無関心 ― 2016年04月25日 06:28
無関心
エボラのその後、衛星ひとみの分離の原因、北朝鮮の核実験準備や潜水艦発射弾道ミサイル、豪州の潜水艦調達、米国の大統領選挙、熊本地震、エトセエトセ・・・。
おまけに、神戸では、建設中の橋げたが落下するという大惨事が起こった。
一つ一つ、きちんと調べて、理解しようと努力し、カッカしたり、拗ねてみたりしながらコメントを書き散らかしてもいいんだが、何かこう、無関心というか、気が乗らないというか、それどころじゃないというか・・・。
神心ことX-2という試験機が飛んだそうだが、オーソドックスなステルス機のスタイルをしている(画像参照)。
次期支援戦闘機のテストベッドらしいが、第6世代のステルス機というなら、もっとこう、不安定さというか、高機動性を前面に出した、「こんなもんが、ホントに飛ぶのかあ?」的な雰囲気があってもいいような気がする。
せめてYF-23みたいなやつとか、戦闘妖精雪風に出てくる無人機レイフのような、オドロオドロしいフォルムにはならなかったのかあ?。
これからのステルス戦闘機は、ステルス戦闘機と空中戦をしなければならない。
当然、お互いに、レーダーでは探知できず、目視で戦うことになる。
ミノフスキー粒子をばら撒いた宇宙空間のようなもんだな(ガンダムネタ)。
第一次世界大戦当時と同じく、目視でお互いの背後を取り合う空中戦こそが勝敗を決める。
爆撃機と異なり、見えなきゃいいってもんじゃないのだ。
究極の電子戦では、攻める方も守る方も鎬を削ることになるので、結局機関砲による物理的な破壊しか有効手段はない。
ステルス性を確保しながら、近接戦闘の優位を獲得するための唯一の方策は、空力を動的にコントロールしたり、人工衛星のように、姿勢制御をジェット噴射でコントロールしたりするしかないのだ。
静的安定性を捨てて、不安定性をダイナミックに制御し続ける。
ははあ、CCRの浮力コントロールのようなもんだな。
しかも、形状は、電波の反射を抑えるために、こんなもんがホントに飛ぶのかあ?的な、ワケワカの形が求められる。
Fー117が出た時のような衝撃はない。
(F-117 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-117_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
「木材の使用:
レーダー探知を極力避けるために非金属素材が多用されていると言われ、コソボ紛争で撃墜された機体片の写真では木材が使われているのが確認できる。」
このくらいの、ドラスティックな飛行機になって欲しかったな。
まあ、どうでもいいんですが。
もちろん、光学迷彩技術も重要だ。
ドハデな色彩では、目視による攻撃の対象となる。
ステルス技術が当たり前になれば、光学認識による近接戦が主流になるわけだから、カメラなどに写らないようにする技術を導入することになる。
機体の反対側のカメラで写した映像を、機体全面に貼ったフィルム状のモニターに映し出すという、透明化技術のようなものも登場するかもしれない。
ああ、攻殻機動隊の光学迷彩のような奴だな。
浮沈子の好奇心は、このところ停滞気味で、パラオから帰国した後は、うだうだしてしまっている。
X-2位にしか、関心が向かない。
アビオニクス、偏向ノズル、ステルス特性、動的制御、レーザー兵器(?)、エトセエトセ・・・。
しかしなあ、戦闘機というのが、そろそろ陳腐な兵器になりつつあるわけだしなあ。
これからは、無数のドローン(無人機)が飛び交う時代だろう。
人間という生卵を乗せて、機動を制限される航空移動体に未来はない。
空中分解寸前までGを掛けて、アクティブな制御を行い、空飛ぶ円盤もビックリな高機動を行うわけだ。
逆噴射なんて、当たり前・・・。
まあいい。
何でも機械が行う世の中になってきて、人間の居場所は徐々に狭くなってきている。
居心地のいい所で、美味しいものを頂きながら、メタボになるわけだ。
カロリーコントロールやフィットネスに、わざわざお金を掛けて・・・。
乗り物に乗って、フィットネスクラブに通うなら、そこまで歩いて行って、そのまま帰ってくれば、金もエネルギーも使わずに済むんじゃないのかあ?。
様々な矛盾を抱えながら、しかし、機械は人間にとって代わり続けた。
AIの話の中で、職業が機械に奪われるという話は良く聞く。
人間の活動領域が、機械によって狭くなり、特定の領域に押し込められていくというのだ。
芸術、創造、学問、教育、エトセエトセ・・・。
しかし、機械の方が上手くこなすからといって、みんな機械任せにしたほうがいいんだろうか?。
敢えて機械を使わずに、人間の能力を研ぎ澄ましていくべき領域ってないんだろうか?。
それを探そうとしている自分に気づく。
そのこと自体が不気味だな。
機械に置き換えが出来ないものが、なくなりつつある。
ドライブだって、ダイビングだって、そのうち機械が代わりに行って、人間はVRで楽しむようになるに決まっている。
ネットを徘徊してブログを書くなんていうのは、真っ先にAIに乗っ取られそうだ。
人間が出来ることといえば、美味いもの食ってメタボになるくらいになってしまう・・・。
そうすると、フィットネスは、永遠に続く産業ということになるわけか。
自宅で一人続けるというのは、やっぱ寂しいものがあるので、みんながやっているところでワイワイと一緒にやる方が続くということもある。
大井町にお出かけして、フィットネスで汗を流し、腹を空かせて上手いものを食う(プラスマイナス、ゼロ?)。
たまには気分転換でいいかもしれないが、それだけでは人間は生きていけない。
恋をしたり、家庭を築いたり、子育てしたり、介護したりしながら、悲喜こもごもの人生を送る。
普通の生活、当たり前の日常。
その中で、徐々に機械に置き換えられる人間の活動。
水から煮殺されるカエルのように、気付いたら恋も子育ても介護も機械任せになっているかも知れないな。
しかし、恋する機械って、どんな機械なんだろうな・・・。
エボラのその後、衛星ひとみの分離の原因、北朝鮮の核実験準備や潜水艦発射弾道ミサイル、豪州の潜水艦調達、米国の大統領選挙、熊本地震、エトセエトセ・・・。
おまけに、神戸では、建設中の橋げたが落下するという大惨事が起こった。
一つ一つ、きちんと調べて、理解しようと努力し、カッカしたり、拗ねてみたりしながらコメントを書き散らかしてもいいんだが、何かこう、無関心というか、気が乗らないというか、それどころじゃないというか・・・。
神心ことX-2という試験機が飛んだそうだが、オーソドックスなステルス機のスタイルをしている(画像参照)。
次期支援戦闘機のテストベッドらしいが、第6世代のステルス機というなら、もっとこう、不安定さというか、高機動性を前面に出した、「こんなもんが、ホントに飛ぶのかあ?」的な雰囲気があってもいいような気がする。
せめてYF-23みたいなやつとか、戦闘妖精雪風に出てくる無人機レイフのような、オドロオドロしいフォルムにはならなかったのかあ?。
これからのステルス戦闘機は、ステルス戦闘機と空中戦をしなければならない。
