研究炉の研究(その2)2016年08月28日 00:16

研究炉の研究(その2)
研究炉の研究(その2)


(臨界実験装置:TRACY)
https://www.jaea.go.jp/04/ntokai/anzen/anzen_03.html

「施設目的:
核燃料再処理施設で用いられるウランを含む溶液燃料で起きる臨界事故時の現象(急激に出力が上がり、放射性物質が放出される過渡現象)の把握を目的としています。」

「最大熱出力:
・10 kW(定出力運転時)
(原子力発電所の出力の約10万分の1以下)
・5000 MW(過渡出力運転時)
(瞬間的(0.2秒程度以内)に100万キロワット級の原子力発電所並みの出力)」

まあ、ここまでは、浮沈子でも分かるんだが(分かった気になれるだけ?)、以下の記述は、さっぱり分からない・・・。

「最大過剰反応度:
・0.8ドル(定出力運転時)
・3ドル(過渡出力運転時 )
※ドル:臨界からのずれを表す尺度。
1ドルを超えると、人手による運転操作では制御できない、急激な核分裂連鎖反応(出力暴走)が生じます。(TRACYなど過剰反応度が1ドルを超える試験研究炉もありますが、その場合は、運転操作に依らずに出力を自己抑制する特性を有していることが条件となります。)」

有体に言えば、危ない原子炉ということになる。

過失か故意によって、暴走させることもできるんだろうか?。

もちろん、そんなことにならないように、炉の設計や取り扱う燃料の設計が行われているんだろうが、危険を承知でやるわけだから、用心するに越したことはないんだろう。

(過渡臨界実験装置(TRACY)施設に係る廃止措置計画認可申請の概要について)
https://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15033102/s03.pdf

昨年の3月の記事だが、廃止申請を行うようだ。

「当初目的とする実験データの取得を完了した。平成25年9月26日に策定した「原子力機構改革計画」に基づく事業合理化の一環」

六ケ所村の再処理も目途がついたようだしな。

お役御免というわけだ。

「TRACYで使用した溶液燃料及び溶解前のウラン酸化物燃料は、STACYと共用しているが、本廃止措置計画の申請にあたりSTACYに移管することとし、本廃止措置計画の認可後はSTACY固有の燃料として管理する。」

相方のSTACYが変更再稼働の予定なので、燃料は引き継ぐ予定とある。

(定常臨界実験装置(STACY)施設の更新改造に係る原子炉設置変更許可申請の概要について)
https://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15033102/s02.pdf

「STACY施設を「溶液燃料を用いる臨界実験装置」から「固体燃料及び軽水減速材を用いる臨界実験装置」へ更新改造する」

液体燃料は使わないはずなのにな。

まあいい。

更新後のSTACYは、デブリの除去に関する研究を行うようだ。

早いとこ福一の終息の目途をつけないといけないしな。

更新後STACYの資料2ページ目には、新基準についての簡単なまとめがある。

「2.新規制基準への適合性確認
(1)地震対策:
・全ての安全機能の喪失を想定しても、一般公衆に対して5mSvの放射線
被ばくを与えるおそれはないため、施設全体をBクラス対象設備・機器
等の検討が必要な原子炉施設に分類した。
・安全施設のうち、その機能喪失により影響の小さい放射線被ばくを及ぼすおそれのある設備・機器をBクラスに選定した。」

「(2)津波対策:
・茨城沿岸津波対策検討委員会による検討結果である最大クラスの津波(L2)のT.P.+約6mを想定する津波とした。
・過去の記録は、東北地方太平洋沖地震による津波の敷地における最大遡上高さでT.P.+約5m。
・STACY施設はT.P.+約8mに位置するため、当該津波による影響がないことを確認した。」

「(3)自然現象(竜巻、火山等)に対する考慮:
・火 山
将来の活動可能性を否定できない12火山を抽出し、最大規模の噴火を想定しても、原子炉の安全性に直接影響を及ぼす可能性は小さい。原子力科学研究所に影響を及ぼし得る火山事象としては、降下火砕物(火山灰)が考えられるが、時間的余裕をもって除去等を行うことが可能である。
・森林火災
森林火災による火災について評価した結果、原子炉の安全性に影響を与えないことを確認した。」

