🐱ウクライナ降伏不可避:併合と動員 ― 2022年09月23日 08:43
ウクライナ降伏不可避:併合と動員
(ウクライナの支配地域でロシア編入へ向け住民投票の実施発表)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220920/k10013828831000.html
「東部ドネツク州の親ロシア派の指導者プシリン氏は8月、住民投票はロシア軍が州全域を掌握したあとに実施する意向を表明していた」
ははあ、そういういきさつがあったわけだ・・・。
「方針の変更を認めたうえで、親ロシア派の支配地域以外の住民も投票に参加させる考え」
もう、むちゃくちゃ・・・。
西側が指摘しているように、ロシアは焦っている。
以前にも書いたけど、戦場で戦争で兵士を死なせるためには、国土を守るという大義がなければならない。
編入によりロシア領内ということになれば(国際的に承認されるかどうかは別としても)、国土を守る大義が生まれる。
「プーチン大統領がロシアの予備役をさらに動員しようとしているという報告もある」
両者は密接に関連していて、併合されれば状況は一変する。
「もし住民投票が進められ、ロシアがウクライナの領土の併合をもくろんでいるのなら、アメリカは決して認めることはない。国連憲章を支持する他の国々にとっても、それを明確にすることは非常に重要だ」
米国は、そこんとこ、ちゃんと分かっている。
ウクライナの反転攻勢がロシアの焦りを生み、結果的に併合を促すことに繋がっている。
併合されれば、ロシアとしてはウクライナ側の奪還の動きをロシア国内に対する攻撃であるとして、領土保全の大義を発動することが出来る。
まあ、ごり押し無理筋身勝手極まりない話ではある。
が、屁理屈も理屈のうちだ。
少なくとも、ロシア国内に対するエクスキューズにはなる。
これまで、特殊軍事作戦というワケワカのシナリオで動かざるを得なかったけど、これからは国土防衛戦争なわけだからな。
予備役動員でも徴兵でも何でもアリだろう(そうなのかあ?)。
ロシアは、以前から、領土が脅かされれば核兵器の使用も辞さずと明言している。
今回も、そのことを確認している。
ホントかウソかは別にして、西側による核兵器による恫喝を受けたとも言っているしな。
ウクライナへの援助が一線を越えたとか・・・。
ハチャメチャの状況設定は、もちろん、国内向けのプロパガンダだろうけど、ウソも100回繰り返せばホントに聞こえるかもしれない。
膠着状態を続けていれば、この状況はもう少し先になるはずだったんだろうが、ウクライナの反抗で時期が早まった形だ。
尻尾踏んじまったのは事実のようだ。
米国は、この先も軍事援助を続けるだろうけど、そのコストは上昇する。
ウクライナ側の被害も増大するに違いない。
もちろん、併合された地域の被害も。
いわゆるロシア本土だって、動員によって兵士の被害が増えるばかりだ。
が、悪いことばかりとは限らない。
良かれ悪しかれ、一定の境界線が敷かれる。
軍事的に流動性が高い状況には変わりないけど、人為的な「国境」が制定されれば、停戦や休戦に際しての基準を与えることになる。
おそらく、ロシアもドンバス地域から先に、どこまでも進軍したいわけではないだろう(未確認)。
やりたいことをやり尽くせば、どこかで止まる。
ウクライナとしては、そこで線引きされてはたまったもんじゃないけど、兵力の損耗には限度があるからな。
こちらも、どこかで止まる動機はあるはずだ(うーん、未確認・・・)。
西側も、そのことは分かっていて、併合を正当化して国境線として認めることはないだろうけど、ロシアがそこを停戦ラインとして使うかも知れないという期待はある。
戦況による流動性に、一定の縛りを掛ける効果が期待される。
ひょっとすると、この時期にウクライナが反転攻勢をかけたのは、逆に、そのことを意識してのことかも知れない。
停戦するなら、なるべく有利な状況で行いたいわけだからな。
ゼレンスキーは相変わらず好戦的だが、政権内には冷静に状況を見ている人もいるんだろう。
ロシアの反応は、想定の範囲内だ。
冬を前にして、戦闘は新たな膠着状態を迎えることになる。
