🐼嫦娥6号:NASAの名誉 ― 2024年05月04日 08:59
嫦娥6号:NASAの名誉
(NASAはここ数十年月面着陸を行っていないが、中国は6年間で3回目の月面着陸を行ったばかりだ)
https://arstechnica.com/space/2024/05/china-just-launched-another-ambitious-lunar-mission-is-nasa-falling-behind/
「外から見ると、中国の月計画が主導権を握っているように見える。」
「嫦娥6号が成功すれば、中国の月計画を有利にする新たな攻撃となるだろう。」
「しかし、NASA の名誉のために言っておきますが、NASA は単に 1960 年代から 1970 年代初頭のアポロ月計画の栄光を再現しようとしているわけではありません。」
「NASAがこのアプローチを粘り強く続けて成功すれば、アポロ時代にしか夢見られなかったような月への高速道路が開かれることになる。月に往復する宇宙船の小隊を想像してみてください。それがビジョンです。」
「中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争」
中国との競争における米国のとる典型的な対比なんだが、そこにNASAの名誉(!)を持ち込むところは、エリックバーガーらしい気がする。
なんだかんだ言って、米国のジャーナリストだからな。
普段はNASAイジメばっかしてても、最終的には擁護するわけだ。
予算を議会に握られて、好き勝手にできないNASAは、民間企業に金をばら撒いて欲得づくで宇宙開発を進めようとしている。
「NASAは、産業界と協力して、今年初めに大成功を収めたインテュイティブ・マシーンズによるオデュッセウス計画などの商業貨物着陸船群や、スペースX社とブルー・オリジン社が建造した大型有人着陸船の開発に向けて、異なるアプローチをとっている。この全体的な「アーキテクチャ」ははるかに複雑で、軌道上で宇宙船に燃料を補給するために無数の打ち上げが必要です。」
具体的にどんな仕組みが取られるかは別としても、金儲けを餌にして民間企業を動員し、宇宙開発を議会に縛られずに推進したいだけの話だ。
それは、議員を丸め込んで独占を計ろうとする特定企業(どこ?)との腐れ縁を断ち切るためにも必要だ(そうなのかあ?)。
浮沈子は、技術の独占がいいとは思わないし、米国のように宇宙産業が盛んな国ではそういう方法で競争を促進するやり方も可能だとは思うけど、地球低軌道辺りでは成功しても月軌道で成果を得るのは困難だろうと見ている。
技術基盤(技術者の数とかそれを雇用できる産業の規模など)が小さい国では、そもそもそういうアプローチは取れない。
リソースを集中させて、ピンポイントの成果を積み重ねていくしかないのだ。
中国は、正にその段階にある。
同時に、地球低軌道での産業育成も図っている。
わが国も、似たようなことをやろうとしているけど、一向に芽が出ないからな。
悩ましいところだ。
まあいい。
米国は、かなりギャンブルなアプローチで月開発をしようとしている。
成功すれば、21世紀の有人月面着陸レースで中国に敗れたとしても、それに有り余る成果を得ることが出来るだろう。
しかし、民間企業が付いてこれなければ、NASA本体の事業の推進も不可能となり、総崩れになるリスクを抱えている。
しかも、アルテミス計画の基幹ロケット(ボーイング)や有人宇宙船(ロッキードマーチン)は、相変わらずレガシー企業が独占している(すいません、ノースロップグラマン(SRB担当)忘れてましたあ!)。
このハイブリッド状態では、望む成果を得られるかどうかは分からない。
いいとこ取りどころか、共倒れになるかも知れないのだ。
が、アポロ時代の10分の1の予算で米国の民間宇宙開発のプレゼンスを維持していくためには、他の選択肢はない。
これは、言ってみれば米国の相対的な国力低下の象徴でもある。
最もセンシティブな所から綻びが始まっているのだ。
もちろん、成功すれば、その恩恵は大きい。
NASAとはけた違いの予算を使いまくる米軍も、その恩恵を受けることが出来る。
米国は、生き残り(延命?)をかけて大きな賭けに出ているのだ。
しかしだな、繰り返すが、地球低軌道程度ならともかく、月軌道でそのアプローチを取るというのはあまりにリスキーな気がする。
月の資源を餌にしているんだろうが、民間企業がそれで元が取れると判断するかどうかだな。
