😼欧州大戦争:重箱の隅:スムイ州とコスティアンティニフカ2025年05月26日 02:33

欧州大戦争:重箱の隅:スムイ州とコスティアンティニフカ
欧州大戦争:重箱の隅:スムイ州とコスティアンティニフカ


(ロシア軍がスームィ州内に安定的な足場を築くこと成功、4集落を占領)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-succeed-in-gaining-a-stable-foothold-in-sumy-region-occupying-four-settlements/

「ロシア軍が安定的な足場を築くことに成功してバシフカ、ノヴェンケ、ジュラフカ、ヴェセリフカを占領した」「ロシア軍がビロボディへの侵入を試みている」「ロクニャの状況が困難だ」(DEEP STATE)

ここに至る経緯についてもまとめてあるので、いささか長いが引用する。

「ロシア軍はスヴェルドリコヴォを奪還し、我々を国境付近の陣地から遠ざけスジャに対する兵站遮断を開始した。この試みはノヴェンケ方向で始まったものの、この集落は物理的に存在しなくなり、人工的に築かれた陣地や侵入地点に身を隠さなければならず成功しなかった。ノヴェンケ周辺にしがみつく敵を押し戻すことに成功したものの、ウクライナ軍も敵の継続的な圧力と ドローン攻撃でその場に長く留まることが出来なかったが、同じようにロシア軍もそこに長く留まることが出来なかった。そのため敵はジュラフカ方向の攻撃を強化してきたが、ウクライナ軍は敵を国境沿いで封じ込めることに成功した」

「ロシア軍はノヴェンケを素通りしてバシフカに向かおうとしたが、ウクライナ軍は増援を送り込むことで敵の定着を長い間食い止めることに成功した。そのため敵は別の突破を模索するようになり、ジュラフカとノヴェンケの間で防衛ラインの脆弱な部分を見つけ歩兵を送り込み続けた。残念ながら徐々に蓄積された戦力は我々を上回るようになり、遂にバシフカ、ノヴェンケ、ジュラフカ、ヴェセリフカのラインに沿って安定的な足場を築くことに成功してしまった。」

重要な点が指摘されている気がする。

「防衛ラインの脆弱な部分を見つけ歩兵を送り込み続けた。残念ながら徐々に蓄積された戦力は我々を上回るようになり、遂にバシフカ、ノヴェンケ、ジュラフカ、ヴェセリフカのラインに沿って安定的な足場を築くことに成功」(再掲)

防御戦は守る方が有利だ。

アットーテキと言っていい(戦力差数倍でも持ちこたえられる)。

突破する方は、それなりの犠牲を覚悟しなければならないし、その人的損耗も含めて砲弾などのリソースも必要になる。

予備戦力を含めた兵力規模は10倍で足りるかどうか。

ロシアにはそれをやってのける意思と能力があるということなわけだ。

その一方で、クルスクにはあっけなく侵入されちまったからな。

まあいい。

で、ロシアは、アホな国境警備隊でも守れるように、ウクライナとの国境沿いに緩衝地帯を設置することにしたわけだな(そういうことかあ?)。

最低でも幅10km、十分な距離を取りたければ20kmから30kmを設定しなければならない(ドローンの飛行距離が伸びているからな)。

「クルスク州テトキノ方向とノヴィ・プット方向でロシア軍とウクライナ軍が交戦している」(RYBAR)

テトキノについては、ISWの戦況地図にも表示されていて、浮沈子も状況を注視している。

ノヴィ・プットは、その手前(10kmくらい東側)の小さな集落だ。

ここは以前から交戦が継続している。

ウクライナ軍の若干の侵攻はあるけど、安定支配には至っていない。

紆余曲折を経て混迷の様相を呈している停戦交渉を尻目に、最前線では相変わらず歩兵中心のドンパチが繰り広げられている。

装甲車両がちっとでも動けば、空から徘徊弾薬や爆弾を抱えたドローンが降ってくる戦場だからな。

航空万能論でも、そのことは大きく取り上げられている。

(ドローンが変えた陸上戦、ウクライナでは戦場の一部から兵士が居なくなる)
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/drones-have-transformed-land-warfare-with-soldiers-disappearing-from-parts-of-the-battlefield-in-ukraine/

「従来型の対地ミサイルは「位置が判明した目標」を攻撃する兵器だが、ウクライナとロシアの戦争で大きな効果を挙げている徘徊型弾薬は「交戦空域を長時間徘徊し、視覚的に目標を捉えて攻撃できる能力」が特徴」

「ウクライナ軍も今年2月「無人機を最前線の作戦に統合するドローンラインプロジェクトを開始した」と発表、このプロジェクトは陸軍と国境警備隊の精鋭部隊におけるドローン使用を拡大し、10km~15kmの深さに「無傷で移動できない殺傷ゾーン」を作り出すことが目的」

ポクロフシクやミルノフラド界隈では、この作戦が功を奏していると言われている。

「既に前線では変化が観測されている」「ウクライナ軍のドローン使用が増加し、影響を及ぼす範囲も最大30kmの深さまで拡張されている」「これはドローンの戦術的・技術的特性が向上し、より遠距離の攻撃が可能になっていることを示している」(RYBAR)

「もはや ドローンは兵士にとって重要な保護手段となっている」「ウクライナとロシアの戦いでも前線の一部から兵士が居なくなり、ドローンが広大な領域を監視し、動くもの全てを攻撃する体制が整えられている」「兵士をドローンに置き換えて前線から遠ざければ遠ざけるほど人的損失のリスクを軽減することができる」「ドローンは多くの命を守る可能性を秘めており、この事実をポーランド軍は今まで以上に高く評価している」(WB GROUP:ポーランドの軍需企業)

