研究炉の研究(その1) ― 2016年08月24日 13:48
研究炉の研究(その1)
近所の原子炉について調べるうちに、研究用原子炉の世界にハマった。
図体がデカいだけで、面白みの少ない商用原発に比べて、バラエティに富み、ヘンタイ、オタク向けのネタがテンコ盛りだ。
何より、殆どの炉がショボい出力なので、安心して見ていられる。
大学・民間設置では、京都大学のKURが5000kWで、とびぬけて高い。
他は、100kW以下だ。
日本原子力研究開発機構(以下、「機構」)だと、まあ、もんじゅは別格として、それなりの発熱量になる(発電できるのは、もんじゅだけ)。
出力を調べているうちに、とんでもない桁違いの出力を認められている研究炉にぶち当たった。
(NSRR)
http://drrta.jaea.go.jp/2/23.htm
「熱出力:~23GW」
ギガワットって、なにこれ?。
(原子炉安全性研究炉(NSRR) (03-04-02-05))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-04-02-05
「反応度事故時の原子炉燃料の安全性を研究するための専用研究炉」
定格運転の時は、300kWまでだそうだ。
目的がパルス運転で、瞬間的(数十ミリ秒)の瞬間的な出力暴走をシミュレーションしている。
燃料が特殊な構成で、出力を上げようとすると、負のフィードバックが高速に働いて自己収束してしまう。
つまり、まあ、早漏だな(子供は、分かんなくていいです!)。
あ、あっ・・・。
まあいい。
様々な特性で稼働させることが出来るらしい。
基本的には、反応事故等の際の原子炉の挙動を研究するということだが、危ない話もあるようだ。
「1989年3月には大幅な炉心改造を完了した。本改造計画の主要課題は、高出力運転状態からのパルス運転やランプ状出力運転の実現であった。」
「このような運転操作を運転員が手動で行うことは、正確さもさることながら安全性の確保が困難であるとの考えから、計算機を導入した全自動制御運転方式を採用することとした。」
「NSRRによる照射実験は、発電用原子炉の燃料と同一仕様(長さは約30cm程度)の試料(試験用燃料)をパルス運転によって照射し核分裂を起こさせ、極端な場合には試験用燃料を瞬時破壊にまで至らせるものである。」
ヤバ過ぎ!。
NSRRは、今日現在は定期点検中になっているが、原子炉としては既に再稼働している。
(NSRR(原子炉安全性研究炉)の運転再開について)
http://www.jaea.go.jp/04/ntokai/topics/pdf/press_details.pdf
「平成25年9月、原子力規制委員会の検討チーム会合で「低出力炉は、その運転が一般公衆に著しい放射線被ばくのリスクを与えるおそれがないと評価されることから、新規制基準施行後の初回定検に入るまでの間、運転することを妨げない」とされました。」
「「低出力炉」:500 kW未満の研究炉であって、NSRRを含む。」
ははあ、そうすると、以下の原子炉も、動かそうと思えば、いつでも動かせるわけだ。
・近畿大学:UTR-KINKI:東大阪市小若江3-4-1:1W(ショボ!)
・京都大学:KUCA:大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目:1kW(100W?)
・東芝原子力技術研究所:NCA:川崎市川崎区浮島町4-1:200W(ショボ!)
・日本原子力研究開発機構:TCA:茨城県東海村:200W:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:FCA:茨城県東海村:2kW:施設定期検査中
以下の原子炉は、そうはいかない。
・京都大学:KUR:大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目:5000kW(デカ!)
