🚀アルテミス:運命の再突入:「確信」の根拠 ― 2026年04月11日 07:07
アルテミス:運命の再突入:「確信」の根拠
(NASAは、アルテミス2号の耐熱シールドが再突入時の乗組員の安全を確保すると確信している。)
https://spaceflightnow.com/2026/04/10/nasa-confident-artemis-ii-heat-shield-will-protect-crew-during-re-entry/
「歴史が示すように、組織が実際には理解していない問題を理解していると思い込んだときに事故が発生する」(元宇宙飛行士のチャールズ・カマルダ氏)
「批判者たちは初日からこれらの会議に出席しておらず、チームと会って彼らの目を見て、会議の最後に握手をしたことがない」(搭乗している4人の宇宙飛行士の一人であるビクター・グローバー氏)
まあ、宇宙飛行士だから、技術的な問題の根拠を人間的な信頼に求めることについては大目に見るしかない。
アルテミス2の再突入がギャンブルであることは既に書いた。
(アルテミス:アルテミス2:耐熱シールド再び)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2026/02/07/9835339
「ギャンブルであることは間違いないが、そのリスクは受け入れ可能だと判断しているのだ。
物理の神様と幸運の女神さまに、全てを委ねている。
もう一度、画像の耐熱シールドを、穴のあくほどよーっく見ておこう(もう、穴、あいてるじゃん!?)。」
まあ、どうでもいいんですが。
(NASA有人月ミッション「アルテミスII」いよいよ地球帰還へ 日本時間11日午前に大気圏再突入)
https://sorae.info/space/20260410-artemis-ii-ready-to-reentry.html
「再突入の飛行経路は今回限定の短縮バージョン
NASAによると、今回のOrion宇宙船クルーモジュールの再突入では「Lofted Entry(ロフテッドエントリー)」と呼ばれる、通常の月からの帰還時よりも大気圏での飛行距離を大幅に短縮した飛行経路が採用されています。この変更は、2022年に無人で実施された「Artemis I(アルテミスI)」ミッションで確認された、耐熱シールドの予想外の損傷に対応するための措置です。」
「耐熱シールドの損傷を防ぐために強く加熱するというのは矛盾して聞こえますが、記者会見ではNASAのAmit Kshatriya副長官補がこの件に改めて言及しており、耐熱シールドの素材と熱負荷の相互作用を考慮した結果、より急速な加熱によって気化を促進させる方が有利だと判断したためだと回答しています。」
「なお、「Artemis III(アルテミスIII)」以降のミッションで使用されるOrion宇宙船のクルーモジュールでは、材料の製造方法を見直してガスの透過性を高めた新しい耐熱シールドが用いられるため、本来のスキップエントリーに戻る予定だということです。」
まあいい。
添付されている画像を見ると、今回も1回上昇してからの着水になる(画像参照)。
ギャンブルが吉と出るのか凶と出るのか。
その結果は、間もなく出る。
トイレの故障やサービスモジュールのヘリウム漏れ(外部への漏れはないようですが)に悩まされ続けたアルテミス2は、この記事を書いている2時間後に着水予定だ。
大気圏再突入時には、6分間のブラックアウトが生じる。
「計画によると、Orion宇宙船はアメリカ東部夏時間4月10日19時33分(日本時間翌11日8時33分)頃に、エンジンなどがあるサービスモジュールを、クルーが搭乗するクルーモジュールから分離します。その後、クルーモジュールは19時53分に高度40万フィート(約122キロメートル)で大気圏に突入します。この時の速度は時速約2万3864マイル(秒速約10.6キロメートル)に達し、プラズマ化する大気の影響で約6分間の通信途絶(ブラックアウト)が発生します。
通信が回復した後の20時03分、高度2万2000フィート(約6.7キロメートル)付近で減速用のパラシュートが展開され、続く20時04分には高度6000フィート(約1.8キロメートル)付近でメインパラシュートが展開されます。そして大気圏突入から13分後のアメリカ東部夏時間10日20時07分(日本時間翌11日9時07分)頃、クルーモジュールはカリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋へ着水する予定です。」
無事の着水を祈ろう・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
無事の着水を確認した(手元の時計では、09:08だったけどな)。
とりあえずは、目出度し目出度しだ・・・。
(NASAは、アルテミス2号の耐熱シールドが再突入時の乗組員の安全を確保すると確信している。)
https://spaceflightnow.com/2026/04/10/nasa-confident-artemis-ii-heat-shield-will-protect-crew-during-re-entry/
「歴史が示すように、組織が実際には理解していない問題を理解していると思い込んだときに事故が発生する」(元宇宙飛行士のチャールズ・カマルダ氏)
「批判者たちは初日からこれらの会議に出席しておらず、チームと会って彼らの目を見て、会議の最後に握手をしたことがない」(搭乗している4人の宇宙飛行士の一人であるビクター・グローバー氏)
まあ、宇宙飛行士だから、技術的な問題の根拠を人間的な信頼に求めることについては大目に見るしかない。
アルテミス2の再突入がギャンブルであることは既に書いた。
(アルテミス:アルテミス2:耐熱シールド再び)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2026/02/07/9835339
「ギャンブルであることは間違いないが、そのリスクは受け入れ可能だと判断しているのだ。
物理の神様と幸運の女神さまに、全てを委ねている。
もう一度、画像の耐熱シールドを、穴のあくほどよーっく見ておこう(もう、穴、あいてるじゃん!?)。」
まあ、どうでもいいんですが。
(NASA有人月ミッション「アルテミスII」いよいよ地球帰還へ 日本時間11日午前に大気圏再突入)
https://sorae.info/space/20260410-artemis-ii-ready-to-reentry.html
「再突入の飛行経路は今回限定の短縮バージョン
NASAによると、今回のOrion宇宙船クルーモジュールの再突入では「Lofted Entry(ロフテッドエントリー)」と呼ばれる、通常の月からの帰還時よりも大気圏での飛行距離を大幅に短縮した飛行経路が採用されています。この変更は、2022年に無人で実施された「Artemis I(アルテミスI)」ミッションで確認された、耐熱シールドの予想外の損傷に対応するための措置です。」
「耐熱シールドの損傷を防ぐために強く加熱するというのは矛盾して聞こえますが、記者会見ではNASAのAmit Kshatriya副長官補がこの件に改めて言及しており、耐熱シールドの素材と熱負荷の相互作用を考慮した結果、より急速な加熱によって気化を促進させる方が有利だと判断したためだと回答しています。」
「なお、「Artemis III(アルテミスIII)」以降のミッションで使用されるOrion宇宙船のクルーモジュールでは、材料の製造方法を見直してガスの透過性を高めた新しい耐熱シールドが用いられるため、本来のスキップエントリーに戻る予定だということです。」
まあいい。
添付されている画像を見ると、今回も1回上昇してからの着水になる(画像参照)。
ギャンブルが吉と出るのか凶と出るのか。
その結果は、間もなく出る。
トイレの故障やサービスモジュールのヘリウム漏れ(外部への漏れはないようですが)に悩まされ続けたアルテミス2は、この記事を書いている2時間後に着水予定だ。
大気圏再突入時には、6分間のブラックアウトが生じる。
「計画によると、Orion宇宙船はアメリカ東部夏時間4月10日19時33分(日本時間翌11日8時33分)頃に、エンジンなどがあるサービスモジュールを、クルーが搭乗するクルーモジュールから分離します。その後、クルーモジュールは19時53分に高度40万フィート(約122キロメートル)で大気圏に突入します。この時の速度は時速約2万3864マイル(秒速約10.6キロメートル)に達し、プラズマ化する大気の影響で約6分間の通信途絶(ブラックアウト)が発生します。
通信が回復した後の20時03分、高度2万2000フィート(約6.7キロメートル)付近で減速用のパラシュートが展開され、続く20時04分には高度6000フィート(約1.8キロメートル)付近でメインパラシュートが展開されます。そして大気圏突入から13分後のアメリカ東部夏時間10日20時07分(日本時間翌11日9時07分)頃、クルーモジュールはカリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋へ着水する予定です。」
無事の着水を祈ろう・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
無事の着水を確認した(手元の時計では、09:08だったけどな)。
とりあえずは、目出度し目出度しだ・・・。
🚀メタン燃料:凝縮相爆轟:あまりに米国的な試験 ― 2026年03月21日 09:08
メタン燃料:凝縮相爆轟:あまりに米国的な試験
(NASAは、ロケット打ち上げ業界の最新鋭ロケット燃料がどのように爆発するのかを知りたいと考えている。)
https://arstechnica.com/space/2026/03/nasa-is-blowing-stuff-up-to-study-the-explosive-potential-of-methalox-rockets/
「ロケットに燃料を詰め込み、人里離れた場所で爆発させ、その爆発の大きさを測定するのです。」(サブタイトル)
「アメリカの連邦所有宇宙港における射場安全を担当する米宇宙軍とNASAは、メタン・酸素燃料ロケットの爆発による危険性が、他のロケットの爆発による危険性とどのように異なるのかをより深く理解したいと考えている。打ち上げがより日常的なものとなり、企業が1日に複数回の打ち上げを想定している状況では、この問題は重要となる。」
「試験の観点から、BDAをどれだけ小さくしても安全なのか、という分析がまだできていないのです」(フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地の東部射場司令官であるブライアン・チャットマン大佐:BDA:爆撃効果判定?)
「現在実施されている爆発力試験は、当局が危険性分析を微調整し、メタン・酸素混合燃料ロケットの危険区域の適切な規模を決定するのに役立つことを目的としている。」
「ロケットに燃料を詰め込み、人里離れた場所で爆発させ、爆発の大きさを測定するのです」(NASAステニス宇宙センターのメタン・酸素評価プロジェクトの副責任者であるジェイソン・ホッパー氏)
「試験は1月に開始され、爆発特性がよく知られているC-4を用いた2回の基準爆発が行われた。2月にはメタンと液体酸素が追加され、混合されていない推進剤を用いた4回の試験が実施された。」
「次の段階では、実際の打ち上げ失敗シナリオにより近い環境で推進剤を混合し、最初は2,000ポンドの試験体を使用し、その後20,000ポンドまで規模を拡大する予定だ。」
「技術者たちは、その結果を基に、打ち上げ時に1080万ポンド以上の推進剤を搭載するスペースX社のスターシップのような巨大ロケットの爆発可能性を評価する予定だ。」
「試験では、移送管の破損と2つの推進剤タンク間の共有壁の破損という2つの破損モードが検証される。」
「試験は6月に終了する予定だ。」
うーん、スケールとしては、スターシップの燃料の540分の1(2万/1080万ポンド)だからな。
それで十分なのかという気がしないでもない。
が、実際に爆発させて検証するというのは、実に米国的な感じがする。
「このような試験は数十年に一度しか行われません」「現在、非常に多くのロケットが打ち上げられているため、これは公共の安全、現場の安全、そして作業に伴うあらゆるリスクの軽減に貢献するでしょう。」(ホッパー氏)
「今回の調査結果は、今後何年にもわたって、打ち上げ場所の計画、安全手順、および安全要件の策定に役立つと期待される」(NASA)
記事によれば、S社は独自に試験を行い、それを採用するように働きかけたらしいが、当局は独自の試験に踏み切ったようだ。
その背景には、ある懸念が存在すると言われる。
「液体酸素とメタンは混和性が高く、容易に混ざり合うため、液体水素や灯油を燃料とするロケットよりも「著しく高い過圧」を伴う「凝縮相爆発」のリスクが高まる。NASAは2023年に、液体酸素と液化天然ガスの小規模混合物は「TNTよりも高い爆発力を持つ幅広い爆発範囲を示した」と記している。」
自動翻訳では凝縮相「爆発」となっているが、 “condensed phase detonation” with “significantly higher overpressures” とあるので、凝縮相爆轟が懸念されていることになる。
「次の段階では、実際の打ち上げ失敗シナリオにより近い環境で推進剤を混合」(再掲)
もしも、凝縮相爆轟が観測され、「TNTよりも高い爆発力を持つ幅広い爆発範囲」が確認されれば、退避エリアは現在より拡大する可能性がある。
当局が業界の圧力に屈せず、独自の検証を行うと決定したのは妥当だ。
燃やしてみなけりゃ分からんだろう?。
まあいい。
もっとも、S社はスターシップの初期の段階で爆発事故を起こしている。
(ニュースにならないファルコン9の1段目回収成功とスターシップの爆発:SN4は成功?or失敗?)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/30/9252366
<<以下引用>>
(Elon Muskが説明するSpaceXのStarshipの爆発)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-explosion-explained-elon-musk/
「クイックディスコネクトのマイナーテストになると思っていたことが結局大きな問題になった」
それって、なーに?。
「「クイックディスコネクト」(QD)は、ロケットとGSE(地上支援装置)を接続するアンビリカルポートを指し、推進剤と流体の積み降ろしを可能にし、ロケットを締め付け、地上コントローラーに有線テレメトリと通信リンクを提供します。 」
「SN4の爆発に関する最も可能性の高い説明は、テスト後にクイックディスコネクトが完全に再接続できず、SpaceXがロケットのタンクを取り始めたときに液体メタンポートからリークが発生したことです。」
<<引用終わり>>
エリックラルフが健在だったころの記事だ(その後、彼はバーンアウトして休業したらしい)。
記事では爆発の詳細についてさらに述べられていた。
「運命の土曜日、SpaceXは実物大のスターシップ試作機に搭載されたラプターエンジンの5回目の静止燃焼試験を成功裏に完了した。その前には約1時間半の機体点検と推進剤充填が行われた。しかし、ラプターエンジンの停止から約1分後、スターシップの底部にある特定の箇所から液体メタンとすぐに判明した物質が噴出し始め、極低温推進剤が沸騰して気化し、急速に巨大な雲を形成した。具体的な発生源は不明だが、その直後、スターシップSN4の下部にある何かが衝撃または火花を発生させ、拡大する火災の危険箇所に引火し、非常に大きく激しい爆発を引き起こした。」
「当然のことながら、偶発的に発生した燃料気化爆発により、スターシップSN4は瞬く間に破壊され、下部(液体酸素)タンクは鋼鉄の紙吹雪と化し、上部(液体メタン)タンクもすぐに破損し、地上に落下して再び爆発した。」
これを読む限りでは、液相で混合した爆轟ではなく、気化後の爆発な感じだ。
少なくともNASAが懸念している「高圧下での」凝縮相爆轟じゃない。
墜落激突爆発炎上木っ端微塵は、この後何度か(何度も?)起こっているけど、それらもおそらくは気化爆発だろう。
S社独自の試験というのは、経験上起こり得る想定として、気化した状態における爆発だろうと考えられる(未確認:TNT換算での規模が小さいからな)。
「業界データによると、政府はTNT爆薬の爆発相当値を25%以下に設定すべきであり、この変更によって発射台周辺の立ち入り禁止区域が大幅に縮小されるだろうと、スペースX、ブルーオリジン、その他メタン燃料ロケットを開発する企業が加盟するロビー団体である商業宇宙連盟は述べている。」(アルスの記事より)
さて、スケーリングされた試験の結果がどうなるかが見ものだな・・・。
(NASAは、ロケット打ち上げ業界の最新鋭ロケット燃料がどのように爆発するのかを知りたいと考えている。)
https://arstechnica.com/space/2026/03/nasa-is-blowing-stuff-up-to-study-the-explosive-potential-of-methalox-rockets/
「ロケットに燃料を詰め込み、人里離れた場所で爆発させ、その爆発の大きさを測定するのです。」(サブタイトル)
「アメリカの連邦所有宇宙港における射場安全を担当する米宇宙軍とNASAは、メタン・酸素燃料ロケットの爆発による危険性が、他のロケットの爆発による危険性とどのように異なるのかをより深く理解したいと考えている。打ち上げがより日常的なものとなり、企業が1日に複数回の打ち上げを想定している状況では、この問題は重要となる。」
「試験の観点から、BDAをどれだけ小さくしても安全なのか、という分析がまだできていないのです」(フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地の東部射場司令官であるブライアン・チャットマン大佐:BDA:爆撃効果判定?)
