天動説2016年01月29日 04:18

天動説


アンティキティラ島の機械は、天動説に基づく。

(アンティキティラ島の機械:機能)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AD%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A9%E5%B3%B6%E3%81%AE%E6%A9%9F%E6%A2%B0#.E6.A9.9F.E8.83.BD

「機械の目的が地上にいる観測者を基準とした天球上での天体の位置計算であるため、必然的に天動説モデルを採用している」

つーか、まあ、当時流行の宇宙論だな。

(天動説:アポロニウスの周転円)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%8B%95%E8%AA%AC#.E3.82.A2.E3.83.9D.E3.83.AD.E3.83.8B.E3.82.A6.E3.82.B9.E3.81.AE.E5.91.A8.E8.BB.A2.E5.86.86

「紀元前3世紀頃のアポロニウスあるいは紀元前2世紀のヒッパルコスは、惑星が単に円運動を描くのではなく、円の上に乗った小さな円の上を動くと考えた。」

これって、結構いいアイデアかも!。

もちろん、コペルニクスの前に地動説(太陽中心説)を唱えた人もいたし、それどころか、太陽も動いているという宇宙観もあった。

(フィロラオス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%82%AA%E3%82%B9

「世界の本質として、まず中心が成り、その周りを10の神聖な天体が舞い回るー空、5つの惑星、太陽、月、地球、反地球があり、最後に世界の中心を占める暖炉の炎があると言う。」

怪しい・・・(反地球!)。

実に、怪しい・・・(だっ、暖炉の炎???:意味不明)。

こんなんだったら、天動説(地球中心説)のほうがいいな。

まあ、どうでもいいんですが。

宇宙観を論じる際に、どこかに中心があるとか、特別の点があるという発想は、ごくごく自然なものだろう。

自分を中心に宇宙が回っていると考えてんじゃねえか?、という御仁もおられる・・・。

まあいい。

浮沈子は、そこまでではないにしても、天動説というのは、もう少し違う角度から考えてもいいんじゃないかと思っている。

つまり、地球も太陽も銀河も含めて、全部動いているんだから、どこを基準に考えても、大して違いはないだろうと。

今では、概ね、どこにも中心のない、ダラダラと銀河が連なっている宇宙観になっているようだが、人間が観測できる宇宙ということになれば、うちの近所から始まって、せいぜい半径470億光年くらいしか見通せないことになる。

(宇宙原理)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E5%8E%9F%E7%90%86

「ビッグバン以降、我々のいる地球と因果関係がつながっている宇宙の範囲は、半径約470億光年以内であると考えられている。」

この値は、資料によって、やや異なる。

が、まあ、そのことはどうでもいい。

観測できない宇宙がどうなっているかということは、観測では分からない(観測できないんだから!)。

が、きっと、その先にも宇宙はあるに違いないと考えられているようだ。

どこまであるかは、分からない。

しかし、観測できる範囲はあるわけで、それは、ハッブル宇宙望遠鏡とかもあるが、概ね地球上からである。

そう考えると、宇宙は地球を中心にして考えてもいいんじゃないかという気になる。

おまけに、最近の観測では、宇宙は加速度的に膨張しているらしい。

(Ia型超新星)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Ia%E5%9E%8B%E8%B6%85%E6%96%B0%E6%98%9F

「1998年、遠方のIa型超新星の観測により、宇宙は加速膨張を続けているという予期せぬ結果が示唆された」

どっちの方向ということはないのだ。

全体に膨張していて、銀河間の距離が遠ざかっているらしい。

そのくせ、うちの近所のアンドロメダ星雲は、こっちに向かってるって話だ。

(アンドロメダ銀河)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%80%E9%8A%80%E6%B2%B3

「アンドロメダ銀河のスペクトルは青方偏移を持ち、銀河系に対して秒速約122kmで接近している。約40億年後には銀河系 (Milky Way) とアンドロメダ銀河 (Andromeda) は衝突」

もう、どうにでもしてくれ!。

こういうスケールのデカイ話を書いていると、天動説でもいいんじゃないかという気がするな。

地球が太陽の周りを回っていて、その太陽が銀河系の中で、その中心を回っていて、銀河系自体が局部銀河群の中で動いていて、そんでもって、近所以外の銀河自体は互いに勢いつけて遠ざかりつつあるというわけだ。

こうして、夜な夜なブログを書いていても、地球が自転している音はしないし(しねえよ!)、太陽の周りを回っている感じもしない(だから、しないってば!)。

ましてや、銀河系の回転や、局部銀河群内での相対的な運動、さらに、宇宙全体の加速度的膨張なんて、天文学者とかでなければ、およそ意識の中にはないに違いない。

お天道様も、お月様も、東から昇るしな。

宇宙が動いていて、地球が中心の方が、理科のテスト以外では分かり易い。

どーせ、宇宙も動いてるんだから、地球も含めて、全部天動説でいいんじゃないかあ?。

CCRと生物2016年01月29日 13:50

CCRと生物


クローズド・サーキット・リブリーザー(CCR)は、どこか生き物臭い。

えーと、前日にニンニク料理食って、においが呼吸回路に染みついて抜けないとか、そういう話ではないので、念のため。

吐いた息を循環させて、二酸化炭素を取り除き、消費された分の酸素を足すというのが、CCRの機能のコアな部分だ。

つまり、人間がその呼吸により産生する二酸化炭素を除去し、消費する酸素を加える。

表と裏との違いということで、これは、地球環境の中で光合成生物が行っていることと同じだ。

この機能を実現させるために、今は、とりあえず酸素センサーとか、ソフノライム(モレキュラー社の商品名)使ったりしているが、未来のCCRでは、人工葉緑素を高輝度なLEDで照らして、高効率な光合成によって達成するかもしれない(酸素センサーは、やっぱ必要かな)。

