😼欧州大戦争:重箱の隅:ポクロフシク決戦迫る ― 2025年06月28日 19:45
欧州大戦争:重箱の隅:ポクロフシク決戦迫る
(ロシアの目的はドニプロペトロウシク州への侵入、スーミ州の緩衝地帯設置、ポクロウシク制圧=ゼレンシキー宇大統領)
https://www.ukrinform.jp/rubric-ato/3997877-roshiano-mu-dehadonipuropetoroushiku-zhouheno-qin-rusumi-zhouno-huan-chong-de-dai-she-zhipokuroushiku-zhi-yazerenshiki-yu-da-tong-ling.html
「彼らは、ドニプロペトロウシク州の行政境界線を超えるためにあらゆることを行ってくる。今のところ、彼はうまくいっていない。彼らは、ポクロウシクを制圧したがっており、これまでと同じ行動をとっている。ルハンシク州とドネツィク州は、2014年以来から据えられている彼らの戦略的目的のままだ」「今彼らはスーミ方面に部隊を集結させている。5万人以上だ。私たちは把握している。しかし、そこでは私たちにも成功がある。今日(編集注:記者との会合は27日に行われた)、例えば、チョトキノで8名を拘束した」「クルスク州から私たちの部隊を追い出し、スーミ州への進軍行為を準備するためだ。彼らが呼んでいるその、ウクライナへと10キロの深さの緩衝地帯を創設するためだ。私は、彼らはその能力が不足していることを理解していると思っている。今はそうだ(編集注:敵の能力不足)。ただし、クルスク州では、私は、私たちの部隊が正しく行動したと思っている。クルスク州で1方面から撤退し、他の方面から入った。そこには、私たちの良い活動成果がある。つまり、ロシア軍が戦争を終わらせたがらない限り、ないし、少なくとも最初の一歩である停戦を望むようにならない限り、私たちはそこにいる」「彼らは、クルスク方面から準備していたスーミ方面における部隊の集結を、私たちの対応行動を受けて実現できていない。ポクロウシク方面、コスチャンティニウカ方面もだ。私たちには問題があるが、成功裡の戦闘もある。過去48時間、私たちは、コスチャンティニウカ方面で彼らを4キロ追い返した。つまり、彼らはポクロウシク方面から自軍全てを完全には外せないのだ。同様に、彼らは、ポクロウシク制圧のために同方面へと全ての部隊を移動させることはできていない」「私たちは、ザポリッジャ方面に関する情報を見ている。彼らの中には不変の目標がある。彼らには、渡河ヘルソン攻勢作戦について話し続けている夢想家もいる。しかし、それを話しているのは、どれだけそこで人が死のうか構わないロシア人だ。彼らが正気なのかどうかは私には確信がないが。渡河は、私たちは、ヘルソン州では現在全く不可能だと理解している」(ウクライナのゼレンシキー大統領)
一国の大統領が、前線の状況をこれだけ細かく把握していることは実に驚きだ。
・ドニプロペトロウシク州の行政境界突破
・ポクロウシク制圧
・スーミ州に緩衝地帯を創設
・ヘルソン方面渡河作戦
ドニプロへの進軍は、既に行われている。
スムイ州への緩衝地帯も創設された。
へルソンへの渡河作戦は、今のところ影も形もない(浮沈子は、絶対やると見ていますが)。
で、今年のハイライトは何と言ってもポクロフシク制圧だろう。
これについては別記事も出ている。
(ロシア、要衝ポクロウスク付近に兵員11万人集結 ウクライナ軍総司令官)
https://www.cnn.co.jp/world/35234858.html
「ウクライナ軍のシルスキー総司令官は27日、ロシアが東部の戦略的要衝ポクロウスクを奪取するため、付近に兵員11万人を集結させていると明らかにした。」
スムイ方面は5万人以上としているが、11万人の兵力をたかがポクロフシクふぜいに投入するというのは半端ではない。
もう1年近く、ポクロフシク方面の前線は動いていない。
以前は、兵站の拠点として機能していたようだが、既にいくつかのルートは遮断され、補給機能は限定的になっている(未確認)。
現状は、ロシア軍を足止めする前線の拠点としての機能しかない。
「ポクロウスクは大都市ではないが、この地域の軍事拠点を結ぶ重要な補給道路や鉄道に沿って位置する。コスチャンティニウカ、クラマトルスク、スロビャンスクとともに、ポクロウスクはドネツク州のウクライナ支配地域における防衛の要をなす。」
ここを抜かれると、北上するロシア軍を止めることが難しくなる。
東からの攻撃をしのいできたリマンやシベリスクも、南からの攻撃を受ける。