誰が何を行ったか「だけ」ではなく、何がどうなっているか。
情報戦も含めて、21世紀の戦争は総合戦だ。
「舌戦」と局地的状況だけでは見えてこないものを見ていかなければ、先は見えない。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
米国は、併合後もその地域への攻撃を認めるだろうか?。
認めなければ、外交的敗北になる(事実上、併合を許したことになるからな)。
認めれば、ロシアとの全面核戦争を覚悟することになる(そうなのかあ?)。
もちろん、公式に併合を認めることはない。
8年前に一方的に併合されたクリミアだって、今でもロシアの領土として国際的に認められているとは言えないけど、米国は表立っての攻撃を許していない(たまに、ミサイル飛ばしちゃってますけど)。
併合されたドンバス地域には、今後、大規模な攻撃は控えるようにウクライナ側に圧力が掛かる。
現政権は、その地域の奪還を錦の御旗にして誕生した。
ロシアの軍事侵攻を受けて立ち、壊滅的敗走をせずに踏み止まっているのは見事だが、それを支えているのは西側(主に米国)だ。
併合されれば、ロシアにはそれに応じた統治のコストを支払う名目が立つ。
そこは、民族の血を流して死守する国土となる。
ロシアは、少なくともプーチン政権は、その覚悟を固めたということなわけだ。
今後、併合されたドンバス地域への攻撃がどうなるかが注目だな。
米国は、ウクライナを上手く説得できるだろうか?。
供給するミサイルの到達距離を調整する程度で、コントロールできるんだろうか?。
もし出来なければ、状況はさらに悪化する。
核兵器の使用も辞さない構えの、ロシアの暴走を止めることはできなくなるかもしれない。
浮沈子は、正義派じゃない。
一刻も早い停戦と、一日でも長い休戦が必要だと感じている。
ロシアが犯した戦争犯罪は断固として裁かれるべきだろうが、それは戦場で行われるべきじゃない。
経済制裁は、そもそも戦争回避や休戦に向けての環境づくりのためのもので、世界経済を停滞させるためのものじゃない。
浮沈子の妄想の中では、米国が許したロシアの軍事侵攻という構図になっている。
米国兵士を一兵たりとも失うことなく、ロシアの勢力を長期に渡って削ぐための仕掛け。
そこで犠牲となっていくウクライナとロシアの兵士、住民、世界経済。
振り回され続ける欧州は、いい面の皮だ。
用が済めば(ロシアに相応の対価を支払わせれば)、米国はバルブを閉める。
ウクライナに勝ち目はない。
バルブを閉められたウクライナはどうするんだろうな・・・。
(ウクライナの支配地域でロシア編入へ向け住民投票の実施発表)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220920/k10013828831000.html
「東部ドネツク州の親ロシア派の指導者プシリン氏は8月、住民投票はロシア軍が州全域を掌握したあとに実施する意向を表明していた」
ははあ、そういういきさつがあったわけだ・・・。
「方針の変更を認めたうえで、親ロシア派の支配地域以外の住民も投票に参加させる考え」
もう、むちゃくちゃ・・・。
西側が指摘しているように、ロシアは焦っている。
以前にも書いたけど、戦場で戦争で兵士を死なせるためには、国土を守るという大義がなければならない。
編入によりロシア領内ということになれば(国際的に承認されるかどうかは別としても)、国土を守る大義が生まれる。
「プーチン大統領がロシアの予備役をさらに動員しようとしているという報告もある」
両者は密接に関連していて、併合されれば状況は一変する。
「もし住民投票が進められ、ロシアがウクライナの領土の併合をもくろんでいるのなら、アメリカは決して認めることはない。国連憲章を支持する他の国々にとっても、それを明確にすることは非常に重要だ」
米国は、そこんとこ、ちゃんと分かっている。
ウクライナの反転攻勢がロシアの焦りを生み、結果的に併合を促すことに繋がっている。
併合されれば、ロシアとしてはウクライナ側の奪還の動きをロシア国内に対する攻撃であるとして、領土保全の大義を発動することが出来る。
まあ、ごり押し無理筋身勝手極まりない話ではある。
