😼欧州大戦争:ウクライナ戦線:対立の構図 ― 2025年03月01日 08:38
欧州大戦争:ウクライナ戦線:対立の構図
(米ウクライナ首脳会談決裂、激しい口論 鉱物協定署名せず)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/YXMT33REKJNZFBN6M4BHK32RHA-2025-02-28/
「両首脳はウクライナの鉱物資源の権益に関する合意文書に署名する予定だったが、記者団の面前でロシアへの対応などを巡り厳しい言葉の応酬が相次ぎ、米当局者によるとゼレンスキー氏は合意文書に署名せず、ホワイトハウスを後にした。」
これは芝居なのかあ?。
余りに素人クサい状況に、浮沈子は驚いた。
首脳会談と言えば、事前に根回しを十分に行い、合意できることとできないことを峻別し、出来ることは思いっきり膨らまし、出来ないことは「今後も引き続き検討する」点で「合意」したことにするのが通例だ。
それさえもできなければ、そもそも首脳会談などは行わない。
米国政府は、今回のゼレンスキーの訪米に反対の立場だったようだ。
(「米国、ゼレンスキー大統領の訪米を直前に取り消し…マクロン大統領の仲裁で実現」)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4e65f0e185e7f171f83972cd181f80291ef70bb2
「仏外交筋によると、ゼレンスキー大統領は26日、米政府から「トランプ大統領に会いに来るべきでない」というメッセージを受けた。」
「これに対しゼレンスキー大統領はマクロン大統領に電話をして支援を要請し、マクロン大統領がトランプ大統領と直接電話をしてゼレンスキー大統領の訪問を受け入れるよう説得」
その挙句の果ての喧嘩別れということなわけで、まあ、首脳外交というより子供の喧嘩みたいなもんだ。
やれやれ・・・。
その意味では、今回の状況がファンダメンタルを反映したものではなく、表層の現象に留まることは間違いない。
ウクライナが、米国の支援なしにロシアと対峙することは不可能だし、差し出すものがない以上、言いなりになるしかないことは変わらない。
マクロンは、この機に乗じて欧州における存在感を高めようとしているけど、それは、まあ、政治的ポジショニングの話で、欧州が束になって支援したとしても、米国抜きのウクライナ支援の限界は変わらない。
ゼレンスキーは揺さぶりを掛けるために直接対決したんだろうが、この暴挙(!)が吉と出るかどうかは分からない。
マクロンも、首脳会談を斡旋した手前、ゼレンスキーの対応を歓迎したとは思えない。
それとも、こうなることを織り込んで、自らの駒として動かしたのかも(そうなのかあ?)。
まあいい。
一寸先は闇の国際政治だが、さざ波に過ぎない2人の衝突をよそに、米ロの関係改善は着々と進んでいる。
中露の引き離しを画策する米国のグランドデザインは健在だ。
ウクライナ紛争の停止も、ロシアがこれ以上中国との関係にのめりこむことを抑止する位置づけだからな。
そこから何らかの直接的見返り(資源やノーベル平和賞?)を得ようというのは、些末にすぎない。
浮沈子は、欧州自体が餌になっていると見ているけど、ロシアが食いつくかどうかはまだ分からない。
が、食いついてくれば、逆に中露の連帯を強化する事態になりかねないからな。
下手の妄想、休むに似たり・・・。
しかし、2年後(2027年)に迫っている台湾併合に向けた動きを考えると、ロシアと欧州がドンパチ始めることは米国にとって短期的に悪いことじゃないかも知れない。
中露が束になって台湾併合を政治的軍事的に強行するよりは、ロシアにとっての2正面作戦になるからな。
そう考えると、欧州と東アジアで同時にドンパチする可能性は高いかも知れない。
米国には、もちろん、これらに直接同時に対応する能力はないから、中露の思惑通り、すんなりと解決するだろう(東欧はロシアの勢力圏、台湾は中国に併合)。
中東におけるガザのレジャーランド化とイスラム諸国の封じ込めで、ユーラシア大陸における米国の役割は終わる。
米国一国主義は、世界に平和をもたらすだろうけど、それが好ましいことなのかどうかは何とも言えない。
そりゃあ、ドンパチよりは平和がいいに決まっているけど、平和の中身も重要だからな。
核大国同士が、政治的に安定し、条約などによってパワーオブバランスを管理し、地域紛争に対する過大な関与を抑制して、欲をかかずにいられるかどうかはいささか疑問だ。
人口問題や技術の進歩、エネルギー需給、資源確保など、考慮すべき要素は多い。
米国は、身の丈に合ったポジションに収まるべく、もぞもぞとぎこちなく動き始めている。
一直線に動いているわけじゃないから、さまざまな軋轢や揺らぎも生じるに違いない。
図体がデカいから、その影響は半端ないしな。
急速な動きは、弱小国家にとっては存亡に係る場合もあるに違いない。
ウクライナは、悪い時期にドンパチ始めちまったことになる(まあ、ロシアが本格侵攻したんでしょうけど)。
外交解決(降伏)ではなく、交戦(防戦)を選択したのはウクライナの選択だ。
初出のロイターの記事には、トランプの本音も透けて見える。
「あなたはギャンブルをしている。何百万人もの人の命を賭け、第三次世界大戦までも賭けている」(トランプ:ゼレンスキーに対して)
「取引に応じなければ、われわれは撤退する。われわれが手を引けば、ウクライナだけで戦うことになる。良い結果にはならない」(同上)
「ゼレンスキー大統領は米国が関与する形での和平には応じる準備ができていない」(トランプ:SNSへの投稿)
「米国の関与が(ロシアとの)交渉で自国(ウクライナ)に大きな優位をもたらすと考えているからだ。私は(ウクラナのロシアとの交渉における)優位性ではなく、(ウクライナにおける)平和(戦闘の停止)を望んでいる。ゼレンスキー氏は米国の神聖な大統領執務室で米国に対し失礼な態度を取った。平和への準備ができた時点で戻ってくれば良い」(同上:カッコ内、浮沈子補足)
このやりとりに、欧州が出る幕はない。
「われわれが手を引けば、ウクライナだけで戦うことになる。」(再掲)
米国が、欧州の戦力をどう評価しているかが分かる。
ウクライナは、結局、米国の意向に沿うしかなくなるだろう。
「トランプ大統領、米議会、米国民に感謝する。ウクライナは公正で永続的な平和を必要としている。われわれその実現に向けて取り組んでいる」(ゼレンスキー:会談後のSNSへの投稿:原文ママ)
大国の戦略に翻弄される周縁国の悲哀だな。
欧州もまた、同じ俎上にある。
ドイツはいよいよフランスの核の傘に入ることを考えているようだが、んなもんはロシアにとっては何の効果もないだろう。
慰めにもなるまい。
欧州にとって、大西洋はますます広くなるに違いない。
うーん、我が国にとっての太平洋はどうなるんだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(「お前たちは勝てない」とトランプ氏 米ウクライナ首脳会談が決裂、記者団を前に口論も)
https://www.sankei.com/article/20250301-A3V6XXRWMVMW3NOEK35YS3D4KE/
「両首脳は会談の冒頭、記者団の前で険悪なやり取りを展開。」
「米国が交渉に関与することで優位に立てると感じているようだ」(トランプ)
ああ、ロシアとの交渉で、ゼレンスキーが優位に立てるという意味か。
米国は、添え物にされたわけだ(そういうことかあ?)。
「会談の冒頭には鉱物資源の取引を提示したトランプ氏への謝意を示し、ロシアのプーチン政権によるウクライナの再侵略を阻止するために米国の防空支援などを要請していた。」
「同席していたバンス副大統領の間で言い合いが起きたことで突然険悪化。」
「トランプ氏は「まずは合意が先決だ」とし、「いかなる合意にも妥協が付き物だ」と主張。」
「途中でバンス氏が割って入り、ロシアによるウクライナ侵略は同国にも責任があるとの趣旨の発言をしたことにゼレンスキー氏が反発を示したことが契機となり、感情的な応酬に発展」
「お前たちは勝てない。俺たちのおかげで現状から脱出できる機会を得たのだ」(トランプ)
両者の認識が埋まるまでには時間が掛かりそうだな。
浮沈子的には、この記事の注目点はウクライナ側が米国の防空支援を求めているという点だ。
停戦後においても、何らかの形で政府支援を繋ぎ止めたい意向ということになる。
資源権益の供与は、そういった米国政府の直接関与をぶった切ることが狙いだから、そこに何らかの支援がオマケに付くことはない。
構造的にないものねだりをしているわけで、元々ムリポな話だ。
そういう無理筋を通すための下話は一切なかったわけで、トップ会談で突破を図って玉砕、売り買いの挙句に喧嘩別れになるという最悪のパターンだな。
ウクライナに選択の余地はない。
米国の言いなりになるか、国家を失うかの二択だ。
(ゼレンスキーとトランプ政権の間で激しい口論、欧州諸国はウクライナ支持を表明)
https://grandfleet.info/us-related/zelensky-and-trump-administration-spar-in-fierce-dispute-european-nations-back-ukraine/
「トランプ政権がゼレンスキー大統領の態度を理由に移送中の全軍事援助(バイデン政権が実行した軍事援助分)の停止を検討している」(Washington Post)
「最強の政治的カードを切ってきたトランプ政権にゼレンスキー大統領が屈するのか、欧州が支援を強化して事態を乗り切るのかが注目される。」(航空万能論ブログ管理人)
欧州の精神的支援だけで乗り切るのはムリポだからな。
そもそも、ウクライナの最大の問題は兵力だ。
欧州は、ロシアとの戦闘中のウクライナに派兵してロシアとドンパチする気はない(マクロンだけかあ?)。
停戦後の平和維持軍にしても、米国の関与が前提とか言ってビビってるしな。
このまま戦闘を続ければ、欧州がありったけの武器を供与したとしても、いずれ継戦能力の限界が来る。
ブダノフは夏までと言っているけど、浮沈子的にはトランス二ストリアに侵攻すれば1年くらいはドンパチ出来ると見ている。
「トランプはゼレンスキーに真実を告げた」「恩知らずの豚は豚小屋の主人から平手打ちを食らった」「これはロシアにとって非常に有益だったが十分ではない」「ウクライナへの軍事援助を止めなければならない」(メドベージェフ元大統領)
うーん、相変わらずなコメントだが、表現はともかく内容は正しい。
米国を含めて西側の支援を止めることが、ロシアにとっては重要だ。
同時に経済制裁の解除も求められる。
米国との交渉では、それも検討されるだろう。
欧州は、ウクライナに引きずられて取り残される運命にある(そうなのかあ?)。
「米国の支援がなければ軍事作戦実施は難しくなるが、そのためにウクライナ国民は自らの価値観を犠牲にする用意はない」(ゼレンスキー大統領)
そう仕向けてきたわけだから、その結果は自らが負うことになる。
浮沈子は正義派じゃないから、ウクライナやロシアが払った莫大な犠牲は愚かに映る。
真の独立戦争を経ずに形だけの独立で主権国家として歩み始めたウクライナは、僅か数十年でとん挫しようとしている。
かつて、ウクライナという国があった(そんなあ!)。
欧州もまた、バイデンにそそのかされてウクライナ支援を続けてきた。
今、自分たちがメニューに載っちまっていると気づいている国は少ない。
バルト3国と東欧諸国くらいか。
マクロンは、欧州におけるフランスのポジションしか頭にないし、英国は米国とのつながりに期待するしか能がない(そうなのかあ?)。
ドイツの政権交代で何かが変わるとは思えず、イタリアは米国との親和性が高いからな。
トルコの出方が気になるところだが、多勢に影響はないだろう。
今後、短期間で情勢が大きく動く可能性もあり、その際に動きの遅い欧州がロシアの餌食になることも想定される。
この夏、ベラルーシでロシアの大演習が予定されている(ゼレンスキーがそう言ってたからな)。
4年前(2021年夏)にも、合同演習が行われ、その後に部隊が残留して2022年の冬(2月24日)に本格侵攻が行われた。
ロシアは戦闘継続と停戦の両睨みで準備を進めるだろう。
自国の停戦条件を譲ることはない(領土的には多少譲るようですが)。
彼らの側からしてみれば、長期の平和につながる話でなければ停戦(短期の戦闘停止)のメリットはあまりない。
長期の平和というのは、ウクライナがNATO加盟を放棄すること、軍隊の規模を劇的に縮小することなどを含む。
NATO構成国の平和維持軍も認めなければ、選挙を経ていない現職の大統領との停戦合意も受け入れないだろう。
これだけ盛り上がっているレアアースの取引は認めたわけだから、そういう話は許容範囲なのかもしれない。
「ロシアからすれば「何も手を下していないのにトランプ政権とウクライナ・欧州が対立していく様子」に笑いが止まら」ないだろう。
プーチンは、これを待っていたわけで、我が意を得たりというところに違いない。
歴史に「もしも」はないと言うけれど、ウクライナが2022年の春にロシアと妥協していれば、こういう事態にはならなかったに違いない。
いや、やっぱ、結果的にドンパチは発生しただろうな。
で、そのひそみに倣えば、バルト3国や東欧諸国も、軒並みロシアの餌食になるわけだ(そうなのかあ?)。
欧州は、ウクライナと運命を共にすることになる。
ウクライナには欧米の支援があっただけ、マシと言えるかもしれない。
欧州にはどこからも支援は届かない。
本物の地獄絵図は、たぶん、これから描かれることになるだろう・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(和やかな雰囲気が一変 口論のきっかけは米副大統領の一言)
https://mainichi.jp/articles/20250301/k00/00m/030/058000c
「ゼレンスキー大統領をお迎えできて光栄です」「あなた方と協力できることを非常に感謝しています」「戦争を「終わらせたい」と強調」「今、少し興奮しているが、本当に興奮するのは交渉がまとまり、合意に達した瞬間だ」(トランプ)
「ご招待に感謝します」「プーチン(露大統領)を止めるために、あなたが強い立場をとっていることを本当に頼りにしている」(ゼレンスキー)
この辺までは、まあ、順当だったわけだ・・・。
「ロシアに肩入れしすぎではないか」(記者団)
「平和、繁栄への道は外交かもしれない」(バンス)
「あなたが話しているのはどんな外交ですか」(ゼレンスキー)
つまりだな、ロシア有利な外交を進めようとする米国をけん制しようとするあまり、ゼレンスキーはトランプ政権の決して触れてはならない逆鱗に触れちまったわけだ。
「あなたは(ロシアとの間を隔てる)素晴らしい海がある」「今は(脅威を)感じていないが、将来感じるだろう。神のご加護を」(ゼレンスキー)
「我々がどう感じるかを決めつけるな。あなたは第三次世界大戦に賭けようとしている」「米国がいなければあなたはタフではいられないだろう。取引をするか、我々が身を引くかのどちらかだ」「もう十分だろう。素晴らしいテレビ番組になっただろう」(トランプ)
やれやれ・・・。
(米ウクライナ首脳会談は決裂、資源取引で署名至らず-激しい口論の末)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-02-28/SSEKSMT0AFB400
「プーチンがやめることは決してなく、さらに先へと進むだろう」「資源合意については「それは可能だが、それだけでは十分ではない」と語った。」(ゼレンスキー氏)
それは事実だろうし、浮沈子的にも間違いないと思う。
が、それは米国の選択であり、合意できなければ会うべきじゃ無かったろうな。
「このようにビジネスを行うのは非常に難しいだろう」「もっと感謝すべきだ。言わせてもらうが、あなたにはカードがないからだ。われわれがいればカードがあるが、われわれがいなければあなたにカードは一切ない」「あなたは第3次世界大戦のリスクを冒しているようなもので、あなたがやっていることは、この国に対して非常に失礼なことだ」「あなたが取引に応じるか、それともわれわれが取引から抜けるかだ。もしわれわれが取引しなければ、あなたは徹底的に戦うことになる」(トランプ氏)
「トランプ氏は、ゼレンスキー氏がプーチン氏に対して「非常に強い憎悪」を抱いていると述べ、その怒りが合意を妨げているとの考えを示唆。」
「私は誰よりもタフな人間になることができるが、そのようなやり方では決して物事を成し遂げられないだろう」(トランプ氏)
トランプがプーチンをたった1本の電話で交渉の場に引きずり出したことは、驚きだった。
その言葉には説得力がある。
トランプは、本気でゼレンスキーの交代を考え始めるかもしれない。
前にも書いたが、米国は支援を止めるだけでウクライナの息の根を止めることが出来る。
停戦(終戦=降伏)には時間が掛かるだろうけど、その方法は確かだ。
怪しげな資源取引などよりも効果的だ。
おそらくバイデン政権の政策よりも、ウクライナの地に早期に平和をもたらすことが出来る。
しかし、そんなことは誰も望んではいないだろう。
何らかの取引、譲歩、断念、放棄が必要だ。
プーチンに対する「非常に強い憎悪」は、その妨げになる。
トランプの見立ては正しいだろう。
ノーベル平和賞は消えたな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(トランプが推し進める米ロ中の世界、この実現にウクライナは邪魔な存在)
https://grandfleet.info/us-related/trump-is-promoting-a-us-russia-china-world-but-ukraine-is-an-obstacle-to-its-realization/
「トランプやヴァンスは公然と『ゼレンスキーにはプーチンに対して交渉材料がない』『ゼレンスキーは感謝もしない恩知らずだ』と攻撃し、3年間続いた米国とウクライナの協力関係が崩れたのは誰の目にも明らかだ。より重要な真実はトランプが推し進めたい核大国による世界=米ロ中の3角関係にとってウクライナを邪魔な存在と見なしていることだ」(NYT:以下同じ)
「過去の民主党・共和党政権は「欧州やアジアの同盟国は我々の大きな戦力であり、平和を維持し、貿易を繁栄させるために不可欠だ」と主張してきた」
「トランプは第二次大戦後に米国が作り上げた体制=民主主義資本にコミットする同盟国との関係を重視し、国際法を遵守し、確立された国際的国境線を尊重するシステムの維持コストが膨大になり、これを米国の力を低下させる傷口だと見なしてきた。」
「トランプは新秩序の構築について「軍事力と経済力を活用する」という以外何も語っておらず、基本的には経済協定や不動産取引を織り交ぜたもので平和が達成できると思っているらしい」
「自分が政権を握っている限り、世界は自分の命令通りに秩序が保てる」
まあ、どうでもいいんですが。
ロシアが3極の1つを担えるかどうかはビミョーだが、米国が地域大国へと変容していく過程で、これまで影響力を行使してきた国々(当然、欧州含む)に強くコミットすることは間違いないだろう。
今、欧州はウクライナ紛争をきっかけにして、想定外の速度でその坂を転がり始めている。
「これがプーチンとトランプの世界だ」「もはや米国はウクライナや欧州に安全保障を提供することに関心がない」「今直ぐ手を打たなければロシアはウクライナを占領してNATOを攻撃するだろう」「集団的自衛権が美辞麗句であると証明されれば欧州はロシア人が好んで使用する『新しい安全保障構造』の中で生きていくことになる」(Telegraph)
「一般的には憲法改正の困難さを鑑みて「トランプの3期目は現実的ではない」という見方が支配的だが、3期目ではなく「2期目の大統領任期を延長する抜け穴」も存在し、共和党全国委員会の元役員はNBC Newsの取材に「トランプは議会を恐怖で支配しているため、彼が2期目の任期を越えてホワイトハウスに居座る可能性が少しでもあれば言いなりになるだろう」と述べており、欧米メディアが言うところ「トランプによる米国帝国主義の復活」は与太話ではなないのかもしれない。」(航空万能論ブログ管理人)
んな裏技使わなくても、バンスが後を引き継いで、向こう12年間のトランプ政権の政策の継続性は保証されている。
今回の首脳会談のぶち壊し方を見れば、その能力(って何?)に疑問を抱く余地はない。
「大統領就任から約5週間の間でデンマークにグリーランドの支配権を寄越せと、パナマに運河の所有権を返せと、カナダに米国の51番目の州になれと、将来的にガザ地区の主権領土を米国が引き取ると言い放った。さらにウクライナの主権についても「米国の関与は終わった」との考えを示し、大統領執務室での口論でウクライナとの経済協定はパージされた。」(NYT)
トランプ就任から2か月も経たないうちに、世界は180度ひっくりかえっちまって、自由と民主主義や正義と公正さはどこへやら、取引と手持ちのカードで勝負する状況になった。
NYTは、米国の内側から、その変化と方向性を的確に捉えている。
トランプ政権の切り札は、まだまだ切られてはいない気がする。
台湾問題が表面化し、朝鮮半島問題が明らかになれば、更なるカードを切ってくるに違いない。
我が国はその時、米国の「手持ちのカード」として使われる恐れがある。
もっとも、中国に対しては、既に米国より輸出輸入とも規模がデカいから、取引材料になるかどうかはビミョーだ。
が、台湾の次が朝鮮半島で、取りが日本というパターンは大いにあり得るな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(「プーチン氏止められなかった」「あなたは感謝していない」米ウクライナ首脳公開口論詳報)
https://www.sankei.com/article/20250301-V2PZLQU56JOOVPKMFVU44A2EHI/
「バンス米副大統領がバイデン前米大統領を批判し、これにゼレンスキー氏が反論したあたりから険悪な雰囲気に。激しくなったやり取りの要旨は以下の通り。」
米国大統領執務室での会話の詳細が掲載されている記事だが、内容は割愛する。
日本語訳で読む限りは、双方が言いたいことを言っているだけで、内容的に新しいことは何もない。
注目すべき点は一つ。
記者「ロシアが停戦合意を破棄したらどうするのか?」
(中略)
トランプ氏「私が言えるのはこれだけだ。プーチン氏はオバマ氏やブッシュ氏との取引を破ったかもしれないし、バイデン氏との取引も破ったかもしれない。何があったのかは知らない。しかし、プーチン氏は私との取引は破らなかった。(以下略)」
プーチンは、おそらく米国との取引を破ってはいない(未確認)。
破るのは、強国との取引ではなく、弱小国家との取引だろう。
破っても問題ないと思えば、躊躇なく破る。
どうやら、この辺りに認識のズレがあって、プーチンへの対応や信頼感が異なるようだ。
喧嘩(外交)は、相手を見て行う。
強そうなやつと、本気で殴り合ったりはしない。
プーチンも同じだ。
ウクライナや欧州諸国との約束は平気で破るだろう。
それは今後も同じだ。
もっと言えば、米国もまた同じなのだ。
