またかよ! ― 2014年06月23日 01:24
またかよ!
(【ニュル24時間 2014】アウディ R8が総合優勝、日本勢はトヨタ/レクサス勢が3クラス優勝)
http://response.jp/article/2014/06/22/225975.html
「GAZOO Racingは出場した3台全てがクラス優勝を飾った。今回は急きょ参戦が決まり「MORIZO」でエントリーしたトヨタの豊田章男社長が残り40分を切ったところで48号車のアンカードライバーを担当。53号車の飯田、そして86号車の影山と3台並んで堂々とチェッカーを受けた。」
それはいいんですが、優勝はまたもアウディ。
「順位:ゼッケン:レーシングチーム:クラス:メーカー:
・0001:4:Phoenix Racing:SP 9 GT3:アウディ
・0002:1:Black Falcon Team Reissdorf Alkoholfrei:SP 9 GT3:ベンツ
・0003:22:Rowe Racing:SP 9 GT3:ベンツ
・0004:44:Falken Motorsports:SP 9 GT3:ポルシェ
・0005:7:Aston Martin Racing:SP 9 GT3:アストン
・0006:20:BMW Sports Trophy Team Schubert:SP 9 GT3:BMW」
スバルは健闘むなしく、クラス4位。
耐久レースを走りぬくというのは、簡単なことではない。
ルマンしかり、ニュルしかり。
アウディは、また勝ってしまった。
(ニュル24時間は4号車が制す! アウディ24時間連勝)
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=57771
「第42回ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、20万5000人のファンが見守る中で現地時間の16時にチェッカーを迎え、序盤から上位を争ったクリストファー・ハッセ/クリスチャン・マメロウ/レネ・ラスト/マーカス・ビンケルホック組4号車アウディR8 LMSウルトラが三つ巴の戦いを制し優勝。アウディは前週のル・マンに続き、24時間レース連勝を飾った。」
この記事の中に、全長23km超とある。
(ニュルブルクリンクとは)
http://nurburgring.jp/about/index.html#01
「ドイツの空の玄関口・フランクフルト空港から北西方向に約150km走ったところにある、全長25km (北コース20km、GPコース5km)におよぶ数多くの伝説を持ったサーキットです。」
(ニュル24hレース 概要)
http://nurburgring.jp/about/info/index.html
「一周25kmのコース長はル・マンの約13kmの倍以上で、しかも道幅が狭く起伏に富んだ過酷なコースを走るため、ゴールした順位に関わらず完走しただけで賞賛が与えられます。」
ははあ、レースではグランプリコースも走るわけだ。
しかし、23kmというのは、どこから出てきたのか不明であるな。
まあいい。
この記事は、2011年の記事なので、今回は変わっているのかもしれない。
いろいろ見ていくと、注目すべき記事があった。
(アウトバーンとドイツの交通事情)
http://nurburgring.jp/special/column/vol1/index.html
「左ハンドルのマニュアル車で、速度無制限の道路をアクセル全開で走行する。アウトバーンを走るだけで、かなり日本の日常から離れた経験を満喫できます。」
まあ、リッター200円位のガソリン価格だから、無闇に床まで踏むわけにはいかない。
そうか、ミュンヘンからルマンに行って、そこからフランクフルトに行けば、24時間レースのハシゴができるわけだ(しません!)。
だれが、アウディばっか勝つレースをみたいもんか。
まあ、どうでもいいんですが。
ルマンは現地で、ニュルはネットで観戦した。
パソコン2台を付けっぱなしにして、二元ナマ中継を楽しんだ。
刻々と変わる順位をチェックしながら、一喜一憂するのも楽しい。
でもねえ、ツーリングカーのレースじゃあ、浮沈子は盛り上がらないんだよなあ。
トヨタがクラス優勝して、社長の溜飲も少しは下がったんじゃないのか。
チェッカーも受けたし。
浮沈子は、LFAは別にして、86って、そんなにスポーティーな感じがするとは思えなかったんだが。
最近、マイナーチェンジして、少し乗りやすくなったらしい。
試乗の時は、確かにフロントの重心の低さを感じたが、どっちか選べといわれれば、迷うことなくボクスターを選ぶ。
ほとんどドイツのローカルレースだが、日本車やイギリス車、韓国車まで参加して盛り上がっている。
こんなレースがあっても楽しい。
まあ、実際には見に行くことはないだろうから、来年もルマンから帰国してネット観戦だな。
(【ニュル24時間 2014】アウディ R8が総合優勝、日本勢はトヨタ/レクサス勢が3クラス優勝)
http://response.jp/article/2014/06/22/225975.html
「GAZOO Racingは出場した3台全てがクラス優勝を飾った。今回は急きょ参戦が決まり「MORIZO」でエントリーしたトヨタの豊田章男社長が残り40分を切ったところで48号車のアンカードライバーを担当。53号車の飯田、そして86号車の影山と3台並んで堂々とチェッカーを受けた。」
それはいいんですが、優勝はまたもアウディ。
「順位:ゼッケン:レーシングチーム:クラス:メーカー:
・0001:4:Phoenix Racing:SP 9 GT3:アウディ
・0002:1:Black Falcon Team Reissdorf Alkoholfrei:SP 9 GT3:ベンツ
・0003:22:Rowe Racing:SP 9 GT3:ベンツ
・0004:44:Falken Motorsports:SP 9 GT3:ポルシェ
・0005:7:Aston Martin Racing:SP 9 GT3:アストン
・0006:20:BMW Sports Trophy Team Schubert:SP 9 GT3:BMW」
スバルは健闘むなしく、クラス4位。
耐久レースを走りぬくというのは、簡単なことではない。
ルマンしかり、ニュルしかり。
アウディは、また勝ってしまった。
(ニュル24時間は4号車が制す! アウディ24時間連勝)
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=57771
「第42回ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、20万5000人のファンが見守る中で現地時間の16時にチェッカーを迎え、序盤から上位を争ったクリストファー・ハッセ/クリスチャン・マメロウ/レネ・ラスト/マーカス・ビンケルホック組4号車アウディR8 LMSウルトラが三つ巴の戦いを制し優勝。アウディは前週のル・マンに続き、24時間レース連勝を飾った。」
この記事の中に、全長23km超とある。
(ニュルブルクリンクとは)
http://nurburgring.jp/about/index.html#01
「ドイツの空の玄関口・フランクフルト空港から北西方向に約150km走ったところにある、全長25km (北コース20km、GPコース5km)におよぶ数多くの伝説を持ったサーキットです。」
(ニュル24hレース 概要)
http://nurburgring.jp/about/info/index.html
「一周25kmのコース長はル・マンの約13kmの倍以上で、しかも道幅が狭く起伏に富んだ過酷なコースを走るため、ゴールした順位に関わらず完走しただけで賞賛が与えられます。」
ははあ、レースではグランプリコースも走るわけだ。
しかし、23kmというのは、どこから出てきたのか不明であるな。
まあいい。
この記事は、2011年の記事なので、今回は変わっているのかもしれない。
いろいろ見ていくと、注目すべき記事があった。
(アウトバーンとドイツの交通事情)
http://nurburgring.jp/special/column/vol1/index.html
「左ハンドルのマニュアル車で、速度無制限の道路をアクセル全開で走行する。アウトバーンを走るだけで、かなり日本の日常から離れた経験を満喫できます。」
まあ、リッター200円位のガソリン価格だから、無闇に床まで踏むわけにはいかない。
そうか、ミュンヘンからルマンに行って、そこからフランクフルトに行けば、24時間レースのハシゴができるわけだ(しません!)。
だれが、アウディばっか勝つレースをみたいもんか。
まあ、どうでもいいんですが。
ルマンは現地で、ニュルはネットで観戦した。
パソコン2台を付けっぱなしにして、二元ナマ中継を楽しんだ。
刻々と変わる順位をチェックしながら、一喜一憂するのも楽しい。
でもねえ、ツーリングカーのレースじゃあ、浮沈子は盛り上がらないんだよなあ。
トヨタがクラス優勝して、社長の溜飲も少しは下がったんじゃないのか。
チェッカーも受けたし。
浮沈子は、LFAは別にして、86って、そんなにスポーティーな感じがするとは思えなかったんだが。
最近、マイナーチェンジして、少し乗りやすくなったらしい。
試乗の時は、確かにフロントの重心の低さを感じたが、どっちか選べといわれれば、迷うことなくボクスターを選ぶ。
ほとんどドイツのローカルレースだが、日本車やイギリス車、韓国車まで参加して盛り上がっている。
こんなレースがあっても楽しい。
まあ、実際には見に行くことはないだろうから、来年もルマンから帰国してネット観戦だな。
二度あることは ― 2014年06月23日 07:09
二度あることは