「現在実施されている爆発力試験は、当局が危険性分析を微調整し、メタン・酸素混合燃料ロケットの危険区域の適切な規模を決定するのに役立つことを目的としている。」
「ロケットに燃料を詰め込み、人里離れた場所で爆発させ、爆発の大きさを測定するのです」(NASAステニス宇宙センターのメタン・酸素評価プロジェクトの副責任者であるジェイソン・ホッパー氏)
「試験は1月に開始され、爆発特性がよく知られているC-4を用いた2回の基準爆発が行われた。2月にはメタンと液体酸素が追加され、混合されていない推進剤を用いた4回の試験が実施された。」
「次の段階では、実際の打ち上げ失敗シナリオにより近い環境で推進剤を混合し、最初は2,000ポンドの試験体を使用し、その後20,000ポンドまで規模を拡大する予定だ。」
「技術者たちは、その結果を基に、打ち上げ時に1080万ポンド以上の推進剤を搭載するスペースX社のスターシップのような巨大ロケットの爆発可能性を評価する予定だ。」
「試験では、移送管の破損と2つの推進剤タンク間の共有壁の破損という2つの破損モードが検証される。」
「試験は6月に終了する予定だ。」
うーん、スケールとしては、スターシップの燃料の540分の1(2万/1080万ポンド)だからな。
それで十分なのかという気がしないでもない。
が、実際に爆発させて検証するというのは、実に米国的な感じがする。
「このような試験は数十年に一度しか行われません」「現在、非常に多くのロケットが打ち上げられているため、これは公共の安全、現場の安全、そして作業に伴うあらゆるリスクの軽減に貢献するでしょう。」(ホッパー氏)
「今回の調査結果は、今後何年にもわたって、打ち上げ場所の計画、安全手順、および安全要件の策定に役立つと期待される」(NASA)
記事によれば、S社は独自に試験を行い、それを採用するように働きかけたらしいが、当局は独自の試験に踏み切ったようだ。
その背景には、ある懸念が存在すると言われる。
「液体酸素とメタンは混和性が高く、容易に混ざり合うため、液体水素や灯油を燃料とするロケットよりも「著しく高い過圧」を伴う「凝縮相爆発」のリスクが高まる。NASAは2023年に、液体酸素と液化天然ガスの小規模混合物は「TNTよりも高い爆発力を持つ幅広い爆発範囲を示した」と記している。」
自動翻訳では凝縮相「爆発」となっているが、 “condensed phase detonation” with “significantly higher overpressures” とあるので、凝縮相爆轟が懸念されていることになる。
「次の段階では、実際の打ち上げ失敗シナリオにより近い環境で推進剤を混合」(再掲)
もしも、凝縮相爆轟が観測され、「TNTよりも高い爆発力を持つ幅広い爆発範囲」が確認されれば、退避エリアは現在より拡大する可能性がある。
当局が業界の圧力に屈せず、独自の検証を行うと決定したのは妥当だ。
燃やしてみなけりゃ分からんだろう?。
まあいい。
もっとも、S社はスターシップの初期の段階で爆発事故を起こしている。
(ニュースにならないファルコン9の1段目回収成功とスターシップの爆発:SN4は成功?or失敗?)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/30/9252366
<<以下引用>>
(Elon Muskが説明するSpaceXのStarshipの爆発)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-explosion-explained-elon-musk/
「クイックディスコネクトのマイナーテストになると思っていたことが結局大きな問題になった」
それって、なーに?。
「「クイックディスコネクト」(QD)は、ロケットとGSE(地上支援装置)を接続するアンビリカルポートを指し、推進剤と流体の積み降ろしを可能にし、ロケットを締め付け、地上コントローラーに有線テレメトリと通信リンクを提供します。 」
「SN4の爆発に関する最も可能性の高い説明は、テスト後にクイックディスコネクトが完全に再接続できず、SpaceXがロケットのタンクを取り始めたときに液体メタンポートからリークが発生したことです。」
<<引用終わり>>
エリックラルフが健在だったころの記事だ(その後、彼はバーンアウトして休業したらしい)。
記事では爆発の詳細についてさらに述べられていた。
「運命の土曜日、SpaceXは実物大のスターシップ試作機に搭載されたラプターエンジンの5回目の静止燃焼試験を成功裏に完了した。その前には約1時間半の機体点検と推進剤充填が行われた。しかし、ラプターエンジンの停止から約1分後、スターシップの底部にある特定の箇所から液体メタンとすぐに判明した物質が噴出し始め、極低温推進剤が沸騰して気化し、急速に巨大な雲を形成した。具体的な発生源は不明だが、その直後、スターシップSN4の下部にある何かが衝撃または火花を発生させ、拡大する火災の危険箇所に引火し、非常に大きく激しい爆発を引き起こした。」
「当然のことながら、偶発的に発生した燃料気化爆発により、スターシップSN4は瞬く間に破壊され、下部(液体酸素)タンクは鋼鉄の紙吹雪と化し、上部(液体メタン)タンクもすぐに破損し、地上に落下して再び爆発した。」
これを読む限りでは、液相で混合した爆轟ではなく、気化後の爆発な感じだ。
少なくともNASAが懸念している「高圧下での」凝縮相爆轟じゃない。
墜落激突爆発炎上木っ端微塵は、この後何度か(何度も?)起こっているけど、それらもおそらくは気化爆発だろう。
S社独自の試験というのは、経験上起こり得る想定として、気化した状態における爆発だろうと考えられる(未確認:TNT換算での規模が小さいからな)。
「業界データによると、政府はTNT爆薬の爆発相当値を25%以下に設定すべきであり、この変更によって発射台周辺の立ち入り禁止区域が大幅に縮小されるだろうと、スペースX、ブルーオリジン、その他メタン燃料ロケットを開発する企業が加盟するロビー団体である商業宇宙連盟は述べている。」(アルスの記事より)
さて、スケーリングされた試験の結果がどうなるかが見ものだな・・・。
🚀今日は何の日:AIブログの日:ゴダードの日 ― 2026年03月17日 11:00
今日は何の日:AIブログの日:ゴダードの日
(ロバート・ゴダードによる世界初の液体燃料ロケットの飛行から100年)
https://sorae.info/space/20260316-robert-goddard.html
「雪が残るアメリカ・マサチューセッツ州オーバーンの農場で、宇宙開発の歴史を語る上で決して欠かせない出来事がありました。
当時、クラーク大学の教授だったロバート・ゴダード(Robert H. Goddard)が、妻のエスター・ゴダード(Esther Goddard)、助手のヘンリー・サックス(Henry Sachs)、同僚のパーシー・ループ(Percy Roope)らの立ち会いの下で、世界初の液体燃料ロケットを飛行させることに成功したのです。」
「今からちょうど100年前の1926年3月16日。」
浮沈子的には、それがどーしたという感が否めない。
「打ち上げ当日の朝。助手のサックスがトーチでエンジンを点火すると、ネルは空へと舞い上がりました。最高到達高度は41フィート(約12.5メートル)、飛行時間は3秒未満で、発射地点から60ヤード(約55メートル)離れたキャベツ畑に着地しました。」
ショボ・・・。
「そのロケットは「ネル(Nell)」と呼ばれていました。」
「オリオン宇宙船を打ち上げる大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」は、ネルと比べて高さは約30倍、重量は約50万倍にも達する巨大で複雑なシステムです。しかし、その心臓部は100年前にキャベツ畑へ到達したネルと同じ、液体燃料ロケットエンジンなのです。」
いやあ、コアステージの推力の大部分はSLSの両側についている固体燃料ロケットモーター(SRB)な気がするんだがな・・・。
ちなみにSLSの場合、推力の75パーセント以上はSRBだ。
まあ、どうでもいいんですが。
「世間は彼の先進的な構想をすぐには認めませんでした。NASA(アメリカ航空宇宙局)によれば、たとえばニューヨーク・タイムズは1920年に「宇宙空間には推進力を得るための空気がない」と評し、ロケットで月へ到達する構想を「信じがたい」、ゴダード本人に対しては「ハイスクールで習うレベルの知識が欠けている」と非難しています。」
「それでもゴダードは信念を曲げず、真空の宇宙空間でもロケットが推力を得られることを理論的に証明し、研究を継続します。」
「昨日の夢は今日の希望であり、明日の現実である」
「たとえ世間から冷笑されながらも一人の科学者として抱き続けた宇宙への夢は、人類の宇宙探査を力強く推進する“エンジン”として、今も力強く輝き続けています。」
ちょっと綺麗過ぎじゃね?。
米国のロケット技術の基盤を構築したゴダードは、しかし、その本格的な展開を見ることなく、62歳で他界している。
「ロバート・ハッチングス・ゴダード(Robert Hutchings Goddard)は、今ではアメリカにおけるロケット開発の父と評されている」
不遇の天才というのに相応しい。
ネルの打ち上げから100年、米国では(ごく一部でしょうけど)大いに盛り上がっているようだ。
(最初のロケット打ち上げから1世紀、Arsスタッフが選ぶお気に入りのロケット)
https://arstechnica.com/space/2026/03/a-century-after-the-first-rocket-launch-ars-staffers-pick-their-favorites/
「マサチューセッツ州生まれの物理学者ロバート・ゴダードは、100年前のこの日に、世界初の液体燃料ロケットを打ち上げた。
それはさほど印象的な飛行ではなかった。ガソリンと液体酸素を燃料とするロケットは、わずか41フィート(約12.5メートル)しか上昇せず、氷と雪に衝突するまでの飛行時間はわずか2.5秒だった。
しかし、「ネル」と名付けられたこのロケットは、現代の宇宙飛行時代の幕開けを飾る歴史的な偉業となった。それから30年後、液体燃料ロケットに搭載された最初の物体が宇宙へと打ち上げられ、間もなく人類もそれに続いた。人類が月面に降り立つまでには、さらに40年余りの歳月が流れた。」
「この歴史的な瞬間を記念して、Arsスタッフ数名が、これまでで最も印象に残っている製品発表会について語ります。」
・スペースシャトル・エンデバー:2010年2月:リー・ハッチソン
・デルタ1:1977年7月14日:ジョン・ティマー
・ソユーズFG:2014年:エリック・バーガー
・スペースシャトル・アトランティス:2011年7月8日:ジョナサン・ギトリン
・スペースシャトル・ディスカバリー:2010年4月5日:スティーブン・クラーク
5人が掲げた印象的な打ち上げのうち、3人がスペースシャトルを選んでおり、それには固体燃料ブースター(SRB)が付いていて、その印象が際立って大きいことに注目だな。
ロバードゴダードが設計製造して飛ばした初のロケットの形式である、液体燃料ロケットじゃない・・・。
ちなみに、スペースシャトルの場合、推力の85パーセントはSRBだ。
不遇の天才というのに相応しい(そういうことかあ?)。
まあいい。
時節ネタとは違うけど、様々な学習をしてきたAIはこのこと(ゴダードのロケット打ち上げ100周年)をどう捉えているんだろうか。
「ゴダードの初のロケット打ち上げから100年が経ちました。このことについて、400文字程度のブログ記事を書いてください。」
今日は、最近話題のアンソロピックのクロードに書いてもらおう。
「## 宇宙への扉を開いた2.5秒──ゴダード初飛行から100年
1926年3月16日、アメリカの物理学者ロバート・ゴダードは、マサチューセッツ州オーバーンの農場で世界初の液体燃料ロケット「ネル」の打ち上げに成功した。ガソリンと液体酸素を燃料としたそのロケットは、高度わずか41フィート(約12.5メートル)、飛行時間わずか2.5秒という小さな旅を遂げた。
しかし、この2.5秒が歴史を変えた。
このロケットは、後にナチスがロンドンに撃ち込んだV-2ミサイルの先祖となり、さらには人類を月に運んだサターンVロケットや、今日のSpaceXファルコン9の礎にもなった。
当時、ゴダードは「夢想家」として嘲笑され、その研究はSFと同一視されることもあった。だが彼は諦めなかった。最初の打ち上げから50年も経たないうちに、人類は月面に降り立った。
今年は打ち上げ100周年。AIAAをはじめとする航空宇宙団体が世界各地で記念イベントを開催し、次世代の宇宙探査を担う若い世代にゴダードの精神を伝えている。
「昨日の夢は、今日の希望、そして明日の現実となる」──若き日のゴダードが語ったこの言葉は、100年後の今も宇宙に響き続けている。」
外連味のない、真っ当なブログ記事だな。
液体燃料ロケットの系譜で言えば、サターンシリーズやファルコンズの方が相応しい。
スペースシャトルやSLSは、打ち上げ推力の大部分を担う固体燃料ブースターの印象が強すぎるからな。
クロードは、そこを踏まえて事例を絞っている(浮沈子の突っ込みを食らうこともないしな)。
当初、一般からの評価が得られなかったこと、諦めずに研究を続けたことなど、韻を踏んだ構成も際立っている。
合格!。
米国の宇宙開発は岐路に差し掛かっている。
月面基地開発を巡り、激しく追い上げる中国との競争にさらされている。
先日、NASAのアイザックマンのインタビュー動画を見た。
(NASA長官が単独インタビューでアルテミス計画のさらなる最新情報をほのめかす)
https://spaceflightnow.com/2026/03/14/nasa-administrator-teases-further-artemis-program-updates-in-one-on-one-interview/
「NASA長官のジャレッド・アイザックマン氏が、NASAケネディ宇宙センターでスペースフライト・ナウの記者ウィル・ロビンソン=スミス氏と会談し、アルテミス計画やその他のNASAの取り組みについて語った。」
33分余りだが、字幕自動翻訳で早口のアイザックマンの口調を追いながら見た。
アルテミス3号については、重要なことはまだ何も決まっていないことが分かった(2段目をどうするかとか、どの月着陸船とデモするのかなど)。
中国との競争と同じように、S社とブルーとの競争が最善の成果を引き出すと信じている(中国との競争環境下で、NASAが最善の選択ができるかどうかは未定ですが)。
が、S社とB社とを競争させたはずのISSタクシーではケチが付いた。
貨物輸送ではうまくいったんだがな(S社と競争したシグナスは今も飛んでます)。
まあいい。
ゴダードの不屈の精神は、今、100年の時を超えて米国の宇宙開発に最も必要となっているに違いない。
スペースシャトルの退役の際にも、NASAは試練にさらされた。
