😼欧州大戦争:ウクライナ戦線:対立の構図2025年03月01日 08:38

欧州大戦争:ウクライナ戦線:対立の構図


(米ウクライナ首脳会談決裂、激しい口論 鉱物協定署名せず)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/YXMT33REKJNZFBN6M4BHK32RHA-2025-02-28/

「両首脳はウクライナの鉱物資源の権益に関する合意文書に署名する予定だったが、記者団の面前でロシアへの対応などを巡り厳しい言葉の応酬が相次ぎ、米当局者によるとゼレンスキー氏は合意文書に署名せず、ホワイトハウスを後にした。」

これは芝居なのかあ?。

余りに素人クサい状況に、浮沈子は驚いた。

首脳会談と言えば、事前に根回しを十分に行い、合意できることとできないことを峻別し、出来ることは思いっきり膨らまし、出来ないことは「今後も引き続き検討する」点で「合意」したことにするのが通例だ。

それさえもできなければ、そもそも首脳会談などは行わない。

米国政府は、今回のゼレンスキーの訪米に反対の立場だったようだ。

(「米国、ゼレンスキー大統領の訪米を直前に取り消し…マクロン大統領の仲裁で実現」)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4e65f0e185e7f171f83972cd181f80291ef70bb2

「仏外交筋によると、ゼレンスキー大統領は26日、米政府から「トランプ大統領に会いに来るべきでない」というメッセージを受けた。」

「これに対しゼレンスキー大統領はマクロン大統領に電話をして支援を要請し、マクロン大統領がトランプ大統領と直接電話をしてゼレンスキー大統領の訪問を受け入れるよう説得」

その挙句の果ての喧嘩別れということなわけで、まあ、首脳外交というより子供の喧嘩みたいなもんだ。

やれやれ・・・。

その意味では、今回の状況がファンダメンタルを反映したものではなく、表層の現象に留まることは間違いない。

ウクライナが、米国の支援なしにロシアと対峙することは不可能だし、差し出すものがない以上、言いなりになるしかないことは変わらない。

マクロンは、この機に乗じて欧州における存在感を高めようとしているけど、それは、まあ、政治的ポジショニングの話で、欧州が束になって支援したとしても、米国抜きのウクライナ支援の限界は変わらない。

ゼレンスキーは揺さぶりを掛けるために直接対決したんだろうが、この暴挙(!)が吉と出るかどうかは分からない。

マクロンも、首脳会談を斡旋した手前、ゼレンスキーの対応を歓迎したとは思えない。

それとも、こうなることを織り込んで、自らの駒として動かしたのかも(そうなのかあ?)。

まあいい。

一寸先は闇の国際政治だが、さざ波に過ぎない2人の衝突をよそに、米ロの関係改善は着々と進んでいる。

中露の引き離しを画策する米国のグランドデザインは健在だ。

ウクライナ紛争の停止も、ロシアがこれ以上中国との関係にのめりこむことを抑止する位置づけだからな。

そこから何らかの直接的見返り(資源やノーベル平和賞?)を得ようというのは、些末にすぎない。

浮沈子は、欧州自体が餌になっていると見ているけど、ロシアが食いつくかどうかはまだ分からない。

が、食いついてくれば、逆に中露の連帯を強化する事態になりかねないからな。

下手の妄想、休むに似たり・・・。

しかし、2年後(2027年)に迫っている台湾併合に向けた動きを考えると、ロシアと欧州がドンパチ始めることは米国にとって短期的に悪いことじゃないかも知れない。

中露が束になって台湾併合を政治的軍事的に強行するよりは、ロシアにとっての2正面作戦になるからな。

そう考えると、欧州と東アジアで同時にドンパチする可能性は高いかも知れない。

米国には、もちろん、これらに直接同時に対応する能力はないから、中露の思惑通り、すんなりと解決するだろう(東欧はロシアの勢力圏、台湾は中国に併合)。

中東におけるガザのレジャーランド化とイスラム諸国の封じ込めで、ユーラシア大陸における米国の役割は終わる。

米国一国主義は、世界に平和をもたらすだろうけど、それが好ましいことなのかどうかは何とも言えない。

そりゃあ、ドンパチよりは平和がいいに決まっているけど、平和の中身も重要だからな。

核大国同士が、政治的に安定し、条約などによってパワーオブバランスを管理し、地域紛争に対する過大な関与を抑制して、欲をかかずにいられるかどうかはいささか疑問だ。

人口問題や技術の進歩、エネルギー需給、資源確保など、考慮すべき要素は多い。

米国は、身の丈に合ったポジションに収まるべく、もぞもぞとぎこちなく動き始めている。

一直線に動いているわけじゃないから、さまざまな軋轢や揺らぎも生じるに違いない。

図体がデカいから、その影響は半端ないしな。

急速な動きは、弱小国家にとっては存亡に係る場合もあるに違いない。

ウクライナは、悪い時期にドンパチ始めちまったことになる(まあ、ロシアが本格侵攻したんでしょうけど)。

外交解決(降伏)ではなく、交戦(防戦)を選択したのはウクライナの選択だ。

初出のロイターの記事には、トランプの本音も透けて見える。

「あなたはギャンブルをしている。何百万人もの人の命を賭け、第三次世界大戦までも賭けている」(トランプ:ゼレンスキーに対して)