「(4)外部人為事象に対する考慮:
・航空機落下確率
STACY施設への航空機落下確率は、約8.8×10-8(回/炉・年)であり、10-7(回/炉・年)を超えないことを確認した。
・外部火災
近隣工場等の火災・爆発、航空機落下による火災について評価した結果、原子炉の安全性に影響を与えないことを確認した。」

「(5)火災に対する考慮:
火災発生防止、火災検知及び消火、火災影響軽減を適切に組み合わせた設計とする。主要なケーブルは難燃性材料を使用する。仮にケーブル火災が発生したとしても、フェイルセーフ機能により原子炉は停止し、停止状態を維持することにより、炉心の健全性は確保される。」

「(6)内部溢水に対する考慮:
運転中に内部溢水が発生した場合でも、原子炉の安全に停止でき、閉じ込め機能を維持する設計とする。
放射性物質を含む液体の管理区域外への漏えいを防止するため、堰又は障壁を設けている。」

「(7)その他の設備の信頼性:
・通信連絡設備
事故時又は必要時に、敷地内の全ての人に対する連絡や避難指示を行うため、構内放送システムを設置している。また、関係官庁等との通信連絡を確実に行うため、衛星携帯電話、無線連絡設備等を備えている。
・外部電源喪失
外部電源喪失時においても、原子炉停止系はフェイルセーフ機構であり、電力を必要としないで停止し、停止状態を維持することができる。
また、原子炉の停止したことを確認できる設計とする。なお、原子炉停止後は停止状態が物理的に維持されることから、継続的な監視は必要ない。」

想定されている範囲では、問題なく再稼働できるということらしい。

まあ、想定外の事案に対しては、その都度、対応していくしかない(航空機、落としてみるわけにもいかないしな)。

TRACYの廃止とSTACYの更新に伴って、低濃度の液性燃料の挙動を実験する原子炉は我が国には無くなるわけだ。

それは、また違った施設で行われることになるんだろう。

高レベル廃棄物の分離など、今後の課題は多いに違いない。

NSRRは、そのまま引き続いて使われていくようだな。

(原子炉安全性研究炉(NSRR)新規制基準適合性に係る申請の概要について)
https://www.jaea.go.jp/02/press2014/p15033102/s01.pdf

「一部の建家について、最新の建築基準法を満足するための耐震改修を行う。」

その他は、概ね更新後STACYと同様のようだ(停止後継続監視は必要なようですが)。

こうしてみると、研究炉は、時代とともに変わっていく運命にあるわけだな。

役割を終えて廃止されたり、新たな課題に取り組むために更新されたり、新設されたりする。

HTTRが出来る前にも、SHEやVHTRCというのがあったらしい。

(臨界実験装置 (08-01-03-06))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=08-01-03-06

「3.VHTRC(Very High Temperature Reactor Critical Assembly、高温ガス炉臨界実験装置)
 VHTRCの前身はSHE(半均質臨界実験装置)で、1961年1月25日初臨界を達成した。当初は半均質増殖炉開発プロジェクトの一環として、増殖炉心データの取得を目的としたが、1963年プロジェクトが中止された後は、黒鉛減速炉に関する基礎実験に用いられた。」

「高温ガス実験炉の設計が進むに従い、核的安全性などの検証を目的として、高温ガス炉のより詳細な模擬炉心を構成するため、1983年改造工事に着手、1985年5月13日、新装置としてVHTRCが初臨界を達成した。」

「なお、VHTRCは1999年1月に運転を停止し、その後廃止措置に移行して現在は解体中の原子炉として位置づけられている。」

実験炉、試験研究炉が出来る前には、段階を踏んで臨界実験炉でじっくり研究を行っているということだ。

TRACYが、その役目を無事に終えたことは喜ばしい話だ。

更新後のSTACYには、重い任務が課せられている。

デブリの解析が、順調に進むことを祈りたい。

SLBMの脅威2016年08月28日 03:48

SLBMの脅威
SLBMの脅威


(北潜水艦ミサイル、「韓国や日本に深刻」)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160827-OYT1T50001.html