耐熱タイルの問題や、2度の事故に見舞われたこと、当初の思惑に反する莫大な運用コストなど、様々なネガを抱えて継続を断念する形で姿を消した。
ISSへの有人飛行はロシアのソユーズ頼みになり、米国の有人宇宙船は完全に途絶えた。
現在は、有人月面着陸において中国の猛追を受けている。
浮沈子的には、それ(月面着陸)自体は競争ではないと見ているけど(半世紀前にケリは着いている)、その後の月面基地の建設や、それを担保する高頻度の有人・無人の月への飛行を確保することについては、米中は熾烈な競争下に置かれている。
中国は、国家の全面的かつ強力なバックアップの元、オンスケジュールでの実現を目指して爆走している。
翻って米国を見た時、たった250億ドル(インフレを考慮すれば、アポロの頃の10分の1と言われる)の予算しかない。
そして、その多くがISSとSLSに消える。
アイザックマンは、2段目の標準化(セントールV)と1段目の開発を凍結することで、SLSの高頻度打ち上げを実現することで、月面開発を加速することを目論んでいるけど、どう逆立ちしても年に1度以上の打ち上げを実現することはムリポだ。
民間の無人機で月面探査を推進できたとしても、それで中露連携の月面基地に対抗できるかは怪しい。
SFNのウィル・ロビンソン=スミス記者は、中国との協力の可能性はないのかと問いかけたが、アイザックマンは議会が決めることだとかわして明言を避けた(米国議会は宇宙開発で中国と協力することを禁じている)。
2014年のクリミア併合以降、ISSにおける協力などで、ロシアとの間はぎくしゃくしても協力関係を続けているのにな。
まあ、どうでもいいんですが。
2030年代の宇宙開発において、中露連合と米国との競争は際立つに違いない。
これは、米ソの宇宙開発競争と異なり、イデオロギーの優劣を競う話じゃない。
地球外の領土を巡る熾烈な植民地競争であり、実力行使の奪い合いだ。
旗を立て、その旗を守り抜いた方の勝ちになる。
100年後、こんなザマになるとはゴダードも想像できなかったに違いない。
「昨日の夢は、今日の希望、そして明日の現実となる」(再掲)
夢が悪夢になったり、希望が絶望に変わったりしなけりゃいいんだがな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
NASAが5年前にいい記事を載せているので引用する(画像はこのページから)。
(95年前:ゴダード宇宙飛行士による初の液体燃料ロケット:2021年3月17)
https://www.nasa.gov/history/95-years-ago-goddards-first-liquid-fueled-rocket/
「何が不可能かを断言するのは難しい。なぜなら、昨日の夢は今日の希望であり、明日の現実だからだ。ロバート・H・ゴダード」
「初期の研究は自己資金で行っていたが、1917年にはスミソニアン協会から当時としては破格の5,000ドルの助成金を5年間受けた。 2年後、スミソニアン博物館は、彼の理論的および実験的なロケット研究をまとめた原稿『極限高度に到達する方法』を出版した。」
「宇宙探査に関する彼の突飛な考えは、同僚の科学者からはほとんど評価されず、マスコミからは嘲笑された。1920年1月13日付のニューヨーク・タイムズ紙の匿名社説は、ロケットは推力を得るために空気と戦う必要があるため、宇宙の真空では機能しないと誤って指摘し、ゴダードの考えを嘲笑した。」
ネルの打ち上げ実験は、この出版の7年後になる。
NYTの社説も打ち上げの6年前だった。
「彼のロケットが到達した最高高度は約9,000フィートだった。第二次世界大戦前、米国政府は彼のロケット研究にほとんど関心を示さなかったが、ドイツやソビエト連邦などの国々は、自国のロケット開発計画を進めるために彼の研究成果を研究した。」
「1945年8月10日、ゴダードは亡くなり、自身のロケットが宇宙に到達するという夢が実現するのを見届けることはできなかった。」
まあ、人生そんなもんです。
記事の最後には、ちょっといいエピソードが添えられている。
「エピローグ
1969年7月17日、アポロ11号が歴史的なミッションに向けて打ち上げられた翌日、そしてゴダードの考えを嘲笑した社説から49年後、ニューヨーク・タイムズ紙 は「訂正」という見出しで短い記事を掲載した。3段落からなるその記事は、1920年の社説を要約し、次のように結論付けていた。」
「さらなる調査と実験により、17世紀のアイザック・ニュートンの発見が確認され、ロケットは真空中でも大気中でも機能することが明確に確立されました。タイムズ紙はこの誤りを深くお詫び申し上げます。」
(ロバート・ゴダードによる世界初の液体燃料ロケットの飛行から100年)
https://sorae.info/space/20260316-robert-goddard.html
「雪が残るアメリカ・マサチューセッツ州オーバーンの農場で、宇宙開発の歴史を語る上で決して欠かせない出来事がありました。
当時、クラーク大学の教授だったロバート・ゴダード(Robert H. Goddard)が、妻のエスター・ゴダード(Esther Goddard)、助手のヘンリー・サックス(Henry Sachs)、同僚のパーシー・ループ(Percy Roope)らの立ち会いの下で、世界初の液体燃料ロケットを飛行させることに成功したのです。」
「今からちょうど100年前の1926年3月16日。」
浮沈子的には、それがどーしたという感が否めない。
「打ち上げ当日の朝。助手のサックスがトーチでエンジンを点火すると、ネルは空へと舞い上がりました。最高到達高度は41フィート(約12.5メートル)、飛行時間は3秒未満で、発射地点から60ヤード(約55メートル)離れたキャベツ畑に着地しました。」
ショボ・・・。
「そのロケットは「ネル(Nell)」と呼ばれていました。」
「オリオン宇宙船を打ち上げる大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」は、ネルと比べて高さは約30倍、重量は約50万倍にも達する巨大で複雑なシステムです。しかし、その心臓部は100年前にキャベツ畑へ到達したネルと同じ、液体燃料ロケットエンジンなのです。」
いやあ、コアステージの推力の大部分はSLSの両側についている固体燃料ロケットモーター(SRB)な気がするんだがな・・・。
ちなみにSLSの場合、推力の75パーセント以上はSRBだ。
まあ、どうでもいいんですが。
「世間は彼の先進的な構想をすぐには認めませんでした。NASA(アメリカ航空宇宙局)によれば、たとえばニューヨーク・タイムズは1920年に「宇宙空間には推進力を得るための空気がない」と評し、ロケットで月へ到達する構想を「信じがたい」、ゴダード本人に対しては「ハイスクールで習うレベルの知識が欠けている」と非難しています。」
「それでもゴダードは信念を曲げず、真空の宇宙空間でもロケットが推力を得られることを理論的に証明し、研究を継続します。」
「昨日の夢は今日の希望であり、明日の現実である」
「たとえ世間から冷笑されながらも一人の科学者として抱き続けた宇宙への夢は、人類の宇宙探査を力強く推進する“エンジン”として、今も力強く輝き続けています。」
ちょっと綺麗過ぎじゃね?。
米国のロケット技術の基盤を構築したゴダードは、しかし、その本格的な展開を見ることなく、62歳で他界している。
「ロバート・ハッチングス・ゴダード(Robert Hutchings Goddard)は、今ではアメリカにおけるロケット開発の父と評されている」
不遇の天才というのに相応しい。
ネルの打ち上げから100年、米国では(ごく一部でしょうけど)大いに盛り上がっているようだ。
(最初のロケット打ち上げから1世紀、Arsスタッフが選ぶお気に入りのロケット)
https://arstechnica.com/space/2026/03/a-century-after-the-first-rocket-launch-ars-staffers-pick-their-favorites/
「マサチューセッツ州生まれの物理学者ロバート・ゴダードは、100年前のこの日に、世界初の液体燃料ロケットを打ち上げた。
それはさほど印象的な飛行ではなかった。ガソリンと液体酸素を燃料とするロケットは、わずか41フィート(約12.5メートル)しか上昇せず、氷と雪に衝突するまでの飛行時間はわずか2.5秒だった。
しかし、「ネル」と名付けられたこのロケットは、現代の宇宙飛行時代の幕開けを飾る歴史的な偉業となった。それから30年後、液体燃料ロケットに搭載された最初の物体が宇宙へと打ち上げられ、間もなく人類もそれに続いた。人類が月面に降り立つまでには、さらに40年余りの歳月が流れた。」
「この歴史的な瞬間を記念して、Arsスタッフ数名が、これまでで最も印象に残っている製品発表会について語ります。」
・スペースシャトル・エンデバー:2010年2月:リー・ハッチソン
・デルタ1:1977年7月14日:ジョン・ティマー
・ソユーズFG:2014年:エリック・バーガー
・スペースシャトル・アトランティス:2011年7月8日:ジョナサン・ギトリン
・スペースシャトル・ディスカバリー:2010年4月5日:スティーブン・クラーク
5人が掲げた印象的な打ち上げのうち、3人がスペースシャトルを選んでおり、それには固体燃料ブースター(SRB)が付いていて、その印象が際立って大きいことに注目だな。
ロバードゴダードが設計製造して飛ばした初のロケットの形式である、液体燃料ロケットじゃない・・・。
ちなみに、スペースシャトルの場合、推力の85パーセントはSRBだ。
不遇の天才というのに相応しい(そういうことかあ?)。
まあいい。
時節ネタとは違うけど、様々な学習をしてきたAIはこのこと(ゴダードのロケット打ち上げ100周年)をどう捉えているんだろうか。
「ゴダードの初のロケット打ち上げから100年が経ちました。このことについて、400文字程度のブログ記事を書いてください。」
今日は、最近話題のアンソロピックのクロードに書いてもらおう。
「## 宇宙への扉を開いた2.5秒──ゴダード初飛行から100年
1926年3月16日、アメリカの物理学者ロバート・ゴダードは、マサチューセッツ州オーバーンの農場で世界初の液体燃料ロケット「ネル」の打ち上げに成功した。ガソリンと液体酸素を燃料としたそのロケットは、高度わずか41フィート(約12.5メートル)、飛行時間わずか2.5秒という小さな旅を遂げた。
しかし、この2.5秒が歴史を変えた。
このロケットは、後にナチスがロンドンに撃ち込んだV-2ミサイルの先祖となり、さらには人類を月に運んだサターンVロケットや、今日のSpaceXファルコン9の礎にもなった。
当時、ゴダードは「夢想家」として嘲笑され、その研究はSFと同一視されることもあった。だが彼は諦めなかった。最初の打ち上げから50年も経たないうちに、人類は月面に降り立った。
今年は打ち上げ100周年。AIAAをはじめとする航空宇宙団体が世界各地で記念イベントを開催し、次世代の宇宙探査を担う若い世代にゴダードの精神を伝えている。
「昨日の夢は、今日の希望、そして明日の現実となる」──若き日のゴダードが語ったこの言葉は、100年後の今も宇宙に響き続けている。」
外連味のない、真っ当なブログ記事だな。
液体燃料ロケットの系譜で言えば、サターンシリーズやファルコンズの方が相応しい。
スペースシャトルやSLSは、打ち上げ推力の大部分を担う固体燃料ブースターの印象が強すぎるからな。
クロードは、そこを踏まえて事例を絞っている(浮沈子の突っ込みを食らうこともないしな)。
当初、一般からの評価が得られなかったこと、諦めずに研究を続けたことなど、韻を踏んだ構成も際立っている。
合格!。
米国の宇宙開発は岐路に差し掛かっている。
月面基地開発を巡り、激しく追い上げる中国との競争にさらされている。
先日、NASAのアイザックマンのインタビュー動画を見た。
(NASA長官が単独インタビューでアルテミス計画のさらなる最新情報をほのめかす)
https://spaceflightnow.com/2026/03/14/nasa-administrator-teases-further-artemis-program-updates-in-one-on-one-interview/
「NASA長官のジャレッド・アイザックマン氏が、NASAケネディ宇宙センターでスペースフライト・ナウの記者ウィル・ロビンソン=スミス氏と会談し、アルテミス計画やその他のNASAの取り組みについて語った。」
33分余りだが、字幕自動翻訳で早口のアイザックマンの口調を追いながら見た。
アルテミス3号については、重要なことはまだ何も決まっていないことが分かった(2段目をどうするかとか、どの月着陸船とデモするのかなど)。
中国との競争と同じように、S社とブルーとの競争が最善の成果を引き出すと信じている(中国との競争環境下で、NASAが最善の選択ができるかどうかは未定ですが)。
が、S社とB社とを競争させたはずのISSタクシーではケチが付いた。
貨物輸送ではうまくいったんだがな(S社と競争したシグナスは今も飛んでます)。
まあいい。
ゴダードの不屈の精神は、今、100年の時を超えて米国の宇宙開発に最も必要となっているに違いない。
スペースシャトルの退役の際にも、NASAは試練にさらされた。
耐熱タイルの問題や、2度の事故に見舞われたこと、当初の思惑に反する莫大な運用コストなど、様々なネガを抱えて継続を断念する形で姿を消した。
ISSへの有人飛行はロシアのソユーズ頼みになり、米国の有人宇宙船は完全に途絶えた。
現在は、有人月面着陸において中国の猛追を受けている。
浮沈子的には、それ(月面着陸)自体は競争ではないと見ているけど(半世紀前にケリは着いている)、その後の月面基地の建設や、それを担保する高頻度の有人・無人の月への飛行を確保することについては、米中は熾烈な競争下に置かれている。
中国は、国家の全面的かつ強力なバックアップの元、オンスケジュールでの実現を目指して爆走している。
翻って米国を見た時、たった250億ドル(インフレを考慮すれば、アポロの頃の10分の1と言われる)の予算しかない。
そして、その多くがISSとSLSに消える。
アイザックマンは、2段目の標準化(セントールV)と1段目の開発を凍結することで、SLSの高頻度打ち上げを実現することで、月面開発を加速することを目論んでいるけど、どう逆立ちしても年に1度以上の打ち上げを実現することはムリポだ。
民間の無人機で月面探査を推進できたとしても、それで中露連携の月面基地に対抗できるかは怪しい。
SFNのウィル・ロビンソン=スミス記者は、中国との協力の可能性はないのかと問いかけたが、アイザックマンは議会が決めることだとかわして明言を避けた(米国議会は宇宙開発で中国と協力することを禁じている)。
2014年のクリミア併合以降、ISSにおける協力などで、ロシアとの間はぎくしゃくしても協力関係を続けているのにな。
まあ、どうでもいいんですが。
