😼欧州大戦争:重箱の隅:トレツク陥落2025年02月08日 07:07

欧州大戦争:重箱の隅:トレツク陥落


(ロシア軍、ウクライナ東部要衝トレツク制圧)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/SJWV7O2D7BMK7JPMKC7DYMF27Y-2025-02-07/

「トレツクを制圧したと発表」(ロシア国防省)

まあ、その、例によって、いろいろ問題があるわけだがな・・・。

「ロイターは戦況を独自に確認できておらず、ウクライナからのコメントもすぐには得られていない。」

ウクライナが認めるのは、たぶん4月くらいになってからだろう(後述)。

「東部戦線の要衝であるウクライナ東部ドネツク州の炭鉱都市」

「高台に位置するトレツクを占領すればロシア軍は複数の主要都市につながる重要な物流拠点である北西のコスティアンティニウカに向けて進軍できる公算が大きい」(ウクライナの軍事アナリストら)

チャシブヤールもそろそろ危なくなってきているから、南と東から同時に攻め込まれるコスティアンティニフカ(コスティアンティニウカ)の運命は儚いに違いない。

(ロシア国防省がトレツク解放を発表、RYBARは確認も否定も出来ない)
https://grandfleet.info/russia-related/russian-defense-ministry-announces-release-of-toletsk-rybar-says-cannot-be-confirmed/

「ロシア国防省は7日「トレツク解放」を発表したが、RYBARは「解放を確認することも否定することも出来ない」と、DEEP STATEも「トレツクの北郊外、西郊外、ザバルカ地区で戦闘が継続している」と指摘」

「タイミング的にはクルスク方面の失態から目を逸らす意図」(航空万能論ブログ管理人)

まあ、そういう要素がないとは思わないけど、トレツク市街の大半がロシアの支配下に置かれていることは間違いないわけで、ロシア国防省の多少の勇み足(数か月?)はこれまでの経験から誤差のうちと考えるのが、精神衛生上はよろしい(そういうことかあ?)。

少なくとも、ウクライナ軍が複数地点で反撃しているとはいえ、猛攻を掛けてトレツクを奪還する勢いにないことだけは確かだ。

「昨年9月に発表されたトレツク解放は双方の視覚的証拠によって否定されたが、国防省は再びトレツク解放を宣言した。」(RYBAR)

9月にそんなことがあったとは知らなかったな。

「ウクライナ軍はディリイフカやダクネからトレツクに入ることができ、郊外にもウクライナ軍の部隊が残っている。現時点でトレツク解放を確認することも否定することも出来ない」(同上)

「敵がトレツクを完全制圧したという狂気じみたニュースが飛び込んできた。我が軍はトレツクの北郊外、西郊外、ザバルカ地区で戦闘を継続している。但し、市内中心部の大部分は敵の支配下にある」(DEEP STATE)

上記のように、複数の情報源はロシア軍のトレツクの「占領」に懐疑的だ。

ウクライナ当局は沈黙を保っているようだが、こっちはこっちでいろいろ問題を抱えている。

「ウクライナ人は残念ながら自国の公式情報を信用することができない。国は未だにクラホヴェやヴェリカノボシルカの喪失を国民に知らせておらず、人々は公式情報について多くの疑問を投げかけている」(同上)

「ウクライナ軍が重要拠点の喪失を公式に認めるまで「季節が変わるほどの時間」を必要とするのは誰もが知っているため、もはやクラホヴェやヴェリカノボシルカの喪失は話題にもならない」(航空万能論ブログ管理人)

攻める方は戦禍をアピールするために勇み足を踏み出し、守る方は自軍の劣勢を隠すために発表を遅らせるというのはいつの時代も、どんな戦争でも変わらないんだろうけど、後退を転進と言い替え、ずるずると敗北への道を歩んだ過去を持つ我が国を顧みると、人のことは言えない気もする。

まあ、どうでもいいんですが。

初出のロイターの記事にあるように、トレツクはドネツク州の主要都市群を攻略する上で、戦術上重要な拠点となる。

ウクライナ軍が激しく抵抗し、簡単に明け渡さないのはチャシブヤールと同じだ。

停戦交渉の話は別として、純軍事的な観点からは、ここでの戦闘はしばらく継続されると見ていい。

ロシア軍の損耗を促しながら、撤退戦(防御戦)を継続して「領土」というリソースを食いつぶしながら「時間」を稼ぐ。

残念ながら、多少の反撃が成功したところで、その「時間」がロシアに味方している状況を覆すことは出来ないでいるけどな。

浮沈子の妄想の一つであるトランス二ストリアへの越境攻撃がなければ、ウクライナの命運は尽きる。

ブダノフは夏までと言い、トランプは6か月(1月時点で)と言う。

欧州の夏は短い。

トレツク陥落をウクライナが認めるのが先か、継戦能力が尽きるのが先か(そうなのかあ?)。

重箱の隅をつついている間に、重箱ごとひっくり返っちまいそうな情勢ではあるな・・・。

🚀SLS:キャンセル:来るものが来た2025年02月08日 21:01

SLS:キャンセル:来るものが来た


(ボーイングは従業員に対し、NASAがSLS契約をキャンセルする可能性があると通知した。)
https://arstechnica.com/space/2025/02/boeing-has-informed-its-employees-that-nasa-may-cancel-sls-contracts/

「ボーイング社とのロケット契約は3月に終了する可能性」(ボーイングの副社長兼SLSロケットのプログラムマネージャーであるデビッド・ダッチャー氏)

「宇宙機関との契約が更新されない場合に備えて、同社は人員削減の準備を進めている」(同上)