が、まあ、兵士がいない戦場で、ドンパチは起こらないからな。

陸上でのドローンによる接近阻止をかいくぐって、陣地戦を繰り広げることになる。

コスティアンティニフカを巡る攻防についての記事が上がっている。

(ロシアはコスティアンティニフカで急速に進軍、ウクライナには地雷を敷設する時間がない)
https://www.vietnam.vn/ja/nga-tien-nhanh-o-kostiantynivka-ukraine-khong-kip-rai-min

「コンスタンチノフスコエ戦線はロシア・ウクライナ戦線全体で最も活発な戦線の 1 つになりつつあります。ウクライナ軍参謀本部は、ここの状況はウクライナ軍(AFU)にとって「非常に困難」であると認めた。」

ベトナムのメディアで、翻訳がやや難解なところもあるけど、各種メディアのソースを上手に編集している感じだ(最近、たまに読んでます)。

「過去24時間だけで、ロシア軍(RFAF)の攻撃部隊は65件の大小の戦闘を遂行した。コスティアンティニフカ市南部におけるロシア空軍南部集団部隊の進撃速度は、ウクライナ軍(AFU)がロシア軍の進撃を阻止できたはずの地雷原を設置する時間が十分になかったことを示している。」

「ウクライナ軍がロシア空軍の進撃を阻止できないとして、ウクライナメディアは警鐘を鳴らしている。自慢のFPV無人機や地雷原もあったが、ロシア軍の進撃があまりにも速かったためウクライナ軍は不意を突かれ、それらを展開する時間がなかった。」

理屈では、接近阻止が図れるんだろうが、現場では迅速な展開能力が求められている。

「コスティアンティニフカ市南部の地形は大部分が低地で、平坦な小麦畑が広がっているため、AFU が新たな防衛線を構築するのは困難です。また、人口密集地域も存在しなかったため、ウクライナ軍はそこを防衛要塞に変えることができた。第33ウクライナ師団は敗北した。」

やれやれ・・・。

「RFAF が市の南からコンスタンチノフカへの攻撃を加速させており、この方向での AFU の抵抗はそれほど激しくないことがわかります。現在、コスティアンティニフカ南部の AFU の主要防衛線は、市内中心部から約 12 km 離れたクレバン・ビクスケ貯水池の北に位置していることが分かっています。」

この防衛線を守れるかどうかが問題だな。

「コンスタンチノフカは小さな都市だが、ドルージュコフカへのルートをカバーしており、ドネツィクに残る2つの主要都市、クラマトルスクとスラビャンスクへの玄関口でもあり、その占領は2025年夏の作戦におけるロシア空軍の主要任務の一つとなっている。 (写真提供:ミリタリー・レビュー、リバル、タス通信、キエフ・インディペンデント)。」

コスティアンティニフカを巡っては、共同通信も報じていた。

(ロシア軍、ドネツク州要衝へ攻勢 夏までの完全掌握目標か)
https://nordot.app/1298441563547074661

「【キーウ、モスクワ共同】ウクライナ侵攻を続けるロシア軍が、東部ドネツク州北部コンスタンチノフカの掌握を狙い攻勢を強めている。」

「ドネツク州の激戦地となったバフムトやトレツクへの交通アクセスが良く、ウクライナ軍が兵たん拠点としていた。」

「英BBC放送によると、ロシア軍は市内まで10キロほどに迫っており、夏までの完全掌握を目指しているもよう」

「ロシア軍は3方向からコンスタンチノフカを目指している。連日、無人機で市内を攻撃」

3方向というのは、バフムト(チャシブヤール)、トレツク、市南部の小麦畑ということになる。

攻めあぐねているチャシブヤールや、一進一退のトレツクだけじゃらちが明かないというわけだ。

ニューヨーク西方の平野を獲って、兵站を遮断するという話は以前からあったがその動きが具体化した感じだ。

ハイテクで武装した防御戦を戦うウクライナに対し、ロシアも戦略的に動いている。

このタイミングでコスティアンティニフカの攻防がクローズアップされてきたのは、ポクロフシク方面からの兵站路線であるT-05-04が制圧されたことが影響しているのかもしれない(テキトーです)。

さて、米国はこの動きを察知して、機密情報をウクライナに渡さなかったんだろうか?。

浮沈子的には、そっちの方も気になるけどな・・・。

次回の直接協議の開催については、秋以降になると見ているけど、それを裏付けるような話も流れている。

(ミサイルがシャルシフ・ヤールに降り注ぎ、ウクライナは大きな損害を被る)
https://www.vietnam.vn/ja/mua-ten-lua-trut-xuong-charsiv-yar-ukraine-ton-that-nang-ne

「ロシア軍がハシフ・ヤルへの攻撃を加速しているのは、南西突出部への攻撃と連携し、コンスタンティニフカを包囲して次回の交渉でより大きな優位に立つことが目的である可能性が高い。」

「この突出部の左翼でもロシアは攻勢を強め、クルスク戦線の勝者であるヴァレリー・ソロドチュク大将をモルドヴィチェフ大将に代わり中央作戦群の司令官に任命したばかりである。これはロシアがポクロフスクとミルノラドの占領を主要目標として優先していることを示す動きだと考えられている。」

やっぱ、ポクロフシクは獲りたいよなあ・・・。

しかし、ウクライナ軍もエースを投入してきているからな。

そう簡単には行かないだろう。

ガチでぶつかる東部戦線。

戦略渦巻く北部戦線(そうなのかあ?)。

もちろん、両軍が見据えているのは来るべき停戦交渉だろう。

イスタンブールに現れたウクライナ代表団は、半数が制服姿だった。

ドンパチを意識したいでたちだな。

ロシア側は歴史学者を団長にした文民構成。

余裕だ(そうなのかあ?)。

だが、どちらにとっても現場が過酷であることに違いはない。

戦争の上手下手の問題じゃなく、国力のぶつかり合いな現代戦の問題だ。

手持ちの兵器や弾薬だけじゃなく、それらを生産したり調達したりする能力が問われる。

最前線でぶつかり合っている兵士の数だけじゃなく、長期に渡って動員をかけ、訓練を施し、供給し続けられるかも問題だ。

兵器にしたって、極端な話、何もしなければ相手が対抗手段を講じて、2週間もあれば無力化されると言われている(ECM:Electronic Countermeasure(電子戦)とかな)。