当然、お互いに、レーダーでは探知できず、目視で戦うことになる。
ミノフスキー粒子をばら撒いた宇宙空間のようなもんだな(ガンダムネタ)。
第一次世界大戦当時と同じく、目視でお互いの背後を取り合う空中戦こそが勝敗を決める。
爆撃機と異なり、見えなきゃいいってもんじゃないのだ。
究極の電子戦では、攻める方も守る方も鎬を削ることになるので、結局機関砲による物理的な破壊しか有効手段はない。
ステルス性を確保しながら、近接戦闘の優位を獲得するための唯一の方策は、空力を動的にコントロールしたり、人工衛星のように、姿勢制御をジェット噴射でコントロールしたりするしかないのだ。
静的安定性を捨てて、不安定性をダイナミックに制御し続ける。
ははあ、CCRの浮力コントロールのようなもんだな。
しかも、形状は、電波の反射を抑えるために、こんなもんがホントに飛ぶのかあ?的な、ワケワカの形が求められる。
Fー117が出た時のような衝撃はない。
(F-117 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-117_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
「木材の使用:
レーダー探知を極力避けるために非金属素材が多用されていると言われ、コソボ紛争で撃墜された機体片の写真では木材が使われているのが確認できる。」
このくらいの、ドラスティックな飛行機になって欲しかったな。
まあ、どうでもいいんですが。
もちろん、光学迷彩技術も重要だ。
ドハデな色彩では、目視による攻撃の対象となる。
ステルス技術が当たり前になれば、光学認識による近接戦が主流になるわけだから、カメラなどに写らないようにする技術を導入することになる。
機体の反対側のカメラで写した映像を、機体全面に貼ったフィルム状のモニターに映し出すという、透明化技術のようなものも登場するかもしれない。
ああ、攻殻機動隊の光学迷彩のような奴だな。
浮沈子の好奇心は、このところ停滞気味で、パラオから帰国した後は、うだうだしてしまっている。
X-2位にしか、関心が向かない。
アビオニクス、偏向ノズル、ステルス特性、動的制御、レーザー兵器(?)、エトセエトセ・・・。
しかしなあ、戦闘機というのが、そろそろ陳腐な兵器になりつつあるわけだしなあ。
これからは、無数のドローン(無人機)が飛び交う時代だろう。
人間という生卵を乗せて、機動を制限される航空移動体に未来はない。
空中分解寸前までGを掛けて、アクティブな制御を行い、空飛ぶ円盤もビックリな高機動を行うわけだ。
逆噴射なんて、当たり前・・・。
まあいい。
何でも機械が行う世の中になってきて、人間の居場所は徐々に狭くなってきている。
居心地のいい所で、美味しいものを頂きながら、メタボになるわけだ。
カロリーコントロールやフィットネスに、わざわざお金を掛けて・・・。
乗り物に乗って、フィットネスクラブに通うなら、そこまで歩いて行って、そのまま帰ってくれば、金もエネルギーも使わずに済むんじゃないのかあ?。
様々な矛盾を抱えながら、しかし、機械は人間にとって代わり続けた。
AIの話の中で、職業が機械に奪われるという話は良く聞く。
人間の活動領域が、機械によって狭くなり、特定の領域に押し込められていくというのだ。
芸術、創造、学問、教育、エトセエトセ・・・。
しかし、機械の方が上手くこなすからといって、みんな機械任せにしたほうがいいんだろうか?。
敢えて機械を使わずに、人間の能力を研ぎ澄ましていくべき領域ってないんだろうか?。
それを探そうとしている自分に気づく。
そのこと自体が不気味だな。
機械に置き換えが出来ないものが、なくなりつつある。
ドライブだって、ダイビングだって、そのうち機械が代わりに行って、人間はVRで楽しむようになるに決まっている。
ネットを徘徊してブログを書くなんていうのは、真っ先にAIに乗っ取られそうだ。
人間が出来ることといえば、美味いもの食ってメタボになるくらいになってしまう・・・。
そうすると、フィットネスは、永遠に続く産業ということになるわけか。
自宅で一人続けるというのは、やっぱ寂しいものがあるので、みんながやっているところでワイワイと一緒にやる方が続くということもある。
大井町にお出かけして、フィットネスで汗を流し、腹を空かせて上手いものを食う(プラスマイナス、ゼロ?)。
たまには気分転換でいいかもしれないが、それだけでは人間は生きていけない。
恋をしたり、家庭を築いたり、子育てしたり、介護したりしながら、悲喜こもごもの人生を送る。
普通の生活、当たり前の日常。
その中で、徐々に機械に置き換えられる人間の活動。
水から煮殺されるカエルのように、気付いたら恋も子育ても介護も機械任せになっているかも知れないな。
しかし、恋する機械って、どんな機械なんだろうな・・・。
アンテロープ考 ― 2016年04月25日 09:11
アンテロープ考
(アンテロープ パラオ)
http://www.antelope-palau.com/
今回お世話になり、そのアットホームな雰囲気が気に入ったアンテロープ。
よく調べもしないで泊まってみたのだが、値段が安いのと、デイドリームに近いので、ご機嫌な宿だ。
4階のクラブハウスは、シャワーとトイレが共用なので、人によっては抵抗があるかも知れないが、タイのピピ島でドミトリーに泊まったりしたことと比べれば、天国のようなところだ。
デラックスルームとかは、それなりの値段だが、浮沈子はクラブハウスで十分だな。
何より、日本人スタッフがいて、細かい話が出来るのがいい。
隣のウエストプラザマラカルにも泊まったが、英語のみなので、ビミョーなコミュニケーションが難しい。
2ワード英会話では、限界があるのだ。
ディス・プリーズ。
ノー・サンキュー。
まあいい。
メールチェック程度のインターネット接続は、5日間2時間まで5ドルでできるし、食堂(サマーハウスというらしい)から、日本に電話を掛けることもできる。
お客さんが、みんな日本人だったので、いささか異国情緒を阻害する(失礼!)が、常夏の島、ローカルスタッフの人懐っこさもあって、快適に過ごせた。
アンテロープというのは、元々は牛科の動物のことらしい。
(レイヨウ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%82%A6
「レイヨウ(羚羊)またはアンテロープ (Antelope) は、ウシ科の大部分の種を含むグループ。分類学的にはおおよそ、ウシ科からウシ族とヤギ亜科を除いた残りに相当し、ウシ科の約130種のうち約90種が含まれる。」
もちろん、ホテルの名前の由来ではなく、そっちはアンテロープという船の名前からきている。
アンテロープという名前の船は、山ほどあって、どれがそうなのかがなかなかわからなかったが、いろいろ調べてみると、パラオにゆかりのある船が出てきた。
(Antelope (1781 EIC packet ship))