「米国が北朝鮮の全ての核ミサイル能力を取り除こうとしても、なかなかそれが出来なくなったことの意味は重い」

「北朝鮮が撃ち返すかもしれないとなると、本当に米国は北朝鮮が韓国に侵攻した際に核を使うのか。『核の傘』の信頼が揺らいだことが韓国や日本にとって深刻だ」

ちょっと、ピントがずれてるような気もする。

(北朝鮮金委員長、潜水艦ミサイル発射「成功中の成功」)
http://mainichi.jp/articles/20160825/k00/00e/030/168000c

「成功中の成功、勝利中の勝利を収めた。米本土と太平洋の作戦地帯は、われわれの手中に確実に握られている」

こっちは、もっとずれてるけどな。

SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)は、いつ、どこから発射されるかが分からないというところが脅威なのだ。

北朝鮮の場合は、そもそも潜水艦の能力に限りがあるし、弾道ミサイルの方も、数百キロという飛距離である。

米国海軍のミサイル原潜とは、比較にならない。

まあ、ユーラシア大陸をペンペングサも生えないようにできる威力があれば、お坊ちゃま君のセリフも真実味を帯びてくるんだがな。

(オハイオ級原子力潜水艦)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%AA%E7%B4%9A%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6

「トライデントを24基装備するオハイオ級は1隻で計120発程度の核弾頭を装備することになる。核弾頭1発あたりの核出力は数種類あるがいずれも100kt~475kt(長崎市に落とされたファットマンは20kt程度)と都市一つを破壊するには十分な威力を備えている。」

120都市が、一瞬にして灰になるわけだ(はい・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

「実際可稼働率は60%程度であり、18隻でローテーションを組んでいたときは常に10隻前後は任務についていることになる。また14隻では8隻前後となる。」

120発×8隻=960発ということになる。

米国が相対的に影響力を失ったとはいえ、十分過ぎる報復力を維持していることは、厳然たる事実だ。

本気で怒らせたら、超人ハルクどころの話じゃあない。

(超人ハルク (テレビドラマ))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E4%BA%BA%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%AF_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)

「デヴィッドは、潜在能力を引き出すためにガンマ線を使うことを思いつき、自らの身体に照射するが、誤って大量に浴びてしまう。その結果、DNAに変調をきたした彼は、激怒すると緑色の大男に変身する体質となってしまった。しばらくすると元に戻るのだが、その間の記憶は残らないのだ。」

「記者ジャック・マクギーは、デヴィッドの研究に興味を抱いて身辺を嗅ぎ回っていた。マクギーがデヴィッドの研究所に忍び込んだとき、爆発事故が起きる。エレーナを助けようとしたデヴィッドは、大男に変身。」

「マクギーは、大男が二人を殺したのだと思いこみ、「ハルク」と名づけてその行方を追跡することを決意する。」

浮沈子は、テレビで何回か見た。

(THE INCREDIBLE HULK JP OPENING:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=TtA76st76ZY

「マクギー君、僕を怒らせるな。」

「きっと後悔することになる・・・。」

まあ、いわゆる、その、なんだな、米国版のジキルとハイドというところか。

もうじき、トランプさんが、トライデントミサイルの発射ボタンを手にすることになる(そうなのかあ?)。

(トライデントII)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%88_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)#.E3.83.88.E3.83.A9.E3.82.A4.E3.83.87.E3.83.B3.E3.83.88II

「トライデントD5は大型化により射程がトライデントC4の約1.5倍の約6,000海里(約11,000km)となり、アメリカが保有するICBMで一番射程の長いミニットマンIIIより1割短い程度となっており、太平洋・大西洋・インド洋のほぼどこからでも旧ソ連圏を射程に収めることができる。」

「CEPは90m前後と言われている。この数字はICBMで最高クラスの命中精度を誇るピースキーパーとほぼ同等の値であり、 この高精度により報復攻撃として都市を攻撃するだけでなく、先制攻撃として敵ICBMサイロを攻撃することも可能である。」