改良開発を続ける能力も問われる。

双方が全力でぶつかり合っていることは間違いない。

高が重箱の隅だが、そこでの戦果が国家の命運を分けていることも事実だ。

ロシアは、夏の攻勢の時期に入ったと言われる。

昨年中にはケリがつくと思われていたポクロフシクも、持ち越しになったからな。

ロシア側は、クルスク奪還でパワーを食われたかもしれない。

コスティアンティニフカは、ドネツク侵攻の要だ。

ここを獲れば、芋蔓式に攻めることが出来るが、取り損なえば足止めを食らう要衝だ。

「熱い」夏になるんだろうな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(遠いウクライナ和平、トランプが察知できなかった「ウクライナに勝てなくてもいい、負けなければ」のプーチンの本音)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/88512

「2014年に血なまぐさいクーデターで権力を握ったクーデター主義者が行ったことの繰り返しにならないような合意でなければならない」(セルゲイ・ラブロフ露外相)

「ロシア軍の進撃速度は昨年秋から加速し始めた。しかしウクライナ軍がロシア軍の攻撃戦術に適応し、接触線から後方15キロメートルの深さを持つ消耗戦線を構築した。ロシア軍は接触線に到達し突破するのに十分な兵力をそろえられず、進軍は停滞した。」(英シンクタンク「英国王立防衛安全保障研究所」(RUSI)のジャック・ワトリング上級研究員(陸戦))

「ウクライナ軍は敵の兵力と士気を徐々に削る罠のように多層の防御構造を形成している。」

まあ、コスティアンティニフカ南部の侵攻を見ると、全ての戦線に多重縦深防御とドローンによるキルゾーンの展開が施されているわけではないことが明白になっているけどな。

主要都市や重要な兵站拠点についてはそうなっているんだろう。

が、それも、おそらく前線に近い地域に限られている(未確認)。

また、長期間に渡ってそれらの防御ラインを維持するためには相当のリソースを投じ続けなければならないということもある。

防御する側もまた、消耗戦なのだ。

「指揮官交代と装備の備蓄を終えたロシア軍は攻撃のテンポと規模を拡大しようとしている。大規模な機械化部隊による機動作戦を実行できる戦力を欠いているため、夏の攻勢は攻撃回数と規模を着実に増加させる可能性が高い。このプロセスはすでに始まっている兆候が見られる。」

毎年恒例になった、「ロシアは今年中に戦闘継続能力を失う」発言も見られる(そういうことかあ?)。

「来年にはロシアは経済の疲弊、旧ソ連時代の装備の枯渇など深刻な問題に直面する可能性がある。」

ソ連時代の備蓄装備が枯渇することは確かかもしれないが、それ以降、一切の生産を行ってこなかったわけじゃないからな。

それは、いつ枯渇するのか・・・。

木村氏は、重要なロジックを展開する。

「ウクライナも米国の離反、欧州の疲弊などの問題を抱える。ウクライナ戦争は膠着状態に陥っており、交渉以外に現状打開の道はない。」

「交渉しなければ何が譲歩できて何ができないのか分からない。プーチンのような強硬な相手でも時間とともに立場が揺らぐ可能性はある。」

「交渉の積み重ねが将来の成果につながるとガレオッティ氏は望みを託す。」

だからこそ、プーチンは一切の交渉を事実上拒否しているのだ。

俺様の言うとおりにしろ!。

「すべては欧州がどこまでウクライナを支えられるかにかかっている。」

1mmも譲る気はない。

交渉はポーズだけで、戦闘を継続するための手段に過ぎない(交渉を重ねるごとに、要求が増えていくかも!)。

米国が停戦交渉から事実上離脱し、追加の制裁も行わない中、事態が大きく動くタイミングは米国の軍事支援の縮小だ。

既に、ウクライナの長距離ミサイルの備蓄は尽きている(未確認)。

ロシアは、得意の陣地戦をじっくりと時間を掛けて進めていくだけでいい。

戦闘車両が不足なら、中国から調達することだって可能だろう(それが出来ないという話はない:我が国が供与した車両だって、前線で大活躍しているからな)。

中国製のゴルフカートやバイクが戦場を走り回っていることは周知だ。

ロシアの継戦能力が数年という短期のうちに消えて無くなったり、まして、ロシアが崩壊して分割統治されるなどという話はでっち上げもいいところだ。

少なくとも、慎重に耳を傾ける必要がある。

ただし、ウクライナの反転攻勢を押し留め、アウディーイウカを攻め落とした後の一時期以降、ロシアの進軍の勢いが衰えてきていることは間違いない。

その理由がクルスクにあるのかは知らない。

夏の攻勢といわれるけど、それがどれ程のものかは分からない。

様々な理屈をつけて、それらしいデータで飾り立てて見通しを語ることは出来ても、現実は戦場で起きている。

そこで起こっていることが全てだ。

会議室じゃないことは確かだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア「目的は達成された。すべての標的が破壊された」子ども3人を含む12人死亡…ウクライナ・キーウなど13地域にミサイル約70発 2晩連続の大規模攻撃)
https://www.fnn.jp/articles/-/877028

「目的は達成された。すべての標的が破壊された」(ロシア国防省)

