サイドマウントの功罪2017年01月02日 20:33

サイドマウントの功罪


狭いところに入りたいなら、サイドマウントがいい。

天地方向に平べったいし、身体を90度傾ければ、上下方向に平べったくもなれる。

両方狭いところを、どーしても通り抜けたければ、腰のフックを外してタンクを前に持ってくることもできる。

それについては、通り抜けた先がどうなっているか、あらかじめ分かっていることが前提になる。

元に戻す空間がないと、ちょっと厄介だからな。

まあいい。

浮沈子は、そんな狭いところに行きたくないから、余り真面目に練習しなかった。

ダブルタンクがないところで、比較的小ぶりのBC着けて、シンプルなレギュレーター構成で潜ることが出来るというメリットを享受していた。

2本差しなら、二重化されたレギュレーターとタンクのセットを持ち込むというメリットがある。

ガス量も2倍だ。

これ以上の安全性は、レクリエーショナルでは必要ないだろう。

ロングホースの件については、いろいろ議論があるようだが、浮沈子はどっちでもいい。

レクリエーショナルでは、ガス貰うハメになったら、直ちに浮上だから、ロングである必要はないというのは正論だ。

でもなあ、浅い沈船でペネトレーションする(水面まで40m)なら、相手がロングホースの方が安心できる。

浮沈子がドナーなら、対面してショートホースで渡して、バックワードキックで後退して見せよう!(できんのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

1本差しのサイドマウントには、特筆すべきメリットはない。

が、浮沈子は、ふつーのファンダイブなら、1本差しのサイドマウントで行く。

アルミタンク、ボートダイブ、ボートスタッフのフルサポートが絶対条件だけどな。

もちろん、南の島で、3mmウエット限定。

なにしろ、水中で楽。

動きやすい。

でもって、タンクのハンドリングはボートスタッフがやってくれる(はず)。

タイでは、そういうわけにはいかず、相当苦労した(2本差しで、1本は自分で、2本目はガイドさんにお願い)。

まあ、場所によるかも。

何でもやってくれるフィリピンとかなら、絶対サイドマウントだな。

2本差しでもいい(左右のバランスとりやすいし)。

今回講習で、ダブルタンクを担いだが、着る時だけ重さを感じるだけで、あとはローカルが全てやってくれるので、あれで潜ってもいい。

ちっと動きづらさはあるが、慣れの問題かもしれない。

抵抗も、CCR並みにあるし、サイドマウントの2本差しに比べて、移動距離とか速度が同じなら、呼吸ガスの消費量にも影響が出る可能性がある。

ただし、それは、上手なダイバーの場合で、慣れないコンフィギュレーションで呼吸が速くなってしまう方が、影響はでかいだろう。

もちろん、ダブルタンクの入手のし易さというのはある。

それがないところでも、サイドマウントで潜ることは可能だ。

去年の10月以来、サイドマウントで潜ってないしな。

ちょっと、プール練習が始まったら、そっちで潜ってみよう。

まあ、別に腹に抱えて潜ったって、裏返しになって潜ったって、足をかくことができれば前に進むことはできる。

そう考えれば、サイドマウントだろうがバックマウントだろうが、1本差しでも2本差しでも何でもいいのだ。

タンクの本数は重要だが、無限圧限界時間を管理できれば、問題はない。

デコ出し厳禁!。

深場へは、テクニカルダイビングで行きましょう!。

表題に、功罪と書いておきながら、何でもいいというのは無責任だ。

ダイバーにとってのメリットは、多様なコンフィギュレーションを身に付けられるようになること、2本のタンクを、比較的気軽に水中に持ち込むことが出来るようになること、テクニカルダイビングに進むときに、コンフィギュレーションの選択肢が増えること、狭いところに入りやすいこと(レクリエーショナルレベルでも、テクニカルでも)。

デメリットは、インストラクターから、ペネトレーションを勧められやすくなること(デメリットですかあ?)。

サイドマウントは、コンフィギュレーションの自由度が高いので、ちゃんと教えてもらえないと、なんちゃってサイドマウントになりやすいこと。

ストリームラインが取れなかったり、ホースの取り回しがおかしくなって、引っかかりやすくなるなど、デメリットが出る可能性がある。

ビーチで、波をかぶるような所では、危険が増大する。

メタリコンタンクでは無理!。

ボートでも、サポートがなかったり、未熟だったりすると危険が増大する。

海外で、水面で器材を全部脱いでボートに上がれる夢のような環境の場合、BC着たままラダーを上がることになるので、その分重くなる(さすがに、サイドマウントでBCまで水面で脱いで渡したことはありません)。