ゼレンスキーは、もちろん、そのことを分かってはいる。
西側は、それを国際法のオブラートに包み、先鋭化させないことで偽りの平等を演出している。
その西側の欺瞞を突いたゼレンスキーは、虎の尾を踏んだ。
米国は嘘つきで薄情で日和見だと糾弾した(それも、米国大統領執務室で!)。
トランプ政権側が色をなしたのは、痛いところを突かれたからだな。
交渉事で、相手の弱点を指摘し、揺さぶりをかけて自分の要求を呑ませることは常道だが、相手が悪かったとしか言えない。
米国はウクライナの安全保障から手を引くと決めている。
おそらく、それを覆すことは出来ないだろう。
それは欧州の役割で、地域紛争にのめり込むつもりはないのだ。
(【解説】トランプ氏とゼレンスキー氏の対立 NATOにとって一大危機)
https://www.bbc.com/japanese/articles/crknx28jlgeo
「世間の目の前で繰り広げられた破局は、北大西洋条約機構(NATO)のヨーロッパ諸国とアメリカの間に大きな危機が迫っているという合図でもあった。」
「トランプ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との強力な関係をなんとしても復活させると決意している様子だ。それだけに、欧州は懸念を抱いているのだ。」
「プーチン氏への譲歩が優先され、ウクライナの安全保障ははるかに後れをとった二の次になっている。欧州諸国は自国の安全保障も同じなのではないかと懸念している。」
BBCのジェレミー・ボウエンは、欧州が抱く懸念を端的に指摘している。
が、まだまだ甘い。
自分たちもまた、プーチンのエサになっていることに気付いていない。
或いは、気付かない振りをしている。
イタリアのメローニは、薄々感づいているけど(トランプと発想が同じだからな)、米国を欧州に引き留められると信じている。
バルト3国や東欧諸国はパニックだろう(未確認)。
喜んでいるのはハンガリーとスロバキアだけかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、ド派手なニュースショーに留まると見ている。
米国の軍事支援の即時停止は、早期の停戦に結びつかない。
トランプが言うように、ゼレンスキーがロシアと交渉するカードを奪うからだ。
戦闘は続き、双方の軍隊が疲弊し、別の仲介者(中国かあ?)の介入によって合意に達するまで終わらない。
今年中にはムリポだろうし、ロシアの停戦条件が変わるとは思えないからな。
米国からも欧州からも見放されて孤立無援のまま、ロシアの要求を丸呑みして屈服することになる。
欧州は、自ら見放したとは言わないだろう。
バイデンと同じように、勝てない支援を続け、「できる限りのことをした」というエクスキューズを残しながらウクライナを見殺しにする(そんなあ!)。
米国は、バルト3国と東欧諸国へのロシアの侵攻に介入しない密約をプーチンと結んだ(そうなのかあ?)。
ウクライナへの支援を続ければ続けるほど、欧州は自らの墓穴を掘るという構図が出来上がっている(未確認)。
旧ソ連の影響下にあった東欧などに留まるだろうか?。
浮沈子はそうは思わない。
プーチンの次の政権(メドベージェフかあ?)では、ドイツフランスイタリアスペインを含む欧州全域を狙うだろう。
欧州大戦争は浮沈子の終わりなき妄想だが、その可能性は日々高まっていく気がしている。
ゼレンスキーは、米国がいずれロシアの脅威を感じるようになるとしているけど、それは明確な誤りだ。
米国は、「常に」ロシアの脅威を感じている。
おまいに言われたくない!(トランプの内心のぼやき)。
核大国同士の安全保障は、軍事では到底確保できないからな。
米国がロシアとの関係改善に動いているのは、ウクライナ紛争に引きずられて米国の安全を毀損し続けることを避けるためだ。
それは、バイデン政権と同じ基本スタンスでもある(供与兵器の選定や使用制限はそのためだ)。
手法の違いだけだろう。
その切り替えの早さに、欧州は付いて行けずに立ちすくんでいる。
自分たちが、米国がロシアを釣り上げるためのエサにされていることに、一刻も早く気付いて手を打たなければ、プーチンやその後継者の餌食になることは間違いない。
ドンパチやらずに済めば、それに越したことはないだろうけど(たぶんムリポ!)。
悪いことは言わない。
欧州はウクライナを一刻も早く切るべきだ。
明日は我が身なのだから・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(「トランプ政権はもはや同盟国ではない」オランド前仏大統領が米軍なしのNATO、ロシアと欧州EUを語る)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2bf517ffa84586a65cac283eed7d456f579a33ff
「前フランス大統領であるフランソワ・オランド氏(社会党)は、『ル・モンド』のインタビューに応えた。」
「タイトルは「フランソワ・オランド『ドナルド・トランプはもう我々の同盟相手ではない」(François Hollande : « Donald Trump n’est plus notre allié »)」
「全文ではないがインタビューを訳し、わかりにくい所は解説を加えた。」
浮沈子は、オランド政権の政策は知らない。
記事を読んで、ふーんと感心する。
「記者は「プーチンが他の欧州の国を攻撃することを、恐れていますか」と聞いた。」
「私はプーチンと何度も仕をしてきたが、初めて会ったときから、彼が尊重するのはパワーバランスだけだとわかっていました。彼は止められない限り前進し、私たちが彼に残したものはすべて奪うのです。」
「もし今日、最悪の条件で停戦が実現したら、つまり征服した領土を吸収し、アメリカの援助をすべて撤退させ、ウクライナに対する重大な安全保障を欠くのなら、プーチンはさらに前進するタイミングを待つでしょう。ウクライナへはもちろんのこと、もしその能力があれば、ウクライナを越えるでしょう」
「彼がその時を待っていると私が言うのは、本質的なことです。なぜなら、プーチンは、我々のような時間との関係を持っていないのです。プーチンは、自分の前には一生涯があると思っています。欧州や米国では、指導者にとって唯一の地平線は、任期です」
この認識が妥当とは思えないけど、真実をかすっている気はしている。
政治家の発言だからな。
権力の内部から見れば、そういう風に見えるという参考にはなる。
「・・・私は、アメリカがNATOを脱退するとは思わないが、欧州の地にいる8万人ほどの軍隊を、かなり早い時期に撤退させるかもしれない」
「その場合、ドナルド・トランプは(NATO加盟国が攻撃を受けた場合、全加盟国が攻撃されたとみなして、兵力使用を含む反撃をする「集団的自衛権」を定めた)第5条が自動的に適用され続けることを、確認するつもりがあるのでしょうか。そのことに備えるのは我々です。たとえトランプがいなくても」
オランドは、欧州が置かれている立場をある程度認識している。
トランプ2.0は、一期目とも異なる。
・ウクライナの放棄
・プーチン大統領との直接対話
・米国が国連で、ロシアと北朝鮮と団結して、ウクライナを支援するために欧州が提案した決議案に反対票を投じた
「この回答に対し、記者は「ドナルド・トランプはもはや同盟相手ではないというのなら、敵ですか」と尋ねた。」
「・・・彼の本当の標的は我々であり、彼が主張するように中国ではないことは、疑いようがありません」
敵であれ標的であれ、何らかの関心の的であることには違いないけど、まさかエサにされているとまでは思っていない感じだ。
欧州の政治家の限界だな。
まして、フランスの前大統領だからな。
彼が行っていることの全てに同意できるわけではないけど、米国の離反、欧州の分断、ロシアの脅威増大の中で、主体的に取り組もうとするフランスの意欲は感じる。
欧州という生餌を入れた魚籠(びく)の中での話だけどな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ、根深い不信 トランプ氏は個人的恨みも)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030100328&g=int
「トランプ氏の一方的な振る舞いは、19年にゼレンスキー氏に対して軍事支援などを行うことを条件として、ウクライナと関係のあったバイデン前大統領(当時は前副大統領)の醜聞を捜査するよう要求した事件をほうふつさせる。」
「ゼレンスキー氏はこの時、トランプ氏の求めに応じず、米下院はトランプ氏を弾劾訴追(上院で無罪判決)した。」
うーん、個人的恨みでテレビショーを演出したという話は出来過ぎだと思うんだがな。
鉱物取引に米国の保証を絡めようとした首脳会談は不発だった。
事実はそれに尽きる。
米国は、バイデンが承認した援助を打ち切っていないし、合意の可能性は残されている。
トランプ政権がウクライナ問題より、米ロ関係の改善を優先していることは周知だ。
対中国政策としてのそれは、米国の安全保障のグランドデザインにも合致している。
大統領執務室を舞台にしたテレビショーは、こうした背景の上に乗っかった表層だ。
相手が誰であれ、トランプの番犬であるバンスは噛みついたろうし、調印しなければホワイトハウスを叩き出されるだけの話だ。
停戦交渉が遠のき、戦闘が長期化することは避けられないが、米国の支援が縮小または打ち切りになる可能性は変わらない。
欧州が米国に代わってリスクを負うことは出来ない。
ゼレンスキーが指摘した通り、大西洋を挟んでいるわけじゃないからな(英国はドーバー海峡があるけど、ちっと狭いしな)。
精神的支援と、形ばかりの「負けない支援」がせいぜいで、その間もロシアの攻撃は続く。
ロシアとの直接対決に備える軍備増強の足を引っ張るウクライナ支援。
二律背反の雪隠詰めな欧州に選択の余地はないと思うんだがな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ停戦は世界のパラダイムシフトを引き起こすのか)
https://www.newsweekjapan.jp/kawato/2025/02/post-166_2.php
「・・・自由や人権などのイデオロギーをめぐる無用の対立はもうやめる。他国のレジーム・チェンジを仕掛けてきたネオコンの時代は終わり。互いに干渉するのはやめて自分ファーストでいこう、物事は取引と力で決めよう、ということだ。」
「それは、17世紀の西欧で形成された「主権国家」を解体し、領土すら売買の対象にすることでもある。」
「世界を国境のないサプライチェーンの統一空間に変えた、グローバル大企業の論理だ。」
「もう国家は要らない。」
電脳空間での取引が活発化し、グローバルに商品が飛び交う時代になり、企業にとって国家は邪魔な存在になってきている。
主権国家の解体へ一気に進むとは思えないけど、ウクライナ停戦の動きを見ていると、そんな妄想が羽ばたいてもおかしくないとさえ思えてくる。
相互内政干渉(国際協調)の時代から、力と取引で決まる時代へ。
まるで戦国時代だな・・・。
(米ウクライナ首脳会談決裂、激しい口論 鉱物協定署名せず)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/YXMT33REKJNZFBN6M4BHK32RHA-2025-02-28/
「両首脳はウクライナの鉱物資源の権益に関する合意文書に署名する予定だったが、記者団の面前でロシアへの対応などを巡り厳しい言葉の応酬が相次ぎ、米当局者によるとゼレンスキー氏は合意文書に署名せず、ホワイトハウスを後にした。」
これは芝居なのかあ?。
余りに素人クサい状況に、浮沈子は驚いた。
首脳会談と言えば、事前に根回しを十分に行い、合意できることとできないことを峻別し、出来ることは思いっきり膨らまし、出来ないことは「今後も引き続き検討する」点で「合意」したことにするのが通例だ。
それさえもできなければ、そもそも首脳会談などは行わない。
米国政府は、今回のゼレンスキーの訪米に反対の立場だったようだ。
(「米国、ゼレンスキー大統領の訪米を直前に取り消し…マクロン大統領の仲裁で実現」)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4e65f0e185e7f171f83972cd181f80291ef70bb2
「仏外交筋によると、ゼレンスキー大統領は26日、米政府から「トランプ大統領に会いに来るべきでない」というメッセージを受けた。」
「これに対しゼレンスキー大統領はマクロン大統領に電話をして支援を要請し、マクロン大統領がトランプ大統領と直接電話をしてゼレンスキー大統領の訪問を受け入れるよう説得」
その挙句の果ての喧嘩別れということなわけで、まあ、首脳外交というより子供の喧嘩みたいなもんだ。
やれやれ・・・。
その意味では、今回の状況がファンダメンタルを反映したものではなく、表層の現象に留まることは間違いない。
ウクライナが、米国の支援なしにロシアと対峙することは不可能だし、差し出すものがない以上、言いなりになるしかないことは変わらない。
マクロンは、この機に乗じて欧州における存在感を高めようとしているけど、それは、まあ、政治的ポジショニングの話で、欧州が束になって支援したとしても、米国抜きのウクライナ支援の限界は変わらない。
ゼレンスキーは揺さぶりを掛けるために直接対決したんだろうが、この暴挙(!)が吉と出るかどうかは分からない。
マクロンも、首脳会談を斡旋した手前、ゼレンスキーの対応を歓迎したとは思えない。
それとも、こうなることを織り込んで、自らの駒として動かしたのかも(そうなのかあ?)。
まあいい。
一寸先は闇の国際政治だが、さざ波に過ぎない2人の衝突をよそに、米ロの関係改善は着々と進んでいる。
中露の引き離しを画策する米国のグランドデザインは健在だ。
ウクライナ紛争の停止も、ロシアがこれ以上中国との関係にのめりこむことを抑止する位置づけだからな。
そこから何らかの直接的見返り(資源やノーベル平和賞?)を得ようというのは、些末にすぎない。
浮沈子は、欧州自体が餌になっていると見ているけど、ロシアが食いつくかどうかはまだ分からない。
が、食いついてくれば、逆に中露の連帯を強化する事態になりかねないからな。
下手の妄想、休むに似たり・・・。
しかし、2年後(2027年)に迫っている台湾併合に向けた動きを考えると、ロシアと欧州がドンパチ始めることは米国にとって短期的に悪いことじゃないかも知れない。
中露が束になって台湾併合を政治的軍事的に強行するよりは、ロシアにとっての2正面作戦になるからな。
そう考えると、欧州と東アジアで同時にドンパチする可能性は高いかも知れない。
米国には、もちろん、これらに直接同時に対応する能力はないから、中露の思惑通り、すんなりと解決するだろう(東欧はロシアの勢力圏、台湾は中国に併合)。
中東におけるガザのレジャーランド化とイスラム諸国の封じ込めで、ユーラシア大陸における米国の役割は終わる。
米国一国主義は、世界に平和をもたらすだろうけど、それが好ましいことなのかどうかは何とも言えない。
そりゃあ、ドンパチよりは平和がいいに決まっているけど、平和の中身も重要だからな。
核大国同士が、政治的に安定し、条約などによってパワーオブバランスを管理し、地域紛争に対する過大な関与を抑制して、欲をかかずにいられるかどうかはいささか疑問だ。
人口問題や技術の進歩、エネルギー需給、資源確保など、考慮すべき要素は多い。
米国は、身の丈に合ったポジションに収まるべく、もぞもぞとぎこちなく動き始めている。
一直線に動いているわけじゃないから、さまざまな軋轢や揺らぎも生じるに違いない。
図体がデカいから、その影響は半端ないしな。
急速な動きは、弱小国家にとっては存亡に係る場合もあるに違いない。
ウクライナは、悪い時期にドンパチ始めちまったことになる(まあ、ロシアが本格侵攻したんでしょうけど)。
外交解決(降伏)ではなく、交戦(防戦)を選択したのはウクライナの選択だ。
初出のロイターの記事には、トランプの本音も透けて見える。
「あなたはギャンブルをしている。何百万人もの人の命を賭け、第三次世界大戦までも賭けている」(トランプ:ゼレンスキーに対して)
「取引に応じなければ、われわれは撤退する。われわれが手を引けば、ウクライナだけで戦うことになる。良い結果にはならない」(同上)
「ゼレンスキー大統領は米国が関与する形での和平には応じる準備ができていない」(トランプ:SNSへの投稿)
「米国の関与が(ロシアとの)交渉で自国(ウクライナ)に大きな優位をもたらすと考えているからだ。私は(ウクラナのロシアとの交渉における)優位性ではなく、(ウクライナにおける)平和(戦闘の停止)を望んでいる。ゼレンスキー氏は米国の神聖な大統領執務室で米国に対し失礼な態度を取った。平和への準備ができた時点で戻ってくれば良い」(同上:カッコ内、浮沈子補足)
このやりとりに、欧州が出る幕はない。
「われわれが手を引けば、ウクライナだけで戦うことになる。」(再掲)
米国が、欧州の戦力をどう評価しているかが分かる。
ウクライナは、結局、米国の意向に沿うしかなくなるだろう。
「トランプ大統領、米議会、米国民に感謝する。ウクライナは公正で永続的な平和を必要としている。われわれその実現に向けて取り組んでいる」(ゼレンスキー:会談後のSNSへの投稿:原文ママ)
大国の戦略に翻弄される周縁国の悲哀だな。
欧州もまた、同じ俎上にある。
ドイツはいよいよフランスの核の傘に入ることを考えているようだが、んなもんはロシアにとっては何の効果もないだろう。
慰めにもなるまい。
欧州にとって、大西洋はますます広くなるに違いない。
うーん、我が国にとっての太平洋はどうなるんだろうな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(「お前たちは勝てない」とトランプ氏 米ウクライナ首脳会談が決裂、記者団を前に口論も)
https://www.sankei.com/article/20250301-A3V6XXRWMVMW3NOEK35YS3D4KE/
「両首脳は会談の冒頭、記者団の前で険悪なやり取りを展開。」
「米国が交渉に関与することで優位に立てると感じているようだ」(トランプ)
ああ、ロシアとの交渉で、ゼレンスキーが優位に立てるという意味か。
米国は、添え物にされたわけだ(そういうことかあ?)。
「会談の冒頭には鉱物資源の取引を提示したトランプ氏への謝意を示し、ロシアのプーチン政権によるウクライナの再侵略を阻止するために米国の防空支援などを要請していた。」
「同席していたバンス副大統領の間で言い合いが起きたことで突然険悪化。」
「トランプ氏は「まずは合意が先決だ」とし、「いかなる合意にも妥協が付き物だ」と主張。」
「途中でバンス氏が割って入り、ロシアによるウクライナ侵略は同国にも責任があるとの趣旨の発言をしたことにゼレンスキー氏が反発を示したことが契機となり、感情的な応酬に発展」
「お前たちは勝てない。俺たちのおかげで現状から脱出できる機会を得たのだ」(トランプ)
両者の認識が埋まるまでには時間が掛かりそうだな。
浮沈子的には、この記事の注目点はウクライナ側が米国の防空支援を求めているという点だ。
停戦後においても、何らかの形で政府支援を繋ぎ止めたい意向ということになる。
資源権益の供与は、そういった米国政府の直接関与をぶった切ることが狙いだから、そこに何らかの支援がオマケに付くことはない。
構造的にないものねだりをしているわけで、元々ムリポな話だ。
そういう無理筋を通すための下話は一切なかったわけで、トップ会談で突破を図って玉砕、売り買いの挙句に喧嘩別れになるという最悪のパターンだな。
ウクライナに選択の余地はない。
米国の言いなりになるか、国家を失うかの二択だ。
(ゼレンスキーとトランプ政権の間で激しい口論、欧州諸国はウクライナ支持を表明)
https://grandfleet.info/us-related/zelensky-and-trump-administration-spar-in-fierce-dispute-european-nations-back-ukraine/
「トランプ政権がゼレンスキー大統領の態度を理由に移送中の全軍事援助(バイデン政権が実行した軍事援助分)の停止を検討している」(Washington Post)
「最強の政治的カードを切ってきたトランプ政権にゼレンスキー大統領が屈するのか、欧州が支援を強化して事態を乗り切るのかが注目される。」(航空万能論ブログ管理人)
欧州の精神的支援だけで乗り切るのはムリポだからな。
そもそも、ウクライナの最大の問題は兵力だ。
欧州は、ロシアとの戦闘中のウクライナに派兵してロシアとドンパチする気はない(マクロンだけかあ?)。
停戦後の平和維持軍にしても、米国の関与が前提とか言ってビビってるしな。
このまま戦闘を続ければ、欧州がありったけの武器を供与したとしても、いずれ継戦能力の限界が来る。
ブダノフは夏までと言っているけど、浮沈子的にはトランス二ストリアに侵攻すれば1年くらいはドンパチ出来ると見ている。
「トランプはゼレンスキーに真実を告げた」「恩知らずの豚は豚小屋の主人から平手打ちを食らった」「これはロシアにとって非常に有益だったが十分ではない」「ウクライナへの軍事援助を止めなければならない」(メドベージェフ元大統領)
うーん、相変わらずなコメントだが、表現はともかく内容は正しい。
米国を含めて西側の支援を止めることが、ロシアにとっては重要だ。
同時に経済制裁の解除も求められる。
米国との交渉では、それも検討されるだろう。
欧州は、ウクライナに引きずられて取り残される運命にある(そうなのかあ?)。
「米国の支援がなければ軍事作戦実施は難しくなるが、そのためにウクライナ国民は自らの価値観を犠牲にする用意はない」(ゼレンスキー大統領)
そう仕向けてきたわけだから、その結果は自らが負うことになる。
浮沈子は正義派じゃないから、ウクライナやロシアが払った莫大な犠牲は愚かに映る。
真の独立戦争を経ずに形だけの独立で主権国家として歩み始めたウクライナは、僅か数十年でとん挫しようとしている。
かつて、ウクライナという国があった(そんなあ!)。
欧州もまた、バイデンにそそのかされてウクライナ支援を続けてきた。
今、自分たちがメニューに載っちまっていると気づいている国は少ない。
バルト3国と東欧諸国くらいか。
マクロンは、欧州におけるフランスのポジションしか頭にないし、英国は米国とのつながりに期待するしか能がない(そうなのかあ?)。
ドイツの政権交代で何かが変わるとは思えず、イタリアは米国との親和性が高いからな。
トルコの出方が気になるところだが、多勢に影響はないだろう。
今後、短期間で情勢が大きく動く可能性もあり、その際に動きの遅い欧州がロシアの餌食になることも想定される。
この夏、ベラルーシでロシアの大演習が予定されている(ゼレンスキーがそう言ってたからな)。
4年前(2021年夏)にも、合同演習が行われ、その後に部隊が残留して2022年の冬(2月24日)に本格侵攻が行われた。
ロシアは戦闘継続と停戦の両睨みで準備を進めるだろう。
自国の停戦条件を譲ることはない(領土的には多少譲るようですが)。