ウクライナの陣地がどうなっているのかは知らないけど、想定外の方角からの攻撃には、あっけないほど脆かったからな。
ポクロフシクの攻防は、少なくともドネツク州の防御が崩壊するかどうかを占う上で死活的に重要だ。
終結した部隊を遊ばせておく余裕はないだろうから、本格的な攻撃は間もなく始まる。
「彼らは、ポクロウシク制圧のために同方面へと全ての部隊を移動させることはできていない」(ゼレンスキー:再掲)
ロシア軍の予備兵力は10万人を超えているからな。
全ての部隊を移動させる必要はないだろう。
逆に、ウクライナ軍はこれに対応するための兵力を早急にかき集めなければならない。
ドニプロペトロウシク州への侵攻も、これと連動して行われていると思われる(近接地域だからな)。
ロシア軍との兵力差があるとされる中で、スムイ州とポクロフシク方面に兵力を分散させられているのはウクライナ軍の方かもしれない。
やれやれ・・・。
滑空弾やミサイルを含め、ロシア側の攻撃は熾烈を極めるだろう。
美しい街並みだったポクロフシクは、影も形もなくなるに違いない。
ウクライナ側も、背後に撤退する拠点がないだけに、徹底抗戦すると思われる(未確認)。
もっとも、ドネツクを明け渡すつもりなら、ドニプロに引く手はある。
ウクライナ軍に勝ち目はない。
元々、2023年秋以降、この戦いは基本的にウクライナの撤退戦だ。
敵に損害を与えつつ、味方の損害を最小限にして、領土というリソースをつぎ込みながら時間というリソースを稼ぎ出す戦いだ。
もう2年近く、それを続けてきている。
ウクライナは善戦している。
この間、米国の軍事支援は何度も滞り、トランプ政権に代わってからは新たな支援の発表もない(パトリオットとかの防御手段提供の表明はあったようですが)。
そのなかで、クルスク侵攻や戦略爆撃機破壊などの抵抗を続けている。
効果のほどは怪しいけどな。
まあいい。
浮沈子は、兵力損耗を最小限に抑えて、切りのいいところで撤退するべきだろうと考える。
ポクロフシクを抜かれても、ドネツク州にはまだまだ突破しなければならない拠点がいくつもある。
ロシア軍にリソース(兵士や兵器、弾薬、軍資金、何より時間)を消耗させ、プーチンの息の根を止めなければならない。
ロシア側も、国家の存亡を賭けて戦っているわけだから、そう簡単には引き下がらない。
根負けした方が敗退する。
それでも、ポクロフシクを死守する意味はない。
バフムトやアウディーイウカのように、粘りに粘って敵の損耗を引き出す価値はない。
この夏、ポクロフシク(ミルノフラド含む)は落ちるだろう。
11万人のロシア軍兵士は、ほぼ全員が死傷する(そうなのかあ?)。
捨て駒なのだ。
この戦いに熟練の兵士はいらない。
数で押し切る覚悟だろう。
ドニプロ方面やコスティアンティニフカ方面での陽動(同時攻勢)はあるだろうが、基本的には正面突破だ。
攻撃は、早ければ今月内にも始まる(あと2日だけど)。
期間は1か月から最大で2か月。
夏の終わりには、決着しているだろう。
ロシア軍には嬉しくない消耗戦だ。
2か月で10万人規模を損耗する。
ロシア軍の死傷者は、40か月で約100万人(4か月で10万人)と言われているから、その2倍以上のペースで消耗することになる。
ウクライナがまねのできない芸当だ。
そんな戦争に、いつまで付き合っているのか。
3度目の直接協議が近々始まると言われている。
(プーチン氏「3回目の日時を協議中」「和平案が議題に」 ロシア・ウクライナ直接交渉)
https://www.sankei.com/article/20250628-LME6O3GRYBNGJBC5ILQXEZX4RU/
「交渉は双方の立場を近づけるために行われるものだ」「和平案が正反対だったことは驚くようなことではない」「われわれに必要な結果で終結させようとしている」(ロシアのプーチン大統領)
サプライズは期待できない。
が、戦争の現場で和平が訪れることはない。
双方が破壊し尽くし、撃つ弾がなくならない限りは。
戦争の終結は、前線から遠く離れた高級ホテルの会議室や、豪華な宮殿のシャンデリアとかがある部屋で行われる。
今日は、1919年にベルサイユ条約が調印された日だ。
宮殿の鏡の間で行われたそうだが、この部屋は戦争の間と平和の間の間の通路に当たるそうだ(行ったことはありません)。
まあ、どこでもいいんですが。
ドンパチは、行われる前に解決されれば上策、双方の被害が拡大する前に解決されれば中策、矢折れ力尽きるまで戦い抜いて、ようやく解決されるのは下策だ。
ポクロフシク攻防戦は、どれになるんだろうな・・・。