が、屁理屈も理屈のうちだ。
少なくとも、ロシア国内に対するエクスキューズにはなる。
これまで、特殊軍事作戦というワケワカのシナリオで動かざるを得なかったけど、これからは国土防衛戦争なわけだからな。
予備役動員でも徴兵でも何でもアリだろう(そうなのかあ?)。
ロシアは、以前から、領土が脅かされれば核兵器の使用も辞さずと明言している。
今回も、そのことを確認している。
ホントかウソかは別にして、西側による核兵器による恫喝を受けたとも言っているしな。
ウクライナへの援助が一線を越えたとか・・・。
ハチャメチャの状況設定は、もちろん、国内向けのプロパガンダだろうけど、ウソも100回繰り返せばホントに聞こえるかもしれない。
膠着状態を続けていれば、この状況はもう少し先になるはずだったんだろうが、ウクライナの反抗で時期が早まった形だ。
尻尾踏んじまったのは事実のようだ。
米国は、この先も軍事援助を続けるだろうけど、そのコストは上昇する。
ウクライナ側の被害も増大するに違いない。
もちろん、併合された地域の被害も。
いわゆるロシア本土だって、動員によって兵士の被害が増えるばかりだ。
が、悪いことばかりとは限らない。
良かれ悪しかれ、一定の境界線が敷かれる。
軍事的に流動性が高い状況には変わりないけど、人為的な「国境」が制定されれば、停戦や休戦に際しての基準を与えることになる。
おそらく、ロシアもドンバス地域から先に、どこまでも進軍したいわけではないだろう(未確認)。
やりたいことをやり尽くせば、どこかで止まる。
ウクライナとしては、そこで線引きされてはたまったもんじゃないけど、兵力の損耗には限度があるからな。
こちらも、どこかで止まる動機はあるはずだ(うーん、未確認・・・)。
西側も、そのことは分かっていて、併合を正当化して国境線として認めることはないだろうけど、ロシアがそこを停戦ラインとして使うかも知れないという期待はある。
戦況による流動性に、一定の縛りを掛ける効果が期待される。
ひょっとすると、この時期にウクライナが反転攻勢をかけたのは、逆に、そのことを意識してのことかも知れない。
停戦するなら、なるべく有利な状況で行いたいわけだからな。
ゼレンスキーは相変わらず好戦的だが、政権内には冷静に状況を見ている人もいるんだろう。
ロシアの反応は、想定の範囲内だ。
冬を前にして、戦闘は新たな膠着状態を迎えることになる。
誰が何を行ったか「だけ」ではなく、何がどうなっているか。
情報戦も含めて、21世紀の戦争は総合戦だ。
「舌戦」と局地的状況だけでは見えてこないものを見ていかなければ、先は見えない。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
米国は、併合後もその地域への攻撃を認めるだろうか?。
認めなければ、外交的敗北になる(事実上、併合を許したことになるからな)。
認めれば、ロシアとの全面核戦争を覚悟することになる(そうなのかあ?)。
もちろん、公式に併合を認めることはない。
8年前に一方的に併合されたクリミアだって、今でもロシアの領土として国際的に認められているとは言えないけど、米国は表立っての攻撃を許していない(たまに、ミサイル飛ばしちゃってますけど)。
併合されたドンバス地域には、今後、大規模な攻撃は控えるようにウクライナ側に圧力が掛かる。
現政権は、その地域の奪還を錦の御旗にして誕生した。
ロシアの軍事侵攻を受けて立ち、壊滅的敗走をせずに踏み止まっているのは見事だが、それを支えているのは西側(主に米国)だ。
併合されれば、ロシアにはそれに応じた統治のコストを支払う名目が立つ。
そこは、民族の血を流して死守する国土となる。
ロシアは、少なくともプーチン政権は、その覚悟を固めたということなわけだ。
今後、併合されたドンバス地域への攻撃がどうなるかが注目だな。
米国は、ウクライナを上手く説得できるだろうか?。
供給するミサイルの到達距離を調整する程度で、コントロールできるんだろうか?。
もし出来なければ、状況はさらに悪化する。
核兵器の使用も辞さない構えの、ロシアの暴走を止めることはできなくなるかもしれない。