市場性がないと見切りを付ければそれまでだ。
NASAは、以前、小惑星を引っ張ってきて資源回収するという計画を進めていた。
希少金属を回収できれば、商売になると見ていたわけだが、結局断念している。
民事の宇宙開発は、最終的には金儲けになるかどうかで決まるからな。
「名誉」じゃない!。
最近は、火星のサンプルリターンについても、同じアプローチを取ろうとしているようだが、更にリスクが高いだろう。
中国は、軍事と宇宙開発との連携を隠そうともしない。
それは、本質的に同義だ。
米国だって、表向きはともかく、同じ釜の飯を食ってるわけだからな。
そこに厳密な区別などない。
政治的に、民事をNASAに切り分けることでメリットを享受できた時代は、そろそろ終わりを迎えようとしているのではないか。
背に腹は代えられない。
アルテミスが失敗に終われば、その流れは加速されるだろう。
それは、人類の宇宙開発に賭ける夢の放棄、宇宙の平和利用からの撤退、科学探査の終焉、実用(軍事や金儲け)一点張りの競争の場としての宇宙への逆行を意味する。
成功すればどうなるのか。
月面は、資源の採掘場と化し、その成功は火星開発への強烈な動機につながるかも知れない。
どっちにしても、地球周辺の宇宙環境は激変していくことになる。
それを加速させているのが、再使用ロケットの成功であることは間違いないだろう。
スターシップが成功すれば、その流れは決定的になる。
たとえ、中国が21世紀の有人月着陸レースに勝利したとしても、それだけではピンポイントの成果に留まることは間違いない。
だが、その先には、同じように再使用ロケットの開発が行われ、持続可能なアプローチへと発展してくかもしれない。
物理の神様は公平だ。
特定の政治体制を贔屓することはない。
浮沈子には、アルテミスはかなりリスキーに映っている。
例えて言えば、弁慶の糊作りのようなものだ。
民間からの調達には冗長性を持たせてリスクヘッジしているけど、どのパーツが欠けてもビジョンは達成できない。
それだけのインセンティブを与え続けられるかも不明だ。
潰し損ねた飯粒を探している間に、牛若丸な中国が糊を完成させるかもしれないしな。
「これは中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争である。」(再掲)
それは、短期的な視野に過ぎない。
今後10年ではなく、20年先を見れば、どちらのアプローチが正解だったかを知ることができるかも知れない。
もちろん、その頃には中国と米国の国力は大きく変わってるだろうしな。
んでもって、中国では、有人火星探査に向けて、民間企業の活力を導入して、インドの追い上げに対抗しようとしてるかもしれない。
国家航天局(CNSA)の名誉とかにも、配慮しないといけなくなっちまってるかもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙大国としての「中国」「インド」を徹底解説–政策や直近の開発状況、今後の展開は)
https://uchubiz.com/article/fea42170/
「多極化する21世紀の世界では、中国とインドが宇宙大国として台頭している。」
「本稿では、中国とインドの宇宙活動・政策について概観し、最近の特徴的な動きに触れながら、日本にとってのインプリケーションを解説する。」
テキトーな与太記事ばかり書いてないで、たまにはちゃんとベンキョーしないとな。
「中国の宇宙計画の特徴は、対外的には国際的威信の誇示、国内的には愛国心の高揚という点がある一方、その背景には、安全保障環境の変化への適合と、進化する現代戦争への対応を客観的に見据えた現状認識がある」(中曽根平和研究所の長島純研究顧問(空将))
つまり、一言で言えば現実主義なわけだ。
「中国の「軍民融合」戦略は、民間と軍事の技術分野の境界線を意図的に曖昧にし、中国の民生・商業部門のイノベーションとリソースを、PLAの要請に応じて利用できるようにしている」(ブルッキングス研究所の中国専門家ら:PLA:中国人民解放軍(軍事と民間の宇宙活動の両方を監督))
最近の動向については割愛する。
インドはどうか。
「インドの宇宙開発部門はインド原子力省の傘下にあったが、核爆発関連とロケットの双方を開発することへの国際社会からの懸念に対応するために、宇宙と原子力を別組織に分離し、1972年にインド宇宙庁を新たに創設し、その下部組織としてインド宇宙研究機関(ISRO: Indian Space Research Organization)が誕生」
