軍隊は何を守っているのか2013年12月03日 03:25

軍隊は何を守っているのか
軍隊は何を守っているのか


我が国には、正規軍がない。

自衛隊というのは、国家が交戦権を認められていないので、宣戦布告をして、敵国と戦争を行うわけにはいかないのだ。

それでも、我が国が攻撃を受けた場合には、しかるべき手段で応戦する。

(自衛隊法(昭和29年法律第165号))
http://www.houko.com/00/01/S29/165.HTM

「(自衛隊の任務)
第3条自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。」

「(防衛出動)
第76条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という。)が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成15年法律第79号)第9条の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。」

「(国民保護等派遣)
第77条の4 防衛大臣は、都道府県知事から武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第15条第1項の規定による要請を受けた場合において事態やむを得ないと認めるとき、又は武力攻撃事態等対策本部長から同条第2項の規定による求めがあつたときは、内閣総理大臣の承認を得て、当該要請又は求めに係る国民の保護のための措置を実施するため、部隊等を派遣することができる。
《追加》平16法112
《改正》平18法118
2 防衛大臣は、都道府県知事から武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第183条において準用する同法第15条第1項の規定による要請を受けた場合において事態やむを得ないと認めるとき、又は緊急対処事態対策本部長から同法第183条において準用する同法第15条第2項の規定による求めがあつたときは、内閣総理大臣の承認を得て、当該要請又は求めに係る緊急対処保護措置を実施するため、部隊等を派遣することができる。」

「(弾道ミサイル等に対する破壊措置)
第82条の3 防衛大臣は、弾道ミサイル等(弾道ミサイルその他その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体であつて航空機以外のものをいう。以下同じ。)が我が国に飛来するおそれがあり、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため必要があると認めるときは、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に対し、我が国に向けて現に飛来する弾道ミサイル等を我が国領域又は公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。)の上空において破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる。」

「(災害派遣)
第83条 都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる。
《改正》平18法118
2 防衛大臣又はその指定する者は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等を救援のため派遣することができる。ただし、天災地変その他の災害に際し、その事態に照らし特に緊急を要し、前項の要請を待ついとまがないと認められるときは、同項の要請を待たないで、部隊等を派遣することができる。」

「(防衛出動時の武力行使)
第88条 第76条第1項の規定により出動を命ぜられた自衛隊は、わが国を防衛するため、必要な武力を行使することができる。
2 前項の武力行使に際しては、国際の法規及び慣例によるべき場合にあつてはこれを遵守し、かつ、事態に応じ合理的に必要と判断される限度をこえてはならないものとする。」

「(展開予定地域内における武器の使用)
第92条の4 第77条の2の規定による措置の職務に従事する自衛官は、展開予定地域内において当該職務を行うに際し、自己又は自己と共に当該職務に従事する隊員の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第36条又は第37条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。」

このくらいでいいかな。

正規軍ではないが、自衛隊という軍隊の任務は、法律によれば以下の二つである。

・我が国の平和と独立
・国の安全を保つ

ついでに、公共の秩序の維持も必要に応じて対応する。

具体的には、「直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務」とすることになっている。

ここだけ読むと、国民は守ってくれないのかあ?、ということになるのだが、第77条の4(国民保護等派遣)、第83条(災害派遣)など、直接的に守ってくれることもある。

ただし、この件については異論もある。

(今でも自衛隊は国民の生命・財産を守るものだと誤解している人が多い)
http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/8ee3aade9097aeb75fe032c89f5023cd

「今でも自衛隊は国民の生命、財産を守るものだと誤解している人が多い(中略)政治家やマスコミも往々(しばしば)この言葉を使う。しかし、国民の生命、財産を守るのは警察の使命であって、武装集団たる自衛隊の任務ではない。自衛隊は国の独立と平和を守るのである。警察法と自衛隊法に書いてある。この場合の国とは、我が国の歴史、伝統に基づく固有の文化、長い年月の間に醸成された国が、天皇制を中心とする一体感を共有する民族家族意識である。決して個々の国民を意味しない。もし個々の国民を指すとすると、自衛官も守られるべき国民であるから、生命を犠牲にすることは大きな矛盾である」

「軍隊は何を守るのかと言い換えるなら、その答えは国民の生命・財産ではありません。それらを守るのは警察や消防の仕事であって、軍隊の「本来の任務」ではないのです。」

「ならば軍隊が守るものとはなんなのか。それは国家目標の上位にあるもの。国家目的という言葉がしっくりこなければ、国家にとって「至上の価値」と言い換えても良いでしょう。「我々だけの自衛隊」(松原正、展転社)は「国家にとっての至上の価値とは何か」と提起した上で、「それは 國體である。 國體といふと眉を顰める向きもあらうから文化であると言ひ直しても良い」と解き明かしています。「伝統文化」と言い直してもよいでしょう。たとすれば、その中身はいったい何なのか。日本の皇室伝統が無縁でないことは明らかです。」

「連隊のある将校が、このひとに質問した。
「われわれの連隊は、敵が上陸すると同時に南下して敵を水際で撃滅する任務をもっているが、しかし、敵上陸とともに、東京都の避難民が荷車に家財を積んで北上してくるであろうから、当然、街道の交通混雑が予想される。こういう場合、わが八十輌の中戦車は、戦場到着までに立ち往生してしまう。どうすればよいか」
高級な戦術論ではなく、ごく常識的な質問である。だから大本営少佐参謀も、ごくあたりまえな表情で答えた。
「轢き殺してゆく」」