2030年代の宇宙開発において、中露連合と米国との競争は際立つに違いない。
これは、米ソの宇宙開発競争と異なり、イデオロギーの優劣を競う話じゃない。
地球外の領土を巡る熾烈な植民地競争であり、実力行使の奪い合いだ。
旗を立て、その旗を守り抜いた方の勝ちになる。
100年後、こんなザマになるとはゴダードも想像できなかったに違いない。
「昨日の夢は、今日の希望、そして明日の現実となる」(再掲)
夢が悪夢になったり、希望が絶望に変わったりしなけりゃいいんだがな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
NASAが5年前にいい記事を載せているので引用する(画像はこのページから)。
(95年前:ゴダード宇宙飛行士による初の液体燃料ロケット:2021年3月17)
https://www.nasa.gov/history/95-years-ago-goddards-first-liquid-fueled-rocket/
「何が不可能かを断言するのは難しい。なぜなら、昨日の夢は今日の希望であり、明日の現実だからだ。ロバート・H・ゴダード」
「初期の研究は自己資金で行っていたが、1917年にはスミソニアン協会から当時としては破格の5,000ドルの助成金を5年間受けた。 2年後、スミソニアン博物館は、彼の理論的および実験的なロケット研究をまとめた原稿『極限高度に到達する方法』を出版した。」
「宇宙探査に関する彼の突飛な考えは、同僚の科学者からはほとんど評価されず、マスコミからは嘲笑された。1920年1月13日付のニューヨーク・タイムズ紙の匿名社説は、ロケットは推力を得るために空気と戦う必要があるため、宇宙の真空では機能しないと誤って指摘し、ゴダードの考えを嘲笑した。」
ネルの打ち上げ実験は、この出版の7年後になる。
NYTの社説も打ち上げの6年前だった。
「彼のロケットが到達した最高高度は約9,000フィートだった。第二次世界大戦前、米国政府は彼のロケット研究にほとんど関心を示さなかったが、ドイツやソビエト連邦などの国々は、自国のロケット開発計画を進めるために彼の研究成果を研究した。」
「1945年8月10日、ゴダードは亡くなり、自身のロケットが宇宙に到達するという夢が実現するのを見届けることはできなかった。」
まあ、人生そんなもんです。
記事の最後には、ちょっといいエピソードが添えられている。
「エピローグ
1969年7月17日、アポロ11号が歴史的なミッションに向けて打ち上げられた翌日、そしてゴダードの考えを嘲笑した社説から49年後、ニューヨーク・タイムズ紙 は「訂正」という見出しで短い記事を掲載した。3段落からなるその記事は、1920年の社説を要約し、次のように結論付けていた。」
「さらなる調査と実験により、17世紀のアイザック・ニュートンの発見が確認され、ロケットは真空中でも大気中でも機能することが明確に確立されました。タイムズ紙はこの誤りを深くお詫び申し上げます。」
🚀嫦娥計画:有人月面着陸の構図 ― 2026年03月14日 00:33
嫦娥計画:有人月面着陸の構図
(中国の研究者チーム 有人月面着陸の候補地を提言)
https://www.afpbb.com/articles/-/3626094
「研究チームは、月周回軌道衛星が取得した多くの高解像度画像および地形測量データを用いてボーデ谷周辺を詳細に調査し、将来の有人月面着陸の可能性を評価しました。」
ちょっと調べたんだが、ボーデというのはもともとクレーターに付けられた名称だ。
(ボーデ(クレーター))
https://en.wikipedia.org/wiki/Bode_(crater)
「ボーデは、月の中心部付近、合体したパラス・クレーターとマーチソン・クレーターの北西に位置する小さなクレーターです。」
「このクレーターは、ドイツの天文学者ヨハン・エラート・ボーデにちなんで名付けられました。」
「クレーターの西側には、リマエ・ボーデと呼ばれるリルの群れがあります。この名前はクレーターの名前に由来しています。」
(リル)
https://en.wikipedia.org/wiki/Rille
「一般的に月の表面にある、水路に似た細長い窪みを指す」
「ラテン語では rima、複数形は rimae」
詳細はウィキの記述に譲る。
AFPが報じたボーデクレーター周辺は、NASAがかつてコンステレーション計画で着陸候補地としていた場所だ。
(リマ・ボーデ:コンステレーションの関心領域)
https://lroc.im-ldi.com/images/177#extended
「リマ・ボーデ地域(北緯13度、東経356度)は、この極めて暗い火山物質の厚い層が存在するため、コンステレーション計画の関心領域の一部となっています。」
中国が敢えてこの地域を狙っているのは、別に米国に対抗しようというわけじゃないだろう(未確認)。
そもそも、中国の有人月面着陸はどうなっていて、予定通りに実現するんだろうか?。
いろいろ、過去記事を探っていたんだが、中国語のウィキにまとまった情報が出ていた。
(中国の有人月探査計画)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%BD%BD%E4%BA%BA%E6%9C%88%E7%90%83%E6%8E%A2%E6%B5%8B%E5%B7%A5%E7%A8%8B#
「これは、嫦娥計画の「探査」「着陸」「駐留」という3段階プロセスの第2段階と第3段階であり、中国の有人宇宙計画のその後の発展段階の一つでもあります。」
計画としては、サンプルリターンを成功させた嫦娥計画(有人無人を含む)の一環として行われていることになる。
第2段階の「着陸」に当たるわけだ。
実際、どのように行われるかに関して、まとまった情報が得られる。
「中国の有人月面着陸の予備飛行計画は以下のとおりです。」(画像参照:ちょっとデカいですが、そのままの縮尺で載せています。)
<<画像の解説>>
1.中国の文昌宇宙発射場から2基の長征10号ロケットが連続して(3~6ヶ月間隔で)打ち上げられ、それぞれ月着陸船と有人宇宙船「夢舟Y」(宇宙飛行士3名を乗せる)を月遷移軌道に送り込んだ。着陸船と宇宙船は次々と月周回軌道に到達した。
2.宇宙船と着陸船は月周回軌道上でランデブーし、ドッキングした。2人の宇宙飛行士はドッキング通路を通って宇宙船から月着陸船に入り、1人の宇宙飛行士は宇宙船に残り、月周回軌道を周回した。
3.月着陸船は宇宙船から分離し、「段階的降下」によって月面に着陸します。まず、月着陸船の推進モジュールが減速作業の大部分を完了し、次に推進モジュールが分離して墜落します。その後、月着陸船の月着陸船は減速と降下を続け、最終的に月面の所定の場所に着陸します。宇宙飛行士は望宇月面服を使用して船外活動を行い、有人月面探査車を運転し、科学調査やサンプル採取を行います。
4.宇宙飛行士たちは月着陸船で月周回軌道に上昇し、宇宙船とドッキングした後、ドッキングトンネルを通して月のサンプルやその他の物品を宇宙船に移送した。その後、宇宙船は月着陸船から分離し、月と地球間の物資輸送と地球への帰還を行った。最後に、帰還カプセルがサービスモジュールから分離し、地球に着陸した。
<<解説終わり>>
時制がおかしいけど、面倒なのでそのままにした。
ウィキには、アポロとの比較の資料も出ている。
「他の有人月面着陸計画との比較」を参照。
アポロ計画では、サターンVにぜーんぶ積み込んで飛ばしたわけだが、中国の計画では上記の説明のように2機のロケットに分けて、月軌道でドッキングして乗り移ることになっている。
また、月着陸船には推進モジュールが降下時に途中まで付いていて、必要な減速を行う(降下途中で投棄されるようです:アポロでは着陸脚が付いた降下モジュールは、もちろん月面まで付いている)。
月着陸船は、最終減速と着陸及び離陸を担当する。
アポロでは、着陸脚が付いた降下モジュールは月面に置いてきたけど、中国の計画では丸ごと離陸させるようだ。
「どちらの構成も、1人が宇宙船で月周回軌道上に留まり、2人が月に着陸する」
うーん、細かい違いはあっても、方式としてはアポロ計画とほとんど同じということになる。
打ち上げロケットが2機になった理由は、どうやらまとめて打ち上げる巨大ロケット(長征9号)の開発リスクを嫌ったからのようだ。
「長期計画では、2種類のロケットの使用が検討されていた。一つは当時構想されていた長征9号ロケット、もう一つは長征5号シリーズロケットの1.5段式有人型であるCZ-5Aである。」
「2020年9月、2020年中国宇宙会議において、中国の有人宇宙計画の副主任設計者である周延飛氏は、「有人月探査に関する予備的計画構想と関連考察」と題する報告を行った。この報告では、2機の新世代有人ロケットを使用して月面に着陸する飛行計画が提示された。」
「彼は、中国の月面着陸計画については実際に2つの案が議論されており、現在採用されている2機のロケットを使用する案が選ばれた一方、長征9号による月面着陸計画は近い将来の月面着陸計画では使用されないだろうと付け加えた。」
妥当な選択だろうな。
比較になるかどうかはともかく、スターシップという巨大ロケットに依存しているアルテミス計画(月着陸船がスターシップで打ち上げられる)は、その開発が難航しているために遅延のリスクを抱えている。
まあいい。
開発状況についてのまとめもある。
「2023年5月29日、中国有人月探査計画は、同計画の月面着陸段階が最近開始されたと発表した。
2025年6月17日、孟舟宇宙船は高度ゼロからの脱出飛行試験を完了した。
2025年8月6日、月着陸船は着陸と離陸に関する包括的な検証試験を完了した。
2025年8月15日と9月12日に、長征10号ロケットは第1段の静止点火試験を2回完了した。
2025年10月、有人月面着陸ミッション訓練シミュレーターが開発され、運用が開始された。
2025年10月までに、プロジェクトの各種飛行製品のプロトタイプ段階の主要作業が完了し、科学研究および応用システムは各飛行ミッションのペイロード計画の設計を完了した。
2026年2月11日、長征10号の低高度実証・検証試験と、夢舟宇宙船の最大動圧脱出飛行試験が完了した。」
最近の飛行試験については、鳥嶋さんが記事を上げている。
(中国、新型宇宙船の脱出試験/長征十号ロケット回収試験を同時実施 有人月探査へ布石)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260220-4136262/
「中国は2月11日(北京時間)、新型宇宙船「夢舟」の緊急脱出システムの試験に成功した。同時に試験用「長征十号」ロケットの再使用を見据えた、回収船による捕獲試験を行い、所定の海域に着水した。夢舟と長征十号は、中国が2030年の有人月探査を見据えて開発する宇宙船とロケットだ。今回の試験で、有人月探査の実現にまた一歩近づいた。」
「夢舟は、主に宇宙ステーションへの往還に用いることが想定されている。これとは別に「夢舟Y」と呼ばれる月探査向けのバージョンがあり、中国が2030年までに計画している有人月探査での運用が想定されている。」
今回の緊急脱出試験は、低軌道用のバージョンで行われたようだ(未確認)。
また、回収船での捕獲が予定されているのも、低軌道用のロケットで、月面ミッションで使用される仕様ではない。
「今回の脱出試験で用いられたロケットは、中国運載火箭技術研究院(CALT)が開発中の新型ロケット「長征十号」の第1段をベースにした、第1段のみで飛行する単段構成の試験機だ。」
「第1段(および月探査向け構成で用いるブースター)には、液体酸素とケロシンを推進薬とする新型エンジン「YF-100K」を複数基束ねて搭載し、大推力を確保する設計としている。」
(長征10型ロケット)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%BE%81%E5%8D%81%E8%99%9F%E7%B3%BB%E5%88%97%E7%81%AB%E7%AE%AD
「長征10号基本モデルは3段構成を採用している。第1段は3方向ユニバーサルコアステージタンデム設計を採用し、月遷移軌道ペイロード容量は27トン以上である。」
これだって、十分デカいロケットだけどな。
こうして見ると、中国の有人月面飛行もかなりタイトな日程で進行している感じがする。
打ち上げロケット(基本モデル)の実績はなく、各種試験が進んでいるとはいえ、有人宇宙船(夢舟)や着陸船(攬月)を無事に上げられるかどうかは不明だ。
アルテミス計画で、大きな課題となっている宇宙服(望宇)も、モックアップのお披露目はしたけど、実際にどうなっているかは分からない。
月面探査車(探索)の開発もしているようだが、走っているところは見てないからな。
浮沈子的には、上記の「中国の有人月探査計画」に記載されている以下のプロセスが気になる。
「月面着陸の第二段階
第2段階では、長征10号ロケット、孟舟Y有人宇宙船、月着陸船の無人飛行検証が行われ、これには地球近傍軌道試験、無人月周回軌道、2028年の有人月周回軌道、無人月着陸が含まれる。」
そう、アルテミスと同じように、また、かつてのアポロ計画と同様、➀地球近傍軌道飛行(アポロ9号及びアルテミス3号相当)、➁無人月周回軌道飛行(アルテミス1号相当:アポロでは未実施)、➂有人月周回飛行(アポロ8号及びアルテミス2号相当:たぶん、自由帰還軌道だろう)、➃無人月着陸(アポロやアルテミスでは未実施)を行うわけだ。
その後に、有人月面着陸が実施される(両方とも、アポロ10号相当の月軌道上での着陸シミュレーション飛行は行わないようだ:中国は➃をそれに充てているのかもな)。
プロセスは異なるけど、2026年にアルテミス2号で月軌道周回を行うのに対し、中国は2028年に行うとある。
アルテミスの方が、2年先行していると見ることも出来る(そうなのかあ?)。
アポロやアルテミスでは実施しなかった無人月着陸という、追加のひと手間もある。
中国のプロセスは堅実だ。
今のところは順調に推移しているようだが、何か一つでも問題が起こればスケジュールの足を引っ張ることになるからな。
浮沈子的には、見た目ファルコンヘビーのそっくりさんな長征10号基本モデル(コアステージを3本束ねたロケット)の成否が気になる。
米中がお互いをライバル視して拍車をかけている状況は、はた目には面白いかも知れないが、有人宇宙開発におけるギャンブルを誘発しかねない(特に米国!)。
アポロは、史上初ということと、地政学的要請が強かったから、ギャンブルの連続だったが、21世紀の有人月面探査はもちっとエレガントにいきたい。
中国は、別に米国をライバル視しているわけじゃないだろうけど(未確認:中国の一般の人は、やっぱ競争と見てるだろうけどな)。
次のステップは、完成した長征10号基本モデルで、地球低軌道において行われるテスト飛行だろう(内容的には、宇宙船と着陸船の打ち上げ、ランデブーやドッキングなどと思われる)。
スケジュール的には、来年または2028年の早い時期に行われるに違いない。