(スペースX社、ファルコン9の打ち上げをさらに延期 日本時間23日朝に)
http://www.sorae.jp/030807/5215.html
「オーブコム社によれば、新しい打ち上げ日時は、約24時間後の2014年6月22日17時30分(同2014年6月23日6時30分)に設定されたとされる。」
「だが、米空軍が提供する気象情報によれば、同時間帯の天候は、雲が広く立ち込め、降水確率は60%、雷が発生する確率は60%となっており、再び延期される可能性は高い。」
どうせ、生中継はないんだろうから、明日の朝は寝坊しよう。
(OG2 Launch)
http://www.orbcomm.com/networks/og2-launch
ーーーー
案の定、起きて見たら、延期になっていた(また、天気のせいにするのかあ?)。
(Orbcomm OG2 | Falcon 9 Satellite Launch)
http://www.spacex.com/webcast/
「Launch Update
Today's ORBCOMM launch attempt has been scrubbed to address a potential concern identified during pre-flight checks. The vehicle and payload are in good condition, and engineering teams will take the extra time to ensure the highest possible level of mission assurance prior to flight. The rocket will remain vertical on the launch pad with the next available launch opportunity targeting Tuesday, June 24th.」
しかし、近接する打ち上げ機会を狙っているので、状況としては悪くない。
衛星という高価な荷物を確実に軌道に届けるために、最良の条件を模索するのは健全だ。
我々のような、単なるファンは、ぶつくさ言わずに、大人しく待っているのが良い。
しかし、まあ、今回の打ち上げは延期が多いな。
浮沈子が知る限り、現地時間の金曜日夕方に2回(2段目の燃料タンクの圧力変動のため)、土曜日に1回(天候不順)、そして、日曜日に1回(???)である。
その都度、一喜一憂して、恨んだり呪ったりしている。
浮沈子は、オーブコムの衛星のことは、どうでもよろしい。
2段目を分離した後に、第1段目の回収を行うための実験がどうなるのか、そちらが気になるのだ。
使い捨てロケットの回収、再使用という、素人が考えそうな、しかし、実際に行うことになれば、様々な問題が発生してなかなか実現しない困難な方法に、敢えてチャレンジし続けるスペースXの姿勢に1票であるな。
この一事がなければ、浮沈子がこの会社に注目することはなかった。
枯れた技術を高い生産性で用いる、格安打ち上げ会社の一つとしてしか見ていなかったであろう。
打ち上げロケットの再利用は、妥当なコストで整備、再使用できれば、打ち上げコストの劇的な削減に繋がり、宇宙へのアクセスを飛躍的に容易にする。
しかも、ファルコン9の場合、無人ペイロードだけではなく、有人の宇宙船にも対応しているのだ。
我が国でも、昔、能代で実験が行われていたが、現在再使用ロケットの開発が具体的に行われているということはない。
また、ヴァージンギャラクティックの空中発射システムのように、航空機搭載の滑空型の打ち上げシステムの開発もない。
米国のように、毎週のように衛星を打ち上げるほどの需要がなく、海外の衛星打ち上げを獲得する市場競争力もないのだ(例外的に、相乗りや戦略的な好条件を提示して獲得した例はある)。
完全使い捨てでは、コスト削減にも限界があるし、だいたいもったいない!。
これからの宇宙開発を考えた時に、ロケットの再使用というのは、避けて通れない道なのではないか。
スペースXが成功した暁には、他の打ち上げシステムとは次元が違うコスト削減を実現することになる。
市場にとって、それは脅威だ。
現在60億円程度で打ち上げられている同社の低軌道サービスを、一気に10分の1程度に押し下げる可能性がある。
話半分として、10億円で上がるとしても、もう、イプシロンなどの出る幕はない。
そもそも、ハイブリッドではない単純な個体燃料ロケットの場合、原理的に回収、再使用は出来ない。
米国には、薄利多売で商売しても、十分成り立つための需要があるようだし、これからは、衛星を打ち上げて稼ぐ商売がどんどん出てくるだろう。
衛星の大量生産、大量消費の時代が確実にやってくる。
軌道上の衛星を管理したり、通信を行ったりする産業や、安全確実に廃棄したりすることも重要になってくる。
そうなったら、その方面のビジネスも拡大するだろうし、単独ではなく、衛星のコンステレーションを活用したグローバルなシステムの需要も普遍化するに違いない。
たまたま、今回の打ち上げは、M2Mを行っているオーブコムの衛星群だが、世界を繋ぐ通信システムがもっと手軽に構築できれば、航空機や船舶でのサービスは、飛躍的に向上する。
海の上、空の上でのインターネットサービスの貧困さは、浮沈子が痛感するところだ。
高頻度の地上画像の配信にしても、グーグルアースのような静止画像ではなく、リアルタイムの動画での配信になるかもしれない。
誰もいない砂漠とか、地球の7割を占める海の上でも、リアルタイムの動画で見られるようになる。
地上だけではない。
大気の影響がない地球周回軌道上での天文台が当たり前になり、その映像をリアルタイムで活用できるようになる。
プラネタリウムで投影されるのは、フィルムに開けた穴ではなくて、今、この瞬間に衛星天文台が捉えた星象ということになる。
技術の進歩、コストの削減、その果実の大衆化の果てに、一体何が待っているのか。
浮沈子が願うのは、地上の平和である。
国境などない宇宙空間での認識が、インターネットを通して共有されれば、地上の軍隊を動員して、地べたを取りっこする戦争のアホらしさが実感できようというものだ。
まあ、それは、あくまで希望的観測に過ぎず、衛星同士を取り合う宇宙戦争の時代が訪れるかも知れず、衛星の衝突など、新たな問題を引き起こす可能性もある。
それでも、21世紀の半ばに向けて、グローバルレベルで宇宙の認識が広まれば、グーテンベルグ以来の啓蒙革命が起こる可能性がある。
意図するとせざるとに関わらず、何らかのバイアスがかかった情報に頼るしかなかった宇宙象(地球象)が、リアルタイムに、安価に、誰にでも手に入れられるようになれば、地上は変わっていくに違いない。
為政者のコントロールを離れた情報の氾濫が何をもたらすのか、それは誰にも分からない。
新たにその情報をコントロールしようとする勢力の台頭を招くことになるのかもしれない。
しかし、一度開かれたパンドラの箱(壷?)を閉じることは出来まい。
それが、人類文明の新たな段階であり、地上から宇宙を見てきた目を、根本的に転換する契機となる。
いつ爆発するか分からないロケットなどという物騒なものに乗って、宇宙旅行をしたいなどとは今のところ考えてはいないが、もちっと安全に、安価になったら考えないでもない。
地表にへばりついて、たまに1万メートルに上がったり、20mくらい水中に潜ったりするだけではなく、大気の海の底から出て、澄んだ宇宙の彼方をこの目で見るのもいいかもしれない。
真の静謐と、真の孤独。
それが、単なる夢ではなくなる時代に我々は生きている。
その時代を開く技術の一つとして、打ち上げロケットの回収、再使用を見るとき、浮沈子は胸が熱くなって仕方がない。
明後日の打ち上げが成功することを願おう!。
(スペースX社、ファルコン9の打ち上げをさらに延期 日本時間23日朝に)
http://www.sorae.jp/030807/5215.html
「オーブコム社によれば、新しい打ち上げ日時は、約24時間後の2014年6月22日17時30分(同2014年6月23日6時30分)に設定されたとされる。」
「だが、米空軍が提供する気象情報によれば、同時間帯の天候は、雲が広く立ち込め、降水確率は60%、雷が発生する確率は60%となっており、再び延期される可能性は高い。」
どうせ、生中継はないんだろうから、明日の朝は寝坊しよう。
(OG2 Launch)
http://www.orbcomm.com/networks/og2-launch
ーーーー
案の定、起きて見たら、延期になっていた(また、天気のせいにするのかあ?)。
(Orbcomm OG2 | Falcon 9 Satellite Launch)
http://www.spacex.com/webcast/
「Launch Update
Today's ORBCOMM launch attempt has been scrubbed to address a potential concern identified during pre-flight checks. The vehicle and payload are in good condition, and engineering teams will take the extra time to ensure the highest possible level of mission assurance prior to flight. The rocket will remain vertical on the launch pad with the next available launch opportunity targeting Tuesday, June 24th.」
