金星食2012年08月14日 21:30

地球による水星の掩蔽
金星食(画像は、地球による水星の掩蔽)


金星については、前に書いた気がした。

(金星行く?)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/04/24/6423759

我ながら、なかなか良く書けている(自画自賛・・・)。

金星食だったんだそうだ。

(2012年の金星食(23年ぶり))
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E2%C0%B1%BF%A9

そんなこととは知らずに、ぐっすりと寝ていた。

よく似た天体用語に、「掩蔽」(えんぺい)というのがある。

(掩蔽)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A9%E8%94%BD

(食 (天文))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F_(%E5%A4%A9%E6%96%87)

この違いが、なかなか分かりづらい。

掩蔽は、手前の天体(の見かけ)がでかくて、後ろの天体を完全に隠してしまう時に使うようだ。惑星とその衛星を地球から見たとき、惑星が手前にあって、後ろの衛星を完全に隠してしまうようなときに使うのが狭義の「掩蔽」である。

この逆が、「通過」。あまり天文用語らしくないが、文字通り、小さい天体が大きい天体の手前を通り過ぎる(通過する)時に使う。

(通過 (天文))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E9%81%8E_(%E5%A4%A9%E6%96%87)

食(しょく)というのは、ある天体が別の天体の影に入るような場合で、掩蔽が起こっているときにはいつも、食も起こっている。

頭がこんがらがってくるが、無駄な抵抗はやめて、そのままにしておこう。

上記の「通過 (天文)」の記述の中に、「2022年11月29日 - 火星から見ると、地球が水星を掩蔽する」という項目がある。

10年後、誰かが火星の上で、この光景を見ているかもしれない(画像参照)。

ちなみに、月による恒星の掩蔽を、特に星食という。

まあ、皆既日食(太陽も恒星ですから)のようなものだが、相手があまりに遠い。

さて、上記の「食 (天文)」の記述にあるように、天体そのものが遮る食と、光源である太陽の光が天体によって遮られることによってできる「影」による食があるので注意を要する。

月食は、もちろん(地球の)「影」による食のほうであり、日食は天体(月)そのものにより遮られる食である。

惑星による衛星の掩蔽は、惑星本体によって衛星が遮られる時に用いる。食とは呼ばないんだそうだ。

逆に、惑星の「影」に衛星が入ってしまう時は、食と呼ばれ、掩蔽とは呼ばない。

惑星とその衛星の場合は、掩蔽と食の両者が観測されるために、厳密に区別されているようだ。

天文現象は、かつては宇宙の神秘そのものであったろう。そして、それを観測したり予想することは、神秘を司る神聖な行為であったに違いない。

しかし、現代は多くの知識が大衆によって共有され、一部の特権階級のものではなくなってきている。宇宙の神秘は、全人類に共通の知識となり、支配者の道具ではなくなっているのだ。

啓蒙とは、知識の暗き闇を啓き明るく照らす意であると聞いたことがある。また、啓明というのは明けの明星、つまり金星のことである。宇宙の神秘を照らす明かりでもある。