無人月着陸試験は、最後に行われることになる(アルテミスでは予定されていない点に注意だ)。
着陸船の離陸の確実性を確認する必要があるからな。
ヒドラジン系の、外連味のないロケットだ(アポロも同様)。
アルテミスでは、S社はメタン+液体酸素、ブルーオリジンは水素+液体酸素を推進剤として用いる(BE-7を予定)。
ギャンブルだなあ・・・。
月面からの安全確実な離陸は、月軌道からの大気圏再突入と共に、月面ミッションのハイライトだ。
アポロは、6回の離陸全てを成功させている。
まあ、どうでもいいんですが。
今回いろいろ調べて、中国の有人月面着陸がかなりタイトなスケジュールになっていることが確認出来た。
まあ、アルテミスほどじゃないですけど(2028年の着陸なんて、絶対にムリポ!)。
ただし、影も形もないアルテミスのHLS(ヒューマンランディングシステム)のようなことはない。
要素技術は全て発表され、開発が進んでいる(たぶん)。
月面車の「探索」は、名前だけ付いていて実物もモックアップもないけどな(イメージ画像だけ:有名無実とはこのことか)。
さて、中国は予定通り2030年までに、有人月面着陸を実施できるだろうか。
浮沈子は、早くても2035年くらいにはなっちまうと見ている。
そもそも、長征10号ロケットの建造が間に合わないだろう。
SLSのように、4年に1度ということはないとしても、2年に1度くらいの頻度になると思われる(テキトーです)。
来年から飛び始めるとしても、スケジュールは以下の通りだ。
2027年:➀地球近傍軌道飛行
2029年:➁無人月周回軌道飛行
2031年:➂有人月周回飛行(中国は2028年を予定)
2033年:➃無人月着陸
2035年:有人月面着陸
宇宙船も着陸船も、これから実績を作っていかなければならない。
地上試験でどれだけ詰められるかは問題だ。
が、上記のスケジュールが縮まる可能性もある。
中国は、無人探査においては月面からのサンプルリターンや火星探査で、一発で成功を決めているからな。
年に1回ということになれば以下の通りだ。
2027年:➀地球近傍軌道飛行
2028年:➁無人月周回軌道飛行
2029年:➂有人月周回飛行(中国は2028年を予定)
2030年:➃無人月着陸
2031年:有人月面着陸
1年遅れだが、ほぼほぼオンスケジュールだ。
計画初期の段階で、打ち上げロケットが紆余曲折を経たにしては、スムーズな開発ということになる。
アルテミスも、宇宙飛行士を突き近傍まで運ぶ宇宙船と、そこから乗り換えて月面に着陸する着陸船を別々のロケットで打ち上げる予定だ。
一発で両方を打ち上げたアポロは、サターンVの成功がものを言った。
現在、S社のスターシップをしても、両方を同時に打ち上げることは出来ない。
このアーキテクチャーは、ミッションの要求事項と手元に用意できる打ち上げロケットの能力とのバランスで決まっている。
巨大ロケット長征9号の開発に見切りをつけ、現実的な選択をした中国はその辺りを十分に分かっている。
当初から、プランBが検討の俎上に上がっていたしな。
堅実で無難な選択と、着実な実行(国家の絶大なバックアップも)。
2030年には間に合わなくても、おそらくは何の問題もないに違いない。
中国が目指しているのは月面基地だろう。
通常は無人運用され、有人宇宙飛行士を受け入れ可能な施設として展開される感じだ(そうなのかあ?)。
それは、まだ先の話でいい。
当面は地球低軌道上の宇宙ステーションの維持管理に専念だろう。
米国は、半世紀前にアポロで月面に到達している。
その歴史的事実は重い。
中国は、半世紀後にそれを追いかけているだけの話だ。
有人月面着陸は、競争ではない。
が、月面基地は真の競争になるだろう(ここ、重要です)。
そう考えると、有人月面着陸の本質が見えてくる気がする。
先んずれば月を制すか・・・。
(中国の研究者チーム 有人月面着陸の候補地を提言)
https://www.afpbb.com/articles/-/3626094
「研究チームは、月周回軌道衛星が取得した多くの高解像度画像および地形測量データを用いてボーデ谷周辺を詳細に調査し、将来の有人月面着陸の可能性を評価しました。」
ちょっと調べたんだが、ボーデというのはもともとクレーターに付けられた名称だ。
(ボーデ(クレーター))
https://en.wikipedia.org/wiki/Bode_(crater)
「ボーデは、月の中心部付近、合体したパラス・クレーターとマーチソン・クレーターの北西に位置する小さなクレーターです。」
「このクレーターは、ドイツの天文学者ヨハン・エラート・ボーデにちなんで名付けられました。」
「クレーターの西側には、リマエ・ボーデと呼ばれるリルの群れがあります。この名前はクレーターの名前に由来しています。」
(リル)
https://en.wikipedia.org/wiki/Rille
「一般的に月の表面にある、水路に似た細長い窪みを指す」
「ラテン語では rima、複数形は rimae」
詳細はウィキの記述に譲る。
AFPが報じたボーデクレーター周辺は、NASAがかつてコンステレーション計画で着陸候補地としていた場所だ。
(リマ・ボーデ:コンステレーションの関心領域)
https://lroc.im-ldi.com/images/177#extended
「リマ・ボーデ地域(北緯13度、東経356度)は、この極めて暗い火山物質の厚い層が存在するため、コンステレーション計画の関心領域の一部となっています。」
中国が敢えてこの地域を狙っているのは、別に米国に対抗しようというわけじゃないだろう(未確認)。
そもそも、中国の有人月面着陸はどうなっていて、予定通りに実現するんだろうか?。
いろいろ、過去記事を探っていたんだが、中国語のウィキにまとまった情報が出ていた。
(中国の有人月探査計画)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%BD%BD%E4%BA%BA%E6%9C%88%E7%90%83%E6%8E%A2%E6%B5%8B%E5%B7%A5%E7%A8%8B#
「これは、嫦娥計画の「探査」「着陸」「駐留」という3段階プロセスの第2段階と第3段階であり、中国の有人宇宙計画のその後の発展段階の一つでもあります。」
計画としては、サンプルリターンを成功させた嫦娥計画(有人無人を含む)の一環として行われていることになる。
第2段階の「着陸」に当たるわけだ。
実際、どのように行われるかに関して、まとまった情報が得られる。
「中国の有人月面着陸の予備飛行計画は以下のとおりです。」(画像参照:ちょっとデカいですが、そのままの縮尺で載せています。)
<<画像の解説>>
1.中国の文昌宇宙発射場から2基の長征10号ロケットが連続して(3~6ヶ月間隔で)打ち上げられ、それぞれ月着陸船と有人宇宙船「夢舟Y」(宇宙飛行士3名を乗せる)を月遷移軌道に送り込んだ。着陸船と宇宙船は次々と月周回軌道に到達した。
2.宇宙船と着陸船は月周回軌道上でランデブーし、ドッキングした。2人の宇宙飛行士はドッキング通路を通って宇宙船から月着陸船に入り、1人の宇宙飛行士は宇宙船に残り、月周回軌道を周回した。
3.月着陸船は宇宙船から分離し、「段階的降下」によって月面に着陸します。まず、月着陸船の推進モジュールが減速作業の大部分を完了し、次に推進モジュールが分離して墜落します。その後、月着陸船の月着陸船は減速と降下を続け、最終的に月面の所定の場所に着陸します。宇宙飛行士は望宇月面服を使用して船外活動を行い、有人月面探査車を運転し、科学調査やサンプル採取を行います。
4.宇宙飛行士たちは月着陸船で月周回軌道に上昇し、宇宙船とドッキングした後、ドッキングトンネルを通して月のサンプルやその他の物品を宇宙船に移送した。その後、宇宙船は月着陸船から分離し、月と地球間の物資輸送と地球への帰還を行った。最後に、帰還カプセルがサービスモジュールから分離し、地球に着陸した。
<<解説終わり>>
時制がおかしいけど、面倒なのでそのままにした。
ウィキには、アポロとの比較の資料も出ている。
「他の有人月面着陸計画との比較」を参照。
アポロ計画では、サターンVにぜーんぶ積み込んで飛ばしたわけだが、中国の計画では上記の説明のように2機のロケットに分けて、月軌道でドッキングして乗り移ることになっている。
また、月着陸船には推進モジュールが降下時に途中まで付いていて、必要な減速を行う(降下途中で投棄されるようです:アポロでは着陸脚が付いた降下モジュールは、もちろん月面まで付いている)。
月着陸船は、最終減速と着陸及び離陸を担当する。
アポロでは、着陸脚が付いた降下モジュールは月面に置いてきたけど、中国の計画では丸ごと離陸させるようだ。
「どちらの構成も、1人が宇宙船で月周回軌道上に留まり、2人が月に着陸する」
うーん、細かい違いはあっても、方式としてはアポロ計画とほとんど同じということになる。
打ち上げロケットが2機になった理由は、どうやらまとめて打ち上げる巨大ロケット(長征9号)の開発リスクを嫌ったからのようだ。
「長期計画では、2種類のロケットの使用が検討されていた。一つは当時構想されていた長征9号ロケット、もう一つは長征5号シリーズロケットの1.5段式有人型であるCZ-5Aである。」
「2020年9月、2020年中国宇宙会議において、中国の有人宇宙計画の副主任設計者である周延飛氏は、「有人月探査に関する予備的計画構想と関連考察」と題する報告を行った。この報告では、2機の新世代有人ロケットを使用して月面に着陸する飛行計画が提示された。」
「彼は、中国の月面着陸計画については実際に2つの案が議論されており、現在採用されている2機のロケットを使用する案が選ばれた一方、長征9号による月面着陸計画は近い将来の月面着陸計画では使用されないだろうと付け加えた。」
妥当な選択だろうな。
比較になるかどうかはともかく、スターシップという巨大ロケットに依存しているアルテミス計画(月着陸船がスターシップで打ち上げられる)は、その開発が難航しているために遅延のリスクを抱えている。
まあいい。
開発状況についてのまとめもある。
「2023年5月29日、中国有人月探査計画は、同計画の月面着陸段階が最近開始されたと発表した。
2025年6月17日、孟舟宇宙船は高度ゼロからの脱出飛行試験を完了した。
2025年8月6日、月着陸船は着陸と離陸に関する包括的な検証試験を完了した。
2025年8月15日と9月12日に、長征10号ロケットは第1段の静止点火試験を2回完了した。
2025年10月、有人月面着陸ミッション訓練シミュレーターが開発され、運用が開始された。
2025年10月までに、プロジェクトの各種飛行製品のプロトタイプ段階の主要作業が完了し、科学研究および応用システムは各飛行ミッションのペイロード計画の設計を完了した。
2026年2月11日、長征10号の低高度実証・検証試験と、夢舟宇宙船の最大動圧脱出飛行試験が完了した。」
最近の飛行試験については、鳥嶋さんが記事を上げている。
(中国、新型宇宙船の脱出試験/長征十号ロケット回収試験を同時実施 有人月探査へ布石)
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260220-4136262/
「中国は2月11日(北京時間)、新型宇宙船「夢舟」の緊急脱出システムの試験に成功した。同時に試験用「長征十号」ロケットの再使用を見据えた、回収船による捕獲試験を行い、所定の海域に着水した。夢舟と長征十号は、中国が2030年の有人月探査を見据えて開発する宇宙船とロケットだ。今回の試験で、有人月探査の実現にまた一歩近づいた。」
「夢舟は、主に宇宙ステーションへの往還に用いることが想定されている。これとは別に「夢舟Y」と呼ばれる月探査向けのバージョンがあり、中国が2030年までに計画している有人月探査での運用が想定されている。」
今回の緊急脱出試験は、低軌道用のバージョンで行われたようだ(未確認)。
また、回収船での捕獲が予定されているのも、低軌道用のロケットで、月面ミッションで使用される仕様ではない。
「今回の脱出試験で用いられたロケットは、中国運載火箭技術研究院(CALT)が開発中の新型ロケット「長征十号」の第1段をベースにした、第1段のみで飛行する単段構成の試験機だ。」
「第1段(および月探査向け構成で用いるブースター)には、液体酸素とケロシンを推進薬とする新型エンジン「YF-100K」を複数基束ねて搭載し、大推力を確保する設計としている。」
(長征10型ロケット)
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%BE%81%E5%8D%81%E8%99%9F%E7%B3%BB%E5%88%97%E7%81%AB%E7%AE%AD
「長征10号基本モデルは3段構成を採用している。第1段は3方向ユニバーサルコアステージタンデム設計を採用し、月遷移軌道ペイロード容量は27トン以上である。」
これだって、十分デカいロケットだけどな。
こうして見ると、中国の有人月面飛行もかなりタイトな日程で進行している感じがする。
打ち上げロケット(基本モデル)の実績はなく、各種試験が進んでいるとはいえ、有人宇宙船(夢舟)や着陸船(攬月)を無事に上げられるかどうかは不明だ。
アルテミス計画で、大きな課題となっている宇宙服(望宇)も、モックアップのお披露目はしたけど、実際にどうなっているかは分からない。
月面探査車(探索)の開発もしているようだが、走っているところは見てないからな。
浮沈子的には、上記の「中国の有人月探査計画」に記載されている以下のプロセスが気になる。
「月面着陸の第二段階
第2段階では、長征10号ロケット、孟舟Y有人宇宙船、月着陸船の無人飛行検証が行われ、これには地球近傍軌道試験、無人月周回軌道、2028年の有人月周回軌道、無人月着陸が含まれる。」
そう、アルテミスと同じように、また、かつてのアポロ計画と同様、➀地球近傍軌道飛行(アポロ9号及びアルテミス3号相当)、➁無人月周回軌道飛行(アルテミス1号相当:アポロでは未実施)、➂有人月周回飛行(アポロ8号及びアルテミス2号相当:たぶん、自由帰還軌道だろう)、➃無人月着陸(アポロやアルテミスでは未実施)を行うわけだ。
その後に、有人月面着陸が実施される(両方とも、アポロ10号相当の月軌道上での着陸シミュレーション飛行は行わないようだ:中国は➃をそれに充てているのかもな)。
プロセスは異なるけど、2026年にアルテミス2号で月軌道周回を行うのに対し、中国は2028年に行うとある。
アルテミスの方が、2年先行していると見ることも出来る(そうなのかあ?)。
アポロやアルテミスでは実施しなかった無人月着陸という、追加のひと手間もある。
中国のプロセスは堅実だ。
今のところは順調に推移しているようだが、何か一つでも問題が起こればスケジュールの足を引っ張ることになるからな。
浮沈子的には、見た目ファルコンヘビーのそっくりさんな長征10号基本モデル(コアステージを3本束ねたロケット)の成否が気になる。
米中がお互いをライバル視して拍車をかけている状況は、はた目には面白いかも知れないが、有人宇宙開発におけるギャンブルを誘発しかねない(特に米国!)。