彼らの側からしてみれば、長期の平和につながる話でなければ停戦(短期の戦闘停止)のメリットはあまりない。
長期の平和というのは、ウクライナがNATO加盟を放棄すること、軍隊の規模を劇的に縮小することなどを含む。
NATO構成国の平和維持軍も認めなければ、選挙を経ていない現職の大統領との停戦合意も受け入れないだろう。
これだけ盛り上がっているレアアースの取引は認めたわけだから、そういう話は許容範囲なのかもしれない。
「ロシアからすれば「何も手を下していないのにトランプ政権とウクライナ・欧州が対立していく様子」に笑いが止まら」ないだろう。
プーチンは、これを待っていたわけで、我が意を得たりというところに違いない。
歴史に「もしも」はないと言うけれど、ウクライナが2022年の春にロシアと妥協していれば、こういう事態にはならなかったに違いない。
いや、やっぱ、結果的にドンパチは発生しただろうな。
で、そのひそみに倣えば、バルト3国や東欧諸国も、軒並みロシアの餌食になるわけだ(そうなのかあ?)。
欧州は、ウクライナと運命を共にすることになる。
ウクライナには欧米の支援があっただけ、マシと言えるかもしれない。
欧州にはどこからも支援は届かない。
本物の地獄絵図は、たぶん、これから描かれることになるだろう・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(和やかな雰囲気が一変 口論のきっかけは米副大統領の一言)
https://mainichi.jp/articles/20250301/k00/00m/030/058000c
「ゼレンスキー大統領をお迎えできて光栄です」「あなた方と協力できることを非常に感謝しています」「戦争を「終わらせたい」と強調」「今、少し興奮しているが、本当に興奮するのは交渉がまとまり、合意に達した瞬間だ」(トランプ)
「ご招待に感謝します」「プーチン(露大統領)を止めるために、あなたが強い立場をとっていることを本当に頼りにしている」(ゼレンスキー)
この辺までは、まあ、順当だったわけだ・・・。
「ロシアに肩入れしすぎではないか」(記者団)
「平和、繁栄への道は外交かもしれない」(バンス)
「あなたが話しているのはどんな外交ですか」(ゼレンスキー)
つまりだな、ロシア有利な外交を進めようとする米国をけん制しようとするあまり、ゼレンスキーはトランプ政権の決して触れてはならない逆鱗に触れちまったわけだ。
「あなたは(ロシアとの間を隔てる)素晴らしい海がある」「今は(脅威を)感じていないが、将来感じるだろう。神のご加護を」(ゼレンスキー)
「我々がどう感じるかを決めつけるな。あなたは第三次世界大戦に賭けようとしている」「米国がいなければあなたはタフではいられないだろう。取引をするか、我々が身を引くかのどちらかだ」「もう十分だろう。素晴らしいテレビ番組になっただろう」(トランプ)
やれやれ・・・。
(米ウクライナ首脳会談は決裂、資源取引で署名至らず-激しい口論の末)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-02-28/SSEKSMT0AFB400
「プーチンがやめることは決してなく、さらに先へと進むだろう」「資源合意については「それは可能だが、それだけでは十分ではない」と語った。」(ゼレンスキー氏)
それは事実だろうし、浮沈子的にも間違いないと思う。
が、それは米国の選択であり、合意できなければ会うべきじゃ無かったろうな。
「このようにビジネスを行うのは非常に難しいだろう」「もっと感謝すべきだ。言わせてもらうが、あなたにはカードがないからだ。われわれがいればカードがあるが、われわれがいなければあなたにカードは一切ない」「あなたは第3次世界大戦のリスクを冒しているようなもので、あなたがやっていることは、この国に対して非常に失礼なことだ」「あなたが取引に応じるか、それともわれわれが取引から抜けるかだ。もしわれわれが取引しなければ、あなたは徹底的に戦うことになる」(トランプ氏)
「トランプ氏は、ゼレンスキー氏がプーチン氏に対して「非常に強い憎悪」を抱いていると述べ、その怒りが合意を妨げているとの考えを示唆。」
「私は誰よりもタフな人間になることができるが、そのようなやり方では決して物事を成し遂げられないだろう」(トランプ氏)
トランプがプーチンをたった1本の電話で交渉の場に引きずり出したことは、驚きだった。
その言葉には説得力がある。
トランプは、本気でゼレンスキーの交代を考え始めるかもしれない。
前にも書いたが、米国は支援を止めるだけでウクライナの息の根を止めることが出来る。
停戦(終戦=降伏)には時間が掛かるだろうけど、その方法は確かだ。
怪しげな資源取引などよりも効果的だ。
おそらくバイデン政権の政策よりも、ウクライナの地に早期に平和をもたらすことが出来る。
しかし、そんなことは誰も望んではいないだろう。
何らかの取引、譲歩、断念、放棄が必要だ。
プーチンに対する「非常に強い憎悪」は、その妨げになる。
トランプの見立ては正しいだろう。
ノーベル平和賞は消えたな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(トランプが推し進める米ロ中の世界、この実現にウクライナは邪魔な存在)
https://grandfleet.info/us-related/trump-is-promoting-a-us-russia-china-world-but-ukraine-is-an-obstacle-to-its-realization/
「トランプやヴァンスは公然と『ゼレンスキーにはプーチンに対して交渉材料がない』『ゼレンスキーは感謝もしない恩知らずだ』と攻撃し、3年間続いた米国とウクライナの協力関係が崩れたのは誰の目にも明らかだ。より重要な真実はトランプが推し進めたい核大国による世界=米ロ中の3角関係にとってウクライナを邪魔な存在と見なしていることだ」(NYT:以下同じ)
「過去の民主党・共和党政権は「欧州やアジアの同盟国は我々の大きな戦力であり、平和を維持し、貿易を繁栄させるために不可欠だ」と主張してきた」
「トランプは第二次大戦後に米国が作り上げた体制=民主主義資本にコミットする同盟国との関係を重視し、国際法を遵守し、確立された国際的国境線を尊重するシステムの維持コストが膨大になり、これを米国の力を低下させる傷口だと見なしてきた。」
「トランプは新秩序の構築について「軍事力と経済力を活用する」という以外何も語っておらず、基本的には経済協定や不動産取引を織り交ぜたもので平和が達成できると思っているらしい」
「自分が政権を握っている限り、世界は自分の命令通りに秩序が保てる」
まあ、どうでもいいんですが。
ロシアが3極の1つを担えるかどうかはビミョーだが、米国が地域大国へと変容していく過程で、これまで影響力を行使してきた国々(当然、欧州含む)に強くコミットすることは間違いないだろう。
今、欧州はウクライナ紛争をきっかけにして、想定外の速度でその坂を転がり始めている。
「これがプーチンとトランプの世界だ」「もはや米国はウクライナや欧州に安全保障を提供することに関心がない」「今直ぐ手を打たなければロシアはウクライナを占領してNATOを攻撃するだろう」「集団的自衛権が美辞麗句であると証明されれば欧州はロシア人が好んで使用する『新しい安全保障構造』の中で生きていくことになる」(Telegraph)
「一般的には憲法改正の困難さを鑑みて「トランプの3期目は現実的ではない」という見方が支配的だが、3期目ではなく「2期目の大統領任期を延長する抜け穴」も存在し、共和党全国委員会の元役員はNBC Newsの取材に「トランプは議会を恐怖で支配しているため、彼が2期目の任期を越えてホワイトハウスに居座る可能性が少しでもあれば言いなりになるだろう」と述べており、欧米メディアが言うところ「トランプによる米国帝国主義の復活」は与太話ではなないのかもしれない。」(航空万能論ブログ管理人)
んな裏技使わなくても、バンスが後を引き継いで、向こう12年間のトランプ政権の政策の継続性は保証されている。
今回の首脳会談のぶち壊し方を見れば、その能力(って何?)に疑問を抱く余地はない。
「大統領就任から約5週間の間でデンマークにグリーランドの支配権を寄越せと、パナマに運河の所有権を返せと、カナダに米国の51番目の州になれと、将来的にガザ地区の主権領土を米国が引き取ると言い放った。さらにウクライナの主権についても「米国の関与は終わった」との考えを示し、大統領執務室での口論でウクライナとの経済協定はパージされた。」(NYT)
トランプ就任から2か月も経たないうちに、世界は180度ひっくりかえっちまって、自由と民主主義や正義と公正さはどこへやら、取引と手持ちのカードで勝負する状況になった。
NYTは、米国の内側から、その変化と方向性を的確に捉えている。
トランプ政権の切り札は、まだまだ切られてはいない気がする。
台湾問題が表面化し、朝鮮半島問題が明らかになれば、更なるカードを切ってくるに違いない。
我が国はその時、米国の「手持ちのカード」として使われる恐れがある。
もっとも、中国に対しては、既に米国より輸出輸入とも規模がデカいから、取引材料になるかどうかはビミョーだ。
が、台湾の次が朝鮮半島で、取りが日本というパターンは大いにあり得るな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(「プーチン氏止められなかった」「あなたは感謝していない」米ウクライナ首脳公開口論詳報)
https://www.sankei.com/article/20250301-V2PZLQU56JOOVPKMFVU44A2EHI/
「バンス米副大統領がバイデン前米大統領を批判し、これにゼレンスキー氏が反論したあたりから険悪な雰囲気に。激しくなったやり取りの要旨は以下の通り。」
米国大統領執務室での会話の詳細が掲載されている記事だが、内容は割愛する。
日本語訳で読む限りは、双方が言いたいことを言っているだけで、内容的に新しいことは何もない。
注目すべき点は一つ。
記者「ロシアが停戦合意を破棄したらどうするのか?」
(中略)
トランプ氏「私が言えるのはこれだけだ。プーチン氏はオバマ氏やブッシュ氏との取引を破ったかもしれないし、バイデン氏との取引も破ったかもしれない。何があったのかは知らない。しかし、プーチン氏は私との取引は破らなかった。(以下略)」
プーチンは、おそらく米国との取引を破ってはいない(未確認)。
破るのは、強国との取引ではなく、弱小国家との取引だろう。
破っても問題ないと思えば、躊躇なく破る。
どうやら、この辺りに認識のズレがあって、プーチンへの対応や信頼感が異なるようだ。
喧嘩(外交)は、相手を見て行う。
強そうなやつと、本気で殴り合ったりはしない。
プーチンも同じだ。
ウクライナや欧州諸国との約束は平気で破るだろう。
それは今後も同じだ。
もっと言えば、米国もまた同じなのだ。
ゼレンスキーは、もちろん、そのことを分かってはいる。
西側は、それを国際法のオブラートに包み、先鋭化させないことで偽りの平等を演出している。
その西側の欺瞞を突いたゼレンスキーは、虎の尾を踏んだ。
米国は嘘つきで薄情で日和見だと糾弾した(それも、米国大統領執務室で!)。
トランプ政権側が色をなしたのは、痛いところを突かれたからだな。
交渉事で、相手の弱点を指摘し、揺さぶりをかけて自分の要求を呑ませることは常道だが、相手が悪かったとしか言えない。
米国はウクライナの安全保障から手を引くと決めている。
おそらく、それを覆すことは出来ないだろう。
それは欧州の役割で、地域紛争にのめり込むつもりはないのだ。
(【解説】トランプ氏とゼレンスキー氏の対立 NATOにとって一大危機)
https://www.bbc.com/japanese/articles/crknx28jlgeo
「世間の目の前で繰り広げられた破局は、北大西洋条約機構(NATO)のヨーロッパ諸国とアメリカの間に大きな危機が迫っているという合図でもあった。」
「トランプ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との強力な関係をなんとしても復活させると決意している様子だ。それだけに、欧州は懸念を抱いているのだ。」
「プーチン氏への譲歩が優先され、ウクライナの安全保障ははるかに後れをとった二の次になっている。欧州諸国は自国の安全保障も同じなのではないかと懸念している。」
BBCのジェレミー・ボウエンは、欧州が抱く懸念を端的に指摘している。
が、まだまだ甘い。
自分たちもまた、プーチンのエサになっていることに気付いていない。
或いは、気付かない振りをしている。
イタリアのメローニは、薄々感づいているけど(トランプと発想が同じだからな)、米国を欧州に引き留められると信じている。
バルト3国や東欧諸国はパニックだろう(未確認)。
喜んでいるのはハンガリーとスロバキアだけかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、ド派手なニュースショーに留まると見ている。
米国の軍事支援の即時停止は、早期の停戦に結びつかない。
トランプが言うように、ゼレンスキーがロシアと交渉するカードを奪うからだ。
戦闘は続き、双方の軍隊が疲弊し、別の仲介者(中国かあ?)の介入によって合意に達するまで終わらない。
今年中にはムリポだろうし、ロシアの停戦条件が変わるとは思えないからな。
米国からも欧州からも見放されて孤立無援のまま、ロシアの要求を丸呑みして屈服することになる。
欧州は、自ら見放したとは言わないだろう。
バイデンと同じように、勝てない支援を続け、「できる限りのことをした」というエクスキューズを残しながらウクライナを見殺しにする(そんなあ!)。
米国は、バルト3国と東欧諸国へのロシアの侵攻に介入しない密約をプーチンと結んだ(そうなのかあ?)。
ウクライナへの支援を続ければ続けるほど、欧州は自らの墓穴を掘るという構図が出来上がっている(未確認)。
旧ソ連の影響下にあった東欧などに留まるだろうか?。
浮沈子はそうは思わない。
プーチンの次の政権(メドベージェフかあ?)では、ドイツフランスイタリアスペインを含む欧州全域を狙うだろう。
欧州大戦争は浮沈子の終わりなき妄想だが、その可能性は日々高まっていく気がしている。
ゼレンスキーは、米国がいずれロシアの脅威を感じるようになるとしているけど、それは明確な誤りだ。
米国は、「常に」ロシアの脅威を感じている。
おまいに言われたくない!(トランプの内心のぼやき)。
核大国同士の安全保障は、軍事では到底確保できないからな。
米国がロシアとの関係改善に動いているのは、ウクライナ紛争に引きずられて米国の安全を毀損し続けることを避けるためだ。
それは、バイデン政権と同じ基本スタンスでもある(供与兵器の選定や使用制限はそのためだ)。
手法の違いだけだろう。
その切り替えの早さに、欧州は付いて行けずに立ちすくんでいる。
自分たちが、米国がロシアを釣り上げるためのエサにされていることに、一刻も早く気付いて手を打たなければ、プーチンやその後継者の餌食になることは間違いない。
ドンパチやらずに済めば、それに越したことはないだろうけど(たぶんムリポ!)。
悪いことは言わない。
欧州はウクライナを一刻も早く切るべきだ。
明日は我が身なのだから・・・。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(「トランプ政権はもはや同盟国ではない」オランド前仏大統領が米軍なしのNATO、ロシアと欧州EUを語る)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2bf517ffa84586a65cac283eed7d456f579a33ff
「前フランス大統領であるフランソワ・オランド氏(社会党)は、『ル・モンド』のインタビューに応えた。」
「タイトルは「フランソワ・オランド『ドナルド・トランプはもう我々の同盟相手ではない」(François Hollande : « Donald Trump n’est plus notre allié »)」
「全文ではないがインタビューを訳し、わかりにくい所は解説を加えた。」
浮沈子は、オランド政権の政策は知らない。
記事を読んで、ふーんと感心する。
「記者は「プーチンが他の欧州の国を攻撃することを、恐れていますか」と聞いた。」
「私はプーチンと何度も仕をしてきたが、初めて会ったときから、彼が尊重するのはパワーバランスだけだとわかっていました。彼は止められない限り前進し、私たちが彼に残したものはすべて奪うのです。」
「もし今日、最悪の条件で停戦が実現したら、つまり征服した領土を吸収し、アメリカの援助をすべて撤退させ、ウクライナに対する重大な安全保障を欠くのなら、プーチンはさらに前進するタイミングを待つでしょう。ウクライナへはもちろんのこと、もしその能力があれば、ウクライナを越えるでしょう」
「彼がその時を待っていると私が言うのは、本質的なことです。なぜなら、プーチンは、我々のような時間との関係を持っていないのです。プーチンは、自分の前には一生涯があると思っています。欧州や米国では、指導者にとって唯一の地平線は、任期です」
この認識が妥当とは思えないけど、真実をかすっている気はしている。
政治家の発言だからな。
権力の内部から見れば、そういう風に見えるという参考にはなる。
「・・・私は、アメリカがNATOを脱退するとは思わないが、欧州の地にいる8万人ほどの軍隊を、かなり早い時期に撤退させるかもしれない」
「その場合、ドナルド・トランプは(NATO加盟国が攻撃を受けた場合、全加盟国が攻撃されたとみなして、兵力使用を含む反撃をする「集団的自衛権」を定めた)第5条が自動的に適用され続けることを、確認するつもりがあるのでしょうか。そのことに備えるのは我々です。たとえトランプがいなくても」
オランドは、欧州が置かれている立場をある程度認識している。
トランプ2.0は、一期目とも異なる。
・ウクライナの放棄
・プーチン大統領との直接対話
・米国が国連で、ロシアと北朝鮮と団結して、ウクライナを支援するために欧州が提案した決議案に反対票を投じた
「この回答に対し、記者は「ドナルド・トランプはもはや同盟相手ではないというのなら、敵ですか」と尋ねた。」
「・・・彼の本当の標的は我々であり、彼が主張するように中国ではないことは、疑いようがありません」
敵であれ標的であれ、何らかの関心の的であることには違いないけど、まさかエサにされているとまでは思っていない感じだ。
欧州の政治家の限界だな。
まして、フランスの前大統領だからな。
彼が行っていることの全てに同意できるわけではないけど、米国の離反、欧州の分断、ロシアの脅威増大の中で、主体的に取り組もうとするフランスの意欲は感じる。
欧州という生餌を入れた魚籠(びく)の中での話だけどな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ、根深い不信 トランプ氏は個人的恨みも)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030100328&g=int
「トランプ氏の一方的な振る舞いは、19年にゼレンスキー氏に対して軍事支援などを行うことを条件として、ウクライナと関係のあったバイデン前大統領(当時は前副大統領)の醜聞を捜査するよう要求した事件をほうふつさせる。」
「ゼレンスキー氏はこの時、トランプ氏の求めに応じず、米下院はトランプ氏を弾劾訴追(上院で無罪判決)した。」
うーん、個人的恨みでテレビショーを演出したという話は出来過ぎだと思うんだがな。
鉱物取引に米国の保証を絡めようとした首脳会談は不発だった。
事実はそれに尽きる。
米国は、バイデンが承認した援助を打ち切っていないし、合意の可能性は残されている。
トランプ政権がウクライナ問題より、米ロ関係の改善を優先していることは周知だ。
対中国政策としてのそれは、米国の安全保障のグランドデザインにも合致している。
大統領執務室を舞台にしたテレビショーは、こうした背景の上に乗っかった表層だ。
相手が誰であれ、トランプの番犬であるバンスは噛みついたろうし、調印しなければホワイトハウスを叩き出されるだけの話だ。
停戦交渉が遠のき、戦闘が長期化することは避けられないが、米国の支援が縮小または打ち切りになる可能性は変わらない。
欧州が米国に代わってリスクを負うことは出来ない。
ゼレンスキーが指摘した通り、大西洋を挟んでいるわけじゃないからな(英国はドーバー海峡があるけど、ちっと狭いしな)。
精神的支援と、形ばかりの「負けない支援」がせいぜいで、その間もロシアの攻撃は続く。
ロシアとの直接対決に備える軍備増強の足を引っ張るウクライナ支援。
二律背反の雪隠詰めな欧州に選択の余地はないと思うんだがな・・・。
<もっともっと追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ停戦は世界のパラダイムシフトを引き起こすのか)
https://www.newsweekjapan.jp/kawato/2025/02/post-166_2.php
「・・・自由や人権などのイデオロギーをめぐる無用の対立はもうやめる。他国のレジーム・チェンジを仕掛けてきたネオコンの時代は終わり。互いに干渉するのはやめて自分ファーストでいこう、物事は取引と力で決めよう、ということだ。」
「それは、17世紀の西欧で形成された「主権国家」を解体し、領土すら売買の対象にすることでもある。」
「世界を国境のないサプライチェーンの統一空間に変えた、グローバル大企業の論理だ。」
「もう国家は要らない。」
電脳空間での取引が活発化し、グローバルに商品が飛び交う時代になり、企業にとって国家は邪魔な存在になってきている。
主権国家の解体へ一気に進むとは思えないけど、ウクライナ停戦の動きを見ていると、そんな妄想が羽ばたいてもおかしくないとさえ思えてくる。
相互内政干渉(国際協調)の時代から、力と取引で決まる時代へ。
まるで戦国時代だな・・・。
🚀スターシップ:IFT-8:IFT-7のやり直しだな ― 2025年03月01日 22:37
スターシップ:IFT-8:IFT-7のやり直しだな
(スペースX、先月の不運なスターシップ試験飛行のやり直しを準備)
https://arstechnica.com/space/2025/02/spacex-readies-a-redo-of-last-months-ill-fated-starship-test-flight/
「エンジニアたちは、漏れはおそらく予測より数倍強い調和応答によって引き起こされたと結論付けた。これは宇宙船が宇宙へ上昇する間の振動が宇宙船の固有周波数と共鳴していたことを示唆している。これにより、地上試験からエンジニアが予想したレベルを超えて振動が激化したと考えられる。」
まあ、想定の範囲内の原因で、対策も十分されたんだろう。
「今月初め、SpaceX は次期 Starship 上段ロケットの長時間の静的燃焼を完了し、複数のエンジン推力レベルでハードウェアの変更をテストしました。SpaceX によると、静的燃焼の結果から、Starship の Raptor エンジンへの燃料供給ラインの変更、推進剤温度の調整、次のテスト飛行のための新しい動作推力が決定されました。」(今月:たぶん2月)