「首相が長官を務める宇宙省のもと、ISROが宇宙関連技術の開発や応用を担っている。2019年にはインドの宇宙アセット保護を任務とする国防宇宙局(DSA)が設立され、国防省の下で運営」
うーん、名目上軍民は別れてはいるけど、同根な感じだな。
「インドは国家として、衛星通信、地球観測衛星(リモートセンシング衛星)、測位衛星、ロケット発射システム、月・惑星探査ミッションに至るまで、宇宙関連のほぼ全領域をカバーするプログラムを実施」
インドの宇宙開発で特徴的なのは、何といってもそのコストの低さだ。
「2023年8月に日本より先に月面着陸に成功した無人月探査機「チャンドラヤーン3号」のミッション全体のコストはわずか7400万ドル前後であり、同月に月の南極着陸に失敗したロシアの着陸船(約2億ドル)の半分以下で、NASAが計画している月の南極探査機「VIPER」(約433.5百万ドル)よりも圧倒的に低予算」
「近年の世界のロケット打ち上げ市場は、米国の新興宇宙企業の台頭と共に、インドの存在感が増すことによって低コスト化が加速」
うーん、功罪半ばというところか。
浮沈子は、以前からインドの宇宙開発には注目しているが、それはもっぱら打ち上げロケット限定な話だ。
有人宇宙開発とかは、まだまだ先だと思っていたが、既にスケジュールに上がっている。
なんと、タイムライン上では、来年(2025年)となっている!。
ホントかあ?。
最初に打ち上げられる宇宙飛行士は、成功の有無にかかわらず、英雄なことは間違いないな。
まあいい。
地球上でのドンパチで、宇宙開発どころじゃないロシアだって、腐っても鯛だからな。
最近では、核動力衛星の配備を目論んでいると言われる(未確認)。
一寸先は闇の宇宙開発。
20年先にどうなっているかは誰にも分からない。
ひょっとしたら、わが国だって大化けしているかもしれないしな(ありえねー・・・)。
(NASAはここ数十年月面着陸を行っていないが、中国は6年間で3回目の月面着陸を行ったばかりだ)
https://arstechnica.com/space/2024/05/china-just-launched-another-ambitious-lunar-mission-is-nasa-falling-behind/
「外から見ると、中国の月計画が主導権を握っているように見える。」
「嫦娥6号が成功すれば、中国の月計画を有利にする新たな攻撃となるだろう。」
「しかし、NASA の名誉のために言っておきますが、NASA は単に 1960 年代から 1970 年代初頭のアポロ月計画の栄光を再現しようとしているわけではありません。」
「NASAがこのアプローチを粘り強く続けて成功すれば、アポロ時代にしか夢見られなかったような月への高速道路が開かれることになる。月に往復する宇宙船の小隊を想像してみてください。それがビジョンです。」
「中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争」
中国との競争における米国のとる典型的な対比なんだが、そこにNASAの名誉(!)を持ち込むところは、エリックバーガーらしい気がする。
なんだかんだ言って、米国のジャーナリストだからな。
普段はNASAイジメばっかしてても、最終的には擁護するわけだ。
予算を議会に握られて、好き勝手にできないNASAは、民間企業に金をばら撒いて欲得づくで宇宙開発を進めようとしている。
「NASAは、産業界と協力して、今年初めに大成功を収めたインテュイティブ・マシーンズによるオデュッセウス計画などの商業貨物着陸船群や、スペースX社とブルー・オリジン社が建造した大型有人着陸船の開発に向けて、異なるアプローチをとっている。この全体的な「アーキテクチャ」ははるかに複雑で、軌道上で宇宙船に燃料を補給するために無数の打ち上げが必要です。」
具体的にどんな仕組みが取られるかは別としても、金儲けを餌にして民間企業を動員し、宇宙開発を議会に縛られずに推進したいだけの話だ。
それは、議員を丸め込んで独占を計ろうとする特定企業(どこ?)との腐れ縁を断ち切るためにも必要だ(そうなのかあ?)。
浮沈子は、技術の独占がいいとは思わないし、米国のように宇宙産業が盛んな国ではそういう方法で競争を促進するやり方も可能だとは思うけど、地球低軌道辺りでは成功しても月軌道で成果を得るのは困難だろうと見ている。