浮沈子的には、器材を怪力でボート上に引き上げるついでに、ダイバーも引き上げてくれると有り難いんだがな。

さらには、アグレッサーみたいに、エントリーするときも、水面で器材を着けてくれたりすると、言うことはない。

まあ、どうでもいいんですが。

とにかく、周りが慣れていないと、好機の目で見られたりするので、それが苦手な方には向かない。

浮沈子は、CCRで慣れているので、そんなことは一向に気にならない。

そういうのが好きな方には、メリットだろうな。

テックサイドマウントで、4本くらい持って入ると、目立つこと請け合いだ。

ちなみに、PADIのテックサイドマウントは、テクニカルダイビングではない。

(PADI テクニカル・ダイビングコース フローチャート)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/tc_index.asp

赤い矢印が付いているのがテクになるダイビングコースで、それ以外は、関連のスキルという扱いだ。

だから、浮沈子のように、テック40をダブルタンクで取得していても、受けることが出来るし、合格すれば45、50、65などを、サイドマウントで受講することも可能だ。

ちょっとなあ、ダブルタンクで潜り続けるというのは、たぶんあり得ないしなあ。

さりとて、サイドマウントでテクニカルダイビングを続けるというのも、あまり興味は湧かないしなあ。

サイドマウントは、あくまでも、オープンウォーターのバリエーションとして使えればいいや。

そのスキルアップのコースとして、テックサイドマウントを受講するにとどめよう。

浮沈子が深場を目指すときは、やっぱCCRがいい。

ベイルアウトのガス計画とかは、どのみちオープンサーキットで立てるわけだし。

やるべきことは変わらない。

狭いところに行かず、波がしらを潜ってエントリーやエキジットするダイビングの場合、サイドマウントを導入するメリットはあまりないかもしれない(つーか、デメリットとの兼ね合いだな)。

バックマウントだって、フツーに潜ることはできる(当たり前ですが)。

最近のBCは、ウエイトの位置とかバランスを考慮して、ホリゾンタルトリムが取りやすくなっているし。

バックマウントは、ボートでも合理的なダイバーのハンドリングを可能にする。

ダイビングを売る側にとってのメリットが大きい。

何でもダイバーがやってくれるしな。

それでも、これから高齢ダイバーの面倒を見ていかなければらなくなり、水面で器材を脱いでもらって引き上げたり、エントリーの際も水面でBC着せたりするようになれば、手間は同じだ。

タンクに浮力体を着けて運用できる分、バックマウントが有利ではある。

おっこどしたら、タンクは水底まで沈んでくしな。

バックマウントのハンドリングは、ダイバー自らが、誰の助けも借りずに運用できるように考えられている。

まあ、それがふつーだしな。

波のない、穏やかな水辺などでは、どちらでもいいかもしれない。

どっちにしたって、CCRよりは簡単な話だ。

好きにすればいい。

潜る環境を考え、水中でのメリット、デメリットを考え、エントリー、エキジットの手間を考えて、現実的な選択をしていくしかない。

我が国でメタリコンタンクが主流である限り、サイドマウントが普及することはない。

ボートダイビングの現在の状況を見ても、これが大きく変わる可能性は低いだろう。

船頭さん一人が乗って、操船に専念する。

ダイバーさんは、自分たちでやってくれ・・・。

ああ、さらばサイドマウント・・・。

浮沈子は、海外で潜る。

別に、日本のダイビングがどうなろうと、知ったことではない。

サイドマウントのテクニカルダイバーが、PADIの思惑通り増えなくたって、それも知ったことではない。

浮沈子は、CCRで潜る。

それは、誰にも止められない。

ああ、ひょっとしたら、サイドマウントCCRで潜ることになるかもしれない。

FS2とか、そういう器材を選択する可能性もある。

もっと違う選択肢が出てくるかもしれないしな。

先のことは分からない。

そのうち、ダイビング自体が、大きく変わってしまう可能性もある。

浮沈子は、以前に体験ダイビング(たぶん)に来ていた方の感想を忘れられない。

「これって、あたし向きのレジャーじゃないわ!」

どんなレジャーが向いているかは聞かなかった。

水に濡れ、重いタンクを背負い、都心から離れた遠いダイビングサービスに足を運び、水中では寒いし、上がってきては、なお寒い(夏は、逆に暑いし・・・)。

快適とは程遠いレジャーである。

サイドマウントは、その不快さを解消する可能性を秘めている。

水中での快適さは、浮沈子を虜にしたし、ちょっとしたことで、陸上やボート上でのハンドリングを改善することが可能だ。

縮退していくダイビングに、福音をもたらす可能性がある。

しかし、たぶん、きっと、そうはならないだろう。

ダイバーたるもの、自分のことくらい、自分で出来なくてどーする!?。

ビジネスモデルを変えていくしか、ダイビングが生き残る方法はない。

浮沈子なんか、エントリーしたら、水中で器材着たいくらいだし、エキジットの時は、全部水中で脱ぎ棄てて、ラダーに立ったら、自動で引き上げてほしいんだがな。

もちろん、全部ボートダイビング・・・。

そんな妄想を抱かせるというのも、サイドマウントの罪なんだろう。

ああ、早く海外で潜りたい・・・。

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