🐱ウクライナ降伏不可避:壊滅的 ― 2024年05月03日 23:49
ウクライナ降伏不可避:壊滅的
(ウクライナ軍、チャシブ・ヤール崩壊はアウディーイウカと同じで時間の問題)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/
「容赦ない砲撃で壊滅的な打撃を受けたチャシブ・ヤールはバフムートやアウディーイウカを彷彿とさせる」(AP)
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」(ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長)
自軍の崩壊をこんなにあっさり認めちまっていいもんなのかあ?。
「ロシア軍の容赦ない砲撃でチャシブ・ヤールは壊滅的な打撃を受けている。大半の建物は破壊されて黒焦げになり、バフムートやアウディーイウカを彷彿とさせる」(AP)
「バフムート北西の高台に位置するチャシブ・ヤールはコンスタンチノフカ、ドルジュキーウカ、クラマトルスク、スラビャンスクを守る戦略的要衝」(ブログ管理人)
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」「勿論、今日や明日の話ではないが、全て我々の備蓄と物資次第だ」(スキビツキー氏)
「チャシブ・ヤールの喪失は砲撃や空爆による都市(抵抗拠点となりえる市内の建造物)破壊のスピードに左右される」「弾薬の供給量が改善されれば敵火力を抑制でき街を長く維持できる」(ブログ管理人?)
「ハルキウ方面やスームィ方面への攻撃を準備している」「ロシアがウクライナ侵攻に動員している兵力は51.4万人」「現時点でベルゴロド州に3.5万人グループが配備されている」「このグループは5万人~7万人規模に拡張される予定」「この他にもロシアは約2万人規模の予備戦力を中央に待機させている」(スキビツキー氏)
真偽のほどは定かではないが、これだけの兵力を揃えているということは、チャシブヤール占領だけのためではもちろんない。
「ハルキウ方面やスームィ方面への攻撃時期は「ドンバスにおける我が軍の防衛強度に左右される」と、夏季攻勢自体は「5月~6月の間に始まる」と述べた。」
つまりだな、ウクライナ軍は、既にチャシブヤールの放棄を決め、後方に防衛線を移し、そこでロシア軍を迎え撃とうというわけだ。
もちろん、チャシブヤールでも抵抗を続けるだろうけど、そこを死守するというわけではない。
既に、そういう戦術はとり得ない。
しかし、50万人を超える兵力を投入しながら、その主戦場に予備兵力を含めて2割程度しか配置しないというのは、いささか手抜きなのではないか。
ウクライナ側の見立てが甘いのか、東部戦線に投入する兵力がブラフに過ぎないのか。
しかし、もちろん、ハルキウやスームイ方面への進撃は試みるだろう。
準備された戦力は、使うためのものだからな。
南部戦線からの配置換えも行っているし、東部や北東部における戦闘が激化することだけは間違いない。
しかしだな、浮沈子は、まだ、南部戦線に拘っている。
黒海艦隊を封じられ、クリミアも長距離ロケット砲で狙い撃ちにされていてもなお、未練たらたらオデッサへの攻撃を続けている。
(ウクライナ南部オデーサの教育施設にミサイル、5人死亡 負傷者多数)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/AS6LSFATEFKIXIC2BIRKGMBUVU-2024-04-29/
「攻撃によりほとんど破壊された法律学校の屋根が映っていた。」
このピンポイントの攻撃が、何を目的として行われたのかは不明だ。
が、南部への侵攻を諦めたわけではなさそうな雰囲気を感じる(そうなのかあ?)。
それとも、やっぱ、こっちが陽動なんだろうか?。
まあ、どっちでもいいんですが。
問題なのは、ロシアが攻め込む地点を自由に選べると言うことだろうな。
ひょっとすると、昨年のウクライナが実施しようとした、戦線全域にわたる圧力をかけ続けるつもりなのかもしれない。
ウクライナには、それを支える戦力があるだろうか?。
西側の武器がつぎ込まれるとして、それを使うための兵力が足りるんだろうか?。
都市防衛における防空システムも、既に枯渇状態にある。
オデッサにはイスカンデルが用いられたと見られているが、それを防ぐことは出来なかった。
まあいい。
ウクライナにとって、いい話は何もない。
浮沈子が違和感を感じたショイグ国防相の話は、どうやら解任話が裏で進んでいるらしい(未確認)。
近く、ロシアでは内閣改造が行われると見られるが、その際に交代させられる可能性が取りざたされている。
側近が収賄で起訴されたりしているしな。
事実かどうかはともかく、ロシアでありがちな権力闘争が起こっている可能性は高い。
しかし、そういうのは前線にはあまり影響しないからな。
兵器の生産量、海外からの調達量、国内の動員、戦闘を支える訓練など、ファンダメンタルなところが効いてくる。
ウクライナ側の状況は、なかなか伝えられることはない。
西側の支援を受けながら、戦闘を継続することが出来るんだろうか。
「壊滅的」なのは、チャシブヤールだけではなく、ウクライナ自体がそういう状況に陥っているのではないか。
戦場で勝てないだけではなく、銃後においても、既に死に体になってしまっているのかも知れない。
「全て我々の備蓄と物資次第だ」(スキビツキー氏:再掲)
その備蓄と物資を届け、それらを使って防御戦を戦い抜くには、総合力が必要だ。
もちろん、撤退した先の塹壕や要塞もな。
(「国家存続できない」 ベラルーシのルカシェンコ大統領がウクライナに対露停戦交渉求める)
https://www.sankei.com/article/20240426-5FSJBDQLTRMYZPM75GCRFT6IKE/
「いま交渉を始めなければ国家として存続できなくなる恐れがある」
「長射程の地対地ミサイル「ATACMS」の供与を含む追加軍事支援に乗り出すことは「紛争を激化させる要因となり、危険だ」と指摘。米国や北大西洋条約機構(NATO)がウクライナを戦争に駆り立てているとも主張」
ルカシェンコは、クレムリンの代弁者だからな。
先日も取り上げた記事だが、もちろん鵜呑みにはできない。
だが、時間を味方に付けたロシアと、時が経てば経つほど疲弊していくウクライナを見るにつけ、西側がこのまま戦争を続けさせることが本当にウクライナのためになることなのかを、真剣に考えた方がいいような気もしてくる。
従来、西側供与の兵器でロシア本土を攻撃することには慎重だったが、今後はそれも解禁することになりそうだ(未確認)。
そうなれば、ロシアの攻撃は一層苛烈になるだろうし、モスクワが脅かされることになれば、ベラルーシから核ミサイルが飛ぶことになる。
対外的には明確にされていないが、ルカシェンコはプーチンから直接告げられているに違いない。
ロシアは、核の使用を躊躇うことはない。
それは、ウクライナだけに限ったことではないだろう。
ショルツが長距離巡航ミサイルの供与を拒み続けているのは、ロシアの報復を恐れているからだ。
フランスとイギリスが供与しているのは、自国が核武装しているからロシアは撃ってこないと高を括っているからに他ならない。
米国は、その点、慎重だったが、そのタガは既に外れている。
戦域をウクライナに留めるという不文律は、崩壊したのだ。
欧州大戦争は、既に始まっている。
ルカシェンコは、そのことを分かっているんだろう。
自国もまた、好むと好まざるとに関わらず、欧州大戦争に巻き込まれていく運命だからな。
核兵器を配備した国は、核兵器で狙われる。
戦闘の激化は、誰にとっても何もいいことをもたらさない。
他の誰よりも、そのことを知っているのかもしれない。
ウクライナに和平合意を促すのは、決してロシアを代弁しているわけではないだろう。
国家は義理人情では動かない(そうだっけえ?)。
国家は国益で動く。
ベラルーシの国益は、結果はともかく、ウクライナ紛争が終結し、欧州大戦争が勃発しないことに違いない。
疲弊しきったウクライナの後始末を、ロシアに押し付けられるのも避けたいところだ。
早期に停戦し、西側の資本を受け入れて平和裏に再建されるのが好ましい。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
それは、戦場で勝てないウクライナの確定した未来だ。
どの段階でその選択を取るかはウクライナが決める。
ロシアには、逆に選択の余地がないかも知れない。
停戦や休戦は、ロシアにメリットをもたらさないからな(そうなのかあ?)。
ウクライナの選択に、ロシアが応じるかどうかは、情勢によって決まるだろう。
ロシアでも、臨時に行った動員の解除を求める動きはある。
が、一応、ローテーションは行われているし、今後、追加の動員と共に、復員の話が持ち上がる可能性はある。
そうなると、戦争継続の態勢が完成するわけで、その前に停戦交渉に持ち込まなければ、話が始まらなくなる恐れもある。
そうはいっても、ロシアだって、いつまでも戦争を続けられるわけではないし、どこかで政治的に決着したいに違いない。
完全な戦闘終結と、恒久的平和でなければ、いつでも再開できるわけだしな(そんなあ!)。
今月から来月にかけて、東部戦線では動きがあるだろう。
戦況は、ウクライナにとって厳しい状態が続く。
武器や兵士の補充があったとしても、ロシアの戦力は増強されている。
これまでのようなわけにはいかない。
反転攻勢どころか、どれだけ上手く撤退しながら防御し続けるかという困難な戦いになる。
時間が経てば経つほど、戦いは困難さを増し、領土は失われ、兵力は損耗する。
西側の武器支援は続くだろうが、それを使って反撃することは叶わない。
戦線を膠着させておくことが出来るかどうか。
せいぜい、侵略の速度を鈍らせることが出来る程度ではないのか。
ロシアの戦略目標は、既にウクライナではない。
欧州にピタリと照準を合わせて、兵士の増強、武器の増産を進めている。
戦争は、その準備から始まる。
欧州大戦争の準備は既に始まっていて、開戦の時期は「備蓄と物資次第だ」。
欧州が準備する速度との兼ね合い、時間との戦いになっている。
早期に、十分な差を付けられて開戦に持ち込めれば、損害は少なくて済む。
米国の支援は当てにならないし、欧州にとっては厳しい選択だ。
そっちの方の和平交渉の準備も、そろそろ始めておいた方がいいかもしれないな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(東部の要衝「陥落は時間の問題」…ウクライナ高官が分析、露軍が制圧すれば主要都市が砲撃対象に)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240504-OYT1T50028/
「チャシフヤールは高台に位置しており、露軍が制圧すればウクライナ政府が管理するドネツク州の主要都市が砲撃対象」
進撃に有利ということではなく、砲撃対象という観点か・・・。
「州都ハルキウに露軍が迫るシナリオもあり得ると指摘した一方で、完全な占領には露軍の「兵力が不十分だ」と分析」
やっぱ、東部戦線はブラフか・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(欧州、「脱米国依存」を模索 対ロシア防衛、団結課題―米大統領選)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024050300499&g=int
「欧州各国は、同盟軽視の傾向が強いトランプ前大統領が返り咲いた場合に備え、安全保障の「脱米国依存」を模索している。」
米国大統領選挙まで、明日で半年となるタイミングに合わせて、時事通信外信部が短い記事を上げている。
「リトアニアに、独軍が常駐を予定する約4800人の旅団の先遣隊」
「独軍旅団が国外に常駐するのは初めて」
ドイツの危機感は深いな。
ノー天気マクロンの話も出ている。
「欧州が米国の属国集団ではないと証明できる」
それを、わざわざ証明しなければならないところが問題なわけだ。
「対ロ防衛の要となるポーランドは米国との安保協力を深めたい考え」
「ロシアに融和的なハンガリーも抱えており、各国の思惑は入り乱れている。」
「欧州に身を切る覚悟がないなら、米国に負担を期待することはできない」(スナク英首相)
「かつて欧州の盟主としてトランプ氏と対峙(たいじ)したメルケル前独首相のようなリーダーの不在が影を落としている。」
そのメルケルが敷いたロシア融和策が、現状を産み出したのかもしれないしな。
各国の思惑が入り乱れ、統率を欠いたまま、欧州大戦争の足音がひたひたと迫っている。
ウクライナが負けた後は、欧州が負ける番だ。
小さな棘の毒が全身に回る前に、早く抜いてしまう必要があるだろう。
そうしなければ、腕を切り落とさなければならなくなる。
棘を差したバラを非難する前に、バラの茂みに入った自らの落ち度を知るべきかもしれない。
いや、そもそも、そのバラを植えたことが問題なのかも・・・。
(ウクライナ軍、チャシブ・ヤール崩壊はアウディーイウカと同じで時間の問題)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/
「容赦ない砲撃で壊滅的な打撃を受けたチャシブ・ヤールはバフムートやアウディーイウカを彷彿とさせる」(AP)
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」(ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長)
自軍の崩壊をこんなにあっさり認めちまっていいもんなのかあ?。
「ロシア軍の容赦ない砲撃でチャシブ・ヤールは壊滅的な打撃を受けている。大半の建物は破壊されて黒焦げになり、バフムートやアウディーイウカを彷彿とさせる」(AP)
「バフムート北西の高台に位置するチャシブ・ヤールはコンスタンチノフカ、ドルジュキーウカ、クラマトルスク、スラビャンスクを守る戦略的要衝」(ブログ管理人)
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」「勿論、今日や明日の話ではないが、全て我々の備蓄と物資次第だ」(スキビツキー氏)
「チャシブ・ヤールの喪失は砲撃や空爆による都市(抵抗拠点となりえる市内の建造物)破壊のスピードに左右される」「弾薬の供給量が改善されれば敵火力を抑制でき街を長く維持できる」(ブログ管理人?)