https://en.wikipedia.org/wiki/Antelope_(1781_EIC_packet_ship)
「Antelope was a packet ship built for the British East India Company (EIC) in 1781. She made one voyage for the company that ended when she was wrecked on 10 August 1783 off Ulong , near Koror Island in Palau .」
なんか、座礁して廃船になったところというのがショボイ話だが、切手にもなっているので間違いなかろう。
(ヘンリー・ウィルソン船長
1783
パラオ諸島で乗船が難破)
http://www.k5.dion.ne.jp/~a-web/Gv-bWlson.htm
パラオについての簡単な解説のページもあった。
(パラオ
Republic of Palau)
http://www.k5.dion.ne.jp/~a-web/map/tz-plau.htm
まあ、今は観光の島になっていて、年間8パーセントという中国もビックリの経済成長率を誇る(今年は、干ばつで大変だけどな)。
(パラオ共和国(Republic of Palau)
基礎データ)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/palau/data.html#section1
「10.経済概況:
米国とのコンパクトに基づく無償援助に大きく依存しており、近年は台湾からの援助も増加している。日本、米国及び台湾からの無償援助に依存する建設業、食料品・消費財の輸入に立脚する商業及び観光産業が主要産業となっており、それぞれの産業では外国人労働力への依存度が高い。また、パラオ人の過半数が公務員である。観光に関しては、日本や韓国、台湾から直行便が運行しており、2015年には観光客総数が161,931人に達した(内、日本人観光客数は31,016人。)。」
「食糧に関しては、タロイモやキャッサバの生産及び近海漁業はあるものの、大部分を米国本土からの輸入に依存している。」
「依然として財政・経済とも外国からの援助に大幅に依存しており、自立経済達成は困難な状況にある。」
まあ、そうだろうなあ・・・。
上記の中で、16万人の観光客の中で、日本人はわずか3万人に過ぎない。
ほかは、どうなんだろう?。
(パラオ情勢(2015年10月))
http://www.palau.emb-japan.go.jp/politics_economy/jyousei/H2710_j.htm
「9月までの訪問客数:
2015年年初から9月までのパラオ訪問客の総数は125,467人であり,昨年同期に比べ26.13%増加した。内,日本人は23,060人(前年同期比21.79%減),台湾人は10,652人(同58.33%減),韓国人は8,919人(同19.87%減)と大幅に減少し,9月の日本・台湾・韓国からの各訪問客数は,過去5年間で最低の数字となっている。これに対し,中国本土(含香港)からの訪問客は,69,975人(同256.96%増)と激増を続けており,総数の半分以上を占め,訪問客数第1位となっている。」
やっぱ、中国かあ・・・。
台湾、韓国は、意外に少ない。
さらに、減少している。
日本からのお客さんも減ってるわけで、中国一人勝ちという感じだ。
その他の国の合計は、わずか12861人に過ぎない。
中、日、台、韓で、約90パーセントになる。
アンテロープにも、そのうち中国語が響き渡るようになるんだろうか?。
まあ、どうでもいいんですが。
パラオ自体の観光価値というのは、今後も上がっていくに違いない。
開発なども、進んでいくだろう。
ダイビングだけでなく、総合的なリゾート地として、人気が出てくると思われる。
浮沈子は、ダイビングだけでもいいんだがな。
しかし、中国以外の観光客が減っているというのは、やっぱ気になる。
前年同期で257パーセントも増えている中国だって、今後の経済情勢によっては、激減する可能性もある。
パラオ独自の魅力をアピールして、世界中からお客さんを呼び込んでいかなければならないだろう。
デイドリームの2階にあるレストランは、欧米系のお客さんが多いが、ああいうところがもっと増えていくといいんだろうな。
米国やヨーロッパからは遠いが、訪れる価値があれば、あまり関係ないかもしれない。
でも、その一方で、隠れ家的なリゾートの雰囲気も残してほしいような気もする。
アンテロープは、浮沈子にとっては、そんな雰囲気のホテルだった。
(アンテロープ パラオ)
http://www.antelope-palau.com/
今回お世話になり、そのアットホームな雰囲気が気に入ったアンテロープ。
よく調べもしないで泊まってみたのだが、値段が安いのと、デイドリームに近いので、ご機嫌な宿だ。
4階のクラブハウスは、シャワーとトイレが共用なので、人によっては抵抗があるかも知れないが、タイのピピ島でドミトリーに泊まったりしたことと比べれば、天国のようなところだ。
デラックスルームとかは、それなりの値段だが、浮沈子はクラブハウスで十分だな。
何より、日本人スタッフがいて、細かい話が出来るのがいい。
隣のウエストプラザマラカルにも泊まったが、英語のみなので、ビミョーなコミュニケーションが難しい。
2ワード英会話では、限界があるのだ。
ディス・プリーズ。
ノー・サンキュー。
まあいい。
メールチェック程度のインターネット接続は、5日間2時間まで5ドルでできるし、食堂(サマーハウスというらしい)から、日本に電話を掛けることもできる。
お客さんが、みんな日本人だったので、いささか異国情緒を阻害する(失礼!)が、常夏の島、ローカルスタッフの人懐っこさもあって、快適に過ごせた。
アンテロープというのは、元々は牛科の動物のことらしい。
(レイヨウ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%82%A6
「レイヨウ(羚羊)またはアンテロープ (Antelope) は、ウシ科の大部分の種を含むグループ。分類学的にはおおよそ、ウシ科からウシ族とヤギ亜科を除いた残りに相当し、ウシ科の約130種のうち約90種が含まれる。」
もちろん、ホテルの名前の由来ではなく、そっちはアンテロープという船の名前からきている。
アンテロープという名前の船は、山ほどあって、どれがそうなのかがなかなかわからなかったが、いろいろ調べてみると、パラオにゆかりのある船が出てきた。
(Antelope (1781 EIC packet ship))
https://en.wikipedia.org/wiki/Antelope_(1781_EIC_packet_ship)
「Antelope was a packet ship built for the British East India Company (EIC) in 1781. She made one voyage for the company that ended when she was wrecked on 10 August 1783 off Ulong , near Koror Island in Palau .」