アポロは、史上初ということと、地政学的要請が強かったから、ギャンブルの連続だったが、21世紀の有人月面探査はもちっとエレガントにいきたい。
中国は、別に米国をライバル視しているわけじゃないだろうけど(未確認:中国の一般の人は、やっぱ競争と見てるだろうけどな)。
次のステップは、完成した長征10号基本モデルで、地球低軌道において行われるテスト飛行だろう(内容的には、宇宙船と着陸船の打ち上げ、ランデブーやドッキングなどと思われる)。
スケジュール的には、来年または2028年の早い時期に行われるに違いない。
無人月着陸試験は、最後に行われることになる(アルテミスでは予定されていない点に注意だ)。
着陸船の離陸の確実性を確認する必要があるからな。
ヒドラジン系の、外連味のないロケットだ(アポロも同様)。
アルテミスでは、S社はメタン+液体酸素、ブルーオリジンは水素+液体酸素を推進剤として用いる(BE-7を予定)。
ギャンブルだなあ・・・。
月面からの安全確実な離陸は、月軌道からの大気圏再突入と共に、月面ミッションのハイライトだ。
アポロは、6回の離陸全てを成功させている。
まあ、どうでもいいんですが。
今回いろいろ調べて、中国の有人月面着陸がかなりタイトなスケジュールになっていることが確認出来た。
まあ、アルテミスほどじゃないですけど(2028年の着陸なんて、絶対にムリポ!)。
ただし、影も形もないアルテミスのHLS(ヒューマンランディングシステム)のようなことはない。
要素技術は全て発表され、開発が進んでいる(たぶん)。
月面車の「探索」は、名前だけ付いていて実物もモックアップもないけどな(イメージ画像だけ:有名無実とはこのことか)。
さて、中国は予定通り2030年までに、有人月面着陸を実施できるだろうか。
浮沈子は、早くても2035年くらいにはなっちまうと見ている。
そもそも、長征10号ロケットの建造が間に合わないだろう。
SLSのように、4年に1度ということはないとしても、2年に1度くらいの頻度になると思われる(テキトーです)。
来年から飛び始めるとしても、スケジュールは以下の通りだ。
2027年:➀地球近傍軌道飛行
2029年:➁無人月周回軌道飛行
2031年:➂有人月周回飛行(中国は2028年を予定)
2033年:➃無人月着陸
2035年:有人月面着陸
宇宙船も着陸船も、これから実績を作っていかなければならない。
地上試験でどれだけ詰められるかは問題だ。
が、上記のスケジュールが縮まる可能性もある。
中国は、無人探査においては月面からのサンプルリターンや火星探査で、一発で成功を決めているからな。
年に1回ということになれば以下の通りだ。
2027年:➀地球近傍軌道飛行
2028年:➁無人月周回軌道飛行
2029年:➂有人月周回飛行(中国は2028年を予定)
2030年:➃無人月着陸
2031年:有人月面着陸
1年遅れだが、ほぼほぼオンスケジュールだ。
計画初期の段階で、打ち上げロケットが紆余曲折を経たにしては、スムーズな開発ということになる。
アルテミスも、宇宙飛行士を突き近傍まで運ぶ宇宙船と、そこから乗り換えて月面に着陸する着陸船を別々のロケットで打ち上げる予定だ。
一発で両方を打ち上げたアポロは、サターンVの成功がものを言った。
現在、S社のスターシップをしても、両方を同時に打ち上げることは出来ない。
このアーキテクチャーは、ミッションの要求事項と手元に用意できる打ち上げロケットの能力とのバランスで決まっている。
巨大ロケット長征9号の開発に見切りをつけ、現実的な選択をした中国はその辺りを十分に分かっている。
当初から、プランBが検討の俎上に上がっていたしな。
堅実で無難な選択と、着実な実行(国家の絶大なバックアップも)。
2030年には間に合わなくても、おそらくは何の問題もないに違いない。
中国が目指しているのは月面基地だろう。
通常は無人運用され、有人宇宙飛行士を受け入れ可能な施設として展開される感じだ(そうなのかあ?)。
それは、まだ先の話でいい。
当面は地球低軌道上の宇宙ステーションの維持管理に専念だろう。
米国は、半世紀前にアポロで月面に到達している。
その歴史的事実は重い。
中国は、半世紀後にそれを追いかけているだけの話だ。
有人月面着陸は、競争ではない。
が、月面基地は真の競争になるだろう(ここ、重要です)。
そう考えると、有人月面着陸の本質が見えてくる気がする。
先んずれば月を制すか・・・。
😼アルテミス:3号は地球低軌道 ― 2026年03月09日 18:39
アルテミス:3号は地球低軌道
(NASAがアルテミス計画の見直しを発表 月面着陸を2028年に先送りし地球低軌道でテスト実施へ)
https://sorae.info/space/20260301-nasa-artemis.html
「2027年に実施される予定の「Artemis III(アルテミスIII)」ミッションの目的について。これまでArtemis IIIはArtemis計画で宇宙飛行士が月面に降り立つ最初のミッションとして計画されていましたが、今回の見直しによって、月には向かわずに地球低軌道で各種テストを行うミッションへと変更」
各種テストって、何よ?。
「新たな役割を与えられたArtemis IIIミッションでは、Artemis計画の有人月着陸船「HLS」として開発が進められているSpaceX(スペースX)の「Starship HLS(スターシップHLS)」と、Blue Origin(ブルーオリジン)の「Blue Moon(ブルームーン)」の両方またはどちらかが打ち上げられ、新型宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」とのランデブーおよびドッキングが行われます。」
「ドッキングに成功した後は宇宙飛行士が着陸船に乗り込んで、生命維持装置、通信システム、推進システムなどの総合的なチェックを行います。また、月面で着用する新しい宇宙服「AxEMU」の機能テストなど、実際の月面探査を見据えた様々な検証が宇宙空間で実施される予定」
「新たな役割を与えられたArtemis IIIミッションは地球低軌道で司令船と月着陸船のドッキングを含むテストを行った「アポロ9号」に相当します。初の有人月面着陸を成し遂げたアポロ11号に相当するミッション(見直し後のArtemis IV)を実行する前に、地球の近くで機器の試験や手順の確認を行うプロセスを挟むことで、ミッションのリスクを減らし、安全性を高める狙い」
やれやれ・・・。
半世紀前のアポロの手順をなぞらなければ、21世紀の月面着陸は実施できないということなわけだ(そうなのかあ?)。
もちろん、スケジュール的には2030年とされる中国の有人月面着陸に先立って、米国の有人月面着陸が行われることになっている。
「なお、NASAは2028年に最大2回の月面着陸の機会を設けることを目指しているということです。Artemis IVミッションだけでなく、状況次第では次のArtemis Vミッションも2028年のうちに実施されることになるかもしれません。」
ありえねー・・・。
そんなスケジュールを信じている者など、NASA当局を含めて誰もいないだろう(未確認)。
ソラエのスタッフも、素直に疑問を呈している。
「推進剤補給などのテストを省略してArtemis IIIの実施にこぎつけたとしても、リスク軽減と安全性向上を重視する以上、月面着陸に必須となる機能・能力についても、いずれどこかでテストを行わなければなりません。」
つまり、アポロ10号に相当するテストミッションが必要になることを暗に示唆している。
それは、どんなに早くても2028年以降になるわけで、全てが予定通りに進んだとしても、有人月面着陸は2029年以降ということになる。
が、そのためには毎年SLSでオリオンを打ち上げ、HLSが完成し、何の問題も起こらずに次々とミッションをこなしていくことが前提となる。
ありえねー・・・。
現実の世界では、SLSは4年に1度(記事では3年となっているけど、1号が飛んだのは2022年だ:4年前)しか飛ばないし、その都度、何らかのトラブルを抱えて予期せぬ遅延が発生している。
HLSの開発の遅れがなかったとしても、次回飛ぶのは2030年だ(そうなのかあ?)。
4号で月周回軌道上でのテストを行うのは2034年、何事もなく全てのテストをクリアーしたとしても、実際に5号で有人月面着陸を行えるのは2038年ということになる。
浮沈子的には、このスケジュールさえ、大甘と見ており、2030年代の米国ロケットによる有人月面着陸は不可能という見立てだ。
いや、それはSLSを使った打ち上げに限った話かもしれない。
その頃(2030年代半ば)になれば、スターシップの有人飛行が現実になり、おそらく軌道上での燃料補給にも成功して、月面に直接着陸するか、それこそHLSに乗り移って月面に到達するようになる可能性もある(そうなのかあ?)。
記事では、SLSの開発について、もう一つ重要なことが書かれている。
「NASAのJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)長官は2月27日に開催された記者会見で、現在およそ3年に1回となっている打ち上げのペースにも懸念を示しました。間隔が空きすぎると、ミッションを支えるチームの技術や経験の維持が難しくなるためです。」
「この課題を解決するため、NASAはOrion宇宙船の打ち上げに使用する大型ロケット「SLS(Space Launch System、スペース・ローンチ・システム)」の機体構成をなるべく変更せず、標準化された上段(2段目)を使用していく方針を明らかにしました。」
「設計変更を最小限に抑えることで製造や準備のペースを早め、将来的には1年以内の間隔でミッションを実施できる体制を整えるとしています。」
いつになることやら・・・。
標準化された2段目が、ULAのセントール(ケンタウロス)Vであることは、既に発表されている。
(NASAの契約により、ULAのCentaur 5がSLSロケットの新たな上段ロケットとして選定されたことが確定した。)
https://spaceflightnow.com/2026/03/07/nasa-contract-confirms-selection-of-ulas-centaur-5-as-new-upper-stage-for-the-sls-rocket/
「NASAは、2028年初頭以降に打ち上げ予定のアルテミス4号ミッションから、スペース・ローンチ・システム・ロケットの上段としてユナイテッド・ローンチ・アライアンスのセントール5号を正式に選定した。」
この構成によるSLSの打ち上げは、もちろん初めてとなる。
新たな構成のロケットが、いきなり有人飛行を行うことはない(断定的!:そもそもセントールVは有人認証を受けていない:ちなみにスターライナーを打ち上げているアトラスVの上段はセントール3号で、全くの別物である)。
当然、そこには無人での打ち上げテストを挟むことになるだろう(未確認)。
アルテミス4号は、有人で行われたアポロ10号相当ではなく、無人機で行われる可能性が高い。
その時点で何かがあれば、またまたスケジュールがずれ込むことになる。
もっとも、有人認証については異なる見解もある。
「セントール3の上段ロケットが商業乗員プログラムの一環として有人打ち上げの認証を取得したことに伴い、セントール5と多くの共通点がある」
まあ、どうでもいいんですが。
SLSが4年に1度しか上がらない理由は2段目じゃないからな。
忘れちゃいけないオリオン宇宙船の耐熱シールドや、コアステージへの水素注入に伴う漏出、その他もろもろの影響だ。
今回のアルテミス2号のICPS(2段目)では、ヘリウム注入障害もあったけどな。
まあいい。
探査上段の開発が、少なくとも当面は見送られたことで、アルテミス計画は本質的な変更を余儀なくされる。
SLSの早期退役も見えている中、2段目を既存のロケットから調達するという選択は無難だ。
有人認証に向けての作業も少なくて済みそうな感じだ(そうなのかあ?)。
それでも、コアステージ(1段目)との適合、オリオン宇宙船との適合では、実機による飛行試験が不可欠だ。
浮沈子懸念のアルテミス3号で改良された耐熱シールドの、月軌道からの再突入試験もあるしな。
アルテミス4号を無人で飛ばしておくのは無難だろう。
で、5号をアポロ10号相当のテスト飛行として行い、2040年代初頭に6号で有人月面着陸になるわけだ(そんなあ!)。
SLSを毎年飛ばせるようになるころには、引退の時期になっちまってるだろうな。
米国の有人宇宙開発はSLSに足を引っ張られて、改善の余地がない行き止まりの道に入っちまってる。
その2段目をどうしようと、所詮は焼け石に水だ。
探査上段を先送りしたことによるネガは、スターシップの実用化で補うことになるだろう。
その綱渡りに成功すれば良し、さもなければ米国は大きく停滞する。
アイザックマンが承認した一連のアルテミス計画の見直しは、実現可能な道筋に戻した点では評価できるけど、開発ペースが上がらなければ手順を増やしただけに終わる。
NASAの体質が変わらなければ、スターライナーの蹉跌を繰り返すことになるだけだろう。
政治要請で技術要素を軽視し、リスクマネージメントをゆがめ、過酷事故を繰り返す体質だ。
現在、有人月面着陸で中国の後塵を拝することがないようにするという強力な政治要請が存在する。
セントールVの選定においては、その時間的制約が前面に押し出されている。
有人認証において、同じ轍を踏むことがないように願いたいもんだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーーー
(NASA、月への帰還を加速させるためアルテミス計画を刷新)
https://arstechnica.com/space/2026/02/nasa-shakes-up-its-artemis-program-to-speed-up-lunar-return/
「発表されたアルテミス計画の変更点は以下のとおりです。」
・SLSロケットの探査上段およびブロックIBのアップグレードのキャンセル
・アルテミスIIとアルテミスIIIのミッションでは、既存の上段を備えたSLSロケットが使用される。
・アルテミスIV、V(そして追加のミッションがあれば)は「標準化された」上段を使用する。
・アルテミス3号は月面に着陸することはなくなり、代わりにオリオンがSLSで打ち上げられ、低軌道上でスターシップやブルームーンの着陸機とドッキングすることになる。
・アルテミス4号は、人類初の月面着陸ミッションとなった。
・NASAは、2027年半ばにアルテミス3号を打上げ、2028年には少なくとも1回の月面着陸を予定しており、毎年アルテミス計画の実施を目指す。
・NASAは、スペースXおよびブルーオリジンと協力して、アルテミスIV以降の商業月着陸船の開発を加速させている。
(ゲートウェイが消滅した可能性が高いため、月着陸船はどこでオリオンと合流するのでしょうか?)
