等圧相互拡散? ― 2012年01月03日 01:55
ガンガゼ、見っけ!
ICD(Isobaric counterdiffusion)といっても、日本語のページは一切ない(見つけられないだけかも)。けっこう古くから知られている現象(1973年)で、ディープダイビングでは、窒素ガスとヘリウムガスの拡散速度の違いによって、ガス交換のタイミングを誤ると、Ⅲ型減圧症(どうも、耳の奥がやられてめまいなどの症状が出るらしい。これも、日本語の正確な記述は見当たらない)の原因になるといわれている。
counterdiffusionを、相互拡散と直訳しているが、正確な訳語かどうか、確認すらできない。英語のページだと、ちょろっと調べるとぞろぞろ出てくる。
(ウィキペディア)
http://en.wikipedia.org/wiki/Isobaric_counterdiffusion
(アドバンスド・ダイバー・マガジン)
http://www.advanceddivermagazine.com/articles/icd/icd.html
(DANヨーロッパ)
http://www.daneurope.org/web/guest/readarticle?p_p_id=web_content_reading&p_p_lifecycle=0&p_p_mode=view&p_r_p_-1523133153_groupId=10103&p_r_p_-1523133153_articleId=16528&p_r_p_-1523133153_articleVersion=1.0&p_r_p_-1523133153_articleType=General+Web+Content&p_r_p_-1523133153_commaCategories=&p_r_p_-1523133153_commaTags=answers&p_r_p_-1523133153_templateId=GENERIC_TEMPLATE_NO_IMG
(原論文:1973年発表)
http://diverclub.ru/File/Lambertsen_science_1973.pdf
http://diverclub.ru/File/vertigo_lambertsen_1973.pdf
暇な人は、よく読んでください。
で、要約すると、同じ深度でも拡散速度が速いガスに交換した場合、それだけで減圧症になってしまうということらしい。だから、たっぷり窒素を取り込んだ状態でヘリウムを吸ってはいかん!、というのはよくわかる。ヘリウムの方が拡散速度は速いからだ。
そもそも、トライミックスからナイトロックスへの切り替えは行うが、逆ってないでしょ?。
しかし、どうやら事はそう単純ではないようだ。
ヘリウムガスからナイトロックスへの切り替えの際も、注意を要する。
Inner Ear Decompression Sickness (IEDCS) という症状があって(これがⅢ型らしい)、ヘリオックスとかトライミックスでヘリウムをたっぷり溜め込んでから、ナイトロックスに切り替えるときにも、不活性ガスの過飽和が一時的に起こり、内耳に障害を与えるというのだ。
(原論文:2003年発表)
http://jap.physiology.org/content/94/6/2145.long
それは、どうやら窒素の溶解性がヘリウムよりも4.5倍高く、このために不活性ガスの過飽和が起こることによるとされている。
(そのページ)
http://www.scubaengineer.com/isobaric_counter_diffusion.htm
どーすりゃええんじゃい!。
Steve Burtonによれば、5分の1ルールを適用せい!、ということらしい。オープンサーキットの場合、中くらいの濃さのナイトロックスを持っていく必要があることになる。
CCRの場合は、分圧の調整になるのか?。
実際の運用については、もう少し調べてみる必要がありそうだ。
ちなみに、酸素環境による再加圧(つまり、高圧酸素療法)は、このⅢ型減圧症に有効だそうだ。
また、「APD Projection - DivePlanner and DiveStore」に入っている、ダイブプランナーという減圧ソフトには、Isobaric Counter Diffusion Warningsの機能が付いている(宣伝)。
(APD Projection - DivePlanner and DiveStore)
http://www.apdivingdirect.com/int/catalog/product_info.php?products_id=348
フリーの減圧ソフトのVプランナーにも、Warning levels & colorsの項に、IBCD (Isobaric counter diffusion) levelsとして、載っている。
(V-Planner)
http://www.hhssoftware.com/v-planner/faqhelp.html#warning
その一方で、こんなページもあった。
(HLPlannerのFAQ)
http://www.hlplanner.com/faq.htm#f5
古くから知られていながら、新しい知見が加えられ、より安全なダイビングを行うための知恵と工夫が生み出されていくICD対策なのだが、昔のテクニカルダイビングのマニュアルや、古くからのテクニカルダイバーの間では、あまりお目にかかったり話題にならない。
これからも、目が離せない話題だ。