なんか、座礁して廃船になったところというのがショボイ話だが、切手にもなっているので間違いなかろう。
(ヘンリー・ウィルソン船長
1783
パラオ諸島で乗船が難破)
http://www.k5.dion.ne.jp/~a-web/Gv-bWlson.htm
パラオについての簡単な解説のページもあった。
(パラオ
Republic of Palau)
http://www.k5.dion.ne.jp/~a-web/map/tz-plau.htm
まあ、今は観光の島になっていて、年間8パーセントという中国もビックリの経済成長率を誇る(今年は、干ばつで大変だけどな)。
(パラオ共和国(Republic of Palau)
基礎データ)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/palau/data.html#section1
「10.経済概況:
米国とのコンパクトに基づく無償援助に大きく依存しており、近年は台湾からの援助も増加している。日本、米国及び台湾からの無償援助に依存する建設業、食料品・消費財の輸入に立脚する商業及び観光産業が主要産業となっており、それぞれの産業では外国人労働力への依存度が高い。また、パラオ人の過半数が公務員である。観光に関しては、日本や韓国、台湾から直行便が運行しており、2015年には観光客総数が161,931人に達した(内、日本人観光客数は31,016人。)。」
「食糧に関しては、タロイモやキャッサバの生産及び近海漁業はあるものの、大部分を米国本土からの輸入に依存している。」
「依然として財政・経済とも外国からの援助に大幅に依存しており、自立経済達成は困難な状況にある。」
まあ、そうだろうなあ・・・。
上記の中で、16万人の観光客の中で、日本人はわずか3万人に過ぎない。
ほかは、どうなんだろう?。
(パラオ情勢(2015年10月))
http://www.palau.emb-japan.go.jp/politics_economy/jyousei/H2710_j.htm
「9月までの訪問客数:
2015年年初から9月までのパラオ訪問客の総数は125,467人であり,昨年同期に比べ26.13%増加した。内,日本人は23,060人(前年同期比21.79%減),台湾人は10,652人(同58.33%減),韓国人は8,919人(同19.87%減)と大幅に減少し,9月の日本・台湾・韓国からの各訪問客数は,過去5年間で最低の数字となっている。これに対し,中国本土(含香港)からの訪問客は,69,975人(同256.96%増)と激増を続けており,総数の半分以上を占め,訪問客数第1位となっている。」
やっぱ、中国かあ・・・。
台湾、韓国は、意外に少ない。
さらに、減少している。
日本からのお客さんも減ってるわけで、中国一人勝ちという感じだ。
その他の国の合計は、わずか12861人に過ぎない。
中、日、台、韓で、約90パーセントになる。
アンテロープにも、そのうち中国語が響き渡るようになるんだろうか?。
まあ、どうでもいいんですが。
パラオ自体の観光価値というのは、今後も上がっていくに違いない。
開発なども、進んでいくだろう。
ダイビングだけでなく、総合的なリゾート地として、人気が出てくると思われる。
浮沈子は、ダイビングだけでもいいんだがな。
しかし、中国以外の観光客が減っているというのは、やっぱ気になる。
前年同期で257パーセントも増えている中国だって、今後の経済情勢によっては、激減する可能性もある。
パラオ独自の魅力をアピールして、世界中からお客さんを呼び込んでいかなければならないだろう。
デイドリームの2階にあるレストランは、欧米系のお客さんが多いが、ああいうところがもっと増えていくといいんだろうな。
米国やヨーロッパからは遠いが、訪れる価値があれば、あまり関係ないかもしれない。
でも、その一方で、隠れ家的なリゾートの雰囲気も残してほしいような気もする。
アンテロープは、浮沈子にとっては、そんな雰囲気のホテルだった。
世界一周 ― 2016年04月25日 21:15
世界一周
太陽光発電による電気でプロペラを回し、翼に揚力を与えて舞い上がり、薄い大気の中を飛んで地球をまわる。
(太平洋横断に成功=ソーラー飛行機、米加州到着)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042400122&g=int
故障修理のために、9か月間滞在していたハワイを飛び立ち、カリフォルニアに着いた。
昨年3月にドバイを出発してから、1年以上がたってしまった。
長い長い旅である。
船を使った航海でも、とっくに世界一周は終わっているだろう。
その長い道のりの意義とは何なんだろうか。
浮沈子は、速く高く遠くと、その理想を追い求めてきた人類の空へのあこがれを、もう一度見直すことなのではないかと思っている。
スローで、そこそこの高さで、休み休み行けばいいのだ。
航空機としてのインパクトはない。
メンテナンスで9か月も飛び立てないような飛行機に用はないのだ。
次の目標は、無人のドローンを太陽電池で飛ばすことだという。
ますます用はない。
人工衛星の代わりに、高空にドローンを飛ばすというが、管理の問題や、事故対策などを考えれば、そんなもんが現実的に展開されるわけはないというのは、誰が考えても分かる。
人工衛星が安全なのは、概ね地球に落ちてくる前に燃え尽きてくれるからだ。
ソーラーインパルス2が飛んでいられるのも、人間が操縦している世界でただ1機だけの太陽光発電飛行機だからであって、こんなもんが無人で数千機、数万機と上空を飛ぶような時代は絶対に来ない。
太陽光発電の航空機が実用になることはないのだ。
蓄電し、電池を使って持ち運ぶか、化学エネルギーに変換して、燃料(水素など)として搭載するしかない。
そもそも、太陽光発電で航空機を飛ばすというのは、このプロジェクトの手段であって、目的ではないのだ。
再生可能エネルギーの普及。
まあ、太陽光が、再生可能かどうかは、長期的には議論があるんだろうし、本来、反射されて宇宙空間に放出されるエネルギーを、最終的に熱の形で地球にため込むことになるわけだから、温暖化の促進になるんじゃないかと懸念される。
人為的な温室効果ということだな。
現在の規模なら大したことはないんだろうが、人類が消費しているエネルギーを全て太陽光で賄うことになれば、影響は無視できないだろう。
太陽電池のライフサイクルも考えなければならない。
二酸化炭素だって、大量に発生するわけだ。
きっと、どこかに最適解があって、その辺りに落ち着くように制度設計するんだろうが、そのレベルまで普及するんだろうか?。
浮沈子が生きているうちには、たぶん、何も変わらないだろうな。
人類は、古くから太陽エネルギーを間接的に利用してきた。