地球温暖化も、一気に解決だ。

現在は、そううまくはいかず、いろいろ苦労が絶えない。

二酸化炭素を化学反応によって除去するには、使い捨ての水酸化カルシウムが必要だし、反応する限界がきたら(来る前に!)交換しなければならない。

そっちは、全部取り除いてしまえばいいが、酸素はそうはいかない。

多すぎても、少なすぎても問題が起こる。

一定の値(分圧)を、常に維持しなければならない。

(恒常性)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%92%E5%B8%B8%E6%80%A7

「内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである」

元々は、生物関係の用語だったが、最近は他でも使いまわされてるようだな。

浮沈子がCCRでの浮力コントロールに悩んでいる頃(まあ、今でもそうですが)、動的平衡という状態についても調べた。

(動的平衡)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E7%9A%84%E5%B9%B3%E8%A1%A1

「物理学・化学などにおいて、互いに逆向きの過程が同じ速度で進行することにより、系全体としては時間変化せず平衡に達している状態」

「系と外界とはやはり平衡状態にあるか、または完全に隔離されている(孤立系)かである。」

よく似た概念に、定常状態というのがある。

(定常状態)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E5%B8%B8%E7%8A%B6%E6%85%8B

「時間的に一定して変わらない状態」

系の内外での出入りが同じで、ある状態が保たれている。

(散逸構造)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%A3%E9%80%B8%E6%A7%8B%E9%80%A0

「熱力学的に平衡でない状態にある開放系構造を指す。すなわち、エネルギーが散逸していく流れの中に自己組織化のもと発生する、定常的な構造である。」

「生命現象は定常開放系としてシステムが理解可能」

この辺りになると、完全にお手上げだが、系の外部とのエネルギーのやり取りがある。

CCRだって、熱的には平衡ではない(ソフノライムも、人間も、発熱反応)。

物質としても、閉じた系ではない。

酸素使うし、ソフノライムも替えなければならない。

それでも、短期的、局所的に見れば、一定の状態を保つ仕組みだ。

我々は、普段の生活の中では気付きにくいが、陸上では常に一定濃度(さらに、山登りとかしなければ、概ね一定分圧)の酸素を吸い、吐いた二酸化炭素は、どこかで吸収されたり固定化されて減少する。

水中では、そうはいかないので、人工的にそういう環境を作ってやらなければならない。

考えてみれば、オープンサーキットだって、同じことをやっているわけだ。

適切な酸素濃度に調製したタンクを、その深度に合わせて交換していけば、PO2を一定の範囲に収めることが出来るし。

二酸化炭素については、陸上と同じように、環境にぶちまけてしまえばいい。

人間が水中で呼吸するという、不埒なことを可能にするのに、手段はいろいろある。

生体との出入りの部分で、一定の範囲に収まっていればいい。

潜水器とその系の外部とのやりとりがどうであれ、吸入するガスの品質の維持と、吐出したガスの処分さえ行えればいいのだ。

ダイバーは、状況に応じて潜水器を選択すればいい。

吐いたガスをもう一度吸うには、リアルタイムでそれなりの管理が必要だし、タンクに詰めたガスを吸うだけなら、陸上でチェックし、水中では吸う深度とか、タンクの違いに気を付ければいいだけだ。

CCRは、再呼吸という方法を選択をした器械なので、一定時間、人間の呼吸環境を管理し続けなければならない(医療器械と同じです)。

吸うガスも、あらかじめ決められているわけではなく、リアルタイムに水中で調製する(PO2の設定はしますが)。

要するに、不安定なのだ。

それを可能にするには、人間自らがセンサーを頼りに制御するか、コンピューター殿にお任せするかということになる。

二酸化炭素の除去については、センサーを付けまくったからといって、何が出来るわけでもない。

頃合いかな、と思ったタイミングで、交換するしかない(メーカーの運用基準は守りましょう!)。

そうやって、動的に構築された人工環境の元、水中で呼吸しているわけだ。

考えてみれば、ヤバイ話だ。

酸素を供給するソレノイドバルブの故障、酸素センサーの不具合、制御・駆動関係のバッテリー切れ、呼吸回路内の水没、二酸化炭素除去剤のトラブル、人間側のありとあらゆるミス・・・。

もちろん、持ち込んでいる酸素やディリュエントだって有限だから、枯渇することだってある。

CCRダイビングを成立させるためには、これらのややっこしい話を、「全て」クリアしなければならない。

そうでなければ、水中での正常な呼吸を維持できない。

APDは、インスピレーションシリーズに使っていた「バディ」というネーミングを止めてしまったが、ダイバーにとって、CCRのご機嫌を伺うというフィーリングからいえば、相棒というイメージは似合っていた。

生殺与奪に関わるという点では、それ以上かもしれない。

吐いた息を良きに計らって、再度、吸うことが出来るようにしてくれるだけだが、それが出来なくなれば死んでしまうわけだからな。

繰り返すが、水中という特殊な環境の中で、それに適した器材を選択するのは、ダイバーの役目だ。

トラブルに対応できるスキルを養い、代替手段を確保するのも同じである。

CCRは人を殺さない。

人が人を殺す。

概ね、自殺に近い感じだがな。

レクリエーショナルレベルでCCRを使うことについては、そうでない場合(減圧したり、混合ガス使ったり)と比べて簡単だといわれている。

いやあ、それでも、十分ややっこしい。

そういう器材だと、しっかり認識して選択し、使っていく必要がある。

医療器械と同等以上の複雑さがあり、メンテナンスも徹底しなければならない。

手間がかかるのだ。

そういう点でも、生き物くさいといえるかもな・・・。