このくらいの威力があれば、太平洋と米国は俺のものだと言ってもいいだろう。

8隻を常時展開する米国は、世界の運命を握っている。

この、アットーテキな報復力を持っているために、どこの国も、本気で米国を敵にしたくはない。

ロシアだって、正面切って戦争仕掛けるわけにはいかないのだ。

威勢のいいことを言っている中国も、単に口先だけの話である。

そして、我が国は、その核の傘に入ることによって、安全保障を得ている(ことになっている)。

北朝鮮がSLBMを打ち込んで来たら、実際にピョンヤンが火の海になるのかどうかは知らない。

浮沈子は、そんなことにはならないと思うし、抑止力としての核兵器の使い方は、実際の攻撃とは切り離されている(たぶん)。

特に、同盟国に対する攻撃については、段階を踏んで対応することになるんだろう。

米国本土に、全面核戦争を仕掛けるのとは、わけが違うからな。

北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルを配備するということになれば、そういう事態を想定して、いろいろな対策を講じていかなければならない。

事前探知不可能、命中精度は不明、イラっとしたら、いつでも発射というわけだ。

一体、韓国はどうするつもりなんだろうな。

このまま、北のやりたい放題にさせて、中国ともうまくやっていこうというんだろうか?。

それとも、どこかでケリを着けて、全面対決するつもりなんだろうか。

中国は、軍備拡張に余念がないとはいえ、北朝鮮問題どころじゃないしな。

台湾と南シナ海で手一杯だろう。

米国が、東アジアに対する明確な関与を少しでも緩めるようなことがあれば、情勢は一気に不安定化するに違いない。

さて、我が国は、尖閣諸島対応で潜水艦を増加するらしいが、相変わらず索敵だけに使うんだろうか。

ここは一つ、極秘に開発した核兵器(!)を搭載した戦略原潜(!!)を投入して、東アジアの戦略地図を塗り替えるくらいはやってもらいたいな。

東芝がウェスチングハウスを無理して買収したり、もんじゅを短期間稼働させて停めてしまったりしたのは、何のためだったのか。

浮沈子は、4Sの開発の話を読んだ時に、ピンと来た。

(小型高速炉(4S))
https://www.toshiba.co.jp/nuclearenergy/jigyounaiyou/4s.htm

「● 小型のナトリウム冷却高速炉
● 最初に装荷した燃料を交換することなく30年間運転可能
● 自然現象を活用した安全設計(人的操作がなくても自然に炉停止・除熱)
● 静的機器(電磁ポンプ等)の採用によるメンテナンス低減
● 水から水素を製造するシステムと接続可能」

水素製造とかはあまり関係ないが、コンパクト、メンテナンスフリー、安全設計など、潜水艦にぴったりの性能だな。

これからは、当然、電気駆動が主流になる。

これは、電池の代わりということだ。

出力は、170mもある戦略原潜レベルで220MW(熱出力)程度だから、半分の84mのそうりゅう型(容積で8分の1)なら50MW(発電出力:熱だと135MW)だって十分実用になるだろう。

さすがに、SLBMを大っぴらに積むことはできないだろうから、核魚雷だな。

(ロシア新型戦略核魚雷の脅威!)
http://d.hatena.ne.jp/NOFNOF/20151202/1449026025

「魚雷は1万キロという途方もなく長い射程距離をもち、事実上これは、水深1000メートル近くをハイスピードで移動」

このブログでも、何度か取り上げているシクヴァルというのもある。

(シクヴァル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AF%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB

「ソビエト連邦により開発された、スーパーキャビテーションを利用した兵器」

「速度200ノット(370km/h)を超えることが可能であり、ロケットエンジンで推進力を得るため、「魚雷」と言うよりは「水中を推進するロケット」に近い。」

「その後、この高速を活かし核弾頭を搭載してアメリカ海軍を一挙に壊滅させる、という利用法が生み出されたと考えられている。」

「いくつかの報告書では250ノット(463km/h)以上の速度が達成される可能性があり、また300ノット(560km/h)の派生型の研究が進行中だったことが示されている」

水中で、この兵器をかわすことは不可能に近い。

核魚雷だったりしたら、避けられても、意味ないしな。

核魚雷を搭載した原子力潜水艦を常時配備して守るほどの価値が尖閣にあるのかどうかは、浮沈子の知ったことではない。

イランがフートを開発できたんだから、技本が出来ないわけはないと思うんだがな。

しかし、射程が1万キロの魚雷なんて、最早、戦術兵器ではない。

(ロシア人専門家、MDシステムは米国を核潜水艦の脅威からは守りきれない)
http://jp.sputniknews.com/opinion/20151116/1176100.html

