悪乗り2014年10月22日 04:22

悪乗り
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(打ち上げまで40日、JAXA「はやぶさ2」応援キャンペーンの公式ロゴが決定)
http://www.rbbtoday.com/article/2014/10/21/124627.html

「電通とJAXAは9月1日から、「はやぶさ2」応援キャンペーン実行委員会を組織してオフィシャルサポーターを募集していたが、その第1号に「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」が決定した。」

「ともに“誕生の秘密を解き明かす旅をする”というのが共通点」

うーん、付いていけない・・・。

2020年帰還予定のはやぶさ2は、その頃に多感な思春期を迎える世代をターゲットにしているのかもしれないが、妖怪ウォッチというのはいかがなものか。

宇宙開発は、確かに国民の税金を使って行う「祭り」の要素はあるが、基礎科学を推し進めるという地道な作業の面もある。

今回の探査は、その意味が強く、初物尽くしだった先代とは異なり、パッとしたところのない探査である。

トラブルを克服して、満身創痍で帰還した先代は、確かに国民的な人気を得た(浮沈子も、宇宙博では列に並んで、持ち帰った「ゴミ」を顕微鏡で見ました)。

しかし、当初の段階では、何のアピールもなかったし、火星とか金星というデカイ目標ではなく、小惑星というセコイ対象であったわけで、パッとしない話だった。

メインエンジンの故障を初めとする様々なトラブルに見舞われ、7年余りでの60億キロにも及ぶ宇宙での放浪(?)の果てに帰還したというドラマが生んだ話題性だったわけだ。

(はやぶさ (探査機))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%B6%E3%81%95_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)

「その後、地球への帰還軌道に乗り、2007年夏に試料カプセルの大気圏再突入操作を行ってパラシュートで降下させる計画であったが、降下・接地時の問題に起因する不具合から2005年12月に重大なトラブルが生じたことにより、帰還は2010年に延期された。」

「2003年5月9日の打ち上げから7年。姿勢制御用のリアクションホイールは3基中2基、化学燃料スラスタはすべて故障。バッテリは放電しきっているため、太陽電池パネルが太陽方向から逸れると即座に電源断となる状態。故障したスラスタ同士を繋いで復活させたイオンエンジンもいつ止まるかわからず、搭載されたコンピュータすらビット反転を起こし始めているという、まさに満身創痍の帰還であった。」

「2010年6月13日、サンプル容器が収められていたカプセルは、はやぶさから切り離されて、パラシュートによって南オーストラリアのウーメラ砂漠に着陸し、翌14日16時8分に回収された。」

「はやぶさの本体は大気中で燃えて失われた。」

「小惑星からのサンプルリターン計画は国際的にも例が無かった。この計画は主に工学試験のためのミッションであり、各段階ごとに次のような実験の成果が認められるものである。」

「・イオンエンジンによる推進実験
・イオンエンジンの長期連続稼動実験
・イオンエンジンを併用しての地球スイングバイ
・微小な重力しか発生しない小惑星への自律的な接近飛行制御
・小惑星の科学観測
・小惑星からのサンプル採取
・小惑星への突入、および離脱
・大気圏再突入・回収
・小惑星のサンプル入手」

税金を投入する祭りには、盛り上げが必要だが、先代にはそんなものはなかった。

地味な工学試験機だったのである。

その成果は、どうということはない。

科学的に何か新たな発見をもたらしたかといえば、そんなことはない。

カプセルを回収するときに、はやぶさ本体を大気圏に突入させずに宇宙空間に戻せないかという検討があったという。

技術的に困難だったために、実現はしなかったが、それを模索するところが技術屋らしいな。

「複数の技術的なトラブルに見舞われ帰還を絶望視されつつも、それを乗り越えて地球への帰還を目指すはやぶさの旅程は、多くの日本人に美談として受け止められ共感を呼んだ」

「その帰路に己れを焼きし「はやぶさ」の光輝(かがや)かに明かるかりしと
— 皇后」

「はやぶさはカプセルを分離した後、最後に地球を撮影するミッションを行った。」

「イトカワの観測終了後、カメラとその保温ヒーター電源は長時間切られたままで健全性が不明だった。また、カプセル分離まではそれに適した姿勢に保つ必要があり、分離機構が不調の場合にはカメラを地球に向けての写真撮影はできないと思われていた。」

「しかし、カプセルの切り離しに順調に成功したため、カプセル取り付け面に対して側面にある広角カメラ (ONC-W2)を地球方向に向くよう姿勢を変更した。カプセル分離の反動でふらつく機体の姿勢を、イオンエンジンの推進剤の直接噴出と1基だけ残ったリアクションホイール (RW-Z) によって立て直し、2時間かけて機体を回転させた。」

「そして13日22時2分頃までに地球を5 - 6枚撮影し、データを地上に送信した。そのほとんどは真っ暗なものでしかなかったが、送信の最中に通信が途絶して写真の下部が欠けていた最後の1枚の写真が、ぎりぎりで地球の姿を捉えていた」(画像参照)

くぅーっ、泣けるねえ!。

はやぶさがカプセルを分離させた後に最後に見た地球の画像を、今、初めて見た。

アラビア湾がくっきりと写っている。

白黒のノイズに塗れた何ということのない地球の写真だが、これ以上美しい地球の画像を、浮沈子は見たことがない。

(ザ・ブルー・マーブル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB

こっちは、ちょっと派手すぎて、わびさびが感じられないな。

伝説は、かくして生まれ、単なる工学技術衛星は、輝く星となった。

それは、人間が意図したものではなく、むしろ、故障しまくった不良品を、なだめすかして辛うじて帰還させたという、ショボイ話の中から生じた美談に過ぎない。

技術的には、チョンボ、トラブル、挫折のオンパレードなのである。

浮沈子は、はやぶさ2は、必要ないのではないかと考えている。

少なくとも、小惑星探査機として、はやぶさの名をかたることは止めて欲しかった。

また、トラブルを起こすんじゃね?。

まあ、どうでもいいんですが。

どうしても、小惑星探査機を飛ばしたかったら、今度はきっちりと設計した、チョンボのない探査機でやってもらいたい。

宇宙探査が国民の理解の下に行われるように、知識の普及啓発を行うことは重要だ。

しかし、それは、妖怪ウォッチとのコラボではなかろうと思う。

悪乗りである。

コンピューターの素子が、ビット反転を起こすほどの電離放射線の嵐の中を航海するのである。

2008 IRPSレポート【ソフトエラー編】
メモリで複数のビットが反転するソフトエラー)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0502/irps03.htm

「ソフトエラーとは半導体チップの一部が壊れるのではなく、記憶しておいたデータの一部だけが反転してしまう不良である。」

ウィキの記事は、このソフトエラーではなく、素子自体が不可逆な影響を受けているような書き方になってる。

実際はどうなんだろうか。

まあいい。

どっちにしても、シビアな環境であることは確かだ。

ところで、妖怪ウォッチって、なーに?。

(『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』公式サイト:動画出ます)
http://www.eiga-yokai.jp/

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