現実 ― 2014年08月15日 12:59
現実
(エボラ出血熱はなぜ収束しないのか)
http://apital.asahi.com/article/takayama/2014081400006.html
「感染症は見てないところで拡がっている」
「死亡者が1000人を超えたということですが、実際は数倍規模の死亡者が出ているのではないかと私は危惧します。」
「で、私は断言してもいいですが、家族は感染防御のガウンやマスクを着けていないですよ(とくに地方都市)。」
「NGOの診療所など、全体のなかでは「点」に過ぎません。」
「こういう「メディアにとって絵にならない」プロジェクトに十分なお金がついているかが、いま問われていると思います。」
なんか、エボラについて調べていて、久々に地に足が付いた記事を読んだ。
「先進国に伝播するかもしれないからとエボラが騒がれていますが、エボラよりもよほど多くの子どもたちが、いまもマラリアやエイズ、結核といった感染症で死んでいるのです。たとえば、シエラレオネの年間マラリア死亡数は1万3千人で、結核7千人、エイズ3千人です(WORLD HEALTH RANKINGS)。その現実に蓋をして、エボラの死者だけを数えるべきではありません。」
もちろん、先進国にいる浮沈子が危惧しているのは、現地のことより自分や身の回りのことに過ぎない。
アフリカでの感染症対策なんて気にし始めたら、夜も寝られなくなる。
それにしても、シエラレオネのマラリアって、多いなあ。
(WORLDHEALTHRANKINGS)
http://www.worldlifeexpectancy.com/sierra-leone-malaria
見事に世界ランク1位である!。
(健康プロフィール:シエラレオネ)
http://www.worldlifeexpectancy.com/country-health-profile/sierra-leone
ちなみに、このページを調べてみると、結核も世界ランク1位であることがわかる。
ついでに幼児の死亡率でも、世界一だ。
堂々たるもんだな。
ギニアとリベリアも見たが、シエラレオネの医療後進国振りは突出している。
「感染が拡がっているのは映像にあるような完全防御で医療を施しているNGOのテントではありません。ほとんど何の対策もとれていないような、地域の医療機関なのでしょう。あるいは、医療機関を受診することもできないような、貧困層が集住するスラムかもしれません。」
「見えないところで亡くなっている患者が多いものだからです。その見えないところで何が起きているのか……、その想像力が求められているのかもしれません。」
想像力を働かせていたら、またまた眠れなくなってしまう。
(Ebola virus disease update - west Africa)
http://www.who.int/csr/don/2014_08_13_ebola/en/
「Contact tracing in Guinea, Nigeria, and Sierra Leone has resulted in a range between 94% and 98% of contacts of EVD cases being identified and followed-up.」
この数字に騙されてはいけない。
表に出てきた患者や感染者について、トレースしているに過ぎないからだ。
それでも、しないよりはマシだし、それで抑止されるケースも多い。
今日は、ちょっと気になるニュースがあった。
(ケニア航空は運航継続 エボラ熱地域への発着便)
http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014081401001358.html
「感染地域への運航停止を検討していたケニア航空は14日、リベリアとシエラレオネの発着便の運航を継続すると発表した。「大きなリスクはない」と判断したという。」
撤退や運行停止の報が相次ぐ中、腹の座った決断をしたものである。
ケニアは、感染のリスクを負うことにしたのだ。
(エボラ出血熱 ケニアでも警戒強める)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140815/k10013821141000.html
「WHO=世界保健機関の担当者も、ケニアではエボラウイルスの感染が広がるリスクがあると指摘しました。」
リスクを認識し、対策を採った上で、一定の確率で感染することを受け入れたのである。
(エボラ熱感染「空の旅はリスク低い」 WHOが強調)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H0C_V10C14A8EAF000/
「WHOはエボラ熱が空気感染しないと改めて説明。「エボラ熱の症状が出た人は旅することもままならない状態になる」とし、機内で感染する可能性はきわめて低いと指摘した。エボラ熱は症状が出ていない状態や、軽い症状では他人に感染しないとされる。」
(WHO: Air travel is low-risk for Ebola transmission:元記事)
http://www.who.int/mediacentre/news/notes/2014/ebola-travel/en/
その一方で、こんな記事も・・・。
(ナイジェリア男性職員死亡 エボラ熱)
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20140814-1350589.html
「ナイジェリアでは7月下旬、感染者の米国籍の男性がリベリアから空路で到着後に死亡。職員はこの男性に同行していたという。これまでに男性の治療に当たった看護師が亡くなったが、職員の死亡で医療従事者以外にも感染が広まっている懸念が強まった。」
これって、機内感染ではないのかあ?。
まあいい。
航空機による感染拡大に対しては、各国が水際作戦を展開している。
(シンガポール、エボラ熱感染の疑いでナイジェリア女性を隔離)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GE0SE20140814
