水中の墓標2013年01月01日 09:25

水中の墓標
水中の墓標


フィリピンのセブ・マクタン島のマリバゴにあるクラブ・コンチキ・リゾートのハウスリーフには、2枚の墓標が置かれている。

来る度に場所が少しずつ変わるのは、なぜ?。

まあ、いい。

キャプテン・スカーレット症候群(自分だけは死なないと信じ込んでいた)ダイバーと、自殺企図のあったダイバーのプレートであると聞いた。

イントラは、一連のダイビングの中で、必ず1回はここを訪れる。

エキジットのコースなので、特段の意図はないのかもしれないが、浮沈子は必ず写真を撮る。

お参りの代わりのようなものだ。

水中なので花を手向けるわけにもいかず、線香を焚くわけにもいかない。

どんな理由があったにせよ、ダイビングで命を落とすというのは、本意ではなかったに違いない。自殺企図があったとしても、それは元から望んだことではない。

ダイバーの末路は2つしかない。

潜るのを止めて陸に上がるか、水中で死ぬか。

生業としている方でなければ、ダイビングはレジャーである。遊びであり、より良く生きるためのポジティブな行動であるはずだ。

避けがたい事故で死ぬことはあるかもしれないが、そうならないように最善をつくして嗜むのが大人の遊び方というものである。

家族や職場の同僚や友人達に多大の損失を与えるのが、大人の死である。

一人で生きている者など、誰もいない。

プレートの表面は汚れてしまって、もう、彫りこんである文字を読むことは出来ない。やがては朽ち果て、海の藻屑となってしまうだろう。

それもまた、海の掟である。

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