浮沈子は、正義派じゃない。
一刻も早い停戦と、一日でも長い休戦が必要だと感じている。
ロシアが犯した戦争犯罪は断固として裁かれるべきだろうが、それは戦場で行われるべきじゃない。
経済制裁は、そもそも戦争回避や休戦に向けての環境づくりのためのもので、世界経済を停滞させるためのものじゃない。
浮沈子の妄想の中では、米国が許したロシアの軍事侵攻という構図になっている。
米国兵士を一兵たりとも失うことなく、ロシアの勢力を長期に渡って削ぐための仕掛け。
そこで犠牲となっていくウクライナとロシアの兵士、住民、世界経済。
振り回され続ける欧州は、いい面の皮だ。
用が済めば(ロシアに相応の対価を支払わせれば)、米国はバルブを閉める。
ウクライナに勝ち目はない。
バルブを閉められたウクライナはどうするんだろうな・・・。
🐱SLS:アルテミス1:充填テスト終了 ― 2022年09月23日 09:50
SLS:アルテミス1:充填テスト終了
(Artemis 極低温デモンストレーション テストが終了し、すべての目的が達成されました)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/09/21/artemis-cryogenic-demonstration-test-concludes-all-objectives-met/
「デモンストレーションの 4 つの主な目的には、前回の打ち上げ試行で特定された水素漏れに対処するための修理の評価、新しい手順を使用したロケットのタンクへの推進剤の装填、キックスタート ブリードの実施、および事前加圧テストの実施が含まれていました。」
「チームは、次の打ち上げの機会に進む準備ができていることを確認する前に、天候やその他の要因とともに、テストからのデータを評価します。」
名目上、打ち上げがいつになるかは明確にされていない。
例の、自爆システムのバッテリーの期限切れの問題があるからな。
が、一応、来週9月27日というスケジュールは維持されている。
(NASA が月面ロケット Artemis 1 の極低温タンク試験を完了)
https://spaceflightnow.com/2022/09/21/nasa-completes-cryogenic-tanking-test-on-artemis-1-moon-rocket/
「チームは、水曜日の早い段階で水素アンビリカル接続の漏れを再び検出」
「水素濃度はクイック ディスコネクト フィッティングの周囲で 7% に急上昇」
「水素の流れを止めてラインを暖め、低圧で燃料の装填を再開」
「水素濃度はほとんどのタンキング テストで 1% 未満のまま」
「熱調整のためにコア ステージ エンジンに超低温の液体水素を送り始めたため、水素が一時的に 3.4% に急上昇」
「タンクテストの後半に、より小さい 4 インチのブリードラインにある別の水素クイックディスコネクトフィッティングも漏れました。」(アルスの別記事(ロケットリポート)によれば、プリプレステスト中で、5パーセントの濃度になったとのこと:テストは続行され、濃度は下がったようです。)
ほほう、低圧注入時の最初の漏れ以外にも、リークがあったわけだ。
「9月21日のタンキングテストでは、4つのプロペラントタンクすべてが装填され、水曜日の午後に予定より約1時間半遅れて終了しました。」
この1時間半の遅れの内容が問題だな。
最初のリークの際には、トラブルシューティングのために1時間程度の遅れが出ている。
「次の機会は次の火曜日、9 月 27 日、午前 11 時 37 分 EDT (1537 GMT) に開始する 70 分のウィンドウが利用可能になります。」
打ち上げウインドウは、70分とある。
原因は特定されていないけれど、同じ様なリークが生じて対応に手間取ることがあれば、ウインドウ内に収まらないことになるからな。
「宇宙機関はまた、SLS月ロケットの飛行終了システムのバッテリーの射程の認証を延長する要求について、米国宇宙軍のイースタンレンジと協力し続けています。」
協力か・・・。
ものは言いようだな。