しかし、近接する打ち上げ機会を狙っているので、状況としては悪くない。
衛星という高価な荷物を確実に軌道に届けるために、最良の条件を模索するのは健全だ。
我々のような、単なるファンは、ぶつくさ言わずに、大人しく待っているのが良い。
しかし、まあ、今回の打ち上げは延期が多いな。
浮沈子が知る限り、現地時間の金曜日夕方に2回(2段目の燃料タンクの圧力変動のため)、土曜日に1回(天候不順)、そして、日曜日に1回(???)である。
その都度、一喜一憂して、恨んだり呪ったりしている。
浮沈子は、オーブコムの衛星のことは、どうでもよろしい。
2段目を分離した後に、第1段目の回収を行うための実験がどうなるのか、そちらが気になるのだ。
使い捨てロケットの回収、再使用という、素人が考えそうな、しかし、実際に行うことになれば、様々な問題が発生してなかなか実現しない困難な方法に、敢えてチャレンジし続けるスペースXの姿勢に1票であるな。
この一事がなければ、浮沈子がこの会社に注目することはなかった。
枯れた技術を高い生産性で用いる、格安打ち上げ会社の一つとしてしか見ていなかったであろう。
打ち上げロケットの再利用は、妥当なコストで整備、再使用できれば、打ち上げコストの劇的な削減に繋がり、宇宙へのアクセスを飛躍的に容易にする。
しかも、ファルコン9の場合、無人ペイロードだけではなく、有人の宇宙船にも対応しているのだ。
我が国でも、昔、能代で実験が行われていたが、現在再使用ロケットの開発が具体的に行われているということはない。
また、ヴァージンギャラクティックの空中発射システムのように、航空機搭載の滑空型の打ち上げシステムの開発もない。
米国のように、毎週のように衛星を打ち上げるほどの需要がなく、海外の衛星打ち上げを獲得する市場競争力もないのだ(例外的に、相乗りや戦略的な好条件を提示して獲得した例はある)。
完全使い捨てでは、コスト削減にも限界があるし、だいたいもったいない!。
これからの宇宙開発を考えた時に、ロケットの再使用というのは、避けて通れない道なのではないか。
スペースXが成功した暁には、他の打ち上げシステムとは次元が違うコスト削減を実現することになる。
市場にとって、それは脅威だ。
現在60億円程度で打ち上げられている同社の低軌道サービスを、一気に10分の1程度に押し下げる可能性がある。
話半分として、10億円で上がるとしても、もう、イプシロンなどの出る幕はない。
そもそも、ハイブリッドではない単純な個体燃料ロケットの場合、原理的に回収、再使用は出来ない。
米国には、薄利多売で商売しても、十分成り立つための需要があるようだし、これからは、衛星を打ち上げて稼ぐ商売がどんどん出てくるだろう。
衛星の大量生産、大量消費の時代が確実にやってくる。
軌道上の衛星を管理したり、通信を行ったりする産業や、安全確実に廃棄したりすることも重要になってくる。
そうなったら、その方面のビジネスも拡大するだろうし、単独ではなく、衛星のコンステレーションを活用したグローバルなシステムの需要も普遍化するに違いない。
たまたま、今回の打ち上げは、M2Mを行っているオーブコムの衛星群だが、世界を繋ぐ通信システムがもっと手軽に構築できれば、航空機や船舶でのサービスは、飛躍的に向上する。
海の上、空の上でのインターネットサービスの貧困さは、浮沈子が痛感するところだ。
高頻度の地上画像の配信にしても、グーグルアースのような静止画像ではなく、リアルタイムの動画での配信になるかもしれない。
誰もいない砂漠とか、地球の7割を占める海の上でも、リアルタイムの動画で見られるようになる。
地上だけではない。
大気の影響がない地球周回軌道上での天文台が当たり前になり、その映像をリアルタイムで活用できるようになる。
プラネタリウムで投影されるのは、フィルムに開けた穴ではなくて、今、この瞬間に衛星天文台が捉えた星象ということになる。
技術の進歩、コストの削減、その果実の大衆化の果てに、一体何が待っているのか。
浮沈子が願うのは、地上の平和である。
国境などない宇宙空間での認識が、インターネットを通して共有されれば、地上の軍隊を動員して、地べたを取りっこする戦争のアホらしさが実感できようというものだ。
まあ、それは、あくまで希望的観測に過ぎず、衛星同士を取り合う宇宙戦争の時代が訪れるかも知れず、衛星の衝突など、新たな問題を引き起こす可能性もある。
それでも、21世紀の半ばに向けて、グローバルレベルで宇宙の認識が広まれば、グーテンベルグ以来の啓蒙革命が起こる可能性がある。
意図するとせざるとに関わらず、何らかのバイアスがかかった情報に頼るしかなかった宇宙象(地球象)が、リアルタイムに、安価に、誰にでも手に入れられるようになれば、地上は変わっていくに違いない。
為政者のコントロールを離れた情報の氾濫が何をもたらすのか、それは誰にも分からない。
新たにその情報をコントロールしようとする勢力の台頭を招くことになるのかもしれない。
しかし、一度開かれたパンドラの箱(壷?)を閉じることは出来まい。
それが、人類文明の新たな段階であり、地上から宇宙を見てきた目を、根本的に転換する契機となる。
いつ爆発するか分からないロケットなどという物騒なものに乗って、宇宙旅行をしたいなどとは今のところ考えてはいないが、もちっと安全に、安価になったら考えないでもない。
地表にへばりついて、たまに1万メートルに上がったり、20mくらい水中に潜ったりするだけではなく、大気の海の底から出て、澄んだ宇宙の彼方をこの目で見るのもいいかもしれない。
真の静謐と、真の孤独。
それが、単なる夢ではなくなる時代に我々は生きている。
その時代を開く技術の一つとして、打ち上げロケットの回収、再使用を見るとき、浮沈子は胸が熱くなって仕方がない。
明後日の打ち上げが成功することを願おう!。
無関係? ― 2014年06月23日 09:10
無関係?
オーブコムの打ち上げに関する記事を立て続けに書いていて、浮沈子は、ある感想を抱いた。
宇宙とダイビングとの間には、何か関係があるのではないか。
そりゃあ、器材がなければ息吸えないとか、そういう見た目の関連性はあるのだが、そういう意味ではない。
もちろん、人間の活動領域として、一般的にはエクステンションされたエリアであることに間違いはなく、道楽か余程のメリットがなければ行く意味はない。
そういう、いわば、当たり前の話ではなく、人がそこに行くことを許されない場所へのチャレンジには、何か神秘的な荘厳さとか、畏れ多さのようなものが感じられる。
神に抵う行為なのである。
毎度書くが、浮沈子は宗教を持たない。
神とか仏とか書いても、それは自然の摂理のようなものであって、超人的な人格を意図した存在としてではない。
人間が地球という惑星の上にへばりついて、植物の光合成をベースとした食物連鎖に寄生して生きているというのは、別に神様が定めたことではないかも知れない。
それでも、それ以外の環境に対する適用がないことだけは確かで、呼吸にしても体温調節にしても、全く不向きなことに違いはない。
そんなところへ行ったりすること自体が、不届き千万なことであることは、言うを待たない。
そんなことをいったら、原発だって、同じことかもしれないんだが。
まあいい。
その禁を侵して、禁断の地に赴くことには、何かこう、わくわくするというか、見てはいけないエッチな感じというか、教会の中に入るような厳かな気分になるのである(といっても、宇宙に行ったことは、当然ありませんが)。
そんな、密やかな優越感というか、ドキドキ感がするというのが共通の感じなのである。
ダイビングというのは、とにかく非日常の最たるもので、驚くことに、海なら海の中には、そこを日常としている生物たちがいるのである。
宇宙には、まだそのような存在は確認されていないが、宇宙を漂う生物がぞろぞろいるところがあれば、一味違った世界になるだろう。
今のところ、われわれ人類以外に宇宙空間を漂っている生命体は発見されていない(ことになっている?)。
海の中に魚がいるということは、まあ、当たり前のように思っているが、考えてみれば不思議なことであるな。
彼らは、どうやって息をしているのか。
知識としては分かっていても、実際目の前をうろちょろされると、不思議な気がする。
だって、レギュレーターを咥えた魚なんて、見たことないし(見たことあったら、そっちの方が不思議だが)。
考えようによっては、彼らは宇宙人のようなものである。
まあ、向こうもそう思っているに違いない。
そんな厳かな世界へ、そっと訪れて、浮遊感と共に戯れる時間というのは、実に貴重である。
無重力ではない。
ちゃんと、上も下もある。
空中で言えば、飛行船というのが最も近い。
中性浮力とか、トリムとか、同じ概念が出てくる。
(飛行船の原理と操縦要領:過去に何度か引用しているページ)
http://www.air-ship.info/airship.html
浮沈子が、CCRで中性浮力に悩んでいた頃(過去形かあ?)、動的制御が必要だと気付かせてくれたページでもある。
トリムは、静的に確保するしかない。
これらは、浮力という現象と不可分であり、無重力では意味を成さない(上も下もないので)。
もっとも、地球周回軌道というレベルでは、原理的には自由落下を続けているだけの話なので、上下というのは限定的に意味があるだろう。
上は宇宙、下は地球である。
惑星軌道でも、上が宇宙で、下が太陽になる。
まあ、そうはいっても、宇宙船の中や周辺では、上下の概念は人工的なものである。
もちろん、宇宙船自体の微小重力の話はここではしない。
一見似ているようで異なる水中と宇宙空間だが、そんな例は他にもある。
宇宙船の中は空気が充填されているので空気抵抗というのがあるが、外に出ると希薄な大気の影響は少なく、殆ど無視できる。
水中(海中)では、空気の約800倍の抵抗があって、ちょっと進んでも、直ぐ止まってしまう。