農業や林業は、植物の光合成を利用した産業だし、漁業だって、太陽のエネルギーがなければ資源は維持できない。
発電の分野では、水力発電が比較的分かり易いが、石油、石炭のような化石燃料にしても、長期的に蓄積された太陽光のエネルギーともいえる。
唯一、原子力だけが、直接的には太陽光とは無縁だ。
太陽のご先祖様が爆発した時に形成された、放射性元素を使っているという点を除けば。
我が国は、原子力への回帰を進めている。
しかし、それは、発電という限られた手段でしかない。
船舶用原子炉を多用している米国でさえ、商業用船舶の動力としては、ただの1隻も稼働していない(たぶん)。
世界のエネルギーの大部分は、石油や石炭に依存しており、薪を燃やしている人類だって、相当数いるに違いないのだ。
炭素循環という観点からは、薪を燃やして木を植えるのが一番いいかもしれないがな。
まあ、どうでもいいんですが。
再生可能エネルギーが、それほど有り難いかどうかは知らない。
ソーラーインパルス2が飛ぶことで、その利用が促進されるのかどうかも怪しい。
20世紀後半から、21世紀初頭にかけて、エネルギー問題が世界を覆っていることは確かだが、人類は、その解決策を見出してはいない。
原子力を含めて、地中から掘り出した有用な資源を利用するということ以外に、知恵はない。
風力発電は、地域によってはものになりそうだが、自然エネルギーというのは、密度が低いので扱いに困るし、季節や時間による変動も大きい。
地熱とかも、利用できる地域に限りがあるしな。
浮沈子の記憶が確かならば、太陽電池を張り詰めた小型船舶が、どんぶらこと大洋を渡っていたような気がする。
空に浮かせる必要がなく、推進力だけ与えればいいので簡単だ。
GPSを使用しているので、人工衛星がなければ運用は出来ない。
そこんとこは、まあ、大目に見よう。
人間が乗っていないので、食料の心配はしなくていい。
推進装置や、船底のメンテナンスはしなければならないし、太陽電池や蓄電池にだって寿命がある。
メンテナンスフリーというわけにはいかないのだ。
移動体は、どこかで人間が面倒を見るか、使い捨てにするしかない。
自然エネルギーを使っているからといって、それだけで自律的に運行しているわけではないのだ。
手間、暇、金掛けて、石油もいっぱい使って作ったり使ったりする。
時間を金で買うような使い方には向かない。
それでも、いつかどこかで、エネルギーのパラダイム転換が起こるかもしれない。
地球上に降り注ぐ太陽光を、効率よく、直接利用したり、軌道エレベーターのような有線での電送で、宇宙空間から調達するようになるかも知れない。
その場合は、どこかに放熱のための仕掛けが必要だろうな。
アルベドを上げるようにしなければならない。
もしも、文明を発達させた宇宙人がいるとすれば、その惑星は恒星からのエネルギーを利用し、その放熱のために、キラキラ光っているに違いない。
ソーラーインパルス2の方は、米国中部を経由して、ニューヨークから大西洋横断を行う。
着く先は、残念ながらパリではない。
南ヨーロッパかモロッコとなっており、そこからサハラを超えてアブダビへと帰る。
大西洋横断も、サハラ横断も、名古屋ーハワイ間より短いとはいえ、3000kmを超える長丁場だ。
(Solar Impulse:Detailed route)
https://en.wikipedia.org/wiki/Solar_Impulse#Detailed_route
「Leg:Start:Origin:Destination:Flight time:Distance
・10:Mountain View, CA, USA (KNUQ):TBD (mid-USA):30 hrs (planned):1,100 nmi (2,030 km) (planned)
・11:TBD (mid-USA):New York, USA:20 hrs (planned):775 nmi (1,436 km) (planned)
・12:New York, USA:TBD (Southern Europe or Morocco):120 hrs (planned):3,099 nmi (5,739 km) (planned)
・13:TBD (Southern Europe or Morocco):Abu Dhabi, UAE:120 hrs (planned):3,156 nmi (5,845 km) (planned)」
過去のアベレージを見ると、概ね毎時60kmから100kmとなっている。
60時間以上を缶詰で過ごすわけで、ご苦労な話だ。
人間なんて乗せないで、ドローンとして飛ばせた方が楽に違いない。
パイロットも、そろそろ後悔しているんじゃないだろうか?。
太陽光発電による電気でプロペラを回し、翼に揚力を与えて舞い上がり、薄い大気の中を飛んで地球をまわる。
(太平洋横断に成功=ソーラー飛行機、米加州到着)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042400122&g=int
故障修理のために、9か月間滞在していたハワイを飛び立ち、カリフォルニアに着いた。
昨年3月にドバイを出発してから、1年以上がたってしまった。
長い長い旅である。
船を使った航海でも、とっくに世界一周は終わっているだろう。
その長い道のりの意義とは何なんだろうか。
浮沈子は、速く高く遠くと、その理想を追い求めてきた人類の空へのあこがれを、もう一度見直すことなのではないかと思っている。
スローで、そこそこの高さで、休み休み行けばいいのだ。
航空機としてのインパクトはない。
メンテナンスで9か月も飛び立てないような飛行機に用はないのだ。
次の目標は、無人のドローンを太陽電池で飛ばすことだという。
ますます用はない。
人工衛星の代わりに、高空にドローンを飛ばすというが、管理の問題や、事故対策などを考えれば、そんなもんが現実的に展開されるわけはないというのは、誰が考えても分かる。
人工衛星が安全なのは、概ね地球に落ちてくる前に燃え尽きてくれるからだ。
ソーラーインパルス2が飛んでいられるのも、人間が操縦している世界でただ1機だけの太陽光発電飛行機だからであって、こんなもんが無人で数千機、数万機と上空を飛ぶような時代は絶対に来ない。
太陽光発電の航空機が実用になることはないのだ。
蓄電し、電池を使って持ち運ぶか、化学エネルギーに変換して、燃料(水素など)として搭載するしかない。
そもそも、太陽光発電で航空機を飛ばすというのは、このプロジェクトの手段であって、目的ではないのだ。
再生可能エネルギーの普及。
まあ、太陽光が、再生可能かどうかは、長期的には議論があるんだろうし、本来、反射されて宇宙空間に放出されるエネルギーを、最終的に熱の形で地球にため込むことになるわけだから、温暖化の促進になるんじゃないかと懸念される。
人為的な温室効果ということだな。
現在の規模なら大したことはないんだろうが、人類が消費しているエネルギーを全て太陽光で賄うことになれば、影響は無視できないだろう。