「NASA が 9 月下旬から 10 月上旬に試行を進めるためには、最初は 20 日間、その後 25 日間に延長され、現在は少なくとも 45 日間をカバーする必要」
「バッテリー認証の延長を承認しない場合、NASA は SLS 月ロケットを車両組立棟に戻す必要があり、アルテミス 1 の打ち上げ日は 10 月または 11 月の後半に延期」
やれやれ・・・。
低圧充填時のトラブルシューティングに成功したのはラッキーだった。
ここで上手くいかなければ、まず間違いなくVABに戻されていただろう。
それにしても、同じ様にシールを交換した4インチのコネクターの方からの漏れがあったというのは気になる。
水素のリークの問題は、充填手順を改良しても、根本的に解決したわけじゃないってことなわけだ。
まあいい。
充填テストは、一応、成功裏に終わった。
が、こんなのは、WDR段階の話だからな。
前にも書いたけど、自爆システムを装着して、打ち上げを前提とした発射台上で行われる話じゃない。
スペースシャトルの時のように、水素漏れで毎回のように打ち上げ延期が繰り返されることになりそうな予感がする。
数機あったシャトルは、再使用もしていて年に何度もうち上げられていたけど、SLSはせいぜい2年に1度だからな。
前回どうだったかは忘れられちまうに違いない(そんなあ!)。
ともあれ、テストの評価が出てOKということなら、バッテリーの寿命が問題になる。
ここでOKが出れば、27日の打ち上げに向けて、準備が整うことになる。
ダメなら、VAB送り。
紆余曲折は続き、アルテミス1は晒し者になり続けている。
NASAは、10月2日の打ち上げも候補にしているようだしな。
「バックアップ打ち上げの機会は暫定的に 10 月 2 日に設定されています。」
少なくとも、バッテリーがOKということなら、この間は発射台に留まることになる。
「現在の打ち上げ期間は 10 月 4 日に終了しますが、地球を周回する軌道上の月の位置により、ミッション プロファイルが不可能になります。次のローンチ期間は 10 月 17 日に始まり、2 週間続きます。その後、11 月 12 日から別の一連のローンチ日が利用可能になります。」
VABに戻して、一連の不具合(3番エンジンの温度センサーとコアステージ水素タンクのダンプバルブは未交換のまま:他にも山のようにあるだろう)を修理交換して出直す方がいいに決まっているけど、ガタガタ揺らせば、また不具合を抱え込む可能性もある。
進むもトラブル、退くもトラブル。
どこまで続く泥濘ぞ・・・。
(Artemis 極低温デモンストレーション テストが終了し、すべての目的が達成されました)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/09/21/artemis-cryogenic-demonstration-test-concludes-all-objectives-met/
「デモンストレーションの 4 つの主な目的には、前回の打ち上げ試行で特定された水素漏れに対処するための修理の評価、新しい手順を使用したロケットのタンクへの推進剤の装填、キックスタート ブリードの実施、および事前加圧テストの実施が含まれていました。」
「チームは、次の打ち上げの機会に進む準備ができていることを確認する前に、天候やその他の要因とともに、テストからのデータを評価します。」
名目上、打ち上げがいつになるかは明確にされていない。
例の、自爆システムのバッテリーの期限切れの問題があるからな。
が、一応、来週9月27日というスケジュールは維持されている。
(NASA が月面ロケット Artemis 1 の極低温タンク試験を完了)
https://spaceflightnow.com/2022/09/21/nasa-completes-cryogenic-tanking-test-on-artemis-1-moon-rocket/
「チームは、水曜日の早い段階で水素アンビリカル接続の漏れを再び検出」
「水素濃度はクイック ディスコネクト フィッティングの周囲で 7% に急上昇」
「水素の流れを止めてラインを暖め、低圧で燃料の装填を再開」