(空気)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97
ちょっと、物理(化学?)の時間を思い出してみようか。
1気圧の摂氏0度の空気は、1モルで22.4リットルの体積を占めることになっている。
1モルというのは、一種の数の単位であって、6.02×10の23乗という、まあ、非日常的な数である。
分子(原子でも)の分子量(原子量)というのは、1モル集めた時の質量(g)ということになっているので、空気という混合気体の質量は、その材料である窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素などの分子量及び構成比から求めることが出来る。
簡単の為に、窒素80パーセント、酸素20パーセントとすると、分子量28の窒素(窒素原子2個)と分子量32の酸素(酸素原子2個)を、この混合比で按分してやると、仮想の空気分子の分子量が出る。
28×0.8+32×0.2=28.8
22.4リットルで28.8グラムになるので、1リットルでは約1.28グラムに当たる。
海水は、まあ、簡単の為に1リットルで1キログラム=1000グラムということにしておくと、割り算して約777倍(ある意味、覚えやすい?)ということになるので、ざっと800倍という話になるのである(かなりアバウトだな)。
これで不満な方は、海水の塩分を考慮した補正を行うと800倍がリアルになる。
(塩分濃度と比重)
http://www.littlewaves.info/marine/wq_sgravity.htm
摂氏24度の海水の比重が1.024なので、777に乗じると、796位になって、塩梅がいい。
こんなどろどろの抵抗がある水中での移動を考えると、宇宙遊泳と水中浮遊を比較するなんて、ナンセンスな話であることが分かる。
単純な話ではないのだ。
それでも、やはり、ダイビングで潜る水中の話と、宇宙空間での話には、禁断の地に赴く危うい魅力が漂う。
この続きは、機会があれば、また書く。
オーブコムの打ち上げに関する記事を立て続けに書いていて、浮沈子は、ある感想を抱いた。
宇宙とダイビングとの間には、何か関係があるのではないか。
そりゃあ、器材がなければ息吸えないとか、そういう見た目の関連性はあるのだが、そういう意味ではない。
もちろん、人間の活動領域として、一般的にはエクステンションされたエリアであることに間違いはなく、道楽か余程のメリットがなければ行く意味はない。
そういう、いわば、当たり前の話ではなく、人がそこに行くことを許されない場所へのチャレンジには、何か神秘的な荘厳さとか、畏れ多さのようなものが感じられる。
神に抵う行為なのである。
毎度書くが、浮沈子は宗教を持たない。
神とか仏とか書いても、それは自然の摂理のようなものであって、超人的な人格を意図した存在としてではない。
人間が地球という惑星の上にへばりついて、植物の光合成をベースとした食物連鎖に寄生して生きているというのは、別に神様が定めたことではないかも知れない。
それでも、それ以外の環境に対する適用がないことだけは確かで、呼吸にしても体温調節にしても、全く不向きなことに違いはない。
そんなところへ行ったりすること自体が、不届き千万なことであることは、言うを待たない。
そんなことをいったら、原発だって、同じことかもしれないんだが。
まあいい。
その禁を侵して、禁断の地に赴くことには、何かこう、わくわくするというか、見てはいけないエッチな感じというか、教会の中に入るような厳かな気分になるのである(といっても、宇宙に行ったことは、当然ありませんが)。
そんな、密やかな優越感というか、ドキドキ感がするというのが共通の感じなのである。
ダイビングというのは、とにかく非日常の最たるもので、驚くことに、海なら海の中には、そこを日常としている生物たちがいるのである。
宇宙には、まだそのような存在は確認されていないが、宇宙を漂う生物がぞろぞろいるところがあれば、一味違った世界になるだろう。
今のところ、われわれ人類以外に宇宙空間を漂っている生命体は発見されていない(ことになっている?)。
海の中に魚がいるということは、まあ、当たり前のように思っているが、考えてみれば不思議なことであるな。
彼らは、どうやって息をしているのか。
知識としては分かっていても、実際目の前をうろちょろされると、不思議な気がする。
だって、レギュレーターを咥えた魚なんて、見たことないし(見たことあったら、そっちの方が不思議だが)。
考えようによっては、彼らは宇宙人のようなものである。
まあ、向こうもそう思っているに違いない。
そんな厳かな世界へ、そっと訪れて、浮遊感と共に戯れる時間というのは、実に貴重である。
無重力ではない。
ちゃんと、上も下もある。
空中で言えば、飛行船というのが最も近い。
中性浮力とか、トリムとか、同じ概念が出てくる。
(飛行船の原理と操縦要領:過去に何度か引用しているページ)
http://www.air-ship.info/airship.html
浮沈子が、CCRで中性浮力に悩んでいた頃(過去形かあ?)、動的制御が必要だと気付かせてくれたページでもある。
トリムは、静的に確保するしかない。
これらは、浮力という現象と不可分であり、無重力では意味を成さない(上も下もないので)。
もっとも、地球周回軌道というレベルでは、原理的には自由落下を続けているだけの話なので、上下というのは限定的に意味があるだろう。
上は宇宙、下は地球である。
惑星軌道でも、上が宇宙で、下が太陽になる。
まあ、そうはいっても、宇宙船の中や周辺では、上下の概念は人工的なものである。
もちろん、宇宙船自体の微小重力の話はここではしない。
一見似ているようで異なる水中と宇宙空間だが、そんな例は他にもある。
宇宙船の中は空気が充填されているので空気抵抗というのがあるが、外に出ると希薄な大気の影響は少なく、殆ど無視できる。
水中(海中)では、空気の約800倍の抵抗があって、ちょっと進んでも、直ぐ止まってしまう。
(空気)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97
ちょっと、物理(化学?)の時間を思い出してみようか。
1気圧の摂氏0度の空気は、1モルで22.4リットルの体積を占めることになっている。
1モルというのは、一種の数の単位であって、6.02×10の23乗という、まあ、非日常的な数である。
分子(原子でも)の分子量(原子量)というのは、1モル集めた時の質量(g)ということになっているので、空気という混合気体の質量は、その材料である窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素などの分子量及び構成比から求めることが出来る。
簡単の為に、窒素80パーセント、酸素20パーセントとすると、分子量28の窒素(窒素原子2個)と分子量32の酸素(酸素原子2個)を、この混合比で按分してやると、仮想の空気分子の分子量が出る。
28×0.8+32×0.2=28.8
22.4リットルで28.8グラムになるので、1リットルでは約1.28グラムに当たる。
海水は、まあ、簡単の為に1リットルで1キログラム=1000グラムということにしておくと、割り算して約777倍(ある意味、覚えやすい?)ということになるので、ざっと800倍という話になるのである(かなりアバウトだな)。
これで不満な方は、海水の塩分を考慮した補正を行うと800倍がリアルになる。
(塩分濃度と比重)
http://www.littlewaves.info/marine/wq_sgravity.htm
摂氏24度の海水の比重が1.024なので、777に乗じると、796位になって、塩梅がいい。
こんなどろどろの抵抗がある水中での移動を考えると、宇宙遊泳と水中浮遊を比較するなんて、ナンセンスな話であることが分かる。
単純な話ではないのだ。
それでも、やはり、ダイビングで潜る水中の話と、宇宙空間での話には、禁断の地に赴く危うい魅力が漂う。
この続きは、機会があれば、また書く。
CCRの価値 ― 2014年06月23日 16:27
CCRの価値
たぶん、このブログの読者で、CCR(クローズドサーキットリブリーザー)とは何かを知らない方はいないと思うのだが、一応、ざっとおさらいしておく。
正直言って、初めての方に説明しようとすると、意外と難しいのだ。
人間が呼吸をするということは、空気中の酸素を消費して二酸化炭素を排出するということに尽きる。
その他のガスも吸うし、水蒸気を吐き出しているということもあるが、まあ、その辺は適当にはしょる。
そこで、水中のように、普通の呼吸が出来ない環境においては、圧縮された空気を詰めたタンクから、レギュレーターという減圧器を使って圧力を適当に調整した空気を吸う。
これは、空気だから、概ね酸素と窒素の混合気体である。
酸素は消費されるが、窒素は消費されない。
この窒素が体内に溜まって悪さをするのだが、ここでは触れずに後回しにする。
吸った酸素は、空気中の濃度は20パーセントくらいなのだが、4パーセントくらいしか吸収されずに16パーセントはそのまま吐き出される。
同時に二酸化炭素も吐き出す。
使われなかった窒素も吐き出す。
吐き出したガスは、通常の潜水器だと、水中にボコボコと排出して、以上終わりとなるのだが、CCRはそうではない。
吐き出したガスを、背中の機械に通して、酸素を足したり、二酸化炭素を吸収したりする。
吐き出した呼気には水蒸気が含まれているが、これも循環する。
再び吸い込むときには、酸素が適当に足され、二酸化炭素は完全に除去されたガスが供給される。
空気を詰めたタンクからガスを吸う時、酸素の割合は濃度では変わらない。
概ね20パーセントのままである。