「取引に応じなければ、われわれは撤退する。われわれが手を引けば、ウクライナだけで戦うことになる。良い結果にはならない」(同上)

「ゼレンスキー大統領は米国が関与する形での和平には応じる準備ができていない」(トランプ:SNSへの投稿)

「米国の関与が(ロシアとの)交渉で自国(ウクライナ)に大きな優位をもたらすと考えているからだ。私は(ウクラナのロシアとの交渉における)優位性ではなく、(ウクライナにおける)平和(戦闘の停止)を望んでいる。ゼレンスキー氏は米国の神聖な大統領執務室で米国に対し失礼な態度を取った。平和への準備ができた時点で戻ってくれば良い」(同上:カッコ内、浮沈子補足)

このやりとりに、欧州が出る幕はない。

「われわれが手を引けば、ウクライナだけで戦うことになる。」(再掲)

米国が、欧州の戦力をどう評価しているかが分かる。

ウクライナは、結局、米国の意向に沿うしかなくなるだろう。

「トランプ大統領、米議会、米国民に感謝する。ウクライナは公正で永続的な平和を必要としている。われわれその実現に向けて取り組んでいる」(ゼレンスキー:会談後のSNSへの投稿:原文ママ)

大国の戦略に翻弄される周縁国の悲哀だな。

欧州もまた、同じ俎上にある。

ドイツはいよいよフランスの核の傘に入ることを考えているようだが、んなもんはロシアにとっては何の効果もないだろう。

慰めにもなるまい。

欧州にとって、大西洋はますます広くなるに違いない。

うーん、我が国にとっての太平洋はどうなるんだろうな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(「お前たちは勝てない」とトランプ氏 米ウクライナ首脳会談が決裂、記者団を前に口論も)
https://www.sankei.com/article/20250301-A3V6XXRWMVMW3NOEK35YS3D4KE/

「両首脳は会談の冒頭、記者団の前で険悪なやり取りを展開。」

「米国が交渉に関与することで優位に立てると感じているようだ」(トランプ)

ああ、ロシアとの交渉で、ゼレンスキーが優位に立てるという意味か。

米国は、添え物にされたわけだ(そういうことかあ?)。

「会談の冒頭には鉱物資源の取引を提示したトランプ氏への謝意を示し、ロシアのプーチン政権によるウクライナの再侵略を阻止するために米国の防空支援などを要請していた。」

「同席していたバンス副大統領の間で言い合いが起きたことで突然険悪化。」

「トランプ氏は「まずは合意が先決だ」とし、「いかなる合意にも妥協が付き物だ」と主張。」

「途中でバンス氏が割って入り、ロシアによるウクライナ侵略は同国にも責任があるとの趣旨の発言をしたことにゼレンスキー氏が反発を示したことが契機となり、感情的な応酬に発展」

「お前たちは勝てない。俺たちのおかげで現状から脱出できる機会を得たのだ」(トランプ)

両者の認識が埋まるまでには時間が掛かりそうだな。

浮沈子的には、この記事の注目点はウクライナ側が米国の防空支援を求めているという点だ。

停戦後においても、何らかの形で政府支援を繋ぎ止めたい意向ということになる。

資源権益の供与は、そういった米国政府の直接関与をぶった切ることが狙いだから、そこに何らかの支援がオマケに付くことはない。

構造的にないものねだりをしているわけで、元々ムリポな話だ。

そういう無理筋を通すための下話は一切なかったわけで、トップ会談で突破を図って玉砕、売り買いの挙句に喧嘩別れになるという最悪のパターンだな。

ウクライナに選択の余地はない。

米国の言いなりになるか、国家を失うかの二択だ。

(ゼレンスキーとトランプ政権の間で激しい口論、欧州諸国はウクライナ支持を表明)
https://grandfleet.info/us-related/zelensky-and-trump-administration-spar-in-fierce-dispute-european-nations-back-ukraine/

「トランプ政権がゼレンスキー大統領の態度を理由に移送中の全軍事援助(バイデン政権が実行した軍事援助分)の停止を検討している」(Washington Post)