今のところ、航空機による感染拡大が確認されているのはナイジェリアだけだ。
ケニア航空の措置は、こうした実態を踏まえたものなんだろう。
(2050年、4人に1人がアフリカ人に)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM1301E_T10C14A8FF2000/
長期的には、アフリカが世界の中心になっていくことは間違いない。
しかし、その過程は、険しく困難なものだろう。
中国は、資源戦略を含めて、アフリカを運命共同体として位置づけている。
100万人の中国人がアフリカで暮らし、30万人のアフリカ出身者が中国で生活している(非合法入国者含めて)。
(中国、エボラ熱で厳戒態勢 上陸危機の背景に特異な関係)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140814/frn1408141537006-n2.htm
「中国は天然資源や食糧などを確保するために、アフリカを「運命共同体」と位置づけ、習近平国家主席や李克強首相らが頻繁に訪問し、ODA(政府開発援助)などを戦略的に実施している。」
「アフリカに進出している中国企業は1000社以上で、アフリカ在住の中国人は何と100万人弱にのぼる。」
「中国南部の広東省には推定で30万人以上のアフリカ人が住んでいるという。」
いや、まあ、いいんですけど。
隣の国に、大量にエボラが入ってきて、次から次へと感染するようなことがなければ。
運命共同体って、そういうことなのかあ?。
こんなニュースもあって、浮沈子は驚いている。
(エボラ感染看護師、政府命令従わず他都市へ移動 ナイジェリア)
http://www.afpbb.com/articles/-/3023090
「ナイジェリア政府は13日、首都ラゴス(Lagos)でエボラウイルスに感染した看護師の女性が、政府命令に従わずに東部エヌグ(Enugu)を訪れていたことを明らかにし、首都外へのエボラ拡散の懸念が持ち上がっている。」
「これまでのところ、エヌグで感染者は確認されていないが、感染の可能性がある21人が監視下にあるという。」
まあ、アフリカですから。
何が起こるか、予想もつかない。
これが、現実であり、この(クソのような)現実の中で、様々な対策を採っていかなければならないのだ。
「これが、アフリカの普通の(いや、かなり良い方の)病院の感染対策の実態です。日本の報道では、こうした一般的な病院におけるエボラ出血熱の診療の様子が伝わってきませんね。当然でしょう。誰だって怖ろしくて、こんな病院には近づきたくありません。でも、エボラを拡げているのは、こういう大半の「見えない病院」だという想像力が必要です。」
初出の記事では、病院がエボラを広げているという。
(エボラ熱は「残酷な病気」 国境なき医師団看護師・吉田照美さん シエラレオネで治療に参加)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140815/bdy14081510300001-n3.htm
「海外から駆けつけた医療スタッフが「奇病」を持ち込んだとみなされ、MSFの車両が投石されてフロントガラスを割られたり、現地で採用したスタッフが嫌がらせを受けたりしたこともあったという。」
無理もないかもしれない。
そんな状況の中で、感染者のトレースを行い、強制的に隔離し、感染ルートを断っていくというのは至難の技だ。
現地の人々にとっては、何重にも残酷な病気である。
肉親を奪われ、面会も制限され、お別れも、弔いも出来ず、遺体も返してもらえず、挙句の果てには自分自身が感染者になるのだ。
その連鎖を断つことだけが、この状況を終息させることができる。
医療者は、ほんの一部を手助けしているに過ぎない。
病院が、感染を助長しているという指摘は、浮沈子にとっては衝撃だな。
ここには、院内感染制御とか、スタンダードプリコーションなどという概念はカケラもない。
我が国では、考えられない悲惨な医療の実態がある。
そうして、今日もまた、感染者は増え続けていく。
(エボラ熱の街で 感染の恐怖、拭い去った握手 @グル)
http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201306040275.html
「2000年、この町をきわめて致死率の高い感染症のエボラ出血熱が襲い、170人以上が死亡した。うち、13人が地元のラチュル病院の医療従事者だった。」
「エボラは感染者の体液、血液に触れることによって感染する。その流行によって人々の慣習が変わった。人と会っても握手を交わさなくなった。亡くなった人の遺体を手で洗い清めることもしなくなった。取材時も、だれからも握手を求められなかったし、こちらも手を差し出さなかった。」
2000年の流行の際の話である。
この記事は、去年の6月、つまり、ウガンダにおける2012年の流行(31人の感染者と21人の死者)の後に書かれていることに着目する必要がある。
「あいさつしたとき、オピラ医師は何のためらいもなく右手を差し出した。町でも人々が握手を交わす姿を方々で見かけた。」
「遺体を清める慣習はどうだろう。「残念ながら」とオピラ医師は切り出した。「昔からの慣習はなかなか変えられないようです。すっかり元にもどってしまいました」」
「そう、もし万が一、再びエボラのような事態に襲われたら、どのようにふるまうべきか、みんなわかっています。まだ、あの記憶は消えていませんから」
そうだといいんだが。
今回の流行が、仮に収まったとして、何年か経てば、再び感染が起こることは十分に考えられる。
その時に、同じ医療環境、同じ生活習慣、同じ疾病に対する知識なら、同じように感染が広まるだろう。
その頃までに、有効なワクチンとか、良く効く治療薬が出来ていることを願うしかないのか。
(WHO Director-General briefs Geneva UN missions on the Ebola outbreak:追加:各国へのブリーフィング)
http://www.who.int/dg/speeches/2014/ebola-briefing/en/
