蛇腹分解 ― 2013年01月12日 21:16
蛇腹分解
「蛇年に 蛇腹バラして 春祝う」
お粗末・・・。
画像は、インスピのキャニスターに差し込む蛇腹ホースをバラしたところ。
ホースの両端には「カフ」と呼ばれる「袖口」はなく、「環状」の蛇腹の「谷」のところでスパッと切れているだけ。
半割になった雄ネジから、雌ネジを回して抜くのに、ちょっと工夫がいる。蛇腹の両端にはインナーパイプが突っ込んであり、内側には2つの突起があるので、特殊工具(テーパーに2箇所、窪みがあるもの)を作ればいいのだが、伊豆某所の旅館に投宿しているので、ルームキーの棒状のホルダーにバスタオルを巻いて突っ込んで回した(良い子はマネしないでね)。
別にタオルが破れてしまったりしても、浮沈子は責任とりません。
この構造は、インスピの蛇腹ホースに共通に採用されている。
良く見ると、インナーパイプのフランジの大きさに微妙な違いがある。Tピース側のフランジが、少し大きい。
ダブルのオーリングの外側(水が入る側)にあたる。この幅の違いには、意味がないような気がする。
しかし、CCRのフタの真ん中から出ている吸気側の蛇腹ホースの先にある、Tピースへ接続する側の内筒のフランジも広い。
Tピース側は、内筒と外筒(ネジが内側に切ってある)とのクリアランスも大きい。
Tピースが手元にないので確認できないが(プールサイドにあります)、この部分の遊びを十分にとるためのフランジ幅の違いであることがわかる。Tピースの肉厚が十分に厚いことが分かる。
設計者のこだわりと、妥協を許さない精神を感じる(日本では、ゼッタイに同じ型を使うだろう)。
単にコスト削減の意識がないだけかも・・・。
キャニスターについている2本の蛇腹ホースの両端4箇所を、全て分解清掃する(旅館のバスタオルが、大活躍!)。普段メンテしないので、この際だから内筒のダブルオーリング8個を清掃し、グリスアップする。
7個だとダブル・オー・セブンだ!(意味なし・・・)。
2本の蛇腹ホースは、4.5cmほど長さが異なる。センター出しのほうが長い。内径3cm、蛇腹の山の高さが0.5cm、外径4cm、ピッチは5cmに6個の山がある。ゴムの肉厚は1mm足らず(正確には不明)。
このホースが自由な長さで調達できれば、世界中に歓喜の鐘が鳴り響くであろう!。
素材のゴムはかなり丈夫そうで、鋭利な金属などで突き刺したりしない限り、そうそう簡単には破れそうにはない。
サンクタムのように、岩で擦った程度で破れるようなことはないだろう(と思う)。
まあ、布製のカバーを被せておけば十分である。
イントラに、APDが材料扱いで出すかどうか聞いてもらうことにする。蛇の道は蛇、純正品が手に入ればそれに越したことはない。
バラしたコネクターを全て組み付けてみる。
半割にしたネジに外側のカバーをねじ込むのに苦労するが、旅館の棒状のキーホルダーが大活躍して、無事に閉め終える。棒を蛇腹ホースのところまで突っ込んで、ホースの上から棒を握ると、うまく締め込める。
気密試験(ふたを閉めて、息を吹き込む)をしてみるが、リークはないようだ。
初めての分解(5年目にして)だが、慣れてしまえば簡単だ。
中圧ホースの作成についても、当ってもらうことをお願いする。ブラダーが広がらないようにするバックパネルや、ケースの話もした。
具体的にプロジェクトが動き出す。話が進むということは、解決しなければならない問題が見えてくるということだ。
一見、問題が次々に現れてきて、行く手を阻んでくるように見える。
そうではない。
解決の方向性が見えているだけなのだ。回り道や、停滞があるにしても、登るべきルートがあるということだ。
ゴールである頂をしっかり見据えて、しかし、足元の小石にも気を配りながら一歩一歩登っていくしかない。
夢を形にする、それが現実の手段である。
「蛇年に 蛇腹バラして 春祝う」