「最強の政治的カードを切ってきたトランプ政権にゼレンスキー大統領が屈するのか、欧州が支援を強化して事態を乗り切るのかが注目される。」(航空万能論ブログ管理人)

欧州の精神的支援だけで乗り切るのはムリポだからな。

そもそも、ウクライナの最大の問題は兵力だ。

欧州は、ロシアとの戦闘中のウクライナに派兵してロシアとドンパチする気はない(マクロンだけかあ?)。

停戦後の平和維持軍にしても、米国の関与が前提とか言ってビビってるしな。

このまま戦闘を続ければ、欧州がありったけの武器を供与したとしても、いずれ継戦能力の限界が来る。

ブダノフは夏までと言っているけど、浮沈子的にはトランス二ストリアに侵攻すれば1年くらいはドンパチ出来ると見ている。

「トランプはゼレンスキーに真実を告げた」「恩知らずの豚は豚小屋の主人から平手打ちを食らった」「これはロシアにとって非常に有益だったが十分ではない」「ウクライナへの軍事援助を止めなければならない」(メドベージェフ元大統領)

うーん、相変わらずなコメントだが、表現はともかく内容は正しい。

米国を含めて西側の支援を止めることが、ロシアにとっては重要だ。

同時に経済制裁の解除も求められる。

米国との交渉では、それも検討されるだろう。

欧州は、ウクライナに引きずられて取り残される運命にある(そうなのかあ?)。

「米国の支援がなければ軍事作戦実施は難しくなるが、そのためにウクライナ国民は自らの価値観を犠牲にする用意はない」(ゼレンスキー大統領)

そう仕向けてきたわけだから、その結果は自らが負うことになる。

浮沈子は正義派じゃないから、ウクライナやロシアが払った莫大な犠牲は愚かに映る。

真の独立戦争を経ずに形だけの独立で主権国家として歩み始めたウクライナは、僅か数十年でとん挫しようとしている。

かつて、ウクライナという国があった(そんなあ!)。

欧州もまた、バイデンにそそのかされてウクライナ支援を続けてきた。

今、自分たちがメニューに載っちまっていると気づいている国は少ない。

バルト3国と東欧諸国くらいか。

マクロンは、欧州におけるフランスのポジションしか頭にないし、英国は米国とのつながりに期待するしか能がない(そうなのかあ?)。

ドイツの政権交代で何かが変わるとは思えず、イタリアは米国との親和性が高いからな。

トルコの出方が気になるところだが、多勢に影響はないだろう。

今後、短期間で情勢が大きく動く可能性もあり、その際に動きの遅い欧州がロシアの餌食になることも想定される。

この夏、ベラルーシでロシアの大演習が予定されている(ゼレンスキーがそう言ってたからな)。

4年前(2021年夏)にも、合同演習が行われ、その後に部隊が残留して2022年の冬(2月24日)に本格侵攻が行われた。

ロシアは戦闘継続と停戦の両睨みで準備を進めるだろう。

自国の停戦条件を譲ることはない(領土的には多少譲るようですが)。

彼らの側からしてみれば、長期の平和につながる話でなければ停戦(短期の戦闘停止)のメリットはあまりない。

長期の平和というのは、ウクライナがNATO加盟を放棄すること、軍隊の規模を劇的に縮小することなどを含む。

NATO構成国の平和維持軍も認めなければ、選挙を経ていない現職の大統領との停戦合意も受け入れないだろう。

これだけ盛り上がっているレアアースの取引は認めたわけだから、そういう話は許容範囲なのかもしれない。

「ロシアからすれば「何も手を下していないのにトランプ政権とウクライナ・欧州が対立していく様子」に笑いが止まら」ないだろう。

プーチンは、これを待っていたわけで、我が意を得たりというところに違いない。

歴史に「もしも」はないと言うけれど、ウクライナが2022年の春にロシアと妥協していれば、こういう事態にはならなかったに違いない。

いや、やっぱ、結果的にドンパチは発生しただろうな。

で、そのひそみに倣えば、バルト3国や東欧諸国も、軒並みロシアの餌食になるわけだ(そうなのかあ?)。

欧州は、ウクライナと運命を共にすることになる。

ウクライナには欧米の支援があっただけ、マシと言えるかもしれない。

欧州にはどこからも支援は届かない。

本物の地獄絵図は、たぶん、これから描かれることになるだろう・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(和やかな雰囲気が一変 口論のきっかけは米副大統領の一言)
https://mainichi.jp/articles/20250301/k00/00m/030/058000c

「ゼレンスキー大統領をお迎えできて光栄です」「あなた方と協力できることを非常に感謝しています」「戦争を「終わらせたい」と強調」「今、少し興奮しているが、本当に興奮するのは交渉がまとまり、合意に達した瞬間だ」(トランプ)

