🐱テック1:閑話休題:自由について語る2022年07月31日 01:49

テック1:閑話休題:自由について語る
テック1:閑話休題:自由について語る


最終日(7月27日)、熱海の沈船を潜った後、ギデオンリューを成田空港近くのホテルまで送る。

当初の予定ではなかったけれど、喜んで引き受けた。

Nバンの硬い助手席でいいならという条件で。

英語話者のギデオンは、コミュニケーションを取ろうと、やさしい英語をゆっくりしゃべってくれるが、んなもんは2ワードイングリッシュ(下記参照)しかしゃべれない浮沈子には通用しない。

イエス、プリーズ。

ノー、サンキュー。

以上終わり!。

5時間のドライブで、東名の­­海老名SA(いでぼくアイスクリームと給油)と湾岸の幕張PA(ギデオンの軽食とコーヒー:浮沈子も、コーヒーだけご馳走になりました)に止まった。

前日、ギデオンが浮沈子に、あなたは独身で自由でいいなと言ったことを思い出して、幕張で屋外の椅子に座ってコーヒーを飲みながら、そのことについて話した(もちろん、英語で)。

どれだけ通じたかは知らないが、フリーダムとリバティの違いを意識しなかったので、正確に伝わらなかったかもしれない。

(FreedomとLibertyの違いを説明できますか?)
https://www.writing-buzz.com/grammar/post-2523

・Freedom:何かからの自由・解放:to be free FROM something
・Liberty:行動の自由・権利・何かを行うための解放:to be free to DO something

浮沈子は逆に覚えていた(なんと!)。

言いたかったのは、確かに、独身の浮沈子は、何かを行うための自由(リバティ)は持っているかもしれないけれど、自分の一生という時間の制約からは逃れられない。

フリーダムじゃない。

ギデオンは、息子さんがいて、次の世代に命を繋ぐことが出来る。

リバティは制限されているかもしれないけれど、フリーダムは確保されているわけだ。

そんな話をしていたら、その息子さんが最近ダイビングを教えてくれと言ってきたらしい。

奥さんの話では、どうも彼女が出来たみたいで、その彼女がダイビング好きらしい。

男の子って単純だからな。

彼女にいいとこ見せたいわけだ(あるある・・・)。

この話をしている時のギデオンは、鬼より恐いGUEインストラクターの顔ではなく、一人の父親の顔だった。

フリーダムいっぱい!!。

そのギデオンが、浮沈子に言ったのは、是非ダイビングを続けて、若いダイバー達にその姿を見せて欲しいという話。

まあ、半分は営業トークと分かっている。

GUEメンバーになって、いろいろなプロジェクトに顔を出してもらいたいらしい。

ジジイになっても向上心があるところを見せてくれれば、他のダイバーに対するいい見本になるわけだからな。

ヘンタイダイバーの巣窟と言われるGUE(そうなのかあ?)も、既に一枚岩ではなくなってきているようだ。

金と時間をつぎ込んで講習を受けたんだから、さっさと認定しろとか(そう言う輩に限って、スキルがプアーだったりするし)、協調性がなく、チームワークを乱しまくりのダイバーがいたりするようで、いささか手を焼いている感じ。

もちろん、ごく一部の話だろうし、手広くビジネスを始めれば、様々な顧客を相手にしなければならなくなるのは当然だ。

GUEも転換期を迎えつつあるのかも知れない。

そういう役目を果たすことが、彼の言葉を借りれば、浮沈子にとってのフリーダムに繋がるという。

歳をとってからでも、新しいことにチャレンジし続けることは素晴らしいことだと。

ったく、他人事だと思って・・・。

もちろん、筋トレTシャツは見せてるからな。

ノーペイン、ノーマッスル。

バカ受けだった!。

チャレンジし続けるのも楽じゃないんだぜ!