ところが、CCRの場合は、100パーセントの酸素だけが入ったタンクから、調整して酸素を足すことが出来るので、どんな濃度のガスも作ることが出来る。
ここんところが、CCRという潜水器のキモなわけだ。
酸素の量を加減できるのである。
同じことをタンクからのガスで行おうとすると、酸素の濃度を変えたタンクを、何種類も持っていかなければならない。
実際、そうやって潜る人もいる。
比較的深い深度のダイビングを長時間行う場合には、そういう潜り方もある。
そこんとこの話を始める前に、水中でガスを吸うということの物理的な面を考えておく。
水団(すいとん)の術とか言って、ストローのようなパイプを水中から出して空気を吸っている絵を見るが、たぶん1mも潜ることはできないに違いない。
人間の肺は、周りの水に押されて、水面の1気圧の空気を吸い込むことが出来ないのだ。
水中でガスを吸う時には、その時の水圧と同じ圧力をかけた状態でなければ吸い込めない。
海水面での気圧を1気圧とすると、水深10メートルでは2気圧になる。
以下、10メートル潜る毎に、1気圧が足される。
水深30メートルでは、4気圧になるわけだな。
だから、水深30mでは、4気圧の圧力をかけないとガスが吸い込めないのだ。
ここまではいい。
ところが、そのガスを水中に吐き出してしまうのだから、海水面での4倍のガスを消費することになる。
CCRでは、このガスを再生してもう一度吸うので、消費した酸素分しかガスは減らない。
圧倒的なガス持ちの良さというか、次元の違う潜水器であるということの理由の一つだ。
極端な話、100m潜っても、CCRの場合、ガスの消費量は、ダイバーが消費した分だけであり、10mの時と変わらないのである。
タンクから吸って吐き出す場合は、海水面の11倍のガスを消費することになる。
100mとかいうと、ヘリウムを混ぜたガスを吸うことになるのだが、このガスの値段はべらぼうに高いので、この深さに潜る時は、ビンボー人はCCRを使うに限る。
ちなみに、浮沈子はCCRでは45mくらいまでしか潜った経験はない。
さて、CCRの利点の一つが、アットー的なガス持ちの良さであるということは分かったが、もう一つ、それ以上に重要な利点がある。
人間の身体というのは、吸い込んだガスを取り込むときに、その圧力に応じて取り込むという特性がある。
つまり、水深10mでは、2気圧なので海水面の2倍、30mでは4気圧なので4倍という具合である。
空気は概ね20パーセントの酸素と、80パーセントの窒素でできている。
この割合に応じて、高い圧力では、その圧力を乗じたそれぞれの圧力がかかる。
これを、それぞれのガスの分圧という。
酸素は、水深10mでは0.4気圧、30mでは0.8気圧である。
窒素は、水深10mで1.6気圧、30mでは3.2気圧である。
さっき、ちょこっと触れたが、窒素は消費されないだけでなく、体内に蓄積してしまって、浮上する時に気泡となって血液や組織中で悪さをする。
だから、窒素の分圧は出来るだけ低くしたい。
しかし、水中でガスを吸うためにはガス全体の圧力を下げるわけにはいかない。
ということは、酸素の分圧を高くすればいいわけである。
ここんところを自由自在にできるというのが、実はリブリーザーの本当の利点なのだ。
そんなややっこしいことを考えないで、最初から全部酸素のガスを吸えばいいじゃないかというと、そうはいかない。
酸素には、恐ろしい毒性があって、一定以上の分圧の酸素を吸うと、筋肉が痙攣を起こしたり、意識を失ったりする。
陸上で安静にしている時なら、放っておいてもいいが、水中で顔面の筋肉に痙攣が起きると、咥えているマウスピースを吐き出してしまうことになる。
そうして、海水をしこたま吸い込んで、溺死することになるのだ。
水中での酸素の吸入は、死に直結する。
どのくらいなら安全なんだろうか。
個人差があるので、一概には言えない。
また、水中で安静にしている時なのか、激しい運動をしているときなのかによっても違うといわれている。
あるダイビングの指導団体では、酸素分圧を1.4以下にすることを推奨している。
代表的なCCRであるインスピレーションの場合、標準では1.3に設定されている。
これは機種によって異なり、ディスカバリーでは、1.2が標準である。
100パーセントの酸素のタンクで潜った時、10mの深度における酸素の分圧は、1.2になる。
つまり、これ以上の深さでは、酸素だけのタンクは使えないということだ。
CCRは、酸素の割合をちょちょっと調整して、この酸素分圧をなるべく上げて、かつ、危険のない値に納めるという技を持っている。
窒素の吸収による弊害と、酸素毒性による死の危険を、ギリギリのところで最適に按配するわけである。
もちろん、お察しの通り、深度が大きくなれば、タンクに入れた空気の場合、自動的に酸素分圧は上がってくる。
水深40mの時、酸素分圧は1.2になっている。
まあ、この深さだと、窒素の麻酔効果が大きくなって、窒素酔いという問題が出てくるので、そっちも対応しなければならなくなる。
そのため、窒素よりも麻酔効果が少ないといわれるヘリウムを混ぜて、窒素の割合を減らすことになる。
このあたりの話になると、浮沈子は少々怪しくなるので、この辺にする。
いずれにしても、酸素分圧を危険のない範囲でなるべく高く、一定の値に維持して、吸い込むガスの中の窒素などの不活性ガス(酸素以外のガス)を減らすという機能を持っているのがCCRなのである。
最近のCCRは、概ねコンピューターと酸素センサーなどを使ってこの機能を実現しており、進歩が著しい。
気の利いた機種では、二酸化炭素のセンサーも付いている。
まあ、呼吸回路をガスが循環するわけだから、そのうち、怪しげな匂いをつけたりするようになるかもしれない(自分の吐いた息が臭うようなら、消臭機能とか)。
まあいい。
もう一度整理しておこう。
ダイビングの器材には、大きく分けて2種類ある。
タンクにガスを詰めて、そのガスを水中で吸って、そのまま吐き出すタイプ(これを、オープンサーキットという)。
水深が深くなると、ガスの消費が大きくなり、酸素分圧も増大する。
もう一つは、CCRといって、吐き出したガスを再呼吸するタイプ(これをクローズドサーキットという)。
水深が深くなっても、ガスの消費は変わらないし、酸素分圧を一定に保つことが出来る。
どちらが、優れた潜水器であるかは、メリットを見る限り、明らかである。
潜水器の未来は、CCRのものだ!。
とは、限らないのではないか、という話もある。
必ずしもCCRの欠点ではないのだが、我が国では、酸素の入手がしづらい。
特に、医療用酸素の取り扱いを定める薬事法との関係で、医師などの有資格者でないと純酸素を扱うことは出来ない。
また、医療に用いるのでない限り、酸素の流通も制限されている。
リブリーザーの酸素タンクは、専用の小型のものが多く、これらはどこにでもあるものではない。
我が国でリブリーザーでダイビングしようとすると、酸素の入手をどこで行うか、酸素タンクをどのようにして運ぶかというところで躓いてしまう。
海外では、二酸化炭素を呼吸回路内で除去する水酸化カルシウムを主体とするソフノライム(商品名)の入手に当たっても困難が発生する場合がある。
元々、リブリーザーは医療の世界では当たり前の器械で、麻酔をかけたりするときにはなくてはならない装置なのだ。
呼吸ガスを管理する上で、全身麻酔が可能な手術室を有する病院には必ずあるといってもいい(ないと、ヤバイです)。
また、宇宙服の生命維持装置の機能の一つとして、必ず装着されている。
炭鉱などの酸素が乏しい場所や、消防などでも使われることがある。
まあ、その筋の人にとっては、当たり前の器材なのである。
水中という特殊な環境の中で使われているだけなのだ(宇宙空間も特殊ですが)。
さらに、CCRを使用する上での問題としては、器材の故障の際に、死亡事故に繋がる恐れが高いことが上げられる。
タンクからガスを吸う場合、ガスが来なくなれば吸えなくなるので、いやでも分かるが、CCRの場合は、酸素が足りない(ハイポキシア)、酸素が過剰(ハイパーオキシア)、二酸化炭素が過剰(ハイパーカプニア)といった状況になっても、呼吸回路がリング状になっているので、それらの不適切なガスを吸えてしまうわけである。
これは、危ない!。
だから、CCRの練習では、これらの事態にどう対応するかということを、嫌というほどトレーニングすることになる。
また、呼吸回路が閉じていることから、肺の浮力の変化を利用した浮力調整が出来ないことがあげられる。
回路の途中に、カウンターラングという袋状の装置が付いていて、文字通り、肺が膨らめば萎み、肺が萎めば膨らむという具合に、原理的に浮力が変わらないことになっている。
呼吸による浮力調整に慣れているベテランダイバーが、CCRで苦労するゆえんであるな。
最後に、やはり、値段が高いことが上げられる。
基本構成で100万円くらい(ディスカバリーの場合)。
なんだかんだで、200万円の予算を見ておく必要がある。
さらに、同程度の費用をトレーニングに当てるくらいでちょうどいい。
ランニングコストは、酸素センサーや酸素、ソフノライムの値段だが、潜る頻度や調達ルートによって様々である。
ガスは、純酸素のほかに、浅い深度では空気をディリュエントガスとして携行する(通常は、オンボード)。
その他に、器材が故障したときに緊急浮上するためのベイルアウト用のタンクを携行する(通常は、オフボードでサイドマウント)。
さらに、深い深度では、ディリュエントガスやベイルアウト用のガスが複数必要になってくる。
そのためのタンクも別途用意することになるが、この辺りは怪しいので浮沈子は近寄らない。
手間隙掛けて、金掛けて、場合によっては命まで賭けて、そんなにまでしてCCRで潜りたいかと言われれば、殆どの人がオープンサーキットでいいや、ということになる。