「This is a fast-moving outbreak.」
「WHO and its partners are rapidly catching up.」
そうあってほしいもんだな。
(エボラ出血熱はなぜ収束しないのか)
http://apital.asahi.com/article/takayama/2014081400006.html
「感染症は見てないところで拡がっている」
「死亡者が1000人を超えたということですが、実際は数倍規模の死亡者が出ているのではないかと私は危惧します。」
「で、私は断言してもいいですが、家族は感染防御のガウンやマスクを着けていないですよ(とくに地方都市)。」
「NGOの診療所など、全体のなかでは「点」に過ぎません。」
「こういう「メディアにとって絵にならない」プロジェクトに十分なお金がついているかが、いま問われていると思います。」
なんか、エボラについて調べていて、久々に地に足が付いた記事を読んだ。
「先進国に伝播するかもしれないからとエボラが騒がれていますが、エボラよりもよほど多くの子どもたちが、いまもマラリアやエイズ、結核といった感染症で死んでいるのです。たとえば、シエラレオネの年間マラリア死亡数は1万3千人で、結核7千人、エイズ3千人です(WORLD HEALTH RANKINGS)。その現実に蓋をして、エボラの死者だけを数えるべきではありません。」
もちろん、先進国にいる浮沈子が危惧しているのは、現地のことより自分や身の回りのことに過ぎない。
アフリカでの感染症対策なんて気にし始めたら、夜も寝られなくなる。
それにしても、シエラレオネのマラリアって、多いなあ。
(WORLDHEALTHRANKINGS)
http://www.worldlifeexpectancy.com/sierra-leone-malaria
見事に世界ランク1位である!。
(健康プロフィール:シエラレオネ)
http://www.worldlifeexpectancy.com/country-health-profile/sierra-leone
ちなみに、このページを調べてみると、結核も世界ランク1位であることがわかる。
ついでに幼児の死亡率でも、世界一だ。
堂々たるもんだな。
ギニアとリベリアも見たが、シエラレオネの医療後進国振りは突出している。
「感染が拡がっているのは映像にあるような完全防御で医療を施しているNGOのテントではありません。ほとんど何の対策もとれていないような、地域の医療機関なのでしょう。あるいは、医療機関を受診することもできないような、貧困層が集住するスラムかもしれません。」
「見えないところで亡くなっている患者が多いものだからです。その見えないところで何が起きているのか……、その想像力が求められているのかもしれません。」
想像力を働かせていたら、またまた眠れなくなってしまう。
(Ebola virus disease update - west Africa)
http://www.who.int/csr/don/2014_08_13_ebola/en/
「Contact tracing in Guinea, Nigeria, and Sierra Leone has resulted in a range between 94% and 98% of contacts of EVD cases being identified and followed-up.」
この数字に騙されてはいけない。
表に出てきた患者や感染者について、トレースしているに過ぎないからだ。
それでも、しないよりはマシだし、それで抑止されるケースも多い。
今日は、ちょっと気になるニュースがあった。
(ケニア航空は運航継続 エボラ熱地域への発着便)
http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014081401001358.html
「感染地域への運航停止を検討していたケニア航空は14日、リベリアとシエラレオネの発着便の運航を継続すると発表した。「大きなリスクはない」と判断したという。」
撤退や運行停止の報が相次ぐ中、腹の座った決断をしたものである。
ケニアは、感染のリスクを負うことにしたのだ。
(エボラ出血熱 ケニアでも警戒強める)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140815/k10013821141000.html
「WHO=世界保健機関の担当者も、ケニアではエボラウイルスの感染が広がるリスクがあると指摘しました。」
リスクを認識し、対策を採った上で、一定の確率で感染することを受け入れたのである。
(エボラ熱感染「空の旅はリスク低い」 WHOが強調)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H0C_V10C14A8EAF000/
「WHOはエボラ熱が空気感染しないと改めて説明。「エボラ熱の症状が出た人は旅することもままならない状態になる」とし、機内で感染する可能性はきわめて低いと指摘した。エボラ熱は症状が出ていない状態や、軽い症状では他人に感染しないとされる。」
(WHO: Air travel is low-risk for Ebola transmission:元記事)
http://www.who.int/mediacentre/news/notes/2014/ebola-travel/en/
その一方で、こんな記事も・・・。
(ナイジェリア男性職員死亡 エボラ熱)
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20140814-1350589.html
「ナイジェリアでは7月下旬、感染者の米国籍の男性がリベリアから空路で到着後に死亡。職員はこの男性に同行していたという。これまでに男性の治療に当たった看護師が亡くなったが、職員の死亡で医療従事者以外にも感染が広まっている懸念が強まった。」
これって、機内感染ではないのかあ?。
まあいい。
航空機による感染拡大に対しては、各国が水際作戦を展開している。