(ロシアの目的はドニプロペトロウシク州への侵入、スーミ州の緩衝地帯設置、ポクロウシク制圧=ゼレンシキー宇大統領)
https://www.ukrinform.jp/rubric-ato/3997877-roshiano-mu-dehadonipuropetoroushiku-zhouheno-qin-rusumi-zhouno-huan-chong-de-dai-she-zhipokuroushiku-zhi-yazerenshiki-yu-da-tong-ling.html
「彼らは、ドニプロペトロウシク州の行政境界線を超えるためにあらゆることを行ってくる。今のところ、彼はうまくいっていない。彼らは、ポクロウシクを制圧したがっており、これまでと同じ行動をとっている。ルハンシク州とドネツィク州は、2014年以来から据えられている彼らの戦略的目的のままだ」「今彼らはスーミ方面に部隊を集結させている。5万人以上だ。私たちは把握している。しかし、そこでは私たちにも成功がある。今日(編集注:記者との会合は27日に行われた)、例えば、チョトキノで8名を拘束した」「クルスク州から私たちの部隊を追い出し、スーミ州への進軍行為を準備するためだ。彼らが呼んでいるその、ウクライナへと10キロの深さの緩衝地帯を創設するためだ。私は、彼らはその能力が不足していることを理解していると思っている。今はそうだ(編集注:敵の能力不足)。ただし、クルスク州では、私は、私たちの部隊が正しく行動したと思っている。クルスク州で1方面から撤退し、他の方面から入った。そこには、私たちの良い活動成果がある。つまり、ロシア軍が戦争を終わらせたがらない限り、ないし、少なくとも最初の一歩である停戦を望むようにならない限り、私たちはそこにいる」「彼らは、クルスク方面から準備していたスーミ方面における部隊の集結を、私たちの対応行動を受けて実現できていない。ポクロウシク方面、コスチャンティニウカ方面もだ。私たちには問題があるが、成功裡の戦闘もある。過去48時間、私たちは、コスチャンティニウカ方面で彼らを4キロ追い返した。つまり、彼らはポクロウシク方面から自軍全てを完全には外せないのだ。同様に、彼らは、ポクロウシク制圧のために同方面へと全ての部隊を移動させることはできていない」「私たちは、ザポリッジャ方面に関する情報を見ている。彼らの中には不変の目標がある。彼らには、渡河ヘルソン攻勢作戦について話し続けている夢想家もいる。しかし、それを話しているのは、どれだけそこで人が死のうか構わないロシア人だ。彼らが正気なのかどうかは私には確信がないが。渡河は、私たちは、ヘルソン州では現在全く不可能だと理解している」(ウクライナのゼレンシキー大統領)
一国の大統領が、前線の状況をこれだけ細かく把握していることは実に驚きだ。
・ドニプロペトロウシク州の行政境界突破
・ポクロウシク制圧
・スーミ州に緩衝地帯を創設
・ヘルソン方面渡河作戦
ドニプロへの進軍は、既に行われている。
スムイ州への緩衝地帯も創設された。
へルソンへの渡河作戦は、今のところ影も形もない(浮沈子は、絶対やると見ていますが)。
で、今年のハイライトは何と言ってもポクロフシク制圧だろう。
これについては別記事も出ている。
(ロシア、要衝ポクロウスク付近に兵員11万人集結 ウクライナ軍総司令官)
https://www.cnn.co.jp/world/35234858.html
「ウクライナ軍のシルスキー総司令官は27日、ロシアが東部の戦略的要衝ポクロウスクを奪取するため、付近に兵員11万人を集結させていると明らかにした。」
スムイ方面は5万人以上としているが、11万人の兵力をたかがポクロフシクふぜいに投入するというのは半端ではない。
もう1年近く、ポクロフシク方面の前線は動いていない。
以前は、兵站の拠点として機能していたようだが、既にいくつかのルートは遮断され、補給機能は限定的になっている(未確認)。
現状は、ロシア軍を足止めする前線の拠点としての機能しかない。
「ポクロウスクは大都市ではないが、この地域の軍事拠点を結ぶ重要な補給道路や鉄道に沿って位置する。コスチャンティニウカ、クラマトルスク、スロビャンスクとともに、ポクロウスクはドネツク州のウクライナ支配地域における防衛の要をなす。」
ここを抜かれると、北上するロシア軍を止めることが難しくなる。
東からの攻撃をしのいできたリマンやシベリスクも、南からの攻撃を受ける。
ウクライナの陣地がどうなっているのかは知らないけど、想定外の方角からの攻撃には、あっけないほど脆かったからな。
