CCRの行方2015年06月16日 05:21

CCRの行方


PADIジャパンが、リブリーザーのテキストの日本語訳を出さないのはケシカラン!。

とある方から、そんな話を聞いた。

訳あって、名前は明かせない。

いや、PADIは早く日本語訳を出して、ショップに売りまくってもらいたいのだろうが、どうもうまくいっていないようだな。

市場が小さいからとかいうが、大きくするためにローカライズしようというのだから、ニワトリとタマゴの関係だ。

インストラクター用のテキストを見たことはないが、生徒用のものでも200ページある。

しかも、やや難解な言い回しと、リブリーザーのことを分かっていなければ訳せない部分もあって、部外者による翻訳というのは期待できない。

出版したとしても、在庫の山になることは分かりきっている。

我が国の景気が上向かない限り、売れっこないのだ。

バブルよ!、もう一度!。

まあ、CCRの場合、泡(バブル)は出ないけどな。

ただ、値段が下がってくることは期待していい。

(Mk6 60mモデル(¥570,000)特別販売のお知らせ)
http://www.poseidon-j.com/#!news/nws5/F4D62872-8100-49C2-BEB6-6285604F2E50/mk6-60m-%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-(%C2%A5570%2C000)-%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B

「台数に限りがありますが・・・」

「特典:先着20名様にはステンレス製プロテクションハンドルとガウントレットをプレゼント」

まあ、少なくとも20台以上はあるようなので、欲しい方はまだ間に合うかもしれない。

税込み618,000円だが、中古としても格安かもしれない(ポルシェでいえば、認定中古車のようなもんか)。

ただ、このページの写真が気に入らないな。

60mまで対応ということは、当然、減圧仕様、テック仕様のはずなのに、なんでレクリエーショナル用のカウンターラング付けてるんだあ?。

まあいい。

詳しくは問い合わせを!。

で、このくらいの値段なら、少しは普及に弾みがつくかもしれない。

可能ならば、50まんえんを切って欲しいところだ。

今後、競合他社から、新しいモデルが出てくれば、競争原理で価格もこなれてくることが期待される・・・。

と書いてみて、そりゃないな、と思った。

市場規模が小さいので、そう頻繁にニューモデルを投入することは出来ないし、数を売らなければ開発費が回収できないので、細かいブラッシュアップを重ねながら、同じモデルを10年以上使い続けていくしかない。

その意味では、インスピやメガロドンだって、基本構成を変えずに、小改良を繰り返したりバリエーションを増やして、商品価値を維持している。

ポセイドンが、セブン(se7en)の次の機種(ei8ht?)を投入するのが何時になるかは不明だが、その機種が破格の値段(20まんえんくらい?)で出てくる可能性は、ゼロに近い。

また、スクラバーや酸素センサーといった消耗品が、今の10分の1の価格で出回ることもないだろう。

要するに、普及しなければ何も変わらないのだ。

その起爆剤になるのが、テキストの各国語への対応かどうかは別の話である。

価格もさることながら、CCRによるダイビングの魅力というものを、もっと知ってもらうことも重要なのではないか。

通常のボートダイビングであっても、水面休息時間という、複数回のダイビングに付き物のお約束の時間(窒素排出時間)を有効に使って、殆ど1.5倍の潜水を可能にする器材であることは、ここグアムで浮沈子が体験している通りである。