「ハルキウ方面やスームィ方面への攻撃を準備している」「ロシアがウクライナ侵攻に動員している兵力は51.4万人」「現時点でベルゴロド州に3.5万人グループが配備されている」「このグループは5万人~7万人規模に拡張される予定」「この他にもロシアは約2万人規模の予備戦力を中央に待機させている」(スキビツキー氏)
真偽のほどは定かではないが、これだけの兵力を揃えているということは、チャシブヤール占領だけのためではもちろんない。
「ハルキウ方面やスームィ方面への攻撃時期は「ドンバスにおける我が軍の防衛強度に左右される」と、夏季攻勢自体は「5月~6月の間に始まる」と述べた。」
つまりだな、ウクライナ軍は、既にチャシブヤールの放棄を決め、後方に防衛線を移し、そこでロシア軍を迎え撃とうというわけだ。
もちろん、チャシブヤールでも抵抗を続けるだろうけど、そこを死守するというわけではない。
既に、そういう戦術はとり得ない。
しかし、50万人を超える兵力を投入しながら、その主戦場に予備兵力を含めて2割程度しか配置しないというのは、いささか手抜きなのではないか。
ウクライナ側の見立てが甘いのか、東部戦線に投入する兵力がブラフに過ぎないのか。
しかし、もちろん、ハルキウやスームイ方面への進撃は試みるだろう。
準備された戦力は、使うためのものだからな。
南部戦線からの配置換えも行っているし、東部や北東部における戦闘が激化することだけは間違いない。
しかしだな、浮沈子は、まだ、南部戦線に拘っている。
黒海艦隊を封じられ、クリミアも長距離ロケット砲で狙い撃ちにされていてもなお、未練たらたらオデッサへの攻撃を続けている。
(ウクライナ南部オデーサの教育施設にミサイル、5人死亡 負傷者多数)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/AS6LSFATEFKIXIC2BIRKGMBUVU-2024-04-29/
「攻撃によりほとんど破壊された法律学校の屋根が映っていた。」
このピンポイントの攻撃が、何を目的として行われたのかは不明だ。
が、南部への侵攻を諦めたわけではなさそうな雰囲気を感じる(そうなのかあ?)。
それとも、やっぱ、こっちが陽動なんだろうか?。
まあ、どっちでもいいんですが。
問題なのは、ロシアが攻め込む地点を自由に選べると言うことだろうな。
ひょっとすると、昨年のウクライナが実施しようとした、戦線全域にわたる圧力をかけ続けるつもりなのかもしれない。
ウクライナには、それを支える戦力があるだろうか?。
西側の武器がつぎ込まれるとして、それを使うための兵力が足りるんだろうか?。
都市防衛における防空システムも、既に枯渇状態にある。
オデッサにはイスカンデルが用いられたと見られているが、それを防ぐことは出来なかった。
まあいい。
ウクライナにとって、いい話は何もない。
浮沈子が違和感を感じたショイグ国防相の話は、どうやら解任話が裏で進んでいるらしい(未確認)。
近く、ロシアでは内閣改造が行われると見られるが、その際に交代させられる可能性が取りざたされている。
側近が収賄で起訴されたりしているしな。
事実かどうかはともかく、ロシアでありがちな権力闘争が起こっている可能性は高い。
しかし、そういうのは前線にはあまり影響しないからな。
兵器の生産量、海外からの調達量、国内の動員、戦闘を支える訓練など、ファンダメンタルなところが効いてくる。
ウクライナ側の状況は、なかなか伝えられることはない。
西側の支援を受けながら、戦闘を継続することが出来るんだろうか。
「壊滅的」なのは、チャシブヤールだけではなく、ウクライナ自体がそういう状況に陥っているのではないか。
戦場で勝てないだけではなく、銃後においても、既に死に体になってしまっているのかも知れない。
「全て我々の備蓄と物資次第だ」(スキビツキー氏:再掲)
その備蓄と物資を届け、それらを使って防御戦を戦い抜くには、総合力が必要だ。
もちろん、撤退した先の塹壕や要塞もな。
(「国家存続できない」 ベラルーシのルカシェンコ大統領がウクライナに対露停戦交渉求める)
https://www.sankei.com/article/20240426-5FSJBDQLTRMYZPM75GCRFT6IKE/
「いま交渉を始めなければ国家として存続できなくなる恐れがある」
「長射程の地対地ミサイル「ATACMS」の供与を含む追加軍事支援に乗り出すことは「紛争を激化させる要因となり、危険だ」と指摘。米国や北大西洋条約機構(NATO)がウクライナを戦争に駆り立てているとも主張」
ルカシェンコは、クレムリンの代弁者だからな。
先日も取り上げた記事だが、もちろん鵜呑みにはできない。
だが、時間を味方に付けたロシアと、時が経てば経つほど疲弊していくウクライナを見るにつけ、西側がこのまま戦争を続けさせることが本当にウクライナのためになることなのかを、真剣に考えた方がいいような気もしてくる。
従来、西側供与の兵器でロシア本土を攻撃することには慎重だったが、今後はそれも解禁することになりそうだ(未確認)。
そうなれば、ロシアの攻撃は一層苛烈になるだろうし、モスクワが脅かされることになれば、ベラルーシから核ミサイルが飛ぶことになる。
対外的には明確にされていないが、ルカシェンコはプーチンから直接告げられているに違いない。
ロシアは、核の使用を躊躇うことはない。
それは、ウクライナだけに限ったことではないだろう。
ショルツが長距離巡航ミサイルの供与を拒み続けているのは、ロシアの報復を恐れているからだ。
フランスとイギリスが供与しているのは、自国が核武装しているからロシアは撃ってこないと高を括っているからに他ならない。
米国は、その点、慎重だったが、そのタガは既に外れている。
戦域をウクライナに留めるという不文律は、崩壊したのだ。
欧州大戦争は、既に始まっている。
ルカシェンコは、そのことを分かっているんだろう。
自国もまた、好むと好まざるとに関わらず、欧州大戦争に巻き込まれていく運命だからな。
核兵器を配備した国は、核兵器で狙われる。
戦闘の激化は、誰にとっても何もいいことをもたらさない。
他の誰よりも、そのことを知っているのかもしれない。
ウクライナに和平合意を促すのは、決してロシアを代弁しているわけではないだろう。
国家は義理人情では動かない(そうだっけえ?)。
国家は国益で動く。
ベラルーシの国益は、結果はともかく、ウクライナ紛争が終結し、欧州大戦争が勃発しないことに違いない。
疲弊しきったウクライナの後始末を、ロシアに押し付けられるのも避けたいところだ。
早期に停戦し、西側の資本を受け入れて平和裏に再建されるのが好ましい。
ウクライナ降伏不可避。
浮沈子の見立ては変わらない。
それは、戦場で勝てないウクライナの確定した未来だ。
どの段階でその選択を取るかはウクライナが決める。
ロシアには、逆に選択の余地がないかも知れない。
停戦や休戦は、ロシアにメリットをもたらさないからな(そうなのかあ?)。
ウクライナの選択に、ロシアが応じるかどうかは、情勢によって決まるだろう。
ロシアでも、臨時に行った動員の解除を求める動きはある。
が、一応、ローテーションは行われているし、今後、追加の動員と共に、復員の話が持ち上がる可能性はある。
そうなると、戦争継続の態勢が完成するわけで、その前に停戦交渉に持ち込まなければ、話が始まらなくなる恐れもある。
そうはいっても、ロシアだって、いつまでも戦争を続けられるわけではないし、どこかで政治的に決着したいに違いない。
完全な戦闘終結と、恒久的平和でなければ、いつでも再開できるわけだしな(そんなあ!)。
今月から来月にかけて、東部戦線では動きがあるだろう。
戦況は、ウクライナにとって厳しい状態が続く。
武器や兵士の補充があったとしても、ロシアの戦力は増強されている。
これまでのようなわけにはいかない。
反転攻勢どころか、どれだけ上手く撤退しながら防御し続けるかという困難な戦いになる。
時間が経てば経つほど、戦いは困難さを増し、領土は失われ、兵力は損耗する。
西側の武器支援は続くだろうが、それを使って反撃することは叶わない。
戦線を膠着させておくことが出来るかどうか。
せいぜい、侵略の速度を鈍らせることが出来る程度ではないのか。
ロシアの戦略目標は、既にウクライナではない。
欧州にピタリと照準を合わせて、兵士の増強、武器の増産を進めている。
戦争は、その準備から始まる。
欧州大戦争の準備は既に始まっていて、開戦の時期は「備蓄と物資次第だ」。
欧州が準備する速度との兼ね合い、時間との戦いになっている。
早期に、十分な差を付けられて開戦に持ち込めれば、損害は少なくて済む。
米国の支援は当てにならないし、欧州にとっては厳しい選択だ。
そっちの方の和平交渉の準備も、そろそろ始めておいた方がいいかもしれないな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(東部の要衝「陥落は時間の問題」…ウクライナ高官が分析、露軍が制圧すれば主要都市が砲撃対象に)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240504-OYT1T50028/
「チャシフヤールは高台に位置しており、露軍が制圧すればウクライナ政府が管理するドネツク州の主要都市が砲撃対象」
進撃に有利ということではなく、砲撃対象という観点か・・・。
「州都ハルキウに露軍が迫るシナリオもあり得ると指摘した一方で、完全な占領には露軍の「兵力が不十分だ」と分析」
やっぱ、東部戦線はブラフか・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(欧州、「脱米国依存」を模索 対ロシア防衛、団結課題―米大統領選)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024050300499&g=int
「欧州各国は、同盟軽視の傾向が強いトランプ前大統領が返り咲いた場合に備え、安全保障の「脱米国依存」を模索している。」
米国大統領選挙まで、明日で半年となるタイミングに合わせて、時事通信外信部が短い記事を上げている。
「リトアニアに、独軍が常駐を予定する約4800人の旅団の先遣隊」
「独軍旅団が国外に常駐するのは初めて」
ドイツの危機感は深いな。
ノー天気マクロンの話も出ている。
「欧州が米国の属国集団ではないと証明できる」
それを、わざわざ証明しなければならないところが問題なわけだ。
「対ロ防衛の要となるポーランドは米国との安保協力を深めたい考え」
「ロシアに融和的なハンガリーも抱えており、各国の思惑は入り乱れている。」
「欧州に身を切る覚悟がないなら、米国に負担を期待することはできない」(スナク英首相)
「かつて欧州の盟主としてトランプ氏と対峙(たいじ)したメルケル前独首相のようなリーダーの不在が影を落としている。」
そのメルケルが敷いたロシア融和策が、現状を産み出したのかもしれないしな。
各国の思惑が入り乱れ、統率を欠いたまま、欧州大戦争の足音がひたひたと迫っている。
ウクライナが負けた後は、欧州が負ける番だ。
小さな棘の毒が全身に回る前に、早く抜いてしまう必要があるだろう。
そうしなければ、腕を切り落とさなければならなくなる。
棘を差したバラを非難する前に、バラの茂みに入った自らの落ち度を知るべきかもしれない。
いや、そもそも、そのバラを植えたことが問題なのかも・・・。
🐼嫦娥6号:NASAの名誉 ― 2024年05月04日 08:59
嫦娥6号:NASAの名誉
(NASAはここ数十年月面着陸を行っていないが、中国は6年間で3回目の月面着陸を行ったばかりだ)
https://arstechnica.com/space/2024/05/china-just-launched-another-ambitious-lunar-mission-is-nasa-falling-behind/
「外から見ると、中国の月計画が主導権を握っているように見える。」
「嫦娥6号が成功すれば、中国の月計画を有利にする新たな攻撃となるだろう。」
「しかし、NASA の名誉のために言っておきますが、NASA は単に 1960 年代から 1970 年代初頭のアポロ月計画の栄光を再現しようとしているわけではありません。」
「NASAがこのアプローチを粘り強く続けて成功すれば、アポロ時代にしか夢見られなかったような月への高速道路が開かれることになる。月に往復する宇宙船の小隊を想像してみてください。それがビジョンです。」
「中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争」
中国との競争における米国のとる典型的な対比なんだが、そこにNASAの名誉(!)を持ち込むところは、エリックバーガーらしい気がする。
なんだかんだ言って、米国のジャーナリストだからな。
普段はNASAイジメばっかしてても、最終的には擁護するわけだ。
予算を議会に握られて、好き勝手にできないNASAは、民間企業に金をばら撒いて欲得づくで宇宙開発を進めようとしている。
「NASAは、産業界と協力して、今年初めに大成功を収めたインテュイティブ・マシーンズによるオデュッセウス計画などの商業貨物着陸船群や、スペースX社とブルー・オリジン社が建造した大型有人着陸船の開発に向けて、異なるアプローチをとっている。この全体的な「アーキテクチャ」ははるかに複雑で、軌道上で宇宙船に燃料を補給するために無数の打ち上げが必要です。」
具体的にどんな仕組みが取られるかは別としても、金儲けを餌にして民間企業を動員し、宇宙開発を議会に縛られずに推進したいだけの話だ。
それは、議員を丸め込んで独占を計ろうとする特定企業(どこ?)との腐れ縁を断ち切るためにも必要だ(そうなのかあ?)。
浮沈子は、技術の独占がいいとは思わないし、米国のように宇宙産業が盛んな国ではそういう方法で競争を促進するやり方も可能だとは思うけど、地球低軌道辺りでは成功しても月軌道で成果を得るのは困難だろうと見ている。
技術基盤(技術者の数とかそれを雇用できる産業の規模など)が小さい国では、そもそもそういうアプローチは取れない。
リソースを集中させて、ピンポイントの成果を積み重ねていくしかないのだ。
中国は、正にその段階にある。
同時に、地球低軌道での産業育成も図っている。
わが国も、似たようなことをやろうとしているけど、一向に芽が出ないからな。
悩ましいところだ。
まあいい。
米国は、かなりギャンブルなアプローチで月開発をしようとしている。
成功すれば、21世紀の有人月面着陸レースで中国に敗れたとしても、それに有り余る成果を得ることが出来るだろう。
しかし、民間企業が付いてこれなければ、NASA本体の事業の推進も不可能となり、総崩れになるリスクを抱えている。
しかも、アルテミス計画の基幹ロケット(ボーイング)や有人宇宙船(ロッキードマーチン)は、相変わらずレガシー企業が独占している(すいません、ノースロップグラマン(SRB担当)忘れてましたあ!)。
このハイブリッド状態では、望む成果を得られるかどうかは分からない。
いいとこ取りどころか、共倒れになるかも知れないのだ。
が、アポロ時代の10分の1の予算で米国の民間宇宙開発のプレゼンスを維持していくためには、他の選択肢はない。
これは、言ってみれば米国の相対的な国力低下の象徴でもある。
最もセンシティブな所から綻びが始まっているのだ。
もちろん、成功すれば、その恩恵は大きい。
NASAとはけた違いの予算を使いまくる米軍も、その恩恵を受けることが出来る。
米国は、生き残り(延命?)をかけて大きな賭けに出ているのだ。
しかしだな、繰り返すが、地球低軌道程度ならともかく、月軌道でそのアプローチを取るというのはあまりにリスキーな気がする。
月の資源を餌にしているんだろうが、民間企業がそれで元が取れると判断するかどうかだな。
市場性がないと見切りを付ければそれまでだ。
NASAは、以前、小惑星を引っ張ってきて資源回収するという計画を進めていた。
希少金属を回収できれば、商売になると見ていたわけだが、結局断念している。
民事の宇宙開発は、最終的には金儲けになるかどうかで決まるからな。
「名誉」じゃない!。
最近は、火星のサンプルリターンについても、同じアプローチを取ろうとしているようだが、更にリスクが高いだろう。
中国は、軍事と宇宙開発との連携を隠そうともしない。
それは、本質的に同義だ。
米国だって、表向きはともかく、同じ釜の飯を食ってるわけだからな。
そこに厳密な区別などない。
政治的に、民事をNASAに切り分けることでメリットを享受できた時代は、そろそろ終わりを迎えようとしているのではないか。
背に腹は代えられない。
アルテミスが失敗に終われば、その流れは加速されるだろう。
それは、人類の宇宙開発に賭ける夢の放棄、宇宙の平和利用からの撤退、科学探査の終焉、実用(軍事や金儲け)一点張りの競争の場としての宇宙への逆行を意味する。
成功すればどうなるのか。
月面は、資源の採掘場と化し、その成功は火星開発への強烈な動機につながるかも知れない。
どっちにしても、地球周辺の宇宙環境は激変していくことになる。
それを加速させているのが、再使用ロケットの成功であることは間違いないだろう。
スターシップが成功すれば、その流れは決定的になる。
たとえ、中国が21世紀の有人月着陸レースに勝利したとしても、それだけではピンポイントの成果に留まることは間違いない。
だが、その先には、同じように再使用ロケットの開発が行われ、持続可能なアプローチへと発展してくかもしれない。
物理の神様は公平だ。
特定の政治体制を贔屓することはない。
浮沈子には、アルテミスはかなりリスキーに映っている。
例えて言えば、弁慶の糊作りのようなものだ。
民間からの調達には冗長性を持たせてリスクヘッジしているけど、どのパーツが欠けてもビジョンは達成できない。
それだけのインセンティブを与え続けられるかも不明だ。
潰し損ねた飯粒を探している間に、牛若丸な中国が糊を完成させるかもしれないしな。
「これは中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争である。」(再掲)
それは、短期的な視野に過ぎない。
今後10年ではなく、20年先を見れば、どちらのアプローチが正解だったかを知ることができるかも知れない。
もちろん、その頃には中国と米国の国力は大きく変わってるだろうしな。
んでもって、中国では、有人火星探査に向けて、民間企業の活力を導入して、インドの追い上げに対抗しようとしてるかもしれない。
国家航天局(CNSA)の名誉とかにも、配慮しないといけなくなっちまってるかもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙大国としての「中国」「インド」を徹底解説–政策や直近の開発状況、今後の展開は)
https://uchubiz.com/article/fea42170/
「多極化する21世紀の世界では、中国とインドが宇宙大国として台頭している。」