太陽電池のライフサイクルも考えなければならない。
二酸化炭素だって、大量に発生するわけだ。
きっと、どこかに最適解があって、その辺りに落ち着くように制度設計するんだろうが、そのレベルまで普及するんだろうか?。
浮沈子が生きているうちには、たぶん、何も変わらないだろうな。
人類は、古くから太陽エネルギーを間接的に利用してきた。
農業や林業は、植物の光合成を利用した産業だし、漁業だって、太陽のエネルギーがなければ資源は維持できない。
発電の分野では、水力発電が比較的分かり易いが、石油、石炭のような化石燃料にしても、長期的に蓄積された太陽光のエネルギーともいえる。
唯一、原子力だけが、直接的には太陽光とは無縁だ。
太陽のご先祖様が爆発した時に形成された、放射性元素を使っているという点を除けば。
我が国は、原子力への回帰を進めている。
しかし、それは、発電という限られた手段でしかない。
船舶用原子炉を多用している米国でさえ、商業用船舶の動力としては、ただの1隻も稼働していない(たぶん)。
世界のエネルギーの大部分は、石油や石炭に依存しており、薪を燃やしている人類だって、相当数いるに違いないのだ。
炭素循環という観点からは、薪を燃やして木を植えるのが一番いいかもしれないがな。
まあ、どうでもいいんですが。
再生可能エネルギーが、それほど有り難いかどうかは知らない。
ソーラーインパルス2が飛ぶことで、その利用が促進されるのかどうかも怪しい。
20世紀後半から、21世紀初頭にかけて、エネルギー問題が世界を覆っていることは確かだが、人類は、その解決策を見出してはいない。
原子力を含めて、地中から掘り出した有用な資源を利用するということ以外に、知恵はない。
風力発電は、地域によってはものになりそうだが、自然エネルギーというのは、密度が低いので扱いに困るし、季節や時間による変動も大きい。
地熱とかも、利用できる地域に限りがあるしな。
浮沈子の記憶が確かならば、太陽電池を張り詰めた小型船舶が、どんぶらこと大洋を渡っていたような気がする。
空に浮かせる必要がなく、推進力だけ与えればいいので簡単だ。
GPSを使用しているので、人工衛星がなければ運用は出来ない。
そこんとこは、まあ、大目に見よう。
人間が乗っていないので、食料の心配はしなくていい。
推進装置や、船底のメンテナンスはしなければならないし、太陽電池や蓄電池にだって寿命がある。
メンテナンスフリーというわけにはいかないのだ。
移動体は、どこかで人間が面倒を見るか、使い捨てにするしかない。
自然エネルギーを使っているからといって、それだけで自律的に運行しているわけではないのだ。
手間、暇、金掛けて、石油もいっぱい使って作ったり使ったりする。
時間を金で買うような使い方には向かない。
それでも、いつかどこかで、エネルギーのパラダイム転換が起こるかもしれない。
地球上に降り注ぐ太陽光を、効率よく、直接利用したり、軌道エレベーターのような有線での電送で、宇宙空間から調達するようになるかも知れない。
その場合は、どこかに放熱のための仕掛けが必要だろうな。
アルベドを上げるようにしなければならない。
もしも、文明を発達させた宇宙人がいるとすれば、その惑星は恒星からのエネルギーを利用し、その放熱のために、キラキラ光っているに違いない。
ソーラーインパルス2の方は、米国中部を経由して、ニューヨークから大西洋横断を行う。
着く先は、残念ながらパリではない。
南ヨーロッパかモロッコとなっており、そこからサハラを超えてアブダビへと帰る。
大西洋横断も、サハラ横断も、名古屋ーハワイ間より短いとはいえ、3000kmを超える長丁場だ。
(Solar Impulse:Detailed route)
https://en.wikipedia.org/wiki/Solar_Impulse#Detailed_route
「Leg:Start:Origin:Destination:Flight time:Distance
・10:Mountain View, CA, USA (KNUQ):TBD (mid-USA):30 hrs (planned):1,100 nmi (2,030 km) (planned)
・11:TBD (mid-USA):New York, USA:20 hrs (planned):775 nmi (1,436 km) (planned)
・12:New York, USA:TBD (Southern Europe or Morocco):120 hrs (planned):3,099 nmi (5,739 km) (planned)
・13:TBD (Southern Europe or Morocco):Abu Dhabi, UAE:120 hrs (planned):3,156 nmi (5,845 km) (planned)」
過去のアベレージを見ると、概ね毎時60kmから100kmとなっている。
60時間以上を缶詰で過ごすわけで、ご苦労な話だ。
人間なんて乗せないで、ドローンとして飛ばせた方が楽に違いない。
パイロットも、そろそろ後悔しているんじゃないだろうか?。
官高民低 ― 2016年04月25日 22:39
官高民低
一般紙の報道を見ているだけでは、実際のニュアンスは伝わってこない。
防衛(産業?)に熱心な産経新聞辺りでも、希望的観測が多くて、浮沈子も些か振り回されている。
ちょっと前のものだが、そうりゅう型潜水艦のメーカーである、三菱と川重の話が出ている記事を見つけた。
(オーストラリアは日本の潜水艦を買うのか)
http://toyokeizai.net/articles/-/70703
「実のところオーストラリアは、当初、日本で建造した「そうりゅう型」をそのまま輸入する意向を示していた。ただ、日本側には防衛装備移転三原則で完成品の輸出を認めた分野を、輸送、救難、警戒、監視、掃海に関連したものに限定しているため、完成品を輸出することは極めて難しい。」(2ページ目)
「フランスとドイツの潜水艦メーカーの担当者は米国製戦闘システムの搭載に問題はないのかと質問してみた。すると、彼らの回答は「ノー・プロブレム」だった。ただ、潜水艦の戦闘システムを手がける米国の企業の担当者に同じ質問をしてみたところ、フランスに関しては戦闘システムの機密情報が盗まれる可能性があるため、「できれば避けたい」とも本音を漏らしていた。」(3ページ目)
「潜水艦の設計・建造を手がける三菱重工、川崎重工の両社が、積極的な姿勢を示していない。「フューチャー・サブマリン・サミット」にはオーストラリア側から両社に対しても招待状が送られたのだが、結局、参加を見送っている。」(4ページ目)
ははあ、それが本音だったんだな。
「欧米の大手メーカーと異なり、日本の防衛関連企業には、米国と行なったごく一部の例を除いて、共同開発・生産を行なった経験がない。兵器の共同開発・生産には参加国の思惑の違いなどから、トラブルが生じることも少なくない。民間企業の立場とすれば、このビジネスに参加することが、トラブルのリスクを抱えたとしても参加する意義のある、さらに言えば本当に利益を生むものなのかを見極めたいという気持ちもあるだろう。」(4ページ目)