・日本原子力研究開発機構:JRRー3:茨城県東海村:20MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:JMTR:茨城県大洗町:50MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:HTTR:茨城県大洗町:30MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:JRR-4:茨城県東海村:3500kW:施設定期検査期間中(廃止予定)
・日本原子力研究開発機構:JOYO:茨城県大洗町:140MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構: MONJU:福井県敦賀市白木2丁目1番地:71万4千kW(熱出力)(超デカ!!):原子炉停止中
これは、どうなんだろうな。
・日本原子力研究開発機構:TRACY:茨城県東海村:10 kW(定出力運転時)、5000 MW(過渡出力運転時):施設定期検査中
TRACYについては、また、調べてみよう(廃止申請中らしい)。
こんな記事もあった。
(高温ガス炉試験炉18年3月に再稼働計画)
http://mainichi.jp/articles/20160614/k00/00m/040/137000c
「高温ガス炉の試験研究炉「HTTR」(茨城県)について、2018年3月に再稼働させる計画」
「「NSRR」が17年10月▽中性子線による医療研究などに使う「JRR−3」が18年2月▽核燃料の安全研究に使う「STACY」が19年3月−−と、それぞれ再稼働計画の時期を示した。」
なお、STACYは、更新炉の方だろうな。
(定常臨界実験装置(STACY)施設の更新改造に係る原子炉設置変更許可申請の概要について)
https://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15033102/s02.pdf
「更新後のSTACYの仕様:
・ウラン棒状燃料を格子状に配列し、水(軽水)を給水して臨界にする臨界実験装置
・熱出力:最大200W(現行STACYに同じ)
・235U濃縮度10wt%以下
・新規制基準に適合
・デブリ模擬臨界実験((2)参照)のための実験用装荷物を整備」
「安全上の特徴:
・運転中の異常(全電源を喪失を含む)を検知し、原子炉停止系(安全板及び排水弁)が自動的に作動し(電源不要)、原子炉は安全に停止する。
・安全保護回路は、高い信頼性を有する。(1 out of 2 構成、フェイルセーフ機構)
・低出力であり、発熱は無く冷却不要。
・事故時においても、核燃料物質の蓄積量が少なく、その放出に対して閉じ込め機能を期待しなくても、一般公衆への影響が小さい。」
まあ、小さいことはいいことだという感じかあ?。
閉じ込め機能を期待しないというのは、いささか腑に落ちない気がしないでもない(一般公衆である浮沈子としては)。
「研究対象に福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに係る臨界管理を追加する。」
予算獲得のための、錦の御旗だな・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
今回の見学は、大洗研究センターのHTTRとISによる水素製造プラントだが、他の研究炉も見てみたくなってきたな。
ヘンタイな原子炉オタク達が、一体、どんなオモチャで遊んでるだろうな・・・(そうなのかあ?)。
近所の原子炉について調べるうちに、研究用原子炉の世界にハマった。
図体がデカいだけで、面白みの少ない商用原発に比べて、バラエティに富み、ヘンタイ、オタク向けのネタがテンコ盛りだ。
何より、殆どの炉がショボい出力なので、安心して見ていられる。
大学・民間設置では、京都大学のKURが5000kWで、とびぬけて高い。
他は、100kW以下だ。
日本原子力研究開発機構(以下、「機構」)だと、まあ、もんじゅは別格として、それなりの発熱量になる(発電できるのは、もんじゅだけ)。
出力を調べているうちに、とんでもない桁違いの出力を認められている研究炉にぶち当たった。
(NSRR)
http://drrta.jaea.go.jp/2/23.htm
「熱出力:~23GW」
ギガワットって、なにこれ?。
(原子炉安全性研究炉(NSRR) (03-04-02-05))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-04-02-05
「反応度事故時の原子炉燃料の安全性を研究するための専用研究炉」
定格運転の時は、300kWまでだそうだ。
目的がパルス運転で、瞬間的(数十ミリ秒)の瞬間的な出力暴走をシミュレーションしている。
燃料が特殊な構成で、出力を上げようとすると、負のフィードバックが高速に働いて自己収束してしまう。
つまり、まあ、早漏だな(子供は、分かんなくていいです!)。
あ、あっ・・・。
まあいい。
様々な特性で稼働させることが出来るらしい。
基本的には、反応事故等の際の原子炉の挙動を研究するということだが、危ない話もあるようだ。
「1989年3月には大幅な炉心改造を完了した。本改造計画の主要課題は、高出力運転状態からのパルス運転やランプ状出力運転の実現であった。」
「このような運転操作を運転員が手動で行うことは、正確さもさることながら安全性の確保が困難であるとの考えから、計算機を導入した全自動制御運転方式を採用することとした。」
「NSRRによる照射実験は、発電用原子炉の燃料と同一仕様(長さは約30cm程度)の試料(試験用燃料)をパルス運転によって照射し核分裂を起こさせ、極端な場合には試験用燃料を瞬時破壊にまで至らせるものである。」
ヤバ過ぎ!。
NSRRは、今日現在は定期点検中になっているが、原子炉としては既に再稼働している。
(NSRR(原子炉安全性研究炉)の運転再開について)
http://www.jaea.go.jp/04/ntokai/topics/pdf/press_details.pdf
「平成25年9月、原子力規制委員会の検討チーム会合で「低出力炉は、その運転が一般公衆に著しい放射線被ばくのリスクを与えるおそれがないと評価されることから、新規制基準施行後の初回定検に入るまでの間、運転することを妨げない」とされました。」
「「低出力炉」:500 kW未満の研究炉であって、NSRRを含む。」
ははあ、そうすると、以下の原子炉も、動かそうと思えば、いつでも動かせるわけだ。
・近畿大学:UTR-KINKI:東大阪市小若江3-4-1:1W(ショボ!)