やれやれ、自衛官は、天皇制のために殺されにいくのか。

彼らが守るものは、國體という訳のワカランものなのか。

昔の話が引用されているが、そのためには、日本人を轢き殺していくわけだ。

「天皇陛下のためだからやむをえない」

天皇陛下のためなら、「生命を犠牲にすることは大きな矛盾である」ということにはならないのだろうか。

まあいい。

浮沈子は、自衛隊が軍隊だなどと思っていないし、かれらが、天皇陛下のために死地に赴くことがないように願っている。

現代においては、天皇の地位は象徴として国事行為を行うだけである(私的行為はいろいろあるようですが)。

その地位は、憲法によって定められ、それは不変のものではない。

(自衛隊は何を守るのか)
http://www.spnt.jp/sns/articles/DGXNASGH09003_00310M9Y000000/

「安倍総裁は「自衛隊員は自衛隊に入る時に、国家のため、国民のために尽くしますという誓約書を書くことになっているわけだから、当然、誇りを持って命令に従ってくれるでしょう」という言い方をしました。」

法律には明記されていないが、どうやら、国民のためにも尽くしてくれそうな雰囲気だな。

有り難い事だ。

こんな記事もあった。

(中米の「軍隊のない国」コスタリカ)
http://www.magazine9.jp/interv/chihiro/

「多くの人が誤解していると思うのは、自衛隊を「国民を守るもの」と考えていることです。脳天気にそんなことを言っていられるのは、軍隊について何も知らないからですよ。軍隊というのは、そんな甘いものじゃないんです。」

「中南米、ヨーロッパ、アフリカと、世界中の軍隊を見てきて思うのは、軍隊の第一義は「国民を弾圧すること」だということです。その時々の権力を守り、そのために国民を弾圧する。それが軍隊の本質なんですね。守るものは権力であって国民じゃない。かつての日本軍もそうで、第二次世界大戦のとき、沖縄戦であれだけの人が死んだのは、日本軍に「国体を守るためなら国民はどうなってもいい」という考えがあったからです。」

守るものは権力だというが、我が国では、国民が権力の主体ではないのかあ?(将軍様とかじゃなくて)。

まあ、どうでもいいんですが。

こんなことを、ずらずらと書いているのは、とうとう、例の本が送られてきたからである(画像参照)。

(外注される戦争―民間軍事会社の正体 [単行本])
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%96%E6%B3%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%88%A6%E4%BA%89%E2%80%95%E6%B0%91%E9%96%93%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93-%E8%8F%85%E5%8E%9F-%E5%87%BA/dp/4794215762

その冒頭に、衝撃的な記述があった。

「国家が国民に対して十分な安全を提供できなくなった」結果、民間警備や、民間軍事会社が跋扈する(もとい、活躍する)ようになったというのだ。

先進国では警察予算よりも多額の金が、民間警備会社に落とされているし、イラク戦争後の復興支援に投入された軍人の数よりも、民間軍事会社の人数が多いという。

我が国でも、アルソックの子会社が自衛隊の中枢を警備していることは既にこのブログでも触れた。

そのうち、国会審議でも民間軍事会社の件が取り上げられるかもしれない。

憲法第9条に反しているのではないかという質問に、次のような答弁が行われる。

「民間企業による、契約相手(当事国への進出企業)の警備であり、憲法に抵触することはありません。」

でもって、先様で何をやっているかというと、多国籍軍と一緒になって、革命ゲリラの掃討作戦に従事していたりするんだな、これが。

契約した民間企業というのは、実は国家の金が流れ込んでいるコンサルかなんかで、現地事務所とは名ばかりで、国民の税金のトンネル会社だったりして。

そんなことは、きっとバレバレになって、彼の国の革命ゲリラだって、資金力に物をいわせて、向こうも民間軍事企業と契約して、我が国に於けるゲリラ戦を仕掛けてくるに違いない。

テロルの攻撃対象になって、議員会館とかが狙われるわけだ。

巨大な拡声器を使った、大音量兵器である。

「国家機密法は許さないぞお!」

このくらいにしとくか・・・。

とにかく、自分の身は、自分で守らないと、生きていくのも大変なことになりそうである。

事前に警察に保護を求めても、結局ストーカーに殺されるという、痛ましい事件が繰り返されたり、海外に進出した企業(日揮だっけ?)の社員が、国際テロ組織に殺されてしまったりするのを見ると、国家権力が国民を守ることが出来ない現実を見せつけられる。

軍隊は、我が国では国体(国民体育大会ではない:そもそもそんな言葉は、法律にはない)を守るためにあるらしいし、国民を守るはずの警察も、治安出動には熱心かもしれないが、個別の相談(窓口は、生活安全課とかいうらしいが)には、適当にしか対応しないし。

軍隊は、そもそも、その国の国民を守っているわけではない。

(軍隊:存在意義)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E9%9A%8A#.E5.AD.98.E5.9C.A8.E6.84.8F.E7.BE.A9

「軍隊は、政治の実行手段の一つである軍事を司る。軍隊を保有することで、他国からの急迫不正の侵害を抑止し、保有戦力に相応した外交関係が保障され、国内政情を安定化する働きをもつ。」