「日本政府はコリンズ級後継艦の選定コンペに積極的な姿勢を示している。しかし、肝心のメーカーがその気にならなければ、選定コンペに勝ち抜くことはおろか、参加することすらできない。防衛産業の健全な成長と安全保障環境のさらなる強化を望むのであれば、政府には強いリーダーシップを持って企業を牽引し、企業が安心して参加できるフレームを構築するための交渉力が求められる。」(4ページ目)
熱心さが足りないと、豪州の担当者に思われた背景というのは、きっとこの辺りにあるんだろう。
経験のなさ、それに伴うリスクへの対応、政府の表面だけの熱心さ(らしさ?)と、実質的な枠組みのなさ。
メーカーの及び腰も、もっともだな。
豪州に売り込まなくても、日本政府が三菱と川重を潰すことは有り得ない。
初めての案件にしては、リスクが大き過ぎたということだ。
もちろん、現地生産の経験もないし、武器輸出の経験もないので、表向きは、豪州にとってもハイリスクな選定という形になる。
米国は、電子装置の搭載について、フランス製の潜水艦は、出来れば避けたいといっているようだが、フランス側は問題ないといっている(つーか、大歓迎?)。
浮沈子は、ドイツが優勢とにらんでいるんだがな。
初めから、現地生産を軸に動いているし、海外生産の実績も豊富だ。
大きさだけが問題だが、そこはフランスも同じ。
確実なのは、我が国が選定から外されたという点だけだ。
(「日本脱落」報道で捜査=潜水艦選定情報漏えい容疑-豪警察)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042300100&g=soc
「武器の輸出や海外現地生産の経験に欠ける日本は「重大なリスクがある」と除外され、候補は独仏に絞り込まれたと伝えた。」
機密漏えいで捜査が始まったというくらいだから、情報の確度は高い。
三菱と川重は、ほっと胸をなでおろしているのではないか。
我が国の現政権は、売込みに熱心だったのだろうが、実質が伴わないうわべだけのパフォーマンスだったのだろう。
(豪政府から連絡ない、結果を待つ=潜水艦受注競争で中谷防衛相)
http://jp.reuters.com/article/nakayani-australia-idJPKCN0XJ08D
「「政府としては最善の努力をしてきた。結果を待つ」と述べ、電話などで豪国防相に最後の働きかけをする考えはないことを明らかにした。」
もう、裏から情報は入っているんだろう。
最後のひと押しをする気も失せたというところか。
やっぱ、少し早過ぎたんだろうな。
小物で実績を作って、それから市場に出ていかなければ武器商人はやっていけない。
国内の政治情勢が変わって、武器輸出にストップでもかかるような事態になれば、相手国の国防に重大な影響を与えるわけだ。
我が国でも、モロ殺人兵器である攻撃型潜水艦の輸出(共同開発でもなんでも)に反対する勢力は小さくない。
2030年代以降にかけて、数十年のスパンで調達を掛けようという時に、そういう国内のリスクを抱えている国に発注するかどうか。
冷静に考えれば、すぐにわかる話だ。
クジラと潜水艦の区別はつかなくても、その辺りの区別は豪州はしっかり付けている。
後は、経済合理性ということになって、浮沈子的にはドイツが優勢と見ているんだがな。
早ければ、今週中にもケリがつく。
7月の総選挙を睨んで、豪州は政治の季節だ。
(豪首相、両院解散を明言 7月総選挙は与野党接戦に)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H7P_Z10C16A4FF1000/
「オーストラリアのターンブル首相は19日、記者団に「適切な時期に上下両院を解散する」と述べ、5月3日の予算案発表後、連邦総督に両院解散を求める考えを表明した。「選挙は7月2日の見通しだ」とも語り、事実上の選挙戦に突入した。与野党の支持率は拮抗しており、接戦が予想される。」
「昨年9月の党内政変で首相に就いたターンブル氏は、経済通との当初の評価を裏付ける具体的な成果に乏しく、人気が下落傾向にある。」
こんな状況で、莫大な軍事費を投じる次期潜水艦の選定が、性能重視で行われると単純に考えていたとしたら、楽天的にも程があるというものだ。
まあいい。
カヌーでさえ安心して発注できないと豪防衛大臣に言わしめた豪州造船業の復興と、地元への産業誘致を最優先に選定し、選挙の地盤固めの一助にしたい現政権が、どんな結論に達するか。
親中でリベラル派と言われる、豪州首相のお手並み拝見というところだな。
(国営造船会社は「カヌー造りも疑問」、豪国防相失言に非難:追加)
http://www.afpbb.com/articles/-/3032748
「オーストラリアの国営造船会社ASCについて「カヌーを造る」能力さえ信用できないと発言した同国のデビッド・ジョンストン(David Johnston)国防相は26日、辞任要求を浴びせられつつ発言を撤回した。」(2年前の記事)
まあ、発言を撤回したからといって、まともな潜水艦を造船できるようになるわけじゃないんだけどな・・・。
(豪潜水艦の共同開発国 豪の関係閣僚「日本は落選」)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160426/k10010498451000.html
「オーストラリア側から、「選考の結果、共同開発国として日本を選定しなかった」と伝えられていたことが、関係者への取材で分かりました。」
(豪の潜水艦建造 日本受注できず:追加)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160426/k10010498621000.html
「日本・ドイツ・フランスの3か国から提出された建造計画を検討した結果、フランスを共同開発国に選定したと発表しました。」
なんだ、フランスになったのか。
この件については、近いうちに、また書く。
一般紙の報道を見ているだけでは、実際のニュアンスは伝わってこない。
防衛(産業?)に熱心な産経新聞辺りでも、希望的観測が多くて、浮沈子も些か振り回されている。
ちょっと前のものだが、そうりゅう型潜水艦のメーカーである、三菱と川重の話が出ている記事を見つけた。
(オーストラリアは日本の潜水艦を買うのか)
http://toyokeizai.net/articles/-/70703
「実のところオーストラリアは、当初、日本で建造した「そうりゅう型」をそのまま輸入する意向を示していた。ただ、日本側には防衛装備移転三原則で完成品の輸出を認めた分野を、輸送、救難、警戒、監視、掃海に関連したものに限定しているため、完成品を輸出することは極めて難しい。」(2ページ目)
「フランスとドイツの潜水艦メーカーの担当者は米国製戦闘システムの搭載に問題はないのかと質問してみた。すると、彼らの回答は「ノー・プロブレム」だった。ただ、潜水艦の戦闘システムを手がける米国の企業の担当者に同じ質問をしてみたところ、フランスに関しては戦闘システムの機密情報が盗まれる可能性があるため、「できれば避けたい」とも本音を漏らしていた。」(3ページ目)