(シンガポール、エボラ熱感染の疑いでナイジェリア女性を隔離)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GE0SE20140814
今のところ、航空機による感染拡大が確認されているのはナイジェリアだけだ。
ケニア航空の措置は、こうした実態を踏まえたものなんだろう。
(2050年、4人に1人がアフリカ人に)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM1301E_T10C14A8FF2000/
長期的には、アフリカが世界の中心になっていくことは間違いない。
しかし、その過程は、険しく困難なものだろう。
中国は、資源戦略を含めて、アフリカを運命共同体として位置づけている。
100万人の中国人がアフリカで暮らし、30万人のアフリカ出身者が中国で生活している(非合法入国者含めて)。
(中国、エボラ熱で厳戒態勢 上陸危機の背景に特異な関係)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140814/frn1408141537006-n2.htm
「中国は天然資源や食糧などを確保するために、アフリカを「運命共同体」と位置づけ、習近平国家主席や李克強首相らが頻繁に訪問し、ODA(政府開発援助)などを戦略的に実施している。」
「アフリカに進出している中国企業は1000社以上で、アフリカ在住の中国人は何と100万人弱にのぼる。」
「中国南部の広東省には推定で30万人以上のアフリカ人が住んでいるという。」
いや、まあ、いいんですけど。
隣の国に、大量にエボラが入ってきて、次から次へと感染するようなことがなければ。
運命共同体って、そういうことなのかあ?。
こんなニュースもあって、浮沈子は驚いている。
(エボラ感染看護師、政府命令従わず他都市へ移動 ナイジェリア)
http://www.afpbb.com/articles/-/3023090
「ナイジェリア政府は13日、首都ラゴス(Lagos)でエボラウイルスに感染した看護師の女性が、政府命令に従わずに東部エヌグ(Enugu)を訪れていたことを明らかにし、首都外へのエボラ拡散の懸念が持ち上がっている。」
「これまでのところ、エヌグで感染者は確認されていないが、感染の可能性がある21人が監視下にあるという。」
まあ、アフリカですから。
何が起こるか、予想もつかない。
これが、現実であり、この(クソのような)現実の中で、様々な対策を採っていかなければならないのだ。
「これが、アフリカの普通の(いや、かなり良い方の)病院の感染対策の実態です。日本の報道では、こうした一般的な病院におけるエボラ出血熱の診療の様子が伝わってきませんね。当然でしょう。誰だって怖ろしくて、こんな病院には近づきたくありません。でも、エボラを拡げているのは、こういう大半の「見えない病院」だという想像力が必要です。」
初出の記事では、病院がエボラを広げているという。
(エボラ熱は「残酷な病気」 国境なき医師団看護師・吉田照美さん シエラレオネで治療に参加)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140815/bdy14081510300001-n3.htm
「海外から駆けつけた医療スタッフが「奇病」を持ち込んだとみなされ、MSFの車両が投石されてフロントガラスを割られたり、現地で採用したスタッフが嫌がらせを受けたりしたこともあったという。」
無理もないかもしれない。
そんな状況の中で、感染者のトレースを行い、強制的に隔離し、感染ルートを断っていくというのは至難の技だ。
現地の人々にとっては、何重にも残酷な病気である。
肉親を奪われ、面会も制限され、お別れも、弔いも出来ず、遺体も返してもらえず、挙句の果てには自分自身が感染者になるのだ。
その連鎖を断つことだけが、この状況を終息させることができる。
医療者は、ほんの一部を手助けしているに過ぎない。
病院が、感染を助長しているという指摘は、浮沈子にとっては衝撃だな。
ここには、院内感染制御とか、スタンダードプリコーションなどという概念はカケラもない。
我が国では、考えられない悲惨な医療の実態がある。
そうして、今日もまた、感染者は増え続けていく。
(エボラ熱の街で 感染の恐怖、拭い去った握手 @グル)
http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201306040275.html
「2000年、この町をきわめて致死率の高い感染症のエボラ出血熱が襲い、170人以上が死亡した。うち、13人が地元のラチュル病院の医療従事者だった。」
「エボラは感染者の体液、血液に触れることによって感染する。その流行によって人々の慣習が変わった。人と会っても握手を交わさなくなった。亡くなった人の遺体を手で洗い清めることもしなくなった。取材時も、だれからも握手を求められなかったし、こちらも手を差し出さなかった。」
2000年の流行の際の話である。
この記事は、去年の6月、つまり、ウガンダにおける2012年の流行(31人の感染者と21人の死者)の後に書かれていることに着目する必要がある。
「あいさつしたとき、オピラ医師は何のためらいもなく右手を差し出した。町でも人々が握手を交わす姿を方々で見かけた。」
「遺体を清める慣習はどうだろう。「残念ながら」とオピラ医師は切り出した。「昔からの慣習はなかなか変えられないようです。すっかり元にもどってしまいました」」
「そう、もし万が一、再びエボラのような事態に襲われたら、どのようにふるまうべきか、みんなわかっています。まだ、あの記憶は消えていませんから」
そうだといいんだが。
今回の流行が、仮に収まったとして、何年か経てば、再び感染が起こることは十分に考えられる。
その時に、同じ医療環境、同じ生活習慣、同じ疾病に対する知識なら、同じように感染が広まるだろう。
その頃までに、有効なワクチンとか、良く効く治療薬が出来ていることを願うしかないのか。
(WHO Director-General briefs Geneva UN missions on the Ebola outbreak:追加:各国へのブリーフィング)