「ご招待に感謝します」「プーチン(露大統領)を止めるために、あなたが強い立場をとっていることを本当に頼りにしている」(ゼレンスキー)

この辺までは、まあ、順当だったわけだ・・・。

「ロシアに肩入れしすぎではないか」(記者団)

「平和、繁栄への道は外交かもしれない」(バンス)

「あなたが話しているのはどんな外交ですか」(ゼレンスキー)

つまりだな、ロシア有利な外交を進めようとする米国をけん制しようとするあまり、ゼレンスキーはトランプ政権の決して触れてはならない逆鱗に触れちまったわけだ。

「あなたは(ロシアとの間を隔てる)素晴らしい海がある」「今は(脅威を)感じていないが、将来感じるだろう。神のご加護を」(ゼレンスキー)

「我々がどう感じるかを決めつけるな。あなたは第三次世界大戦に賭けようとしている」「米国がいなければあなたはタフではいられないだろう。取引をするか、我々が身を引くかのどちらかだ」「もう十分だろう。素晴らしいテレビ番組になっただろう」(トランプ)

やれやれ・・・。

(米ウクライナ首脳会談は決裂、資源取引で署名至らず-激しい口論の末)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-02-28/SSEKSMT0AFB400

「プーチンがやめることは決してなく、さらに先へと進むだろう」「資源合意については「それは可能だが、それだけでは十分ではない」と語った。」(ゼレンスキー氏)

それは事実だろうし、浮沈子的にも間違いないと思う。

が、それは米国の選択であり、合意できなければ会うべきじゃ無かったろうな。

「このようにビジネスを行うのは非常に難しいだろう」「もっと感謝すべきだ。言わせてもらうが、あなたにはカードがないからだ。われわれがいればカードがあるが、われわれがいなければあなたにカードは一切ない」「あなたは第3次世界大戦のリスクを冒しているようなもので、あなたがやっていることは、この国に対して非常に失礼なことだ」「あなたが取引に応じるか、それともわれわれが取引から抜けるかだ。もしわれわれが取引しなければ、あなたは徹底的に戦うことになる」(トランプ氏)

「トランプ氏は、ゼレンスキー氏がプーチン氏に対して「非常に強い憎悪」を抱いていると述べ、その怒りが合意を妨げているとの考えを示唆。」

「私は誰よりもタフな人間になることができるが、そのようなやり方では決して物事を成し遂げられないだろう」(トランプ氏)

トランプがプーチンをたった1本の電話で交渉の場に引きずり出したことは、驚きだった。

その言葉には説得力がある。

トランプは、本気でゼレンスキーの交代を考え始めるかもしれない。

前にも書いたが、米国は支援を止めるだけでウクライナの息の根を止めることが出来る。

停戦(終戦=降伏)には時間が掛かるだろうけど、その方法は確かだ。

怪しげな資源取引などよりも効果的だ。

おそらくバイデン政権の政策よりも、ウクライナの地に早期に平和をもたらすことが出来る。

しかし、そんなことは誰も望んではいないだろう。

何らかの取引、譲歩、断念、放棄が必要だ。

プーチンに対する「非常に強い憎悪」は、その妨げになる。

トランプの見立ては正しいだろう。

ノーベル平和賞は消えたな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(トランプが推し進める米ロ中の世界、この実現にウクライナは邪魔な存在)
https://grandfleet.info/us-related/trump-is-promoting-a-us-russia-china-world-but-ukraine-is-an-obstacle-to-its-realization/

「トランプやヴァンスは公然と『ゼレンスキーにはプーチンに対して交渉材料がない』『ゼレンスキーは感謝もしない恩知らずだ』と攻撃し、3年間続いた米国とウクライナの協力関係が崩れたのは誰の目にも明らかだ。より重要な真実はトランプが推し進めたい核大国による世界=米ロ中の3角関係にとってウクライナを邪魔な存在と見なしていることだ」(NYT:以下同じ)

「過去の民主党・共和党政権は「欧州やアジアの同盟国は我々の大きな戦力であり、平和を維持し、貿易を繁栄させるために不可欠だ」と主張してきた」

「トランプは第二次大戦後に米国が作り上げた体制=民主主義資本にコミットする同盟国との関係を重視し、国際法を遵守し、確立された国際的国境線を尊重するシステムの維持コストが膨大になり、これを米国の力を低下させる傷口だと見なしてきた。」

「トランプは新秩序の構築について「軍事力と経済力を活用する」という以外何も語っておらず、基本的には経済協定や不動産取引を織り交ぜたもので平和が達成できると思っているらしい」