この手の話は、11年前(2014年)のスターライナーとクルードラゴンの契約の際にもあった。

NASAは当時、1社だけを選定するとしており、選定される直前に、ボーイングはスターライナーチームに対して解雇を予告していた(今じゃあ、あん時そうしてれば良かったと思ってるかもな)。

今回の社内通知が、同様の状況の下で行われたことを考えると、NASAに対する一種のけん制とも受け取れる(そうなのかあ?)。

そうでなければ、SLSのキャンセル(廃止)が、現実になってきたことの明らかな兆候だ。

「アルテミス計画の修正とコスト予測に合わせるため、本日、スペース・ローンチ・システムズ・チームに対し、2025年4月までに約400人の人員削減の可能性を通知しました」(ボーイングの広報担当者)

「これにより、労働者調整・再訓練通知法に従い、影響を受ける従業員に対して今後数週間以内に60日間の強制解雇通知を発行する必要があります。当社は顧客と協力し、社内全体で従業員を再配置する機会を模索し、雇用喪失を最小限に抑え、有能なチームメイトを維持しています。」(同上)

「ホワイトハウスとNASAの上級幹部の間では、SLSロケットとアルテミス月計画の将来について、ジャネット・ペトロ長官代行を含め、活発な議論が交わされているという。」(複数の情報筋)

「商業宇宙推進派の中には、ロケットの全面的な中止を強く求めている者もいる。ペトロ長官は、計画が中止される前に、NASAがSLSロケットの初期バージョンを使用してアルテミスIIとアルテミスIIIのミッションを飛行させるのを許可するようホワイトハウスに強く求めている。」(同上)

ペトロ氏が、SLSを支持しているというのは、浮沈子的には軽い驚きだ。

が、まあ、ぶっちゃけ、それはポーズに過ぎないのかも知れない。

「批判者は、SLSロケット計画を初の月面着陸のために残しておくと、ボーイングなどの大手請負業者が作業を遅らせ、コストプラス契約でできるだけ資金を先延ばしにするよう動機づけられるため、実際には進歩が妨げられると言っている。」

これに対する有効な反論はない。

SLSの廃止は、いずれにしても確定した未来だ(ペトロ氏も、アルテミス4以降の実施は求めていないようだしな)。

やれやれ・・・。

「ホワイトハウスは大型ロケットに関してまだ最終決定を下していない。」(サブタイトル)

この決定がなされた瞬間、中国の今世紀初の有人月面着陸が確定する(そうなのかあ?)。

と同時に、アルテミス計画は危機に瀕する。

つーか、月軌道への有人打ち上げロケットを欠いたまま、風前の灯火となる。

浮沈子の見立てでは、スターシップが有人で飛ぶのは2030年代半ばになるから中国の月面着陸が先行する可能性は高い。

が、どーしても月面着陸で中国に先んじたいということなら、クルードラゴンに乗って離着陸し、地球低軌道で乗り換えるという手はある。

その際のHLSをS社が開発を続けるかどうかはビミョーだがな。

まあ、どうでもいいんですが。

このボーイングの従業員に対する解雇予告は、スペースニュースも報じている。

(ボーイング、SLS従業員に解雇の可能性を警告)
https://spacenews.com/boeing-warns-sls-employees-of-potential-layoffs/

「「アルテミス計画とコスト予測の修正」を理由に、同社が同計画から最大400人の人員削減を準備している」

「アルテミス計画の修正とコスト予測に合わせるため、本日、スペース・ローンチ・システムズ・チームに対し、2025年4月までに約400人の人員削減の可能性を通知しました」

「当社は顧客と協力し、雇用喪失を最小限に抑え、有能なチームメイトを引き留めるために、社内で従業員を再配置する機会を模索しています」

対応は具体的かつ迅速だ。

「NASAはアルテミス計画の修正を発表しておらず、NASAと業界関係者らのパネルは1月29日のスペースコム会議で、 2026年4月に予定されている初の有人SLS/オリオン飛行となるアルテミス2ミッションの準備を進めていると述べた。」

つまりだな、アルテミス計画の修正は、NASAと業界関係者「以外」の意向で進められているということなわけだ。

「宇宙に関して言えば、アルテミス計画は成果を最大化するプログラムではなく、雇用を最大化するプログラムであるため、極めて非効率的だ」(イーロン・マスク氏)

「NASAの監察総監室が8月に発表した報告書では、ボーイングの探査上段ロケットの品質問題も明らかにされている。」

うーん、お先真っ暗だな。

「SLS をキャンセルしたり、アルテミス計画に他の根本的な変更を加えようとする試みは、議会の一部の反対に遭う可能性が高い。」

そうだったな。

SLSは、ロケットの名を借りた雇用対策であり、公共事業だ。

つまり納税者への再配分の名目として、ロケットが使われているだけの話だ。

それなら、昔我が国でやっていたように、道路に穴を掘ってまた埋め戻す事業でもやればいいのだ。

おっと、イーロンマスクは穴掘り事業もやってたっけ・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ボーイングが「NASAがスペース・ローンチ・システム契約をキャンセルする可能性がある」と従業員に通知、大規模な人員削減を計画か)
https://gigazine.net/news/20250208-boeing-informed-employees-nasa-cancel-sls-contracts/

ギガジンが、アルスの記事を日本語化して整理し、掲載した。

浮沈子の与太ブログよりよほど読みやすくまとめられているので、お勧めだ。

内容自体は、ほぼアルスの記事のままなので割愛する(末尾に、どーしてもSLSが必要な理由が出てるけど)。

まあいい。

NASAが200億ドル以上をつぎ込んで作り上げたロケットは、風前の灯火となっている。

それにしては、デカすぎる気もするけどな・・・。