・京都大学:KUCA:大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目:1kW(100W?)
・東芝原子力技術研究所:NCA:川崎市川崎区浮島町4-1:200W(ショボ!)
・日本原子力研究開発機構:TCA:茨城県東海村:200W:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:FCA:茨城県東海村:2kW:施設定期検査中
以下の原子炉は、そうはいかない。
・京都大学:KUR:大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目:5000kW(デカ!)
・日本原子力研究開発機構:JRRー3:茨城県東海村:20MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:JMTR:茨城県大洗町:50MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:HTTR:茨城県大洗町:30MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構:JRR-4:茨城県東海村:3500kW:施設定期検査期間中(廃止予定)
・日本原子力研究開発機構:JOYO:茨城県大洗町:140MW:施設定期検査中
・日本原子力研究開発機構: MONJU:福井県敦賀市白木2丁目1番地:71万4千kW(熱出力)(超デカ!!):原子炉停止中
これは、どうなんだろうな。
・日本原子力研究開発機構:TRACY:茨城県東海村:10 kW(定出力運転時)、5000 MW(過渡出力運転時):施設定期検査中
TRACYについては、また、調べてみよう(廃止申請中らしい)。
こんな記事もあった。
(高温ガス炉試験炉18年3月に再稼働計画)
http://mainichi.jp/articles/20160614/k00/00m/040/137000c
「高温ガス炉の試験研究炉「HTTR」(茨城県)について、2018年3月に再稼働させる計画」
「「NSRR」が17年10月▽中性子線による医療研究などに使う「JRR−3」が18年2月▽核燃料の安全研究に使う「STACY」が19年3月−−と、それぞれ再稼働計画の時期を示した。」
なお、STACYは、更新炉の方だろうな。
(定常臨界実験装置(STACY)施設の更新改造に係る原子炉設置変更許可申請の概要について)
https://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15033102/s02.pdf
「更新後のSTACYの仕様:
・ウラン棒状燃料を格子状に配列し、水(軽水)を給水して臨界にする臨界実験装置
・熱出力:最大200W(現行STACYに同じ)
・235U濃縮度10wt%以下
・新規制基準に適合
・デブリ模擬臨界実験((2)参照)のための実験用装荷物を整備」
「安全上の特徴:
・運転中の異常(全電源を喪失を含む)を検知し、原子炉停止系(安全板及び排水弁)が自動的に作動し(電源不要)、原子炉は安全に停止する。
・安全保護回路は、高い信頼性を有する。(1 out of 2 構成、フェイルセーフ機構)
・低出力であり、発熱は無く冷却不要。
・事故時においても、核燃料物質の蓄積量が少なく、その放出に対して閉じ込め機能を期待しなくても、一般公衆への影響が小さい。」
まあ、小さいことはいいことだという感じかあ?。
閉じ込め機能を期待しないというのは、いささか腑に落ちない気がしないでもない(一般公衆である浮沈子としては)。
「研究対象に福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに係る臨界管理を追加する。」
予算獲得のための、錦の御旗だな・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
今回の見学は、大洗研究センターのHTTRとISによる水素製造プラントだが、他の研究炉も見てみたくなってきたな。
ヘンタイな原子炉オタク達が、一体、どんなオモチャで遊んでるだろうな・・・(そうなのかあ?)。
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