残念ながら、浮沈子には、GUEメンバーになる気はない。

GUEに対する好き嫌いは別にして、本籍は南の島のリゾートダイバーなわけだからな。

即答はしなかったが、ギデオンよ、悪いがその提案には乗れない。

浮沈子がテクニカルダイビングに挑戦しているのは、リゾートダイブを安全快適に行う肥やしにするためだ。

テクニカルダイビングを、常時行うためじゃない。

それでも、もし、そうすることが次の世代に浮沈子の記憶を伝えることに繋がるのなら、それ程悪い話ではないかもしれない。

新たなコースを受ける気はないけど、今のスキルを維持し、磨き続ける中で、次世代のダイバー達にいい影響を与えることが出来るのなら、それに越したことはないからな。

人をのみ渡し渡しておのが身は、岸に上がらぬ 渡し守かな(古歌)。

いい話を聞いた。

ホテルに送り届けた後、身体はくたくただったが、心は晴れ晴れと解放されていた。

深夜過ぎに帰宅し、最低限の片づけだけして寝る。

泥のように眠り込んで、夢も見なかった。

翌日から微熱が続いていて、抗原検査キットを買ってきて検査しても陰性。

なんだ、ただの夏風邪かあ・・・。

今も、まだ、36度程度の微熱(浮沈子の平熱は、35.3度)。

自分自身の心のままに、浮沈子は潜り続けるだろう。

既に、ダブルタンクを担いで立ち上がることはできなくなりつつある。

その情けない姿を晒すことも、浮沈子のフリーダムだと見つけた。

自分自身の楽しみが、人様のお役に立てるなら、これ程幸せなことはない。

しかし、そのために自ら楽しまずに潜る気はない。

フリーダムのために、リバティを犠牲にはしない。

そのことは、いずれ浮沈子からギデオンに伝えようと思っている。

所詮は、別の人間で、異なる人生の選択をしたわけだからな。

違いがあるのは当然だし、そのことで気まずくなることもない。

お世辞と分かっていても、あなたと講習以外でファンダイブしたいと言われて、悪い気はしない。

ギデオン自身が、今回の講習を通じて浮沈子から何かを得たに違いない。

教授者として一流の人間は、自ら学ぶ力も秀でている。

いい講習だったな。

数日たって振り返ると、少し客観的に見えてくる。

やってる時は、無我夢中だったがな。

ダイバーは、水中では自由だ。

3次元の世界を、思うまま楽しめる。

しかし、その自由と引き換えに、GUEはホリゾンタルトリムを要求する。

陸上での直立姿勢を捨てなければ、その自由は手に入れられない。

完全な自由、神のみに与えられたフリーハンドは持っていない。

その、人間に与えられた限られた自由を、それなりに楽しむことしかできないのだ。

親子につていも考えさせられたな。

彼の息子さんが家庭を築き、次の世代を養う時、同じことを思い、同じセリフを吐き、同じことを伝えようとするに決まっている。

親子とはそういうものだ。

自分が子供のころに言われた同じことを、自分の子供に語り掛けている。

ダイビングの講習も、ある意味では同じことなのかもしれない。

この、麗しき娯楽が、いつまで続くかは知らない。

水中ドローンがAIで自立して動き、洞窟の奥をどこまでも探検したり、数千メートルの深海を遊弋するようになって、その映像を3Dで楽しむ時代が来るのかも知れない。

数世代後には、「昔はねえ、人間が潜っていたんだよ!」なーんて会話が聞かれることになるに違いない。

その時代の人々は、「すばらしい新世界」(オルダスハクスリー)に生きているんだろうが、浮沈子はそのことが幸せとは思えないな。

人間が、生身で潜ってナンボのダイビング。

この世界に留まり続けることが出来る限り、自由を求めて潜り続けよう・・・。

🐱テック1:ア・ラ・カルト:湾内40m2022年07月31日 08:42

テック1:ア・ラ・カルト:湾内40m
テック1:ア・ラ・カルト:湾内40m


講習6日目の午前中。

この日は、2本の減圧ダイビングを予定している。

鬼のスケジュールだな・・・。

もっとも、空気設定のまま(GF:30/70)のプロファイルを見ても、ド派手なデコ破りをしているわけではない。

実際には、水深21mからはナイトロックス50にガスチェンジしているわけだから、それ程キビシーダイビングなわけではないんだが、湾内で40mの深度をDPVなしのフィンスイムで稼ぐのは大変だ。

泳ぐ泳ぐ・・・。

エントリーしてから水面で泳ぎ、沖のオレンジ色のブイからロープ沿いに潜降し、20mほどの水底に到着して更に泳ぐ。

途中、ホウボウを見つけた。

目についたのはそのくらいか。

ウツボとかもいたけど、向こうもこっちも無視。

コンパスで方位を確認しつつ、ひたすら深度を稼ぐ。

キック、キック、キック!。

事前の潜水計画では、30分でエキジットにかかる予定だから、およそ15分で戻ることになる。

その時点では、水深は38mくらい。

湾内の緩斜面の移動ということもあり、平均水深は浅いから、ガス量的には余裕がある。

この辺りで戻ろうと合図を出すも、ギデオンから不同意の合図。

もっと深度を稼げとさ。

やれやれ・・・。

仕方なく、40mまで行って、ようやくOKが出る。

今度は来た道をせっせと戻ることになる。

キック、キック、キック!。

ガス交換の後、チームメンバーがSMBをうち上げて、ゆっくり目の浮上。

もっと早く上がれと、あとでお叱りを受ける。

まあいい。

最終減圧は、当初計画の13分。

多少ふらついているけれど、プロファイルで見ると綺麗に止まれている。

このダイビングは、初めてのトライミックスダイビングになる。

21/35の混合比で、窒素酔い(酸素も含む)を防ぐ効果を狙っているだけ。

呼吸抵抗を減らす効果も無きにしも非ずなんだろうが、オーバーバランスドタイプのXTX50を使っている浮沈子は、この程度の深度では、呼吸抵抗の増加や吸い込むガスの粘性の増加を感じたことはない。