http://www.who.int/dg/speeches/2014/ebola-briefing/en/
「This is a fast-moving outbreak.」
「WHO and its partners are rapidly catching up.」
そうあってほしいもんだな。
過小評価 ― 2014年08月15日 18:53
過小評価
ちょっと、衝撃の記事。
(エボラ出血熱の感染規模、過小評価されている=WHO)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GF05D20140815
「報告された感染のケースや死者の数が感染規模を総じて過小評価しているという事実に、現場のスタッフは直面している」
この翻訳がピンと来なかった浮沈子は、原文に当たって度肝を抜かれた!。
(WHO Ebola news)
http://www.who.int/csr/disease/ebola/overview-20140814/en/
「Staff at the outbreak sites see evidence that the numbers of reported cases and deaths vastly underestimate the magnitude of the outbreak.」
中学英語しかわからない浮沈子でも、これは分かる。
これは、「過小評価」ではなく、「過少報告」とすべき事態だ。
発症国から報告される数字が、「全く」当てにならないと言っているのだ。
各紙は、押しなべて「過小評価」という訳語をそのまま使っている(翻訳的には正しい)が、WHOが自ら発表している数字を否定しているのだから、現地スタッフの認識と余程のギャップがあるのだろう。
「vastly」って、あんまり聞かない単語だけど、「どえらい」という感じかあ?。
(エボラ流行規模は「過小評価」、WHOが見解)
http://www.afpbb.com/articles/-/3023162
「感染者や死者の報告数が流行の規模を大幅に過小評価していることを示す証拠を、現場のスタッフは目の当たりにしている」
だいぶマシな翻訳だな。
それにしても、報告されている数字と実態とのギャップは、なぜ生じているのか。
(「エボラのコントロールは困難」)
http://jp.rbth.com/science/2014/08/07/49569.html
「西アフリカ諸国の政府は、ようやく、感染者数を隠す必要のないことを理解しました。ここ数日で一定の変化が起こっています。」
前にも引用した記事の中に、その答えはあった。
そう、当局が隠していたのだ。
そして、たぶん、今も正確な数字は「全く」出ていないのではないかとWHOに疑われている。
(アフリカ全体に「エボラ禍」拡大、ビジネスイベント取り消し続く)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GF0AR20140815
「経済成長への期待を背景に注目を集めるアフリカのイメージが「エボラ禍」によって損なわれかねない情勢だ。」
この記事自体は、発症国以外に影響が及んでいる点を報じているが、発症国自体がそういう発想に立っているのではないか。
どうしょうもねえな。
(焦点:エボラが奪う西アフリカの「生命力」、内戦からの復興に打撃)
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN0G70LJ.html
「リベリアのアマラ・コネー財務相はロイターに対し、エボラ熱はすでに、4─6月の同国経済に1200万ドル(約12億円)の打撃を与えたと説明。国家予算の2%に相当する経済損失であり、従来5.9%としていたGDP伸び率予想を下方修正せざるを得ないと述べた。」
「同相は「われわれは今回の危機対応に奔走している。もし封じ込めができなければ、国家経済に深刻な影響をもたらす」と危機感を募らせる。」
「一方、シエラレオネのサムラ・カマラ外相は、エボラ対策に回せる予算はほとんどないと厳しい財政状況を吐露。ワシントンを訪問中の同相はロイターの取材に「資源やエネルギーを(エボラ対策に)回さなくてはならない。降ってわいた病気と闘うために、経済発展の他の側面が犠牲になっている」と語った。」
元はロイターの記事だが、今回の流行の経済的な側面を冷静に見ている。
そう、発症国は、エボラなんかに貴重な国家予算を投じたくはないのだ。
その姿勢は、おそらく今でも変わっていない。
おまけに、こんな話まである・・・。
(エボラ熱は「政府のウソ」 政治不信が感染を助長)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75645020U4A810C1000000/?df=2&dg=1
「数カ月前にエボラ熱が発生してからというもの、東部地域の住人の一部の間で、政府は野党の拠点であるこの地域の人口を減らそうとしているという話が飛び交っている。」
本当だとしたら、人道に悖る悪魔の所業だが、人間が悪魔より残酷な存在であることを考えると、あながちあり得ない話ではないかもしれない。
浮沈子は、それでも、WHOの報告する数字しか手に入らないので、それを使うしかないが、誤差の範囲とかでなく、「vastly」な違い(たとえば、数倍とか)だった時には、とんでもない見当違いな評価になってしまうわけだ。
致死的な疾病を隠して、経済発展を図ろうとしたり、政治的意図で対抗する勢力の拠点に対して、意図的なサボタージュをおこなったり。
スピードが要求される対応だが、そもそもスピードメーターが壊れているのでは話にならない。
確かに、実態の捕捉が困難という側面はあるだろう。
シエラレオネはともかく、ギニアやリベリアの確定診断が遅過ぎるということもある。
(拡大するエボラ感染)
http://jp.reuters.com/news/globalcoverage/ebola
発症国の政府には、改めて適切な報告を求めたい(といっても、無理かあ?)。