「スターシップの屋根裏部分の可燃性に対処するため、現在の世代の宇宙船には追加の通気口と窒素ガスを利用した新しいパージシステムが追加され、推進剤の漏れに対してより強固なエリアが作られる」(スペースX)
「スターシップの今後のアップグレードではラプター3エンジンが導入され、屋根裏の容積が縮小され、この容積に漏れる可能性のあるジョイントの大部分が排除される」(同上)
「連邦規制当局は、スペースXが主導するフライト7の失敗に関する調査を監督した。スペースXは、NASA、国家運輸安全委員会、米国宇宙軍も調査に参加」
「FAAは、スペースXが弾道飛行試験に必要な安全、環境、その他の認可要件をすべて満たしていると判定した」
打ち上げは、日本時間の火曜日(3月4日)に行われる模様だ。
新しい動翼(前方のみ?)や耐熱タイル、ペッツドアからのダミー衛星の射出など、IFT-7のやり直しになる。
それらは、全て重要なマイルストーンで、2段目の再使用というロケット工学上の金字塔を打ち立てることにも繋がる(ホットステージ対策の段間リングは、まだ使い捨てだけどな)。
浮沈子は、所要があってライブでは見られないけど、今度は「予定外の急速な分解(=炎上爆発木っ端微塵での墜落!)」にはならないだろう(残念・・・)。
まあ、どうでもいいんですが。
NASAの行く末や、SLSの今後の打ち上げが危うくなる中、スターシップの開発だけは順風満帆で続いている。
転んでもただでは起きず、失敗は成功のもとを具現している。
打ち上げロケットの常識を根底から覆すスターシップ。
浮沈子は当初、このロケットの成功に懐疑的だったが、現在は成功を確信している。
その技術的進展に喝采を送りたい。
が、まだまだ道のりは長いだろう。
年内に2段目の回収を成功させられれば上出来だし、ペッツドアからの本物の衛星(スターリンクⅤ3)の射出に成功すれば大金星だ(これは意外に早いかも:当面は2段目は使い捨てで運用するだろうな)。
そのためには、軌道上再点火の安定性を確立する必要がある。
再使用に向けての様々な条件を確定し、改良を重ねることになる。
もちろん、今は使い捨てになっているホットステージ用段間リングの問題も解決しなければならない。
まともな運用に入るには、まだ数年を要するだろうけど、部屋の中のゾウが解き放たれれば、打ち上げロケット業界には激震が走るだろう。
実績を積んで有人飛行をものに出来れば、火星はともかく、少なくとも月世界旅行くらいは商業化できるかもしれない。
大陸間弾道旅客ロケットも飛ばせるかもな・・・。
(スペースX、先月の不運なスターシップ試験飛行のやり直しを準備)
https://arstechnica.com/space/2025/02/spacex-readies-a-redo-of-last-months-ill-fated-starship-test-flight/
「エンジニアたちは、漏れはおそらく予測より数倍強い調和応答によって引き起こされたと結論付けた。これは宇宙船が宇宙へ上昇する間の振動が宇宙船の固有周波数と共鳴していたことを示唆している。これにより、地上試験からエンジニアが予想したレベルを超えて振動が激化したと考えられる。」
まあ、想定の範囲内の原因で、対策も十分されたんだろう。
「今月初め、SpaceX は次期 Starship 上段ロケットの長時間の静的燃焼を完了し、複数のエンジン推力レベルでハードウェアの変更をテストしました。SpaceX によると、静的燃焼の結果から、Starship の Raptor エンジンへの燃料供給ラインの変更、推進剤温度の調整、次のテスト飛行のための新しい動作推力が決定されました。」(今月:たぶん2月)
「スターシップの屋根裏部分の可燃性に対処するため、現在の世代の宇宙船には追加の通気口と窒素ガスを利用した新しいパージシステムが追加され、推進剤の漏れに対してより強固なエリアが作られる」(スペースX)
「スターシップの今後のアップグレードではラプター3エンジンが導入され、屋根裏の容積が縮小され、この容積に漏れる可能性のあるジョイントの大部分が排除される」(同上)
「連邦規制当局は、スペースXが主導するフライト7の失敗に関する調査を監督した。スペースXは、NASA、国家運輸安全委員会、米国宇宙軍も調査に参加」
「FAAは、スペースXが弾道飛行試験に必要な安全、環境、その他の認可要件をすべて満たしていると判定した」
打ち上げは、日本時間の火曜日(3月4日)に行われる模様だ。
新しい動翼(前方のみ?)や耐熱タイル、ペッツドアからのダミー衛星の射出など、IFT-7のやり直しになる。
それらは、全て重要なマイルストーンで、2段目の再使用というロケット工学上の金字塔を打ち立てることにも繋がる(ホットステージ対策の段間リングは、まだ使い捨てだけどな)。
浮沈子は、所要があってライブでは見られないけど、今度は「予定外の急速な分解(=炎上爆発木っ端微塵での墜落!)」にはならないだろう(残念・・・)。
まあ、どうでもいいんですが。
NASAの行く末や、SLSの今後の打ち上げが危うくなる中、スターシップの開発だけは順風満帆で続いている。
転んでもただでは起きず、失敗は成功のもとを具現している。
打ち上げロケットの常識を根底から覆すスターシップ。
浮沈子は当初、このロケットの成功に懐疑的だったが、現在は成功を確信している。
その技術的進展に喝采を送りたい。
が、まだまだ道のりは長いだろう。
年内に2段目の回収を成功させられれば上出来だし、ペッツドアからの本物の衛星(スターリンクⅤ3)の射出に成功すれば大金星だ(これは意外に早いかも:当面は2段目は使い捨てで運用するだろうな)。
そのためには、軌道上再点火の安定性を確立する必要がある。
再使用に向けての様々な条件を確定し、改良を重ねることになる。
もちろん、今は使い捨てになっているホットステージ用段間リングの問題も解決しなければならない。
まともな運用に入るには、まだ数年を要するだろうけど、部屋の中のゾウが解き放たれれば、打ち上げロケット業界には激震が走るだろう。
実績を積んで有人飛行をものに出来れば、火星はともかく、少なくとも月世界旅行くらいは商業化できるかもしれない。
大陸間弾道旅客ロケットも飛ばせるかもな・・・。
😼欧州大戦争:ウクライナ戦線:核武装再び ― 2025年03月02日 09:49
欧州大戦争:ウクライナ戦線:核武装再び
(米との会談決裂でウクライナに動揺広がる 「核兵器募金」に1日で8300万円)
https://www.sankei.com/article/20250302-BQRFNRMPGZKJXAHOHBFCTJG32E/
「米国の軍事支援停止が現実味を帯びたことを受け、地元実業家が「核(兵器開発)のため」との名目で募金を始めたところ、1日で2300万フリブナ(約8300万円)が集まったという。」
なんと!。
「「核のため」としたのは「冗談だった」と謝罪し、募金はドローン(無人機)や人道支援物資の購入費として寄付すると表明」
なーんだ・・・。
しかし、冗談とは言え、ウクライナが核武装する選択肢が残っていることを示したことに変わりはない。
NATO加盟か核武装か。
ゼレンスキー自身が示した選択肢だ。
米国との関係がぎくしゃくする中で、ウクライナの核兵器への傾斜が進んできているとしても不思議ではない。
が、まあ、実際の話、それはないだろうけど。
浮沈子的には、第5条の発動なんか出来っこないNATO加盟よりは、モスクワに届く弾道ミサイルと共に、数十発の核兵器を持つ方が効果的な抑止力になると見ているんだがな。
少なくとも、トランプが提示したレアアースよりはマシだ。
もちろん、ロシアがそれを許すことはないだろう。
外交的に認めないことはもちろん、実力で排除しに掛かるに違いない。
その際の手段は選ばないだろうから、当然、ウクライナでの核兵器の使用も選択肢となる。
そのリスクを取っても、ウクライナは核兵器所有による安全保障を目指すだろうか?。
米国からの寄付が大きい(2位)というのは意外だ。
やはり、核大国の発想は違うな。
核の傘の幻想を何十年も見続けている我が国に住んでいると、核兵器の所有や実際の行使という話は、どこか浮世離れして聞こえる。
米国では、核兵器は「使われることが想定されている兵器」なんだろう(未確認)。
当然、ロシアにとってもその位置付けは同じだ。
しかも、使用に当たっての閾値は遥かに低い。
ウクライナによるクルスク侵攻で、核兵器が使用されるリスクは高まったけど、最近は占領地も相当縮小してきたからな。
(交渉材料を巡る戦い、ウクライナ軍はクルスク州の占領地を失う状況が続く)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/fighting-for-bargaining-chips-sees-ukrainian-forces-losing-territory-in-kursk-oblast/
「ロシア軍がウクライナ軍をクルスクから追い出す取り組みを強化している」(RYBAR)
「ロシア軍がスームィ州国境付近まで前進した」(DEEP STATE)
ISW(戦争研究所)の地図で見ても、最大版図の半分以下になっちまったことは明らかだ(画像参照)。
この分で行くと、夏までには更に減っちまうだろうな。
浮沈子の妄想では、この地で秘密裏に開発した核で爆発を起こし、ロシアを恫喝するはずだったんだが、その可能性は消えた(そうなのかあ?)。
ウクライナ紛争の教訓は、核を手放してはならないということだ(そういうことかあ?)。
そして、トランプ2.0においては、米国の核の傘が当てにならないということも。
ドイツは、フランスが提供する核の傘の下に入ることを以前から検討しているけど、いよいよ現実の問題になってきている。
縮退する米国の影響力を考慮し、さらに地政学的状況を勘案すれば、我が国においても核武装による安全保障の確保は真に現実的な選択肢だろう。
それは、米国にとっても北東アジアにおける抑止力を高める点で、必ずしも否定される選択肢ではないかも知れない(未確認)。
まあ、どうでもいいんですが。
確認しておこう。
ウクライナには核兵器で再武装する十分な動機がある。
瓢箪から駒が出ると言うが、冗談から核が出るかもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(日本の核武装が「どう考えても無理」な具体的根拠)
https://toyokeizai.net/articles/-/828411?
「中国や北朝鮮にアメリカ本土を攻撃できる能力があれば、アメリカが自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ません。自国で核を保有するのか、しないのか。それ以外に選択肢はない」(エマニュエル・トッド)
「アメリカが絶対に核を日本に持たせたくないからです。日本はかつてアメリカと戦争をした国ですから、持たせるはずがないのです。何十年経とうと、アングロ・サクソンという民族は、戦争で敵対した記憶を絶対に忘れないのです。」(佐藤優)
「いま日本では『核シェアリング』が議論されていると聞いています。しかし、『核共有』という概念は完全にナンセンスです」と述べ、さらに、「『核の傘』も幻想です。使用すれば自国も核攻撃を受けるリスクのある核兵器は、原理的に他国のためには使えないからです」エマニュエル・トッド)
「私はこの非核三原則には意味がないと考えています。なぜなら、アメリカは、アメリカの艦船が核兵器を搭載しているか否かについてはいっさい発言しません。核兵器を持ち込んでいてもノーコメントですし、持ち込んでいなくてもノーコメントなのです。」(佐藤優)
うーん、やっぱ核武装はだめかあ・・・。
「アメリカのように、ネバダ砂漠やアリゾナ州のような広大な無人地域があったり、ロシアのように広大なシベリアがあるなど、国土が広くないと、地上に核基地は置けない」(佐藤優:以下同じ)
「原子力潜水艦の技術はどの国も提供してはくれませんから、日本で自力開発するしかありません。それには10年ほどの時間と莫大な資金が必要になる。つまりは、ハードルが多過ぎるのです。」
「原潜とほぼ同じ性能で、1年中、水中に潜っていられるそうりゅう型の潜水艦を三菱重工と川崎重工でつくっている状況」
そんなら、そうりゅう型潜水艦に搭載すればいいだけの話だと思うんだがな。
まあいい。
米国が我が国に核保有を認めないだろうということ、極秘裏に開発したとしても核実験ができそうもないことは分かった。
つまり、米国が認めて開発済みの核弾頭をくれれば、自国の潜水艦に積んで自前の核抑止力を所有できるわけだ。
英国も似たようなことをやっているけど、核弾頭と原潜は自前だ(ミサイルは米国から購入?)。
オーストラリアは原潜を所有すると言われているし、インド太平洋地域における中国の台頭にどう対抗するかというグランドデザインの中で、我が国の核保有が実現するかどうかはビミョーだ。
やっぱ、トランプ(バンスかあ?)のディールの材料にされて、中国に売り渡されちまうんだろうな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(「米国が軍事支援停止検討」 米報道 会談決裂でウクライナに暗雲)
https://mainichi.jp/articles/20250302/k00/00m/030/127000c
「米紙ワシントン・ポストは、米政権が会談の決裂を受けて、ウクライナへの軍事支援の停止を検討していると報じた。」
実際に、バイデンが承認した軍事支援を止めることはないだろう。
が、トランプが新たに追加承認するかどうかはビミョーだ。
「米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、当局者や専門家は、ウクライナは米国の支援がなくても少なくとも数カ月は現在の戦闘能力を維持できる可能性が高いとみている。」
やっぱ、夏が勝負だろうな。
しかしその間も、戦闘の質や量の低下は、米国が提供するロシア軍の動向に関する情報の欠如によって避けがたいものになるだろう。
スターリンクの有無も影響が大きい。
トランプが完全にウクライナを見捨てたりすれば、当然ウクライナのスターリンク接続は遮断される。
(米 “鉱物資源権益協議 ウクライナのスターリンク遮断言及か”)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250222/k10014730431000.html
「合意に至らなければ、インターネット接続サービス「スターリンク」を遮断する可能性」
首脳会談の決裂を受けて、米国がどう出るかに注目が集まっている。
ゼレンスキーは、停戦を急ぐトランプの足元を見透かしたような態度だからな(そうなのかあ?)。
このチキンレースがどうなるかは分からない。
トランプは、ウクライナを事実上無視して、プーチンとの関係改善を進めるだろう。
このままだとゼレンスキーは、徒手空拳でプーチンと対決せざるを得ない。
米国の支援なく、ロシアと戦闘を継続することが出来る期間は数か月だ。
そして、その間も戦闘の質と量は制限され続ける。
ムリポだ・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(日本はもう「トランプのアメリカ」には頼れない…ヴァンス副大統領演説の衝撃と、いよいよ始まる「新たな戦前」)
https://gendai.media/articles/-/147815
「ヴァンスのスピーチが周辺国に大きな衝撃を与えたのは、彼が「政治的ただしさ」をものともしない毒舌だったから……ではない。」
「アメリカの同盟国の人びとのなかに大なり小なりあった“アメリカへの甘え”を見透かすような、いわば図星を突くような内容だったからだ。」
この記事は、なかなか刺さるものがある。
我が国の核武装、米国撤退後の安全保障について、改めて考えさせられる。
「私は日本が軍事大国になってほしいとか核保有国になってほしいとか強く願うことはこれまでなかったし、その思いはこれからも変わらない。多くの日本人も同じ思いのはずだ。」
「だが、われわれ日本人が望むと望まざるとにかかわらず「最悪の場合、アメリカがそういう大役(汚れ役)を代わりにやってくれるだろう」という期待があったからこそ、真剣に考えずに済んでいた側面があったことは否定できない。」
「ウクライナの惨状は「あれこれ綺麗事を言ったところで、結局は核兵器なしで覇権国家から独立を守ることは難しい」という、核のない平和な世界を望む世界中の人々にとって身も蓋もない残念な教訓を示してしまったようにも見える。」
しかしなあ、人類はそこまで愚かなんだろうか?。
ドンパチと、ドンパチを前提とした恫喝に依存したパワーオブバランスの上でしか生きられないというのは、いかにも、いかにも情けない気がする。
「アメリカ人はそういう「アメリカのケツ持ちありきで綺麗事を語り、理想論ばかりの政治に奔走する国」にいい加減ウンザリしているのだろう」
やれやれ・・・。
米国無き世界に向けて、我が国も準備を進める必要がある気がするんだがな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(態度改善か大統領辞任を、ゼレンスキー氏に米議長らが圧力)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/ZTXVOMNDEVKRDGS4NYCIG5WGHY-2025-03-03/
「相手を侮辱し、敵対していては交渉のテーブルに着かせることはできない」(ルビオ米国務長官)
まあ、それはそうだろうな。
仮にプーチンと交渉のテーブルに着いたとしても、相手を人殺し盗人犯罪者人非人呼ばわりするようでは、たとえそれが事実であったとしても停戦成立はおぼつかないだろう。
ゼレンスキーがその立場にないことは、良し悪しは別にして、誰の目にも明らかだ。
「われわれと交渉し、最終的にロシアと交渉して戦争を終結させられるリーダーが必要だ」(ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当))
ひょっとすると、鉱物資源(レアアースその他ありとあらゆるウクライナの金目になりそうな資源全部!)の取引は、「こいつをプーチンとの交渉の場に出していいかどうか」を見極めるための踏み絵だったのかも知れない。
ゼレンスキーは、踏まなかった。
トランプ政権は、これ以上の交渉は困難だと見ている。
「(ウクライナに)和平の準備ができれば、われわれは再び関与する用意がある」(ルビオ米国務長官)
節を屈せばウクライナ国民に見放され、筋を通せば米国に見放される。
「首脳会談決裂後、ゼレンスキー氏やウクライナのシビハ外相とは話していない」(同上)
トランプ政権がゼレンスキー政権を切り捨てるのは時間の問題だ(もう、切っちゃったかも!)。
時間か・・・。
ウクライナに残された時間は少ない。
選挙をやるなら、すぐにでも始めないとな・・・。
(米との会談決裂でウクライナに動揺広がる 「核兵器募金」に1日で8300万円)
https://www.sankei.com/article/20250302-BQRFNRMPGZKJXAHOHBFCTJG32E/
「米国の軍事支援停止が現実味を帯びたことを受け、地元実業家が「核(兵器開発)のため」との名目で募金を始めたところ、1日で2300万フリブナ(約8300万円)が集まったという。」
なんと!。
「「核のため」としたのは「冗談だった」と謝罪し、募金はドローン(無人機)や人道支援物資の購入費として寄付すると表明」
なーんだ・・・。
しかし、冗談とは言え、ウクライナが核武装する選択肢が残っていることを示したことに変わりはない。
NATO加盟か核武装か。
ゼレンスキー自身が示した選択肢だ。
米国との関係がぎくしゃくする中で、ウクライナの核兵器への傾斜が進んできているとしても不思議ではない。
が、まあ、実際の話、それはないだろうけど。
浮沈子的には、第5条の発動なんか出来っこないNATO加盟よりは、モスクワに届く弾道ミサイルと共に、数十発の核兵器を持つ方が効果的な抑止力になると見ているんだがな。
少なくとも、トランプが提示したレアアースよりはマシだ。
もちろん、ロシアがそれを許すことはないだろう。
外交的に認めないことはもちろん、実力で排除しに掛かるに違いない。
その際の手段は選ばないだろうから、当然、ウクライナでの核兵器の使用も選択肢となる。
そのリスクを取っても、ウクライナは核兵器所有による安全保障を目指すだろうか?。
米国からの寄付が大きい(2位)というのは意外だ。
やはり、核大国の発想は違うな。
核の傘の幻想を何十年も見続けている我が国に住んでいると、核兵器の所有や実際の行使という話は、どこか浮世離れして聞こえる。
米国では、核兵器は「使われることが想定されている兵器」なんだろう(未確認)。
当然、ロシアにとってもその位置付けは同じだ。
しかも、使用に当たっての閾値は遥かに低い。
ウクライナによるクルスク侵攻で、核兵器が使用されるリスクは高まったけど、最近は占領地も相当縮小してきたからな。
(交渉材料を巡る戦い、ウクライナ軍はクルスク州の占領地を失う状況が続く)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/fighting-for-bargaining-chips-sees-ukrainian-forces-losing-territory-in-kursk-oblast/
「ロシア軍がウクライナ軍をクルスクから追い出す取り組みを強化している」(RYBAR)
「ロシア軍がスームィ州国境付近まで前進した」(DEEP STATE)
ISW(戦争研究所)の地図で見ても、最大版図の半分以下になっちまったことは明らかだ(画像参照)。
この分で行くと、夏までには更に減っちまうだろうな。
浮沈子の妄想では、この地で秘密裏に開発した核で爆発を起こし、ロシアを恫喝するはずだったんだが、その可能性は消えた(そうなのかあ?)。
ウクライナ紛争の教訓は、核を手放してはならないということだ(そういうことかあ?)。
そして、トランプ2.0においては、米国の核の傘が当てにならないということも。
ドイツは、フランスが提供する核の傘の下に入ることを以前から検討しているけど、いよいよ現実の問題になってきている。
縮退する米国の影響力を考慮し、さらに地政学的状況を勘案すれば、我が国においても核武装による安全保障の確保は真に現実的な選択肢だろう。
それは、米国にとっても北東アジアにおける抑止力を高める点で、必ずしも否定される選択肢ではないかも知れない(未確認)。
まあ、どうでもいいんですが。
確認しておこう。
ウクライナには核兵器で再武装する十分な動機がある。
瓢箪から駒が出ると言うが、冗談から核が出るかもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(日本の核武装が「どう考えても無理」な具体的根拠)
https://toyokeizai.net/articles/-/828411?