技術基盤(技術者の数とかそれを雇用できる産業の規模など)が小さい国では、そもそもそういうアプローチは取れない。
リソースを集中させて、ピンポイントの成果を積み重ねていくしかないのだ。
中国は、正にその段階にある。
同時に、地球低軌道での産業育成も図っている。
わが国も、似たようなことをやろうとしているけど、一向に芽が出ないからな。
悩ましいところだ。
まあいい。
米国は、かなりギャンブルなアプローチで月開発をしようとしている。
成功すれば、21世紀の有人月面着陸レースで中国に敗れたとしても、それに有り余る成果を得ることが出来るだろう。
しかし、民間企業が付いてこれなければ、NASA本体の事業の推進も不可能となり、総崩れになるリスクを抱えている。
しかも、アルテミス計画の基幹ロケット(ボーイング)や有人宇宙船(ロッキードマーチン)は、相変わらずレガシー企業が独占している(すいません、ノースロップグラマン(SRB担当)忘れてましたあ!)。
このハイブリッド状態では、望む成果を得られるかどうかは分からない。
いいとこ取りどころか、共倒れになるかも知れないのだ。
が、アポロ時代の10分の1の予算で米国の民間宇宙開発のプレゼンスを維持していくためには、他の選択肢はない。
これは、言ってみれば米国の相対的な国力低下の象徴でもある。
最もセンシティブな所から綻びが始まっているのだ。
もちろん、成功すれば、その恩恵は大きい。
NASAとはけた違いの予算を使いまくる米軍も、その恩恵を受けることが出来る。
米国は、生き残り(延命?)をかけて大きな賭けに出ているのだ。
しかしだな、繰り返すが、地球低軌道程度ならともかく、月軌道でそのアプローチを取るというのはあまりにリスキーな気がする。
月の資源を餌にしているんだろうが、民間企業がそれで元が取れると判断するかどうかだな。
市場性がないと見切りを付ければそれまでだ。
NASAは、以前、小惑星を引っ張ってきて資源回収するという計画を進めていた。
希少金属を回収できれば、商売になると見ていたわけだが、結局断念している。
民事の宇宙開発は、最終的には金儲けになるかどうかで決まるからな。
「名誉」じゃない!。
最近は、火星のサンプルリターンについても、同じアプローチを取ろうとしているようだが、更にリスクが高いだろう。
中国は、軍事と宇宙開発との連携を隠そうともしない。
それは、本質的に同義だ。
米国だって、表向きはともかく、同じ釜の飯を食ってるわけだからな。
そこに厳密な区別などない。
政治的に、民事をNASAに切り分けることでメリットを享受できた時代は、そろそろ終わりを迎えようとしているのではないか。
背に腹は代えられない。
アルテミスが失敗に終われば、その流れは加速されるだろう。
それは、人類の宇宙開発に賭ける夢の放棄、宇宙の平和利用からの撤退、科学探査の終焉、実用(軍事や金儲け)一点張りの競争の場としての宇宙への逆行を意味する。
成功すればどうなるのか。
月面は、資源の採掘場と化し、その成功は火星開発への強烈な動機につながるかも知れない。
どっちにしても、地球周辺の宇宙環境は激変していくことになる。
それを加速させているのが、再使用ロケットの成功であることは間違いないだろう。
スターシップが成功すれば、その流れは決定的になる。
たとえ、中国が21世紀の有人月着陸レースに勝利したとしても、それだけではピンポイントの成果に留まることは間違いない。
だが、その先には、同じように再使用ロケットの開発が行われ、持続可能なアプローチへと発展してくかもしれない。
物理の神様は公平だ。
特定の政治体制を贔屓することはない。
浮沈子には、アルテミスはかなりリスキーに映っている。
例えて言えば、弁慶の糊作りのようなものだ。
民間からの調達には冗長性を持たせてリスクヘッジしているけど、どのパーツが欠けてもビジョンは達成できない。
それだけのインセンティブを与え続けられるかも不明だ。
潰し損ねた飯粒を探している間に、牛若丸な中国が糊を完成させるかもしれないしな。
「これは中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争である。」(再掲)
それは、短期的な視野に過ぎない。
今後10年ではなく、20年先を見れば、どちらのアプローチが正解だったかを知ることができるかも知れない。
もちろん、その頃には中国と米国の国力は大きく変わってるだろうしな。