「水素濃度はほとんどのタンキング テストで 1% 未満のまま」
「熱調整のためにコア ステージ エンジンに超低温の液体水素を送り始めたため、水素が一時的に 3.4% に急上昇」
「タンクテストの後半に、より小さい 4 インチのブリードラインにある別の水素クイックディスコネクトフィッティングも漏れました。」(アルスの別記事(ロケットリポート)によれば、プリプレステスト中で、5パーセントの濃度になったとのこと:テストは続行され、濃度は下がったようです。)
ほほう、低圧注入時の最初の漏れ以外にも、リークがあったわけだ。
「9月21日のタンキングテストでは、4つのプロペラントタンクすべてが装填され、水曜日の午後に予定より約1時間半遅れて終了しました。」
この1時間半の遅れの内容が問題だな。
最初のリークの際には、トラブルシューティングのために1時間程度の遅れが出ている。
「次の機会は次の火曜日、9 月 27 日、午前 11 時 37 分 EDT (1537 GMT) に開始する 70 分のウィンドウが利用可能になります。」
打ち上げウインドウは、70分とある。
原因は特定されていないけれど、同じ様なリークが生じて対応に手間取ることがあれば、ウインドウ内に収まらないことになるからな。
「宇宙機関はまた、SLS月ロケットの飛行終了システムのバッテリーの射程の認証を延長する要求について、米国宇宙軍のイースタンレンジと協力し続けています。」
協力か・・・。
ものは言いようだな。
「NASA が 9 月下旬から 10 月上旬に試行を進めるためには、最初は 20 日間、その後 25 日間に延長され、現在は少なくとも 45 日間をカバーする必要」
「バッテリー認証の延長を承認しない場合、NASA は SLS 月ロケットを車両組立棟に戻す必要があり、アルテミス 1 の打ち上げ日は 10 月または 11 月の後半に延期」
やれやれ・・・。
低圧充填時のトラブルシューティングに成功したのはラッキーだった。
ここで上手くいかなければ、まず間違いなくVABに戻されていただろう。
それにしても、同じ様にシールを交換した4インチのコネクターの方からの漏れがあったというのは気になる。
水素のリークの問題は、充填手順を改良しても、根本的に解決したわけじゃないってことなわけだ。
まあいい。
充填テストは、一応、成功裏に終わった。
が、こんなのは、WDR段階の話だからな。
前にも書いたけど、自爆システムを装着して、打ち上げを前提とした発射台上で行われる話じゃない。
スペースシャトルの時のように、水素漏れで毎回のように打ち上げ延期が繰り返されることになりそうな予感がする。
数機あったシャトルは、再使用もしていて年に何度もうち上げられていたけど、SLSはせいぜい2年に1度だからな。
前回どうだったかは忘れられちまうに違いない(そんなあ!)。
ともあれ、テストの評価が出てOKということなら、バッテリーの寿命が問題になる。
ここでOKが出れば、27日の打ち上げに向けて、準備が整うことになる。
ダメなら、VAB送り。
紆余曲折は続き、アルテミス1は晒し者になり続けている。
NASAは、10月2日の打ち上げも候補にしているようだしな。
「バックアップ打ち上げの機会は暫定的に 10 月 2 日に設定されています。」
少なくとも、バッテリーがOKということなら、この間は発射台に留まることになる。
「現在の打ち上げ期間は 10 月 4 日に終了しますが、地球を周回する軌道上の月の位置により、ミッション プロファイルが不可能になります。次のローンチ期間は 10 月 17 日に始まり、2 週間続きます。その後、11 月 12 日から別の一連のローンチ日が利用可能になります。」
VABに戻して、一連の不具合(3番エンジンの温度センサーとコアステージ水素タンクのダンプバルブは未交換のまま:他にも山のようにあるだろう)を修理交換して出直す方がいいに決まっているけど、ガタガタ揺らせば、また不具合を抱え込む可能性もある。
進むもトラブル、退くもトラブル。
どこまで続く泥濘ぞ・・・。
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