「標的に達するまで数日ないしは1週間を要すこうしたシステムは、その製造は理論上は戦闘上の課題から呼び起こされた可能性がある。魚雷は紛争が核の使用段階に達する前、紛争エスカレーションの初期段階で発射され、その間に紛争の正常化が図られれば、魚雷には自滅司令を送ること行なわれることが想定されている。」

ロシアの兵器で、自滅指令が水中1000mの魚雷に届くのに賭けるというのは、なかなかにギャンブルな話だがな。

届かない方に賭けた方が無難(?)な気もする。

そんな、ヤバイ兵器は、実戦配備できないだろう。

プーチンは、ブラフと分かってリークさせたに違いない。

いずれにしても、お坊ちゃま君は、また新しいオモチャを手にして、大喜びだろう。

しかし、オハイオ級原潜が積んでいるトライデントは、オモチャではない。

世界にとって、どっちが脅威かは、誰が見ても明らかだ。

その発射ボタンを誰が握るかというのは、北朝鮮のSLBMなんかとは、桁が違う話なのだ。

(核兵器使用発言に懸念=「トランプ離れ」の一因に-米大統領選)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016081400163&g=int

「核兵器を持っているというのに、なぜ使えないのか」

「トランプ氏は3月にも過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦について「核兵器が最後の手段だ」と言い放ち、欧州での使用さえ否定しなかった」

(トランプよ、なぜ米国が核兵器を使ってはいけないかを教えよう)
http://wired.jp/2016/08/08/dear-donald-trump/

「日本が北朝鮮から自身を自力で守るようになれば、われわれの生活は向上する」

「率直に言って、韓国が自分で自分を守るようになれば、われわれの生活は向上する」

「北朝鮮が核兵器をもつなら、日本も核兵器をもつべきではないだろうか。もしそうなれば、おそらく米国の暮らし向きはよくなるはずだ」

まあ、ワイアードの記事に載っている理由は、いかにも米国らしい言い方だがな。

拡散した核兵器を管理することなどできはしない。

そうした不安定要素をまき散らさないことが、米国にとっての利益になるからこそ、NPTを機能させてきたわけだ。

そのほころびが広がりつつある現代だからこそ、建前は堅持しなければならないんだろう。

しかし、大っぴらに、なぜ使えないかを大統領候補が尋ねるという話自体が、常軌を逸している。

シャレにならない。

浮沈子は、別に誰が大統領になっても構わないと思っているし、それは米国民の選択なんだから仕方ないと考えている。

そして、そのとばっちりは、甘んじて受けなければならないんだろう。

敗戦国だしな。

未だに、敵国条項は残っているしな。

米軍が撤退して、原潜搭載核魚雷なんか装備した日には、その日のうちに再占領されるかも知れないしな。

横須賀や嘉手納に五星紅旗が翻ることになるわけだ。

まあいい。

そんな妄想をいくら逞しくしても、何の解決にもならない。

今は、米国の選挙の行方を見守り、北朝鮮の挑発的な行為を見守り、中国のさらに挑発的な行為に丁寧に対応し続けるより他にない。

「韓国軍は、北朝鮮が日本に配慮して意図的に高角度で発射し、通常の角度であれば飛距離は約1000キロに達したと分析」

毎日の記事には、穏やかならざる記述もある。

もちろん、我が国の領土に着弾する性能があるということだ。

まだ、核弾頭は積んでないけどな。

そのうち、積んでくるだろうな。

いずれ、どこかで、実験するんだろう。

もう、それは時間の問題になってきた。

中国は、どこまで関与しているんだろうか。

あるいは、兵器の方はロシアだけが握っているんだろうか。

太平の眠りを覚ます上喜撰(じょうきせん)というのがある。

("太平の眠りを覚ます上喜撰たった4杯で夜も)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10388570

「太平の眠りを覚ます上喜撰たった4杯で夜も眠れず」

さしずめ、平成の眠りを覚ますSLBM、たった1発で夜も眠れずというところか。

シロン現る?2016年08月28日 06:26

シロン現る?
シロン現る?