お粗末・・・。
画像は、インスピのキャニスターに差し込む蛇腹ホースをバラしたところ。
ホースの両端には「カフ」と呼ばれる「袖口」はなく、「環状」の蛇腹の「谷」のところでスパッと切れているだけ。
半割になった雄ネジから、雌ネジを回して抜くのに、ちょっと工夫がいる。蛇腹の両端にはインナーパイプが突っ込んであり、内側には2つの突起があるので、特殊工具(テーパーに2箇所、窪みがあるもの)を作ればいいのだが、伊豆某所の旅館に投宿しているので、ルームキーの棒状のホルダーにバスタオルを巻いて突っ込んで回した(良い子はマネしないでね)。
別にタオルが破れてしまったりしても、浮沈子は責任とりません。
この構造は、インスピの蛇腹ホースに共通に採用されている。
良く見ると、インナーパイプのフランジの大きさに微妙な違いがある。Tピース側のフランジが、少し大きい。
ダブルのオーリングの外側(水が入る側)にあたる。この幅の違いには、意味がないような気がする。
しかし、CCRのフタの真ん中から出ている吸気側の蛇腹ホースの先にある、Tピースへ接続する側の内筒のフランジも広い。
Tピース側は、内筒と外筒(ネジが内側に切ってある)とのクリアランスも大きい。
Tピースが手元にないので確認できないが(プールサイドにあります)、この部分の遊びを十分にとるためのフランジ幅の違いであることがわかる。Tピースの肉厚が十分に厚いことが分かる。
設計者のこだわりと、妥協を許さない精神を感じる(日本では、ゼッタイに同じ型を使うだろう)。
単にコスト削減の意識がないだけかも・・・。
キャニスターについている2本の蛇腹ホースの両端4箇所を、全て分解清掃する(旅館のバスタオルが、大活躍!)。普段メンテしないので、この際だから内筒のダブルオーリング8個を清掃し、グリスアップする。
7個だとダブル・オー・セブンだ!(意味なし・・・)。
2本の蛇腹ホースは、4.5cmほど長さが異なる。センター出しのほうが長い。内径3cm、蛇腹の山の高さが0.5cm、外径4cm、ピッチは5cmに6個の山がある。ゴムの肉厚は1mm足らず(正確には不明)。
このホースが自由な長さで調達できれば、世界中に歓喜の鐘が鳴り響くであろう!。
素材のゴムはかなり丈夫そうで、鋭利な金属などで突き刺したりしない限り、そうそう簡単には破れそうにはない。
サンクタムのように、岩で擦った程度で破れるようなことはないだろう(と思う)。
まあ、布製のカバーを被せておけば十分である。
イントラに、APDが材料扱いで出すかどうか聞いてもらうことにする。蛇の道は蛇、純正品が手に入ればそれに越したことはない。
バラしたコネクターを全て組み付けてみる。
半割にしたネジに外側のカバーをねじ込むのに苦労するが、旅館の棒状のキーホルダーが大活躍して、無事に閉め終える。棒を蛇腹ホースのところまで突っ込んで、ホースの上から棒を握ると、うまく締め込める。
気密試験(ふたを閉めて、息を吹き込む)をしてみるが、リークはないようだ。
初めての分解(5年目にして)だが、慣れてしまえば簡単だ。
中圧ホースの作成についても、当ってもらうことをお願いする。ブラダーが広がらないようにするバックパネルや、ケースの話もした。
具体的にプロジェクトが動き出す。話が進むということは、解決しなければならない問題が見えてくるということだ。
一見、問題が次々に現れてきて、行く手を阻んでくるように見える。
そうではない。
解決の方向性が見えているだけなのだ。回り道や、停滞があるにしても、登るべきルートがあるということだ。
ゴールである頂をしっかり見据えて、しかし、足元の小石にも気を配りながら一歩一歩登っていくしかない。
夢を形にする、それが現実の手段である。
インスピの利点 ― 2013年01月12日 23:14
インスピの利点