「本稿では、中国とインドの宇宙活動・政策について概観し、最近の特徴的な動きに触れながら、日本にとってのインプリケーションを解説する。」
テキトーな与太記事ばかり書いてないで、たまにはちゃんとベンキョーしないとな。
「中国の宇宙計画の特徴は、対外的には国際的威信の誇示、国内的には愛国心の高揚という点がある一方、その背景には、安全保障環境の変化への適合と、進化する現代戦争への対応を客観的に見据えた現状認識がある」(中曽根平和研究所の長島純研究顧問(空将))
つまり、一言で言えば現実主義なわけだ。
「中国の「軍民融合」戦略は、民間と軍事の技術分野の境界線を意図的に曖昧にし、中国の民生・商業部門のイノベーションとリソースを、PLAの要請に応じて利用できるようにしている」(ブルッキングス研究所の中国専門家ら:PLA:中国人民解放軍(軍事と民間の宇宙活動の両方を監督))
最近の動向については割愛する。
インドはどうか。
「インドの宇宙開発部門はインド原子力省の傘下にあったが、核爆発関連とロケットの双方を開発することへの国際社会からの懸念に対応するために、宇宙と原子力を別組織に分離し、1972年にインド宇宙庁を新たに創設し、その下部組織としてインド宇宙研究機関(ISRO: Indian Space Research Organization)が誕生」
「首相が長官を務める宇宙省のもと、ISROが宇宙関連技術の開発や応用を担っている。2019年にはインドの宇宙アセット保護を任務とする国防宇宙局(DSA)が設立され、国防省の下で運営」
うーん、名目上軍民は別れてはいるけど、同根な感じだな。
「インドは国家として、衛星通信、地球観測衛星(リモートセンシング衛星)、測位衛星、ロケット発射システム、月・惑星探査ミッションに至るまで、宇宙関連のほぼ全領域をカバーするプログラムを実施」
インドの宇宙開発で特徴的なのは、何といってもそのコストの低さだ。
「2023年8月に日本より先に月面着陸に成功した無人月探査機「チャンドラヤーン3号」のミッション全体のコストはわずか7400万ドル前後であり、同月に月の南極着陸に失敗したロシアの着陸船(約2億ドル)の半分以下で、NASAが計画している月の南極探査機「VIPER」(約433.5百万ドル)よりも圧倒的に低予算」
「近年の世界のロケット打ち上げ市場は、米国の新興宇宙企業の台頭と共に、インドの存在感が増すことによって低コスト化が加速」
うーん、功罪半ばというところか。
浮沈子は、以前からインドの宇宙開発には注目しているが、それはもっぱら打ち上げロケット限定な話だ。
有人宇宙開発とかは、まだまだ先だと思っていたが、既にスケジュールに上がっている。
なんと、タイムライン上では、来年(2025年)となっている!。
ホントかあ?。
最初に打ち上げられる宇宙飛行士は、成功の有無にかかわらず、英雄なことは間違いないな。
まあいい。
地球上でのドンパチで、宇宙開発どころじゃないロシアだって、腐っても鯛だからな。
最近では、核動力衛星の配備を目論んでいると言われる(未確認)。
一寸先は闇の宇宙開発。
20年先にどうなっているかは誰にも分からない。
ひょっとしたら、わが国だって大化けしているかもしれないしな(ありえねー・・・)。
(NASAはここ数十年月面着陸を行っていないが、中国は6年間で3回目の月面着陸を行ったばかりだ)
https://arstechnica.com/space/2024/05/china-just-launched-another-ambitious-lunar-mission-is-nasa-falling-behind/
「外から見ると、中国の月計画が主導権を握っているように見える。」
「嫦娥6号が成功すれば、中国の月計画を有利にする新たな攻撃となるだろう。」
「しかし、NASA の名誉のために言っておきますが、NASA は単に 1960 年代から 1970 年代初頭のアポロ月計画の栄光を再現しようとしているわけではありません。」
「NASAがこのアプローチを粘り強く続けて成功すれば、アポロ時代にしか夢見られなかったような月への高速道路が開かれることになる。月に往復する宇宙船の小隊を想像してみてください。それがビジョンです。」
「中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争」
中国との競争における米国のとる典型的な対比なんだが、そこにNASAの名誉(!)を持ち込むところは、エリックバーガーらしい気がする。
なんだかんだ言って、米国のジャーナリストだからな。
普段はNASAイジメばっかしてても、最終的には擁護するわけだ。
予算を議会に握られて、好き勝手にできないNASAは、民間企業に金をばら撒いて欲得づくで宇宙開発を進めようとしている。
「NASAは、産業界と協力して、今年初めに大成功を収めたインテュイティブ・マシーンズによるオデュッセウス計画などの商業貨物着陸船群や、スペースX社とブルー・オリジン社が建造した大型有人着陸船の開発に向けて、異なるアプローチをとっている。この全体的な「アーキテクチャ」ははるかに複雑で、軌道上で宇宙船に燃料を補給するために無数の打ち上げが必要です。」
具体的にどんな仕組みが取られるかは別としても、金儲けを餌にして民間企業を動員し、宇宙開発を議会に縛られずに推進したいだけの話だ。
それは、議員を丸め込んで独占を計ろうとする特定企業(どこ?)との腐れ縁を断ち切るためにも必要だ(そうなのかあ?)。
浮沈子は、技術の独占がいいとは思わないし、米国のように宇宙産業が盛んな国ではそういう方法で競争を促進するやり方も可能だとは思うけど、地球低軌道辺りでは成功しても月軌道で成果を得るのは困難だろうと見ている。
技術基盤(技術者の数とかそれを雇用できる産業の規模など)が小さい国では、そもそもそういうアプローチは取れない。
リソースを集中させて、ピンポイントの成果を積み重ねていくしかないのだ。
中国は、正にその段階にある。
同時に、地球低軌道での産業育成も図っている。
わが国も、似たようなことをやろうとしているけど、一向に芽が出ないからな。
悩ましいところだ。
まあいい。
米国は、かなりギャンブルなアプローチで月開発をしようとしている。
成功すれば、21世紀の有人月面着陸レースで中国に敗れたとしても、それに有り余る成果を得ることが出来るだろう。
しかし、民間企業が付いてこれなければ、NASA本体の事業の推進も不可能となり、総崩れになるリスクを抱えている。
しかも、アルテミス計画の基幹ロケット(ボーイング)や有人宇宙船(ロッキードマーチン)は、相変わらずレガシー企業が独占している(すいません、ノースロップグラマン(SRB担当)忘れてましたあ!)。
このハイブリッド状態では、望む成果を得られるかどうかは分からない。
いいとこ取りどころか、共倒れになるかも知れないのだ。
が、アポロ時代の10分の1の予算で米国の民間宇宙開発のプレゼンスを維持していくためには、他の選択肢はない。
これは、言ってみれば米国の相対的な国力低下の象徴でもある。
最もセンシティブな所から綻びが始まっているのだ。
もちろん、成功すれば、その恩恵は大きい。
NASAとはけた違いの予算を使いまくる米軍も、その恩恵を受けることが出来る。
米国は、生き残り(延命?)をかけて大きな賭けに出ているのだ。
しかしだな、繰り返すが、地球低軌道程度ならともかく、月軌道でそのアプローチを取るというのはあまりにリスキーな気がする。
月の資源を餌にしているんだろうが、民間企業がそれで元が取れると判断するかどうかだな。
市場性がないと見切りを付ければそれまでだ。
NASAは、以前、小惑星を引っ張ってきて資源回収するという計画を進めていた。
希少金属を回収できれば、商売になると見ていたわけだが、結局断念している。
民事の宇宙開発は、最終的には金儲けになるかどうかで決まるからな。
「名誉」じゃない!。
最近は、火星のサンプルリターンについても、同じアプローチを取ろうとしているようだが、更にリスクが高いだろう。
中国は、軍事と宇宙開発との連携を隠そうともしない。
それは、本質的に同義だ。
米国だって、表向きはともかく、同じ釜の飯を食ってるわけだからな。
そこに厳密な区別などない。
政治的に、民事をNASAに切り分けることでメリットを享受できた時代は、そろそろ終わりを迎えようとしているのではないか。
背に腹は代えられない。
アルテミスが失敗に終われば、その流れは加速されるだろう。
それは、人類の宇宙開発に賭ける夢の放棄、宇宙の平和利用からの撤退、科学探査の終焉、実用(軍事や金儲け)一点張りの競争の場としての宇宙への逆行を意味する。
成功すればどうなるのか。
月面は、資源の採掘場と化し、その成功は火星開発への強烈な動機につながるかも知れない。
どっちにしても、地球周辺の宇宙環境は激変していくことになる。
それを加速させているのが、再使用ロケットの成功であることは間違いないだろう。
スターシップが成功すれば、その流れは決定的になる。
たとえ、中国が21世紀の有人月着陸レースに勝利したとしても、それだけではピンポイントの成果に留まることは間違いない。
だが、その先には、同じように再使用ロケットの開発が行われ、持続可能なアプローチへと発展してくかもしれない。
物理の神様は公平だ。
特定の政治体制を贔屓することはない。
浮沈子には、アルテミスはかなりリスキーに映っている。
例えて言えば、弁慶の糊作りのようなものだ。
民間からの調達には冗長性を持たせてリスクヘッジしているけど、どのパーツが欠けてもビジョンは達成できない。
それだけのインセンティブを与え続けられるかも不明だ。
潰し損ねた飯粒を探している間に、牛若丸な中国が糊を完成させるかもしれないしな。
「これは中国による伝統的なアプローチの採用と、ある種の新しい未来への道を開こうとするNASAの努力との間の競争である。」(再掲)
それは、短期的な視野に過ぎない。
今後10年ではなく、20年先を見れば、どちらのアプローチが正解だったかを知ることができるかも知れない。
もちろん、その頃には中国と米国の国力は大きく変わってるだろうしな。
んでもって、中国では、有人火星探査に向けて、民間企業の活力を導入して、インドの追い上げに対抗しようとしてるかもしれない。
国家航天局(CNSA)の名誉とかにも、配慮しないといけなくなっちまってるかもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(宇宙大国としての「中国」「インド」を徹底解説–政策や直近の開発状況、今後の展開は)
https://uchubiz.com/article/fea42170/
「多極化する21世紀の世界では、中国とインドが宇宙大国として台頭している。」
「本稿では、中国とインドの宇宙活動・政策について概観し、最近の特徴的な動きに触れながら、日本にとってのインプリケーションを解説する。」
テキトーな与太記事ばかり書いてないで、たまにはちゃんとベンキョーしないとな。
「中国の宇宙計画の特徴は、対外的には国際的威信の誇示、国内的には愛国心の高揚という点がある一方、その背景には、安全保障環境の変化への適合と、進化する現代戦争への対応を客観的に見据えた現状認識がある」(中曽根平和研究所の長島純研究顧問(空将))
つまり、一言で言えば現実主義なわけだ。
「中国の「軍民融合」戦略は、民間と軍事の技術分野の境界線を意図的に曖昧にし、中国の民生・商業部門のイノベーションとリソースを、PLAの要請に応じて利用できるようにしている」(ブルッキングス研究所の中国専門家ら:PLA:中国人民解放軍(軍事と民間の宇宙活動の両方を監督))
最近の動向については割愛する。
インドはどうか。
「インドの宇宙開発部門はインド原子力省の傘下にあったが、核爆発関連とロケットの双方を開発することへの国際社会からの懸念に対応するために、宇宙と原子力を別組織に分離し、1972年にインド宇宙庁を新たに創設し、その下部組織としてインド宇宙研究機関(ISRO: Indian Space Research Organization)が誕生」
「首相が長官を務める宇宙省のもと、ISROが宇宙関連技術の開発や応用を担っている。2019年にはインドの宇宙アセット保護を任務とする国防宇宙局(DSA)が設立され、国防省の下で運営」
うーん、名目上軍民は別れてはいるけど、同根な感じだな。
「インドは国家として、衛星通信、地球観測衛星(リモートセンシング衛星)、測位衛星、ロケット発射システム、月・惑星探査ミッションに至るまで、宇宙関連のほぼ全領域をカバーするプログラムを実施」
インドの宇宙開発で特徴的なのは、何といってもそのコストの低さだ。
「2023年8月に日本より先に月面着陸に成功した無人月探査機「チャンドラヤーン3号」のミッション全体のコストはわずか7400万ドル前後であり、同月に月の南極着陸に失敗したロシアの着陸船(約2億ドル)の半分以下で、NASAが計画している月の南極探査機「VIPER」(約433.5百万ドル)よりも圧倒的に低予算」
「近年の世界のロケット打ち上げ市場は、米国の新興宇宙企業の台頭と共に、インドの存在感が増すことによって低コスト化が加速」
うーん、功罪半ばというところか。
浮沈子は、以前からインドの宇宙開発には注目しているが、それはもっぱら打ち上げロケット限定な話だ。
有人宇宙開発とかは、まだまだ先だと思っていたが、既にスケジュールに上がっている。
なんと、タイムライン上では、来年(2025年)となっている!。
ホントかあ?。
最初に打ち上げられる宇宙飛行士は、成功の有無にかかわらず、英雄なことは間違いないな。
まあいい。
地球上でのドンパチで、宇宙開発どころじゃないロシアだって、腐っても鯛だからな。
最近では、核動力衛星の配備を目論んでいると言われる(未確認)。
一寸先は闇の宇宙開発。
20年先にどうなっているかは誰にも分からない。
ひょっとしたら、わが国だって大化けしているかもしれないしな(ありえねー・・・)。
🐱ウクライナ降伏不可避:捨て駒 ― 2024年05月04日 22:13
ウクライナ降伏不可避:捨て駒
(ウクライナメディア、人員不足のためチャシブ・ヤールを守りきれるか不明)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-media-says-it-is-unclear-whether-chassiv-yar-will-be-able-to-be-protected-due-to-lack-of-personnel/
「多くの戦闘旅団がローテーションなしで前線に留まり続けたため消耗が激しく、強化された防衛ラインの建設が遅れているため、仮に有利な条件であっても強固な防衛戦を展開できるか不明だ」
「ウクライナ軍が直面している最大の問題に「マンパワー」を挙げた。」
「効果的な予備戦力を持っていないウクライナ軍は突破口を塞ぐことが出来ないでいる」
「この状況下で「絶対にチャシブ・ヤールを守りきれる」と言えるのは相当の楽天家だけだろう。」
このところ、伝えられている情報はチャシブヤールの陥落が近いという話ばっかし・・・。
その原因の一つは兵員の不足だが、ウクライナはそれを補うことが出来ないでいる。
ここを奪取されれば、東部の都市に対する攻撃の足場にされることは分かっている。
ならば、なぜ兵員を送って強化しないのか。
本来なら、高台にあって防御しやすい地であるにもかかわらず、陥落が取りざたされているのに。
それはつまり、戦略的にリソースを割り当てているからに他ならない。
チャシブヤールの部隊は捨て駒にされているのだ。
アウディーイウカの時にも、ギリギリまで撤退させなかったしな。
多くの損失を被り、撤退陣地の重要性も認識したはずなのに、今回もまた、最も貴重な兵員を失い、支配地域も奪われるという状況に陥っている。
そりゃあ、砲弾が少ないとか、ドローンが足りないとかはあるだろうが、興味深いことに、それを第一の原因に挙げている現場はない。
つーか、砲弾不足の状況に慣れてしまっているのかもしれない。
そういうもんだと・・・。
やれやれ・・・。
徴兵については状況が改善されてきていると言われるが、その効果が発揮されるまでには時間が掛かる。
下手をすれば、年単位の時間だ。
軍の内部で配置替えを行えば、非熟練兵士が前線に出ることになり、戦力の低下は免れない。
困難な防御戦を戦う中で、総体的な損失は増えていく。
この記事の中では、注目すべき状況が報告されている。
「運び込まれる兵士の約90%はFPVドローンかドローンから投下された爆弾で負傷した者だ」「車輌による負傷者の移送も以前なら簡単に行えたが、暗視機能を備えたドローンが増えたため衛生兵や歩兵が徒歩で負傷者を移送している」(チャシブ・ヤールの野戦病院で働く医師)
これは、ロシア軍が兵士の損耗を狙って、意図的に行っているのではないのか。
この状況の中に、兵士を補充しても、損耗が増えるだけで反撃にはつながらない。
後方の戦力を温存して、チャシブヤール陥落後に備えた防御戦を築いて守ることが、最大の効果を発揮すると判断しているのかもしれない。
その時間と後詰の兵力を得るために、前線の兵士は捨て駒にされる。
戦争は、如何に効率的に自軍の兵隊を殺すかというやりきれない選択の繰り返しだが、ウクライナは開戦当時からそれを繰り返している。
長距離ロケット砲を得るために兵士を殺し、西側の高性能戦車を得るために兵士を殺し、戦闘機を得るために兵士を殺してきた。
西側に、自軍の損耗を見せつけ、支援を引き出すという捨て身の戦術を繰り返してきた。
またか・・・。
これは、新手の瀬戸際政策のような気がする。
(ウクライナ軍、チャシブ・ヤール崩壊はアウディーイウカと同じで時間の問題)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」(ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長)
自軍の崩壊を、こんなにあからさまにするというのは異常だ。
既に引用した記事だが、そういう観点から見ると、なかなか味わい深いものがある。
捨て駒にされる方は、たまったもんじゃないだろうな。
もちろん、ロシア軍は更に悲惨な状況だが、そこんとこはロシアの体制の中でケリがついているんだろう(未確認)。
「ウクライナ軍陣地の近くまで掘り進めて突撃する戦術はワグネルのものだ」「ロシア軍の戦術はワグネルのやり方から学んだ可能性が高い」(外交政策研究所のロブ・リー氏:初出記事より)
「敵は攻撃グループが全員死んでも気にしない」「何故なら1時間後には同数の攻撃グループがやって来るからだ」(取材に応じたウクライナ軍兵士
「ロシア軍の突撃戦術は消耗品と見なした歩兵を敵陣地に集団で送り込み「素早く塹壕を掘って足場を固める」というもので、人海戦術や肉弾攻撃といった粗悪なレッテルを貼られることが多いが、それでもウクライナ軍を疲弊させるのに効果的だと戦場で証明されている。」(kyiv Independentの記者?)