「ロシア軍による一斉大規模攻撃は2晩連続」

「首都キーウをはじめ港湾都市オデーサや南東部スーミなど少なくとも13の地域がロシア軍の攻撃を受けました。」

戦争中だから、具体的にどこが攻撃を受け、どんな施設が破壊されたかや被害の程度、復旧の見込みなどは明らかにされない。

たとえ、知り得たとしても公表は禁じられている。

攻撃する側も、戦略的見地から明らかにしないことが多いようだ。

我々は、ひどいことをするという認識だけを抱くことになるが、そして、まあ、それは事実には違いないが、それも含めて情報戦だからな。

でも、ロシアはひどいことをしている。

それは確かだ。

「・・・沈黙はプーチンを後押しするだけだ」(ゼレンスキー大統領)

が、世界は沈黙を守っている。

一連の空爆に対する追加の制裁も、たぶん行われない。

そう、ゼレンスキーの言う通りなのだ。

今や、全世界がプーチンを後押ししている(そうなのかあ?)。

3年前、いや、2年前まではこんな事態は想像もできなかった。

世界はウクライナを後押しし、熱狂し、正義と法の支配が貫かれることを信じて疑わなかった。

一体どうなってしまったのか。

反転攻勢の失敗、ガザ紛争の勃発、トランプの当選、エトセエトセはあったけど、何よりウクライナ軍が戦場で勝てなくなったことが最大の原因だろう。

クリンキへの渡河作戦も、サプライズだったクルスク侵攻も、事実上の失敗に終わり、時間がロシアに味方していることが明らかになってきた。

世界は身勝手なのだ。

勝ち馬に乗り、判官(ほうがん)びいきはするけど、ひとたび負けが込んで来ればさっさと乗り換えちまう(そうなのかあ?)。

やれやれ・・・。

浮沈子は、欧州の心変わりがいつ起こったのかに関心が移っている。

そう、もう、ウクライナと心中する気は失せている。

間違いなく、欧州指導者の頭の中には魔法の言葉が響いている。

「これは私の戦争ではない!。」

浮沈子的にはそんなことが出来るとは思わないんだが、既に欧州はロシアの脅威から逃げ切ろうと舵を切ったように思える。

短期的な方向として間違っているわけじゃないかも知れないが、将来に禍根を残す認識であることは確かだ。

が、目先の状況はそれが正しい選択だと示唆している。

米国はウクライナ支援から限りなく距離を置き、欧州支援からも身を引こうと画策し始めている。

こんな状況の中で、ロシアとガチで対抗しようというのは無茶な話だ。

制裁や支援はそれなりに続くかもしれないが、その規模や内容は実質的に拡大することはない。

そして、重要なことは、その結果は戦場の現実に確実に投射されるということだ。

負のスパイラルが始まる。

つーか、加速する。

制裁の停滞+支援の停滞
→戦場での後退
→制裁の一部解除+支援の縮小
→戦場での更なる後退
→制裁の更なる解除+支援の更なる縮小
→戦場での益々の後退・・・

まあいい。

時間はますますロシアに味方し、ウクライナから離れていく。

そのダイナミズムの中で、欧州が明確に舵を切ったのは、たぶん、かなり以前の話に違いない。

NATOでいえば、まだ、ストルテンベルグの時代だ。

この戦争はNATOの戦争ではないと明言していたからな。

支援はするが、当事者ではないと。

ロシアが、核兵器による脅しをかけ始めたころかもしれない(未確認)。

いずれにしても、2023年の夏前に反転攻勢が思うように進まず、ザルジニーがスロビキンラインで躓いたころ(6月)には見切っていた可能性がある。

米国は、その頃にはウクライナの動員が躓くだろうという懸念を表明していたからな。

タイムラグがあるように見えて、実のところ、戦場の現実の変化に対し、欧州の政策は敏感に反応している。

実際の影響は、やはり、ガザ紛争が大きいかも知れない。

砲弾の供給は一気に途絶えた。

その後の米国下院の予算審議ストップもボディーブローのように効いた。

2024年春には、トランプ再選が見えていたからな。

後知恵には違いないけど、欧州はもたもたしているようで、意外に素早い判断を下している。

多国間調整に時間はかかるかもしれないし、全体の合意を得ることは困難な場合もあるから、逆に判断のタイミングは迅速である必要があるからな。

その最大の根拠となっているのは、ひょっとすると戦場の現実かもしれない。

「・・・沈黙はプーチンを後押しするだけだ」(再掲)

既に判断は下されている。

全世界がプーチンを後押しする中、ウクライナは国家の存亡を賭けて戦場で勝ち抜くしかないのだ・・・。

😼戦争と平和:AI兵器再び:AIは何と答えたか2025年05月26日 13:54

戦争と平和:AI兵器再び:AIは何と答えたか


久々に、ディープシークに聞いてみた。

「AI兵器の問題点について解説してください。」

「AI兵器(自律型致死兵器システム、LAWS)の問題点は、以下の多角的な観点から解説できます。

### 1. **倫理と責任の所在**
- **意思決定の非人間化**: AIが人間の生死を判断する際、倫理的なジレンマが生じる。例えば、緊急時の判断で民間人を巻き込む可能性がある場合、AIは道徳的な文脈を理解できない。
- **責任の曖昧さ**: 誤作動や誤認による被害が発生した際、開発者、運用者、指揮官のいずれが責任を負うか不明確。法的・道義的な空白が生まれる。

### 2. **紛争の激化と制御不能性**
- **迅速なエスカレーション**: AIの高速意思決定は、人間の介入が追いつかず、偶発的な戦闘拡大を招くリスクがある。例えば、敵対行為の誤検知が即時反撃につながる可能性。
- **予測不能な相互作用**: 複数のAIシステムが対峙した際、想定外の行動連鎖が発生し、局所戦闘が大規模紛争に発展する恐れ。

### 3. **技術的信頼性とバイアス**
- **データ依存の限界**: 学習データの偏りやアルゴリズムの欠陥が誤目標選定(例:人種や性別に基づく誤認識)を引き起こす。
- **サイバー攻撃の脆弱性**: ハッキングや偽情報注入により、AI兵器が敵に奪取・悪用されるリスク。