実際、世界的に見ても、CCRで潜っているのは限られた人々だけだ。
一部の好事家や、水中カメラマンは、長時間潜水などのメリットを享受するために導入するだろうが、控えめなダイビングを行う限り、ナイトロックスを用いたオープンサーキットダイビングでも、十分楽しく潜ることができる。
他人と同じことをやっているのに耐えられないというヘンタイオヤジや、気分だけでも007になりたいという、救いがたいヤカラなどが飛びつくアブナイ器材である。
ディープダイビングでは、アットーテキな優位性を誇り、浅い海では身体に優しい酸素リッチなダイビングを楽しめる。
言い忘れたが、呼吸回路が循環しているので、吸気が温かい(自分の体温で温めているので)というメリットもある。
昔は、扱いがひどく厄介な代物だったらしいが、今はそうでもなくなってきたらしい。
浮沈子などには、ディスカバリーでさえ、ややっこしく思える。
インスピレーションを、簡単だというイントラには、やはり同意できない。
酸素センサーの校正(インスピも自動)や、回路のリークチェックが自動で行われるというのはディスカバリーの美点であるし、カセットポンで済むソフノライムの入れ替えは、画期的である。
酸素とディリュエントのタンクのゲージが電子化されているというのは、浮沈子には行き過ぎの感があるが、今時のスマホ時代には、当たり前なのだろう。
セブンという機種では、データのやり取りに、ブルートゥースを使うんだそうだ。
勝手にしやがれい!。
この記事は、参考資料に当たることなく、記憶だけで書いているので、思い違いがあるかもしれない。
正確なところは成書(といっても、指導団体のテキストくらいしかないんだな、これが)を当たっていただきたい。
PADI、IANTD、TDIなどの指導団体では、各種リブリーザーの講習を行っていて、問い合わせに応じてくれるはずである。
この記事を読んで、一人でも多くのCCRユーザーが増えて、どっかで潜れるところを増やしてもらえると、浮沈子は嬉しいんだがなあ・・・。
たぶん、このブログの読者で、CCR(クローズドサーキットリブリーザー)とは何かを知らない方はいないと思うのだが、一応、ざっとおさらいしておく。
正直言って、初めての方に説明しようとすると、意外と難しいのだ。
人間が呼吸をするということは、空気中の酸素を消費して二酸化炭素を排出するということに尽きる。
その他のガスも吸うし、水蒸気を吐き出しているということもあるが、まあ、その辺は適当にはしょる。
そこで、水中のように、普通の呼吸が出来ない環境においては、圧縮された空気を詰めたタンクから、レギュレーターという減圧器を使って圧力を適当に調整した空気を吸う。
これは、空気だから、概ね酸素と窒素の混合気体である。
酸素は消費されるが、窒素は消費されない。
この窒素が体内に溜まって悪さをするのだが、ここでは触れずに後回しにする。
吸った酸素は、空気中の濃度は20パーセントくらいなのだが、4パーセントくらいしか吸収されずに16パーセントはそのまま吐き出される。
同時に二酸化炭素も吐き出す。
使われなかった窒素も吐き出す。
吐き出したガスは、通常の潜水器だと、水中にボコボコと排出して、以上終わりとなるのだが、CCRはそうではない。
吐き出したガスを、背中の機械に通して、酸素を足したり、二酸化炭素を吸収したりする。
吐き出した呼気には水蒸気が含まれているが、これも循環する。
再び吸い込むときには、酸素が適当に足され、二酸化炭素は完全に除去されたガスが供給される。
空気を詰めたタンクからガスを吸う時、酸素の割合は濃度では変わらない。
概ね20パーセントのままである。
ところが、CCRの場合は、100パーセントの酸素だけが入ったタンクから、調整して酸素を足すことが出来るので、どんな濃度のガスも作ることが出来る。
ここんところが、CCRという潜水器のキモなわけだ。
酸素の量を加減できるのである。
同じことをタンクからのガスで行おうとすると、酸素の濃度を変えたタンクを、何種類も持っていかなければならない。
実際、そうやって潜る人もいる。
比較的深い深度のダイビングを長時間行う場合には、そういう潜り方もある。
そこんとこの話を始める前に、水中でガスを吸うということの物理的な面を考えておく。
水団(すいとん)の術とか言って、ストローのようなパイプを水中から出して空気を吸っている絵を見るが、たぶん1mも潜ることはできないに違いない。
人間の肺は、周りの水に押されて、水面の1気圧の空気を吸い込むことが出来ないのだ。
水中でガスを吸う時には、その時の水圧と同じ圧力をかけた状態でなければ吸い込めない。
海水面での気圧を1気圧とすると、水深10メートルでは2気圧になる。
以下、10メートル潜る毎に、1気圧が足される。
水深30メートルでは、4気圧になるわけだな。
だから、水深30mでは、4気圧の圧力をかけないとガスが吸い込めないのだ。
ここまではいい。
ところが、そのガスを水中に吐き出してしまうのだから、海水面での4倍のガスを消費することになる。
CCRでは、このガスを再生してもう一度吸うので、消費した酸素分しかガスは減らない。
圧倒的なガス持ちの良さというか、次元の違う潜水器であるということの理由の一つだ。
極端な話、100m潜っても、CCRの場合、ガスの消費量は、ダイバーが消費した分だけであり、10mの時と変わらないのである。
タンクから吸って吐き出す場合は、海水面の11倍のガスを消費することになる。
100mとかいうと、ヘリウムを混ぜたガスを吸うことになるのだが、このガスの値段はべらぼうに高いので、この深さに潜る時は、ビンボー人はCCRを使うに限る。
ちなみに、浮沈子はCCRでは45mくらいまでしか潜った経験はない。
さて、CCRの利点の一つが、アットー的なガス持ちの良さであるということは分かったが、もう一つ、それ以上に重要な利点がある。
人間の身体というのは、吸い込んだガスを取り込むときに、その圧力に応じて取り込むという特性がある。
つまり、水深10mでは、2気圧なので海水面の2倍、30mでは4気圧なので4倍という具合である。
空気は概ね20パーセントの酸素と、80パーセントの窒素でできている。
この割合に応じて、高い圧力では、その圧力を乗じたそれぞれの圧力がかかる。
これを、それぞれのガスの分圧という。
酸素は、水深10mでは0.4気圧、30mでは0.8気圧である。
窒素は、水深10mで1.6気圧、30mでは3.2気圧である。
さっき、ちょこっと触れたが、窒素は消費されないだけでなく、体内に蓄積してしまって、浮上する時に気泡となって血液や組織中で悪さをする。
だから、窒素の分圧は出来るだけ低くしたい。
しかし、水中でガスを吸うためにはガス全体の圧力を下げるわけにはいかない。
ということは、酸素の分圧を高くすればいいわけである。
ここんところを自由自在にできるというのが、実はリブリーザーの本当の利点なのだ。
そんなややっこしいことを考えないで、最初から全部酸素のガスを吸えばいいじゃないかというと、そうはいかない。
酸素には、恐ろしい毒性があって、一定以上の分圧の酸素を吸うと、筋肉が痙攣を起こしたり、意識を失ったりする。
陸上で安静にしている時なら、放っておいてもいいが、水中で顔面の筋肉に痙攣が起きると、咥えているマウスピースを吐き出してしまうことになる。
そうして、海水をしこたま吸い込んで、溺死することになるのだ。
水中での酸素の吸入は、死に直結する。
どのくらいなら安全なんだろうか。
個人差があるので、一概には言えない。
また、水中で安静にしている時なのか、激しい運動をしているときなのかによっても違うといわれている。
あるダイビングの指導団体では、酸素分圧を1.4以下にすることを推奨している。
代表的なCCRであるインスピレーションの場合、標準では1.3に設定されている。
これは機種によって異なり、ディスカバリーでは、1.2が標準である。
100パーセントの酸素のタンクで潜った時、10mの深度における酸素の分圧は、1.2になる。
つまり、これ以上の深さでは、酸素だけのタンクは使えないということだ。
CCRは、酸素の割合をちょちょっと調整して、この酸素分圧をなるべく上げて、かつ、危険のない値に納めるという技を持っている。
窒素の吸収による弊害と、酸素毒性による死の危険を、ギリギリのところで最適に按配するわけである。
もちろん、お察しの通り、深度が大きくなれば、タンクに入れた空気の場合、自動的に酸素分圧は上がってくる。
水深40mの時、酸素分圧は1.2になっている。
まあ、この深さだと、窒素の麻酔効果が大きくなって、窒素酔いという問題が出てくるので、そっちも対応しなければならなくなる。
そのため、窒素よりも麻酔効果が少ないといわれるヘリウムを混ぜて、窒素の割合を減らすことになる。
このあたりの話になると、浮沈子は少々怪しくなるので、この辺にする。
いずれにしても、酸素分圧を危険のない範囲でなるべく高く、一定の値に維持して、吸い込むガスの中の窒素などの不活性ガス(酸素以外のガス)を減らすという機能を持っているのがCCRなのである。
最近のCCRは、概ねコンピューターと酸素センサーなどを使ってこの機能を実現しており、進歩が著しい。
気の利いた機種では、二酸化炭素のセンサーも付いている。
まあ、呼吸回路をガスが循環するわけだから、そのうち、怪しげな匂いをつけたりするようになるかもしれない(自分の吐いた息が臭うようなら、消臭機能とか)。
まあいい。
もう一度整理しておこう。
ダイビングの器材には、大きく分けて2種類ある。
タンクにガスを詰めて、そのガスを水中で吸って、そのまま吐き出すタイプ(これを、オープンサーキットという)。
水深が深くなると、ガスの消費が大きくなり、酸素分圧も増大する。
もう一つは、CCRといって、吐き出したガスを再呼吸するタイプ(これをクローズドサーキットという)。