エアと同じ感覚しかない。

窒素酔いに対しても、なんらかのメリットを感じることはなかった。

ワンダイブごとに数万円のコストが掛かって来るわけだが、ヘリウム吸い放題の米国生まれのの指導団体は、湯水の如く使いまくる。

安全への投資はケチらないわけだ。

我が国での普及を妨げる最大の要因かもな。

呼吸ガスに対しても、GUEは頑なだ。

融通が利かない。

ナイトロックス程度ならそれ程でもないけれど、財布を重爆するヘリウム混合ガスの使用を前提とするわけだからな。

で、最近はJJ-CCRを導入してきて、テック1からCCR1へのパスを作った。

テック1→CCR1→CCR2

ギデオンは、それが面白くないらしい。

古くからのGUEメンバーであり、オープンサーキット万歳の彼にしてみれば、CCRは邪道に映るんだろう(そうなのかあ?)。

スキル開発的にも、テック1→テック2→RB-80の方がすっきりするしな。

現に、CCR2までを終えたダイバーが、あらためてテック2を習うことも多いそうだ。

ベイルアウトのトレーニングでは、複数のガス交換をするわけだが、CCR2だけではトレーニングが足りないと感じるからだという。

その点は、浮沈子的にも同意だ。

実際、浮沈子自体が、同じ理由でPADIのテック50を受けている。

まあ、どうでもいいんですが。

高い呼吸ガスを、なるべく吸わずに済まそうというチープな発想でCCRを導入するというのも、考えてみれば邪道な気がする。

ヘリウム混合ガスを使う場合、混合比にもよるけれど、50本も潜ればCCRが買えてしまうというのは確かだ。

だが、非常時に使うベイルアウトの手順があやふやなままのCCRダイバー(テクニカルレベル)を乱造するリスクもはらんでいる。

GUEで、CCR2の後に、自主的にテック2を学ぶダイバーが多いというのは、実に健全な姿だと感じる。

さすが、ヘンタイダイバーの巣窟だな(そうなのかあ?)。

RB-80含めて、リブリーザーの活用は、必要なトレーニングを十分行うことを前提として、GUEとして理に適っている。

3本柱である、教育、探検、保護のどれひとつとっても、リブリーザーこそが、これからのGUEを支える柱となるだろう。

浮沈子が、GUEでRB-80やJJを教わることはない。

浮沈子が追求したいのは、レクリエーショナルなシーンにおけるCCRの普及だからな。

ダイビングの質を変える、それはきっかけになるに違いない。

この10年間、そこはブレていない。

もっと簡易で、壊れにくく、扱いが容易な機種が出てくることを期待しているんだが、業界はなかなか動かない。

P社も積極的な取り組みを止めてしまっている。

GUEは、探検のツールとしてしか見ていないから、レクリエーションに広げることはないだろうし。

まあいい。

ヘリウムの値段については、諸般の事情からまだ不明のまま。

後日清算ということだが、高くつくのは覚悟している。

どういうコネクションを起動したかは知らないけれど、今回の講習で使うことが出来たこと自体が奇跡だ。

状況的には、遊びで使うヘリウムが手に入る時代じゃないからな(これも、ウクライナ紛争のせいか?)。

ヘリウムは、戦略物資だからな。

平和利用にしても、まず、医療や工業用に持っていかれて、ダイビング関係でも作業潜水までしか流通がないと聞いている。

ギデオンリューにビジネス目的で来日してもらい、ヘリウムを手に入れ、テック1講習を国内開催できたこと自体が奇跡の連続だ。

湾内40mダイビングは、そうした奇跡の連鎖の延長線上で実施されている。

初のトライミックスダイビング。

初の減圧ダイビング。

初の40mダイビング。

まあ、たかが40mくらいで、何を大騒ぎしているのかと言えないこともない。

んなもん、エアで十分じゃん!?。

いやいや、END30m以下は、GUEでは厳粛なルールだ。

世間(他のテクニカルダイビング指導団体)から、蛇蝎の如く嫌われる所以でもある。

この融通のなさ・・・。

それさえ気にしなければ(もちろん、お財布も含めて)、GUEは悪い団体なわけではない。

理に適っているし、ゆっくりとではあるけれど、現実に合わせて確実に変化もしてきている。

まだまだ古いところもあるし、これから変化していく必要もあるだろうけれど、この講習を通じて浮沈子の理解は深まったと言える。

化石のように思っていたRB-80も、オープンサーキットの延長と考えれば、十分現役として活躍する場はあるに違いない。

ギデオンは、RB-80について語らせたら、3日くらいはぶっ続けでしゃべれるだろう。

熱い!。

今は、サイドマウント用のRB-80を開発しているんだそうだ。

もうすぐ、公式バージョンとしてリリースされるという情報も掴んだ。

が、いずれにしても探検用途限定だな。

どーせなら、ヘリウム使わない安全潜水の研究でもしてくれた方が、世のためダイバーのためになると思うんだがな・・・。