んでもって、中国では、有人火星探査に向けて、民間企業の活力を導入して、インドの追い上げに対抗しようとしてるかもしれない。
国家航天局(CNSA)の名誉とかにも、配慮しないといけなくなっちまってるかもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙大国としての「中国」「インド」を徹底解説–政策や直近の開発状況、今後の展開は)
https://uchubiz.com/article/fea42170/
「多極化する21世紀の世界では、中国とインドが宇宙大国として台頭している。」
「本稿では、中国とインドの宇宙活動・政策について概観し、最近の特徴的な動きに触れながら、日本にとってのインプリケーションを解説する。」
テキトーな与太記事ばかり書いてないで、たまにはちゃんとベンキョーしないとな。
「中国の宇宙計画の特徴は、対外的には国際的威信の誇示、国内的には愛国心の高揚という点がある一方、その背景には、安全保障環境の変化への適合と、進化する現代戦争への対応を客観的に見据えた現状認識がある」(中曽根平和研究所の長島純研究顧問(空将))
つまり、一言で言えば現実主義なわけだ。
「中国の「軍民融合」戦略は、民間と軍事の技術分野の境界線を意図的に曖昧にし、中国の民生・商業部門のイノベーションとリソースを、PLAの要請に応じて利用できるようにしている」(ブルッキングス研究所の中国専門家ら:PLA:中国人民解放軍(軍事と民間の宇宙活動の両方を監督))
最近の動向については割愛する。
インドはどうか。
「インドの宇宙開発部門はインド原子力省の傘下にあったが、核爆発関連とロケットの双方を開発することへの国際社会からの懸念に対応するために、宇宙と原子力を別組織に分離し、1972年にインド宇宙庁を新たに創設し、その下部組織としてインド宇宙研究機関(ISRO: Indian Space Research Organization)が誕生」
「首相が長官を務める宇宙省のもと、ISROが宇宙関連技術の開発や応用を担っている。2019年にはインドの宇宙アセット保護を任務とする国防宇宙局(DSA)が設立され、国防省の下で運営」
うーん、名目上軍民は別れてはいるけど、同根な感じだな。
「インドは国家として、衛星通信、地球観測衛星(リモートセンシング衛星)、測位衛星、ロケット発射システム、月・惑星探査ミッションに至るまで、宇宙関連のほぼ全領域をカバーするプログラムを実施」
インドの宇宙開発で特徴的なのは、何といってもそのコストの低さだ。
「2023年8月に日本より先に月面着陸に成功した無人月探査機「チャンドラヤーン3号」のミッション全体のコストはわずか7400万ドル前後であり、同月に月の南極着陸に失敗したロシアの着陸船(約2億ドル)の半分以下で、NASAが計画している月の南極探査機「VIPER」(約433.5百万ドル)よりも圧倒的に低予算」
「近年の世界のロケット打ち上げ市場は、米国の新興宇宙企業の台頭と共に、インドの存在感が増すことによって低コスト化が加速」
うーん、功罪半ばというところか。
浮沈子は、以前からインドの宇宙開発には注目しているが、それはもっぱら打ち上げロケット限定な話だ。
有人宇宙開発とかは、まだまだ先だと思っていたが、既にスケジュールに上がっている。
なんと、タイムライン上では、来年(2025年)となっている!。
ホントかあ?。
最初に打ち上げられる宇宙飛行士は、成功の有無にかかわらず、英雄なことは間違いないな。
まあいい。
地球上でのドンパチで、宇宙開発どころじゃないロシアだって、腐っても鯛だからな。
最近では、核動力衛星の配備を目論んでいると言われる(未確認)。
一寸先は闇の宇宙開発。
20年先にどうなっているかは誰にも分からない。
ひょっとしたら、わが国だって大化けしているかもしれないしな(ありえねー・・・)。
🐱ウクライナ降伏不可避:捨て駒 ― 2024年05月04日 22:13
ウクライナ降伏不可避:捨て駒
(ウクライナメディア、人員不足のためチャシブ・ヤールを守りきれるか不明)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-media-says-it-is-unclear-whether-chassiv-yar-will-be-able-to-be-protected-due-to-lack-of-personnel/
