🚀スターシップ:IFT-8:事故の原因2025年05月25日 05:04

スターシップ:IFT-8:事故の原因


(スペースX、スターシップ8便の事故はエンジンのハードウェア故障が原因と主張)
https://spacenews.com/spacex-blames-starship-flight-8-mishap-on-engine-hardware-failure/

「スペースXは5月23日、3月6日に発生したフライト8号の事故の原因に関する詳細を発表」

「8号機の故障のタイミングは、 1月の7号機の故障と似ており、7号機も打ち上げから約8分半後にエンジンが数回停止し、通信が途絶えた。」

「2つの故障の原因は異なる」

IFT-7では、エンジンの上部に当たる通称屋根裏部屋にガスが充満してトラブルが発生したことになっている。

その原因は、ロケットの予想外の振動で配管が破断したことだと言われている。

同じようなタイミングでIFT-8の事故が起こったことは、この問題の解決が不十分だったからではないかと見做されていた。

が、しかし、S社は両者の事故原因は異なると主張している。

「この故障はスターシップの7回目の飛行テストと飛行タイムラインの似た時点で発生したが、これらの故障は明らかに異なる点であることは注目に値する」

「フライト8の場合、スペースXはスターシップの中央ラプターエンジンの1基にハードウェア故障が発生した」(詳細は明らかにされていません。)

「この故障により「意図しない燃料混合と点火」が発生し、ラプターの喪失」

「その直後、中央のラプターエンジン2基と、ノズル径が大きい3基の外側の真空最適化エンジン1基が停止」

「その後、機体は制御不能」

つまり、ラプターエンジン(中央の海面ラプター)の1基がぶっ壊れたことが原因で、連鎖的に他のエンジンが故障したというわけだ。

「同社は、スターシップの上段ロケット「ラプター」に改良を加え、主要ジョイントへの「追加プリロード」、新たな窒素パージシステム、そして推進剤排出システムの改良を行ったと発表」

「開発中のラプターの次期バージョンでは、フライト8で発生した問題に対処するため、信頼性も向上させる予定」

要するに、新たな問題が発生したわけで、以前の事故の対策が不十分なまま飛ばしたわけじゃないぞと。

統合飛行試験を繰り返すことで、新たな問題が見つかり、それを克服して、ちゃあんと前進してるぞと。

「スペースXは、1月の7回目の飛行において、機体が予想の数倍の強さの高調波応答に見舞われ、推進システムにさらなる負荷がかかったと発表した。その結果、エンジンベイに漏れが生じ、火災が発生した。」

「スターシップの7回目の飛行試験後に導入された、船体の屋根裏部分の調和応答と可燃性に対処するための緩和策は、8回目の飛行での故障の前に設計どおりに機能した」

浮沈子は、録画したビデオを見て、7回目の事故では姿勢が安定していたのに8回目では激しく乱れているのを確認している。

今回発表された8回目の事故原因は、その状況をうまく説明しているように感じる。

原因は、ラプターエンジンそのものにあったというわけだが、そのこと自体は嬉しい話じゃない。

リンクされているS社の開設には、1段目の再着火の問題についての言及もある。

(2025年5月22日 飛ぶ。学ぶ。繰り返す。)
https://www.spacex.com/updates/#flight-8-report

「着陸地点に到着すると、予定されていた13基のエンジンのうち12基を再点火し、その中にはブーストバック噴射で起動しなかったエンジン1基も含まれていた。」

「ブーストバックおよび着陸燃焼段階でエンジンが再点火しなかった最も可能性の高い原因は、点火装置周辺の温度条件によって各エンジンのトーチ点火に問題が発生したことであることが判明」

「飛行後試験でこの問題が再現され、今後の飛行ではエンジンに追加の断熱材が採用され、問題軽減が図られる予定」

まあいい。

IFT-9でどうなるかは見ものだ。

が、1段目は今回は回収されない。

追い込んだ飛行プロファイルを試験するために、回収がリスキーになることを嫌ったようだ。

2段目の故障の経緯については追加の情報もある。

「上昇燃焼開始から約5分半後、機体後部、中央ラプター海面エンジンの1基付近で閃光が観測され、その後、激しい衝撃が発生、エンジンが停止」

「機体からのテレメトリデータが最後に受信されたのは、飛行開始から約9分半後、最初の閃光観測から2分強後であり、その時点ではすべてのエンジンが停止していました。」

ちょっとタイムラインが合わないけどな。

上昇燃焼開始
→5分半(five and a half minutes into its ascent burn)
→最初の閃光観測
→2分強後(a little more than two minutes following the first flash observation)
→テレメトリーデータの最後の受診(飛行開始から約9分半後:Telemetry from the vehicle was last received approximately nine and a half minutes into the flight)

上昇燃焼開始から飛行開始までは、数秒の遅延があるが、それを差し引いても1分程度の誤差が残る(念のため、英文でも確認)。

まあ、どうでもいいんですが。

「スターシップの喪失の最も可能性の高い根本原因は、上段中央のラプターエンジンの1つにハードウェア故障が発生し、その結果、燃料が誤って混合・点火したことと特定」

「飛行試験以降、故障の原因をより深く理解するために、SpaceXのマクレガー試験施設で100回を超えるラプターエンジンの長時間噴射を含む、広範な地上試験が実施されています。」