この破格のクルマについては、すでに何度か取り上げている。

(500km)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/03/08/8042103

「意味ねー・・・。」

まあ、また繰り返してもしょうがないんですが。

こんな記事が出ていた。

(ブガッティ本社近くで複数のシロンが目撃に。シックなシロンとスポーティーなシロン)
http://daysleeper.sakura.ne.jp/blog/?p=55959

「シロンの開発にあたっては300時間の風洞実験、50万キロの試験走行を繰り返したと言われ、消費したタイヤも200セットに上るとされています。」

タイヤ代だけでも、すさまじい金額になるんだろうな。

(【ビデオ】これがブガッティの新型スーパーカー「シロン」の排気音!)
http://jp.autoblog.com/2016/03/09/the-bugatti-chiron-sound-video/

W16クワッドターボの排気音が、一瞬聞こえる。

ため息が止まらない。

(ブガッティ「シロン」ついにオフィシャル公開。タイヤ交換に400万必要なヴェイロンより「維持費は安い」)
http://daysleeper.sakura.ne.jp/blog/?p=47834

改めてデザインを見ると、ベイロンのイメージを残しながらも、全く異なるコンセプトで作られていることが分かる。

「一方室内はさらに優雅になり、どちらかというと懐古調になったようにも見えます。雰囲気的にはパガーニ・ウアイラのような柔らかい光を用いているようですね。」

確かに、これって、ウアイラそのものだな。

(走る宝石)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/11/15/6634184

4年前の記事だが、今読むとマトモだな。

「宝石箱のようなインストゥルメントパネル、削り出しの部品、バフがけしたり、サンドブラストしたり、贅の限りを尽くした加工。」

「このクルマは、神棚に飾って、毎朝拝むクルマである!。」

そのウアイラの後光を纏って、シロンを出してきたわけだ。

走る宝石を目指してな。

しかし、どこか説教臭い感じがしないでもない。

内装はともかく、外面は、理詰めのドイツ車のようだ。

細部を見ると、余計にそう感じる。

フランス車の曲線を配しながら、要所要所に直線が現れてぶち壊しになる。

何かに似ていると思ったら、アウディのデザインだ。

TTとか、最近のヤツ。

お里が知れるというか、出自は隠せないな。

まあ、どうでもいいんですが。

ブガッティは、セダンを出したいようだな。

(ブガッティ、「シロン」の後継として4ドア・セダン「ガリビエール」も検討中)
http://jp.autoblog.com/2016/05/25/bugatti-galibier-could-arrive-after-chiron/

「何年も前からブガッティは4ドア・セダンの「ガリビエール」を市場に出すのか出さないのか、はっきりと示していない。もう臆測するのはうんざりなので、とにかく市販化するべきとだけ言いたい。」

「超高性能な超高級セダンは、実はいまだ空白とも言えるセグメントだ。市場では、ロールス・ロイス「ファントム」と同じくらいラグジュアリーで、ブガッティのようなドライビング・ダイナミクスとパフォーマンスを兼ね備えたセダンが求められている。」