水深が深くなっても、ガスの消費は変わらないし、酸素分圧を一定に保つことが出来る。
どちらが、優れた潜水器であるかは、メリットを見る限り、明らかである。
潜水器の未来は、CCRのものだ!。
とは、限らないのではないか、という話もある。
必ずしもCCRの欠点ではないのだが、我が国では、酸素の入手がしづらい。
特に、医療用酸素の取り扱いを定める薬事法との関係で、医師などの有資格者でないと純酸素を扱うことは出来ない。
また、医療に用いるのでない限り、酸素の流通も制限されている。
リブリーザーの酸素タンクは、専用の小型のものが多く、これらはどこにでもあるものではない。
我が国でリブリーザーでダイビングしようとすると、酸素の入手をどこで行うか、酸素タンクをどのようにして運ぶかというところで躓いてしまう。
海外では、二酸化炭素を呼吸回路内で除去する水酸化カルシウムを主体とするソフノライム(商品名)の入手に当たっても困難が発生する場合がある。
元々、リブリーザーは医療の世界では当たり前の器械で、麻酔をかけたりするときにはなくてはならない装置なのだ。
呼吸ガスを管理する上で、全身麻酔が可能な手術室を有する病院には必ずあるといってもいい(ないと、ヤバイです)。
また、宇宙服の生命維持装置の機能の一つとして、必ず装着されている。
炭鉱などの酸素が乏しい場所や、消防などでも使われることがある。
まあ、その筋の人にとっては、当たり前の器材なのである。
水中という特殊な環境の中で使われているだけなのだ(宇宙空間も特殊ですが)。
さらに、CCRを使用する上での問題としては、器材の故障の際に、死亡事故に繋がる恐れが高いことが上げられる。
タンクからガスを吸う場合、ガスが来なくなれば吸えなくなるので、いやでも分かるが、CCRの場合は、酸素が足りない(ハイポキシア)、酸素が過剰(ハイパーオキシア)、二酸化炭素が過剰(ハイパーカプニア)といった状況になっても、呼吸回路がリング状になっているので、それらの不適切なガスを吸えてしまうわけである。
これは、危ない!。
だから、CCRの練習では、これらの事態にどう対応するかということを、嫌というほどトレーニングすることになる。
また、呼吸回路が閉じていることから、肺の浮力の変化を利用した浮力調整が出来ないことがあげられる。
回路の途中に、カウンターラングという袋状の装置が付いていて、文字通り、肺が膨らめば萎み、肺が萎めば膨らむという具合に、原理的に浮力が変わらないことになっている。
呼吸による浮力調整に慣れているベテランダイバーが、CCRで苦労するゆえんであるな。
最後に、やはり、値段が高いことが上げられる。
基本構成で100万円くらい(ディスカバリーの場合)。
なんだかんだで、200万円の予算を見ておく必要がある。
さらに、同程度の費用をトレーニングに当てるくらいでちょうどいい。
ランニングコストは、酸素センサーや酸素、ソフノライムの値段だが、潜る頻度や調達ルートによって様々である。
ガスは、純酸素のほかに、浅い深度では空気をディリュエントガスとして携行する(通常は、オンボード)。
その他に、器材が故障したときに緊急浮上するためのベイルアウト用のタンクを携行する(通常は、オフボードでサイドマウント)。
さらに、深い深度では、ディリュエントガスやベイルアウト用のガスが複数必要になってくる。
そのためのタンクも別途用意することになるが、この辺りは怪しいので浮沈子は近寄らない。
手間隙掛けて、金掛けて、場合によっては命まで賭けて、そんなにまでしてCCRで潜りたいかと言われれば、殆どの人がオープンサーキットでいいや、ということになる。
実際、世界的に見ても、CCRで潜っているのは限られた人々だけだ。
一部の好事家や、水中カメラマンは、長時間潜水などのメリットを享受するために導入するだろうが、控えめなダイビングを行う限り、ナイトロックスを用いたオープンサーキットダイビングでも、十分楽しく潜ることができる。
他人と同じことをやっているのに耐えられないというヘンタイオヤジや、気分だけでも007になりたいという、救いがたいヤカラなどが飛びつくアブナイ器材である。
ディープダイビングでは、アットーテキな優位性を誇り、浅い海では身体に優しい酸素リッチなダイビングを楽しめる。
言い忘れたが、呼吸回路が循環しているので、吸気が温かい(自分の体温で温めているので)というメリットもある。
昔は、扱いがひどく厄介な代物だったらしいが、今はそうでもなくなってきたらしい。
浮沈子などには、ディスカバリーでさえ、ややっこしく思える。
インスピレーションを、簡単だというイントラには、やはり同意できない。
酸素センサーの校正(インスピも自動)や、回路のリークチェックが自動で行われるというのはディスカバリーの美点であるし、カセットポンで済むソフノライムの入れ替えは、画期的である。
酸素とディリュエントのタンクのゲージが電子化されているというのは、浮沈子には行き過ぎの感があるが、今時のスマホ時代には、当たり前なのだろう。
セブンという機種では、データのやり取りに、ブルートゥースを使うんだそうだ。
勝手にしやがれい!。
この記事は、参考資料に当たることなく、記憶だけで書いているので、思い違いがあるかもしれない。
正確なところは成書(といっても、指導団体のテキストくらいしかないんだな、これが)を当たっていただきたい。
PADI、IANTD、TDIなどの指導団体では、各種リブリーザーの講習を行っていて、問い合わせに応じてくれるはずである。
この記事を読んで、一人でも多くのCCRユーザーが増えて、どっかで潜れるところを増やしてもらえると、浮沈子は嬉しいんだがなあ・・・。
気圧と水圧 ― 2014年06月23日 22:29
気圧と水圧
CCRの記事を書いていて、自分で気になったので調べてみた。
水中では、深度が10m増す毎に1気圧増えていくと教わる(正確には、海水の場合)。
(トル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/MmHg
「圧力を求める方法の一つに、その圧力によって支えられる流体の柱の高さを使う方法がある。流体は密度が一定のものならなんでもいいが、水のような比重の軽い液体では、柱の高さは非常に高くなってしまう(一応、水柱を使用した水柱メートル(mH2O)などの単位はあるが、標準大気圧を水柱で表すと10メートル近い値になる)。」
「通常は密度の高い液体である水銀(Hg) が使われる。標準大気圧は約 760 mm の水銀柱を支えることができる。」
そこで、水銀の比重を見るわけだ。
(水銀)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%8A%80
「融点での液体密度 13.534 g·cm-3」とある。
13.534×0.76m=10.28584m
うーん、これを海水の密度1.024(摂氏24度の時)で割ると、10.044765625mとなり、ほぼ10mということになる。
水温とか塩分濃度とかが変わると、微妙な変化はあるが、10m潜ると1気圧増えるという話は、本当らしい(別に疑ったわけではない)。
水銀だって、温度によって体積が変わるだろうから、多少のズレはあるかもしれない。
(気圧)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E5%9C%A7
「空気も物質であるため、質量があり、地球をおおっている大気の層によって、海面では、面積1cm2あたり約1kg(水銀柱で約76cm、水の場合約10mに相当)の圧力がかかる。これを大気圧または単に気圧という。高所ほど、その上方にある空気柱の高さが低くなるので、気圧は低くなる。海面での大気圧を 1 とする圧力の単位としても用いられる。」
浮沈子が学校でお勉強していた頃は、気圧の単位はミリバールといわれていて、1013mb(正確には、1013.25mb)が1気圧と習った。
最近は、hP(ヘクトパスカル)というらしい。
(パスカル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB
「・1 ミリバール (mbar) = 100 Pa = 1 ヘクトパスカル (hPa)
・1 バール (bar) = 100 000 Pa
= 100 キロパスカル (kPa) = 0.1 メガパスカル (MPa)
≈ 0.987 気圧(標準大気圧) (atm)
≈ 約1 標準気圧 (atm)
・1 標準気圧 (atm)
= 1.01325 bar = 1013.25 mbar
= 1 013.25 hPa = 101 325 Pa = 101.325 kPa = 0.101325 MPa」
ダイビングの圧力(特に水圧)の単位は、主にata(絶対圧力)を使う。
水中で実際にかかる圧力は、水圧+気圧ということになり、実質的には両者を足した圧力で表現した方が簡単だからだ。
もちろん、水中の圧力に「気圧」という表現が馴染まないこともあるだろう。
(潜水物理学)
http://www.izu.biz/pro-tecs/dive_spirit/study-four_b.html
うーん、詳しすぎてわからん!。
「絶対圧力(ata)=ゲージ圧力(atg)+大気圧(atm)=水深(m)/10+1」とある。
今時、ゲージで水深測ってるダイバーは皆無だろう。
(絶対圧力(ata)について)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1326186818
「[ata] は「絶対圧力」を表しています。
最初の [at] は「気圧」、最後の[a]は「絶対」を表しています。」
まあ、とりあえず、そういうことで。
(水圧)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%9C%A7