### 4. **拡散と非国家主体の脅威**
- **技術の民主化**: AI兵器の開発コスト低下により、テロ組織や非国家勢力が容易に入手可能に。国際的な規制が困難な「闇市場」が形成される懸念。

### 5. **国際法・人道法の遅れ**
- **法規制の不備**: 現行の国際人道法(区別の原則や比例性)をAIに適用する方法が未確立。例えば、民間人と戦闘員の識別精度が法廷で争われる可能性。
- **グレーゾーンの悪用**: 規制の隙間を突いた「準自律兵器」の開発が進み、事実上のLAWSが野放しになるリスク。

### 6. **軍拡競争と地政学的緊張**
- **AI兵器開発競争**: 主要国が先端技術の優位性を争うことで、世界的な軍拡スパイラルが加速。軍事予算の肥大化や民生技術への悪影響も懸念される。

### 7. **人間性の喪失と戦争の敷居低下**
- **心理的ディスタンシング**: 自軍の人的損失が減ることで、政府が武力行使をためらわなくなり、戦争への心理的ハードルが低下する。
- **倫理的麻痺**: 戦闘を「ゲーム感覚」で捉える兵士や社会の意識変化が生じる可能性。

### 8. **予測不可能性とシステムエラー**
- **ブラックボックス問題**: 深層学習アルゴリズムの判断根拠が不明瞭で、誤動作時の原因究明が困難。
- **環境適応の限界**: 複雑な戦場環境(例:民間人が混在する都市戦)でAIが適切に機能する保証がない。

### 解決に向けた動き
- **国際的な規制枠組み**: 一部国家がLAWSの禁止条約を提唱(例:2023年国連での自律兵器禁止に関する議論)。
- **技術的ガバナンス**: 「人間の意思的関与(Meaningful Human Control)」を義務付ける基準の策定。
- **倫理指針の策定**: IEEEやAI研究機関が軍事AIの開発原則を提案する動き。

AI兵器は、技術的進歩の恩恵と危険性を同時に内包しています。その開発・配備には、技術者、倫理学者、法学者、政策立案者の連携が不可欠です。」

シンキングタイムにも興味があったので、自動翻訳で見てみよう。

「さて、AI兵器の問題点について説明する必要があります。まず、軍事分野におけるAIについて私が知っていることを思い出してみましょう。AI兵器、あるいは自律型兵器システムでしょうか?人間の介入なしに標的を選択し、攻撃することができます。しかし、ここでの主な問題は何でしょうか?

まず、倫理的な懸念があります。AIが生死に関わる判断を下した場合、何か問題が発生した場合、誰が責任を負うのでしょうか?例えば、ドローンが誤って民間人を攻撃した場合、プログラマーの責任なのか、指揮官の責任なのか、それともAI自体の責任なのか?これは大きな説明責任の問題です。

次に、紛争のエスカレーションのリスクがあります。各国がAI兵器を開発すれば、より迅速かつ予測不可能な戦闘に突入する可能性があります。AIは人間よりも迅速に情報処理と行動ができるため、偶発的な戦争や、人間が制御できない急速なエスカレーションにつながる可能性があります。映画「ターミネーター」のようなシナリオですが、近い将来、より現実的なものになるかもしれません。

もう一つの点は、拡散の可能性です。 AI技術はよりアクセスしやすくなり、非国家主体やテロリスト集団がこれらの兵器を入手する可能性があります。そうなれば、紛争はより広範囲に及び、規制が困難になる可能性があります。さらに、ハッキングの問題もあります。これらのシステムがネットワークに接続されている場合、敵対勢力に乗っ取られたり、操作されたりする恐れがあります。

精度と信頼性も懸念事項です。AIシステムはデータとアルゴリズムに依存しています。データに偏りがあったり、アルゴリズムに誤りがあったりすると、AIは誤った人物を標的にしたり、誤った判断を下したりする可能性があります。例えば、顔認識の誤りが不当な攻撃につながる可能性があります。

戦争を非人間化するという倫理的な問題もあります。機械を用いて殺害すれば、危険にさらされる人間の兵士が少なくなるため、政府は国民の反発を受けずに紛争に介入しやすくなるかもしれません。しかし、この分離は戦争へのハードルを下げる可能性があります。

国際法と規制は遅れています。ジュネーブ条約のような現在の戦争法は、AI兵器に十分に対応していない可能性があります。機械が瞬時に判断を下す際に、比例性や戦闘員と民間人の区別といった原則をどのように適用するのでしょうか?

さらに、軍拡競争の問題もあります。各国は他国に追いつくためにAI兵器の開発を急ぐ可能性があり、監視体制の不備や世界的な緊張の高まりにつながる可能性があります。これは、より平和的なAI活用のための資源を奪う可能性があります。

最後に、予測不可能性の問題があります。高度なプログラミングでさえ、AIは予期せぬ行動をとる可能性があります。特に複雑な戦闘環境では顕著です。この予測不可能性は、意図しない犠牲者や、より広範な紛争につながる可能性があります。

ちょっと待ってください。何か見落としているでしょうか?AIシステムにおける共感の欠如でしょうか。人間はAIにはできない方法で慈悲を示したり、状況を判断したりすることができます。また、これらのシステムが国際人道法に準拠していることを保証するための技術的な課題もあります。そして、誤動作やシステム障害によって意図しない被害が発生する可能性も懸念されます。

これらの点を明確に整理する必要があります。まずは倫理と説明責任の問題から始め、エスカレーションリスク、核拡散、技術的信頼性、法的課題、軍備拡張競争、そして予測不可能性へと話を進めましょう。さらに、道徳的な影響や国際的な規制の必要性についても触れましょう。」

考慮すべき事項は、殆ど網羅されているようにも見える。

ジェミニは何と答えたか。

「AI による概要:

