースジェットになりかねない。

断るに断れない事情があったのかもしれないが、ババを引いたことに違いはない。

関係者は、IFT-4をどんな思いで見守っているんだろうか・・・。