「潜水艦の設計・建造を手がける三菱重工、川崎重工の両社が、積極的な姿勢を示していない。「フューチャー・サブマリン・サミット」にはオーストラリア側から両社に対しても招待状が送られたのだが、結局、参加を見送っている。」(4ページ目)
ははあ、それが本音だったんだな。
「欧米の大手メーカーと異なり、日本の防衛関連企業には、米国と行なったごく一部の例を除いて、共同開発・生産を行なった経験がない。兵器の共同開発・生産には参加国の思惑の違いなどから、トラブルが生じることも少なくない。民間企業の立場とすれば、このビジネスに参加することが、トラブルのリスクを抱えたとしても参加する意義のある、さらに言えば本当に利益を生むものなのかを見極めたいという気持ちもあるだろう。」(4ページ目)
「日本政府はコリンズ級後継艦の選定コンペに積極的な姿勢を示している。しかし、肝心のメーカーがその気にならなければ、選定コンペに勝ち抜くことはおろか、参加することすらできない。防衛産業の健全な成長と安全保障環境のさらなる強化を望むのであれば、政府には強いリーダーシップを持って企業を牽引し、企業が安心して参加できるフレームを構築するための交渉力が求められる。」(4ページ目)
熱心さが足りないと、豪州の担当者に思われた背景というのは、きっとこの辺りにあるんだろう。
経験のなさ、それに伴うリスクへの対応、政府の表面だけの熱心さ(らしさ?)と、実質的な枠組みのなさ。
メーカーの及び腰も、もっともだな。
豪州に売り込まなくても、日本政府が三菱と川重を潰すことは有り得ない。
初めての案件にしては、リスクが大き過ぎたということだ。
もちろん、現地生産の経験もないし、武器輸出の経験もないので、表向きは、豪州にとってもハイリスクな選定という形になる。
米国は、電子装置の搭載について、フランス製の潜水艦は、出来れば避けたいといっているようだが、フランス側は問題ないといっている(つーか、大歓迎?)。
浮沈子は、ドイツが優勢とにらんでいるんだがな。
初めから、現地生産を軸に動いているし、海外生産の実績も豊富だ。
大きさだけが問題だが、そこはフランスも同じ。
確実なのは、我が国が選定から外されたという点だけだ。
(「日本脱落」報道で捜査=潜水艦選定情報漏えい容疑-豪警察)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016042300100&g=soc
「武器の輸出や海外現地生産の経験に欠ける日本は「重大なリスクがある」と除外され、候補は独仏に絞り込まれたと伝えた。」
機密漏えいで捜査が始まったというくらいだから、情報の確度は高い。
三菱と川重は、ほっと胸をなでおろしているのではないか。
我が国の現政権は、売込みに熱心だったのだろうが、実質が伴わないうわべだけのパフォーマンスだったのだろう。
(豪政府から連絡ない、結果を待つ=潜水艦受注競争で中谷防衛相)
http://jp.reuters.com/article/nakayani-australia-idJPKCN0XJ08D
「「政府としては最善の努力をしてきた。結果を待つ」と述べ、電話などで豪国防相に最後の働きかけをする考えはないことを明らかにした。」
もう、裏から情報は入っているんだろう。
最後のひと押しをする気も失せたというところか。
やっぱ、少し早過ぎたんだろうな。
小物で実績を作って、それから市場に出ていかなければ武器商人はやっていけない。
国内の政治情勢が変わって、武器輸出にストップでもかかるような事態になれば、相手国の国防に重大な影響を与えるわけだ。
我が国でも、モロ殺人兵器である攻撃型潜水艦の輸出(共同開発でもなんでも)に反対する勢力は小さくない。
2030年代以降にかけて、数十年のスパンで調達を掛けようという時に、そういう国内のリスクを抱えている国に発注するかどうか。
冷静に考えれば、すぐにわかる話だ。
クジラと潜水艦の区別はつかなくても、その辺りの区別は豪州はしっかり付けている。
後は、経済合理性ということになって、浮沈子的にはドイツが優勢と見ているんだがな。
早ければ、今週中にもケリがつく。
7月の総選挙を睨んで、豪州は政治の季節だ。
(豪首相、両院解散を明言 7月総選挙は与野党接戦に)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H7P_Z10C16A4FF1000/
「オーストラリアのターンブル首相は19日、記者団に「適切な時期に上下両院を解散する」と述べ、5月3日の予算案発表後、連邦総督に両院解散を求める考えを表明した。「選挙は7月2日の見通しだ」とも語り、事実上の選挙戦に突入した。与野党の支持率は拮抗しており、接戦が予想される。」
「昨年9月の党内政変で首相に就いたターンブル氏は、経済通との当初の評価を裏付ける具体的な成果に乏しく、人気が下落傾向にある。」
こんな状況で、莫大な軍事費を投じる次期潜水艦の選定が、性能重視で行われると単純に考えていたとしたら、楽天的にも程があるというものだ。
まあいい。
カヌーでさえ安心して発注できないと豪防衛大臣に言わしめた豪州造船業の復興と、地元への産業誘致を最優先に選定し、選挙の地盤固めの一助にしたい現政権が、どんな結論に達するか。
親中でリベラル派と言われる、豪州首相のお手並み拝見というところだな。
(国営造船会社は「カヌー造りも疑問」、豪国防相失言に非難:追加)
http://www.afpbb.com/articles/-/3032748
「オーストラリアの国営造船会社ASCについて「カヌーを造る」能力さえ信用できないと発言した同国のデビッド・ジョンストン(David Johnston)国防相は26日、辞任要求を浴びせられつつ発言を撤回した。」(2年前の記事)
まあ、発言を撤回したからといって、まともな潜水艦を造船できるようになるわけじゃないんだけどな・・・。
(豪潜水艦の共同開発国 豪の関係閣僚「日本は落選」)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160426/k10010498451000.html
「オーストラリア側から、「選考の結果、共同開発国として日本を選定しなかった」と伝えられていたことが、関係者への取材で分かりました。」
(豪の潜水艦建造 日本受注できず:追加)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160426/k10010498621000.html
「日本・ドイツ・フランスの3か国から提出された建造計画を検討した結果、フランスを共同開発国に選定したと発表しました。」
なんだ、フランスになったのか。
この件については、近いうちに、また書く。
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