「軍隊は物理的な強制・加害行為をなしうる執行機関であり、国家権力の主要な権力資源である。」

政治の道具の一つとして、保有戦力に応じた外交関係を保証する権力資源なのである。

国体とか、国民とかではなく、国家の権益を守っているのである。

だから、クラウゼヴィッツも、政治との緊密な連携の必要を感じていたのだ。

外国に我が国の企業が進出して、彼らの活動が、国家にとって重要な権益となったとき、軍隊は、それを保全するために必要な措置を講じることもあるだろう。

でも、その軍事力は、必ずしも国防軍でなくてもいいかも知れない。

民間警備会社が、機関銃とかで武装して、戦車乗り回して警護してもいい。

まだ、ほとんど読んでいないので、トンチンカンなことを書いているかもしれないが、ちゃんと読んだらまた書く。

宇宙の歴史2013年12月04日 16:40

宇宙の歴史
宇宙の歴史


タイムマシンがあればいいなあ、と思っている人々は大勢いるだろう。

未来を見て、競馬の勝馬投票券を買うとか、過去に戻って、失敗の尻拭いをするとか。

そういう、ふとどきな使い方ではなく、歴史学者とかは、当時の世界に行って直接見聞したり、失われてしまった記録や遺構を確認できればいいと考えているかもしれない。

しかし、その夢のようなタイムマシンを持っている研究者がいる。

天文学者といわれている連中だな。

まあ、タイムマシンとか大げさな話ではなく、ドデカイ望遠鏡を使い倒して、宇宙空間の遠くの方を見ることができるわけだ。

そうすると、自動的に過去の宇宙を眺めることになる。

真空中を光が進む速度は有限なので、1光年離れた天体(そんな「近く」の天体は、見つかってませんが)から、いま、地球に届いた光は、1年前にその天体を出発したことになる。

じゃあ、その1年後に当る、いま、この瞬間はどうなっているかというと、いまから1年後にならないと分からない。

えーっ!?、それじゃあ、いつまで経っても、過去の姿しか見られないってことなのかあ?。

もちろんその通りだし、もっといえば遠方の天体ほど、速い速度で我々から遠ざかっていることが分かっているので、どんどん昔の姿しか見えなくなっていってしまうことになる。

ただし、ご近所(といっても、100万光年とか、1000万光年くらいの単位の話ですが)の局所的な宇宙空間では、近付いてくる天体もある。

(銀河系とアンドロメダ銀河の衝突合体)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E7%B3%BB%E3%81%A8%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%80%E9%8A%80%E6%B2%B3%E3%81%AE%E8%A1%9D%E7%AA%81%E5%90%88%E4%BD%93

「2002年から2010年までハッブル宇宙望遠鏡でアンドロメダ銀河の動きを追跡した結果、2012年、科学者達は、衝突は決定的だとの結論に達した」とある。

まあ、心配には及ばない。

その頃には、地球上の生命なんて、影も形も無くなっているだろう。

(Date set for desert Earth)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/sci/tech/specials/washington_2000/649913.stm

「If we calculated correctly, Earth has been habitable for 4.5 billion years and only has a half billion years left.」

この話が本当なら、地球上の生命の余命は、5億年ということになる。

「銀河系とアンドロメダ銀河の衝突合体(Andromeda–Milky Way collision)は、約40億年以内に発生すると予測されている」

知るかよ!。

まあいい。

宇宙の歴史は、この先もまだまだ続くのだろうが、人類がそれを認識することはない。

他の恒星系に移住するにしても、偶然近くを通り過ぎる恒星が現れない限り、余りに遠すぎて不可能である。

生態系の遺伝子プールをデータとして記録して、宇宙に播種するとかしない限り、地球上の生命の存在は、5億年先でおしまい!。

これは、SFとかではなく、科学的な推測であって、蓋然性がある。

さて、そんな夢も希望も打ち砕くような話ではなく、こんな記事が目に止まった。

(巨大な天体「ヒミコ」をアルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測…日米の国際研究チーム)
http://response.jp/article/2013/11/26/211621.html

(巨大天体“ヒミコ”の謎解明)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=00020131125003

(AN INTENSELY STAR-FORMING GALAXY AT z ~ 7 WITH LOW DUST AND METAL CONTENT REVEALED BY DEEP ALMA AND HST OBSERVATIONS:元記事:というか、論文そのものを読めます)
http://authors.library.caltech.edu/42637/

(ヒミコ (天体))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%9F%E3%82%B3_(%E5%A4%A9%E4%BD%93)

「ヒミコは「くじら座」の方向、129億光年離れた遠方にある非常に明るい巨大なガス雲で、2009年に発見された。137億年前に宇宙が誕生してからわずか8億年後のもの」とナショジオにある。

「一直線に並んだ3つの星団を巨大な水素ガス雲が包み込んでいる構造をしていることが、東京大学宇宙線研究所の大内正己准教授や国立天文台、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターなどの共同研究で分かった。3星団は合体してさらに大きな天体を形作ろうとしているところで、銀河が作られる最初の過程を明らかにする上で重要な成果だという。」

「データに基づけば、この天体は「早期宇宙で次の大規模な物体に比べ10倍以上の大きさで、太陽質量の400億倍の質量」を持ち、「大きさは5万5千光年でわれわれの銀河の半分くらいの半径」をもつと言われている」と、ウィキにある。