・詳細
AI兵器とは、AI(人工知能)を用いて人間の判断なしに標的を決定し、攻撃を行う兵器システムのことで、自律型致死兵器システム(LAWS)とも呼ばれます。現在、その開発や実戦導入が進んでおり、国際社会では倫理的な問題や責任の所在など、様々な議論が活発化しています。

・AI兵器の具体的な例:
・・自律型無人機:
AIを用いて自動的に標的を識別し、攻撃を行う無人機は、既にウクライナやイランなど様々な国で開発・使用されています。
・・スマート弾薬:
AIにより標的の特定や追跡を自動化し、より正確に攻撃を行うことができる弾薬も開発されています。
・・AIによる武器システム:
AIが人間の判断を介さずに、標的の選択、攻撃の実行、さらには攻撃後の結果分析までを行うシステムも登場しています。

・AI兵器のメリット・デメリット:
・・メリット:
・・・正確性の向上:AIは人間の判断ミスや感情的な影響を排除し、より正確な攻撃が可能になります。
・・・効率的な運用:AIは人間の操作なしに長時間、大規模な攻撃を行うことができるため、効率的に兵力を運用できます。
・・・人的被害の軽減:AI兵器は人間の兵士を戦場から遠ざけることができるため、人的被害を減らすことができます。

・・デメリット:
・・・誤動作:AIが誤って標的を識別したり、意図しない攻撃を行う可能性は、人間の判断ミスよりも深刻な被害を引き起こす可能性があります。
・・・責任の所在不明:AI兵器による攻撃で被害が発生した場合、誰が責任を負うのか明確ではありません。
・・・倫理的な問題:AIが人間の生命を奪うことは、倫理的な問題として、国際社会で議論されています。
・・・戦争の複雑化:AI兵器は戦争のルールを複雑化させ、人間同士の対話や交渉を困難にする可能性があります。

・AI兵器の規制:
・・国連の取り組み:
国連では、LAWSの規制に向けた議論が活発化しており、国連事務総長は、再来年までに法的拘束力のある文書を締結するよう各国に呼びかけています。
・・国際的な議論:
国際社会では、AI兵器の倫理的な問題や国際人道法との整合性などについて、様々な議論が展開されています。
・・日本の立場:
日本政府は、AI兵器の開発や使用を認めるべきではないとする考え方を表明しており、国際的なルール作りにも貢献しています。

・AI兵器の未来:
・・開発競争の激化:
世界各国がAI技術の発展に注力し、AI兵器の開発競争はますます激化する可能性があります。
・・戦争の様相の変化:
AI兵器が実戦投入されることで、戦争の様相が大きく変化し、新たな脅威が生まれる可能性があります。
・・国際的な協力の必要性:
AI兵器の危険性を認識し、国際的な協力体制を構築していくことが、戦争の防止や平和の維持に不可欠です。

・まとめ:
AI兵器は、人間の生命を奪う可能性を秘めた技術であり、国際社会における議論が活発化しています。AI兵器のメリットとデメリットを慎重に議論し、国際的なルール作りを進めていくことが、平和な未来を築く上で不可欠です。」

浮沈子は、これらの議論がAIの導入に影響を与えるかどうかはいささか疑問だ。

1年ほど前になるが、NHKの記事を見つけた。

(「AI兵器」の衝撃 “機械は犠牲を理解できず”暗い未来の不安)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240510/k10014445851000.html

「戦地で相次ぐAI兵器の投入。今後、この開発競争はどこまで突き進むことになるのか。」

「技術革新は私たちが生き残る手段だ。ロシアはちゅうちょなく、より殺傷能力の高い兵器の開発に日々取り組んでいる。この開発競争は終わりがない。総力戦に向かうことが人類にとって正しい道だとも思っていない。ただ私たちはこの道を進まなければならない。さもなければロシアが有利になってしまう」(ウクライナのボルニャコフ・デジタル変革担当次官)

AIがどう機能するかということは、その適用を考慮する上で重要だが、さらに重要なのは適用の基準を誰がどう決めるかという話だ。

機械は、決められたことを決められたとおりに行う。

結果の責任を誰が負うのか。

そこに人間を何らかの形で関与させることが、良い結果を導くのか。

国連の中満氏は、核兵器の使用に関してはそのプロセスが絶対に必要だと力説していた。

人類にとって取り返しがつかない結果をもたらしかねないからな。

じゃあ、国家間の通常兵器によるドンパチなら、AI容認なのかという話もある。

AI兵器の導入は既に進んでいる。

実戦でも使われていることは記事の通りだ。

ドンパチやっている当事者は、生存を賭けて戦っている人間だ。

敵を効果的に殲滅できる兵器があれば、躊躇うことはない。

当然だ。

そこに規制を期待しても無理な話だろう。

AI兵器をコントロールできるのは、戦場から遠く離れ、平和ボケした国に生きている幸せな人々だけだ。

しかし、彼らもまた、国益に縛られている。

ハイテク兵器であるAI兵器は、作れば作るだけ売れる人気商品だろう。

(ロシア、武器輸出の拡大必要 市場での地位強化へ=大統領)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/VFF3H6XM5JP6XMPTI7UUUSQELQ-2025-05-25/

「世界の武器市場の未来はそうした技術にかかっている。ここでは激しい競争が繰り広げられるだろう。すでに始まっており、われわれはそれに備えなければならない」(ロシアのプーチン大統領:人工知能(AI)を活用した兵器に言及して)

「ウクライナ紛争を巡る国際制裁と国内での武器需要増加により、ロシアの武器輸出が世界市場に占める割合は20─24年に7.8%とそれ以前の4年間の21%から大きく落ち込んだ。」(ストックホルム国際平和研究所(SIPRI))

