唯一無二2013年10月29日 20:02

唯一無二
唯一無二


昔、ターボが華やかだった頃、CX500TURBOというホンダのスーパーウエポンがあった。

(ホンダ・CX)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBCX

「CXは主にGLの海外向けブランドとして使われていたが、GL系に搭載されていた水冷V型2気筒OHVエンジンを改良した車両に使用され、さらにターボチャージャーを搭載したことでも知られる。」

回転を稼いで馬力をひねり出さなくてもいいので、OHVでも結構!。

「GLに搭載されていた最大許容回転数10,000rpmの水冷OHVV型2気筒エンジンに石川島播磨重工業(現・IHI)の量産型世界最小ターボチャージャー(当時)を日本のオートバイメーカーでは初めて装着した。」

それでも、1万回転まで、回ってたんだな(スゲーッ!)。

浮沈子の記憶が確かならば、GLのプッシュロッドの材料は、潜水艦のアンテナと同じ素材のはずである。

「1982年には、西ドイツ(現・ドイツ連邦共和国)向けに排気量アップを行ったCX650TURBOが発表され、200台限定で製造された。北米仕様を含めて生産台数は約1800台と言う説がある。」

希少車である。

浮沈子は、GLに憧れていたのだが、結局手にすることはなかった。

「他社含めて日本国内向けターボ装着のオートバイは正式販売されていない」

「CX650TURBOは、出力を100psにアップ。CX500TURBOから、カウリングをFRP製から複合ABS素材に変更したことで9kgの軽量化。過給もより低回転から行うセッティングがされたことで、900 - 1000ccクラスの動力性能を得ることに成功した。」

「カウル形状も相まって『200km/hオーバーで安楽に何処までも走り続けられる』フィールを得たが、本来狙った『高速クルージング』ユーズではピストン溶解・タービン焼き付きなどのトラブルが続発した。」

当時、高速クルージングを200km台で楽にこなせるバイクは、BMWのR100RSくらいだった。

並列ツイステッドVツインエンジンの、独特の回り方、るるるる・・・という、優しい音。

このバイクは、唯一無二のバイクである。

(高性能の中排気量スポーツタイプツーリング車 ホンダ ウイング〈GL-500〉 新発売)
http://www.honda.co.jp/news/1977/2771209.html

「これまで遠乗り型の2輪車は、旅行に必要な重い荷物を積んで長距離を走らねばならないことから乗り心地の快適さに開発の重点が置かれ、俊敏なスポーティ走行の性能は、やゝ損われてきた。 このホンダ ウイングは水冷V型2気筒の高性能エンジンを搭載駆動方法には静かで整備性のよい シャフトドライブ式を採用し、新開発のサスペンション方式とあいまって、遠乗りとスポーティ走行の2つの性格をかね備えた機能美にあふれる中排気量スポーツタイプのツーリング車である。」

くうーっ!、泣けてくるぜ!。

で、今日、こんな記事を見つけた。

(【東京モーターショー13】スズキ、ターボ搭載のコンパクトスポーツバイク リカージョン を世界初公開)
http://response.jp/article/2013/10/29/209561.html

「スズキは、11月23日から12月1日まで東京ビッグサイトで一般公開される「第43回東京モーターショー2013」で、コンパクトロードスター『リカージョン』を世界初公開する。」

「リカージョンは、コンパクトな車体に新開発588cc水冷直列2気筒エンジンにインタークーラーターボを組み合わせることで、街中では経済的で扱いやすく、ワインディングでは厚いトルクで爽快な走りを実現する。」

浮沈子は、スズキのバイクにあまりいいイメージはない。

工作精度低く、バランスは良いが、面白みやスポーティーさに欠ける(最近は、どうなんだろう?)。

コストパフォーマンスは高いのだろうが、スポーツバイクをそれを基準に買うやつはいない。

(第43回東京モーターショー2013の出品概要)
http://www.suzuki.co.jp/release/d/2013/1029/index.html

「ミドルクラスに大人のこだわりを盛り込んだコンパクトロードスター「Recursion(リカージョン)」世界初出展」

「モーターサイクルのこだわりを形にしたスタイリングに、ビッグバイクの走りとミドルバイクの扱いやすさや経済性をダウンサイジングエンジンにより両立させたコンパクト ロードスター「Recursion(リカージョン)」。」

「コンパクトな車体に新開発588cm3水冷直列2気筒エンジンにインタークーラーターボを組み合わせることで、街中では経済的で扱いやすく、ワインディングでは厚いトルクで爽快な走りを実現。」