「自分が政権を握っている限り、世界は自分の命令通りに秩序が保てる」

まあ、どうでもいいんですが。

ロシアが3極の1つを担えるかどうかはビミョーだが、米国が地域大国へと変容していく過程で、これまで影響力を行使してきた国々(当然、欧州含む)に強くコミットすることは間違いないだろう。

今、欧州はウクライナ紛争をきっかけにして、想定外の速度でその坂を転がり始めている。

「これがプーチンとトランプの世界だ」「もはや米国はウクライナや欧州に安全保障を提供することに関心がない」「今直ぐ手を打たなければロシアはウクライナを占領してNATOを攻撃するだろう」「集団的自衛権が美辞麗句であると証明されれば欧州はロシア人が好んで使用する『新しい安全保障構造』の中で生きていくことになる」(Telegraph)

「一般的には憲法改正の困難さを鑑みて「トランプの3期目は現実的ではない」という見方が支配的だが、3期目ではなく「2期目の大統領任期を延長する抜け穴」も存在し、共和党全国委員会の元役員はNBC Newsの取材に「トランプは議会を恐怖で支配しているため、彼が2期目の任期を越えてホワイトハウスに居座る可能性が少しでもあれば言いなりになるだろう」と述べており、欧米メディアが言うところ「トランプによる米国帝国主義の復活」は与太話ではなないのかもしれない。」(航空万能論ブログ管理人)

んな裏技使わなくても、バンスが後を引き継いで、向こう12年間のトランプ政権の政策の継続性は保証されている。

今回の首脳会談のぶち壊し方を見れば、その能力(って何?)に疑問を抱く余地はない。

「大統領就任から約5週間の間でデンマークにグリーランドの支配権を寄越せと、パナマに運河の所有権を返せと、カナダに米国の51番目の州になれと、将来的にガザ地区の主権領土を米国が引き取ると言い放った。さらにウクライナの主権についても「米国の関与は終わった」との考えを示し、大統領執務室での口論でウクライナとの経済協定はパージされた。」(NYT)

トランプ就任から2か月も経たないうちに、世界は180度ひっくりかえっちまって、自由と民主主義や正義と公正さはどこへやら、取引と手持ちのカードで勝負する状況になった。

NYTは、米国の内側から、その変化と方向性を的確に捉えている。

トランプ政権の切り札は、まだまだ切られてはいない気がする。

台湾問題が表面化し、朝鮮半島問題が明らかになれば、更なるカードを切ってくるに違いない。

我が国はその時、米国の「手持ちのカード」として使われる恐れがある。

もっとも、中国に対しては、既に米国より輸出輸入とも規模がデカいから、取引材料になるかどうかはビミョーだ。

が、台湾の次が朝鮮半島で、取りが日本というパターンは大いにあり得るな・・・。

<また追加>ーーーーーーーーーー

(「プーチン氏止められなかった」「あなたは感謝していない」米ウクライナ首脳公開口論詳報)
https://www.sankei.com/article/20250301-V2PZLQU56JOOVPKMFVU44A2EHI/

「バンス米副大統領がバイデン前米大統領を批判し、これにゼレンスキー氏が反論したあたりから険悪な雰囲気に。激しくなったやり取りの要旨は以下の通り。」

米国大統領執務室での会話の詳細が掲載されている記事だが、内容は割愛する。

日本語訳で読む限りは、双方が言いたいことを言っているだけで、内容的に新しいことは何もない。

注目すべき点は一つ。

記者「ロシアが停戦合意を破棄したらどうするのか?」
(中略)
トランプ氏「私が言えるのはこれだけだ。プーチン氏はオバマ氏やブッシュ氏との取引を破ったかもしれないし、バイデン氏との取引も破ったかもしれない。何があったのかは知らない。しかし、プーチン氏は私との取引は破らなかった。(以下略)」

プーチンは、おそらく米国との取引を破ってはいない(未確認)。

破るのは、強国との取引ではなく、弱小国家との取引だろう。

破っても問題ないと思えば、躊躇なく破る。

どうやら、この辺りに認識のズレがあって、プーチンへの対応や信頼感が異なるようだ。

喧嘩(外交)は、相手を見て行う。

強そうなやつと、本気で殴り合ったりはしない。

プーチンも同じだ。

ウクライナや欧州諸国との約束は平気で破るだろう。

それは今後も同じだ。

もっと言えば、米国もまた同じなのだ。

ゼレンスキーは、もちろん、そのことを分かってはいる。

西側は、それを国際法のオブラートに包み、先鋭化させないことで偽りの平等を演出している。

その西側の欺瞞を突いたゼレンスキーは、虎の尾を踏んだ。

米国は嘘つきで薄情で日和見だと糾弾した(それも、米国大統領執務室で!)。

トランプ政権側が色をなしたのは、痛いところを突かれたからだな。

交渉事で、相手の弱点を指摘し、揺さぶりをかけて自分の要求を呑ませることは常道だが、相手が悪かったとしか言えない。

米国はウクライナの安全保障から手を引くと決めている。

おそらく、それを覆すことは出来ないだろう。

それは欧州の役割で、地域紛争にのめり込むつもりはないのだ。

(【解説】トランプ氏とゼレンスキー氏の対立 NATOにとって一大危機)
https://www.bbc.com/japanese/articles/crknx28jlgeo