ポクロフシクの攻防は、少なくともドネツク州の防御が崩壊するかどうかを占う上で死活的に重要だ。
終結した部隊を遊ばせておく余裕はないだろうから、本格的な攻撃は間もなく始まる。
「彼らは、ポクロウシク制圧のために同方面へと全ての部隊を移動させることはできていない」(ゼレンスキー:再掲)
ロシア軍の予備兵力は10万人を超えているからな。
全ての部隊を移動させる必要はないだろう。
逆に、ウクライナ軍はこれに対応するための兵力を早急にかき集めなければならない。
ドニプロペトロウシク州への侵攻も、これと連動して行われていると思われる(近接地域だからな)。
ロシア軍との兵力差があるとされる中で、スムイ州とポクロフシク方面に兵力を分散させられているのはウクライナ軍の方かもしれない。
やれやれ・・・。
滑空弾やミサイルを含め、ロシア側の攻撃は熾烈を極めるだろう。
美しい街並みだったポクロフシクは、影も形もなくなるに違いない。
ウクライナ側も、背後に撤退する拠点がないだけに、徹底抗戦すると思われる(未確認)。
もっとも、ドネツクを明け渡すつもりなら、ドニプロに引く手はある。
ウクライナ軍に勝ち目はない。
元々、2023年秋以降、この戦いは基本的にウクライナの撤退戦だ。
敵に損害を与えつつ、味方の損害を最小限にして、領土というリソースをつぎ込みながら時間というリソースを稼ぎ出す戦いだ。
もう2年近く、それを続けてきている。
ウクライナは善戦している。
この間、米国の軍事支援は何度も滞り、トランプ政権に代わってからは新たな支援の発表もない(パトリオットとかの防御手段提供の表明はあったようですが)。
そのなかで、クルスク侵攻や戦略爆撃機破壊などの抵抗を続けている。
効果のほどは怪しいけどな。
まあいい。
浮沈子は、兵力損耗を最小限に抑えて、切りのいいところで撤退するべきだろうと考える。
ポクロフシクを抜かれても、ドネツク州にはまだまだ突破しなければならない拠点がいくつもある。
ロシア軍にリソース(兵士や兵器、弾薬、軍資金、何より時間)を消耗させ、プーチンの息の根を止めなければならない。
ロシア側も、国家の存亡を賭けて戦っているわけだから、そう簡単には引き下がらない。
根負けした方が敗退する。
それでも、ポクロフシクを死守する意味はない。
バフムトやアウディーイウカのように、粘りに粘って敵の損耗を引き出す価値はない。
この夏、ポクロフシク(ミルノフラド含む)は落ちるだろう。
11万人のロシア軍兵士は、ほぼ全員が死傷する(そうなのかあ?)。
捨て駒なのだ。
この戦いに熟練の兵士はいらない。
数で押し切る覚悟だろう。
ドニプロ方面やコスティアンティニフカ方面での陽動(同時攻勢)はあるだろうが、基本的には正面突破だ。
攻撃は、早ければ今月内にも始まる(あと2日だけど)。
期間は1か月から最大で2か月。
夏の終わりには、決着しているだろう。
ロシア軍には嬉しくない消耗戦だ。
2か月で10万人規模を損耗する。
ロシア軍の死傷者は、40か月で約100万人(4か月で10万人)と言われているから、その2倍以上のペースで消耗することになる。
ウクライナがまねのできない芸当だ。
そんな戦争に、いつまで付き合っているのか。
3度目の直接協議が近々始まると言われている。
(プーチン氏「3回目の日時を協議中」「和平案が議題に」 ロシア・ウクライナ直接交渉)
https://www.sankei.com/article/20250628-LME6O3GRYBNGJBC5ILQXEZX4RU/
「交渉は双方の立場を近づけるために行われるものだ」「和平案が正反対だったことは驚くようなことではない」「われわれに必要な結果で終結させようとしている」(ロシアのプーチン大統領)
サプライズは期待できない。
が、戦争の現場で和平が訪れることはない。
双方が破壊し尽くし、撃つ弾がなくならない限りは。
戦争の終結は、前線から遠く離れた高級ホテルの会議室や、豪華な宮殿のシャンデリアとかがある部屋で行われる。
今日は、1919年にベルサイユ条約が調印された日だ。
宮殿の鏡の間で行われたそうだが、この部屋は戦争の間と平和の間の間の通路に当たるそうだ(行ったことはありません)。
まあ、どこでもいいんですが。
ドンパチは、行われる前に解決されれば上策、双方の被害が拡大する前に解決されれば中策、矢折れ力尽きるまで戦い抜いて、ようやく解決されるのは下策だ。
ポクロフシク攻防戦は、どれになるんだろうな・・・。
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