「多くの戦闘旅団がローテーションなしで前線に留まり続けたため消耗が激しく、強化された防衛ラインの建設が遅れているため、仮に有利な条件であっても強固な防衛戦を展開できるか不明だ」
「ウクライナ軍が直面している最大の問題に「マンパワー」を挙げた。」
「効果的な予備戦力を持っていないウクライナ軍は突破口を塞ぐことが出来ないでいる」
「この状況下で「絶対にチャシブ・ヤールを守りきれる」と言えるのは相当の楽天家だけだろう。」
このところ、伝えられている情報はチャシブヤールの陥落が近いという話ばっかし・・・。
その原因の一つは兵員の不足だが、ウクライナはそれを補うことが出来ないでいる。
ここを奪取されれば、東部の都市に対する攻撃の足場にされることは分かっている。
ならば、なぜ兵員を送って強化しないのか。
本来なら、高台にあって防御しやすい地であるにもかかわらず、陥落が取りざたされているのに。
それはつまり、戦略的にリソースを割り当てているからに他ならない。
チャシブヤールの部隊は捨て駒にされているのだ。
アウディーイウカの時にも、ギリギリまで撤退させなかったしな。
多くの損失を被り、撤退陣地の重要性も認識したはずなのに、今回もまた、最も貴重な兵員を失い、支配地域も奪われるという状況に陥っている。
そりゃあ、砲弾が少ないとか、ドローンが足りないとかはあるだろうが、興味深いことに、それを第一の原因に挙げている現場はない。
つーか、砲弾不足の状況に慣れてしまっているのかもしれない。
そういうもんだと・・・。
やれやれ・・・。
徴兵については状況が改善されてきていると言われるが、その効果が発揮されるまでには時間が掛かる。
下手をすれば、年単位の時間だ。
軍の内部で配置替えを行えば、非熟練兵士が前線に出ることになり、戦力の低下は免れない。
困難な防御戦を戦う中で、総体的な損失は増えていく。
この記事の中では、注目すべき状況が報告されている。
「運び込まれる兵士の約90%はFPVドローンかドローンから投下された爆弾で負傷した者だ」「車輌による負傷者の移送も以前なら簡単に行えたが、暗視機能を備えたドローンが増えたため衛生兵や歩兵が徒歩で負傷者を移送している」(チャシブ・ヤールの野戦病院で働く医師)
これは、ロシア軍が兵士の損耗を狙って、意図的に行っているのではないのか。
この状況の中に、兵士を補充しても、損耗が増えるだけで反撃にはつながらない。
後方の戦力を温存して、チャシブヤール陥落後に備えた防御戦を築いて守ることが、最大の効果を発揮すると判断しているのかもしれない。
その時間と後詰の兵力を得るために、前線の兵士は捨て駒にされる。
戦争は、如何に効率的に自軍の兵隊を殺すかというやりきれない選択の繰り返しだが、ウクライナは開戦当時からそれを繰り返している。
長距離ロケット砲を得るために兵士を殺し、西側の高性能戦車を得るために兵士を殺し、戦闘機を得るために兵士を殺してきた。
西側に、自軍の損耗を見せつけ、支援を引き出すという捨て身の戦術を繰り返してきた。
またか・・・。
これは、新手の瀬戸際政策のような気がする。
(ウクライナ軍、チャシブ・ヤール崩壊はアウディーイウカと同じで時間の問題)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」(ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長)
自軍の崩壊を、こんなにあからさまにするというのは異常だ。
既に引用した記事だが、そういう観点から見ると、なかなか味わい深いものがある。
捨て駒にされる方は、たまったもんじゃないだろうな。
もちろん、ロシア軍は更に悲惨な状況だが、そこんとこはロシアの体制の中でケリがついているんだろう(未確認)。
「ウクライナ軍陣地の近くまで掘り進めて突撃する戦術はワグネルのものだ」「ロシア軍の戦術はワグネルのやり方から学んだ可能性が高い」(外交政策研究所のロブ・リー氏:初出記事より)
「敵は攻撃グループが全員死んでも気にしない」「何故なら1時間後には同数の攻撃グループがやって来るからだ」(取材に応じたウクライナ軍兵士
「ロシア軍の突撃戦術は消耗品と見なした歩兵を敵陣地に集団で送り込み「素早く塹壕を掘って足場を固める」というもので、人海戦術や肉弾攻撃といった粗悪なレッテルを貼られることが多いが、それでもウクライナ軍を疲弊させるのに効果的だと戦場で証明されている。」(kyiv Independentの記者?)