「中国や北朝鮮にアメリカ本土を攻撃できる能力があれば、アメリカが自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ません。自国で核を保有するのか、しないのか。それ以外に選択肢はない」(エマニュエル・トッド)
「アメリカが絶対に核を日本に持たせたくないからです。日本はかつてアメリカと戦争をした国ですから、持たせるはずがないのです。何十年経とうと、アングロ・サクソンという民族は、戦争で敵対した記憶を絶対に忘れないのです。」(佐藤優)
「いま日本では『核シェアリング』が議論されていると聞いています。しかし、『核共有』という概念は完全にナンセンスです」と述べ、さらに、「『核の傘』も幻想です。使用すれば自国も核攻撃を受けるリスクのある核兵器は、原理的に他国のためには使えないからです」エマニュエル・トッド)
「私はこの非核三原則には意味がないと考えています。なぜなら、アメリカは、アメリカの艦船が核兵器を搭載しているか否かについてはいっさい発言しません。核兵器を持ち込んでいてもノーコメントですし、持ち込んでいなくてもノーコメントなのです。」(佐藤優)
うーん、やっぱ核武装はだめかあ・・・。
「アメリカのように、ネバダ砂漠やアリゾナ州のような広大な無人地域があったり、ロシアのように広大なシベリアがあるなど、国土が広くないと、地上に核基地は置けない」(佐藤優:以下同じ)
「原子力潜水艦の技術はどの国も提供してはくれませんから、日本で自力開発するしかありません。それには10年ほどの時間と莫大な資金が必要になる。つまりは、ハードルが多過ぎるのです。」
「原潜とほぼ同じ性能で、1年中、水中に潜っていられるそうりゅう型の潜水艦を三菱重工と川崎重工でつくっている状況」
そんなら、そうりゅう型潜水艦に搭載すればいいだけの話だと思うんだがな。
まあいい。
米国が我が国に核保有を認めないだろうということ、極秘裏に開発したとしても核実験ができそうもないことは分かった。
つまり、米国が認めて開発済みの核弾頭をくれれば、自国の潜水艦に積んで自前の核抑止力を所有できるわけだ。
英国も似たようなことをやっているけど、核弾頭と原潜は自前だ(ミサイルは米国から購入?)。
オーストラリアは原潜を所有すると言われているし、インド太平洋地域における中国の台頭にどう対抗するかというグランドデザインの中で、我が国の核保有が実現するかどうかはビミョーだ。
やっぱ、トランプ(バンスかあ?)のディールの材料にされて、中国に売り渡されちまうんだろうな・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(「米国が軍事支援停止検討」 米報道 会談決裂でウクライナに暗雲)
https://mainichi.jp/articles/20250302/k00/00m/030/127000c
「米紙ワシントン・ポストは、米政権が会談の決裂を受けて、ウクライナへの軍事支援の停止を検討していると報じた。」
実際に、バイデンが承認した軍事支援を止めることはないだろう。
が、トランプが新たに追加承認するかどうかはビミョーだ。
「米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、当局者や専門家は、ウクライナは米国の支援がなくても少なくとも数カ月は現在の戦闘能力を維持できる可能性が高いとみている。」
やっぱ、夏が勝負だろうな。
しかしその間も、戦闘の質や量の低下は、米国が提供するロシア軍の動向に関する情報の欠如によって避けがたいものになるだろう。
スターリンクの有無も影響が大きい。
トランプが完全にウクライナを見捨てたりすれば、当然ウクライナのスターリンク接続は遮断される。
(米 “鉱物資源権益協議 ウクライナのスターリンク遮断言及か”)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250222/k10014730431000.html
「合意に至らなければ、インターネット接続サービス「スターリンク」を遮断する可能性」
首脳会談の決裂を受けて、米国がどう出るかに注目が集まっている。
ゼレンスキーは、停戦を急ぐトランプの足元を見透かしたような態度だからな(そうなのかあ?)。
このチキンレースがどうなるかは分からない。
トランプは、ウクライナを事実上無視して、プーチンとの関係改善を進めるだろう。
このままだとゼレンスキーは、徒手空拳でプーチンと対決せざるを得ない。
米国の支援なく、ロシアと戦闘を継続することが出来る期間は数か月だ。
そして、その間も戦闘の質と量は制限され続ける。
ムリポだ・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(日本はもう「トランプのアメリカ」には頼れない…ヴァンス副大統領演説の衝撃と、いよいよ始まる「新たな戦前」)
https://gendai.media/articles/-/147815
「ヴァンスのスピーチが周辺国に大きな衝撃を与えたのは、彼が「政治的ただしさ」をものともしない毒舌だったから……ではない。」
「アメリカの同盟国の人びとのなかに大なり小なりあった“アメリカへの甘え”を見透かすような、いわば図星を突くような内容だったからだ。」
この記事は、なかなか刺さるものがある。
我が国の核武装、米国撤退後の安全保障について、改めて考えさせられる。
「私は日本が軍事大国になってほしいとか核保有国になってほしいとか強く願うことはこれまでなかったし、その思いはこれからも変わらない。多くの日本人も同じ思いのはずだ。」
「だが、われわれ日本人が望むと望まざるとにかかわらず「最悪の場合、アメリカがそういう大役(汚れ役)を代わりにやってくれるだろう」という期待があったからこそ、真剣に考えずに済んでいた側面があったことは否定できない。」
「ウクライナの惨状は「あれこれ綺麗事を言ったところで、結局は核兵器なしで覇権国家から独立を守ることは難しい」という、核のない平和な世界を望む世界中の人々にとって身も蓋もない残念な教訓を示してしまったようにも見える。」
しかしなあ、人類はそこまで愚かなんだろうか?。
ドンパチと、ドンパチを前提とした恫喝に依存したパワーオブバランスの上でしか生きられないというのは、いかにも、いかにも情けない気がする。
「アメリカ人はそういう「アメリカのケツ持ちありきで綺麗事を語り、理想論ばかりの政治に奔走する国」にいい加減ウンザリしているのだろう」
やれやれ・・・。
米国無き世界に向けて、我が国も準備を進める必要がある気がするんだがな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(態度改善か大統領辞任を、ゼレンスキー氏に米議長らが圧力)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/ZTXVOMNDEVKRDGS4NYCIG5WGHY-2025-03-03/
「相手を侮辱し、敵対していては交渉のテーブルに着かせることはできない」(ルビオ米国務長官)
まあ、それはそうだろうな。
仮にプーチンと交渉のテーブルに着いたとしても、相手を人殺し盗人犯罪者人非人呼ばわりするようでは、たとえそれが事実であったとしても停戦成立はおぼつかないだろう。
ゼレンスキーがその立場にないことは、良し悪しは別にして、誰の目にも明らかだ。
「われわれと交渉し、最終的にロシアと交渉して戦争を終結させられるリーダーが必要だ」(ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当))
ひょっとすると、鉱物資源(レアアースその他ありとあらゆるウクライナの金目になりそうな資源全部!)の取引は、「こいつをプーチンとの交渉の場に出していいかどうか」を見極めるための踏み絵だったのかも知れない。
ゼレンスキーは、踏まなかった。
トランプ政権は、これ以上の交渉は困難だと見ている。
「(ウクライナに)和平の準備ができれば、われわれは再び関与する用意がある」(ルビオ米国務長官)
節を屈せばウクライナ国民に見放され、筋を通せば米国に見放される。
「首脳会談決裂後、ゼレンスキー氏やウクライナのシビハ外相とは話していない」(同上)
トランプ政権がゼレンスキー政権を切り捨てるのは時間の問題だ(もう、切っちゃったかも!)。
時間か・・・。
ウクライナに残された時間は少ない。
選挙をやるなら、すぐにでも始めないとな・・・。
😼LLSVP:海洋島玄武岩と月の成り立ち ― 2025年03月04日 00:58
LLSVP:海洋島玄武岩と月の成り立ち
地磁気反転は浮沈子の地球科学的興味の対象だ。
南大西洋異常帯(サウスアトランティックアノマリー:SAA)については、「けんてーごっこ」の初代合格者でもある。
(南大西洋異常帯)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/04/17/6416061
「「南大西洋異常帯検定」なるページがあったので、チャレンジして見事合格した」
「(たった2問ですが)」
まあ、どうでもいいんですが。
他にも関連記事を書いている。
(新型コロナと地磁気異常の怪しい関係)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/30/9252394
「浮沈子は、南大西洋異常帯のけんてーごっこ初代被認定者である(エッヘン!:アホか・・・)。」
ちなみに、当時は見ることが出来た関連動画はリンク切れしていた。
まあいい。
久々にSAAのウィキ(英語版)を開いたら、ちょっと気になる記述が増えていた。
(南大西洋異常)
https://en.wikipedia.org/wiki/South_Atlantic_Anomaly
「南大西洋異常は、アフリカ大低せん断速度地域と呼ばれる地球内部の非常に密度の高い岩石の巨大な貯留層によって引き起こされると思われます。」
この記述は日本語版にはない。
「大低せん断速度地域」って、なーに?。
(LLSVP)
https://ja.wikipedia.org/wiki/LLSVP
「巨大低速度領域(きょだいていそくどりょういき、英語: Large low-shear-velocity provinces : LLSVP あるいは LLVP) とは、地球のマントル最下部に存在する大規模な構造の集まり」
「これらの領域ではせん断速度が小さいことが特徴であり、地震波トモグラフィーによって発見された。主要な2つの領域が太平洋とアフリカの下に数千 kmスケールで存在」
「せん断速度」というのがワケワカだが、グーグルAIが関連の論文(のプレス記事)を見つけてきた(流体の運動に関係した値らしい)。
(下部マントル深部の地震波速度異常(LLSVPs)を解き明かす鍵(プレスリリース))
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2016/160919/
「地震波速度の解析により、深さ660kmから2900kmの領域は下部マントルと呼ばれる層が存在していることが分かっています。また2000kmよりも深いところでは地域的な地震波速度異常が観測されています。」
「地震波速度には縦波音速VPと横波音速VSがありますが、ここでは両者から計算されるバルク音速VBと横波音速VSを用いて話を進めます。」
「太平洋とアフリカ大陸の地下では、平均的な値よりもVBが速く、VSが遅くなっています。この異常を示す区域は、LLSVPs(Large Low Share Velocity Provinces)と呼ばれています。」(原文ママ:Share←Shearの間違い)
うーん、なんだか余計ワケワカになっちまった気がするけど、地震波の伝わり方が下部マントル層において異常値を示す巨大構造があるということらしい。
で、ウィキの英語版を見てみた。
(大きな低せん断速度地域)
https://en.wikipedia.org/wiki/Large_low-shear-velocity_provinces
「主な地域には、アフリカLLSVPと太平洋LLSVPの2つがあり、どちらも核マントル境界から横方向に数千キロメートル、垂直方向には最大1,000キロメートルに及ぶ可能性がある。これらは、プレートテクトニクスの分野で著名な2人の地質学者、(ジョン)ツゾー・ウィルソンとW(ウィリアム)・ジェイソン・モーガンにちなんで、それぞれツゾーとジェイソンと名付けられている。」(画像参照)
「LLSVP はまだ比較的謎に包まれており、その性質、起源、地球力学的効果については多くの疑問が残っています。」
で、その起源のところを読んで驚いた。
「現在、LLSVP に関する有力な仮説は、沈み込んだ海洋スラブの蓄積である。」
まあ、こっちの方はありきたりな気がする。
地殻などの岩石層(リソスフェア)が沈み込む
→コアとマントルの境界でLLSVPに化ける(ちょっと違う?)
→その真上に小さなプルームの小さなクラスターが形成
→それが組み合わさってより大きなプルームを形成
→さらにスーパープルームになる
驚いたのはこっち。
「LLSVP の起源として提案されているもう 1 つの説は、その形成が巨大衝突仮説に関連しているというものです。」
「地球がテイアと呼ばれる惑星サイズの天体に衝突した後に月が形成」
「LLSVP はテイアのマントルの破片が地球の核マントル境界まで沈んだものである可能性」
「マントルの破片の密度が高いのは、地球のマントルの他の部分と比較して鉄 (II) 酸化物に富んでいるためです。この鉄 (II) 酸化物の組成が高いことは、月のサンプルの同位体地球化学や、LLSVP の上にある海洋島玄武岩の同位体地球化学とも一致しています。」
何か困った時に、地球外由来のアイテムに頼るというのは、生命の起源の話でも出てくる手法だがな。
まあいい。
真偽のほどは分からないけど、化学組成を説明しやすいというメリットはありそうな気もする。
「海洋島玄武岩」というのも聞きなれない。
(海洋島玄武岩)
https://en.wikipedia.org/wiki/Ocean_island_basalt
「海洋島玄武岩(OIB:Ocean island basalt)は、プレート境界から離れた海洋で噴火した火山岩で、通常は玄武岩質の組成をしています。」
「拡大中心(発散型プレート境界)で噴火する中央海嶺玄武岩(MORB)や沈み込み帯(収束型プレート境界)で噴火する火山弧溶岩とは異なり、海洋島玄武岩はプレート内火山活動の結果です。」
「中央海嶺の上にあるアイスランドや沈み込み帯の近くにあるサモアなど、海洋島の玄武岩の位置はプレート境界と一致する場合もあります。」
こっちも、なかなかややっこしそうだ。
「多くの海洋島玄武岩は火山ホットスポットで噴火する。」
「マントルプルーム上の地球の地殻プレートの相対運動により、年代が進むにつれて火山島と海山の連鎖が形成され、最も新しい活火山はマントルプルームの軸より上に位置し、より古い休火山はプルームの導管から次第に遠ざかる位置に位置するようになります」
「たとえば、ハワイ-天皇海山連鎖の最も古い海山は、8000万年以上前のものです。」
「海洋島の玄武岩はすべてマントルプルームの産物というわけではありません。」
「地球のマントルにおける海洋島玄武岩マグマの起源は様々であることが確認されているが、その主成分は古代の海洋性玄武岩質地殻のリサイクルであり、沈み込み帯の脱水過程の微量元素と同位体の特徴を受け継いでおり、高磁場強度元素が豊富に含まれて いる。」
ここでは、ジャイアントインパクト説は封印されているようだ。
記事は、地球化学的解説が延々と続くが、ワケワカなので割愛する。
浮沈子がダイビングで潜っている南の島は、殆ど全てプレート運動由来の地域(沈み込み帯)だから、プレート内火山活動による海洋島玄武岩にお目にかかることはない(ハワイで潜ったことはありません)。
異説であるティアのカケラが月と地球の両方にあり、45億年経った今でも海洋島の下に沈んでいるというのはなかなかロマンあふれるストーリーだ。
せいぜい1億年未満でプレートが沈み込み帯からマントルに落ち込み、リサイクルされて島弧付近から吹いただけというのは、あんまワクワクする話ではないからな(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子が魅かれたのは、南大西洋異常帯(SAA)がLLSVP(アフリカ:ツゾー)の影響を受けた話が、もしかするとジャイアントインパクトで砕け散ったティアのカケラだったりするんじゃないかという点だ。
ちなみに、ティアというのはセレーネ(月の女神)の母親なんだそうだ。
(テイア(惑星))
https://en.wikipedia.org/wiki/Theia_(planet)
「ギリシア神話では、テイアはティターン族の一人で、後に結婚したヒュペリオンの妹であり、月の女神セレーネの母である。この物語は、惑星テイアが月を創造したという理論的な役割と平行している。」
「太陽系初期に存在したとされる古代の惑星で、巨大衝突仮説によれば、約45億年前に初期の地球と衝突し、その結果放出された破片の一部が合体して月を形成した。」
「衝突シミュレーションは、下部マントルの大きな低剪断速度領域がテイアの残骸であるという考えを支持している。」
業界(学会?)で、この仮説がどれ程受け入れられているのかは知らない。
(地球の中心核近くの塊は他の惑星との衝突の残骸だと研究が発表)
https://www.theguardian.com/science/2023/nov/01/blobs-near-earths-core-are-remnants-of-collision-with-another-planet-study-says
「月のマントル岩石とLLVP関連の玄武岩が同じ化学的特徴を共有しているなら、どちらもテイア由来であるはずです。」
ウィキの出典からだが、2023年11月とあるから、比較的最近の発表だ。
もう一つの出典はNYTだが、アーカイブのリンクで読める。
(研究によると、月は「大きな衝突」によって形成され、地球深部に痕跡を残したという。)
https://archive.md/20231101232849/https://www.nytimes.com/2023/11/01/science/moon-formation-theia.html#selection-511.0-511.40
「科学者たちは、クレーターやテイアと呼ばれる原始惑星の破片のような決定的な証拠を欠いていた。」
「私たちは地球の深部を調査しました」(研究を率いたカリフォルニア工科大学の博士研究員、チアン・ユアン氏)
「衝突天体テイアの大きな破片を発見しました。」(同上)
「ユアン博士は、ツゾとジェイソンの体積が月の体積とほぼ同等であることに気づき、彼と彼の同僚は、これらがテイアの別の破片である可能性があるのではないかと考えました。」
「ユアン博士によると、シミュレーションではテイアのマントルの10%以上が地球の深部マントルに埋め込まれた可能性も示された。」
「シミュレーションは説得力のある仮説を提供したが、証拠にはならなかった」(今回の研究には関わっていないチューリッヒのスイス連邦工科大学の地球物理学教授、ポール・タックリー氏)
「その塊が海洋地殻または原始時代の残骸から来た可能性はまだある」「私たちの研究では他の理由を排除することはできない」(ユアン博士)
沈んだだけなら、ホットスポットから上がってくる溶岩(海洋島玄武岩)を調べても、ティア由来かどうかは分からないなあ・・・。
SAAのウィキのリンクを見てみた。
(科学者たちは宇宙の穴についてかなり不安を感じている)
https://www.popularmechanics.com/space/satellites/a43412493/nasa-tracking-dent-in-earths-magnetic-field/
「SAA は、アフリカ大低せん断速度地域と呼ばれる、地下深くにある非常に密度の高い岩石の巨大な貯留層によって生じたものと思われます。地球の磁場形成に最も大きく寄与しているのは、地球の外核にある溶融金属の動きですが、アフリカ大低せん断速度地域はその流れを妨げ、結果として磁場全体を弱めています。」
外核の流動を阻害するだけでいいなら、確かに地磁気異常の原因になるかも知れない。
「研究者の中には、SAA は地球の磁場が反転する兆候であり(これは何十万年もかかるが、起こり得る)、電子機器や通信システムに深刻な影響を及ぼす可能性が高いと理論づけている人もいる。」
LLSVPが地磁気反転とどう関わっているのかは知らない。
地下数千kmの世界は、地震波や地磁気によってしか知ることは出来ない。
地磁気の強さは減少し続けていて、1500年も経てば消えて無くなると言われている。
それが、地球上の生命にどんな影響を与えるかは分からない。
ダイビングの時に、コンパスナビゲーションが出来なくなることは間違いないからな。
ナチュラルナビゲーションも、ちゃんと練習しとかないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(地球の奥深くに古代惑星の遺跡が眠る)
https://www.caltech.edu/about/news/the-remains-of-an-ancient-planet-lie-deep-within-earth
「1980年代、地球物理学者たちは驚くべき発見をした。地球の中心近くの深部で、大陸ほどの大きさの異常物質の塊が2つ見つかったのだ。1つはアフリカ大陸の真下、もう1つは太平洋の真下だ。それぞれの塊は月の2倍の大きさで、周囲のマントルとは異なる割合の元素で構成されている可能性が高い。」
使える画像を探していて見つけたカルテクの記事。
現論文は金を払わないと読めない。
やれやれ・f・・。
ユアン博士の出てくるリンク先の動画も見た。
LLSVP証拠として挙げているのは3つ。
・巨大衝突シミュレーションでティアの一部が地球に取り込まれたこと(地球のマントルを半分だけ溶かして残った固体マントルに沈み込んだ)
・地球化学者は、LLSVPの化学組成が周囲のマントルとは異なると考えていること
・非常に高解像度のマントル滞留シミュレーションを行って、2つのLLSVPが出来上がったこと
まあ、動画では2つの山が出来てるけどな。
LLSVPの発見は50年も前だ。
しかし、それをジャイアントインパクトの痕跡として捉えたたのは、ユアン博士らの研究がおそらく初めてなんだろう。
んな、45億年も前の物的証拠が見つかるなんて、誰も想像していなかったに違いない。
で、例によって気になるのは、ユアン博士が地球生命に言及している点だな。
「(月を形成する巨大衝突による地球進化の初期条件は、)地球がこれまでのどの惑星とも、地質学的生物学的に異なる理由の1つの基本的な要因であると思います。」
ここまではいい。
論文のアブストラクトが乗っているページには、気になる記述もある。
(月形成インパクターが地球の底部マントル異常の原因か Moon-forming impactor as a source of Earth’s basal mantle anomalies)
https://tiisys.com/blog/2023/11/02/post-128890/
「巨大衝突は惑星集積の最終段階でよく見られるため、衝突によって引き起こされる同様のマントル不均一性は、他の惑星体の内部にも存在する可能性があります。」
うーん、これじゃあ、まるで地球型生命の誕生や進化の要件は、宇宙全体に遍く存在していると言わんばかりだ(そうなのかあ?)。
巨大衝突時代については、最近のシミュレーションで当たり前になったけど、今のところ太陽系内に地球外生命がいるという話はない。
ユアン博士も、「1つの基本的要因」と限定しているからな。
動画の最後には、アルテミス計画によって月の岩石が大量にもたらされ、研究の進展が期待できるとかなんとか・・・。
2023年11月じゃ、ドナルドトランプとイーロンマスクの名コンビは、まだ誕生していなかったしな。
このコンビが、NASAを破壊し尽くすことは十分懸念される。
アルテミスがどうなるかは、まだ、誰にも分からない。
それもまた、「1つの基本的要因」なのかもな・・・。
地磁気反転は浮沈子の地球科学的興味の対象だ。
南大西洋異常帯(サウスアトランティックアノマリー:SAA)については、「けんてーごっこ」の初代合格者でもある。
(南大西洋異常帯)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/04/17/6416061
「「南大西洋異常帯検定」なるページがあったので、チャレンジして見事合格した」
「(たった2問ですが)」
まあ、どうでもいいんですが。
他にも関連記事を書いている。
(新型コロナと地磁気異常の怪しい関係)
https://kfujito2.asablo.jp/blog/2020/05/30/9252394
「浮沈子は、南大西洋異常帯のけんてーごっこ初代被認定者である(エッヘン!:アホか・・・)。」
ちなみに、当時は見ることが出来た関連動画はリンク切れしていた。
まあいい。
久々にSAAのウィキ(英語版)を開いたら、ちょっと気になる記述が増えていた。
(南大西洋異常)
https://en.wikipedia.org/wiki/South_Atlantic_Anomaly
「南大西洋異常は、アフリカ大低せん断速度地域と呼ばれる地球内部の非常に密度の高い岩石の巨大な貯留層によって引き起こされると思われます。」
この記述は日本語版にはない。
「大低せん断速度地域」って、なーに?。
(LLSVP)
https://ja.wikipedia.org/wiki/LLSVP
「巨大低速度領域(きょだいていそくどりょういき、英語: Large low-shear-velocity provinces : LLSVP あるいは LLVP) とは、地球のマントル最下部に存在する大規模な構造の集まり」
「これらの領域ではせん断速度が小さいことが特徴であり、地震波トモグラフィーによって発見された。主要な2つの領域が太平洋とアフリカの下に数千 kmスケールで存在」
「せん断速度」というのがワケワカだが、グーグルAIが関連の論文(のプレス記事)を見つけてきた(流体の運動に関係した値らしい)。
(下部マントル深部の地震波速度異常(LLSVPs)を解き明かす鍵(プレスリリース))
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2016/160919/
「地震波速度の解析により、深さ660kmから2900kmの領域は下部マントルと呼ばれる層が存在していることが分かっています。また2000kmよりも深いところでは地域的な地震波速度異常が観測されています。」
「地震波速度には縦波音速VPと横波音速VSがありますが、ここでは両者から計算されるバルク音速VBと横波音速VSを用いて話を進めます。」
「太平洋とアフリカ大陸の地下では、平均的な値よりもVBが速く、VSが遅くなっています。この異常を示す区域は、LLSVPs(Large Low Share Velocity Provinces)と呼ばれています。」(原文ママ:Share←Shearの間違い)
うーん、なんだか余計ワケワカになっちまった気がするけど、地震波の伝わり方が下部マントル層において異常値を示す巨大構造があるということらしい。
で、ウィキの英語版を見てみた。
(大きな低せん断速度地域)
https://en.wikipedia.org/wiki/Large_low-shear-velocity_provinces
「主な地域には、アフリカLLSVPと太平洋LLSVPの2つがあり、どちらも核マントル境界から横方向に数千キロメートル、垂直方向には最大1,000キロメートルに及ぶ可能性がある。これらは、プレートテクトニクスの分野で著名な2人の地質学者、(ジョン)ツゾー・ウィルソンとW(ウィリアム)・ジェイソン・モーガンにちなんで、それぞれツゾーとジェイソンと名付けられている。」(画像参照)
「LLSVP はまだ比較的謎に包まれており、その性質、起源、地球力学的効果については多くの疑問が残っています。」
で、その起源のところを読んで驚いた。
「現在、LLSVP に関する有力な仮説は、沈み込んだ海洋スラブの蓄積である。」
まあ、こっちの方はありきたりな気がする。
地殻などの岩石層(リソスフェア)が沈み込む
→コアとマントルの境界でLLSVPに化ける(ちょっと違う?)