(エボラ出血熱対策で首脳ら電話会談 米が協力へ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140815/k10013821601000.html
「オバマ大統領は14日、リベリアのジョンソンサーリーフ大統領やシエラレオネのコロマ大統領と相次いで電話で会談しました。」
ギニアは、無視かあ?。
「オバマ大統領が400日前に指名したシエラレオネの大使が、与野党の対立からアメリカ議会上院の承認が得られず、赴任できないままとなっていることに危機感を示しました。」
米国もぐちゃぐちゃだな。
「エボラ出血熱のためシエラレオネで通常の医療サービスが受けにくくなっているとして、アメリカ大使館員の家族に対し国外に退避するよう指示したことを明らかにしました。」
米国は、別にギニアに恨みがあるわけではないだろう。
(流行3カ国とエボラ対策協議=米)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014080500250
「米国のバーウェル厚生長官とフリーデン疾病対策センター(CDC)所長は4日、ワシントン市内でギニアのコンデ大統領やリベリア、シエラレオネ両国の高官とエボラ出血熱対策について協議した。米側は、流行封じ込めに向けた取り組みを支援する考えを改めて伝えた。」
大統領とも、米国高官レベルで会談している。
ギニアは、旧宗主国がフランスということもあるのだろうが、今回の対応の中では、ちょっと異質な感じがしている。
WHOが、非常事態を宣言するよう勧告したにも拘らず、その宣言までには時間がかかっている。
感染拡大のスピードは緩やかになったが、それは見かけだけのことかもしれない。
まともな数字が報告されているという保障はないのだ。
先進各国が経済的な意味で注目しているのはナイジェリアの状況だろう。
(アフリカの名目GDP(USドル)ランキング)
http://ecodb.net/ranking/area/G/imf_ngdpd.html
ナイジェリアの経済規模は、ギニア、シエラレオネ、リベリアを合わせた規模のざっと20倍になる。
ナイジェリアのGDPは、ちょっといわくがあって、もっと大きいという話もある。
(アフリカ最大の経済国はナイジェリア)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40391
「統計の修正の結果、2013年のナイジェリアのGDPは5090億ドルとなり、それまで公表されていた推計値を89%上回った。」
「アフリカで最も人口が多く、最大の産油国であるナイジェリアは、世界トップ20の経済大国になるという野望を射程圏内に入れた。」
ナイジェリアがコケたときは、確かにアフリカ全体に影響が出るな。
まあ、どうでもいいんですが。
そんなことより、ナイジェリア関連では、こっちのニュースが気になる。
(ナイジェリア、エボラ特効製剤開発)
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_08_15/naijeria-ebora/
「ナイジェリア政府はエボラ出血熱に特効の国産試験薬を受領した。木曜、同国オニエブチ・チュクヴ保健大臣が記者会見で発表した。ナイジェリアのNAN通信が伝えた。」
「試薬の名はナノシルヴァー。薬の詳細は追って明かされるという。」
うーん、怪しげな名前だな。
(エボラ熱感染者に治験薬「ナノシルバー」投与へ=ナイジェリア)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303959804580092441299943302
「ナイジェリア当局はナノシルバーに期待しているが、この薬に関してはほとんど知られていない。同国の感染症専門家Simon Agwale博士は、ナノシルバーはウイルス、細菌、寄生虫に効果があることが確かめられているとし、エボラ患者に対する「効果がある可能性もある」と述べた。」
タイガーバームのようなもんかあ?。
(タイガーバーム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%A0
「使用法:
タイガーバームは軽い病気・けがを和らげると、愛用者はコメントしている」
まあいい。
毒でなければ、何でも試す価値はあるだろう。
(米FDA、偽のエボラ薬販売に警戒姿勢表明)
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2014/08/132410.php
「FDAの広報担当者は、ナノシルバーに関して特に情報を提供することはできないと述べた。またFDAは今回の警告で、特定の製品について言及はしていない。」
「銀は古くから抗菌剤として利用されており、銀を超微粒子化したナノシルバーは抗菌・防カビのために靴下から寝具に至る幅広い消費財に使われるが、その安全性をめぐり議論も巻き起こっている。最近では、デンマークの研究者がナノシルバーが細胞を傷つける可能性があると報告した。」
「米環境保護局(EPA)は、ナノシルバーを殺虫剤・農薬とみなし、ナノシルバーを含む製品の生産者に登録を義務化。さらにナノシルバーはインターネット上ではダイエットサプリとして販売されている場合もあり、ダイエットサプリの規制を担当するFDAは「法令により、ダイエットサプリは病気の予防ないし治療に効果があるとうたうことはできない」としている。」
便乗商法というのは、何時の時代にもあるものだ。
危機に乗じて荒稼ぎする輩にとっては、WHOの数字に、ちっとばっか上乗せしたいところだろう。
防疫の基本となる報告が、何らかの理由で歪められているとすれば、由々しき事態だ。
浮沈子的には、傾向と対策を見極める根拠になるので、可能な限り正確な数値を出してくれることを願うしかない。
(エボラ出血熱 WHO「実態はより深刻」:追加)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140815/k10013838351000.html