やれやれ・・・。
ウクライナの国内状況については、悲惨な情報が入っている。
(ウクライナ火力発電能力9割喪失 エネ相、日本協力に期待)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/325198
「火力は90%近く、水力は30~40%の発電能力を失った」(ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相)
「南部のザポロジエ原発はロシア側に占拠され「設備管理はますます悪化している」と懸念」
踏んだり蹴ったりだな。
「日本からガスタービン発電機を「計100基以上受け取る予定だ」」
先日には、ガスの備蓄を増やすという話も出ている。
(ウクライナ、今冬のガス貯蔵量60%引き上げへ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/MFTNQHGLU5OVZE3QUYI3UE3H74-2024-05-02/
「地下貯蔵施設は、大半がウクライナ西部にあり、貯蔵能力は310億立方メートル。これは、ウクライナの年間ガス消費を十分に賄える水準。欧州から供給される余剰分のガスを貯蔵し、北半球で需要がピークに達する冬場に放出できる。」
電力設備はガスに比べて残存性が低いからな。
エネルギー戦略的には戦時には正しい選択だろう。
もっとも、完全に空爆フリーというわけではない。
「ナフトガスのエネルギー施設は3月以降、5回もロシアからの攻撃を受けたと説明。地下貯蔵施設は被害を受けていないが、生産施設は陸上にあり、より攻撃を受けやすいことから、防衛体制を強化している」(ナフトガス:ウクライナ国営ガス会社)
つまり、ロシアもエネルギー関連施設として標的にしているわけだ。
いつまでも盤石とは限らないのではないか。
インフラを攻撃するというのは、かなり困難だからな。
そう簡単にはいかないだろう。
それでも、ウクライナを疲弊させるのには効果的だ。
ロシアは、戦場での破壊と共に、銃後の設備も狙っている。
ウクライナもまた、ロシア国内の生産設備を標的にしているしな。
お互いにぶっ壊し合って、何かいいことがあるんだろうか。
スクラップアンドビルドで、更新には役立つかもしれんけどな・・・。
(ウクライナメディア、人員不足のためチャシブ・ヤールを守りきれるか不明)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-media-says-it-is-unclear-whether-chassiv-yar-will-be-able-to-be-protected-due-to-lack-of-personnel/
「多くの戦闘旅団がローテーションなしで前線に留まり続けたため消耗が激しく、強化された防衛ラインの建設が遅れているため、仮に有利な条件であっても強固な防衛戦を展開できるか不明だ」
「ウクライナ軍が直面している最大の問題に「マンパワー」を挙げた。」
「効果的な予備戦力を持っていないウクライナ軍は突破口を塞ぐことが出来ないでいる」
「この状況下で「絶対にチャシブ・ヤールを守りきれる」と言えるのは相当の楽天家だけだろう。」
このところ、伝えられている情報はチャシブヤールの陥落が近いという話ばっかし・・・。
その原因の一つは兵員の不足だが、ウクライナはそれを補うことが出来ないでいる。
ここを奪取されれば、東部の都市に対する攻撃の足場にされることは分かっている。
ならば、なぜ兵員を送って強化しないのか。
本来なら、高台にあって防御しやすい地であるにもかかわらず、陥落が取りざたされているのに。
それはつまり、戦略的にリソースを割り当てているからに他ならない。
チャシブヤールの部隊は捨て駒にされているのだ。
アウディーイウカの時にも、ギリギリまで撤退させなかったしな。
多くの損失を被り、撤退陣地の重要性も認識したはずなのに、今回もまた、最も貴重な兵員を失い、支配地域も奪われるという状況に陥っている。
そりゃあ、砲弾が少ないとか、ドローンが足りないとかはあるだろうが、興味深いことに、それを第一の原因に挙げている現場はない。
つーか、砲弾不足の状況に慣れてしまっているのかもしれない。
そういうもんだと・・・。
やれやれ・・・。
徴兵については状況が改善されてきていると言われるが、その効果が発揮されるまでには時間が掛かる。
下手をすれば、年単位の時間だ。
軍の内部で配置替えを行えば、非熟練兵士が前線に出ることになり、戦力の低下は免れない。
困難な防御戦を戦う中で、総体的な損失は増えていく。
この記事の中では、注目すべき状況が報告されている。
「運び込まれる兵士の約90%はFPVドローンかドローンから投下された爆弾で負傷した者だ」「車輌による負傷者の移送も以前なら簡単に行えたが、暗視機能を備えたドローンが増えたため衛生兵や歩兵が徒歩で負傷者を移送している」(チャシブ・ヤールの野戦病院で働く医師)