「水が静止状態にあるときに、水が物体に与える圧力(水圧)p は、物体と水面の間にある水の重量によるもので、測定点と水面の距離(深度)に比例し、次のようにあらわされる:
p = ρg h
ρ (ロー) は、水の密度(蒸留水の密度は約1000 kg/m3)
g は、重力加速度(約9.8 m/s2 )
h は、物体と水面の距離(深さ)単位はメートル
ただし、地球上で開放水面をもつ水の水圧の値には、大気圧(海面で1 気圧)が加えられたものになる。」
このときの水圧というのは、水の柱の重さということになる。
(水柱メートル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%9F%B1%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB
「日本の計量法体系では、1 mH2O = 正確に 9806.65 Pa である」
ただし、生体内圧力に限って認められている単位であるらしい。
(流体静力学)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%81%E4%BD%93%E9%9D%99%E5%8A%9B%E5%AD%A6#.E9.9D.99.E6.B0.B4.E5.9C.A7
浮沈子には、さっぱりだな。
ダイビングでは、大気圧と水圧の合計がダイバーにかかる圧力ということになるので、絶対圧を用いるが、もともと異なる原理で働いている圧力を合わせて使うことになるので、ややこしい。
特に、高所潜水の場合、ここんところは影響が大きい。
(高所潜水)
http://www.sugipro.co.jp/kouza/contents/kosyosensui.html
「標高が高くなると気圧は低くなるので、標高の高い湖での圧力は、水の厚さからみれば海よりも浅くなるはずです。」
最早、この時点で浮沈子はアウトである。
まあ、浮沈子は高所恐怖症なので、高所潜水を行うことはないだろう(って、関係ないじゃん!)。
まあいい。
(☆上級編☆淡水・高所潜水とは)
http://www.geocities.co.jp/Colosseum/1662/DIV/s24-1.html
まあ、高所潜水の例を出したのは、気圧と水圧の関係を端的に示すためである。
気体の圧力のモデルになっているのは、気体分子が飛び交う粒子モデルであり、液体の水圧は、体積変化を伴わない重力モデルだ。
考えてみれば、ややっこしい話なのだが、実用的には、環境圧は水圧に気圧を加えるというシンプルな話であるな。
しかも、水中でのダイバーにとっては、呼吸する気体の圧力が重要であるわけだ。
海水、淡水というのも気になるが、これは項を改めて書く。
CCRの記事を書いていて、自分で気になったので調べてみた。
水中では、深度が10m増す毎に1気圧増えていくと教わる(正確には、海水の場合)。
(トル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/MmHg
「圧力を求める方法の一つに、その圧力によって支えられる流体の柱の高さを使う方法がある。流体は密度が一定のものならなんでもいいが、水のような比重の軽い液体では、柱の高さは非常に高くなってしまう(一応、水柱を使用した水柱メートル(mH2O)などの単位はあるが、標準大気圧を水柱で表すと10メートル近い値になる)。」
「通常は密度の高い液体である水銀(Hg) が使われる。標準大気圧は約 760 mm の水銀柱を支えることができる。」
そこで、水銀の比重を見るわけだ。
(水銀)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%8A%80
「融点での液体密度 13.534 g·cm-3」とある。
13.534×0.76m=10.28584m
うーん、これを海水の密度1.024(摂氏24度の時)で割ると、10.044765625mとなり、ほぼ10mということになる。
水温とか塩分濃度とかが変わると、微妙な変化はあるが、10m潜ると1気圧増えるという話は、本当らしい(別に疑ったわけではない)。
水銀だって、温度によって体積が変わるだろうから、多少のズレはあるかもしれない。
(気圧)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E5%9C%A7
「空気も物質であるため、質量があり、地球をおおっている大気の層によって、海面では、面積1cm2あたり約1kg(水銀柱で約76cm、水の場合約10mに相当)の圧力がかかる。これを大気圧または単に気圧という。高所ほど、その上方にある空気柱の高さが低くなるので、気圧は低くなる。海面での大気圧を 1 とする圧力の単位としても用いられる。」
浮沈子が学校でお勉強していた頃は、気圧の単位はミリバールといわれていて、1013mb(正確には、1013.25mb)が1気圧と習った。
最近は、hP(ヘクトパスカル)というらしい。
(パスカル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB
「・1 ミリバール (mbar) = 100 Pa = 1 ヘクトパスカル (hPa)
・1 バール (bar) = 100 000 Pa
= 100 キロパスカル (kPa) = 0.1 メガパスカル (MPa)
≈ 0.987 気圧(標準大気圧) (atm)
≈ 約1 標準気圧 (atm)
・1 標準気圧 (atm)
= 1.01325 bar = 1013.25 mbar
= 1 013.25 hPa = 101 325 Pa = 101.325 kPa = 0.101325 MPa」
ダイビングの圧力(特に水圧)の単位は、主にata(絶対圧力)を使う。
水中で実際にかかる圧力は、水圧+気圧ということになり、実質的には両者を足した圧力で表現した方が簡単だからだ。
もちろん、水中の圧力に「気圧」という表現が馴染まないこともあるだろう。
(潜水物理学)
http://www.izu.biz/pro-tecs/dive_spirit/study-four_b.html
うーん、詳しすぎてわからん!。
「絶対圧力(ata)=ゲージ圧力(atg)+大気圧(atm)=水深(m)/10+1」とある。
今時、ゲージで水深測ってるダイバーは皆無だろう。
(絶対圧力(ata)について)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1326186818
「[ata] は「絶対圧力」を表しています。
最初の [at] は「気圧」、最後の[a]は「絶対」を表しています。」
まあ、とりあえず、そういうことで。
(水圧)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%9C%A7
「水が静止状態にあるときに、水が物体に与える圧力(水圧)p は、物体と水面の間にある水の重量によるもので、測定点と水面の距離(深度)に比例し、次のようにあらわされる:
p = ρg h
ρ (ロー) は、水の密度(蒸留水の密度は約1000 kg/m3)
g は、重力加速度(約9.8 m/s2 )
h は、物体と水面の距離(深さ)単位はメートル
ただし、地球上で開放水面をもつ水の水圧の値には、大気圧(海面で1 気圧)が加えられたものになる。」
このときの水圧というのは、水の柱の重さということになる。
(水柱メートル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%9F%B1%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB
「日本の計量法体系では、1 mH2O = 正確に 9806.65 Pa である」
ただし、生体内圧力に限って認められている単位であるらしい。
(流体静力学)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%81%E4%BD%93%E9%9D%99%E5%8A%9B%E5%AD%A6#.E9.9D.99.E6.B0.B4.E5.9C.A7
浮沈子には、さっぱりだな。
ダイビングでは、大気圧と水圧の合計がダイバーにかかる圧力ということになるので、絶対圧を用いるが、もともと異なる原理で働いている圧力を合わせて使うことになるので、ややこしい。
特に、高所潜水の場合、ここんところは影響が大きい。
(高所潜水)
http://www.sugipro.co.jp/kouza/contents/kosyosensui.html
「標高が高くなると気圧は低くなるので、標高の高い湖での圧力は、水の厚さからみれば海よりも浅くなるはずです。」
最早、この時点で浮沈子はアウトである。
まあ、浮沈子は高所恐怖症なので、高所潜水を行うことはないだろう(って、関係ないじゃん!)。
まあいい。
(☆上級編☆淡水・高所潜水とは)
http://www.geocities.co.jp/Colosseum/1662/DIV/s24-1.html
まあ、高所潜水の例を出したのは、気圧と水圧の関係を端的に示すためである。
気体の圧力のモデルになっているのは、気体分子が飛び交う粒子モデルであり、液体の水圧は、体積変化を伴わない重力モデルだ。
考えてみれば、ややっこしい話なのだが、実用的には、環境圧は水圧に気圧を加えるというシンプルな話であるな。
しかも、水中でのダイバーにとっては、呼吸する気体の圧力が重要であるわけだ。
海水、淡水というのも気になるが、これは項を改めて書く。
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