https://arstechnica.com/space/2026/03/nasa-has-shuffled-its-artemis-rockets-but-what-of-the-lunar-landers/
「NASAが着陸船メーカーを支援する方法の一つは、オリオンが月面に最短3,000km、最長70,000kmまで接近する楕円軌道である、ほぼ直線状のハロー軌道でドッキングすることを義務付けないことです。NASAはハロー軌道に月ゲートウェイ宇宙ステーションを建設する予定でしたが、現在では計画が中止される可能性が高いです。月着陸船にとって、ハロー軌道は月面に着陸する前に停止するためにより多くのエネルギーを必要としていたため、これは大きなメリットとなります。」
「なぜオリオンがアポロ計画のように低月軌道で着陸機と合流しないのでしょうか?そうすれば、着陸機は月からの降下と帰還の際に消費する燃料を削減できます。その理由は、過去15年間に数々の誤った判断が下された結果、オリオン宇宙船のサービスモジュールが低月軌道に到達し、その後安全に地球に帰還するために必要な性能を備えていないためです。そのため、ほぼ直線的なハロー軌道が採用されています。」
「2022年7月にジョンソン宇宙センターのNASAエンジニアによって発表された研究論文では、オリオンが現在の推進力で到達可能な他の円軌道と楕円軌道をいくつか分析しています。この分析から、発音しやすい名前を持つもう一つの有用な軌道が生まれました。「楕円極軌道(Elliptical Polar Orbit with Coplanar Line of Apsides)」、略してEPO/CoLAです。」
2段目にICPSではなく、セントールVが使用されることになるため、月面着陸においてはより有利な軌道が用意される可能性もある。
「セントールVは現行のロケットよりも推進力が高く、アルテミスIVではオリオンがEPO/CoLAよりもさらに有利な軌道(つまり、月により近く、表面到達に必要なエネルギーが少ない軌道)に到達できる可能性がある。」
「近直線ハロー軌道へのドッキング要件を撤廃することで、月ではなく地球周回軌道上のオリオンとのドッキングを含む、新たなミッション計画の可能性が開かれる可能性も示唆しました。」
なんと、LEO上でのドッキングも視野に入っているということなわけだ(そうなのかあ?)。
んじゃあ、別にわざわざバカ高いSLSなんて使ってオリオンを上げなくたって、クルードラゴンで地球低軌道(LEO)に上げて、HLSに乗り換え、そこから月面着陸すればいいじゃないの・・・。
この話は以前にも出ていて、このブログでも取り上げたことがある。
(2028年宇宙の旅)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2022/12/06/9546073
「それは2028年に起こるかもしれませんが、SLSになるかどうかはわかりません」
「これはスパイシーな予測でした。」
「月へのアルテミスミッションを完了するための最も安全で低コストの手段は、4人の宇宙飛行士がクルードラゴンの低地球軌道でかなり高い高度に打ち上げられ、完全に燃料を補給されたスターシップとランデブーすることを含む. その後、宇宙飛行士は月に飛んで着陸し、地球軌道でクルードラゴンとランデブーするために戻ってきました。その後、ドラゴン内の地球に飛び散ります。」
「このアーキテクチャは、SLS での打ち上げを必要とせず、地球から遠く離れた月軌道で 2 回のランデブーとドッキングを必要としないため、リスクが低くなります。乗組員は、既存のアルテミス III 計画よりもスターシップで数日多く過ごすだけなので、スターシップの生命維持はその任務を遂行する必要があります。コストが気になる場合、この計画では Orion と SLS ロケットの41 億ドルの打ち上げコストも除外され、 20 分の 1程度の Crew Dragon が代用されます。」
「国会議員の前で、NASA が SpaceX だけの月探査ミッションを売り込むのは難しいだろう。しかし、ある時点で、プラグマティズムが政治に勝るかもしれません。」
ある時点とは何か。
そう、中国が米国に先んじて有人月面着陸を果たすことが確実となり、米国がSLSに拘っていれば、敗北することが明らかになった時点だ。
確認のため、アルスの元記事も読み直した。
(2023年にSLSが打ち上げられると予言した預言者は、アルテミス3号について考えている。)
https://arstechnica.com/science/2022/11/the-oracle-who-predicted-slss-launch-in-2023-has-thoughts-about-artemis-iii/
アルテミス1の打ち上げ直前に書かれた記事だが、今読みなおしてもスリリングだ。
「「私の出発点は2028年です」と彼は答えた。
これはそれほど無理な予測ではないように思えます。これは、アポロ計画を予定通り予算内で達成した祖父母の時代のNASAとは違います。1960年代は全く異なる時代で、NASAは莫大な予算、地政学的要請、そして1960年代末までに人類の月面着陸を達成するという大統領の命令の下で活動していました。今日、NASAが受け取る予算は連邦政府の支出に比べてはるかに少なく、月面着陸の期限に向けてNASAを駆り立てる外部からの圧力もはるかに小さくなっています。
結局のところ、2025年を逃しても実質的な影響はない。議会は多少反発するかもしれないが、実際にはアルテミス計画はNASAの有人探査計画にとって堅実な選択肢だ。国際的なパートナーもこの計画を支持しており、他に優れた選択肢はない。ほとんどの人は肩をすくめて、遅延を受け入れるだろう。」
2026年の今、アルテミス3は2027年に計画されている。
しかし、それが地球低軌道で月面着陸機とランデブー&ドッキングを行うだけのミッションになることは、4年前には誰も予想していなかった。
「月面着陸の期限に向けてNASAを駆り立てる外部からの圧力もはるかに小さくなっています。」「ほとんどの人は肩をすくめて、遅延を受け入れるだろう。」(再掲)
そうだろうか?。
その2028年のアルテミス4が、期限通りに実現すると信じられるだろうか?。
浮沈子的には、そのアルテミス4は無人機による試験飛行になる可能性が高いと見ているからな。
そして、アルテミス5は有人機による月面降下訓練だ(アポロ10号相当)。
4年に1度しか飛ばないSLSでは、2042年のアルテミス6号にならなければ米国の有人月面着陸は実現できない。
月軌道ステーションはお蔵入りで、月周辺には米国の宇宙機や宇宙船は何もなく、中国が月面基地を構築するのを指を咥えて眺める状況は、「NASAを駆り立てる外部からの圧力」にはならないと言えるのかあ?。
仮に、アルテミス4号以降、セントールVの2段目で毎年SLSが打ち上げられることになったとしても、アルテミス6号が飛ぶのは最短で2033年だ(3号:2030年、4号:2031年、5号:2032年、6号:2033年)。
中国との関係では、新たな問題も生じることになる。
強力な探査上段の開発を先送りにしたことで、月面に降ろせる貨物の量は激減する。
月面基地の構築で、巨大ロケットを量産して高頻度打ち上げを実現する中国との競争に敗れ続けることになった。
もちろん、スターシップやニューグレンの拡張版(9×4)が出てくれば話は別だがな。
しかし、それらは今のところタラレバの話に留まっている。
NASAがどうあがいても、2020年代に有人月面飛行を実現できないことは確定的だ。
そして、今回の一連の決定で、月軌道ステーションと月面基地の話も遠くへと押しやられた。
2030年代の米国の宇宙開発は、少なくとも有人月面開発に関しては大きく後退したことになる。
さらにいえば、もし、地政学的要請でSLSを使用しない月面着陸が行われた場合、NASAの存在自体が問われる可能性も出て来る。
アイザックマンが、最後のNASA長官になるかも知れない。
どこか別の役所(国防総省とかな)と統合されるか、FAAみたいに許認可だけ行うお役所になる。
現在でも、連邦予算をどう配分するかの調整機関としての役割が大きい。
それはそれで重要なお仕事だが、実施部隊を持たない形で高度に専門的な事業を統括することになれば、航空機業界が陥ったように、許認可業務を業界が請け負う形になりかねない。
787のバッテリー問題や737の墜落絡みの問題、古くはJAL123便の修理問題もあったからな。
宇宙飛行の安全が、そういう形で確保できるかどうかは分からない。
スターライナーは、業界(B社だけかあ?)任せの宇宙開発がどういう結末になるかを如実に示している。
悪いことは言わない。
米国は既に半世紀前に有人月面着陸を果たしている。
中国との競争なんて、本当は存在しないのだ。
それを宇宙開発の推進剤として使うことを止めるべきだ。
2040年代の月面着陸でいいじゃないの・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(チーン!探査上段が停止しました)
https://arstechnica.com/space/2026/03/ding-dong-the-exploration-upper-stage-is-dead/
「NASAは10年前にセントールV上段ロケットを選択すべきだった。次善の策は今日だった。アイザックマンは、請負業者に利益をもたらすためのロケットよりも、人類を月に送り込むためのロケットの方が優れていると判断した。」
10年前にはバルカンロケットもニューグレンもなかった。
もちろん、セントールVも存在しない。
スターシップは、未だに弾道飛行しか行えず、完成までには数年を要する状況だ。
エリックバーガーが言うように、雇用創出や利益誘導があったことは事実だが、当時の選択が誤っていたかどうかはビミョーだ。
確かなことは、その能力において(価格や実現の時期ではなく)、セントールVは探査上段に劣るという点だ。
「アイザックマンは、請負業者に利益をもたらすためのロケットよりも、人類を月に送り込むためのロケットの方が優れていると判断した。」(再掲)
人類ではなく、米国人だがな(中国人は人類ではないのかあ?)。
まあいい。
この決定によって、オリオンを月軌道以遠に送り込む選択肢は大幅に制限される。
「10年以上前にボーイング社と契約したエクスプロレーション上段ロケットのアップグレードは、SLSロケットがオリオン宇宙船だけでなく、大型ペイロードも月へ打ち上げられるようにすることを目的としていました。」
探査上段は月への貨物輸送に使われるだけではなく、オリオン宇宙船を乗せて深宇宙探検に送り出すことも想定されていた。
開発が完全に放棄されたわけじゃないみたいだから、中国との21世紀版有人月面着陸レースが一段落すれば復活するのかもしれない(そうなのかあ?)。
が、その頃にはスターシップが有人で飛んでいるだろう。
SLSとオリオンは、引導を渡されることになる。
スターシップの真のメリットは、低廉な打ち上げコストではなく(それはもちろん重要ですが)、完全再使用がもたらすアットーテキな高頻度打ち上げだ。
SLSは、逆立ちしても年に1回かせいぜい2回くらいしか上がらない。
スターシップが完全再使用で運用されるようになれば、そして、100機程度の初期艦隊が整備されれば、毎日の打ち上げが可能になるだろう(かなり控えめな予想:1段目しか再使用していないファルコン9ですら、3日に1度は上がっているからな)。
年に365回だ(計算上ですが)。
まあいい。
探査上段の開発は、名目上は生き残っているのかもしれないが、エリックバーガーが言うように、その可能性は事実上消えたと見ていいだろう。
アイザックマンは、有人火星探査については言及していない(未確認)。
それに必要な機材(宇宙船)の打ち上げや、月軌道をベースとした試験運用についても語っていない。
有人月面着陸に焦点を絞り、リソースを調整して短期目標に最適化しただけだ。
それで、自ら設定した中国に先んじるという目標が達成できるかどうかは分からない。
浮沈子は、どうあがいてもムリポと見ている。
長期目標を犠牲にして、リソースを集中させても出来ないものは出来ない。
それが、米国の有人宇宙開発の現状なわけだ。
浮沈子的には、政府予算の効率的な執行という観点からは一定の評価が出来るかもしれないけど、NASAの長期目標を先送りして回り道をしているだけのように映る。
その間に、スターシップがものになれば、待った甲斐があるということなのかもしれないけどな・・・。
(NASAがアルテミス計画の見直しを発表 月面着陸を2028年に先送りし地球低軌道でテスト実施へ)
https://sorae.info/space/20260301-nasa-artemis.html
「2027年に実施される予定の「Artemis III(アルテミスIII)」ミッションの目的について。これまでArtemis IIIはArtemis計画で宇宙飛行士が月面に降り立つ最初のミッションとして計画されていましたが、今回の見直しによって、月には向かわずに地球低軌道で各種テストを行うミッションへと変更」
各種テストって、何よ?。
「新たな役割を与えられたArtemis IIIミッションでは、Artemis計画の有人月着陸船「HLS」として開発が進められているSpaceX(スペースX)の「Starship HLS(スターシップHLS)」と、Blue Origin(ブルーオリジン)の「Blue Moon(ブルームーン)」の両方またはどちらかが打ち上げられ、新型宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」とのランデブーおよびドッキングが行われます。」
「ドッキングに成功した後は宇宙飛行士が着陸船に乗り込んで、生命維持装置、通信システム、推進システムなどの総合的なチェックを行います。また、月面で着用する新しい宇宙服「AxEMU」の機能テストなど、実際の月面探査を見据えた様々な検証が宇宙空間で実施される予定」
「新たな役割を与えられたArtemis IIIミッションは地球低軌道で司令船と月着陸船のドッキングを含むテストを行った「アポロ9号」に相当します。初の有人月面着陸を成し遂げたアポロ11号に相当するミッション(見直し後のArtemis IV)を実行する前に、地球の近くで機器の試験や手順の確認を行うプロセスを挟むことで、ミッションのリスクを減らし、安全性を高める狙い」
やれやれ・・・。
半世紀前のアポロの手順をなぞらなければ、21世紀の月面着陸は実施できないということなわけだ(そうなのかあ?)。
もちろん、スケジュール的には2030年とされる中国の有人月面着陸に先立って、米国の有人月面着陸が行われることになっている。
「なお、NASAは2028年に最大2回の月面着陸の機会を設けることを目指しているということです。Artemis IVミッションだけでなく、状況次第では次のArtemis Vミッションも2028年のうちに実施されることになるかもしれません。」
ありえねー・・・。
そんなスケジュールを信じている者など、NASA当局を含めて誰もいないだろう(未確認)。
ソラエのスタッフも、素直に疑問を呈している。
「推進剤補給などのテストを省略してArtemis IIIの実施にこぎつけたとしても、リスク軽減と安全性向上を重視する以上、月面着陸に必須となる機能・能力についても、いずれどこかでテストを行わなければなりません。」
つまり、アポロ10号に相当するテストミッションが必要になることを暗に示唆している。
それは、どんなに早くても2028年以降になるわけで、全てが予定通りに進んだとしても、有人月面着陸は2029年以降ということになる。
が、そのためには毎年SLSでオリオンを打ち上げ、HLSが完成し、何の問題も起こらずに次々とミッションをこなしていくことが前提となる。
ありえねー・・・。
現実の世界では、SLSは4年に1度(記事では3年となっているけど、1号が飛んだのは2022年だ:4年前)しか飛ばないし、その都度、何らかのトラブルを抱えて予期せぬ遅延が発生している。
HLSの開発の遅れがなかったとしても、次回飛ぶのは2030年だ(そうなのかあ?)。
4号で月周回軌道上でのテストを行うのは2034年、何事もなく全てのテストをクリアーしたとしても、実際に5号で有人月面着陸を行えるのは2038年ということになる。
浮沈子的には、このスケジュールさえ、大甘と見ており、2030年代の米国ロケットによる有人月面着陸は不可能という見立てだ。
いや、それはSLSを使った打ち上げに限った話かもしれない。
その頃(2030年代半ば)になれば、スターシップの有人飛行が現実になり、おそらく軌道上での燃料補給にも成功して、月面に直接着陸するか、それこそHLSに乗り移って月面に到達するようになる可能性もある(そうなのかあ?)。
記事では、SLSの開発について、もう一つ重要なことが書かれている。
「NASAのJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)長官は2月27日に開催された記者会見で、現在およそ3年に1回となっている打ち上げのペースにも懸念を示しました。間隔が空きすぎると、ミッションを支えるチームの技術や経験の維持が難しくなるためです。」
「この課題を解決するため、NASAはOrion宇宙船の打ち上げに使用する大型ロケット「SLS(Space Launch System、スペース・ローンチ・システム)」の機体構成をなるべく変更せず、標準化された上段(2段目)を使用していく方針を明らかにしました。」
「設計変更を最小限に抑えることで製造や準備のペースを早め、将来的には1年以内の間隔でミッションを実施できる体制を整えるとしています。」
いつになることやら・・・。
標準化された2段目が、ULAのセントール(ケンタウロス)Vであることは、既に発表されている。
(NASAの契約により、ULAのCentaur 5がSLSロケットの新たな上段ロケットとして選定されたことが確定した。)
https://spaceflightnow.com/2026/03/07/nasa-contract-confirms-selection-of-ulas-centaur-5-as-new-upper-stage-for-the-sls-rocket/
「NASAは、2028年初頭以降に打ち上げ予定のアルテミス4号ミッションから、スペース・ローンチ・システム・ロケットの上段としてユナイテッド・ローンチ・アライアンスのセントール5号を正式に選定した。」
この構成によるSLSの打ち上げは、もちろん初めてとなる。
新たな構成のロケットが、いきなり有人飛行を行うことはない(断定的!:そもそもセントールVは有人認証を受けていない:ちなみにスターライナーを打ち上げているアトラスVの上段はセントール3号で、全くの別物である)。
当然、そこには無人での打ち上げテストを挟むことになるだろう(未確認)。
アルテミス4号は、有人で行われたアポロ10号相当ではなく、無人機で行われる可能性が高い。
その時点で何かがあれば、またまたスケジュールがずれ込むことになる。
もっとも、有人認証については異なる見解もある。
「セントール3の上段ロケットが商業乗員プログラムの一環として有人打ち上げの認証を取得したことに伴い、セントール5と多くの共通点がある」
まあ、どうでもいいんですが。
SLSが4年に1度しか上がらない理由は2段目じゃないからな。
忘れちゃいけないオリオン宇宙船の耐熱シールドや、コアステージへの水素注入に伴う漏出、その他もろもろの影響だ。
今回のアルテミス2号のICPS(2段目)では、ヘリウム注入障害もあったけどな。
まあいい。
探査上段の開発が、少なくとも当面は見送られたことで、アルテミス計画は本質的な変更を余儀なくされる。
SLSの早期退役も見えている中、2段目を既存のロケットから調達するという選択は無難だ。
有人認証に向けての作業も少なくて済みそうな感じだ(そうなのかあ?)。
それでも、コアステージ(1段目)との適合、オリオン宇宙船との適合では、実機による飛行試験が不可欠だ。
浮沈子懸念のアルテミス3号で改良された耐熱シールドの、月軌道からの再突入試験もあるしな。
アルテミス4号を無人で飛ばしておくのは無難だろう。
で、5号をアポロ10号相当のテスト飛行として行い、2040年代初頭に6号で有人月面着陸になるわけだ(そんなあ!)。
SLSを毎年飛ばせるようになるころには、引退の時期になっちまってるだろうな。
米国の有人宇宙開発はSLSに足を引っ張られて、改善の余地がない行き止まりの道に入っちまってる。
その2段目をどうしようと、所詮は焼け石に水だ。
探査上段を先送りしたことによるネガは、スターシップの実用化で補うことになるだろう。
その綱渡りに成功すれば良し、さもなければ米国は大きく停滞する。
アイザックマンが承認した一連のアルテミス計画の見直しは、実現可能な道筋に戻した点では評価できるけど、開発ペースが上がらなければ手順を増やしただけに終わる。
NASAの体質が変わらなければ、スターライナーの蹉跌を繰り返すことになるだけだろう。
政治要請で技術要素を軽視し、リスクマネージメントをゆがめ、過酷事故を繰り返す体質だ。
現在、有人月面着陸で中国の後塵を拝することがないようにするという強力な政治要請が存在する。
セントールVの選定においては、その時間的制約が前面に押し出されている。
有人認証において、同じ轍を踏むことがないように願いたいもんだな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーーー
(NASA、月への帰還を加速させるためアルテミス計画を刷新)
https://arstechnica.com/space/2026/02/nasa-shakes-up-its-artemis-program-to-speed-up-lunar-return/
「発表されたアルテミス計画の変更点は以下のとおりです。」
・SLSロケットの探査上段およびブロックIBのアップグレードのキャンセル
・アルテミスIIとアルテミスIIIのミッションでは、既存の上段を備えたSLSロケットが使用される。
・アルテミスIV、V(そして追加のミッションがあれば)は「標準化された」上段を使用する。
・アルテミス3号は月面に着陸することはなくなり、代わりにオリオンがSLSで打ち上げられ、低軌道上でスターシップやブルームーンの着陸機とドッキングすることになる。
・アルテミス4号は、人類初の月面着陸ミッションとなった。
・NASAは、2027年半ばにアルテミス3号を打上げ、2028年には少なくとも1回の月面着陸を予定しており、毎年アルテミス計画の実施を目指す。
・NASAは、スペースXおよびブルーオリジンと協力して、アルテミスIV以降の商業月着陸船の開発を加速させている。
(ゲートウェイが消滅した可能性が高いため、月着陸船はどこでオリオンと合流するのでしょうか?)