やれやれ・・・。
ウクライナの国内状況については、悲惨な情報が入っている。
(ウクライナ火力発電能力9割喪失 エネ相、日本協力に期待)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/325198
「火力は90%近く、水力は30~40%の発電能力を失った」(ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相)
「南部のザポロジエ原発はロシア側に占拠され「設備管理はますます悪化している」と懸念」
踏んだり蹴ったりだな。
「日本からガスタービン発電機を「計100基以上受け取る予定だ」」
先日には、ガスの備蓄を増やすという話も出ている。
(ウクライナ、今冬のガス貯蔵量60%引き上げへ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/MFTNQHGLU5OVZE3QUYI3UE3H74-2024-05-02/
「地下貯蔵施設は、大半がウクライナ西部にあり、貯蔵能力は310億立方メートル。これは、ウクライナの年間ガス消費を十分に賄える水準。欧州から供給される余剰分のガスを貯蔵し、北半球で需要がピークに達する冬場に放出できる。」
電力設備はガスに比べて残存性が低いからな。
エネルギー戦略的には戦時には正しい選択だろう。
もっとも、完全に空爆フリーというわけではない。
「ナフトガスのエネルギー施設は3月以降、5回もロシアからの攻撃を受けたと説明。地下貯蔵施設は被害を受けていないが、生産施設は陸上にあり、より攻撃を受けやすいことから、防衛体制を強化している」(ナフトガス:ウクライナ国営ガス会社)
つまり、ロシアもエネルギー関連施設として標的にしているわけだ。
いつまでも盤石とは限らないのではないか。
インフラを攻撃するというのは、かなり困難だからな。
そう簡単にはいかないだろう。
それでも、ウクライナを疲弊させるのには効果的だ。
ロシアは、戦場での破壊と共に、銃後の設備も狙っている。
ウクライナもまた、ロシア国内の生産設備を標的にしているしな。
お互いにぶっ壊し合って、何かいいことがあるんだろうか。
スクラップアンドビルドで、更新には役立つかもしれんけどな・・・。
(ウクライナメディア、人員不足のためチャシブ・ヤールを守りきれるか不明)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-media-says-it-is-unclear-whether-chassiv-yar-will-be-able-to-be-protected-due-to-lack-of-personnel/
「多くの戦闘旅団がローテーションなしで前線に留まり続けたため消耗が激しく、強化された防衛ラインの建設が遅れているため、仮に有利な条件であっても強固な防衛戦を展開できるか不明だ」
「ウクライナ軍が直面している最大の問題に「マンパワー」を挙げた。」
「効果的な予備戦力を持っていないウクライナ軍は突破口を塞ぐことが出来ないでいる」
「この状況下で「絶対にチャシブ・ヤールを守りきれる」と言えるのは相当の楽天家だけだろう。」
このところ、伝えられている情報はチャシブヤールの陥落が近いという話ばっかし・・・。
その原因の一つは兵員の不足だが、ウクライナはそれを補うことが出来ないでいる。
ここを奪取されれば、東部の都市に対する攻撃の足場にされることは分かっている。
ならば、なぜ兵員を送って強化しないのか。
本来なら、高台にあって防御しやすい地であるにもかかわらず、陥落が取りざたされているのに。
それはつまり、戦略的にリソースを割り当てているからに他ならない。
チャシブヤールの部隊は捨て駒にされているのだ。
アウディーイウカの時にも、ギリギリまで撤退させなかったしな。
多くの損失を被り、撤退陣地の重要性も認識したはずなのに、今回もまた、最も貴重な兵員を失い、支配地域も奪われるという状況に陥っている。
そりゃあ、砲弾が少ないとか、ドローンが足りないとかはあるだろうが、興味深いことに、それを第一の原因に挙げている現場はない。
つーか、砲弾不足の状況に慣れてしまっているのかもしれない。
そういうもんだと・・・。
やれやれ・・・。
徴兵については状況が改善されてきていると言われるが、その効果が発揮されるまでには時間が掛かる。
下手をすれば、年単位の時間だ。
軍の内部で配置替えを行えば、非熟練兵士が前線に出ることになり、戦力の低下は免れない。
困難な防御戦を戦う中で、総体的な損失は増えていく。
この記事の中では、注目すべき状況が報告されている。
「運び込まれる兵士の約90%はFPVドローンかドローンから投下された爆弾で負傷した者だ」「車輌による負傷者の移送も以前なら簡単に行えたが、暗視機能を備えたドローンが増えたため衛生兵や歩兵が徒歩で負傷者を移送している」(チャシブ・ヤールの野戦病院で働く医師)
これは、ロシア軍が兵士の損耗を狙って、意図的に行っているのではないのか。
この状況の中に、兵士を補充しても、損耗が増えるだけで反撃にはつながらない。
後方の戦力を温存して、チャシブヤール陥落後に備えた防御戦を築いて守ることが、最大の効果を発揮すると判断しているのかもしれない。
その時間と後詰の兵力を得るために、前線の兵士は捨て駒にされる。
戦争は、如何に効率的に自軍の兵隊を殺すかというやりきれない選択の繰り返しだが、ウクライナは開戦当時からそれを繰り返している。
長距離ロケット砲を得るために兵士を殺し、西側の高性能戦車を得るために兵士を殺し、戦闘機を得るために兵士を殺してきた。
西側に、自軍の損耗を見せつけ、支援を引き出すという捨て身の戦術を繰り返してきた。
またか・・・。
これは、新手の瀬戸際政策のような気がする。
(ウクライナ軍、チャシブ・ヤール崩壊はアウディーイウカと同じで時間の問題)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-collapse-of-chasiv-yar-for-the-ukrainian-army-is-just-a-matter-of-time-just-like-audiiivka/
「アウディーイウカと同じようにチャシブ・ヤールの崩壊も時間の問題だろう」(ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長)
自軍の崩壊を、こんなにあからさまにするというのは異常だ。
既に引用した記事だが、そういう観点から見ると、なかなか味わい深いものがある。
捨て駒にされる方は、たまったもんじゃないだろうな。
もちろん、ロシア軍は更に悲惨な状況だが、そこんとこはロシアの体制の中でケリがついているんだろう(未確認)。
「ウクライナ軍陣地の近くまで掘り進めて突撃する戦術はワグネルのものだ」「ロシア軍の戦術はワグネルのやり方から学んだ可能性が高い」(外交政策研究所のロブ・リー氏:初出記事より)
「敵は攻撃グループが全員死んでも気にしない」「何故なら1時間後には同数の攻撃グループがやって来るからだ」(取材に応じたウクライナ軍兵士
「ロシア軍の突撃戦術は消耗品と見なした歩兵を敵陣地に集団で送り込み「素早く塹壕を掘って足場を固める」というもので、人海戦術や肉弾攻撃といった粗悪なレッテルを貼られることが多いが、それでもウクライナ軍を疲弊させるのに効果的だと戦場で証明されている。」(kyiv Independentの記者?)