「「Recursion」とは、回帰、再帰という意味を表す。モーターサイクルの楽しみ方が多様化する中で、「走る楽しさ」という基本に重点を置いたモデルである。」

ヨーロッパの税制(保険料だっけ?)を睨んだアンダー600ccのサイズにしているということは、かなり量販を狙ったモデルである。

ノンターボモデルも、出してくる可能性があるな。

しかし、ダウンサイジングの手段としてのターボである。

首が置いていかれるような、怒涛の加速は期待できない。

最近、バイクに乗っていないこともあって、ニューモデルに関する情報も仕入れていない。

そんな中で、先日、ドゥカティのアメリカンスタイルのバイクを見かけて、卒倒しそうになった!。

(Diavel)
http://www.ducati.co.jp/bikes/diavel/diavel/concept/diavel_design/index.do

アメリカンというよりは、まあ、クルーザーなんだそうだ(画像参照)。

(ドゥカティ・ディアベル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A5%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%AB

「ディアベル(Diavel)は、2011年にドゥカティから発売されているクルーザータイプのオートバイである。」

「ドゥカティとしては初となるローロングスタイルの車体デザインであるが、既存のクルーザーとは異なる走りを重視したモデルとなっており、最新鋭の電子制御によりコントロールされ、エンジンはライダーのレベルに合わせて8段階に調節できる他、アーバン、ツーリング、スポーツの3通りのブリセットモードを搭載し、左側のスイッチギアを走行中に変更することが可能となっている。」(「ブリセットモード」は、「プリセットモード」の誤り)

なんだか、バイクまで、電子のお世話になっているようだな。

世も末である。

機械の王国が、甦ることはないのだろうか。

そのうち、スポーツバイクも、モーターで走るようになるのだろう。

ウイーーーーンとかいって、バイクで走ったって、面白くも何ともありゃしない!。

ターボでなくてもいいが、運動性能に優れた扱いやすいマシンを、それこそカーボンで、超軽量に仕立てて欲しいものだ。

浮沈子は、万難を排して東京モーターショーに行くつもりであるが、二輪のコーナーも楽しみだな!。

この記事を書いていて、BMWのバイクの歴史の中で、Rシリーズと、Kシリーズの関係が、ポルシェのRRとFR(MR)の関係に良く似ている気がした。

(BMW・K100)
http://ja.wikipedia.org/wiki/BMW%E3%83%BBK100

「それまでほぼ空冷水平対向2気筒のRシリーズ一本槍できたBMWにとって、水冷縦置き4気筒エンジン、ボッシュLジェトロニックによる電子制御燃料噴射、アルミ燃料タンク、オールステンレス製マフラー、乾式クラッチなどコンセプトを一新したKシリーズの第1弾。」

「当初BMWは旧式化しつつあったRシリーズを全面的に置き換える予定であったが、Rシリーズを支持するユーザーの声も大きく、結局Rシリーズも近代化されて併売されつつ現在に至っている。」

唯一無二の存在が、ここにもあった。

小林彰太郎逝く2013年10月29日 22:09

小林彰太郎逝く
小林彰太郎逝く


(CAR GRAPHIC』名誉編集長の小林彰太郎氏が死去)
http://www.webcg.net/articles/-/29518

「自動車専門誌『CAR GRAPHIC』名誉編集長の小林彰太郎氏が2013年10月28日、肺性心で死去した。享年83歳。」

「新型車に試乗し、その印象を記した「ロードインプレッション」は、読者にまるで自らステアリングを握っているかのような感覚を与え、多くのファンを獲得。同誌を、日本を代表する自動車専門誌に育て上げた。」

「クラシックカーを愛し、日本クラシックカークラブ(CCCJ)の会長も務めた。」

まあ、ご苦労様といいたい。

とつとつとした語り口だが、妥協のない慧眼の持ち主であった。

CGは、最近でこそ読んでいないが、外車というゲテモノを知る上で、貴重な参考書であった。

いつぞやのインタビューの映像で、在宅酸素のカニューレを付けているのを見て、換気能が落ちているのだな、と思った。

死因は肺性心だという。

(肺性心)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%BA%E6%80%A7%E5%BF%83

(小林彰太郎)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E5%BD%B0%E5%A4%AA%E9%83%8E

「当時の多くの少年たちと同様、飛行機好きの「軍国少年」であったようである。第二次世界大戦の終戦間際には海軍技術研究所に動員され、中島十八試陸上攻撃機「連山」の鋼鉄化にあたり、鉄の低温脆弱試験のための液体酸素を研究所まで運ぶ仕事をしたという」とある。

世が世なら、航空機の研究をしていたかもしれない。

自動車ジャーナリストとして、押しも押されぬ大御所だが、高ビーなところはなく、穏やかな人物だったようだ。

日本の自動車評論を支えた一人である。

大きな星が、また一つ、落ちた・・・。