「ヒミコの発見によって、宇宙の初期に現代の平均的な銀河と同じ程度の大きさの巨大天体が存在したことになった。これは小さな天体が重力によって徐々に集まっていき大きな天体が形作られていくという現代の宇宙論では説明ができない。」

じゃあ、どう説明してくれるんだあ?。

「また、その後も宇宙初期に成長した銀河やブラックホールが発見されている」

ヒミコだけが、特別の存在ではないかもしれないというのだ。

いやあ、大変なことになってきたわけだな。

正に、「銀河の歴史が、また1ページ」というところである。

なお、画像は、観測結果を元に描かれた想像図であるので、念のため。

静止軌道2013年12月05日 04:03

静止軌道
静止軌道


なかなか打ちあがらなかったロケットといえば、我が国のイプシロンロケットがあった。

夏休み最後の花火大会と勘違いした多くの市民が押しかけ、イプシロン弁当まで売り出された(現在の名称は、「イプシロンの里弁当」)。

(イプシロン弁当 秋・冬版 好評販売中!)
http://www.kankou-kimotsuki.net/shopping/%E3%82%A4%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%81%8A%E5%BC%81%E5%BD%93/

アマゾンが、オクトコプターでの配達を検討しているらしいが、我が国では、一歩進んで、ロケットで配達する時代になった(わきゃない!)。

(【アマゾン】、じぇじぇじぇ!ラストマイルは無人オクトコプターで超高速30分デリバリー?)
http://blogos.com/article/75009/

まあ、どうでもいいんですが。

今回、浮沈子が注目していたのは、スペースX(スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ)社による通信衛星(SES-8)の打ち上げである。

11月25日、29日にいずれも延期となり、本日12月4日にやっと上がった(いずれも、日本時間)。

気になっていた理由は、3つ。

・ファルコン9ロケットのバージョンアップ(V1.1)で、推力アップが行われている。
・同社初の、静止軌道衛星の打ち上げである(2段目の再点火が必要)。
・衛星が3.2トンと大型である(大きさもデカイ)。

ファルコン9V1.1は、エンジンの出力向上と共に、搭載燃料を増やした。

第1回目の打ち上げ延期は、燃料タンクの圧力調整に不具合があったためと報道されている。

第2回目は、(たぶん、2段目の)エンジンの再着火のシステムの不具合だそうだ。

今回、無事に打ち上げが成功したことにより、静止衛星ビジネスへの参入を果たした。

(ファルコン9)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B39

V1.1は、9月に初飛行を行っていたが、今回、静止軌道への打ち上げということもあり、注目した。

静止軌道への打ち上げは、低軌道であるパーキング軌道から、静止トランスファー軌道へ移る際に、2段目のエンジンの再点火が必要になる。

その後、静止トランスファー軌道から静止軌道に移る際に、衛星側のアポジキックモーター(まあ、3段目のロケットですな)を点火して乗り移ることになる。

ざっと、こんな感じなのだろうが、実際の軌道遷移のオペレーションについては、詳しくは知らない。

(静止軌道)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E6%AD%A2%E8%BB%8C%E9%81%93

「地球では、赤道上の高度約35786kmの円軌道」とある。

この衛星(SES-8)が、8万kmの高度を回ると書いてある記事を見つけた。

(スペースX、通信衛星の打ち上げに成功)
http://www.cnn.co.jp/fringe/35040915.html

「SES―8は重さ約3.2トン。上空約8万kmの軌道上で南アジアやアジア太平洋地域からの信号を中継する。」

(SpaceX rocket lifts off from Florida:元記事)
http://edition.cnn.com/2013/12/03/tech/innovation/spacex-launch/index.html?iref=allsearch

「The SES-8 satellite will relay signals to and from the South Asia and Asia Pacific regions from 50,000 miles (80,000 kilometers) above the Earth's surface. 」

ホントかあ?。

(SES-8:ファクトシート)
http://www.orbital.com/NewsInfo/Publications/SES-8_Fact.pdf

(SES-8:英語のウィキ)
http://en.wikipedia.org/wiki/SES-8

どこにも、そんな物理の法則をひっくり返すような記述はない。

「Regime Geostationary」(体制:対地静止)とあるだけだ。

ちなみに、「戦後レジームの総決算」などという時のレジームと同じ単語であるな。

通常、軽蔑したニュアンスで使用するので、注意が必要な単語ではある(安部総理は、戦後の(自民党の)政治体制を、軽蔑しているわけだな)。

また、レジュームという発音にはならない。

それにしても、なんで、こんな記事が出ているんだろうか。

静止軌道がおよそ高度3万6千キロだということは、最近は小学生でも知っている。

しかも、科学記事を書く記者は、たぶん、小学生ではないだろうから、当然の基礎知識として知っているはずである。

誤植なんだろうか(活版印刷かよ!?)。

まあいい。

(SPACEX SUCCESSFULLY COMPLETES FIRST MISSION TO GEOSTATIONARY TRANSFER ORBIT:スペースX社のプレス:軌道投入オペレーションについての記述あり)
http://www.spacex.com/press/2013/12/03/spacex-successfully-completes-first-mission-geostationary-transfer-orbit

スペースXは、少なくとも第1段、最終的には、2段目の回収も考えている。

(ファルコン9:再使用計画)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B39#.E5.86.8D.E4.BD.BF.E7.94.A8.E8.A8.88.E7.94.BB