やれやれ・・・。
ウクライナの国内状況については、悲惨な情報が入っている。
(ウクライナ火力発電能力9割喪失 エネ相、日本協力に期待)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/325198
「火力は90%近く、水力は30~40%の発電能力を失った」(ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相)
「南部のザポロジエ原発はロシア側に占拠され「設備管理はますます悪化している」と懸念」
踏んだり蹴ったりだな。
「日本からガスタービン発電機を「計100基以上受け取る予定だ」」
先日には、ガスの備蓄を増やすという話も出ている。
(ウクライナ、今冬のガス貯蔵量60%引き上げへ)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/MFTNQHGLU5OVZE3QUYI3UE3H74-2024-05-02/
「地下貯蔵施設は、大半がウクライナ西部にあり、貯蔵能力は310億立方メートル。これは、ウクライナの年間ガス消費を十分に賄える水準。欧州から供給される余剰分のガスを貯蔵し、北半球で需要がピークに達する冬場に放出できる。」
電力設備はガスに比べて残存性が低いからな。
エネルギー戦略的には戦時には正しい選択だろう。
もっとも、完全に空爆フリーというわけではない。
「ナフトガスのエネルギー施設は3月以降、5回もロシアからの攻撃を受けたと説明。地下貯蔵施設は被害を受けていないが、生産施設は陸上にあり、より攻撃を受けやすいことから、防衛体制を強化している」(ナフトガス:ウクライナ国営ガス会社)
つまり、ロシアもエネルギー関連施設として標的にしているわけだ。
いつまでも盤石とは限らないのではないか。
インフラを攻撃するというのは、かなり困難だからな。
そう簡単にはいかないだろう。
それでも、ウクライナを疲弊させるのには効果的だ。
ロシアは、戦場での破壊と共に、銃後の設備も狙っている。
ウクライナもまた、ロシア国内の生産設備を標的にしているしな。
お互いにぶっ壊し合って、何かいいことがあるんだろうか。
スクラップアンドビルドで、更新には役立つかもしれんけどな・・・。
🐱ウクライナ降伏不可避:不文律 ― 2024年05月06日 15:55
ウクライナ降伏不可避:不文律
(「もしトラ」で米「核の傘」頼れない…ドイツに核武装論が浮上 欧州核抑止、求める声も)
https://www.sankei.com/article/20240501-D7LJLDEVIFECDP2M7CVMCL57XY/
「ウクライナのゼレンスキー大統領は4月、ショルツ氏が「ドイツが核武装していない」ことを理由に長射程ミサイル供与を拒んだと明かした。」
「ウクライナは英仏から長射程ミサイルの提供を受け、ロシアが併合したクリミア半島で露軍施設を攻撃している。核兵器を持たないドイツは英仏と異なり、ロシアの報復に強い懸念を抱いているということだ。」
「NATO欧州で独自に核兵器を持つのは英仏2国だけだ。」
「ドイツは北大西洋条約機構(NATO)の核共有の枠組みで、国内に米国の核爆弾を貯蔵している。」
うーん、迂闊に断言するにはヤバ過ぎる話ではあるけど、世界には核保有国同士は戦争しない、或いは、してはならないという不文律があるのではないか。
逆に言えば、核保有国とそうでない国とは、たとえ共同所有で核の傘に収まっている国であれ、ドンパチやるぞということなわけだ。
(ドイツ政府 ウクライナへの長距離巡航ミサイル供与には否定的)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240223/k10014368841000.html
「ウクライナを支援する上では「ロシアの勝利を防ぐ」と同時に「戦争がNATOの加盟国に拡大することを防ぐ」という2つの原則を両立させる必要がある」(与党「社会民主党」の有力者のひとりで外交政策などを専門とするラルフ・シュテグナー連邦議会議員)
まあ、それが出来れば苦労はしないんだろうが、ショルツは「ウクライナの勝利のためにはタウルスの供与が必要ではないか」とたたみかける司会者に対して、ロシアの反撃を恐れているからとはおくびにも出さなかった。
「NATOとしてこの戦争に関与しないことが目的の1つだと常に考えなければならない。」(同上)
なーに、タウロスを供与しようがしまいが、ロシアは確実に欧州を狙ってくる。
既に、NATOはウクライナ紛争にどっぷり漬かっていて、今更当事者でないなどとは言えない状況に追い込まれている。
まあ、核保有国に対して攻撃できないかどうかは、必ずしも明確ではない。
先日、イスラエルにミサイルぶち込んだイランの例もあるからな。
しかもイランは、少なくとも大っぴらには核兵器は持っていないことになっている。
非核保有国だって、核保有国を攻撃するという好例だ。
手を出したのはどっちが先か、どこが主戦場かという話はあるけど、ウクライナだって、ロシア相手にドンパチしてるし、ロシア本土に対する攻撃も頻繁に行っている。
やっぱ、不文律は幻なんだろうか・・・。
台湾有事の際には、米国はわが国を基地として中国と対戦すると言われている。
極東最大の軍事基地として、全国の空港を自由に使わせろとねじ込んできている。
反撃能力(敵基地攻撃能力)を最大限活用して、中国の兵力を分散させ、台湾への圧力を減殺させるのが狙いかも知れない(未確認)。
実際、ドンパチやるかどうかは別としても、二正面作戦を取らざるを得ない状況に持ち込むことが重要だ。
わが国は、たぶん、ほいほいと乗っかるに違いない(そうなのかあ?)。
核兵器保有国どうしがドンパチ始めるというのは、確かに危険極まりない気がする。
事態がエスカレートすれば、核戦争に発展しかねないからな。
米国が、なんだかんだ言って、ウクライナの軍事支援に制限を設けているのは、責任ある態度といえる。
英仏が長射程の巡航ミサイルを供与し、英国などはロシア本土への使用も認めているのは、いささか考え物だ。
浮沈子の記憶が確かならば、中国は核保有国だから、米国は直接対決を避けようとするだろう。
ウクライナと同じように、台湾への兵器供与などで間接的に支援を試みるだろうが、ちょっと心もとないからな。
朝鮮戦争やベトナム戦争でそうであったように、我が国はちょうどいい利用対象であり、場合によっては代理戦争してくれるかもしれないしな(そうなのかあ?)。
軍事費の増強だって、GDP2パーセントを目指して、素直に呑み込んでくれている。
最強のパートナーだ。
米国は、世界からの撤退戦を有利に運ぶために、同盟国の協力を必要としている。
NATOも、豪州も、そして我が国も。
核兵器を持たない国々を上手に緩衝帯として使いながら、ソフトランディングを目指している。
米中が直接ドンパチすれば、双方の損害は半端ないからな。
わが国が損害を肩代わりしてくれれば、それに越したことはない(そんなあ!)。
占領後の統治の問題があるから、台湾への核攻撃は行わないだろうし、我が国への核攻撃は後始末が大変だろう。
しかし、やらないという保証はどこにもない。
米国の核の傘が信用ならない話は、すでにドイツでも表面化している。
わが国と異なり、共同所有として国内に核兵器の持ち込みを行わせていてさえ、抑止力としての効果は不安定だ。
中国は、我が国にとって最大の貿易相手国(輸出・輸入とも)であり、地理的にも近い関係にある。
米国の思惑がどうあれ、ポスト台湾有事を見越した長期的対応も考えておなかければならないのではないか。
ウクライナでひと暴れしたのちのロシアだって、北朝鮮を使って極東で中国を支援する二正面作戦を展開するかもしれないしな。
仕掛けたつもりが、逆に仕掛け返されるリスクもある。
「ロシアはプーチン氏のもとだけでなくそれ以前から他国へ侵略を繰り返してきた。ウクライナ侵攻はこれまで繰り返されてきたことの先鋭化だ」(ロシアの歴史研究で知られるミュンヘン・ルートヴィヒマクシミリアン大学のマルティン・シュルツェ・ベッセル教授)
「侵攻の主な目的はヨーロッパの安全保障への挑戦だ。このため、この戦争をロシアとウクライナの戦争とみるべきではない」
80年近く、わが国固有の領土を不法に占拠し続けるロシアが、台湾有事の際に、歴史上かつてないほどの友好関係を築いた中国を支援しないと考えることは出来ない。
国家は義理人情では動かない(そうだっけ?)。
国家は国益で動く。
両者が一致すれば、言うことはないだろう。
ロシアが狙うNATOの分断、核兵器の保有国と非保有国との軋轢、全世界的タイムラインと戦争準備の進捗、米国の軍事プレゼンスの低下、エトセエトセは、ウクライナ情勢と不可分だ。
「ウクライナへの軍事的関与をこれ以上拡大することに支持が得られるとは思わない。政治的に許される範囲で兵器を供与することになる」(シュテグナー議員)
つーか、全体状況を見定めたうえで、個別の軍事支援が決定されていく。
決して、ウクライナの短期的需要、特に最前線での戦況を見て決められているわけではないのだ。
もちろん、切羽詰まった支援が優先されることはあるけど、大枠の範囲内にとどまる。
ロシアだって、欧州大戦争への準備や在庫の積み増しと、前線への補給との間で調整に迫られることはあるに違いない。
3年後に迫った台湾有事には、中国を支援しなければならないからな。
米国には、その際に欧州大戦争との二正面作戦を仕掛けなければならない。
核兵器所有国同士の決定的対決を避け、非保有国に代理戦争させながらソフトランディングを目指す。
義理人情は棚に上げ、国益を追求する中で、我が国がどう振舞うかが問題だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア南部で戦術核演習準備 ウクライナ戦で欧米威圧)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/325492
「プーチン大統領の指示を受けて「非戦略核兵器」の使用を想定した演習の準備を始めた」
「戦術核兵器を意味する」
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
「欧米を威圧する狙い」
それはたぶん違うだろう。
「今回の演習は空、海軍で編成するミサイル部隊が参加し、兵員や兵器の即応体制を強化」
準備された戦力は使われる運命にある。
(ロシア、ウクライナ東部の集落の完全制圧を発表…5期目の大統領就任式を前に攻勢)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240506-OYT1T50031/
「オチェレティネを完全に制圧したと発表」
「米政策研究機関「戦争研究所」は、露軍がハルキウなどへの攻撃のため、ウクライナと国境を接する露西部クルスク州に空軍部隊を配置したと指摘した。ウクライナ南部ザポリージャ州から移動させており、クルスク州などに約5万人の兵力を集結」
オケレタイン(オチェレティネ)の制圧については、興味深い記事が上がった。
(ウクライナ軍とロシア軍は兵士補充で格差、愛国的動機による補充は有限)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/there-is-a-disparity-between-the-ukrainian-and-russian-armies-in-terms-of-soldier-recruitment-and-patriotic-motivated-recruitment-is-limited/
「ロシア軍はポクロウシクとコンスタンチノフカを結ぶ幹線道路(T0504)に最短コースで向っている」
「チャシブ・ヤールはコンスタンチノフカの玄関口であり、ウクライナ軍の重要な中継拠点として機能してきた大きな街だ。」
「この地域の主要な中継(兵站)拠点に迫ることでドネツク州全体の防衛を困難にさせるのがロシア軍の目的だ」(カーネギー基金のマイケル・コフマン氏)
戦術的突破は、通常なら戦略の下に行われるが、どうもこの辺りの話を総合すると、圧力をかけ続けてたまたま得られた戦術的突破を、戦略的な目標に整合させようとしている感じだ。
チャシブヤールは確かに戦略目標を意識して攻撃されているけど、オケレタインは棚ボタな感じがする。
「ロシア軍はチャシブ・ヤールへの攻撃を開始し、同時にコンスタンチノフカ~クラマトルスクの補給路を遮断するためアウディーイウカ方面から前線をじわじわと押し上げている。」
両者を結んでいるのが補給路(T0504)というわけだ(画像参照)。
ポクロウシクは、以前からポストアウディーイウカの攻撃目標として取りざたされている補給物資の集積地だからな。
ロシア軍の攻勢は、東部戦線では途切れることなく続いている。
これに加えてハルキウ方面への攻撃が行われれば、ウクライナ軍の兵力はさらに苦しくなる。
戦線が増加することになるからな。
ウクライナ戦線の崩壊は、時間の問題なのかもしれない。
2023年の反転攻勢が、まるで遠い昔のことのような気がする。
非核保有国への攻撃に、不文律はないからな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑発に対応)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/FFVLZRXVEBLVLNISOBVBPGXTUA-2024-05-06/
「ウクライナへのフランス軍派遣の可能性に関するマクロン仏大統領の発言について「ロシアとの直接対決に向けた準備とみなされる」とした」
「ウクライナ支援を巡るキャメロン英外相の発言については「ウクライナが英国の兵器を使ってロシア国内を攻撃した場合、ウクライナ国内外の英国の軍事施設や装備が標的になる可能性がある」と警告」
うーん、核保有国同士のドンパチもあるということか。
「ロシアの今回の発表について「無責任な発言」と非難。ただロシアの戦略核戦力の態勢に変化は見られない」(米国防総省報道官のパトリック・ライダー空軍少将)
米国の対応は、あくまでも抑制的だ。
ロシアは、欧州の一挙手一投足を欧州大戦争に結び付けたがっている(そうなのかあ?)。
その陽動と見做し得る限りにおいて、警告を含めた恫喝はするが、実際の反撃には踏み切らないだろう。
戦域をウクライナに限定することは、少なくとも今の段階においてはロシアにもメリットがあるからな。
しかし、いつかどこかでターニングポイントが訪れる。
警告が反撃に変わり、誰かが止めようと言い出さない限り、どこまでもエスカレートしていくブートストラップが始まる。
地獄の底にまっしぐらだ。
さて、米国はその時どうするんだろな・・・。
(「もしトラ」で米「核の傘」頼れない…ドイツに核武装論が浮上 欧州核抑止、求める声も)
https://www.sankei.com/article/20240501-D7LJLDEVIFECDP2M7CVMCL57XY/
「ウクライナのゼレンスキー大統領は4月、ショルツ氏が「ドイツが核武装していない」ことを理由に長射程ミサイル供与を拒んだと明かした。」
「ウクライナは英仏から長射程ミサイルの提供を受け、ロシアが併合したクリミア半島で露軍施設を攻撃している。核兵器を持たないドイツは英仏と異なり、ロシアの報復に強い懸念を抱いているということだ。」
「NATO欧州で独自に核兵器を持つのは英仏2国だけだ。」
「ドイツは北大西洋条約機構(NATO)の核共有の枠組みで、国内に米国の核爆弾を貯蔵している。」
うーん、迂闊に断言するにはヤバ過ぎる話ではあるけど、世界には核保有国同士は戦争しない、或いは、してはならないという不文律があるのではないか。
逆に言えば、核保有国とそうでない国とは、たとえ共同所有で核の傘に収まっている国であれ、ドンパチやるぞということなわけだ。
(ドイツ政府 ウクライナへの長距離巡航ミサイル供与には否定的)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240223/k10014368841000.html
「ウクライナを支援する上では「ロシアの勝利を防ぐ」と同時に「戦争がNATOの加盟国に拡大することを防ぐ」という2つの原則を両立させる必要がある」(与党「社会民主党」の有力者のひとりで外交政策などを専門とするラルフ・シュテグナー連邦議会議員)
まあ、それが出来れば苦労はしないんだろうが、ショルツは「ウクライナの勝利のためにはタウルスの供与が必要ではないか」とたたみかける司会者に対して、ロシアの反撃を恐れているからとはおくびにも出さなかった。
「NATOとしてこの戦争に関与しないことが目的の1つだと常に考えなければならない。」(同上)
なーに、タウロスを供与しようがしまいが、ロシアは確実に欧州を狙ってくる。
既に、NATOはウクライナ紛争にどっぷり漬かっていて、今更当事者でないなどとは言えない状況に追い込まれている。
まあ、核保有国に対して攻撃できないかどうかは、必ずしも明確ではない。
先日、イスラエルにミサイルぶち込んだイランの例もあるからな。
しかもイランは、少なくとも大っぴらには核兵器は持っていないことになっている。
非核保有国だって、核保有国を攻撃するという好例だ。
手を出したのはどっちが先か、どこが主戦場かという話はあるけど、ウクライナだって、ロシア相手にドンパチしてるし、ロシア本土に対する攻撃も頻繁に行っている。
やっぱ、不文律は幻なんだろうか・・・。
台湾有事の際には、米国はわが国を基地として中国と対戦すると言われている。
極東最大の軍事基地として、全国の空港を自由に使わせろとねじ込んできている。
反撃能力(敵基地攻撃能力)を最大限活用して、中国の兵力を分散させ、台湾への圧力を減殺させるのが狙いかも知れない(未確認)。
実際、ドンパチやるかどうかは別としても、二正面作戦を取らざるを得ない状況に持ち込むことが重要だ。
わが国は、たぶん、ほいほいと乗っかるに違いない(そうなのかあ?)。