「世間の目の前で繰り広げられた破局は、北大西洋条約機構(NATO)のヨーロッパ諸国とアメリカの間に大きな危機が迫っているという合図でもあった。」

「トランプ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との強力な関係をなんとしても復活させると決意している様子だ。それだけに、欧州は懸念を抱いているのだ。」

「プーチン氏への譲歩が優先され、ウクライナの安全保障ははるかに後れをとった二の次になっている。欧州諸国は自国の安全保障も同じなのではないかと懸念している。」

BBCのジェレミー・ボウエンは、欧州が抱く懸念を端的に指摘している。

が、まだまだ甘い。

自分たちもまた、プーチンのエサになっていることに気付いていない。

或いは、気付かない振りをしている。

イタリアのメローニは、薄々感づいているけど(トランプと発想が同じだからな)、米国を欧州に引き留められると信じている。

バルト3国や東欧諸国はパニックだろう(未確認)。

喜んでいるのはハンガリーとスロバキアだけかあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、ド派手なニュースショーに留まると見ている。

米国の軍事支援の即時停止は、早期の停戦に結びつかない。

トランプが言うように、ゼレンスキーがロシアと交渉するカードを奪うからだ。

戦闘は続き、双方の軍隊が疲弊し、別の仲介者(中国かあ?)の介入によって合意に達するまで終わらない。

今年中にはムリポだろうし、ロシアの停戦条件が変わるとは思えないからな。

米国からも欧州からも見放されて孤立無援のまま、ロシアの要求を丸呑みして屈服することになる。

欧州は、自ら見放したとは言わないだろう。

バイデンと同じように、勝てない支援を続け、「できる限りのことをした」というエクスキューズを残しながらウクライナを見殺しにする(そんなあ!)。

米国は、バルト3国と東欧諸国へのロシアの侵攻に介入しない密約をプーチンと結んだ(そうなのかあ?)。

ウクライナへの支援を続ければ続けるほど、欧州は自らの墓穴を掘るという構図が出来上がっている(未確認)。

旧ソ連の影響下にあった東欧などに留まるだろうか?。

浮沈子はそうは思わない。

プーチンの次の政権(メドベージェフかあ?)では、ドイツフランスイタリアスペインを含む欧州全域を狙うだろう。

欧州大戦争は浮沈子の終わりなき妄想だが、その可能性は日々高まっていく気がしている。

ゼレンスキーは、米国がいずれロシアの脅威を感じるようになるとしているけど、それは明確な誤りだ。

米国は、「常に」ロシアの脅威を感じている。

おまいに言われたくない!(トランプの内心のぼやき)。

核大国同士の安全保障は、軍事では到底確保できないからな。

米国がロシアとの関係改善に動いているのは、ウクライナ紛争に引きずられて米国の安全を毀損し続けることを避けるためだ。

それは、バイデン政権と同じ基本スタンスでもある(供与兵器の選定や使用制限はそのためだ)。

手法の違いだけだろう。

その切り替えの早さに、欧州は付いて行けずに立ちすくんでいる。

自分たちが、米国がロシアを釣り上げるためのエサにされていることに、一刻も早く気付いて手を打たなければ、プーチンやその後継者の餌食になることは間違いない。

ドンパチやらずに済めば、それに越したことはないだろうけど(たぶんムリポ!)。

悪いことは言わない。

欧州はウクライナを一刻も早く切るべきだ。

明日は我が身なのだから・・・。

<またまた追加>ーーーーーーーーーー

(「トランプ政権はもはや同盟国ではない」オランド前仏大統領が米軍なしのNATO、ロシアと欧州EUを語る)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2bf517ffa84586a65cac283eed7d456f579a33ff

「前フランス大統領であるフランソワ・オランド氏(社会党)は、『ル・モンド』のインタビューに応えた。」

「タイトルは「フランソワ・オランド『ドナルド・トランプはもう我々の同盟相手ではない」(François Hollande : « Donald Trump n’est plus notre allié »)」