→その真上に小さなプルームの小さなクラスターが形成
→それが組み合わさってより大きなプルームを形成
→さらにスーパープルームになる
驚いたのはこっち。
「LLSVP の起源として提案されているもう 1 つの説は、その形成が巨大衝突仮説に関連しているというものです。」
「地球がテイアと呼ばれる惑星サイズの天体に衝突した後に月が形成」
「LLSVP はテイアのマントルの破片が地球の核マントル境界まで沈んだものである可能性」
「マントルの破片の密度が高いのは、地球のマントルの他の部分と比較して鉄 (II) 酸化物に富んでいるためです。この鉄 (II) 酸化物の組成が高いことは、月のサンプルの同位体地球化学や、LLSVP の上にある海洋島玄武岩の同位体地球化学とも一致しています。」
何か困った時に、地球外由来のアイテムに頼るというのは、生命の起源の話でも出てくる手法だがな。
まあいい。
真偽のほどは分からないけど、化学組成を説明しやすいというメリットはありそうな気もする。
「海洋島玄武岩」というのも聞きなれない。
(海洋島玄武岩)
https://en.wikipedia.org/wiki/Ocean_island_basalt
「海洋島玄武岩(OIB:Ocean island basalt)は、プレート境界から離れた海洋で噴火した火山岩で、通常は玄武岩質の組成をしています。」
「拡大中心(発散型プレート境界)で噴火する中央海嶺玄武岩(MORB)や沈み込み帯(収束型プレート境界)で噴火する火山弧溶岩とは異なり、海洋島玄武岩はプレート内火山活動の結果です。」
「中央海嶺の上にあるアイスランドや沈み込み帯の近くにあるサモアなど、海洋島の玄武岩の位置はプレート境界と一致する場合もあります。」
こっちも、なかなかややっこしそうだ。
「多くの海洋島玄武岩は火山ホットスポットで噴火する。」
「マントルプルーム上の地球の地殻プレートの相対運動により、年代が進むにつれて火山島と海山の連鎖が形成され、最も新しい活火山はマントルプルームの軸より上に位置し、より古い休火山はプルームの導管から次第に遠ざかる位置に位置するようになります」
「たとえば、ハワイ-天皇海山連鎖の最も古い海山は、8000万年以上前のものです。」
「海洋島の玄武岩はすべてマントルプルームの産物というわけではありません。」
「地球のマントルにおける海洋島玄武岩マグマの起源は様々であることが確認されているが、その主成分は古代の海洋性玄武岩質地殻のリサイクルであり、沈み込み帯の脱水過程の微量元素と同位体の特徴を受け継いでおり、高磁場強度元素が豊富に含まれて いる。」
ここでは、ジャイアントインパクト説は封印されているようだ。
記事は、地球化学的解説が延々と続くが、ワケワカなので割愛する。
浮沈子がダイビングで潜っている南の島は、殆ど全てプレート運動由来の地域(沈み込み帯)だから、プレート内火山活動による海洋島玄武岩にお目にかかることはない(ハワイで潜ったことはありません)。
異説であるティアのカケラが月と地球の両方にあり、45億年経った今でも海洋島の下に沈んでいるというのはなかなかロマンあふれるストーリーだ。
せいぜい1億年未満でプレートが沈み込み帯からマントルに落ち込み、リサイクルされて島弧付近から吹いただけというのは、あんまワクワクする話ではないからな(そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子が魅かれたのは、南大西洋異常帯(SAA)がLLSVP(アフリカ:ツゾー)の影響を受けた話が、もしかするとジャイアントインパクトで砕け散ったティアのカケラだったりするんじゃないかという点だ。
ちなみに、ティアというのはセレーネ(月の女神)の母親なんだそうだ。
(テイア(惑星))
https://en.wikipedia.org/wiki/Theia_(planet)
「ギリシア神話では、テイアはティターン族の一人で、後に結婚したヒュペリオンの妹であり、月の女神セレーネの母である。この物語は、惑星テイアが月を創造したという理論的な役割と平行している。」
「太陽系初期に存在したとされる古代の惑星で、巨大衝突仮説によれば、約45億年前に初期の地球と衝突し、その結果放出された破片の一部が合体して月を形成した。」
「衝突シミュレーションは、下部マントルの大きな低剪断速度領域がテイアの残骸であるという考えを支持している。」
業界(学会?)で、この仮説がどれ程受け入れられているのかは知らない。
(地球の中心核近くの塊は他の惑星との衝突の残骸だと研究が発表)
https://www.theguardian.com/science/2023/nov/01/blobs-near-earths-core-are-remnants-of-collision-with-another-planet-study-says
「月のマントル岩石とLLVP関連の玄武岩が同じ化学的特徴を共有しているなら、どちらもテイア由来であるはずです。」
ウィキの出典からだが、2023年11月とあるから、比較的最近の発表だ。
もう一つの出典はNYTだが、アーカイブのリンクで読める。
(研究によると、月は「大きな衝突」によって形成され、地球深部に痕跡を残したという。)
https://archive.md/20231101232849/https://www.nytimes.com/2023/11/01/science/moon-formation-theia.html#selection-511.0-511.40
「科学者たちは、クレーターやテイアと呼ばれる原始惑星の破片のような決定的な証拠を欠いていた。」
「私たちは地球の深部を調査しました」(研究を率いたカリフォルニア工科大学の博士研究員、チアン・ユアン氏)
「衝突天体テイアの大きな破片を発見しました。」(同上)
「ユアン博士は、ツゾとジェイソンの体積が月の体積とほぼ同等であることに気づき、彼と彼の同僚は、これらがテイアの別の破片である可能性があるのではないかと考えました。」
「ユアン博士によると、シミュレーションではテイアのマントルの10%以上が地球の深部マントルに埋め込まれた可能性も示された。」
「シミュレーションは説得力のある仮説を提供したが、証拠にはならなかった」(今回の研究には関わっていないチューリッヒのスイス連邦工科大学の地球物理学教授、ポール・タックリー氏)
「その塊が海洋地殻または原始時代の残骸から来た可能性はまだある」「私たちの研究では他の理由を排除することはできない」(ユアン博士)
沈んだだけなら、ホットスポットから上がってくる溶岩(海洋島玄武岩)を調べても、ティア由来かどうかは分からないなあ・・・。
SAAのウィキのリンクを見てみた。
(科学者たちは宇宙の穴についてかなり不安を感じている)
https://www.popularmechanics.com/space/satellites/a43412493/nasa-tracking-dent-in-earths-magnetic-field/
「SAA は、アフリカ大低せん断速度地域と呼ばれる、地下深くにある非常に密度の高い岩石の巨大な貯留層によって生じたものと思われます。地球の磁場形成に最も大きく寄与しているのは、地球の外核にある溶融金属の動きですが、アフリカ大低せん断速度地域はその流れを妨げ、結果として磁場全体を弱めています。」
外核の流動を阻害するだけでいいなら、確かに地磁気異常の原因になるかも知れない。
「研究者の中には、SAA は地球の磁場が反転する兆候であり(これは何十万年もかかるが、起こり得る)、電子機器や通信システムに深刻な影響を及ぼす可能性が高いと理論づけている人もいる。」
LLSVPが地磁気反転とどう関わっているのかは知らない。
地下数千kmの世界は、地震波や地磁気によってしか知ることは出来ない。
地磁気の強さは減少し続けていて、1500年も経てば消えて無くなると言われている。
それが、地球上の生命にどんな影響を与えるかは分からない。
ダイビングの時に、コンパスナビゲーションが出来なくなることは間違いないからな。
ナチュラルナビゲーションも、ちゃんと練習しとかないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(地球の奥深くに古代惑星の遺跡が眠る)
https://www.caltech.edu/about/news/the-remains-of-an-ancient-planet-lie-deep-within-earth
「1980年代、地球物理学者たちは驚くべき発見をした。地球の中心近くの深部で、大陸ほどの大きさの異常物質の塊が2つ見つかったのだ。1つはアフリカ大陸の真下、もう1つは太平洋の真下だ。それぞれの塊は月の2倍の大きさで、周囲のマントルとは異なる割合の元素で構成されている可能性が高い。」
使える画像を探していて見つけたカルテクの記事。
現論文は金を払わないと読めない。
やれやれ・f・・。
ユアン博士の出てくるリンク先の動画も見た。
LLSVP証拠として挙げているのは3つ。
・巨大衝突シミュレーションでティアの一部が地球に取り込まれたこと(地球のマントルを半分だけ溶かして残った固体マントルに沈み込んだ)
・地球化学者は、LLSVPの化学組成が周囲のマントルとは異なると考えていること
・非常に高解像度のマントル滞留シミュレーションを行って、2つのLLSVPが出来上がったこと
まあ、動画では2つの山が出来てるけどな。
LLSVPの発見は50年も前だ。
しかし、それをジャイアントインパクトの痕跡として捉えたたのは、ユアン博士らの研究がおそらく初めてなんだろう。
んな、45億年も前の物的証拠が見つかるなんて、誰も想像していなかったに違いない。
で、例によって気になるのは、ユアン博士が地球生命に言及している点だな。
「(月を形成する巨大衝突による地球進化の初期条件は、)地球がこれまでのどの惑星とも、地質学的生物学的に異なる理由の1つの基本的な要因であると思います。」
ここまではいい。
論文のアブストラクトが乗っているページには、気になる記述もある。
(月形成インパクターが地球の底部マントル異常の原因か Moon-forming impactor as a source of Earth’s basal mantle anomalies)
https://tiisys.com/blog/2023/11/02/post-128890/
「巨大衝突は惑星集積の最終段階でよく見られるため、衝突によって引き起こされる同様のマントル不均一性は、他の惑星体の内部にも存在する可能性があります。」
うーん、これじゃあ、まるで地球型生命の誕生や進化の要件は、宇宙全体に遍く存在していると言わんばかりだ(そうなのかあ?)。
巨大衝突時代については、最近のシミュレーションで当たり前になったけど、今のところ太陽系内に地球外生命がいるという話はない。
ユアン博士も、「1つの基本的要因」と限定しているからな。
動画の最後には、アルテミス計画によって月の岩石が大量にもたらされ、研究の進展が期待できるとかなんとか・・・。
2023年11月じゃ、ドナルドトランプとイーロンマスクの名コンビは、まだ誕生していなかったしな。
このコンビが、NASAを破壊し尽くすことは十分懸念される。
アルテミスがどうなるかは、まだ、誰にも分からない。
それもまた、「1つの基本的要因」なのかもな・・・。
😼欧州大戦争:ウクライナ戦線:米国支援停止 ― 2025年03月04日 12:49
欧州大戦争:ウクライナ戦線:米国支援停止
(“トランプ氏 ウクライナ軍事支援 一時停止指示”米メディア)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250304/k10014739101000.html
「アメリカの複数のメディアは3日、トランプ大統領が、ウクライナへのすべての軍事支援を一時停止するよう指示したと相次いで伝えました。」
「「ブルームバーグ」は国防総省の高官の話として、軍事支援の停止は、トランプ大統領が、ウクライナのリーダーが平和に対する誠実な決意を示したと判断するまで継続されるとしています。」
「まだウクライナに届いていないすべての軍事支援が一時停止の対象になるとしていて、航空機や船舶で輸送中の兵器や、隣国のポーランドに運び込まれたものも含まれる」
マジか!?。
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
支援の停止を検討していることは、ワシントンポストが報じていたが、まさか本当に止めるとは思っても見なかったからな。
ウクライナが求める停戦後の安全保障は、レアアースの取引で十分ということなわけだ(そうなのかあ?)。
(ゼレンスキー大統領 “停戦ほど遠い”にトランプ大統領が非難)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250304/k10014738801000.html
「ロシアとの停戦合意に達するにはほど遠い」(ウクライナのゼレンスキ―大統領)
「最悪の発言だ。アメリカはもう長くは我慢しない。この男はアメリカの後ろ盾がある限り、平和を望んでいない」(アメリカのトランプ大統領)
まあ、そう言うだろうな。
就任後、24時間で終わらせて見せると豪語していた手前、当事者が妨害に走っているように見えるんだろう。
だが、トランプが支援を止めても、ウクライナは少なくとも夏くらいまでは戦闘を続けることが出来るだろう。
問題は欧州の出方だが、米国の後ろ盾(航空支援など)がない状態では手も足も出せない。
「ヨーロッパはゼレンスキー氏との会合で、アメリカなしでは仕事ができないとはっきりと表明した。ロシアに対する強さを示す意味ではあまり良い発言ではない。何を考えているのか」(同上)
浮沈子も同感だ。
独自の停戦案を模索しているようだが、それさえも米国頼みだし、停戦後の安全保障(欧州軍の駐留)も米国ありきだ。
ふざけんな!(バンスのぼやき・・・)。
「トランプ大統領はあの場を自分の支持層向けにウクライナから鉱物資源を勝ち取った場としたかった。一方、ウクライナ側はアメリカに鉱物資源を半永久的にプレゼントするだけだったら安全が守られないというところがあった。国の命運をかけた外交をゼレンスキー大統領は行っていた」「あの場でトランプ大統領とバンス副大統領を怒らせないためには『ロシアとしっかり話をする』といった絶対に言えないことを言うことだった。ゼレンスキー大統領の後ろには家族が亡くなったウクライナ人がいるわけで、その人たちの声を代弁しないといけなかった」「トランプ大統領はゼレンスキー大統領がいかに、いこじでロシアとの平和交渉に全く興味がなく、自分の主張をする男だと支持層向けにPRした。ゼレンスキー大統領にとっては大きなマイナスになった」(アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授)
トランプにとっては、ゼレンスキーが嫌がらせをして、トランプがノーベル平和賞を取れないように画策しているとしか見えないんだろう(そういうことかあ?)。
トランプ政権になって、米国の支援が途絶える中(政権発足後の新たな支援の決定はない)、ウクライナが望む形での平和は期待できなくなっている。
仮にレアアースの契約を得たとしても、それがプーチンに対する切り札になるわけじゃあないしな。
(トランプ氏、ウクライナへの軍事支援停止-ゼレンスキー氏と口論後)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-03/SSKNEWT1UM0W00
「欧州には米国が現在提供している武器やその他の能力などの多くが欠けており、当局者は武器の供給は夏までしか続かない公算が大きいと話している。」
元ネタになったブルームバーグの記事も読んだが、いいことは何も書かれていない。
浮沈子的に気になるのは、米国の情報提供やスターリンクがどうなるかだが、今のところ具体な情報はない。
(米国が援助停止の危機、ウクライナは大砲を撃ち続けられるか)
https://forbesjapan.com/articles/detail/77532
「米国はこの戦争から手を引くかもしれない。それでもウクライナ軍の大砲は、長期にわたって大砲を撃ち続けることができるだろう。」
デビッドアックスは、例によって超楽観的だが、昨年の今頃(彼自身も大騒ぎだったからな)と大きく変わったことは何もない。
(【解説】 ゼレンスキー氏、手負いながらも断固として……離英直前に英記者団と)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cvgdv0eg2k6o
「3年間の戦争によるあらゆる圧力にもかかわらず、ホワイトハウスからのあらゆる要求にもかかわらず、2日夜のゼレンスキー氏は決然として揺るぎなかった。」
英国ではそれでいいかも知れないけどな。
もう、ゼレンスキーがホワイトハウスに行くことは、二度とないだろう。
どうやら、米国の支援なしでもロシアとの戦闘を継続する腹を括ったようだ。
トランス二ストリアへの侵攻は、浮沈子の妄想を越えて現実の選択肢として浮上してきた。
トランプ政権は、躊躇うことなくプーチンとの関係改善を加速するに違いない。
もっとも、米ロの関係が深まることはウクライナにとって、悪いことばかりじゃない。
2つの核大国の関係が安定することは、相互の信頼が増大することを意味する。
ウクライナの地でドンパチが繰り返されないことへの、何よりの保証でもある。
ゼレンスキーは面白くないかも知れないが、第5条の発動なんかできっこなく、米国が手を引きたがっているNATO加盟などよりよっぽど確かな保障だ。
プーチンが、相手の弱みに付け込んで約束を反故にする常習癖があったとしても(オランドがそう言ってたからな)、核大国同士の約束を違えれば世界は終わる。
バイデンはウクライナをけしかけ、ロシアに噛みつかせた。
ボリス・ジョンソンも加担したけど、米国の支援がなければウクライナは早期に停戦するしかなかった(3日でも2週間でもどっちでもいいんですが:ホワイトハウスでの会話より)。
今後の和平交渉で、イスタンブール合意より良い条件が出ることはない。
2014年にクリミアを占領した時から、いや、それ以前からプーチンの腹は決まっている。
バルト海から黒海にかけて、再び鉄のカーテンを引くのだと。
NATO何するものぞ(そうなのかあ?)。
マクロンがどれ程凄んでみせたところで、西ヨーロッパが全力でエストニア(リトアニアでもラトビアでもいいんですが)を助けることはない(ちっとは派遣するだろうけどな)。
ウクライナでの停戦がどんな形であれ実現すれば、米国は緊張緩和の醸成策として、東欧などからの軍事力の引き上げを行う可能性がある。
それも直ちに。
ポーランドは気が気じゃないだろうし、ルーマニアも血相変えて反対するだろう。
が、プーチンは断行する。
ロシアとの信頼が重要だからな。
そうして、欧州は売り物になる。
ロシアが買うかどうかは分からない。
買えば、血で贖うことになるだろうが、その対価を払う用意はあるだろう。
そして、欧州が弱みを見せれば、プーチンは間違いなく侵略する。
プーチンの後継者も、そのまた後継者も・・・。
米国はウクライナに対する軍事支援を停止した。
名目上、それは一時的なものとされているけど、その意味するところは複雑だ。
欧州は敵がプーチンだと思っているが、後ろから撃たれるとは夢にも考えていないだろう。
世界の安全保障のパラダイムが、眼の前で音を立てて崩れ去っていく。
米国がロシアと縒りを戻すことは、我が国にとっては短期的には大歓迎だ。
ロシアや中国に対し、交渉の餌として差し出さない限りは。
長期的には、自前の核防衛を検討し、実戦配備に向けて取り組みを始めなければならない。
時間は少ない。
北朝鮮は実践経験を積み、中国は台湾を併合し、太平洋の西半分を支配しようとしている。
グアムもサイパンもフィリピンもオーストラリアも、たぶんニュージーランドも中国の制海権に入る。
我が国は、ロシアと中国の勢力圏の中にポツンと取り残される。
それは確定した未来、明日の日本の姿だ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ政権、移送中を含めたウクライナへの全軍事援助停止を命じる)
https://grandfleet.info/us-related/trump-administration-orders-suspension-of-all-military-aid-to-ukraine-including-during-transfer/
「Washington Postも先月28日「トランプ政権がゼレンスキー大統領の態度を理由に移送中の全軍事援助の停止を検討している」と報じていたが、BloombergやCNNは3日「トランプ政権が軍事支援の一時停止を命じた」と報じた。」
「トランプ大統領はゼレンスキー大統領が平和への取り組みに誠意を示したと判断できるまで軍事支援の一時停止を命じた」「ヘグゼス国防長官に航空機や船舶で輸送中、ポーランドに運びこまれた武器や物資のウクライナ移送を停止するよう命じた」(Bloomberg)
「トランプ政権が平和に注力しているのは明らかでウクライナも協力する必要がある」「トランプ政権は軍事支援を一時停止してウクライナが平和への取り組みに協力的かどうかを見直している」「この一時停止はウクライナに到着していない全ての武器や装備に適用される」(CNN)
「トランプ大統領は前政権から引き継いだ未消化分のウクライナ支援資金(38.5億ドル)を用いて「新たな支援」を1度も承認しておらず・・・」(航空万能論ブログ管理人)
既報の通りだが、浮沈子的には以下の部分が刺さった(グサっ!)。
「トランプ政権の関係者は再三「ロシアと交渉するウクライナの指導者にゼレンスキーは相応しくない」と発言しているため、口論に対する謝罪ではなく「ゼレンスキー大統領の辞任」を望んでいる」(同上)
やっぱ、考えることは同じだな・・・。
軍事技術的に気になるところもある。
「PAC-3MSEの直接供給が途切れれば弾道ミサイルの攻撃を防げなくなり(中略)この部分だけは欧州がどう頑張っても単独でカバーできないはずだ。」(同上)
PAC-3MSEは、首都キーウや限られた都市(未確認)しか配備されていない、究極の迎撃ミサイルだ。
ロシアは、早速狙ってくるに違いない。
謝罪ではなく、辞任を求めているという見方は、厳しいようだが妥当だろう。
おまいとじゃ、停戦交渉の場に出られない!(トランプのぼやき・・・)。
ウクライナに言うこと聞かせる最後の手段に出たということは、今後、米国が新たな支援を承認することはないという明確な意思の提示だ(そうなのかあ?)。
交渉事としては、そういう先々の方針は伏せておきたいだろうけど、いつでも武器が手に入る状況では、それをウクライナに納得させることは難しい。
作為不作為を問わず、行動は最も説得力のある言語だ。
まあいい。
トランプ政権がウクライナに配ったカードはレアアースだけだ。
他には何も与えない。
安全保障もなければ、武器も弾薬も兵士もない。
ウクライナの選択肢は、「無条件停戦」しかないのだ。
いや、欧州の支援だけで戦い続けるという選択肢はある。