APDのインスピレーションの利点は、普及率、有益な情報、国内のサービス、海外での認知度(国内は、ほぼ0です)、多くの人柱(既存のユーザー)、国内での死亡率の高さ(危険の認識がある)、運用マニュアルの充実(日本語版もあります)などなど。
あんまり、利点じゃないような・・・。
しかし、幸か不幸か、付いたイントラの好みでこの器材を使う破目になった。
世の中には星の数ほどのCCRがあり、売りたいかどうかも含め、エバンジェリストに事欠かない。そして、市場はそれほど大きくはない。
当然、現れては消えていく運命のCCRも多いわけだ。製品寿命は、電気系統があるので10年くらいだろうが、オーバーホールや交換部品を換えていけば、飽きるまでは使えるだろう。
インスピなどは、そういった需要にも応えてくれている。部品供給が滞ることはあっても、停止してしまう心配は一番少ない。
数が出ているということは、カスタム部品も多いはずなのだが、浮沈子の目にはあまり止まらない。APDの純正部品は充実しており、いろいろなカスタマイズが出来るようだ。
それを、使いこなせるかが問題ではある。
ダイビングの器材の選択は、運用思想に従う。
兵器と同じで、どんな戦い方をするかで調達する武器が決まる。どんな潜り方をするのか、バディやチームのスキルはどうか、環境は暖かいのか、流れがあるのか。
でも、それは高度な潜水を行う場合であり、レクリエーショナルなシーンでは、持っている器材や、借りられる器材の範囲で、状況に応じてダイビング自体を調整する。
遊びだから。
ミッションの遂行が目的ではない。だめなら止めていい。陸上の楽しみに変更してもいいのだ。
CCRも、機嫌の悪い時はある。マウスピースが切れたり、センサーがイカれたり、バッテリーが放電したり、水が漏ってきたり。
インスピの不具合の多くを、この5年間で経験した。これも、財産である。そんな時にどうしたらいいのかという、実体験に基づく対応を取ることができる。
基本的な対応と、その応用。
それらの多くは、マニュアルではなく、経験から学んだ。
インスピは、CEの認可を得ているので、メーカーはその範囲の改造しか行えない。つらいところだ。基本的に純正で使用することを推奨している(純正部品の使用を含む)。
サイドマウントなんて想定外である。世の中にはもっと適した器材がいろいろある。プリズム、メガロドン、ハンマーヘッド、ゴーレム、などなど。
だれもが簡単に扱えるオートマ車のようなインスピでサイドマウントなんて、笑っちゃうわけだ。しかも、オープンウォーターでの使用を前提としている。
ミスマッチ、意味なし、カッコだけ・・・。
だからこそ、サイドマウントにする意義がある。
リブリーザーだって、ついこの間までは、レクリエーショナルで普及させようなんていう話はなかった。あれは、テクニカルの器材だよ・・・。
サイドマウントだって、穴に入るダイバーしか用のないコンフィギュレーションだったはずだ。バックマウントで、何処が悪い?。
だから、サイドマウントのCCRなんて、思い切り外しているし、選りにもよってインスピでやるなんて、論外だ。
この常識から逸脱した形こそ、これからのダイビングを示唆している。レクリエーショナルから発展分岐したテクニカルの技術が、レクリエーショナルにフィードバックされるというのは、器材だけではなく、運用や教授法にも取り入れられてきた。
それが目に見える形になってきたということだ。
なぜ、あのダイバーはCCRで潜っているのだろう?、なぜ、サイドマウントで潜っているのだろう?、なぜ、インスピなんだろう?。
見る人全てが疑問に感じ、考える。
全ては、安全のため、生きて還るため、楽をしたいためである。
それを表現するのに、インスピのサイドマウント化は、最もインパクトがある。
それが最大の利点である。