(Musk lays out plans for reusability of the Falcon 9 rocket)
http://www.nasaspaceflight.com/2013/10/musk-plans-reusability-falcon-9-rocket/

今回の打ち上げは、再利用計画のスケジュールには含まれていない。

次回、または、次の次では、足の生えたファルコン9が飛び上がるかもしれない。

さて、東経95度上、高度35786km(8万kmではない!)の静止軌道に投入された通信衛星は、高度成長が見込まれる東南アジアと、インドなどをカバーする。

15年という運用期間のうちに、この地域の経済は、発展を続けることだろう。

静止軌道上には、200機以上の衛星がひしめいているそうだが、また1機増えたことになるな。

(List of satellites in geosynchronous orbit:そのリスト)
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_satellites_in_geosynchronous_orbit

(Geosynchronous Satellites - By Location:別のリスト)
http://www.zarya.info/Diaries/Launches/geo-loc.php

これら静止衛星を運用するには、打ち上げ後のオペレーションが必要となるらしい。

(Geostationary orbit:Orbital stability)
http://en.wikipedia.org/wiki/Geostationary_orbit#Orbital_stability

地球の歳差運動、ジオイドの非対称性(厳密な円軌道ではない)による変位、太陽風による圧力によって、軌道修正を行う必要がある。

(天球の回転:歳差運動の項を参照)
http://www.astroarts.co.jp/alacarte/kiso/kiso03-j.shtml

(ジオイド)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%89

(太陽風)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%A2%A8

衛星には、このための燃料が積み込まれており、この燃料の枯渇が静止衛星の寿命であるといっていい。

そもそも、静止衛星の概念を普及させたのは、かのアーサー・C・クラークである。

(静止衛星)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E6%AD%A2%E8%A1%9B%E6%98%9F

んでもって、この記事の最後にある「X00639」というのが、気になった。

(謎の巨大衛星「X00639」)
http://ameblo.jp/hogenews/entry-10735540117.html

「全長50メートルの巨大物体が、赤道上3万6000キロの宇宙空間に浮かんでいるのを、日本スペースガード協会(理事長・磯部国立天文台助教授)が発見した。同協会が昨年12月に導入した反射望遠鏡のテストで見つかったもの。
米国の軍事衛星と推測されているが、そんなに大きな構造物をどうやって打ち上げたのかも関心を呼んでいる。

この物体は、放送用の衛星などがひしめく静止軌道上(高度3万6000キロ)にあり、東経120度ほどの位置にじっとしている。同協会によると、物体の明るさは7―10等で変動していることから、形はいびつであることが判明。
最大の明るさから、全長は50メートル前後と推測された。また位置がまったくずれないことから、常に姿勢制御されていることも判明した。

同協会によると、米空軍は1980年代から衛星を使った国防システムを計画。
打ち上げる衛星の中には、巨大な電波望遠鏡も含まれており、発見した物体はそのうちの1つとみられる。電波望遠鏡では、雲で覆われている時や、夜間でも、地表や海上を移動する物体を監視できるとされるが、軍事機密のため詳細は不明。

天文研究者らで作る同協会は、岡山県美星町に観測施設を持ち、静止軌道上の宇宙ゴミや地球に接近しそうな小惑星を監視している。欧州にも同様の組織があり、やはり米国の軍事衛星らしき謎の物体を10個ほど見つけているという。

磯部理事長は「このような巨大な衛星をどのように上げたのか興味あるが、軍事設備なので知る方法がない」と話している。」

(静止軌道上の巨大(約50m)活動衛星-1)
http://www.spaceguard.or.jp/asute/a38/html/con38-R04s01.htm

「この未知物体は、8等級という明るいもので、通常の物質でできているとすると、有効直径が40m前後の巨大な構造物である。このような大きな静止衛星であれば、当然NORADのカタログに出ているはずであるが、そのような人工衛星は載っていなかった。」

「通常、日本上空の静止衛星は、毎日、西の方向に向かってドリフトしていくが、この静止衛星は常に軌道がコントロールされていて、常に同じ軌道を保っている」

これを読むと、陸幕別班の話が、幼稚園のお遊戯のように思えてくる。

静止軌道上で24時間365日、地球を監視し続ける軍事衛星か・・・。

もちろん、この人工天体が宇宙ステーションとして有人で運用されているわけではない。

地球磁気圏を離れたところで、長期間滞在することは、高エネルギーの宇宙線や、太陽から飛来する粒子によって致死的影響を受けるので、当然、無人での運用であろう。

2001年12月に発見(?)されたそうだが、いまもそこに留まっているのだろうか?。

先に引用した、静止衛星のリストにもない(東経121度辺りらしい)。

スパイ用語(?)で、ヒューミント(人間相手の諜報活動)に対して、シギントという言葉がある。

(シギント)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%83%88

「通信、電磁波、信号等を媒介とした諜報活動のこと。」とある。

宇宙空間で、これをやっているとすれば、サンダーバード5号みたいなもんか。

(サンダーバード5号)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%895%E5%8F%B7

こっちは、122m位のドデカイ宇宙ステーションという設定だ。

「地上のあらゆる通信を傍受し、国際救助信号は元より、あらゆる言語でのSOSや救難通信を振り分ける事ができるオートチョイスマシンを装備し、地上での救助要請をキャッチする。」