「トランプ大統領は「ウクライナ支援のため米企業から武器を購入しても良い」と言っている」(同上)
その年単位の時間を凌げれば、欧州は金で解決する道を開くことが出来る。
しかし、それではロシアとの良好な関係を築くことが出来なくなるからな。
忘れちゃいけない。
支援する欧州も、またエサなのだ・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(米国の支援停止でウクライナ苦境に 抗戦可能期間は「半年間」か 戦局の転換点迎える)
https://www.sankei.com/article/20250304-ARI6ADRKRZIKHKQ2KT6BUE4OJI/
「米国の支援を欠いた場合、ウクライナが抗戦を続けられる期間は「半年間」程度に過ぎないとの観測もある。」
「米国の軍事支援が停止された場合、ウクライナが現在の水準で戦闘を継続できるのは今年夏までだ」(WSJ)
「米国の支援なしでも少なくとも6カ月間は戦える」(FT:ウクライナの議員や軍関係者)
これは、ブダノフの説明とも整合する。
「米国の支援が停止されてもロシアは即座に戦勝を得られない」(複数の露専門家)
「米軍から提供されてきた諜報・偵察データを得られなくなったり、米衛星インターネットサービス「スターリンク」との接続が解除されたりした場合、ウクライナ軍はドローン(無人機)攻撃なども困難になるとされる。」
浮沈子的には、短期の影響はこっちの方がデカいと思うんだがな。
備蓄や欧州支援である程度賄える砲弾、ロケット砲弾、ミサイルなどは、しばらくしてから影響が出る(前線への供給調整にも依ります)。
「欧州や英国も米支援の不足分を補うのは困難だとする見方が強い。」
そうなると問題は、米国の停止期間ということになる。
また、そんな半年も先になって、今更のように「米国の支援がなければ戦えないことが分かったので、停戦交渉してください」と言ったところで、取り合ってもらえるかどうかはビミョーだ。
その間、ロシアの占領地が増えちまったら、米国の取り分は減るわけだしな。
まあ、どうでもいいんですが。
(「スターリンクの代わり」 EU、ウクライナへの衛星通信支援を分析=報道)
https://www.ukrinform.jp/rubric-defense/3966393-sutarinkuno-daiwariukurainaheno-wei-xing-tong-xin-zhi-yuanwo-fen-xibao-dao.html
「ウクライナはすでに、EUが提供する政府衛星通信Govsatcomと2030年代に利用開始となる新しいサービスIRIS²の利用に関心を表明」(トーマス・レニエ欧州委員会報道官)
2030年代だってえ?。
やれやれ・・・。
「委員会はその間でウクライナと連絡を続けていく」(同上)
2022年のロシア本格侵攻の際に、ドイツがヘルメット5000個を提供した話を思い出した。
「レニエ委員は、そのシステムはウクライナに「先駆的政府サービス」を提案するものとしつつ、それが実践でどうなるか、あるいはどれくらい迅速に運用できるようになるかは明言しなかった。」
「ポリティコは、ウクライナにとって衛星通信は決定的に重要なツールだが、マスク氏が戦時下で今後もスターリンクを提供し続けるかどうかが不明だと指摘している。」
「昨年、ウクライナは、約4万2000台のスターリンク端末が国内で利用されており、その約半分はポーランドが資金を出していると伝えていた。」
いろいろ書いているけど、ぶっちゃけ、スターリンクを置き換えることが出来る代替手段はない。
スターリンクを失えば、ウクライナ軍の作戦効率は半減すると言われている。
イーロンマスクは、今回の軍事支援停止に絡めて、ウクライナへのサービスを継続するかどうかの情報を発信していないようだ(未調査)。
砲弾よりも通信だな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(交渉材料としてのクルスク占領地、ウクライナ軍が支配地域を大きく失う)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/occupied-kursk-as-a-bargaining-chip-ukrainian-forces-lose-large-area-of-control/
「最も戦闘が激しい地域は東部戦線ではなくクルスク(1日の衝突回数が30回)だ」「ロシア軍がクルスク奪還に向けて「大幅に攻撃を強化している」という認識」(ウクライナ軍参謀本部:3月2日)
「もポクロウシク方面(21回)よりクルスク方面(29回)での衝突回数の方が多く、ロシア軍が東部戦線よりもクルスク奪還にリソースを回してきたという認識」(同上:3月3日)
まあ、ポクロフシク方面だけで戦闘が行われているわけではないから、必ずしもクルスクにその分のリソースを回しているとは言えないだろう(未確認)。
逆に、ウクライナ軍がリソース不足に陥り、兵站の遮断を狙うロシア軍の展開に対応できなくなっている可能性が高い。
「DEEP STATE基準でもレベデフカ集落内の大半はロシア軍支配地域で、ここからスジャ防衛の生命線=38K-004まで5km~6kmほどしかなく、ロシア軍がスームィ州バシフカ北西に前進しようと試みているのも不気味に見え、スームィ州に食い込んできたグレーゾーンが(DEEP STATE基準で)ロシア軍支配地域に置き換わると危機の度合いが1段高まる」(航空万能論ブログ管理人)
既に38K-004は火力管制下に置かれ、輸送車両の損失も発生していると言われている。
補給線は他にもあるだろうから、完全に遮断するためには時間が掛かるだろうけど、占領地北部への兵站が細ることは避けられそうもない。
米国の軍事支援は中止されるは、貴重な占領地は目減りが続くはで、ウクライナにとっていいことは何もない。
ポクロフシクとディミトロフ(ミルノフラド)が持ちこたえているのが唯一の救いか。
浮沈子的には、逆に、ウクライナ軍のリソースがここに釘付けになって、クルスクへの手当てが出来ないのではないかと見ているけどな。
ロシアは、もう、アウディーイウカの時のような、ド派手な攻撃はしないんだろう。
圧力をかけ続け、ローテーションなどで綻びが出れば進軍し、じわじわと占領地を拡大し続ける。
それはお互い様だからな。
ウクライナ軍もまた、若干の反撃を行い、ポジションの改善を図るけど、完全に押し切るところまでは行かない。
例えば、アウディーイウカを奪還するとか、トレツクからロシア軍を追い出すとか・・・。
時間は、確実にロシア側に付いている。
少なくとも年内にロシアのリソースが枯渇するという話はない。
最近は、ロシアが崩壊して、西側に分割されるなどという荒唐無稽な話は聞かなくなった。
むしろ、米国による経済制裁の解除によって、中国への依存が減るのではないかという観点から、中ロ関係に亀裂が入るという観測も出てきている。
まあ、それはないと思うんだがな。
台湾併合や朝鮮半島危機に際して、両国の関係はむしろ強固になるだろう。
加えて、欧州大戦争が始まれば猶更だ。
米国は、世界の警察から地域大国へと、ポジションを変えていく時間を稼ごうとしているだけかもしれない。
ウクライナ紛争を巡る余りにも急速な展開は、巨象の寝返りに踏みつぶされるネズミの悲劇だろう。
トランプ政権は、ウクライナへの支援を直ちに完全にぶった切りたいところを、ぐっと堪えて(!)経済取引を絡めて停戦を実現しようとしている。
そりゃあ、ウクライナにしてみれば、悪党プーチンを野放しにする言語道断の所業に映るだろうし、ホワイトハウスに喧嘩吹っ掛けに行ったって不思議じゃない(結果、そうなったし・・・)。
徹底抗戦して、強い立場で交渉に臨み、悪党を縛り首にして留飲を下げたいだろうけど、もう米国の後ろ盾はない(そうなのかあ?)。
頼りにならない欧州(少し大きめのネズミ?)しかいないからな。
どうするのか。
欧州が束になって米国を説得し、バイデン時代に勝る軍事支援を勝ち取って、プーチンを追い詰めるなどという話は、浮沈子の妄想も敵わない絵空事に過ぎない。
ウクライナがソ連から名目上独立して30年余り。
真の独立を勝ち取るために戦い続けた3年余りの戦闘は、ようやく終わりに近づいている。
うーん、もう一年くらいはドンパチが続くかもしれないけど、「反転攻勢」とか、「全領土奪還」などというトンデモな幻想は消えた。
トランプの思惑とは別に、ウクライナはいずれ停戦に応じることになる。
まだ戦えると思っている限り、この国は真の独立を賭けて戦い続けるだろう。
ロシアは、そのことをよーっく理解している(つーか、ようやく理解したということか)。
トランプ劇場の下手な演出に踊らされたりはしない。
ロシアもまた、戦いが続くと思う限り、ウクライナの真の独立を封じ込めるために戦い続けるに違いない。
NATO非加盟、軍隊の解体と中立国化。
その戦略目標が実現するまで、戦いは終わるまい。
トランプの停戦工作は失敗するだろう。
支援の停止は、逆に欧州を焚き付け、プチバイデンな支援を継続させるきっかけを作ることになる。
戦闘は激しさを増し、一時的にはウクライナが勢いづくことがあるかも知れない。
ウクライナは、その時を捉えて停戦交渉に持ち込もうとするかもしれないけど、ロシアは逆に応じないだろう。
米国のグランドデザインは変わらない(変えられない)。
米ロ対欧州ウクライナ連合の構図が鮮明になる。
NATOは、黙っていても崩壊する運命にあるわけだ(カナダは、もう米国に付くしかないしな)。
欧州は、それを覚悟でウクライナを支援するんだろうか?。
(EU、「再軍備」125兆円 ロシアの脅威に対抗―欧州委員長)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030401007&g=int
「ウクライナへの侵攻を続けるロシアの脅威に対抗するため、8000億ユーロ(約125兆円)規模の「再軍備計画」を表明」
「複数のEU加盟国による防空システム、ミサイル、ドローンなどの共同調達を促す融資制度の新設を首脳らに書簡で提案」
まあ、餅を絵に描くことは簡単だが、食える餅をつくることは容易ではない。
「EU加盟国に課された財政規律の緩和やEU予算の活用を含め、再軍備計画が実行されれば「安全で強靱(きょうじん)な欧州のため、8000億ユーロ近くの防衛費を捻出できる」」
国内問題を抱える30の国々(NATO)が、それぞれに思惑を持って構成している欧州が、実際に再軍備計画に乗ってくるかどうかは未知数だし、このタイミング(ウクライナ支援停止)での発表は眉唾でしかない。
が、ウクライナ支援において、この精神が踏襲されるなら、ロシアに対する安全保障策としての自国の防衛強化が、支援の継続と増加に繋がる可能性がないとは言えない。
浮沈子的には、この計画がちゃんと機能する時期は、ウクライナだけじゃなくてバルト3国と東欧諸国がロシアに併合されてからになると思うんだがな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(「米支援停止でも戦況維持できる」ウクライナ首相 欧州から代替兵器調達も)
https://www.sankei.com/article/20250304-6FHTTMSMNNIU5DKNRJMK76475A/
「米国の支援が停止されても戦局に直ちに影響しないとする認識」(ウクライナのシュミハリ首相)
「軍と政府には前線の状況を維持する能力と手段がある」(同上)
「ウクライナは(ロシアと)和平合意を締結するまで米国の支援が続くよう努めている」(同上)
「米国の支援が停止した場合、ウクライナは欧州諸国から代替兵器を購入したり、供与を受けたりする可能性を検討」(ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問)
「可能性を検討」かあ・・・。
つまりだな、完全に想定外で、何の準備もしてこなかったということなわけだ(そういうことかあ?)。
まあ、浮沈子だって、まさか本当に止めるとは思っていなかったからな。
(ウクライナ軍事支援の停止確認 物流拠点のポーランド)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030401245&g=int
「米国によるウクライナへの軍事支援の物流が実際に停止していることを確認」「国境やわが国の(物流)拠点から届く報告は、米国が表明したことを裏付けるものだ」(ポーランドのトゥスク首相)
「ポーランドは、ロシアの侵攻を受けるウクライナに隣接し、西側諸国による軍事・人道支援の物流拠点となっている。」
やれやれ・・・。
その一方で、制裁の解除に向けた準備は、着々と進んでいる。
(米、ロシア制裁緩和の可能性検討 財務・国務省に作業要請=情報筋)
https://jp.reuters.com/world/us/UCQTCGYAB5IB3LNTVYNTONOG4E-2025-03-03/
「ホワイトハウスは国務省と財務省に対し、緩和できる可能性のある制裁のリストを作成するよう要請。」「現在、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)を含む特定の団体や個人に対する制裁解除の提案が策定されている」(米当局者や情報筋)
「ウクライナ侵攻を受けて米国が導入したロシアへの制裁には、石油・ガス産業からの収入制限や軍資金の調達能力縮小を目的とした措置が含まれている。」
ウクライナにしてみれば、発狂しそうな話だが、これが国際政治の現実なわけだ。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(米国、ウクライナとの情報共有を一部停止-トランプ政権が圧力強化)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-05/SSNK4BT1UM0W00
「匿名を条件に語った米当局者1人によると、ウクライナが自国軍部隊を守るために必要な情報を除いた全てが共有停止の対象となる。」
「われわれは一歩引き、この関係の全ての面を一時停止し、見直している」(ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当))
「ウクライナ政府高官は、トランプ政権が軍事情報共有を停止したとの一部報道を否定し、引き続き米国から必要な情報を受け取っていると述べている。」
「英紙デーリー・メールも、米政府が英国による情報共有を禁じたと報じている。」
「事情に詳しい東欧当局者の1人は、情報共有の停止が影響するのはロシア領内の標的に限られると述べた。」
「ラトクリフ中央情報局(CIA)長官も5日、米国が情報共有も停止したかどうかの質問に対し、明確に否定することはしなかった。同氏はFOXビジネスに対し、「確かにトランプ大統領が命じたのは停止だ」と発言。」
情報共有は機微に渡る事項だだ。
詳細が報道されることはないだろうが、こうして漏れ出てくる話を総合すると、何らかの形での制限が加わっていることは確かだ。
ウクライナ側から見て、制限されていないように見える程度の、緩やかなものなのかもしれないし、それと気付かれないように間引きされたものなのかもしれない。
まあ、おそらくは、ウクライナ側の発表は、国内向けの情報戦の如何の可能性が高いだろうけどな。
「情報共有の停止は先月の首脳会談後に生じた緊張をさらに高める」
武器供与の一時停止は、まあ、当分は何とか対処できるだろうけど、情報共有(提供)の停止は、待ったなしの死活問題だ。
顔が引きつるレベルの話なわけだ。
特にロシア領内の情報の欠如は、クルスク方面の戦況の悪化に拍車がかかる可能性がある。
やれやれ・・・。
あとは、スターリンクがどうなるかが最大の問題だな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(軍事支援一時停止でゼレンスキーに揺さぶりかけるトランプ、スターリンク遮断ならウクライナ軍は数週間で崩壊も)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/86986?page=6
「ウクライナ軍はドローン運用にイーロン・マスク氏のスターリンクを利用している。米情報機関はリアルタイムでロシア軍の位置情報を提供している。これらの協力が打ち切られたらウクライナ軍は対抗手段を失う。数週間でウクライナは壊滅するという悲観的な見方すら出ている。」
木村氏の情報の出所は不明だが、この記事の時点ではスターリンクはまだ稼働しているようだな・・・。
(ユーテルサット株、最安値から最大7.5倍に 「ゲームストップ効果」か)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/G7VTQYAJDJM4PJFZMGDL6XCD5A-2025-03-07/
「ウクライナへのインターネット接続の追加供給に向けて欧州連合(EU)と交渉している。トランプ米大統領の側近のイーロン・マスク氏が率いる通信ネットワーク「スターリンク」に取って代わる可能性が示唆された」
「先週は最安値水準で推移していたユーテルサットの株価は、今月5日に前週末の6倍まで上昇。6日には前日比で18%上昇し、時価総額は40億ユーロ(43億ドル)を超えた。ただ6日終値では11%安となった。」
うーん、敵失でしか株価改善が図れないという静止衛星市場は、何とも言えない状況だな・・・。
(“トランプ氏 ウクライナ軍事支援 一時停止指示”米メディア)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250304/k10014739101000.html
「アメリカの複数のメディアは3日、トランプ大統領が、ウクライナへのすべての軍事支援を一時停止するよう指示したと相次いで伝えました。」
「「ブルームバーグ」は国防総省の高官の話として、軍事支援の停止は、トランプ大統領が、ウクライナのリーダーが平和に対する誠実な決意を示したと判断するまで継続されるとしています。」
「まだウクライナに届いていないすべての軍事支援が一時停止の対象になるとしていて、航空機や船舶で輸送中の兵器や、隣国のポーランドに運び込まれたものも含まれる」
マジか!?。
ヤバいな・・・。
ヤバ過ぎ!。
支援の停止を検討していることは、ワシントンポストが報じていたが、まさか本当に止めるとは思っても見なかったからな。
ウクライナが求める停戦後の安全保障は、レアアースの取引で十分ということなわけだ(そうなのかあ?)。
(ゼレンスキー大統領 “停戦ほど遠い”にトランプ大統領が非難)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250304/k10014738801000.html
「ロシアとの停戦合意に達するにはほど遠い」(ウクライナのゼレンスキ―大統領)
「最悪の発言だ。アメリカはもう長くは我慢しない。この男はアメリカの後ろ盾がある限り、平和を望んでいない」(アメリカのトランプ大統領)
まあ、そう言うだろうな。
就任後、24時間で終わらせて見せると豪語していた手前、当事者が妨害に走っているように見えるんだろう。
だが、トランプが支援を止めても、ウクライナは少なくとも夏くらいまでは戦闘を続けることが出来るだろう。
問題は欧州の出方だが、米国の後ろ盾(航空支援など)がない状態では手も足も出せない。
「ヨーロッパはゼレンスキー氏との会合で、アメリカなしでは仕事ができないとはっきりと表明した。ロシアに対する強さを示す意味ではあまり良い発言ではない。何を考えているのか」(同上)
浮沈子も同感だ。
独自の停戦案を模索しているようだが、それさえも米国頼みだし、停戦後の安全保障(欧州軍の駐留)も米国ありきだ。
ふざけんな!(バンスのぼやき・・・)。
「トランプ大統領はあの場を自分の支持層向けにウクライナから鉱物資源を勝ち取った場としたかった。一方、ウクライナ側はアメリカに鉱物資源を半永久的にプレゼントするだけだったら安全が守られないというところがあった。国の命運をかけた外交をゼレンスキー大統領は行っていた」「あの場でトランプ大統領とバンス副大統領を怒らせないためには『ロシアとしっかり話をする』といった絶対に言えないことを言うことだった。ゼレンスキー大統領の後ろには家族が亡くなったウクライナ人がいるわけで、その人たちの声を代弁しないといけなかった」「トランプ大統領はゼレンスキー大統領がいかに、いこじでロシアとの平和交渉に全く興味がなく、自分の主張をする男だと支持層向けにPRした。ゼレンスキー大統領にとっては大きなマイナスになった」(アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授)
トランプにとっては、ゼレンスキーが嫌がらせをして、トランプがノーベル平和賞を取れないように画策しているとしか見えないんだろう(そういうことかあ?)。
トランプ政権になって、米国の支援が途絶える中(政権発足後の新たな支援の決定はない)、ウクライナが望む形での平和は期待できなくなっている。
仮にレアアースの契約を得たとしても、それがプーチンに対する切り札になるわけじゃあないしな。
(トランプ氏、ウクライナへの軍事支援停止-ゼレンスキー氏と口論後)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-03/SSKNEWT1UM0W00
「欧州には米国が現在提供している武器やその他の能力などの多くが欠けており、当局者は武器の供給は夏までしか続かない公算が大きいと話している。」
元ネタになったブルームバーグの記事も読んだが、いいことは何も書かれていない。
浮沈子的に気になるのは、米国の情報提供やスターリンクがどうなるかだが、今のところ具体な情報はない。
(米国が援助停止の危機、ウクライナは大砲を撃ち続けられるか)
https://forbesjapan.com/articles/detail/77532
「米国はこの戦争から手を引くかもしれない。それでもウクライナ軍の大砲は、長期にわたって大砲を撃ち続けることができるだろう。」
デビッドアックスは、例によって超楽観的だが、昨年の今頃(彼自身も大騒ぎだったからな)と大きく変わったことは何もない。
(【解説】 ゼレンスキー氏、手負いながらも断固として……離英直前に英記者団と)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cvgdv0eg2k6o
「3年間の戦争によるあらゆる圧力にもかかわらず、ホワイトハウスからのあらゆる要求にもかかわらず、2日夜のゼレンスキー氏は決然として揺るぎなかった。」
英国ではそれでいいかも知れないけどな。
もう、ゼレンスキーがホワイトハウスに行くことは、二度とないだろう。
どうやら、米国の支援なしでもロシアとの戦闘を継続する腹を括ったようだ。
トランス二ストリアへの侵攻は、浮沈子の妄想を越えて現実の選択肢として浮上してきた。
トランプ政権は、躊躇うことなくプーチンとの関係改善を加速するに違いない。
もっとも、米ロの関係が深まることはウクライナにとって、悪いことばかりじゃない。
2つの核大国の関係が安定することは、相互の信頼が増大することを意味する。