「全文ではないがインタビューを訳し、わかりにくい所は解説を加えた。」

浮沈子は、オランド政権の政策は知らない。

記事を読んで、ふーんと感心する。

「記者は「プーチンが他の欧州の国を攻撃することを、恐れていますか」と聞いた。」

「私はプーチンと何度も仕をしてきたが、初めて会ったときから、彼が尊重するのはパワーバランスだけだとわかっていました。彼は止められない限り前進し、私たちが彼に残したものはすべて奪うのです。」

「もし今日、最悪の条件で停戦が実現したら、つまり征服した領土を吸収し、アメリカの援助をすべて撤退させ、ウクライナに対する重大な安全保障を欠くのなら、プーチンはさらに前進するタイミングを待つでしょう。ウクライナへはもちろんのこと、もしその能力があれば、ウクライナを越えるでしょう」

「彼がその時を待っていると私が言うのは、本質的なことです。なぜなら、プーチンは、我々のような時間との関係を持っていないのです。プーチンは、自分の前には一生涯があると思っています。欧州や米国では、指導者にとって唯一の地平線は、任期です」

この認識が妥当とは思えないけど、真実をかすっている気はしている。

政治家の発言だからな。

権力の内部から見れば、そういう風に見えるという参考にはなる。

「・・・私は、アメリカがNATOを脱退するとは思わないが、欧州の地にいる8万人ほどの軍隊を、かなり早い時期に撤退させるかもしれない」

「その場合、ドナルド・トランプは(NATO加盟国が攻撃を受けた場合、全加盟国が攻撃されたとみなして、兵力使用を含む反撃をする「集団的自衛権」を定めた)第5条が自動的に適用され続けることを、確認するつもりがあるのでしょうか。そのことに備えるのは我々です。たとえトランプがいなくても」

オランドは、欧州が置かれている立場をある程度認識している。

トランプ2.0は、一期目とも異なる。

・ウクライナの放棄
・プーチン大統領との直接対話
・米国が国連で、ロシアと北朝鮮と団結して、ウクライナを支援するために欧州が提案した決議案に反対票を投じた

「この回答に対し、記者は「ドナルド・トランプはもはや同盟相手ではないというのなら、敵ですか」と尋ねた。」

「・・・彼の本当の標的は我々であり、彼が主張するように中国ではないことは、疑いようがありません」

敵であれ標的であれ、何らかの関心の的であることには違いないけど、まさかエサにされているとまでは思っていない感じだ。

欧州の政治家の限界だな。

まして、フランスの前大統領だからな。

彼が行っていることの全てに同意できるわけではないけど、米国の離反、欧州の分断、ロシアの脅威増大の中で、主体的に取り組もうとするフランスの意欲は感じる。

欧州という生餌を入れた魚籠(びく)の中での話だけどな・・・。

<もっと追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナ、根深い不信 トランプ氏は個人的恨みも)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030100328&g=int

「トランプ氏の一方的な振る舞いは、19年にゼレンスキー氏に対して軍事支援などを行うことを条件として、ウクライナと関係のあったバイデン前大統領(当時は前副大統領)の醜聞を捜査するよう要求した事件をほうふつさせる。」

「ゼレンスキー氏はこの時、トランプ氏の求めに応じず、米下院はトランプ氏を弾劾訴追(上院で無罪判決)した。」

うーん、個人的恨みでテレビショーを演出したという話は出来過ぎだと思うんだがな。

鉱物取引に米国の保証を絡めようとした首脳会談は不発だった。

事実はそれに尽きる。

米国は、バイデンが承認した援助を打ち切っていないし、合意の可能性は残されている。

トランプ政権がウクライナ問題より、米ロ関係の改善を優先していることは周知だ。

対中国政策としてのそれは、米国の安全保障のグランドデザインにも合致している。

大統領執務室を舞台にしたテレビショーは、こうした背景の上に乗っかった表層だ。

相手が誰であれ、トランプの番犬であるバンスは噛みついたろうし、調印しなければホワイトハウスを叩き出されるだけの話だ。

停戦交渉が遠のき、戦闘が長期化することは避けられないが、米国の支援が縮小または打ち切りになる可能性は変わらない。

欧州が米国に代わってリスクを負うことは出来ない。

ゼレンスキーが指摘した通り、大西洋を挟んでいるわけじゃないからな(英国はドーバー海峡があるけど、ちっと狭いしな)。

精神的支援と、形ばかりの「負けない支援」がせいぜいで、その間もロシアの攻撃は続く。

ロシアとの直接対決に備える軍備増強の足を引っ張るウクライナ支援。

二律背反の雪隠詰めな欧州に選択の余地はないと思うんだがな・・・。

<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナ停戦は世界のパラダイムシフトを引き起こすのか)
https://www.newsweekjapan.jp/kawato/2025/02/post-166_2.php

