🚀アルテミス:耐熱シールド:弥縫策2026年01月10日 22:47

アルテミス:耐熱シールド:弥縫策
アルテミス:耐熱シールド:弥縫策


(オリオンの耐熱シールドは本当に安全か?NASAの新長官が飛行前夜に最終審査を実施。)
https://arstechnica.com/space/2026/01/nasa-chief-reviews-orion-heat-shield-expresses-full-confidence-in-it-for-artemis-ii/

「NASAは、熱シールドをより透過性の高いAvcoatを使用した新しいものに交換するなど、いくつかの選択肢を検討した結果、オリオンの再突入プロファイルを変更することを決定しました。」

「最悪の日でも、その状況になっても対処できるというデータがある」(NASAのエンジニアの一人)

「この熱シールドは完璧ではなかった。NASAが今知っていることを数年前に知っていたら、熱シールドは別の設計になっていただろう。ガス放出の問題を防ぐために、透過性のあるものにしていただろう。これらの変更は、アルテミス3号ミッションの熱シールドに組み込まれている。」

「それでもなお、NASAは、アルテミスIIの耐熱シールドを改訂されたプロファイルで飛行させることは完全に安全であると確信している。」

「おそらく最も深刻なのは、アルテミス3号に搭載されるオリオン宇宙船(あるいは少なくともその耐熱シールド)をこのミッションに使用することを検討していたことだろう。この耐熱シールドは透過性のあるアブコートを備えている。木曜日にクシャトリヤ社に、なぜそうしなかったのかと尋ねた。」

浮沈子もそこが疑問だ。

「・・・そして、ご存知の通り、私たちはできるだけ早く軌道に乗ろうとしているのです。」

結局、それが全てだろう。

「回避策を受け入れ、最悪の耐熱シールドを飛ばして、その回避策で問題が解決することを期待するなんて、絶対に納得できません」(元スペースシャトル宇宙飛行士のカマルダ氏)

浮沈子も同意見だな。

エリックバーガーは、彼が納得したかのような書きぶりだが、そして、NASAでの研究に戻るために意図的に非難を繰り返しているかのような印象を与えようとしているけど(そうなのかあ?)、おそらくNASAの選択は「弥縫策」以外の何物でもない。

現在の「不浸透性」なアブコートは欠陥品であることが分かっている。

ある条件下(浅い再突入角で比較的長時間加熱される)では、そのガス透過性の欠如から、内部に発生したガスが膨張し、断熱材の構造自体を破壊してしまうことが分かっている(画像参照)。

NASAは、その許容条件を突き止め、深い再突入角で加熱時間をアルテミス1の14分間からアルテミス2では8分間に短縮することで解決しようとしている。

「回避策を受け入れ、最悪の耐熱シールドを飛ばして、その回避策で問題が解決することを期待するなんて、絶対に納得できません」(元スペースシャトル宇宙飛行士のカマルダ氏:再掲)

アルテミス2を無人機のまま飛ばして、上記の解決策が妥当だったかを調べる意味はない。

なぜなら、アルテミス3では、その「欠陥品」の耐熱シールドは使わないことが決定しているからな。

最善の選択は、アルテミス2を数年間延期して、透過性のあるアブコートを使用したまともな耐熱シールドを装備して飛ばすことだ(もちろん無人で)。

実験室で耐熱シールドの試験片をいくら弄っても、実環境における挙動は分からない。

再突入時までに晒された宇宙放射線の影響は考慮されているのか(地上での試験は不可能)、数日間に渡る加熱と冷却が繰り返される宇宙空間飛行中の環境は考慮されているのか(未確認)、再突入時の振動は考慮されているのか(未確認)、耐熱シールドに実装された状態での構造的な応力(フレーム自体の熱膨張も考えられる)は考慮されているのか(未確認)、エトセエトセは考慮されているのか(未確認?)・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

NASA自身が、アルテミス1を無人で飛ばし、問題を発見するという好ましいプロセスを踏んでいるにも拘らず、透過性のあるアブコートを使用した再試験を行ってその安全性を確認するわけではない。

何らかの理由で再突入確度が浅くなり、「不浸透性」のアブコートの許容範囲を逸脱することがないとは言えない。

その際にも、宇宙船(オリオン)の安全性は確保されていると言われるが、アルテミス1で使用されたドンガラのオリオンと、宇宙飛行士4人を生かしておくための仕掛けを満載したオリオンは別の宇宙船だ。

構造自体は安全だったとしても、生命維持に関わる機器が正常に稼働するかどうかは分からない。

浮沈子的には、もし、アルテミス2を強行するなら無人で飛ばすことを推奨する(何を試験するのかは知らない)。

で、耐熱シールドの件は別途、アルテミス1.5を無人で飛ばして新しい透過性のあるアブコートの性能を確認する。

そう、まだ人間を乗せて飛ばせる状態じゃないからな。

そうして、生命維持装置や耐熱シールドが安全であることを確認した後に、初めて宇宙飛行士を乗せて自由帰還軌道で月を回るべきだ。

確認しておこう。

現状のオリオン宇宙船は欠陥品だ。

NASA自身がそれを認め、改良品の採用を決定している。

こんなもんに宇宙飛行士を乗せて飛ばすなんて、愚の骨頂だろう。

多くの犠牲を積み重ねて確立されたNASAの安全文化にも反する。

全ては、中国より先に月に人類を送り込みたいという焦りからきている(それは既に半世紀以上前に達成されているけどな)。

これは、チャレンジャー事故の時と酷似している。

NASAはお役所だから、大統領の意向には逆らえない。

技術的に多少無理があったとしても、踏み切らざるを得ない。

今回は、NASA自身がそれに否定的な回答を出していない。

明確にリスクを取る決断をしている。

欠陥品を弥縫策を施して飛ばす。

それ以外の何物でもない。

それで安全が確保されるというなら、アルテミス3で改良品を投入するのはなぜなのか。

従来の製品でいいのではないか。

「この熱シールドは完璧ではなかった。NASAが今知っていることを数年前に知っていたら、熱シールドは別の設計になっていただろう。ガス放出の問題を防ぐために、透過性のあるものにしていただろう。これらの変更は、アルテミス3号ミッションの熱シールドに組み込まれている。」(再掲)

アルテミス2は直ちに中止すべきだろう。

アルテミス3の耐熱シールドを適用し、その安全性を確認するために無人で飛ばすのがよろしい(新たな耐熱シールドの安全性が実証されているわけじゃないからな)。

その上で、改めて有人月周回飛行を実施すべきだ。

物理の神様は公平だ。

中国の宇宙船にも、同じような問題が発生するかもしれない。

ただし、中国は既に月面からのサンプルリターンを実施している。

その際の再突入のデータは持っているからな。

条件は、ほぼ等しいだろう。

有人飛行とは帰還軌道が異なるし、再突入の条件も同じじゃないに違いない(未確認)。

彼らが有人月面着陸に挑戦する際、同じ問題に直面してどう対応するかが見ものだ。

米国と中国は、宇宙競争しているわけじゃない。

アポロの時とは状況が異なる。

敢えて言えば、当時のソ連の立場が現在の米国なのかもしれない。

追われる立場で、何をするにしても非効率なロケットに足を引っ張られている(4年に1度しか飛ばせないしな:そうなのかあ?:アルテミス1は2022年11月-12月)。

まあいい。

追い抜かれたっていいじゃないの・・・。