ここまではいいんだが、こんな記述があって唖然とする・・・。

「同衛星の軌道(通常地上445kmの静止衛星軌道)は極秘とされており、地上及び他の人工衛星から発見されないよう、レーダー波変更装置等のステルス性機能を装備。また、周回軌道は一定しておらず、救助隊以外のロケットの発進や人工衛星の軌道を妨げないよう、自動周回軌道変更装置を装備。その存在は徹底的に秘匿されている。」

地上445kmの静止軌道って、何なんだあ!?。

サンダーバードよ、おまえもか・・・。

強行突破2013年12月05日 21:18

強行突破


「自民党幹部は5日中の本会議採決について「既定路線だ。今日採決しても明日採決しても『強行』という人はいる」と述べた。秘密指定を監視する新たな第三者機関をめぐり与党と日本維新の会、みんなの党の実務者が協議していることに関し「合意できない」と指摘した。」

(与党が採決強行、参院委で秘密法案可決:共同通信配信)
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20131205-1227373.html

まあ、法案の審議中に、根本的なところで議論が噛み合わなければ、法案を大幅修正するか、廃案にして出しなおすか、普通ならどちらかになると思われる。

そもそも、この手の法案の審議が紛糾することは、最初から分かっている。

過去の「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」の審議過程をみれば、容易に予想されたことである。

(国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%A7%98%E5%AF%86%E3%81%AB%E4%BF%82%E3%82%8B%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E8%A1%8C%E7%82%BA%E7%AD%89%E3%81%AE%E9%98%B2%E6%AD%A2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B%E6%A1%88

しかし、現在は情勢が変わって、野党勢力は実質的な抑止力はない。

数の横暴や、強行採決、一部野党の囲い込みと分断、形だけの公聴会、米国の一部からも懸念が出るほどの稚拙さ丸出し法案、捨て駒大臣による珍答弁、審議中に首相から提案される第三者機関など、何でも有りだなあ。

そもそも、国民の知る権利を制限しようとするのだから、情報公開とセットで議論されるのが本筋だと思うが、そういう議論は聞かない。

このままでは、特定秘密が解除された段階で、自動的に廃棄されてしまうことになるだろう。

各省庁での管理に任されているということは、そういうことな訳で、一度、特定秘密とされた情報は、将来公開されても差しさわりがないとされるものを除いて、全て廃棄され、永久に秘密にされるのがオチである。

基本的に国家の情報は、全て国民のものであるという認識がないこの国では、当然の話だ。

知る権利というが、本質的には「知る義務」があるわけで、特定秘密保護法というのは、その一部を行政の責任で免除してくれるわけだから、国民は楽でいい!(そういうことかあ?)。

大体、国民の代表である国会議員にも知らせず、役所の中だけで完結する第三者機関なんて、聞いたこともない。

当事者じゃね?。

誰にも知られることなく、我が国が崖っぷちに連れて行かれ、崖からはみ出し、傾き、落ち始めて、やっと分かった頃には、もう、手遅れである(過去に経験済み!!)。

浮沈子は、国家機密を保護することに反対ではないし、情報が公開されても、大多数の国民は知らずに済んだほうがいいとも思っている(みんな、それぞれ忙しいし)。

ややっこしい話は、当事者同士で、うまくやってよ!。

しかし、それは、いつかは公開されて白日の元に晒され、歴史の審判を受け、世界の中で再評価されるかもしれない、という緊張感を伴った状況の中でだけ許される行為であるとも思っている。

永遠に続く政府など、少なくとも過去にはなかったし、これからもないだろうが、その選択を行ってきたのは、国民である。

そして、崖から落ちてしまって気が付いて立て直すのが大変な苦労を伴うことも、歴史が証明している。

だから、落ちる前に、何とかしよう、事前に舵を切れるように、知るべきことは知っておこうというのが政府の情報公開である。

その一部を制限して、総体的に国民の利益が最大になるように調整しようというのが、国家機密保護の要諦だと認識している。

いろいろノイズが混じっているので、分かりづらい法案だが、そこのところは押さえていて、運用面での詰めをキッチリすれば、まあ、使える形にはなるだろうが、法律として書いておいた方がいい話はいくつかある。

その一つが、第三者機関ということなのだろうが、実質的には作らないで、お役所の中のセルフチェックで済ませようという。

特定有害活動の範囲が曖昧だとか、対象となる情報が膨大になり過ぎて、管理不能となり、漏洩のリスクが逆に高まる恐れがあるとか、訴訟になったときの公開審理の問題など、細かい話はあるが、その情報が特定秘密に指定することが妥当かどうかを外部機関がチェックするというのは本質的な話だ。

ある意味では、お役所として譲れない点である。

浮沈子は、今の状況の中で、第三者機関が外部化されることは、有り得ないと見ている。

そうするくらいなら、廃案にするだろう。

だから、既定路線、強行採決、珍答弁、後出し機関、土壇場押し切りなど、何でもありである。

審議時間を積み重ねることが手続き的には重要であり、公聴会を開催して、国民の意見も聞いたというアリバイ作りが大切で、与党だけでなく、一部野党のご理解も頂いたという、仲良しポーズも必要だったが、明日の国会閉会を待たずに、参院本会議に緊急上程の様相となってきた。