「・・・自由や人権などのイデオロギーをめぐる無用の対立はもうやめる。他国のレジーム・チェンジを仕掛けてきたネオコンの時代は終わり。互いに干渉するのはやめて自分ファーストでいこう、物事は取引と力で決めよう、ということだ。」

「それは、17世紀の西欧で形成された「主権国家」を解体し、領土すら売買の対象にすることでもある。」

「世界を国境のないサプライチェーンの統一空間に変えた、グローバル大企業の論理だ。」

「もう国家は要らない。」

電脳空間での取引が活発化し、グローバルに商品が飛び交う時代になり、企業にとって国家は邪魔な存在になってきている。

主権国家の解体へ一気に進むとは思えないけど、ウクライナ停戦の動きを見ていると、そんな妄想が羽ばたいてもおかしくないとさえ思えてくる。

相互内政干渉(国際協調)の時代から、力と取引で決まる時代へ。

まるで戦国時代だな・・・。

🚀スターシップ:IFT-8:IFT-7のやり直しだな2025年03月01日 22:37

スターシップ:IFT-8:IFT-7のやり直しだな


(スペースX、先月の不運なスターシップ試験飛行のやり直しを準備)
https://arstechnica.com/space/2025/02/spacex-readies-a-redo-of-last-months-ill-fated-starship-test-flight/

「エンジニアたちは、漏れはおそらく予測より数倍強い調和応答によって引き起こされたと結論付けた。これは宇宙船が宇宙へ上昇する間の振動が宇宙船の固有周波数と共鳴していたことを示唆している。これにより、地上試験からエンジニアが予想したレベルを超えて振動が激化したと考えられる。」

まあ、想定の範囲内の原因で、対策も十分されたんだろう。

「今月初め、SpaceX は次期 Starship 上段ロケットの長時間の静的燃焼を完了し、複数のエンジン推力レベルでハードウェアの変更をテストしました。SpaceX によると、静的燃焼の結果から、Starship の Raptor エンジンへの燃料供給ラインの変更、推進剤温度の調整、次のテスト飛行のための新しい動作推力が決定されました。」(今月:たぶん2月)

「スターシップの屋根裏部分の可燃性に対処するため、現在の世代の宇宙船には追加の通気口と窒素ガスを利用した新しいパージシステムが追加され、推進剤の漏れに対してより強固なエリアが作られる」(スペースX)

「スターシップの今後のアップグレードではラプター3エンジンが導入され、屋根裏の容積が縮小され、この容積に漏れる可能性のあるジョイントの大部分が排除される」(同上)

「連邦規制当局は、スペースXが主導するフライト7の失敗に関する調査を監督した。スペースXは、NASA、国家運輸安全委員会、米国宇宙軍も調査に参加」

「FAAは、スペースXが弾道飛行試験に必要な安全、環境、その他の認可要件をすべて満たしていると判定した」

打ち上げは、日本時間の火曜日(3月4日)に行われる模様だ。

新しい動翼(前方のみ?)や耐熱タイル、ペッツドアからのダミー衛星の射出など、IFT-7のやり直しになる。

それらは、全て重要なマイルストーンで、2段目の再使用というロケット工学上の金字塔を打ち立てることにも繋がる(ホットステージ対策の段間リングは、まだ使い捨てだけどな)。

浮沈子は、所要があってライブでは見られないけど、今度は「予定外の急速な分解(=炎上爆発木っ端微塵での墜落!)」にはならないだろう(残念・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

NASAの行く末や、SLSの今後の打ち上げが危うくなる中、スターシップの開発だけは順風満帆で続いている。

転んでもただでは起きず、失敗は成功のもとを具現している。

打ち上げロケットの常識を根底から覆すスターシップ。

浮沈子は当初、このロケットの成功に懐疑的だったが、現在は成功を確信している。

その技術的進展に喝采を送りたい。

が、まだまだ道のりは長いだろう。

年内に2段目の回収を成功させられれば上出来だし、ペッツドアからの本物の衛星(スターリンクⅤ3)の射出に成功すれば大金星だ(これは意外に早いかも:当面は2段目は使い捨てで運用するだろうな)。

そのためには、軌道上再点火の安定性を確立する必要がある。

再使用に向けての様々な条件を確定し、改良を重ねることになる。

もちろん、今は使い捨てになっているホットステージ用段間リングの問題も解決しなければならない。

まともな運用に入るには、まだ数年を要するだろうけど、部屋の中のゾウが解き放たれれば、打ち上げロケット業界には激震が走るだろう。

実績を積んで有人飛行をものに出来れば、火星はともかく、少なくとも月世界旅行くらいは商業化できるかもしれない。

大陸間弾道旅客ロケットも飛ばせるかもな・・・。