https://arstechnica.com/space/2026/03/nasa-has-shuffled-its-artemis-rockets-but-what-of-the-lunar-landers/
「NASAが着陸船メーカーを支援する方法の一つは、オリオンが月面に最短3,000km、最長70,000kmまで接近する楕円軌道である、ほぼ直線状のハロー軌道でドッキングすることを義務付けないことです。NASAはハロー軌道に月ゲートウェイ宇宙ステーションを建設する予定でしたが、現在では計画が中止される可能性が高いです。月着陸船にとって、ハロー軌道は月面に着陸する前に停止するためにより多くのエネルギーを必要としていたため、これは大きなメリットとなります。」
「なぜオリオンがアポロ計画のように低月軌道で着陸機と合流しないのでしょうか?そうすれば、着陸機は月からの降下と帰還の際に消費する燃料を削減できます。その理由は、過去15年間に数々の誤った判断が下された結果、オリオン宇宙船のサービスモジュールが低月軌道に到達し、その後安全に地球に帰還するために必要な性能を備えていないためです。そのため、ほぼ直線的なハロー軌道が採用されています。」
「2022年7月にジョンソン宇宙センターのNASAエンジニアによって発表された研究論文では、オリオンが現在の推進力で到達可能な他の円軌道と楕円軌道をいくつか分析しています。この分析から、発音しやすい名前を持つもう一つの有用な軌道が生まれました。「楕円極軌道(Elliptical Polar Orbit with Coplanar Line of Apsides)」、略してEPO/CoLAです。」
2段目にICPSではなく、セントールVが使用されることになるため、月面着陸においてはより有利な軌道が用意される可能性もある。
「セントールVは現行のロケットよりも推進力が高く、アルテミスIVではオリオンがEPO/CoLAよりもさらに有利な軌道(つまり、月により近く、表面到達に必要なエネルギーが少ない軌道)に到達できる可能性がある。」
「近直線ハロー軌道へのドッキング要件を撤廃することで、月ではなく地球周回軌道上のオリオンとのドッキングを含む、新たなミッション計画の可能性が開かれる可能性も示唆しました。」
なんと、LEO上でのドッキングも視野に入っているということなわけだ(そうなのかあ?)。
んじゃあ、別にわざわざバカ高いSLSなんて使ってオリオンを上げなくたって、クルードラゴンで地球低軌道(LEO)に上げて、HLSに乗り換え、そこから月面着陸すればいいじゃないの・・・。
この話は以前にも出ていて、このブログでも取り上げたことがある。
(2028年宇宙の旅)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2022/12/06/9546073
「それは2028年に起こるかもしれませんが、SLSになるかどうかはわかりません」
「これはスパイシーな予測でした。」
「月へのアルテミスミッションを完了するための最も安全で低コストの手段は、4人の宇宙飛行士がクルードラゴンの低地球軌道でかなり高い高度に打ち上げられ、完全に燃料を補給されたスターシップとランデブーすることを含む. その後、宇宙飛行士は月に飛んで着陸し、地球軌道でクルードラゴンとランデブーするために戻ってきました。その後、ドラゴン内の地球に飛び散ります。」
「このアーキテクチャは、SLS での打ち上げを必要とせず、地球から遠く離れた月軌道で 2 回のランデブーとドッキングを必要としないため、リスクが低くなります。乗組員は、既存のアルテミス III 計画よりもスターシップで数日多く過ごすだけなので、スターシップの生命維持はその任務を遂行する必要があります。コストが気になる場合、この計画では Orion と SLS ロケットの41 億ドルの打ち上げコストも除外され、 20 分の 1程度の Crew Dragon が代用されます。」
「国会議員の前で、NASA が SpaceX だけの月探査ミッションを売り込むのは難しいだろう。しかし、ある時点で、プラグマティズムが政治に勝るかもしれません。」
ある時点とは何か。
そう、中国が米国に先んじて有人月面着陸を果たすことが確実となり、米国がSLSに拘っていれば、敗北することが明らかになった時点だ。
確認のため、アルスの元記事も読み直した。
(2023年にSLSが打ち上げられると予言した預言者は、アルテミス3号について考えている。)
https://arstechnica.com/science/2022/11/the-oracle-who-predicted-slss-launch-in-2023-has-thoughts-about-artemis-iii/
アルテミス1の打ち上げ直前に書かれた記事だが、今読みなおしてもスリリングだ。
「「私の出発点は2028年です」と彼は答えた。
これはそれほど無理な予測ではないように思えます。これは、アポロ計画を予定通り予算内で達成した祖父母の時代のNASAとは違います。1960年代は全く異なる時代で、NASAは莫大な予算、地政学的要請、そして1960年代末までに人類の月面着陸を達成するという大統領の命令の下で活動していました。今日、NASAが受け取る予算は連邦政府の支出に比べてはるかに少なく、月面着陸の期限に向けてNASAを駆り立てる外部からの圧力もはるかに小さくなっています。
結局のところ、2025年を逃しても実質的な影響はない。議会は多少反発するかもしれないが、実際にはアルテミス計画はNASAの有人探査計画にとって堅実な選択肢だ。国際的なパートナーもこの計画を支持しており、他に優れた選択肢はない。ほとんどの人は肩をすくめて、遅延を受け入れるだろう。」
2026年の今、アルテミス3は2027年に計画されている。
しかし、それが地球低軌道で月面着陸機とランデブー&ドッキングを行うだけのミッションになることは、4年前には誰も予想していなかった。
「月面着陸の期限に向けてNASAを駆り立てる外部からの圧力もはるかに小さくなっています。」「ほとんどの人は肩をすくめて、遅延を受け入れるだろう。」(再掲)
そうだろうか?。
その2028年のアルテミス4が、期限通りに実現すると信じられるだろうか?。
浮沈子的には、そのアルテミス4は無人機による試験飛行になる可能性が高いと見ているからな。
そして、アルテミス5は有人機による月面降下訓練だ(アポロ10号相当)。
4年に1度しか飛ばないSLSでは、2042年のアルテミス6号にならなければ米国の有人月面着陸は実現できない。
月軌道ステーションはお蔵入りで、月周辺には米国の宇宙機や宇宙船は何もなく、中国が月面基地を構築するのを指を咥えて眺める状況は、「NASAを駆り立てる外部からの圧力」にはならないと言えるのかあ?。
仮に、アルテミス4号以降、セントールVの2段目で毎年SLSが打ち上げられることになったとしても、アルテミス6号が飛ぶのは最短で2033年だ(3号:2030年、4号:2031年、5号:2032年、6号:2033年)。
中国との関係では、新たな問題も生じることになる。
強力な探査上段の開発を先送りにしたことで、月面に降ろせる貨物の量は激減する。
月面基地の構築で、巨大ロケットを量産して高頻度打ち上げを実現する中国との競争に敗れ続けることになった。
もちろん、スターシップやニューグレンの拡張版(9×4)が出てくれば話は別だがな。
しかし、それらは今のところタラレバの話に留まっている。
NASAがどうあがいても、2020年代に有人月面飛行を実現できないことは確定的だ。
そして、今回の一連の決定で、月軌道ステーションと月面基地の話も遠くへと押しやられた。
2030年代の米国の宇宙開発は、少なくとも有人月面開発に関しては大きく後退したことになる。
さらにいえば、もし、地政学的要請でSLSを使用しない月面着陸が行われた場合、NASAの存在自体が問われる可能性も出て来る。
アイザックマンが、最後のNASA長官になるかも知れない。
どこか別の役所(国防総省とかな)と統合されるか、FAAみたいに許認可だけ行うお役所になる。
現在でも、連邦予算をどう配分するかの調整機関としての役割が大きい。
それはそれで重要なお仕事だが、実施部隊を持たない形で高度に専門的な事業を統括することになれば、航空機業界が陥ったように、許認可業務を業界が請け負う形になりかねない。
787のバッテリー問題や737の墜落絡みの問題、古くはJAL123便の修理問題もあったからな。
宇宙飛行の安全が、そういう形で確保できるかどうかは分からない。
スターライナーは、業界(B社だけかあ?)任せの宇宙開発がどういう結末になるかを如実に示している。
悪いことは言わない。
米国は既に半世紀前に有人月面着陸を果たしている。
中国との競争なんて、本当は存在しないのだ。
それを宇宙開発の推進剤として使うことを止めるべきだ。
2040年代の月面着陸でいいじゃないの・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(チーン!探査上段が停止しました)
https://arstechnica.com/space/2026/03/ding-dong-the-exploration-upper-stage-is-dead/
「NASAは10年前にセントールV上段ロケットを選択すべきだった。次善の策は今日だった。アイザックマンは、請負業者に利益をもたらすためのロケットよりも、人類を月に送り込むためのロケットの方が優れていると判断した。」
10年前にはバルカンロケットもニューグレンもなかった。
もちろん、セントールVも存在しない。
スターシップは、未だに弾道飛行しか行えず、完成までには数年を要する状況だ。
エリックバーガーが言うように、雇用創出や利益誘導があったことは事実だが、当時の選択が誤っていたかどうかはビミョーだ。
確かなことは、その能力において(価格や実現の時期ではなく)、セントールVは探査上段に劣るという点だ。
「アイザックマンは、請負業者に利益をもたらすためのロケットよりも、人類を月に送り込むためのロケットの方が優れていると判断した。」(再掲)
人類ではなく、米国人だがな(中国人は人類ではないのかあ?)。
まあいい。
この決定によって、オリオンを月軌道以遠に送り込む選択肢は大幅に制限される。
「10年以上前にボーイング社と契約したエクスプロレーション上段ロケットのアップグレードは、SLSロケットがオリオン宇宙船だけでなく、大型ペイロードも月へ打ち上げられるようにすることを目的としていました。」
探査上段は月への貨物輸送に使われるだけではなく、オリオン宇宙船を乗せて深宇宙探検に送り出すことも想定されていた。
開発が完全に放棄されたわけじゃないみたいだから、中国との21世紀版有人月面着陸レースが一段落すれば復活するのかもしれない(そうなのかあ?)。
が、その頃にはスターシップが有人で飛んでいるだろう。
SLSとオリオンは、引導を渡されることになる。
スターシップの真のメリットは、低廉な打ち上げコストではなく(それはもちろん重要ですが)、完全再使用がもたらすアットーテキな高頻度打ち上げだ。
SLSは、逆立ちしても年に1回かせいぜい2回くらいしか上がらない。
スターシップが完全再使用で運用されるようになれば、そして、100機程度の初期艦隊が整備されれば、毎日の打ち上げが可能になるだろう(かなり控えめな予想:1段目しか再使用していないファルコン9ですら、3日に1度は上がっているからな)。
年に365回だ(計算上ですが)。
まあいい。
探査上段の開発は、名目上は生き残っているのかもしれないが、エリックバーガーが言うように、その可能性は事実上消えたと見ていいだろう。
アイザックマンは、有人火星探査については言及していない(未確認)。
それに必要な機材(宇宙船)の打ち上げや、月軌道をベースとした試験運用についても語っていない。
有人月面着陸に焦点を絞り、リソースを調整して短期目標に最適化しただけだ。
それで、自ら設定した中国に先んじるという目標が達成できるかどうかは分からない。
浮沈子は、どうあがいてもムリポと見ている。
長期目標を犠牲にして、リソースを集中させても出来ないものは出来ない。
それが、米国の有人宇宙開発の現状なわけだ。
浮沈子的には、政府予算の効率的な執行という観点からは一定の評価が出来るかもしれないけど、NASAの長期目標を先送りして回り道をしているだけのように映る。
その間に、スターシップがものになれば、待った甲斐があるということなのかもしれないけどな・・・。





最近のコメント