ICD(Isobaric counterdiffusion)といっても、日本語のページは一切ない(見つけられないだけかも)。けっこう古くから知られている現象(1973年)で、ディープダイビングでは、窒素ガスとヘリウムガスの拡散速度の違いによって、ガス交換のタイミングを誤ると、Ⅲ型減圧症(どうも、耳の奥がやられてめまいなどの症状が出るらしい。これも、日本語の正確な記述は見当たらない)の原因になるといわれている。
counterdiffusionを、相互拡散と直訳しているが、正確な訳語かどうか、確認すらできない。英語のページだと、ちょろっと調べるとぞろぞろ出てくる。
(ウィキペディア)
http://en.wikipedia.org/wiki/Isobaric_counterdiffusion
(アドバンスド・ダイバー・マガジン)
http://www.advanceddivermagazine.com/articles/icd/icd.html
(DANヨーロッパ)
http://www.daneurope.org/web/guest/readarticle?p_p_id=web_content_reading&p_p_lifecycle=0&p_p_mode=view&p_r_p_-1523133153_groupId=10103&p_r_p_-1523133153_articleId=16528&p_r_p_-1523133153_articleVersion=1.0&p_r_p_-1523133153_articleType=General+Web+Content&p_r_p_-1523133153_commaCategories=&p_r_p_-1523133153_commaTags=answers&p_r_p_-1523133153_templateId=GENERIC_TEMPLATE_NO_IMG
(原論文:1973年発表)
http://diverclub.ru/File/Lambertsen_science_1973.pdf
http://diverclub.ru/File/vertigo_lambertsen_1973.pdf
暇な人は、よく読んでください。
で、要約すると、同じ深度でも拡散速度が速いガスに交換した場合、それだけで減圧症になってしまうということらしい。だから、たっぷり窒素を取り込んだ状態でヘリウムを吸ってはいかん!、というのはよくわかる。ヘリウムの方が拡散速度は速いからだ。
そもそも、トライミックスからナイトロックスへの切り替えは行うが、逆ってないでしょ?。
しかし、どうやら事はそう単純ではないようだ。
ヘリウムガスからナイトロックスへの切り替えの際も、注意を要する。
Inner Ear Decompression Sickness (IEDCS) という症状があって(これがⅢ型らしい)、ヘリオックスとかトライミックスでヘリウムをたっぷり溜め込んでから、ナイトロックスに切り替えるときにも、不活性ガスの過飽和が一時的に起こり、内耳に障害を与えるというのだ。
(原論文:2003年発表)
http://jap.physiology.org/content/94/6/2145.long
それは、どうやら窒素の溶解性がヘリウムよりも4.5倍高く、このために不活性ガスの過飽和が起こることによるとされている。
(そのページ)
http://www.scubaengineer.com/isobaric_counter_diffusion.htm
どーすりゃええんじゃい!。
Steve Burtonによれば、5分の1ルールを適用せい!、ということらしい。オープンサーキットの場合、中くらいの濃さのナイトロックスを持っていく必要があることになる。
CCRの場合は、分圧の調整になるのか?。
実際の運用については、もう少し調べてみる必要がありそうだ。
ちなみに、酸素環境による再加圧(つまり、高圧酸素療法)は、このⅢ型減圧症に有効だそうだ。
また、「APD Projection - DivePlanner and DiveStore」に入っている、ダイブプランナーという減圧ソフトには、Isobaric Counter Diffusion Warningsの機能が付いている(宣伝)。
(APD Projection - DivePlanner and DiveStore)
http://www.apdivingdirect.com/int/catalog/product_info.php?products_id=348
フリーの減圧ソフトのVプランナーにも、Warning levels & colorsの項に、IBCD (Isobaric counter diffusion) levelsとして、載っている。
(V-Planner)
http://www.hhssoftware.com/v-planner/faqhelp.html#warning
その一方で、こんなページもあった。
(HLPlannerのFAQ)
http://www.hlplanner.com/faq.htm#f5
古くから知られていながら、新しい知見が加えられ、より安全なダイビングを行うための知恵と工夫が生み出されていくICD対策なのだが、昔のテクニカルダイビングのマニュアルや、古くからのテクニカルダイバーの間では、あまりお目にかかったり話題にならない。
これからも、目が離せない話題だ。
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