核兵器保有国どうしがドンパチ始めるというのは、確かに危険極まりない気がする。
事態がエスカレートすれば、核戦争に発展しかねないからな。
米国が、なんだかんだ言って、ウクライナの軍事支援に制限を設けているのは、責任ある態度といえる。
英仏が長射程の巡航ミサイルを供与し、英国などはロシア本土への使用も認めているのは、いささか考え物だ。
浮沈子の記憶が確かならば、中国は核保有国だから、米国は直接対決を避けようとするだろう。
ウクライナと同じように、台湾への兵器供与などで間接的に支援を試みるだろうが、ちょっと心もとないからな。
朝鮮戦争やベトナム戦争でそうであったように、我が国はちょうどいい利用対象であり、場合によっては代理戦争してくれるかもしれないしな(そうなのかあ?)。
軍事費の増強だって、GDP2パーセントを目指して、素直に呑み込んでくれている。
最強のパートナーだ。
米国は、世界からの撤退戦を有利に運ぶために、同盟国の協力を必要としている。
NATOも、豪州も、そして我が国も。
核兵器を持たない国々を上手に緩衝帯として使いながら、ソフトランディングを目指している。
米中が直接ドンパチすれば、双方の損害は半端ないからな。
わが国が損害を肩代わりしてくれれば、それに越したことはない(そんなあ!)。
占領後の統治の問題があるから、台湾への核攻撃は行わないだろうし、我が国への核攻撃は後始末が大変だろう。
しかし、やらないという保証はどこにもない。
米国の核の傘が信用ならない話は、すでにドイツでも表面化している。
わが国と異なり、共同所有として国内に核兵器の持ち込みを行わせていてさえ、抑止力としての効果は不安定だ。
中国は、我が国にとって最大の貿易相手国(輸出・輸入とも)であり、地理的にも近い関係にある。
米国の思惑がどうあれ、ポスト台湾有事を見越した長期的対応も考えておなかければならないのではないか。
ウクライナでひと暴れしたのちのロシアだって、北朝鮮を使って極東で中国を支援する二正面作戦を展開するかもしれないしな。
仕掛けたつもりが、逆に仕掛け返されるリスクもある。
「ロシアはプーチン氏のもとだけでなくそれ以前から他国へ侵略を繰り返してきた。ウクライナ侵攻はこれまで繰り返されてきたことの先鋭化だ」(ロシアの歴史研究で知られるミュンヘン・ルートヴィヒマクシミリアン大学のマルティン・シュルツェ・ベッセル教授)
「侵攻の主な目的はヨーロッパの安全保障への挑戦だ。このため、この戦争をロシアとウクライナの戦争とみるべきではない」
80年近く、わが国固有の領土を不法に占拠し続けるロシアが、台湾有事の際に、歴史上かつてないほどの友好関係を築いた中国を支援しないと考えることは出来ない。
国家は義理人情では動かない(そうだっけ?)。
国家は国益で動く。
両者が一致すれば、言うことはないだろう。
ロシアが狙うNATOの分断、核兵器の保有国と非保有国との軋轢、全世界的タイムラインと戦争準備の進捗、米国の軍事プレゼンスの低下、エトセエトセは、ウクライナ情勢と不可分だ。
「ウクライナへの軍事的関与をこれ以上拡大することに支持が得られるとは思わない。政治的に許される範囲で兵器を供与することになる」(シュテグナー議員)
つーか、全体状況を見定めたうえで、個別の軍事支援が決定されていく。
決して、ウクライナの短期的需要、特に最前線での戦況を見て決められているわけではないのだ。
もちろん、切羽詰まった支援が優先されることはあるけど、大枠の範囲内にとどまる。
ロシアだって、欧州大戦争への準備や在庫の積み増しと、前線への補給との間で調整に迫られることはあるに違いない。
3年後に迫った台湾有事には、中国を支援しなければならないからな。
米国には、その際に欧州大戦争との二正面作戦を仕掛けなければならない。
核兵器所有国同士の決定的対決を避け、非保有国に代理戦争させながらソフトランディングを目指す。
義理人情は棚に上げ、国益を追求する中で、我が国がどう振舞うかが問題だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア南部で戦術核演習準備 ウクライナ戦で欧米威圧)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/325492
「プーチン大統領の指示を受けて「非戦略核兵器」の使用を想定した演習の準備を始めた」
「戦術核兵器を意味する」
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
「欧米を威圧する狙い」
それはたぶん違うだろう。
「今回の演習は空、海軍で編成するミサイル部隊が参加し、兵員や兵器の即応体制を強化」
準備された戦力は使われる運命にある。
(ロシア、ウクライナ東部の集落の完全制圧を発表…5期目の大統領就任式を前に攻勢)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240506-OYT1T50031/
「オチェレティネを完全に制圧したと発表」
「米政策研究機関「戦争研究所」は、露軍がハルキウなどへの攻撃のため、ウクライナと国境を接する露西部クルスク州に空軍部隊を配置したと指摘した。ウクライナ南部ザポリージャ州から移動させており、クルスク州などに約5万人の兵力を集結」
オケレタイン(オチェレティネ)の制圧については、興味深い記事が上がった。
(ウクライナ軍とロシア軍は兵士補充で格差、愛国的動機による補充は有限)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/there-is-a-disparity-between-the-ukrainian-and-russian-armies-in-terms-of-soldier-recruitment-and-patriotic-motivated-recruitment-is-limited/
「ロシア軍はポクロウシクとコンスタンチノフカを結ぶ幹線道路(T0504)に最短コースで向っている」
「チャシブ・ヤールはコンスタンチノフカの玄関口であり、ウクライナ軍の重要な中継拠点として機能してきた大きな街だ。」
「この地域の主要な中継(兵站)拠点に迫ることでドネツク州全体の防衛を困難にさせるのがロシア軍の目的だ」(カーネギー基金のマイケル・コフマン氏)
戦術的突破は、通常なら戦略の下に行われるが、どうもこの辺りの話を総合すると、圧力をかけ続けてたまたま得られた戦術的突破を、戦略的な目標に整合させようとしている感じだ。
チャシブヤールは確かに戦略目標を意識して攻撃されているけど、オケレタインは棚ボタな感じがする。
「ロシア軍はチャシブ・ヤールへの攻撃を開始し、同時にコンスタンチノフカ~クラマトルスクの補給路を遮断するためアウディーイウカ方面から前線をじわじわと押し上げている。」
両者を結んでいるのが補給路(T0504)というわけだ(画像参照)。
ポクロウシクは、以前からポストアウディーイウカの攻撃目標として取りざたされている補給物資の集積地だからな。
ロシア軍の攻勢は、東部戦線では途切れることなく続いている。
これに加えてハルキウ方面への攻撃が行われれば、ウクライナ軍の兵力はさらに苦しくなる。
戦線が増加することになるからな。
ウクライナ戦線の崩壊は、時間の問題なのかもしれない。
2023年の反転攻勢が、まるで遠い昔のことのような気がする。
非核保有国への攻撃に、不文律はないからな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑発に対応)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/FFVLZRXVEBLVLNISOBVBPGXTUA-2024-05-06/
「ウクライナへのフランス軍派遣の可能性に関するマクロン仏大統領の発言について「ロシアとの直接対決に向けた準備とみなされる」とした」
「ウクライナ支援を巡るキャメロン英外相の発言については「ウクライナが英国の兵器を使ってロシア国内を攻撃した場合、ウクライナ国内外の英国の軍事施設や装備が標的になる可能性がある」と警告」
うーん、核保有国同士のドンパチもあるということか。
「ロシアの今回の発表について「無責任な発言」と非難。ただロシアの戦略核戦力の態勢に変化は見られない」(米国防総省報道官のパトリック・ライダー空軍少将)
米国の対応は、あくまでも抑制的だ。
ロシアは、欧州の一挙手一投足を欧州大戦争に結び付けたがっている(そうなのかあ?)。
その陽動と見做し得る限りにおいて、警告を含めた恫喝はするが、実際の反撃には踏み切らないだろう。
戦域をウクライナに限定することは、少なくとも今の段階においてはロシアにもメリットがあるからな。
しかし、いつかどこかでターニングポイントが訪れる。
警告が反撃に変わり、誰かが止めようと言い出さない限り、どこまでもエスカレートしていくブートストラップが始まる。
地獄の底にまっしぐらだ。
さて、米国はその時どうするんだろな・・・。
🚀スターライナー:米国の選択 ― 2024年05月06日 23:42
スターライナー:米国の選択
(驚いたのは、ボーイングが商用乗組員を失ったことではなく、ボーイングがまったく終わったことだ。)
https://arstechnica.com/space/2024/05/the-surprise-is-not-that-boeing-lost-commercial-crew-but-that-it-finished-at-all/
「固定価格のコンテストにはもう参加できません。同社の最高経営責任者(CEO)は2023年、ボーイングは「こうしたことは二度と行わない」と述べた。」
「固定価格契約では、新製品や新機能の開発によくある難しい問題を解決するための柔軟性がほとんどありません。」
「今後数年間で、同社の宇宙部門は、より少ない入札でより多くの成果を上げ、より迅速に行動できる若い企業に飲み込まれる可能性が高い。」
人工衛星の製作などの分野では、必ずしもそうなるとは限らない気がするけど、企業としてのB社が多くの問題を引きずっていることは確かだ。
が、それは、米国のみならず、レガシー企業ならどこでも同じ気がする。
記事に登場するロケットダインもそうだし、スターライナーを打ちあげるアトラスVを開発したULAだって同じだ(まあ、アトラスVの開発は前身のロッキードマーチンですが)。
企業じゃないけど、NASA自身も同じような問題を抱えている。
技術を社会に適用させようとする時、適切な投資とマネジメントが得られなければ、不適合の問題はどこでも起こり得る話だ。
B社絡みの最近の話としては、ウクライナへ供与する予定だったロケット弾の話もある。
(米国防次官、ウクライナに送ったGLSDBは上手く機能しなかったと示唆)
https://grandfleet.info/us-related/us-undersecretary-of-defense-suggests-glsdb-sent-to-ukraine-did-not-work-well/
「(SDBとM26弾のロケットモーターを組み合わせるGLSDBは)素晴らしいアイデアだが全く機能しなかった」(国防総省で調達を担当するラプランテ国防次官)
「誰とは言わないが、ある企業が空対地兵器を地上発射型の長距離攻撃兵器にするというクールなアイデアを思いついた。このシステムを出来るだけ早くウクライナに届けるため、我々は主要なテスト要件を切り捨て『安全性のテストのみ行え』と命じ、これを直ぐ送り届けたが電磁干渉、戦術、技術、手順、教義、組織、訓練、資材など複数の理由で上手く機能しなかった」
(GLSDB)
https://ja.wikipedia.org/wiki/GLSDB
「GLSDBは、ボーイング社の開発した航空爆弾であるGBU-39 小直径爆弾 (SDB) に、ロケット・ブースターを取り付けた兵器。」
「ボーイング社は、小直径爆弾(SDB)の発射のために、M26ロケット弾に用いる専用の追加コンテナを提案した。」
やれやれ・・・。
「ボーイング社のグローバル営業担当ディレクターのジム・ラリー(Jim Leary)は、2019年の取材に対し、「堅牢な空軍力を持たない〔国々〕に、既存の能力を最大限に活用する機会を与えているため、幅広い顧客層によく適合する」と答えている。」
不具合の原因は、GPSの妨害に脆弱だったことのようで、地上発射型だけではなく「ボーイング社の開発したGBU-39 小直径爆弾 (SDB)」全てに波及する可能性がある。
「米軍や企業は影響軽減の調整に取り組んでいるため当該兵器の効果が完全に失われたわけではない」(航空万能)
まあ、どうでもいいんですが。
つまり、初出のアルスの記事で取り上げられた様々な問題は、いつどこでもどんな企業であっても、政府団体でも起こり得る話だということなわけだ。
物理の神様は公平だ。
上手いこと、クルードラゴンを開発したS社にしたって、何の問題もなく漕ぎ着けたわけではない。
無人試験飛行の際には、チタンバルブの腐食の問題を抱えたままISSにドッキングしてたわけで、一つ間違えばISSごと吹っ飛ばしていた可能性がある(同機体は、その後の地上試験で木っ端微塵!)。
やっぱ、物理の神様のご機嫌だけじゃなく、幸運の女神様のご加護も必要なわけだ。
「驚くべきことは、ボーイング社が商業宇宙競争でより機敏な競争相手に負けたことではない。」
まあ、当然と言えば当然の結果だったからな。
「驚いたのは、この製材会社がそれを作ったということです。」
そこまで言うか・・・。
(長く遅れていたボーイング・スターライナー、宇宙ステーションへの初のパイロット飛行の準備が整った)
https://spaceflightnow.com/2024/05/06/long-delayed-boeing-starliner-ready-for-first-piloted-flight-to-space-station/
「ミッション管理者らは、既知の問題はすべて修正され、他の複数のアップグレードや改善が実施され、宇宙船は徹底的にテストされ、最終的に宇宙飛行士を宇宙ステーションに安全に輸送できる準備が整ったことを確認したと述べている。」
「過去にもいくつか問題がありました。それは過去です。それは今ではありません。」(ミッション司令官バリー・“ブッチ”・ウィルモア)
「2018年と2019年に大々的に報道された2件の737 Max墜落事故の余波を考えると、CFTの立ち上げはボーイングにとって重要な時期に行われ、さらに最近ではアラスカ航空の飛行中に客室ドアの「プラグ」が吹き飛ばされ、航空機に関する新たな疑問が生じたことを考慮すると、会社の安全文化。」
「ウィルモア氏は、スターライナーの打ち上げをボーイング社の航空機問題との関連で捉えていないと述べた。」
個人的な感情の整理としてはともかく、両者には密接な関連がある。
さらに、スターライナーの打ち上げを監督しているのが過去に17名の宇宙飛行士の犠牲者を出してきたNASAであることもな。
「過去は過去、それは現在ではない」
ウィルモア氏はそう言うけれど、それは現在だけではなく、未来にもつながっている。
神ならぬ人の作りしものに完全なものはない。
だからこそ、何かを作り上げることは困難で、かつ尊い。
CFTは、間もなく始まる。
「簡単だったと言うつもりはない。それはちょっとした感情的なジェットコースターです。」(スニータウィリアムズ氏)
「最終的にはここに辿り着くだろうと分かっていました。しっかりとした宇宙船です。今は他の場所に行きたいとは思いません。」(同上)
その期待に、是非とも応えてもらいたいものだ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(スペースXは大々的に宣伝されたが、ボーイングの初の有人飛行は今でも歴史的なものである)
https://arstechnica.com/space/2024/05/spacex-got-the-fanfare-but-boeings-first-crew-flight-is-still-historic/
「クリッペンの経験は大きく異なりました。スペースシャトルは人が乗らずに打ち上げられることはなく、 STS-1として知られるコロンビア号の初飛行は、NASAがこれまでに行ったミッションの中で最も危険なものだったかもしれない。」
「STS-1ミッションでの壊滅的な失敗により乗組員が死亡した可能性は12分の1の確率」
20世紀の人類が冒険心に富んでいたことは間違いない。
「打ち上げ後の最初の数時間で、宇宙飛行士はスラスターを発射してスターライナーの後部に取り付けられた太陽電池アレイを太陽に向けて発電できるかどうかを確認する。スターライナーには、乗組員が宇宙船の向きを制御するための 2 つのハンドコントローラーと、スペースシャトルの飛行を彷彿とさせるコックピットディスプレイが備わっています。」
「2年前にスペースX社のドラゴン宇宙船で宇宙ステーションに打ち上げられたNASAの宇宙飛行士、ボブ・ハインズさんは、ボーイング社のスターライナーが最初のドッキングに到着したとき、軌道上の研究所に乗っていた。彼は、宇宙でドラゴンとスターライナーに乗った数少ない宇宙飛行士の一人です。」
「「両者の間にはかなり対照的だ」と彼はArsに語った。 「ドラゴンは少し大きく感じます。おそらくそれは形状が違うだけです。」」
B社のコックピットは良く知らないが、まるでテレビゲームのようなタッチパネルで操作するクルードラゴンとは違うんだろう(未確認)。
「ドラゴンはパラシュートで海に飛び降りるが、スターライナーはパラシュートで地上に着陸し、おそらくニューメキシコ州のホワイトサンズに着陸する予定」
「車両内での乗組員の役割についての一般的な考え方は少し異なります」