ははあ、未だに決めかねているのか。

その辺のスーパーカーをブチ抜くスーパーセダンか。

是非、拝んでみたいものだ。

コンサバなフロントエンジンの、たぶん4WDだろうが、ここは一つ、踏ん張ってMR(4WDでもいいけど)にしてもらいたいな。

ロングボディで、4輪ステアで、自由自在に曲がって、直線では敵なしで、空飛んで、水中も潜る・・・。

まあいい。

ここは一つ、ピエヒの夢だった18気筒を是非とも実現してもらいたいものだ。

3バンクで、6ターボ。

10リッター、2000馬力くらいでいいや。

最高速は、500km。

もちろん、実際にそのスピードで走ることが出来る公道などはない。

新品のホイール、新品のタイヤ、新品のオイルを入れて、VWのテストコースに招待されたオーナーが、テストドライバーにハンドルを委ねて、後席に座って味わう。

タイヤは、その時だけしか使えないので、お帰りの際は、履き替えていただくわけだ。

それって、やっぱ、500まんえんくらい掛かるんだろうか?。

価格は、5億円くらいで、持っているだけで値上がり間違いなし。

もう、投資対象だな。

商売上手なVWのことだから、きっと成功するに違いない。

ウアイラは、本物の工芸品だが、シロンは紛い物だ。

汎用の部品を集めて、目に見えるところだけをオリジナルにした代物だ。

もちろん、汎用といっても、ベイロンと共有しているだけだけどな。

ベイロンは、VWグループの部品を使っている。

結局は量産品で、性能はいいかもしれないけど、吊るしのクルマだ。

今回のシロンで、ようやく汎用品臭さが取れたということになる。

「キーもヴェイロンまでは「VWアウディグループの使い回し」的な外観だったものが一気に高級に。」

この手のアイテムにこだわる方は、徹底的にこだわるからな。

億単位のクルマは、オーナーにとっては、唯一無二のクルマであることが価値だ。

さもなければ、単なる投資対象で、運転することすらない。

どちらかだろう。

クルマなんて、実用性だけ考えれば、ベンツのSクラスで十分だからな。

浮沈子には理解できない世界があって、その究極のところにシロンとかガリビエールがある。

しかし、それだって、究極のクルマというわけではない。

月面車とか、そういうのとは違う(月まで取りに行けば、乗れます:たぶん)。

お金で買える品物だ。

高いけどな。

ため息しか出ないけど。

それでも、タイヤで走っているうちは、何となく分かるような気になれるだろう。

ハンドルもついてるし、アクセルとブレーキもあるだろう(シロンのは、ポップなデザインだな:画像参照)。

そのうち、そんなもんは取っ払われて、ドアを開けてもツルンとしたダッシュボードがあるだけで、コンピューターが操縦するようになる。

そんな時代になる前の、最後の悪あがきなのかもしれない。

時代の変化の中で、超高級車とか、超高性能車とかが、どうなっていくのか。

こういうクルマをネタにして、ヨタブログが書けるのも、今のうちかもな・・・。

ありそうでないもの2016年08月28日 23:27

ありそうでないもの
ありそうでないもの


世の中には、ありそうでないものがある。

核廃棄物を出さない原子力発電、恒星間航行を可能にする宇宙船、自然エネルギーだけで賄える電力、二酸化炭素を排出しない自動車(燃料製造、発電、製造段階含む)、炭酸カルシウム(反応後)捨てないでいいCCR、メンテナンス費用の少ない500E、エトセエトセ・・・。

特に、恒星間宇宙船については、少なくとも現在のところ、工学的に実現可能なモデルはない。

原子力宇宙船や、プラズマ推進、レーザー推進に至るまで、空想科学小説よりマシなものはない。

もちろん、化学推進(現在は惰性)で飛んでいるゴミ(失礼!、ボイジャーだっけ?)はあるけど、どこに行くのか分からない宇宙ゴミを恒星間に捨ててるだけの話だ(最も遠くに廃棄された核廃棄物でもある:原子力電池搭載)。

このところ、近所の恒星に惑星が見つかったとかいって大騒ぎしているようだが、どうせ行けっこない。

そもそも、人類は何か勘違いをしている。

知的生命体って、そんなに偉いのかあ?。

宇宙に進出することが、神に与えられた使命であるかのように振る舞う。

誰も、そんなことは期待していない。

そんな暇があれば、地球上の当面の生活を豊かにしてくれる方に、その優秀な頭脳を使うべきだろう。

まずは、大きな誤解を解いておかなければならない。

人類が生存できるのは、高々数万年に過ぎない。

50億年とか60億年後の太陽の膨張を待たなくても、それ程長い期間生存していられるわけではないのだ。

文明ということになると、さらに短い。

長くても1万年、ひょっとすると1000年か2000年くらい。

それも、いろいろうまくいったと仮定しての話だ。

地球温暖化にも対応できて、資源の有効利用にも成功して、環境に優しいパラダイスのような平和な世界の構築が出来た時の話だ。

巨大隕石の襲来、超新星のガンマ線バースト、イエローストーンの噴火、自由浮遊惑星化、太陽の巨大フレア、地磁気の消失(地球磁気圏の消失)など、一定の確率で必ず起こる事象を数え上げればきりがない。