回数が多いということは、それだけ原因究明と対応に手間取ったということでもある。

「今後の飛行でこの問題に対処するため、スターシップの上段エンジンでは、主要ジョイントへのプリロード強化、新しい窒素パージシステムの導入、および推進剤排出システムの改良が行われます。」

これは、どっちかと言えば、7回目の故障の原因対策のような気もするけどな。

燃料の誤った混合・点火を引き起こしたエンジンのハードウェア故障に対して、この対応で十分かどうかはいささか疑問だ・・・。

「スターシップの今後のアップグレードでは、故障メカニズムに対処するための信頼性向上をさらに強化したラプター3エンジンが導入される予定」

うーん、ラプター3はまだ開発中か・・・。

故障メカニズムの詳細は不明のままだが、根本的な対策はラプター3の投入を待たなければならないだろう。

逆に言えば、8回目と同じ原因による故障は再び起こり得るということだ。

今回の対応は、その際の影響を軽減し、飛行継続の可能性を高めるための対症療法のような気がする。

いずれにしても、7回目と異なる原因で8回目の事故が起こったことは、どうやらS社のでっち上げ(!)ではなさそうな感じだ。

次回の打ち上げは、日本時間の5月28日水曜日とされている。

(スペースX、新型ロケット「スターシップ」第9回飛行試験を早ければ日本時間5月28日に実施へ)
https://sorae.info/space/20250524-starship.html

「直近の打ち上げ目標日時は日本時間2025年5月28日8時30分(アメリカ中部標準時2025年5月27日18時30分)です。」

水泳教室がある日だからな。

パソコン持って早めに行って、フィットネスで実況見ることにしよう・・・。

😼欧州大戦争:政権崩壊:ロシアの意図2025年05月25日 23:38

欧州大戦争:政権崩壊:ロシアの意図


(ラヴロフ露外相、ロシアによるウクライナとのバチカンでの交渉への拒否発表)
https://www.ukrinform.jp/rubric-polytics/3996279-ravurofu-lu-wai-xiangroshianiyoruukurainatonobachikandeno-jiao-sheheno-ju-fou-fa-biao.html

「いわゆる政府、実質的にゼレンシキー軍事政権の彼らが、何らかの形で停戦合意を達して、ウクライナに残された部分が自分たちが採択する法律に従って生きていくということを期待しているのであれば、それは幻想であり、それは絶対に看過してはならない」(ラヴロフ外相)

BBCロシア語版がネタ元ということで、リンクも貼ってあったので読んでみた(もちろん、自動翻訳)。

(ラブロフ外相、バチカンでウクライナと交渉する案を拒否し、再び「ゼレンスキー政権」について語る)
https://www.bbc.com/russian/articles/c7v7r2r1mzno

「もしいわゆる政府、概してゼレンスキー氏の軍事政権が、何らかの形で敵対行為を終結させる合意に達し、ウクライナの残りの人々は彼らが採択した法律に従って生活するだろうと期待しているのであれば、それは幻想であり、いかなる状況下でも許されない」(該当箇所)

ラブロフが、何を想定して発言しているのかは知らない。

「ウクライナで選挙を実施するのが最善の選択肢だ」

和平合意への署名における正当性の問題だが、ウクライナ国民がゼレンスキーを選べば、ロシアはそれを尊重せざるを得ないだろう。

BBCは、ウクライナにおける法執行についてロシア語話者の問題を取り上げているけど、それがポイントじゃない気がするんだがな。

「モスクワは、キエフがロシア語話者の権利を侵害していると非難し、彼らを保護することが侵攻の理由の一つだと主張」

まあいい。

記事のメインの話題はバチカンでの直接交渉について、ラブロフが反対の立場を示した件だが、そんなことはどうでもいい感じだ。

ロシアがウクライナに提示する和平案のための覚書に何が盛り込まれるかは知らないが、ロシアがウクライナの統治を実質的に掌握するつもりでいることは間違いないだろう。

ゼレンスキーの任期切れも話題になっているようだが、ウクライナの憲法では、戦争中は選挙できないらしいからな(未確認)。

ドンパチが続いている限り、100年でも大統領に留まることが可能ということなわけで、ちゃんと選挙しなけりゃならないロシアにとっては、まことに羨ましい憲法だろう。

ラブロフの発言から垣間見えるのは、ロシアの本音だ。

おまい達の好きなようにはさせないぞ!。

まあ、想定内の話ではあるけど、ラブロフの口から実際に出てくるといささかショックだ・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア、ゼレンスキー氏の退陣要求 直接交渉での停戦条件判明)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2383S0T20C25A5000000/

「ウクライナ東・南部4州全域の領有権に加え、「反ナチス法」の制定によって、ゼレンスキー大統領の退陣を事実上求めた。」

16日の直接協議の場で行われたということだが、今のところ日経だけが報じている。

近々作成される覚書には明記されることになるんだろう。

やれやれ・・・。

ウクライナはプーチンとの交渉を禁じていると言われているし(未確認)、共に天を戴かず(不倶戴天)な関係は如何ともし難い。

「同国の強硬姿勢が一段と鮮明になった。」

ドンパチは当分終わりそうもないな・・・。