「スターライナーは信じられないほど有能な乗り物です。たとえ通信が途絶えたとしても、必要に応じて通信なしでランデブーとドッキングを完了することができます。飛行ルールが許す限りです。スペースXは主にホーソーン(スペースXミッションコントロール)から制御されています。」地上にあるため、通信に非常に依存しており、地上と追跡およびデータ中継衛星の間に非常に堅牢なシステムがあり、それが可能です。」
「RD-180のエンジンは、打ち上げ時に3.5Gを超えないようにスロットルダウンします。違う感覚になるでしょう。私が飛んだシャトル飛行は、ソユーズと比べて全く違いました。」私たちはそれらの身体感覚が何であるかを知ることを楽しみにしています。」(ウィルモア氏)
「私たちにとって最も印象的だったのは、大気圏再突入直前にトランクから離れたときです」(ダグ・ハーリー:クルードラゴンのテストパイロット)
「巨大なツーバイフォーが座席の後ろにぶつかったような気がしました。そのとき、私は『なんてことだ、あれは何だ?!』と罵倒の声を上げたかもしれません。」(同上)
まあ、切り離しの際には若干加速して、トランクがぶつからないようにするからな。
「燃料を補給し、発射脱出システムが作動したとき・・・ある種の重大な音と衝撃があり、コンピューターコマンドを送信してバルブが実際に動いて再構成を行うタイミングとそれに伴う音がありました。それは私たち二人にとってちょっとした驚きでした」(ボブベンケン:クルードラゴンのテストパイロット)
「バルブが動いている間、発射台上でいくつかの異なることが事前に警告されていました。バルブに呼び水をしている間、あちこちで小さなドーンという音が聞こえるかもしれません」(スニータウィリアムズ)
「スターライナーで宇宙飛行士が初めて宇宙に飛ぶのは歴史的なことになるだろう。スターライナーは、NASAのマーキュリー、ジェミニ、アポロ、スペースシャトル、スペースXのドラゴンに続き、宇宙飛行士を軌道に乗せる米国の6番目の有人宇宙船となる。」
「NASAは、クルードラゴン宇宙船とスターライナー宇宙船の安全基準を、7か月のミッション中に乗組員の宇宙飛行士が死亡する事故が発生する確率を270分の1に設定した。」
「2020年のSpaceXの宇宙飛行士試験飛行前に、NASAはクルードラゴンの長期ミッションにおける「乗組員の損失」(LOC)の確率を276分の1と判定した。」
「NASA は、Crew Dragon の「ミッション喪失」(LOM)の全体的なリスクを 60 分の 1 と計算しました。このリスクには、クルードラゴンが計画通りに宇宙ステーションに到着しなかったものの、乗組員は無事に地球に帰還したというシナリオが含まれます。」
LOM>LOCなわけだな。
「スターライナーの場合、7か月のミッションで乗組員が失われる確率は295分の1だという。任務遂行不能リスク数は 57 分の 1 です。」(NASAの商業乗組員プログラムマネージャーのスティーブ・スティッチ氏)
しかし、それらは皆、机上の空論だ。
「今月のスターライナーの試験飛行がうまくいけば、NASAはボーイングのカプセルが来年から宇宙ステーションへの長期ミッションを飛行できることを認定したいと考えている。」
そう上手くいくのか。
実際に飛んでみなければ分からない不具合は必ずある。
「2 件の致命的な災害の後、シャトル プログラムの終了までに、NASA は 1 回のミッションで乗組員が死亡するリスクを約 90 分の 1 と計算」
スティーブンクラークは、有人初飛行のリスクをしつこく追及している。
米国は、世界の他のどの国よりも多くの有人宇宙船を初飛行させている。
実際には、その初飛行の段階で大きなトラブルに見舞われたことはない。
アポロ1号は地上試験で事故った。
チャレンジャーもコロンビアも、運用中の事故だった。
アポロ13号は、最大の危機の一つだったが、からくも乗り切った(LOMだったがLOCには至らなかった)。
ソユーズも、2回ほど緊急脱出を行っているし、初期には死亡事故も起こっている。
開発段階で、ロケットや宇宙船が爆発炎上木っ端みじんになるシーンは、飽きる程見ているしな(特に最近は多い!?)。
まあいい。
ISSでは、ドッキングに備えて、ハーモニー先端のドックを開放している。
(ISSでクルードラゴン宇宙船の移動作業実施 スターライナー到着に備える)
https://sorae.info/space/20240505-crew-dragon.html
「アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙飛行ミッション「Crew-8(クルー8)」で使用されているクルードラゴン「Endeavour(エンデバー)」は、4名のクルーを乗せて2024年5月2日21時57分にISSの「Harmony(ハーモニー)」モジュール前方のドッキングポートを離脱し、同日22時46分に同モジュール上方のドッキングポートへ再ドッキングすることに成功しました。」
以前にも取り上げた記憶があるけど、再ドッキングできないリスクを回避するため、乗船して移動する「しきたり」になっているようだ(脱出用宇宙船がなくなっちまうからな)。
「スターライナーとクルードラゴン、それに補給船「Cargo Dragon(カーゴドラゴン)」がISSにドッキングできる場所は、ハーモニーの前方と上方の2か所にあります。スターライナーは前方へドッキングする予定なのですが、そこにはクルードラゴンが係留されていたため、スターライナーが打ち上げられる前にハーモニーの上方へ移動させなければなりません。ハーモニー上方のドッキングポートには2024年4月29日までカーゴドラゴンが係留されていたため、クルードラゴンを移動するにはカーゴドラゴンの離脱を待つ必要がありました。」
「NASAによると今回の移動はISSの歴史上28回目の作業」
「CFTのスターライナーは2024年5月7日11時34分に打ち上げられ、5月8日13時48分にISSへドッキングする予定」(日本時間:米国東部時間より13時間早い:3月10日から夏時間に移行)
無事な打ち上げとドッキングを願わずにはいられない・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(コマーシャルクループログラム)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/
(ライブ視聴: NASA のボーイング乗組員飛行試験の報道が進行中)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/watch-live-nasas-boeing-crew-flight-test-coverage-underway/
「NASA のボーイング乗組員飛行試験に関する NASA の報道は、NASA+、NASA Television、NASA アプリ、YouTube、および NASA のWeb サイトで進行中です。」
今日は、スターライナー一色だな・・・。
(NASA のボーイング乗組員飛行試験の主要な打ち上げマイルストーン)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/nasas-boeing-crew-flight-test-key-launch-milestones/
「時間 出来事(すべておおよその時間)
午後 6 時 26 分 運航乗務員がスーツアップ作業を開始
午後 7 時 04 分 乗組員がニール・A・アームストロング作戦および検査棟から退出
午後 7 時 14 分 乗組員が出発し、宇宙発射施設-41 へ移動
7:午後39時 乗組員がパッドに到着、タワーに登り、ホワイトルームに入り、スターライナーカプセルに別々に入る
午後8時57分 スターライナーカプセル内の乗組員が完了
午後9時24分 ハッチの閉鎖と漏れのチェックが完了
午後9時32分 ハッチの閉鎖が完了
午後9時44分 ホワイトの設定打ち上げ用の部屋
午後10時09分 打ち上げチェックのため空室
午後10時23分 乗組員アクセスアームが格納される
午後10時34分 打ち上げ!
午後10時35分 ULAロケットがMaxQに到達
午後10時40分 アトラスVブースターが分離
午後10時48分 ボーイング・スターライナーが分離
午後11時05分 軌道投入燃焼」
(NASAのボーイング乗組員飛行試験:アトラスVへの給油が進行中)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/nasas-boeing-crew-flight-test-atlas-v-fueling-underway/
「L-6:00:00 アトラス V クライオロード
L-4:00:00 アトラス V クライオロード完了 / 安定した構成
L-4:30:00 乗組員のスーツアップ開始
L-4:04:00 T-4 分間保持開始
L-3:20:00 乗組員のスーツアップ完了 / 発射台へ出発
L-3:10:00 乗組員モジュールの準備開始
L-2:50:00 乗組員が挿入のために到着
L-1:20:00 ハッチ閉鎖完了
L-0:50:00 客室の漏れチェック / 客室の与圧完了
L-0:35:00 乗務員スペースから地上への通信チェック
L-0:22:00 フライトディレクターの投票: 端末数を調べる
L-0:20:00 乗組員バイザーが打ち上げ用に設定されている
L-0:18:00 スターライナーが端末数をポーリング
L-0:18:00 スターライナーが内部電源に接続
されている L-0:11:00 乗組員アクセスアームが格納されている
L-0:07:00 アトラス V ロケットがポーリングされているターミナルカウント用
L-0:07:00 ターミナルカウント用に設定されたスターライナー
L-0:05:00 上昇用に設定されたスターライナー
L-0:04:00 T-4 分間のホールドを解除
L-0:00:00 アトラス V / スターライナー乗組員の出発」
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
「NASA
今日の #Starliner の打ち上げは、チームがアトラス V の Centaur ステージで酸素逃がしバルブを評価するため、中止されました。宇宙飛行士は Starliner を降り、乗組員宿舎に戻ります。」
ユーチューブのコメント欄に表示され、生中継でも宇宙飛行士が下りてしまった。
やれやれ・・・。
2段目の酸素リリーフバルブのトラブルとあるけど、注入が終わってから相当時間が経っているからな。
バルブといえば、OFT-2の打ち上げを遅らせた固着の悪夢が蘇る。
またか・・・。
まあ、あの時はスターライナー側のトラブルだったが、今回はセントール上段だ。
今日は雨模様なのをいいことに、フィットネスをサボって、CFTに備えていたのになあ…。
しょうがない、腹いせに爆食して、ふて寝でもするか(そんなあ!)。
(スターライナーの打ち上げがアトラス5のセントール上段のバルブトラブルで失敗)
https://spaceflightnow.com/2024/05/07/starliner-launch-scrubbed-by-trouble-with-a-valve-in-the-atlas-5s-centaur-upper-stage/
「ロケットのセントール上段にある酸素逃がし弁が後期段階で「ガタガタ」した原因を解明する必要がある」
「バルブを交換する必要がある場合、ULA は修理のためにロケットを処理施設に戻さなければならない可能性」
「バルブの問題が検出されたとき、エンジニアは推進剤の充填を完了する途中」
「エンジニアはその性能を評価した後、その動作に「快適」を感じることができず、打ち上げは中止されました。」
「宇宙にいて地上にいたいと願うよりも、地上にいて宇宙にいたいと願っているほうがいいのです。」(機長のバリー・“ブッチ”・ウィルモア:お気に入りの言葉の 1 つ)
「このミッションでは確かに未知の部分がいくつかあり、予期せぬ事態に遭遇する可能性があります。しかし、私たちの今の仕事は、警戒を怠らず、問題を探し続けることです。」(NASAの宇宙運用副管理者であるジム・フリー氏)
慌てることはない。
その言葉通り、正しい選択を続けてもらいたいものだ・・・。
(NASAのボーイング乗組員の飛行試験が失敗に終わった)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/nasas-boeing-crew-flight-test-scrubbed/
「NASA、ボーイング、およびユナイテッド・ローンチ・アライアンスは、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス・アトラスVロケット・ケンタウロス第2段の酸素逃がし弁の観察に欠陥があったため、5月6日月曜日、同局による国際宇宙ステーションへのボーイング乗組員飛行試験の打ち上げの機会を取りやめた。」
「NASAの宇宙飛行士ブッチ・ウィルモアとスニ・ウィリアムズは、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地のスペース・ローンチ・コンプレックス-41でスターライナー宇宙船から降り、宇宙飛行士乗組員宿舎に戻る予定だ。」
生の映像では、宿舎に入るところまで映っていた。
まあいい。
故障の詳細、復旧の見通し、次回打ち上げのスケジュールなどが分かれば、また書く。
(驚いたのは、ボーイングが商用乗組員を失ったことではなく、ボーイングがまったく終わったことだ。)
https://arstechnica.com/space/2024/05/the-surprise-is-not-that-boeing-lost-commercial-crew-but-that-it-finished-at-all/
「固定価格のコンテストにはもう参加できません。同社の最高経営責任者(CEO)は2023年、ボーイングは「こうしたことは二度と行わない」と述べた。」
「固定価格契約では、新製品や新機能の開発によくある難しい問題を解決するための柔軟性がほとんどありません。」
「今後数年間で、同社の宇宙部門は、より少ない入札でより多くの成果を上げ、より迅速に行動できる若い企業に飲み込まれる可能性が高い。」
人工衛星の製作などの分野では、必ずしもそうなるとは限らない気がするけど、企業としてのB社が多くの問題を引きずっていることは確かだ。
が、それは、米国のみならず、レガシー企業ならどこでも同じ気がする。
記事に登場するロケットダインもそうだし、スターライナーを打ちあげるアトラスVを開発したULAだって同じだ(まあ、アトラスVの開発は前身のロッキードマーチンですが)。
企業じゃないけど、NASA自身も同じような問題を抱えている。
技術を社会に適用させようとする時、適切な投資とマネジメントが得られなければ、不適合の問題はどこでも起こり得る話だ。
B社絡みの最近の話としては、ウクライナへ供与する予定だったロケット弾の話もある。
(米国防次官、ウクライナに送ったGLSDBは上手く機能しなかったと示唆)
https://grandfleet.info/us-related/us-undersecretary-of-defense-suggests-glsdb-sent-to-ukraine-did-not-work-well/
「(SDBとM26弾のロケットモーターを組み合わせるGLSDBは)素晴らしいアイデアだが全く機能しなかった」(国防総省で調達を担当するラプランテ国防次官)
「誰とは言わないが、ある企業が空対地兵器を地上発射型の長距離攻撃兵器にするというクールなアイデアを思いついた。このシステムを出来るだけ早くウクライナに届けるため、我々は主要なテスト要件を切り捨て『安全性のテストのみ行え』と命じ、これを直ぐ送り届けたが電磁干渉、戦術、技術、手順、教義、組織、訓練、資材など複数の理由で上手く機能しなかった」
(GLSDB)
https://ja.wikipedia.org/wiki/GLSDB
「GLSDBは、ボーイング社の開発した航空爆弾であるGBU-39 小直径爆弾 (SDB) に、ロケット・ブースターを取り付けた兵器。」
「ボーイング社は、小直径爆弾(SDB)の発射のために、M26ロケット弾に用いる専用の追加コンテナを提案した。」
やれやれ・・・。
「ボーイング社のグローバル営業担当ディレクターのジム・ラリー(Jim Leary)は、2019年の取材に対し、「堅牢な空軍力を持たない〔国々〕に、既存の能力を最大限に活用する機会を与えているため、幅広い顧客層によく適合する」と答えている。」
不具合の原因は、GPSの妨害に脆弱だったことのようで、地上発射型だけではなく「ボーイング社の開発したGBU-39 小直径爆弾 (SDB)」全てに波及する可能性がある。
「米軍や企業は影響軽減の調整に取り組んでいるため当該兵器の効果が完全に失われたわけではない」(航空万能)
まあ、どうでもいいんですが。
つまり、初出のアルスの記事で取り上げられた様々な問題は、いつどこでもどんな企業であっても、政府団体でも起こり得る話だということなわけだ。
物理の神様は公平だ。
上手いこと、クルードラゴンを開発したS社にしたって、何の問題もなく漕ぎ着けたわけではない。
無人試験飛行の際には、チタンバルブの腐食の問題を抱えたままISSにドッキングしてたわけで、一つ間違えばISSごと吹っ飛ばしていた可能性がある(同機体は、その後の地上試験で木っ端微塵!)。
やっぱ、物理の神様のご機嫌だけじゃなく、幸運の女神様のご加護も必要なわけだ。
「驚くべきことは、ボーイング社が商業宇宙競争でより機敏な競争相手に負けたことではない。」
まあ、当然と言えば当然の結果だったからな。
「驚いたのは、この製材会社がそれを作ったということです。」
そこまで言うか・・・。
(長く遅れていたボーイング・スターライナー、宇宙ステーションへの初のパイロット飛行の準備が整った)