おっと、まだ輸出してたんだ・・・。

実戦で鍛えられたロシアのAI兵器なら、状況が許せば欲しがる国は多いだろうな。

まあ、どうでもいいんですが。

プーチンの決断については、本稿とはあまり関係ないけど、参考になる記事を読んだ。

(なぜプーチンはウクライナ侵攻を決断したのか:政治心理学からのアプローチ)
https://agora-web.jp/archives/250525092210.html

「はたしてプーチンとかれの側近たちが、ウクライナに攻め込むのを決めたことは、謎であるばかりでなく、国益に反する非合理的な行為だったのでしょうか。」

そうではないというのが記事の論旨なんだが、心理学的に説明が出来たとしても、何の解決にも繋がらない気がするけどな。

合理的に説明がつかない狂った集団と定義した方が、素人的には遥かに納得がいく気もする(そうなのかあ?)。

「政治学者のスティーブン・ウォルト氏(ハーバード大学)が心理学の基礎理論を用いて説明した、『フォーリン・ポリシー』誌のエッセイから、これに該当する部分を抜粋」したところだけ引用する。

プロスペクト理論
「人間は…損失回避のためなら、より大きなリスクを厭わない…プーチンは、ウクライナがアメリカやNATO(北大西洋条約機構)との連携へと徐々に傾いていると確信したなら…彼が取り返しのつかないとみなす損失を実現させないことは、一か八かの賭けに値するものなのかもしれない」。

属性バイアス
「自分の行動は環境のせいにして、他人の行動はその人の本性のせいにする傾向も、たぶん関係している。現在、西側の多くの人は、ロシアの行動をプーチンの非道な性格が反映されたものであり、以前の西側の行為への反応とは解釈していない…プーチンからすれば…アメリカとNATOの行為は生来の傲慢さから生じたのであり、ロシアを弱い立場に置き続けたい深い願望に根ざしており、ウクライナは誤導されている…と見えるのだろう」。

誤認
「誤認に関する膨大な文献は、とりわけ故ロバート・ジャーヴィスの画期的な研究が、この戦争について、われわれに多くを教える。今やプーチンが多くの面で深刻な誤算をしたのは明らかだ。かれはロシアに対する西側の敵意を過大評価し、ウクライナの決意をひどく過小評価し、迅速かつ安上がりな勝利をもたらすはずだと自軍の能力を過度に見積もったようだ」。

自信過剰
「(プーチンのウクライナ侵攻の決定は)恐怖と自信過剰の組み合わせの…典型だ。国家は素早く相対的に低コストで目標を達成できる確信がなければ、戦争を始めたりしない。長く血みどろの高くつく敗北に終わるだろうと信じる戦争は、誰であれ始めない」。

認知不協和と集団浅慮
「さらに、人間はトレードオフ(相容れない2つの選択)を扱うのは居心地が悪いので、一度戦争が必要だと決めたら、上手くことが運ぶだろうと見込む強い傾向がある…この傾向は政策決定過程から異論が排除されると酷くなり得る」。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、バイデン前大統領がウクライナを支援し続けた行為についても、是非とも政治心理学とやらで解説してもらいたい気がするんだがな・・・。

😼欧州大戦争:トランプの見立て:全土掌握2025年05月26日 22:01

欧州大戦争:トランプの見立て:全土掌握


(プーチン氏「正気失った」とトランプ氏、感情的とロシア報道官)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/QVZ27XFQURMZHFTMOIWN6GLKWI-2025-05-26/

「彼が望んでいるのはウクライナの一部ではなく全土であり、その見方が正しかったことが証明されつつあるのかもしれない」( トランプ米大統領)

先日5月16日に行われたロシアとウクライナの直接協議でも、現政権の退陣に関連する話が出ていたようだし、その後のラブロフの発言でもロシアがウクライナ全土を事実上掌握しようとしていることは見えてきている。

直接統治なのか間接統治なのか、統治方法の問題は残っているとしても、「大ロシア帝国」に歯向かう勢力が統治することは認めない腹であることには違いない。

やれやれ・・・。

トランプは、それを分かっている。

ウクライナが現在の方針を貫けば、どちらかが消えて無くなるまで戦いは続くことになる。

「しかしそれを実行すれば、ロシアの破滅につながるだろう」(同上)

トランプは、ロシアが破滅すると明言しているけど、まあ、数千発の核兵器を持つ国家が破滅するときは、相当ド派手なことになるだろうな。

「プーチン大統領が「完全に正気を失っている」との認識」(同上)

ぺスコフは「感情的」と表現しているけど、バイデンも相当荒っぽい表現をしていたからな。

(バイデン氏の「狂った野郎」発言、米国をおとしめる=ロ大統領府)
https://jp.reuters.com/world/us/ZK2X7CAQUZJSXB2IWS6PNLI4RM-2024-02-22/

「米国の大統領が他国の元首に対してそのような言葉を使うことで、プーチン氏の権利が侵害されることはないだろう。そうした言葉を使った者自身がおとしめられる」(ロシア大統領府のぺスコフ報道官)

まあ、どうでもいいんですが。

今日も、政治心理学の記事を読んで、理屈で説明されても余り興味をひかれなかったんだが、浮沈子の頭の程度では、米国流の表現の方がピンとくる。

プーチンは、完全に正気を失った狂った野郎だ(そうなのかあ?)。

トランプは追加制裁を検討しているというが、まあ、ひょっとしたら形の上だけの制裁をするかもしれないけど、実効性は伴わないだろう。

「彼のような話し方では自国のためにならない。彼の口から出る言葉は全て問題を引き起こす。私はそれが気に入らないし、やめるべきだ」(初出のロイターの記事:トランプ氏)