生命の存在そのものが消えてなくなるというのは、一定程度の災害がなければ起こらないと思うが、人類の滅亡なんて、ちょろいものだ。

地球環境がちょこっと変わっただけで、もう、生き延びることはできない。

たとえば気温。

平均気温が100度になったら、人類は確実に滅亡だが、温暖化ガスの排出ではそういう事態にはならない。

その前に、文明が崩壊して、二酸化炭素の排出が止まり、平衡状態になるからだ。

火山活動が活発化して、二酸化炭素が地中からどんどん放出されれば、人間活動なんて目じゃないほどの温暖化が起こる。

そうなれば、相当程度の生物種が消えてなくなる。

でっかい隕石が落ちるとか、宇宙を漂っている天体が地球を軌道から引っぺがしてしまえば、間違いなく同じようなことが起こる。

これらは、SFのネタではなく、知的生命体である人類が見出した科学的な事実だ。

たとえ、それらの外的要因がない場合でも、人類は今世紀末から来世紀初頭にかけて、約100億人でピークを迎え、その後は徐々に減少に転じる。

1000年後には、消えてなくなってもおかしくはない。

まあ、そう単純にはいかないだろうが。

それでも、文明を維持することが出来るかどうかはビミョーだ。

さらに、天変地異が襲い掛かれば、減少した遺伝子プールに圧力が掛かることになる。

高度な文明を手にした人類が、そこでジタバタして何か上手い方法を編み出してシノギに成功したとしても、その先にはさらなる天変地異が待っているわけだしな。

良くて1万年、運が悪ければ1000年位で運が尽きる。

地球生命の破局とか、そういうことにはなかなかならないだろう。

数億年、運が良ければ数十億年くらいは持つかもしれない。

太陽活動が活発化して、地球の気温が100度を超えても、一部の生命は生き残るに違いない。

金星並みになったら、ちょっとヤバいかもな。

最近は、太陽からのガスの噴出量が増えて、重力が低下するので、地球が膨張する太陽に飲み込まれるというシナリオに疑義が呈されているようだが、そんな先のことにまで責任は取れない。

好きにしてくれ!。

地球近傍を通り過ぎる天体の影響で、太陽の重力圏を離れて宇宙空間を漂うというシナリオもあるらしい。

彷徨える宇宙船地球号というわけだな。

自由浮遊惑星というらしいが、出来た時の恒星系を離れて漂っているヤツラは、結構多くて、恒星と同じくらいいるかもしれないという話もある(銀河系内で千億個程度)。

レアじゃないんだな。

地球も、その仲間入りをする可能性がある。

太陽よ、さようなら・・・。

繰り返すが、決してSFネタではないのだ。

こういう確実性が高くてリアルな話の後で、恒星間航行とかいうヨタ話を聞くと、人間の想像力の逞しさを痛感することになる。

人類滅亡は、大いにリアルで、ありそうな話だが、恒星間航行はあり得ない話だ。

自由浮遊惑星になって、地球ごと漂うなら別だがな。

浮沈子的には、メンテ費用の掛からない500Eとか、ソフノライム捨てないでいいCCRを実現してもらう方がいい。

水素で走る電気自動車とか、そういうのは、あってもいいが、あまり関係ないしな。

二酸化炭素出して、核廃棄物出して、地球温暖化もしっかりして、現世利益を追求して生きていく。

人間には、それしかできないのではないか。

ありそうでないものを追い求めても、結局は手に入らない。

そういう、美味い話は世の中にはないのだ。

民主的な中国共産党政権とか、軍備縮小に走る北朝鮮とか、核兵器の先制不使用を宣言する米国政府・・・。

しかし、何かを改善して、少しでも良くしようとか、革新的な技術を開発しようという姿勢は悪いことではない。

当初目的とは多少違うかもしれないが、その過程で様々な技術開発や新たな発見がもたらされるということはある。

それが、結果的に、我々の生活を豊かにしてくれるなら、それは好ましい話だ。

まあ、一方では、新たな難題を生むことになるかも知れないけどな。

それもまた、人類が当面解決すべき課題になるんだろう。

いや、これからは、人類ではなく、AIが解決することになるかもしれない。

彼ら(AI)は、人類が生き残るための最善の策を提示して、それを遵守することを求める。

もちろん、そんなものを守れるくらいなら、苦労はしないに違いない。

ありそうでないもの、その最たるものは、正しい選択を行うことが出来る人類だろうな・・・。