https://spaceflightnow.com/2024/05/06/long-delayed-boeing-starliner-ready-for-first-piloted-flight-to-space-station/
「ミッション管理者らは、既知の問題はすべて修正され、他の複数のアップグレードや改善が実施され、宇宙船は徹底的にテストされ、最終的に宇宙飛行士を宇宙ステーションに安全に輸送できる準備が整ったことを確認したと述べている。」
「過去にもいくつか問題がありました。それは過去です。それは今ではありません。」(ミッション司令官バリー・“ブッチ”・ウィルモア)
「2018年と2019年に大々的に報道された2件の737 Max墜落事故の余波を考えると、CFTの立ち上げはボーイングにとって重要な時期に行われ、さらに最近ではアラスカ航空の飛行中に客室ドアの「プラグ」が吹き飛ばされ、航空機に関する新たな疑問が生じたことを考慮すると、会社の安全文化。」
「ウィルモア氏は、スターライナーの打ち上げをボーイング社の航空機問題との関連で捉えていないと述べた。」
個人的な感情の整理としてはともかく、両者には密接な関連がある。
さらに、スターライナーの打ち上げを監督しているのが過去に17名の宇宙飛行士の犠牲者を出してきたNASAであることもな。
「過去は過去、それは現在ではない」
ウィルモア氏はそう言うけれど、それは現在だけではなく、未来にもつながっている。
神ならぬ人の作りしものに完全なものはない。
だからこそ、何かを作り上げることは困難で、かつ尊い。
CFTは、間もなく始まる。
「簡単だったと言うつもりはない。それはちょっとした感情的なジェットコースターです。」(スニータウィリアムズ氏)
「最終的にはここに辿り着くだろうと分かっていました。しっかりとした宇宙船です。今は他の場所に行きたいとは思いません。」(同上)
その期待に、是非とも応えてもらいたいものだ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(スペースXは大々的に宣伝されたが、ボーイングの初の有人飛行は今でも歴史的なものである)
https://arstechnica.com/space/2024/05/spacex-got-the-fanfare-but-boeings-first-crew-flight-is-still-historic/
「クリッペンの経験は大きく異なりました。スペースシャトルは人が乗らずに打ち上げられることはなく、 STS-1として知られるコロンビア号の初飛行は、NASAがこれまでに行ったミッションの中で最も危険なものだったかもしれない。」
「STS-1ミッションでの壊滅的な失敗により乗組員が死亡した可能性は12分の1の確率」
20世紀の人類が冒険心に富んでいたことは間違いない。
「打ち上げ後の最初の数時間で、宇宙飛行士はスラスターを発射してスターライナーの後部に取り付けられた太陽電池アレイを太陽に向けて発電できるかどうかを確認する。スターライナーには、乗組員が宇宙船の向きを制御するための 2 つのハンドコントローラーと、スペースシャトルの飛行を彷彿とさせるコックピットディスプレイが備わっています。」
「2年前にスペースX社のドラゴン宇宙船で宇宙ステーションに打ち上げられたNASAの宇宙飛行士、ボブ・ハインズさんは、ボーイング社のスターライナーが最初のドッキングに到着したとき、軌道上の研究所に乗っていた。彼は、宇宙でドラゴンとスターライナーに乗った数少ない宇宙飛行士の一人です。」
「「両者の間にはかなり対照的だ」と彼はArsに語った。 「ドラゴンは少し大きく感じます。おそらくそれは形状が違うだけです。」」
B社のコックピットは良く知らないが、まるでテレビゲームのようなタッチパネルで操作するクルードラゴンとは違うんだろう(未確認)。
「ドラゴンはパラシュートで海に飛び降りるが、スターライナーはパラシュートで地上に着陸し、おそらくニューメキシコ州のホワイトサンズに着陸する予定」
「車両内での乗組員の役割についての一般的な考え方は少し異なります」
「スターライナーは信じられないほど有能な乗り物です。たとえ通信が途絶えたとしても、必要に応じて通信なしでランデブーとドッキングを完了することができます。飛行ルールが許す限りです。スペースXは主にホーソーン(スペースXミッションコントロール)から制御されています。」地上にあるため、通信に非常に依存しており、地上と追跡およびデータ中継衛星の間に非常に堅牢なシステムがあり、それが可能です。」
「RD-180のエンジンは、打ち上げ時に3.5Gを超えないようにスロットルダウンします。違う感覚になるでしょう。私が飛んだシャトル飛行は、ソユーズと比べて全く違いました。」私たちはそれらの身体感覚が何であるかを知ることを楽しみにしています。」(ウィルモア氏)
「私たちにとって最も印象的だったのは、大気圏再突入直前にトランクから離れたときです」(ダグ・ハーリー:クルードラゴンのテストパイロット)
「巨大なツーバイフォーが座席の後ろにぶつかったような気がしました。そのとき、私は『なんてことだ、あれは何だ?!』と罵倒の声を上げたかもしれません。」(同上)
まあ、切り離しの際には若干加速して、トランクがぶつからないようにするからな。
「燃料を補給し、発射脱出システムが作動したとき・・・ある種の重大な音と衝撃があり、コンピューターコマンドを送信してバルブが実際に動いて再構成を行うタイミングとそれに伴う音がありました。それは私たち二人にとってちょっとした驚きでした」(ボブベンケン:クルードラゴンのテストパイロット)
「バルブが動いている間、発射台上でいくつかの異なることが事前に警告されていました。バルブに呼び水をしている間、あちこちで小さなドーンという音が聞こえるかもしれません」(スニータウィリアムズ)
「スターライナーで宇宙飛行士が初めて宇宙に飛ぶのは歴史的なことになるだろう。スターライナーは、NASAのマーキュリー、ジェミニ、アポロ、スペースシャトル、スペースXのドラゴンに続き、宇宙飛行士を軌道に乗せる米国の6番目の有人宇宙船となる。」
「NASAは、クルードラゴン宇宙船とスターライナー宇宙船の安全基準を、7か月のミッション中に乗組員の宇宙飛行士が死亡する事故が発生する確率を270分の1に設定した。」
「2020年のSpaceXの宇宙飛行士試験飛行前に、NASAはクルードラゴンの長期ミッションにおける「乗組員の損失」(LOC)の確率を276分の1と判定した。」
「NASA は、Crew Dragon の「ミッション喪失」(LOM)の全体的なリスクを 60 分の 1 と計算しました。このリスクには、クルードラゴンが計画通りに宇宙ステーションに到着しなかったものの、乗組員は無事に地球に帰還したというシナリオが含まれます。」
LOM>LOCなわけだな。
「スターライナーの場合、7か月のミッションで乗組員が失われる確率は295分の1だという。任務遂行不能リスク数は 57 分の 1 です。」(NASAの商業乗組員プログラムマネージャーのスティーブ・スティッチ氏)
しかし、それらは皆、机上の空論だ。
「今月のスターライナーの試験飛行がうまくいけば、NASAはボーイングのカプセルが来年から宇宙ステーションへの長期ミッションを飛行できることを認定したいと考えている。」
そう上手くいくのか。
実際に飛んでみなければ分からない不具合は必ずある。
「2 件の致命的な災害の後、シャトル プログラムの終了までに、NASA は 1 回のミッションで乗組員が死亡するリスクを約 90 分の 1 と計算」
スティーブンクラークは、有人初飛行のリスクをしつこく追及している。
米国は、世界の他のどの国よりも多くの有人宇宙船を初飛行させている。
実際には、その初飛行の段階で大きなトラブルに見舞われたことはない。
アポロ1号は地上試験で事故った。
チャレンジャーもコロンビアも、運用中の事故だった。
アポロ13号は、最大の危機の一つだったが、からくも乗り切った(LOMだったがLOCには至らなかった)。
ソユーズも、2回ほど緊急脱出を行っているし、初期には死亡事故も起こっている。
開発段階で、ロケットや宇宙船が爆発炎上木っ端みじんになるシーンは、飽きる程見ているしな(特に最近は多い!?)。
まあいい。
ISSでは、ドッキングに備えて、ハーモニー先端のドックを開放している。
(ISSでクルードラゴン宇宙船の移動作業実施 スターライナー到着に備える)
https://sorae.info/space/20240505-crew-dragon.html
「アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙飛行ミッション「Crew-8(クルー8)」で使用されているクルードラゴン「Endeavour(エンデバー)」は、4名のクルーを乗せて2024年5月2日21時57分にISSの「Harmony(ハーモニー)」モジュール前方のドッキングポートを離脱し、同日22時46分に同モジュール上方のドッキングポートへ再ドッキングすることに成功しました。」
以前にも取り上げた記憶があるけど、再ドッキングできないリスクを回避するため、乗船して移動する「しきたり」になっているようだ(脱出用宇宙船がなくなっちまうからな)。
「スターライナーとクルードラゴン、それに補給船「Cargo Dragon(カーゴドラゴン)」がISSにドッキングできる場所は、ハーモニーの前方と上方の2か所にあります。スターライナーは前方へドッキングする予定なのですが、そこにはクルードラゴンが係留されていたため、スターライナーが打ち上げられる前にハーモニーの上方へ移動させなければなりません。ハーモニー上方のドッキングポートには2024年4月29日までカーゴドラゴンが係留されていたため、クルードラゴンを移動するにはカーゴドラゴンの離脱を待つ必要がありました。」
「NASAによると今回の移動はISSの歴史上28回目の作業」
「CFTのスターライナーは2024年5月7日11時34分に打ち上げられ、5月8日13時48分にISSへドッキングする予定」(日本時間:米国東部時間より13時間早い:3月10日から夏時間に移行)
無事な打ち上げとドッキングを願わずにはいられない・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(コマーシャルクループログラム)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/
(ライブ視聴: NASA のボーイング乗組員飛行試験の報道が進行中)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/watch-live-nasas-boeing-crew-flight-test-coverage-underway/
「NASA のボーイング乗組員飛行試験に関する NASA の報道は、NASA+、NASA Television、NASA アプリ、YouTube、および NASA のWeb サイトで進行中です。」
今日は、スターライナー一色だな・・・。
(NASA のボーイング乗組員飛行試験の主要な打ち上げマイルストーン)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/nasas-boeing-crew-flight-test-key-launch-milestones/
「時間 出来事(すべておおよその時間)
午後 6 時 26 分 運航乗務員がスーツアップ作業を開始
午後 7 時 04 分 乗組員がニール・A・アームストロング作戦および検査棟から退出
午後 7 時 14 分 乗組員が出発し、宇宙発射施設-41 へ移動
7:午後39時 乗組員がパッドに到着、タワーに登り、ホワイトルームに入り、スターライナーカプセルに別々に入る
午後8時57分 スターライナーカプセル内の乗組員が完了
午後9時24分 ハッチの閉鎖と漏れのチェックが完了
午後9時32分 ハッチの閉鎖が完了
午後9時44分 ホワイトの設定打ち上げ用の部屋
午後10時09分 打ち上げチェックのため空室
午後10時23分 乗組員アクセスアームが格納される
午後10時34分 打ち上げ!
午後10時35分 ULAロケットがMaxQに到達
午後10時40分 アトラスVブースターが分離
午後10時48分 ボーイング・スターライナーが分離
午後11時05分 軌道投入燃焼」
(NASAのボーイング乗組員飛行試験:アトラスVへの給油が進行中)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/nasas-boeing-crew-flight-test-atlas-v-fueling-underway/
「L-6:00:00 アトラス V クライオロード
L-4:00:00 アトラス V クライオロード完了 / 安定した構成
L-4:30:00 乗組員のスーツアップ開始
L-4:04:00 T-4 分間保持開始
L-3:20:00 乗組員のスーツアップ完了 / 発射台へ出発
L-3:10:00 乗組員モジュールの準備開始
L-2:50:00 乗組員が挿入のために到着
L-1:20:00 ハッチ閉鎖完了
L-0:50:00 客室の漏れチェック / 客室の与圧完了
L-0:35:00 乗務員スペースから地上への通信チェック
L-0:22:00 フライトディレクターの投票: 端末数を調べる
L-0:20:00 乗組員バイザーが打ち上げ用に設定されている
L-0:18:00 スターライナーが端末数をポーリング
L-0:18:00 スターライナーが内部電源に接続
されている L-0:11:00 乗組員アクセスアームが格納されている
L-0:07:00 アトラス V ロケットがポーリングされているターミナルカウント用
L-0:07:00 ターミナルカウント用に設定されたスターライナー
L-0:05:00 上昇用に設定されたスターライナー
L-0:04:00 T-4 分間のホールドを解除
L-0:00:00 アトラス V / スターライナー乗組員の出発」
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
「NASA
今日の #Starliner の打ち上げは、チームがアトラス V の Centaur ステージで酸素逃がしバルブを評価するため、中止されました。宇宙飛行士は Starliner を降り、乗組員宿舎に戻ります。」
ユーチューブのコメント欄に表示され、生中継でも宇宙飛行士が下りてしまった。
やれやれ・・・。
2段目の酸素リリーフバルブのトラブルとあるけど、注入が終わってから相当時間が経っているからな。
バルブといえば、OFT-2の打ち上げを遅らせた固着の悪夢が蘇る。
またか・・・。
まあ、あの時はスターライナー側のトラブルだったが、今回はセントール上段だ。
今日は雨模様なのをいいことに、フィットネスをサボって、CFTに備えていたのになあ…。
しょうがない、腹いせに爆食して、ふて寝でもするか(そんなあ!)。
(スターライナーの打ち上げがアトラス5のセントール上段のバルブトラブルで失敗)
https://spaceflightnow.com/2024/05/07/starliner-launch-scrubbed-by-trouble-with-a-valve-in-the-atlas-5s-centaur-upper-stage/
「ロケットのセントール上段にある酸素逃がし弁が後期段階で「ガタガタ」した原因を解明する必要がある」
「バルブを交換する必要がある場合、ULA は修理のためにロケットを処理施設に戻さなければならない可能性」
「バルブの問題が検出されたとき、エンジニアは推進剤の充填を完了する途中」
「エンジニアはその性能を評価した後、その動作に「快適」を感じることができず、打ち上げは中止されました。」
「宇宙にいて地上にいたいと願うよりも、地上にいて宇宙にいたいと願っているほうがいいのです。」(機長のバリー・“ブッチ”・ウィルモア:お気に入りの言葉の 1 つ)
「このミッションでは確かに未知の部分がいくつかあり、予期せぬ事態に遭遇する可能性があります。しかし、私たちの今の仕事は、警戒を怠らず、問題を探し続けることです。」(NASAの宇宙運用副管理者であるジム・フリー氏)
慌てることはない。
その言葉通り、正しい選択を続けてもらいたいものだ・・・。
(NASAのボーイング乗組員の飛行試験が失敗に終わった)
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2024/05/06/nasas-boeing-crew-flight-test-scrubbed/
「NASA、ボーイング、およびユナイテッド・ローンチ・アライアンスは、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス・アトラスVロケット・ケンタウロス第2段の酸素逃がし弁の観察に欠陥があったため、5月6日月曜日、同局による国際宇宙ステーションへのボーイング乗組員飛行試験の打ち上げの機会を取りやめた。」
「NASAの宇宙飛行士ブッチ・ウィルモアとスニ・ウィリアムズは、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地のスペース・ローンチ・コンプレックス-41でスターライナー宇宙船から降り、宇宙飛行士乗組員宿舎に戻る予定だ。」
生の映像では、宿舎に入るところまで映っていた。
まあいい。
故障の詳細、復旧の見通し、次回打ち上げのスケジュールなどが分かれば、また書く。
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