APDのインスピレーションの利点は、普及率、有益な情報、国内のサービス、海外での認知度(国内は、ほぼ0です)、多くの人柱(既存のユーザー)、国内での死亡率の高さ(危険の認識がある)、運用マニュアルの充実(日本語版もあります)などなど。
あんまり、利点じゃないような・・・。
しかし、幸か不幸か、付いたイントラの好みでこの器材を使う破目になった。
世の中には星の数ほどのCCRがあり、売りたいかどうかも含め、エバンジェリストに事欠かない。そして、市場はそれほど大きくはない。
当然、現れては消えていく運命のCCRも多いわけだ。製品寿命は、電気系統があるので10年くらいだろうが、オーバーホールや交換部品を換えていけば、飽きるまでは使えるだろう。
インスピなどは、そういった需要にも応えてくれている。部品供給が滞ることはあっても、停止してしまう心配は一番少ない。
数が出ているということは、カスタム部品も多いはずなのだが、浮沈子の目にはあまり止まらない。APDの純正部品は充実しており、いろいろなカスタマイズが出来るようだ。
それを、使いこなせるかが問題ではある。
ダイビングの器材の選択は、運用思想に従う。
兵器と同じで、どんな戦い方をするかで調達する武器が決まる。どんな潜り方をするのか、バディやチームのスキルはどうか、環境は暖かいのか、流れがあるのか。
でも、それは高度な潜水を行う場合であり、レクリエーショナルなシーンでは、持っている器材や、借りられる器材の範囲で、状況に応じてダイビング自体を調整する。
遊びだから。
ミッションの遂行が目的ではない。だめなら止めていい。陸上の楽しみに変更してもいいのだ。
CCRも、機嫌の悪い時はある。マウスピースが切れたり、センサーがイカれたり、バッテリーが放電したり、水が漏ってきたり。
インスピの不具合の多くを、この5年間で経験した。これも、財産である。そんな時にどうしたらいいのかという、実体験に基づく対応を取ることができる。
基本的な対応と、その応用。
それらの多くは、マニュアルではなく、経験から学んだ。
インスピは、CEの認可を得ているので、メーカーはその範囲の改造しか行えない。つらいところだ。基本的に純正で使用することを推奨している(純正部品の使用を含む)。
サイドマウントなんて想定外である。世の中にはもっと適した器材がいろいろある。プリズム、メガロドン、ハンマーヘッド、ゴーレム、などなど。
だれもが簡単に扱えるオートマ車のようなインスピでサイドマウントなんて、笑っちゃうわけだ。しかも、オープンウォーターでの使用を前提としている。
ミスマッチ、意味なし、カッコだけ・・・。
だからこそ、サイドマウントにする意義がある。
リブリーザーだって、ついこの間までは、レクリエーショナルで普及させようなんていう話はなかった。あれは、テクニカルの器材だよ・・・。
サイドマウントだって、穴に入るダイバーしか用のないコンフィギュレーションだったはずだ。バックマウントで、何処が悪い?。
だから、サイドマウントのCCRなんて、思い切り外しているし、選りにもよってインスピでやるなんて、論外だ。
この常識から逸脱した形こそ、これからのダイビングを示唆している。レクリエーショナルから発展分岐したテクニカルの技術が、レクリエーショナルにフィードバックされるというのは、器材だけではなく、運用や教授法にも取り入れられてきた。
それが目に見える形になってきたということだ。
なぜ、あのダイバーはCCRで潜っているのだろう?、なぜ、サイドマウントで潜っているのだろう?、なぜ、インスピなんだろう?。
見る人全てが疑問に感じ、考える。
全ては、安全のため、生きて還るため、楽をしたいためである。
それを表現するのに、インスピのサイドマウント化は、最もインパクトがある。
それが最大の利点である。
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