考えようによっては、特別の器材でも何でもない。

体力的な問題から、午後の3ダイブは行っていないが、それを含めて考えれば、かなりリーズナブルなダイビングが堪能できる(タンクもスクラバーも替えずに済む)。

つまり、お得なのだ。

しかも、ダイビングの質を考えれば、何倍ものメリットがある。

呼吸回路を流れる自分自身の呼吸音以外は、無音の世界だ(ソレノイドバルブの作動音とかは、とりあえず無視!)。

サカナは、ブラックチップを含めて向こうからやってくるし!(カメだけでいいです)。

広大な海水の世界に一体となって、沈黙の世界のささやきに耳を澄ます(クロスズメダイの鳴き声と、自分の腹の虫の鳴き声・・・)。

これは、もう、ダイバー冥利に尽きるというものだ。

もちろん、サイドマウントのダブルタンクでナイトロックスを吸ってもいいが、無音の世界と水中生物との接近遭遇(サメは結構ですが)は、諦めなければならない。

湿った暖かい呼吸ガスも期待できない。

これは個人差があるので何ともいえないが、浮沈子の場合、ナイトロックスをタンクから吸って体が楽になったという経験はないが、CCRの場合は明らかに違いが分かる。

今回のように、いわゆるディープダイビングを含む連続潜水を繰り返す場合、からだへの負担は格段に小さい。

精神的にも、安心感が違う。

それらを含めた、トータルのダイビングの質の違いこそが、オープンサーキットとの本質的な差なのだ。

それは、プライスレスな価値だ。

いや、ダイビングの価値は、そんなところにはない、と思うなら、わざわざCCRを選択する必要はない。

オープンサーキットだって、もちろん、素晴らしい体験を約束してくれる。

どんな器材で潜るかではなく、いつ、どこで、どう潜るかだ。

しかし、CCRでのダイビングは、そういうシチュエーションの違いを超えた、レベル違う体験を約束してくれる。

ちゃんとしたトレーニングを受けなければ危険なだけだし、ある程度の慣れも必要だが、浮沈子でも使える器材である。

そのメリットを最大限生かしたダイビングは、次元の異なる経験となる。

この質の違いを、言葉で表現するのは難しい。

何より、体験してもらうのが一番いいのだが、いくつか問題もある。

そういう機会が、オープンサーキットほど身近にないのだ。

浮沈子が体験した大井町のスキューバプロショップは、手軽に体験できる数少ない施設だが、こんな感じのところがもっと増えるといいな。

ユニットにもよるだろうが、CCRの場合、呼吸抵抗がややある。

指導団体は、自然な呼吸とか、いろいろな表現をするが、オープンサーキットと比べれば、初めて使用したときに相当の違和感を感じるはずだ。

PADIの場合は、カード持ち(一人前のダイバー)が前提なので、体験時にはある程度のダイビングをこなしていることになる。

オープンサーキットに慣れた方ほど、この違和感を感じることになるかもしれない。

人にもよるだろうが、浮沈子の場合は、浮力調整が最大の難関だったな(今でもそうじゃね?)。

何度も夢に出てきたほどだ。

カウンターラングの容積をミニマムに保ちつつ、BCの浮力をコントロールする。

呼吸を使って浮力を調整してきた経験が長いほど、苦労するかもしれない。

ただ、最近分かってきたが、浮くとか沈むとかいう感覚は、オープンサーキットと同じだ(当たり前ですが)。

このダイバーの浮力センサーが鍛えられていれば、後はコントロールの方法を覚えればいいだけともいう。

それは、個人差があるのだろう。

ポセイドンの場合、ずいぶんシンプルな運用になったとはいえ、CCRは複雑な器材だ。

準備や片付け、メンテナンスには、それなりの手間、暇、金が掛かる。

それを苦痛と感じてしまうと、ややハードルが高くなるな。

ユニットの重さも、人によってはネックになる。

そういったネガティブな部分を含めて、トータルでメリットを感じてもらえなければ、普及はしない。

何より、使いこなせるようになるまでのトレーニングが問題だ。

PADIの場合は、レクリエーショナルレベルということで、何かあったらオープンサーキットに切り替えてベイルアウト(緊急浮上:急浮上ではありません:念のため)することになっている。