ウクライナの地でドンパチが繰り返されないことへの、何よりの保証でもある。
ゼレンスキーは面白くないかも知れないが、第5条の発動なんかできっこなく、米国が手を引きたがっているNATO加盟などよりよっぽど確かな保障だ。
プーチンが、相手の弱みに付け込んで約束を反故にする常習癖があったとしても(オランドがそう言ってたからな)、核大国同士の約束を違えれば世界は終わる。
バイデンはウクライナをけしかけ、ロシアに噛みつかせた。
ボリス・ジョンソンも加担したけど、米国の支援がなければウクライナは早期に停戦するしかなかった(3日でも2週間でもどっちでもいいんですが:ホワイトハウスでの会話より)。
今後の和平交渉で、イスタンブール合意より良い条件が出ることはない。
2014年にクリミアを占領した時から、いや、それ以前からプーチンの腹は決まっている。
バルト海から黒海にかけて、再び鉄のカーテンを引くのだと。
NATO何するものぞ(そうなのかあ?)。
マクロンがどれ程凄んでみせたところで、西ヨーロッパが全力でエストニア(リトアニアでもラトビアでもいいんですが)を助けることはない(ちっとは派遣するだろうけどな)。
ウクライナでの停戦がどんな形であれ実現すれば、米国は緊張緩和の醸成策として、東欧などからの軍事力の引き上げを行う可能性がある。
それも直ちに。
ポーランドは気が気じゃないだろうし、ルーマニアも血相変えて反対するだろう。
が、プーチンは断行する。
ロシアとの信頼が重要だからな。
そうして、欧州は売り物になる。
ロシアが買うかどうかは分からない。
買えば、血で贖うことになるだろうが、その対価を払う用意はあるだろう。
そして、欧州が弱みを見せれば、プーチンは間違いなく侵略する。
プーチンの後継者も、そのまた後継者も・・・。
米国はウクライナに対する軍事支援を停止した。
名目上、それは一時的なものとされているけど、その意味するところは複雑だ。
欧州は敵がプーチンだと思っているが、後ろから撃たれるとは夢にも考えていないだろう。
世界の安全保障のパラダイムが、眼の前で音を立てて崩れ去っていく。
米国がロシアと縒りを戻すことは、我が国にとっては短期的には大歓迎だ。
ロシアや中国に対し、交渉の餌として差し出さない限りは。
長期的には、自前の核防衛を検討し、実戦配備に向けて取り組みを始めなければならない。
時間は少ない。
北朝鮮は実践経験を積み、中国は台湾を併合し、太平洋の西半分を支配しようとしている。
グアムもサイパンもフィリピンもオーストラリアも、たぶんニュージーランドも中国の制海権に入る。
我が国は、ロシアと中国の勢力圏の中にポツンと取り残される。
それは確定した未来、明日の日本の姿だ・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(トランプ政権、移送中を含めたウクライナへの全軍事援助停止を命じる)
https://grandfleet.info/us-related/trump-administration-orders-suspension-of-all-military-aid-to-ukraine-including-during-transfer/
「Washington Postも先月28日「トランプ政権がゼレンスキー大統領の態度を理由に移送中の全軍事援助の停止を検討している」と報じていたが、BloombergやCNNは3日「トランプ政権が軍事支援の一時停止を命じた」と報じた。」
「トランプ大統領はゼレンスキー大統領が平和への取り組みに誠意を示したと判断できるまで軍事支援の一時停止を命じた」「ヘグゼス国防長官に航空機や船舶で輸送中、ポーランドに運びこまれた武器や物資のウクライナ移送を停止するよう命じた」(Bloomberg)
「トランプ政権が平和に注力しているのは明らかでウクライナも協力する必要がある」「トランプ政権は軍事支援を一時停止してウクライナが平和への取り組みに協力的かどうかを見直している」「この一時停止はウクライナに到着していない全ての武器や装備に適用される」(CNN)
「トランプ大統領は前政権から引き継いだ未消化分のウクライナ支援資金(38.5億ドル)を用いて「新たな支援」を1度も承認しておらず・・・」(航空万能論ブログ管理人)
既報の通りだが、浮沈子的には以下の部分が刺さった(グサっ!)。
「トランプ政権の関係者は再三「ロシアと交渉するウクライナの指導者にゼレンスキーは相応しくない」と発言しているため、口論に対する謝罪ではなく「ゼレンスキー大統領の辞任」を望んでいる」(同上)
やっぱ、考えることは同じだな・・・。
軍事技術的に気になるところもある。
「PAC-3MSEの直接供給が途切れれば弾道ミサイルの攻撃を防げなくなり(中略)この部分だけは欧州がどう頑張っても単独でカバーできないはずだ。」(同上)
PAC-3MSEは、首都キーウや限られた都市(未確認)しか配備されていない、究極の迎撃ミサイルだ。
ロシアは、早速狙ってくるに違いない。
謝罪ではなく、辞任を求めているという見方は、厳しいようだが妥当だろう。
おまいとじゃ、停戦交渉の場に出られない!(トランプのぼやき・・・)。
ウクライナに言うこと聞かせる最後の手段に出たということは、今後、米国が新たな支援を承認することはないという明確な意思の提示だ(そうなのかあ?)。
交渉事としては、そういう先々の方針は伏せておきたいだろうけど、いつでも武器が手に入る状況では、それをウクライナに納得させることは難しい。
作為不作為を問わず、行動は最も説得力のある言語だ。
まあいい。
トランプ政権がウクライナに配ったカードはレアアースだけだ。
他には何も与えない。
安全保障もなければ、武器も弾薬も兵士もない。
ウクライナの選択肢は、「無条件停戦」しかないのだ。
いや、欧州の支援だけで戦い続けるという選択肢はある。
「トランプ大統領は「ウクライナ支援のため米企業から武器を購入しても良い」と言っている」(同上)
その年単位の時間を凌げれば、欧州は金で解決する道を開くことが出来る。
しかし、それではロシアとの良好な関係を築くことが出来なくなるからな。
忘れちゃいけない。
支援する欧州も、またエサなのだ・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(米国の支援停止でウクライナ苦境に 抗戦可能期間は「半年間」か 戦局の転換点迎える)
https://www.sankei.com/article/20250304-ARI6ADRKRZIKHKQ2KT6BUE4OJI/
「米国の支援を欠いた場合、ウクライナが抗戦を続けられる期間は「半年間」程度に過ぎないとの観測もある。」
「米国の軍事支援が停止された場合、ウクライナが現在の水準で戦闘を継続できるのは今年夏までだ」(WSJ)
「米国の支援なしでも少なくとも6カ月間は戦える」(FT:ウクライナの議員や軍関係者)
これは、ブダノフの説明とも整合する。
「米国の支援が停止されてもロシアは即座に戦勝を得られない」(複数の露専門家)
「米軍から提供されてきた諜報・偵察データを得られなくなったり、米衛星インターネットサービス「スターリンク」との接続が解除されたりした場合、ウクライナ軍はドローン(無人機)攻撃なども困難になるとされる。」
浮沈子的には、短期の影響はこっちの方がデカいと思うんだがな。
備蓄や欧州支援である程度賄える砲弾、ロケット砲弾、ミサイルなどは、しばらくしてから影響が出る(前線への供給調整にも依ります)。
「欧州や英国も米支援の不足分を補うのは困難だとする見方が強い。」
そうなると問題は、米国の停止期間ということになる。
また、そんな半年も先になって、今更のように「米国の支援がなければ戦えないことが分かったので、停戦交渉してください」と言ったところで、取り合ってもらえるかどうかはビミョーだ。
その間、ロシアの占領地が増えちまったら、米国の取り分は減るわけだしな。
まあ、どうでもいいんですが。
(「スターリンクの代わり」 EU、ウクライナへの衛星通信支援を分析=報道)
https://www.ukrinform.jp/rubric-defense/3966393-sutarinkuno-daiwariukurainaheno-wei-xing-tong-xin-zhi-yuanwo-fen-xibao-dao.html
「ウクライナはすでに、EUが提供する政府衛星通信Govsatcomと2030年代に利用開始となる新しいサービスIRIS²の利用に関心を表明」(トーマス・レニエ欧州委員会報道官)
2030年代だってえ?。
やれやれ・・・。
「委員会はその間でウクライナと連絡を続けていく」(同上)
2022年のロシア本格侵攻の際に、ドイツがヘルメット5000個を提供した話を思い出した。
「レニエ委員は、そのシステムはウクライナに「先駆的政府サービス」を提案するものとしつつ、それが実践でどうなるか、あるいはどれくらい迅速に運用できるようになるかは明言しなかった。」
「ポリティコは、ウクライナにとって衛星通信は決定的に重要なツールだが、マスク氏が戦時下で今後もスターリンクを提供し続けるかどうかが不明だと指摘している。」
「昨年、ウクライナは、約4万2000台のスターリンク端末が国内で利用されており、その約半分はポーランドが資金を出していると伝えていた。」
いろいろ書いているけど、ぶっちゃけ、スターリンクを置き換えることが出来る代替手段はない。
スターリンクを失えば、ウクライナ軍の作戦効率は半減すると言われている。
イーロンマスクは、今回の軍事支援停止に絡めて、ウクライナへのサービスを継続するかどうかの情報を発信していないようだ(未調査)。
砲弾よりも通信だな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(交渉材料としてのクルスク占領地、ウクライナ軍が支配地域を大きく失う)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/occupied-kursk-as-a-bargaining-chip-ukrainian-forces-lose-large-area-of-control/
「最も戦闘が激しい地域は東部戦線ではなくクルスク(1日の衝突回数が30回)だ」「ロシア軍がクルスク奪還に向けて「大幅に攻撃を強化している」という認識」(ウクライナ軍参謀本部:3月2日)
「もポクロウシク方面(21回)よりクルスク方面(29回)での衝突回数の方が多く、ロシア軍が東部戦線よりもクルスク奪還にリソースを回してきたという認識」(同上:3月3日)
まあ、ポクロフシク方面だけで戦闘が行われているわけではないから、必ずしもクルスクにその分のリソースを回しているとは言えないだろう(未確認)。
逆に、ウクライナ軍がリソース不足に陥り、兵站の遮断を狙うロシア軍の展開に対応できなくなっている可能性が高い。
「DEEP STATE基準でもレベデフカ集落内の大半はロシア軍支配地域で、ここからスジャ防衛の生命線=38K-004まで5km~6kmほどしかなく、ロシア軍がスームィ州バシフカ北西に前進しようと試みているのも不気味に見え、スームィ州に食い込んできたグレーゾーンが(DEEP STATE基準で)ロシア軍支配地域に置き換わると危機の度合いが1段高まる」(航空万能論ブログ管理人)
既に38K-004は火力管制下に置かれ、輸送車両の損失も発生していると言われている。
補給線は他にもあるだろうから、完全に遮断するためには時間が掛かるだろうけど、占領地北部への兵站が細ることは避けられそうもない。
米国の軍事支援は中止されるは、貴重な占領地は目減りが続くはで、ウクライナにとっていいことは何もない。
ポクロフシクとディミトロフ(ミルノフラド)が持ちこたえているのが唯一の救いか。
浮沈子的には、逆に、ウクライナ軍のリソースがここに釘付けになって、クルスクへの手当てが出来ないのではないかと見ているけどな。
ロシアは、もう、アウディーイウカの時のような、ド派手な攻撃はしないんだろう。
圧力をかけ続け、ローテーションなどで綻びが出れば進軍し、じわじわと占領地を拡大し続ける。
それはお互い様だからな。
ウクライナ軍もまた、若干の反撃を行い、ポジションの改善を図るけど、完全に押し切るところまでは行かない。
例えば、アウディーイウカを奪還するとか、トレツクからロシア軍を追い出すとか・・・。
時間は、確実にロシア側に付いている。
少なくとも年内にロシアのリソースが枯渇するという話はない。
最近は、ロシアが崩壊して、西側に分割されるなどという荒唐無稽な話は聞かなくなった。
むしろ、米国による経済制裁の解除によって、中国への依存が減るのではないかという観点から、中ロ関係に亀裂が入るという観測も出てきている。
まあ、それはないと思うんだがな。
台湾併合や朝鮮半島危機に際して、両国の関係はむしろ強固になるだろう。
加えて、欧州大戦争が始まれば猶更だ。
米国は、世界の警察から地域大国へと、ポジションを変えていく時間を稼ごうとしているだけかもしれない。
ウクライナ紛争を巡る余りにも急速な展開は、巨象の寝返りに踏みつぶされるネズミの悲劇だろう。
トランプ政権は、ウクライナへの支援を直ちに完全にぶった切りたいところを、ぐっと堪えて(!)経済取引を絡めて停戦を実現しようとしている。
そりゃあ、ウクライナにしてみれば、悪党プーチンを野放しにする言語道断の所業に映るだろうし、ホワイトハウスに喧嘩吹っ掛けに行ったって不思議じゃない(結果、そうなったし・・・)。
徹底抗戦して、強い立場で交渉に臨み、悪党を縛り首にして留飲を下げたいだろうけど、もう米国の後ろ盾はない(そうなのかあ?)。
頼りにならない欧州(少し大きめのネズミ?)しかいないからな。
どうするのか。
欧州が束になって米国を説得し、バイデン時代に勝る軍事支援を勝ち取って、プーチンを追い詰めるなどという話は、浮沈子の妄想も敵わない絵空事に過ぎない。
ウクライナがソ連から名目上独立して30年余り。
真の独立を勝ち取るために戦い続けた3年余りの戦闘は、ようやく終わりに近づいている。
うーん、もう一年くらいはドンパチが続くかもしれないけど、「反転攻勢」とか、「全領土奪還」などというトンデモな幻想は消えた。
トランプの思惑とは別に、ウクライナはいずれ停戦に応じることになる。
まだ戦えると思っている限り、この国は真の独立を賭けて戦い続けるだろう。
ロシアは、そのことをよーっく理解している(つーか、ようやく理解したということか)。
トランプ劇場の下手な演出に踊らされたりはしない。
ロシアもまた、戦いが続くと思う限り、ウクライナの真の独立を封じ込めるために戦い続けるに違いない。
NATO非加盟、軍隊の解体と中立国化。
その戦略目標が実現するまで、戦いは終わるまい。
トランプの停戦工作は失敗するだろう。
支援の停止は、逆に欧州を焚き付け、プチバイデンな支援を継続させるきっかけを作ることになる。
戦闘は激しさを増し、一時的にはウクライナが勢いづくことがあるかも知れない。
ウクライナは、その時を捉えて停戦交渉に持ち込もうとするかもしれないけど、ロシアは逆に応じないだろう。
米国のグランドデザインは変わらない(変えられない)。
米ロ対欧州ウクライナ連合の構図が鮮明になる。
NATOは、黙っていても崩壊する運命にあるわけだ(カナダは、もう米国に付くしかないしな)。
欧州は、それを覚悟でウクライナを支援するんだろうか?。
(EU、「再軍備」125兆円 ロシアの脅威に対抗―欧州委員長)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030401007&g=int
「ウクライナへの侵攻を続けるロシアの脅威に対抗するため、8000億ユーロ(約125兆円)規模の「再軍備計画」を表明」
「複数のEU加盟国による防空システム、ミサイル、ドローンなどの共同調達を促す融資制度の新設を首脳らに書簡で提案」
まあ、餅を絵に描くことは簡単だが、食える餅をつくることは容易ではない。
「EU加盟国に課された財政規律の緩和やEU予算の活用を含め、再軍備計画が実行されれば「安全で強靱(きょうじん)な欧州のため、8000億ユーロ近くの防衛費を捻出できる」」
国内問題を抱える30の国々(NATO)が、それぞれに思惑を持って構成している欧州が、実際に再軍備計画に乗ってくるかどうかは未知数だし、このタイミング(ウクライナ支援停止)での発表は眉唾でしかない。
が、ウクライナ支援において、この精神が踏襲されるなら、ロシアに対する安全保障策としての自国の防衛強化が、支援の継続と増加に繋がる可能性がないとは言えない。
浮沈子的には、この計画がちゃんと機能する時期は、ウクライナだけじゃなくてバルト3国と東欧諸国がロシアに併合されてからになると思うんだがな・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(「米支援停止でも戦況維持できる」ウクライナ首相 欧州から代替兵器調達も)
https://www.sankei.com/article/20250304-6FHTTMSMNNIU5DKNRJMK76475A/
「米国の支援が停止されても戦局に直ちに影響しないとする認識」(ウクライナのシュミハリ首相)
「軍と政府には前線の状況を維持する能力と手段がある」(同上)
「ウクライナは(ロシアと)和平合意を締結するまで米国の支援が続くよう努めている」(同上)
「米国の支援が停止した場合、ウクライナは欧州諸国から代替兵器を購入したり、供与を受けたりする可能性を検討」(ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問)
「可能性を検討」かあ・・・。
つまりだな、完全に想定外で、何の準備もしてこなかったということなわけだ(そういうことかあ?)。
まあ、浮沈子だって、まさか本当に止めるとは思っていなかったからな。
(ウクライナ軍事支援の停止確認 物流拠点のポーランド)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030401245&g=int
「米国によるウクライナへの軍事支援の物流が実際に停止していることを確認」「国境やわが国の(物流)拠点から届く報告は、米国が表明したことを裏付けるものだ」(ポーランドのトゥスク首相)
「ポーランドは、ロシアの侵攻を受けるウクライナに隣接し、西側諸国による軍事・人道支援の物流拠点となっている。」
やれやれ・・・。
その一方で、制裁の解除に向けた準備は、着々と進んでいる。
(米、ロシア制裁緩和の可能性検討 財務・国務省に作業要請=情報筋)
https://jp.reuters.com/world/us/UCQTCGYAB5IB3LNTVYNTONOG4E-2025-03-03/
「ホワイトハウスは国務省と財務省に対し、緩和できる可能性のある制裁のリストを作成するよう要請。」「現在、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)を含む特定の団体や個人に対する制裁解除の提案が策定されている」(米当局者や情報筋)
「ウクライナ侵攻を受けて米国が導入したロシアへの制裁には、石油・ガス産業からの収入制限や軍資金の調達能力縮小を目的とした措置が含まれている。」
ウクライナにしてみれば、発狂しそうな話だが、これが国際政治の現実なわけだ。
<またまた追加>ーーーーーーーーーー
(米国、ウクライナとの情報共有を一部停止-トランプ政権が圧力強化)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-05/SSNK4BT1UM0W00
「匿名を条件に語った米当局者1人によると、ウクライナが自国軍部隊を守るために必要な情報を除いた全てが共有停止の対象となる。」
「われわれは一歩引き、この関係の全ての面を一時停止し、見直している」(ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当))
「ウクライナ政府高官は、トランプ政権が軍事情報共有を停止したとの一部報道を否定し、引き続き米国から必要な情報を受け取っていると述べている。」
「英紙デーリー・メールも、米政府が英国による情報共有を禁じたと報じている。」
「事情に詳しい東欧当局者の1人は、情報共有の停止が影響するのはロシア領内の標的に限られると述べた。」
「ラトクリフ中央情報局(CIA)長官も5日、米国が情報共有も停止したかどうかの質問に対し、明確に否定することはしなかった。同氏はFOXビジネスに対し、「確かにトランプ大統領が命じたのは停止だ」と発言。」
情報共有は機微に渡る事項だだ。
詳細が報道されることはないだろうが、こうして漏れ出てくる話を総合すると、何らかの形での制限が加わっていることは確かだ。
ウクライナ側から見て、制限されていないように見える程度の、緩やかなものなのかもしれないし、それと気付かれないように間引きされたものなのかもしれない。
まあ、おそらくは、ウクライナ側の発表は、国内向けの情報戦の如何の可能性が高いだろうけどな。
「情報共有の停止は先月の首脳会談後に生じた緊張をさらに高める」
武器供与の一時停止は、まあ、当分は何とか対処できるだろうけど、情報共有(提供)の停止は、待ったなしの死活問題だ。
顔が引きつるレベルの話なわけだ。
特にロシア領内の情報の欠如は、クルスク方面の戦況の悪化に拍車がかかる可能性がある。
やれやれ・・・。
あとは、スターリンクがどうなるかが最大の問題だな・・・。
<もっと追加>ーーーーーーーーーー
(軍事支援一時停止でゼレンスキーに揺さぶりかけるトランプ、スターリンク遮断ならウクライナ軍は数週間で崩壊も)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/86986?page=6
「ウクライナ軍はドローン運用にイーロン・マスク氏のスターリンクを利用している。米情報機関はリアルタイムでロシア軍の位置情報を提供している。これらの協力が打ち切られたらウクライナ軍は対抗手段を失う。数週間でウクライナは壊滅するという悲観的な見方すら出ている。」
木村氏の情報の出所は不明だが、この記事の時点ではスターリンクはまだ稼働しているようだな・・・。
(ユーテルサット株、最安値から最大7.5倍に 「ゲームストップ効果」か)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/G7VTQYAJDJM4PJFZMGDL6XCD5A-2025-03-07/
「ウクライナへのインターネット接続の追加供給に向けて欧州連合(EU)と交渉している。トランプ米大統領の側近のイーロン・マスク氏が率いる通信ネットワーク「スターリンク」に取って代わる可能性が示唆された」
「先週は最安値水準で推移していたユーテルサットの株価は、今月5日に前週末の6倍まで上昇。6日には前日比で18%上昇し、時価総額は40億ユーロ(43億ドル)を超えた。ただ6日終値では11%安となった。」
うーん、敵失でしか株価改善が図れないという静止衛星市場は、何とも言えない状況だな・・・。
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