「現地で対策に当たっている専門家が、これまで報告されている感染事例や死者数だけではエボラ出血熱の感染の状況を完全には把握しきれていないとみていることを明らかにし、実態はより深刻だという認識を示しました。」
うーん、NHKの底力を感じさせる翻訳だな・・・。
ちょっと、衝撃の記事。
(エボラ出血熱の感染規模、過小評価されている=WHO)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GF05D20140815
「報告された感染のケースや死者の数が感染規模を総じて過小評価しているという事実に、現場のスタッフは直面している」
この翻訳がピンと来なかった浮沈子は、原文に当たって度肝を抜かれた!。
(WHO Ebola news)
http://www.who.int/csr/disease/ebola/overview-20140814/en/
「Staff at the outbreak sites see evidence that the numbers of reported cases and deaths vastly underestimate the magnitude of the outbreak.」
中学英語しかわからない浮沈子でも、これは分かる。
これは、「過小評価」ではなく、「過少報告」とすべき事態だ。
発症国から報告される数字が、「全く」当てにならないと言っているのだ。
各紙は、押しなべて「過小評価」という訳語をそのまま使っている(翻訳的には正しい)が、WHOが自ら発表している数字を否定しているのだから、現地スタッフの認識と余程のギャップがあるのだろう。
「vastly」って、あんまり聞かない単語だけど、「どえらい」という感じかあ?。
(エボラ流行規模は「過小評価」、WHOが見解)
http://www.afpbb.com/articles/-/3023162
「感染者や死者の報告数が流行の規模を大幅に過小評価していることを示す証拠を、現場のスタッフは目の当たりにしている」
だいぶマシな翻訳だな。
それにしても、報告されている数字と実態とのギャップは、なぜ生じているのか。
(「エボラのコントロールは困難」)
http://jp.rbth.com/science/2014/08/07/49569.html
「西アフリカ諸国の政府は、ようやく、感染者数を隠す必要のないことを理解しました。ここ数日で一定の変化が起こっています。」
前にも引用した記事の中に、その答えはあった。
そう、当局が隠していたのだ。
そして、たぶん、今も正確な数字は「全く」出ていないのではないかとWHOに疑われている。
(アフリカ全体に「エボラ禍」拡大、ビジネスイベント取り消し続く)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GF0AR20140815
「経済成長への期待を背景に注目を集めるアフリカのイメージが「エボラ禍」によって損なわれかねない情勢だ。」
この記事自体は、発症国以外に影響が及んでいる点を報じているが、発症国自体がそういう発想に立っているのではないか。
どうしょうもねえな。
(焦点:エボラが奪う西アフリカの「生命力」、内戦からの復興に打撃)
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN0G70LJ.html
「リベリアのアマラ・コネー財務相はロイターに対し、エボラ熱はすでに、4─6月の同国経済に1200万ドル(約12億円)の打撃を与えたと説明。国家予算の2%に相当する経済損失であり、従来5.9%としていたGDP伸び率予想を下方修正せざるを得ないと述べた。」
「同相は「われわれは今回の危機対応に奔走している。もし封じ込めができなければ、国家経済に深刻な影響をもたらす」と危機感を募らせる。」
「一方、シエラレオネのサムラ・カマラ外相は、エボラ対策に回せる予算はほとんどないと厳しい財政状況を吐露。ワシントンを訪問中の同相はロイターの取材に「資源やエネルギーを(エボラ対策に)回さなくてはならない。降ってわいた病気と闘うために、経済発展の他の側面が犠牲になっている」と語った。」
元はロイターの記事だが、今回の流行の経済的な側面を冷静に見ている。
そう、発症国は、エボラなんかに貴重な国家予算を投じたくはないのだ。
その姿勢は、おそらく今でも変わっていない。
おまけに、こんな話まである・・・。
(エボラ熱は「政府のウソ」 政治不信が感染を助長)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75645020U4A810C1000000/?df=2&dg=1
「数カ月前にエボラ熱が発生してからというもの、東部地域の住人の一部の間で、政府は野党の拠点であるこの地域の人口を減らそうとしているという話が飛び交っている。」
本当だとしたら、人道に悖る悪魔の所業だが、人間が悪魔より残酷な存在であることを考えると、あながちあり得ない話ではないかもしれない。
浮沈子は、それでも、WHOの報告する数字しか手に入らないので、それを使うしかないが、誤差の範囲とかでなく、「vastly」な違い(たとえば、数倍とか)だった時には、とんでもない見当違いな評価になってしまうわけだ。
致死的な疾病を隠して、経済発展を図ろうとしたり、政治的意図で対抗する勢力の拠点に対して、意図的なサボタージュをおこなったり。
スピードが要求される対応だが、そもそもスピードメーターが壊れているのでは話にならない。
確かに、実態の捕捉が困難という側面はあるだろう。
シエラレオネはともかく、ギニアやリベリアの確定診断が遅過ぎるということもある。
(拡大するエボラ感染)
http://jp.reuters.com/news/globalcoverage/ebola
発症国の政府には、改めて適切な報告を求めたい(といっても、無理かあ?)。
(エボラ出血熱対策で首脳ら電話会談 米が協力へ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140815/k10013821601000.html
「オバマ大統領は14日、リベリアのジョンソンサーリーフ大統領やシエラレオネのコロマ大統領と相次いで電話で会談しました。」