(秘密保護法案、採決は5日夜遅くから6日未明か)
http://www.mbs.jp/news/jnn_2073055_zen.shtml

屋上屋を重ねる「自称」第三者委員会を100個作っても、中身は一緒だ。

外部委員を入れるとかは、全く関係ない。

委員を選ぶのは、概ね役人である。

もちろん、適性評価を受けていただくことは元より、議論はしても、ちゃんとお役所の方針に従った結論を出してくれる委員長の決定に従って、ハンコ押してくれる人を選ぶに決まっている。

一部野党は、そこのところで丸め込まれたフリをして、政府に貸しを作って、党利を図るわけである。

政治なんだから、柔軟性は必要だなあ!。

まあいい。

第三者機関を内部化したことで、行政の責任は極めて重大になった。

そして、それは、議院内閣制を採る我が国においては、国政に携わる政治家を選ぶということが、どれだけ重要なことになるかをイヤでも認識させてくれる。

(議院内閣制)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%B0%E9%99%A2%E5%86%85%E9%96%A3%E5%88%B6

ちょっと、ハズカシイ法案でも、通っちゃうんだ・・・。

国民のレベルを超える政治なんて、民主主義に於いては、構造的に幻想となるに決まっている。

いま、我々は、幻想ではない、現実の民主主義の政治を目の当たりにしている。

(「強行採決」は民主主義の機能する第一歩:追加)
http://blogos.com/article/75205/

地球アメッシュ2013年12月06日 00:32

地球アメッシュ
地球アメッシュ


(利休鼠(りきゅうねず))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A9%E4%BC%91%E9%BC%A0

「緑色がかった灰色。(りきゅうねずみと読むのは誤り。)」

「堺の商人千利休とは関係が無い。」

知らなかったなあ!。

(「利休鼠の雨」とはどんな雨?)
http://d.hatena.ne.jp/hiiragi-june/20070704

「雨はふるふる 城ケ島の磯に
利久鼠(ねずみ)の 雨がふる
雨は真珠か 夜明けの霧か
それとも私の 忍び泣き

舟はゆくゆく 通り矢のはなを
濡れて帆あげた ぬしの舟
    
ええ 舟は櫓(ろ)でやる
櫓は唄でやる
唄は船頭さんの 心意気

雨はふるふる 日はうす曇る
舟はゆくゆく 帆がかすむ」

この歌の情が分かるようになるには、浮沈子は浮世の苦労が足りない。

歌詞の中では、「りきゅうねずみ」と読ませるようだ。

「りきゅうねず」と、「み」をいわないのは、染料業界の用語ともある(粋ですなあ!)。

まあ、どうでもいいんですが。

雨といえば、浮沈子のイメージの中では、森高千里の「雨」。

(雨  森高千里:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=U4mqW68gPiI

後は、カラオケの定番「氷雨」(浮沈子の持ち歌の1曲!)。

(氷雨:歌詞)
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=31540

「外は冬の雨 まだやまぬ
この胸を濡らすように
傘がないわけじゃ ないけれど
帰りたくない」

すいません、ワープロ打つテンポが、歌のテンポになってしまった・・・。

そして、映画ブレードランナーの中で降り続く雨のシーン。

(見ていなくても語れる!映画『ブレードランナー』を知ったかぶる方法)
http://nanapi.jp/27347/

「映画の終盤、寿命が尽きる直前にレプリカントのロイ(・バティ)が言うセリフは美しく切なく、この映画のファンが最もシビれるシーンのひとつです。なんと、俳優さん(ルトガー・ハウアー)のアドリブだそうです。」( )内は、浮沈子の注釈。

「おれは お前ら人間には信じられぬものを見てきた・・・(中略)・・・そういう思い出もやがて消える・・・涙のように・・・雨のように・・・」(字幕訳)

浮沈子は、劇場版とディレクターズ・カット(最終版)しか観ていない。

お子様向けではないが、ナインハーフという、エッチな映画の雨のシーンも思い出すが、ここには書けないな・・・。

(こんなにイイ映画だったの!? 映画『ナインハーフ』)
http://ameblo.jp/yuu-4162/entry-11468236573.html

まあいい。

さて、雨の話を前振り(前降り?)にしたのは、こんなニュースがあったから。

(JAXAとNASAが共同開発した「GPM主衛星」が種子島宇宙センターに到着)
http://response.jp/article/2013/12/03/212183.html

最初は、何を観測する衛星か、ピンと来なかった。

(全球降水観測計画)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E7%90%83%E9%99%8D%E6%B0%B4%E8%A6%B3%E6%B8%AC%E8%A8%88%E7%94%BB

「地球大気中の降水を高頻度(3時間ごと)で観測する、JAXA、NASA ならびにその他国際機関による共同ミッションである」

この手の話で、浮沈子の記憶にあったのが、これ。

(熱帯降雨観測衛星)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%B8%AF%E9%99%8D%E9%9B%A8%E8%A6%B3%E6%B8%AC%E8%A1%9B%E6%98%9F

(TRMM衛星の概要)
http://www.eorc.jaxa.jp/TRMM/about/outline/outline_j.htm

「衛星の設計寿命は3年であったが、その後も不具合無く運用を継続し、現在も順調に観測を続けている。今後の運用の期間は、NOAAの要望等もあり運用延長の決定を重ね、2009年まで運用されることがすでに決定しており、最長で2013年頃まで運用される。 」