これは、ロシア軍が兵士の損耗を狙って、意図的に行っているのではないのか。
この状況の中に、兵士を補充しても、損耗が増えるだけで反撃にはつながらない。
後方の戦力を温存して、チャシブヤール陥落後に備えた防御戦を築いて守ることが、最大の効果を発揮すると判断しているのかもしれない。
その時間と後詰の兵力を得るために、前線の兵士は捨て駒にされる。
戦争は、如何に効率的に自軍の兵隊を殺すかというやりきれない選択の繰り返しだが、ウクライナは開戦当時からそれを繰り返している。
長距離ロケット砲を得るために兵士を殺し、西側の高性能戦車を得るために兵士を殺し、戦闘機を得るために兵士を殺してきた。
西側に、自軍の損耗を見せつけ、支援を引き出すという捨て身の戦術を繰り返してきた。
またか・・・。
これは、新手の瀬戸際政策のような気がする。
(ウクライナ軍、チャシブ・ヤール崩壊はアウディーイウカと同じで時間の問題)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」(ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長)
自軍の崩壊を、こんなにあからさまにするというのは異常だ。
既に引用した記事だが、そういう観点から見ると、なかなか味わい深いものがある。
捨て駒にされる方は、たまったもんじゃないだろうな。
もちろん、ロシア軍は更に悲惨な状況だが、そこんとこはロシアの体制の中でケリがついているんだろう(未確認)。
「ウクライナ軍陣地の近くまで掘り進めて突撃する戦術はワグネルのものだ」「ロシア軍の戦術はワグネルのやり方から学んだ可能性が高い」(外交政策研究所のロブ・リー氏:初出記事より)
「敵は攻撃グループが全員死んでも気にしない」「何故なら1時間後には同数の攻撃グループがやって来るからだ」(取材に応じたウクライナ軍兵士
「ロシア軍の突撃戦術は消耗品と見なした歩兵を敵陣地に集団で送り込み「素早く塹壕を掘って足場を固める」というもので、人海戦術や肉弾攻撃といった粗悪なレッテルを貼られることが多いが、それでもウクライナ軍を疲弊させるのに効果的だと戦場で証明されている。」(kyiv Independentの記者?)
やれやれ・・・。
ウクライナの国内状況については、悲惨な情報が入っている。
(ウクライナ火力発電能力9割喪失 エネ相、日本協力に期待)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/325198
「火力は90%近く、水力は30~40%の発電能力を失った」(ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相)
「南部のザポロジエ原発はロシア側に占拠され「設備管理はますます悪化している」と懸念」
踏んだり蹴ったりだな。
「日本からガスタービン発電機を「計100基以上受け取る予定だ」」
先日には、ガスの備蓄を増やすという話も出ている。
(ウクライナ、今冬のガス貯蔵量60%引き上げへ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/MFTNQHGLU5OVZE3QUYI3UE3H74-2024-05-02/
「地下貯蔵施設は、大半がウクライナ西部にあり、貯蔵能力は310億立方メートル。これは、ウクライナの年間ガス消費を十分に賄える水準。欧州から供給される余剰分のガスを貯蔵し、北半球で需要がピークに達する冬場に放出できる。」
電力設備はガスに比べて残存性が低いからな。
エネルギー戦略的には戦時には正しい選択だろう。
もっとも、完全に空爆フリーというわけではない。
「ナフトガスのエネルギー施設は3月以降、5回もロシアからの攻撃を受けたと説明。地下貯蔵施設は被害を受けていないが、生産施設は陸上にあり、より攻撃を受けやすいことから、防衛体制を強化している」(ナフトガス:ウクライナ国営ガス会社)
つまり、ロシアもエネルギー関連施設として標的にしているわけだ。
いつまでも盤石とは限らないのではないか。
インフラを攻撃するというのは、かなり困難だからな。
そう簡単にはいかないだろう。
それでも、ウクライナを疲弊させるのには効果的だ。
ロシアは、戦場での破壊と共に、銃後の設備も狙っている。
ウクライナもまた、ロシア国内の生産設備を標的にしているしな。
お互いにぶっ壊し合って、何かいいことがあるんだろうか。
スクラップアンドビルドで、更新には役立つかもしれんけどな・・・。
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