ギニアは、無視かあ?。
「オバマ大統領が400日前に指名したシエラレオネの大使が、与野党の対立からアメリカ議会上院の承認が得られず、赴任できないままとなっていることに危機感を示しました。」
米国もぐちゃぐちゃだな。
「エボラ出血熱のためシエラレオネで通常の医療サービスが受けにくくなっているとして、アメリカ大使館員の家族に対し国外に退避するよう指示したことを明らかにしました。」
米国は、別にギニアに恨みがあるわけではないだろう。
(流行3カ国とエボラ対策協議=米)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014080500250
「米国のバーウェル厚生長官とフリーデン疾病対策センター(CDC)所長は4日、ワシントン市内でギニアのコンデ大統領やリベリア、シエラレオネ両国の高官とエボラ出血熱対策について協議した。米側は、流行封じ込めに向けた取り組みを支援する考えを改めて伝えた。」
大統領とも、米国高官レベルで会談している。
ギニアは、旧宗主国がフランスということもあるのだろうが、今回の対応の中では、ちょっと異質な感じがしている。
WHOが、非常事態を宣言するよう勧告したにも拘らず、その宣言までには時間がかかっている。
感染拡大のスピードは緩やかになったが、それは見かけだけのことかもしれない。
まともな数字が報告されているという保障はないのだ。
先進各国が経済的な意味で注目しているのはナイジェリアの状況だろう。
(アフリカの名目GDP(USドル)ランキング)
http://ecodb.net/ranking/area/G/imf_ngdpd.html
ナイジェリアの経済規模は、ギニア、シエラレオネ、リベリアを合わせた規模のざっと20倍になる。
ナイジェリアのGDPは、ちょっといわくがあって、もっと大きいという話もある。
(アフリカ最大の経済国はナイジェリア)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40391
「統計の修正の結果、2013年のナイジェリアのGDPは5090億ドルとなり、それまで公表されていた推計値を89%上回った。」
「アフリカで最も人口が多く、最大の産油国であるナイジェリアは、世界トップ20の経済大国になるという野望を射程圏内に入れた。」
ナイジェリアがコケたときは、確かにアフリカ全体に影響が出るな。
まあ、どうでもいいんですが。
そんなことより、ナイジェリア関連では、こっちのニュースが気になる。
(ナイジェリア、エボラ特効製剤開発)
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_08_15/naijeria-ebora/
「ナイジェリア政府はエボラ出血熱に特効の国産試験薬を受領した。木曜、同国オニエブチ・チュクヴ保健大臣が記者会見で発表した。ナイジェリアのNAN通信が伝えた。」
「試薬の名はナノシルヴァー。薬の詳細は追って明かされるという。」
うーん、怪しげな名前だな。
(エボラ熱感染者に治験薬「ナノシルバー」投与へ=ナイジェリア)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303959804580092441299943302
「ナイジェリア当局はナノシルバーに期待しているが、この薬に関してはほとんど知られていない。同国の感染症専門家Simon Agwale博士は、ナノシルバーはウイルス、細菌、寄生虫に効果があることが確かめられているとし、エボラ患者に対する「効果がある可能性もある」と述べた。」
タイガーバームのようなもんかあ?。
(タイガーバーム)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%A0
「使用法:
タイガーバームは軽い病気・けがを和らげると、愛用者はコメントしている」
まあいい。
毒でなければ、何でも試す価値はあるだろう。
(米FDA、偽のエボラ薬販売に警戒姿勢表明)
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2014/08/132410.php
「FDAの広報担当者は、ナノシルバーに関して特に情報を提供することはできないと述べた。またFDAは今回の警告で、特定の製品について言及はしていない。」
「銀は古くから抗菌剤として利用されており、銀を超微粒子化したナノシルバーは抗菌・防カビのために靴下から寝具に至る幅広い消費財に使われるが、その安全性をめぐり議論も巻き起こっている。最近では、デンマークの研究者がナノシルバーが細胞を傷つける可能性があると報告した。」
「米環境保護局(EPA)は、ナノシルバーを殺虫剤・農薬とみなし、ナノシルバーを含む製品の生産者に登録を義務化。さらにナノシルバーはインターネット上ではダイエットサプリとして販売されている場合もあり、ダイエットサプリの規制を担当するFDAは「法令により、ダイエットサプリは病気の予防ないし治療に効果があるとうたうことはできない」としている。」
便乗商法というのは、何時の時代にもあるものだ。
危機に乗じて荒稼ぎする輩にとっては、WHOの数字に、ちっとばっか上乗せしたいところだろう。
防疫の基本となる報告が、何らかの理由で歪められているとすれば、由々しき事態だ。
浮沈子的には、傾向と対策を見極める根拠になるので、可能な限り正確な数値を出してくれることを願うしかない。
(エボラ出血熱 WHO「実態はより深刻」:追加)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140815/k10013838351000.html
「現地で対策に当たっている専門家が、これまで報告されている感染事例や死者数だけではエボラ出血熱の感染の状況を完全には把握しきれていないとみていることを明らかにし、実態はより深刻だという認識を示しました。」
うーん、NHKの底力を感じさせる翻訳だな・・・。
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