やめられないだろうな・・・。

自国のためになっているかどうかは、ウクライナ国民が決める。

トランプじゃない。

ロシアという軍事大国と向き合い、正面から戦争をしている国の指導者が普通の物言いをしている方が不気味だ。

しかも、今は負けが込んできていて、事実上の降伏を迫られて窮地に陥っている。

「世界はプーチン氏に圧力をかけることよりも対話に力を入れているようだと指摘。ロシアを抑え込めるのは武力のみだとし、改めてロシアへの制裁強化を求めた。」(ゼレンスキー氏)

世界というのは、とりあえずは米国だろうが、事実上はウクライナを除く全世界だ。

この発言自体は、ロジカルには破綻しているけどな。

武力のみがロシアを抑え込める方法であるなら、ウクライナが世界に求めるのは共に戦うことではないのか。

ロシアは北朝鮮を味方につけ、共に戦って侵略者を撃退した(そういうことかあ?)。

しかも、その際にはついこの間まで最大の後ろ盾だった米国の協力(軍事支援と(軍事目標などの)機密情報共有の停止)まで取り付けている(そうだったのかあ?:未確認)

効果のほどが定かではなく、抜け穴だらけの中途半端な制裁でロシアを屈服させることが出来るとは到底思えない。

しかも、中国やインドなど、大きな需要を抱える勢力を味方に引き寄せて、制裁を緩和しようとしている。

まあいい。

ぺスコフは、相変わらず余裕咬ませている。

「和平交渉開始への支援に対して米国民とトランプ大統領本人に謝意を示した上で、トランプ氏は感情的になり過ぎている可能性」

「非常に重大な局面であり、当然ながら、誰もが感情的に圧倒され、感情的な反応を示すことになる」

トランプは、まだロシアとウクライナの仲介を諦めていないのか。

ロシアは、政権交代を口にはするけど、全土掌握は表明していない。

まあ、無条件降伏という話はちらほら聞こえてくるけどな。

トランプは、ウクライナの政権交代と全土掌握の回避を停戦の条件にしようとしているのではないか。

当然、4州とクリミアは永久放棄だ。

NATO非加盟は、元々米国の政策でもある(バイデン政権からそうだったからな)。

まだ、早期停戦を諦めているわけじゃなさそうだ。

追加制裁発言やプーチン発狂発言(!)は、トランプ特有の修辞かも知れない。

ぺスコフでなくても、ここは少し頭を冷やして事態の推移を見守る必要があるのかもしれない。

だが、1000機ものドローンやミサイルをぶっ放してウクライナの国土を破壊しまくり、多くの犠牲者を伴う攻撃を掛けているロシアを冷静に見守るというのは困難だ。

軍事的には、後方の施設を破壊しておいて、前線の戦力を奪うための事前攻撃と思われるが、真相は闇の中だ。

クリミアと4州、政権交代で終戦に持ち込めればトランプとしては上出来だろう。

港湾や地下資源からのあがりの半分は押さえているしな。

その後のウクライナの統治がどうなろうと、知ったことではないだろう。

「これは私の戦争じゃない!」

「彼のような話し方では自国のためにならない。彼の口から出る言葉は全て問題を引き起こす。私はそれが気に入らないし、やめるべきだ」(再掲)

うーん、やっぱムリポだろうな。

真の独立を賭けて、何十万人もの死傷者を自国民に強いたわけだからな。

「これは、私たちの戦争だ!!」

30日の停戦を呑ませるのだって、相当苦労したに違いない。

増して、NATO加盟を永久に諦め、4州とクリミアを永久に諦め、ロシアからの真の独立を永久に諦めた上で政権を去るなどという話を、どうやって呑ませようというのか・・・。

あるとすれば、実はとっくの昔に欧州も見限っているという話を突きつけるしかないだろう。

ロシアの停戦条件を全面的に受け入れなければ、明日から支援は打ち切ると通告するとかな。

ゼレンスキーの亡命先はフランスと決まっている(テキトーです)。

マクロンが、そっと耳打ちするだけでいい。

魔法の言葉を一言いうだけだ(そんなあ!)。

「これは私の戦争じゃない!」って・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナへ供与の兵器、射程距離の制限もはやない-メルツ独首相)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-26/SWVIDBT0G1KW00

「ウクライナに供与された兵器については、英国、フランス、ドイツ、さらには米国からも、射程距離に関する制限はもはや一切ない」「つまり、ウクライナはロシア国内の軍事拠点も攻撃することで自衛することが可能となる」(ドイツのメルツ首相)

おっと、浮沈子の妄想とは真逆な話が出てきたな。

「メルツ氏はまた、独政府はウクライナへの軍事支援を維持するために「可能な限りのことを行う」と述べた。」

いよいよタウルス供与か。

モスクワが巡航ミサイルで攻撃されるわけだ。

「事情に詳しい関係者によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日にベルリンを訪問する予定。」

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!。

(ウクライナへの長距離攻撃権限付与「政治的解決に反する」、ロシアが警告)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/DQGNHQIBDJIRVAB3E2XANWKG5Y-2025-05-26/

「欧州諸国がウクライナに長距離ミサイルでロシアを攻撃することを認めれば、危機を政治的に解決しようとする動きに反するとし、危険なことになると警告」

(メルツ独首相、ウクライナへの長射程兵器への制限は「独」英仏米から解除済みだと発言)
https://www.ukrinform.jp/rubric-defense/3997266-merutsu-du-shou-xiangukurainaheno-zhang-she-cheng-bing-qiheno-zhi-xianha-du-ying-fo-mikara-jie-chu-jimidato-fa-yan.html

「ウクライナへと供給されている長射程兵器に関する制限は、英国からも、フランスからも、私たちの側からももう一切ない。米国からもだ」

「メルツ独首相は、野党時代にウクライナへの「タウルス」供与を主張していた。同氏は、ドイツ議会選挙前後の期間は同供与に関してはより慎重に発言するようになっていたが、他方でその可能性を排除する発言もしていなかった。」

これで、欧州大戦争は一気にリアルになった感じだな・・・。