だから、相当簡単になってはいるが、それでも、CCRが潜在的に持っているリスクを回避するための必要最小限の訓練はしなければならない。

モニターの頻繁な確認、ハイパーカプニアの兆候、ベイルアウトの手順、ベイルアウト時の浮力コントロール、その他諸々。

講習費用は、ショップによっても異なるんだろうが、アドバンスまで含めると20万円くらいが相場のようだ。

追加の講習が必要になれば、別途料金が発生するし(たぶん)、必要経費(ダイビングフィーなど)は別に掛かる。

スクラバーの値段も、掛かる日数に応じて増えるわけだから、考慮しなければならない。

何より、そのためのお休みが取れるかどうかというのがネックになる方も多いだろう。

形の上では、スペシャルティのような扱いになっているが、オープンサーキットのCカードを取り直す以上のトレーニングになる。

それでも、それだけの訓練をつまなければ危険なだけの器材になってしまうし、安心して水中散歩を楽しむことは出来ない。

そんならいいや、オープンサーキットで沢山!、というダイバーは多いだろう。

CCRがダイビングのスタンダードになるのは、まだまだ先の話だ。

しばらくは、贅沢なダイビングの代名詞でいい。

ただ、レクリエーショナルダイビングの世界に、新しい選択肢が現われて、以前よりも手軽に始められるようになったことは確かだ。

提供する側の環境整備(マニュアルの日本語化とか)が追いついていないなど課題もあるが、まずは体験からかもしれない。

浮沈子は、インスピレーションの体験を獅子浜でした時に、この器材を使っていこうと決めた。

まあ、インスピシリーズのどれにするかで、1か月ほど悩んだが・・・。

ポセイドンが出て、マーク6の初期不良の話を随分聞いたが、セブンになって安定してきたようだ。

今は、とりあえずセブンをメインにしている。

セブンの体験(体験時はマーク6)の時も、ユニットの軽さ(絶対的には重いですが)に驚いて、これにしようと決めた。

CCRダイビングの競争相手は、オープンサーキットではない。

まあ、ポルシェのように、宝石や毛皮のコートとは言わないが、それに近いものはある。

コストと手間隙かけても、これで楽しみたいという方にとっては、ボート遊びとか、2台目のスポーツカー、盆栽やゴルフに匹敵するだろう(ちょっと、例が適当ではないような気も・・・)。

ただ、ダイビング好きなら、嵌って損はない器材だ。

ゲレンデの少なさが問題だが、これも普及とニワトリタマゴ関係にある。

しっかりと教えてくれるショップで、確実にトレーニングを積んで、異次元の空間にトライする価値はある。

違いが分かるオトナのダイビング。

そのうち、お子様用のやつも出るかもしれない。

軽くて、小型で、扱いがシンプルで、トラぶったら、自動で電磁弁が作動してオープンサーキットに切り替わるヤツ。

多少、潜水時間が制限されても、浮沈子は、そっちを買うな。

そんな未来を想像しながら、今日もCCRで潜る。

トルネードを撮る2015年06月16日 16:00

トルネードを撮る
トルネードを撮る


いきなり、オヤジギャグですいません・・・。

今日は、タモン湾の南側、ヒルトンの前から入って、ニッコー前のガンビーチを目指して泳ぐ、過酷なダイビングだったな。

結論から言えば、ハンマーとかマンタは出ず、カメが山ほどと、バラクーダの群れ多数、マルコバンアジのトルネード(画像参照)、ブラックチップシャークの突進(マジヤバでね?)。

1度、90分の時点で浮上して、ボートキャプテンに無事を告げると、即座に潜降。

180分を超える連続ダイビングを満喫する(ガンビーチまでは行けず、途中での浮上となりました)。

これで、米軍基地に海から侵入する手はずは整ったわけだ(まあ、砂浜には地雷が埋められてるに決まってるけど)。

まあいい。

昨日、ユーチューブへのアップロードの仕方が分かったので、今回もマルコバンアジのトルネードを上げた。

(タモン湾でトルネードに巻かれるCCRダイバー:動画出ます)
http://youtu.be/3I24d8Pr8Og

ダイバーは、もちろん上田さん。

例によって、浮沈子には美味そうな魚が泳いでいるようにしか見えない。

刺身にして良し、天婦羅にして良し・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

今回のグアムでのダイビングは、これでおしまい。

明日はガス抜きして、明後日早朝に成田に向かう。

6日間、ゲップが出るほどCCRで潜ったが、飽きるということはない。

新たなポイントを次々と潜って、ダイビングの幅を広げた。

禁断の40m超えもしたし(良い子は、絶対に真似しないでね:念のため、ログデータ上は40.1mです)。

今日は180分オーバーのダイビングもしたし(途中、浮上してますが)。

前回、5月に来てサイドマウントのオープンサーキットで潜った時より、格段に身体が楽だ。

エキジットした後、このブログを書こうという気になる。

次回のグアムでのダイビングは、少なくともIEの後になる。

運よく1回で合格したら、可能な限り早くテック40CCRを取って、上田さんとテック60CCRを受けよう。

リブリーザーのインストラクター資格は、その後でもいいや(軟弱・・・)。

いずれも、獲らぬ狸のなんとやらである。

IEに受からなければ、いや、その前にOWSIが終了しなければ、絵に画いた餅となる。

これが、ホントのトルネード(取れねーど?)。

まあ、そうならないように、遊びから帰ったら、真剣に取り組まねばならない。

その英気を養うための、グアムリベンジダイビングだった。

今は先のことは考えずに、目の前のことを一つずつクリアしていくことだけを考えよう。

遠くに見えるゴールは、しっかりと確認しながら、途中にある目標に集中することが大切だ。

その準備ができたということだな。

さて、夕食はステーキと決まったが、何を食うかなあ(結局、その話か・・・)。