この衛星が打ち上げられた時に、雨の降る地域には、エネルギーがあるのだという解説を聞いた記憶がある。

水蒸気が雨滴になる過程で放出する潜熱が、地球大気を駆動するエンジンとなっているんだそうだ。

2013年といえば・・・、今じゃん!。

「日米合同ミッションであるTRMM衛星による降雨観測の成功を受けて、後継の全球降水観測計画(Global Precipitation Measurement)が日米欧の協力の元で2013年頃の実現を目指して計画が進行中である。」

ああ、これで、話が繋がったな。

「研究者による全地球気候データの研究を支援するため全地球規模の「雨」の地図を提供する。」

「また、熱帯降雨観測衛星(TRMM)の成果を引き継ぎ、新たに
(1)観測精度の向上
(2)観測領域の拡大
(3)観測頻度の増大
の3点が実現可能となるよう計画されている。」

「GPM 衛星計画
GPM 計画はミッション中核をなす人工衛星(コア衛星)およびその他人工衛星(コンステレーション衛星)の計9機程度の人工衛星群によって運用される。」

「コア衛星
2013年度中のH-IIAロケットによる打上げが予定されているコア衛星は、日本が開発する二周波降水レーダ(DPR)およびアメリカが開発する GPM マイクロ波放射計(GMI)を搭載する。太陽非同期軌道を周回し、軌道傾斜角は約65度、高度は約407キロメートルである。GPM 計画におけるコア衛星の役割は、DPR および GMI による同時観測により、全観測データの校正器(キャリブレータ)として機能することにあり、コンステレーション衛星を含めたマイクロ波放射計の降水観測精度を向上させる。」

「コンステレーション衛星
GPM 参加国や参加機関が個別に打ち上げるコンステレーション衛星は、それぞれマイクロ波放射計やマイクロ波サウンダなどを搭載しており、周回軌道は一部低軌道傾斜角(約20~40度)のものもあるが主に太陽同期極軌道を取り、高度は約600~800キロメートルである。複数の衛星で観測することにより観測領域の拡大および観測頻度の増大を図っており、全地球的規模で最大でも3時間前の最新降水マップが常に得られるようになる。」

(GPMの公式ページ)
http://www.eorc.jaxa.jp/GPM/index_j.htm

「GPM主衛星、種子島宇宙センターに到着!NEW 2013年11月28日
11月27日午前2時頃、NASAから輸送されてきたGPM主衛星が、種子島宇宙センターに到着しました。打上げ予定は、2014年初めです。」とある。

なんだあ、来年かあ・・・。

しかし、考えてみれば、雨という現象は、かなり注目すべきことなのかも知れない。

この間、プレステージで掛田さんと駄弁った時、地球型生命のキモは、水にあるという点で、一致した(ポルシェの店で、なんて話してんだろう!)。

DNAも、タンパク質も、水分子がなければ構成されない。

水が、液体として存在することが、生命の萌芽の条件であり、その条件が失われれば、生命は滅びる(地球では、後、5億年だそうです)。

他の地球型惑星(火・水・金)では、水が液体として存在することが出来ずに、生命が誕生しなかったか、あるいは、滅びてしまったと考えられている。

太陽系という恒星系の中で、今時分(ここ40億年くらい?)に水が液体でいてくれるのは、地球だけだろう。

後は、木星の衛星の中で、エウロパ辺りが期待できるが、どうかな。

(エウロパ (衛星))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%83%91_(%E8%A1%9B%E6%98%9F)

化学合成細菌くらいはいるかもしれない。

地球では、海洋から蒸発した水蒸気が、上空で雲となり、雨滴ができて雨になるという大循環を形成している。

大気の運動のおかげで、陸地にも雨が降る。

もちろん、陸上でも蒸発、冷却、雨滴形成(凝結)は起こる。

これが、雨滴が出来ずに、宇宙空間に水蒸気の分子がどんどん逃げてしまっていたら、とっくの昔に地球は干からびた惑星になって、生命の誕生もなかったかもしれない。

雨さまさま、ってとこだな。

水の存在は、この惑星の気候を穏やかなものとしている。

人間などという、得体の知れない生物がウヨウヨしていられるのも、水のおかげである。

「GPM 計画の衛星観測データは参加各国の地上局で受信された後、日米の GPM データ処理システムへと送られる。処理システムでは準リアルタイム処理により、3時間ごとの全球降水マップなどを作成し、インターネットなどを通じて関係機関、研究者および一般向けに提供する。このようにデータを即座に広く提供することで、気象予報、国土管理、農業・漁業への実利用分野や、災害予測・警報発令などの防災分野に大きく貢献することを GPM 計画は目指している」

人間にとって、都合よく水を使うために、衛星コンステレーションを配置して、準リアルタイムに全地球上の降水状態を把握するというわけである。

降雨レーダーといえば、浮沈子は東京に住んでいるので、「東京アメッシュ」という降雨レーダーの情報を利用することが多い。

(東京アメッシュ)
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/

これの、全地球版を作ろうとしているのだと、勝手に理解した。

地球アメッシュであるな。

もちろん、出掛けに傘を持っていくかどうかの判断ではなく、「気象予報、国土管理、農業・漁業への実利用分野や、災害予測・警報発令などの防災分野」への貢献が期待されているのだろう。

特に、海洋における降雨の状況が準リアルタイムで得られるということは、観測点の問題から、殆んどなかったのではないか。

今日、初めて、この計画のことを知ったが、今後は注目していきたい。

機会があれば、また書く。