パリ旅行・補遺 ― 2014年06月25日 12:11
パリ旅行・補遺
ルマン観戦の為に6月11日から17日にかけての旅行について、若干の補足があるので書いておく。
まずは、TGVのこと。
モンパルナスから、ルマンまでの往復で乗ったが、非常に乗り心地が良かった(一等車)。
その原因を調べてみると、どうやら台車に理由があるようだ。
(TGV:概要)
http://ja.wikipedia.org/wiki/TGV#.E6.A6.82.E8.A6.81
「動力車以外は連接台車とし、台車数を減らし、転がり抵抗を減じている。」
(連接台車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E6%8E%A5%E5%8F%B0%E8%BB%8A
「連接台車(れんせつだいしゃ)とは、鉄道車両において車体の連接部に設置して2つの車体を支える台車を言う。」
「2車体が連結器を介さず、台車によって直接つながるため、横方向の複合振動が起きない。」
縦の振動(というか、ふわっとした揺れ)はあったが、確かに横揺れは殆どといっていいほど感じなかった。
きついRを曲がらなければならない新幹線と比較しては酷だが、ハッキリ言ってTGVの方が良かった。
まるで、気流が安定している時の旅客機のようである。
この台車も、当初はコイルばねだったが、第二世代からは空気ばねになった。
(フランス国鉄TGV Atlantique)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%9B%BD%E9%89%84TGV_Atlantique
「中間の客車の台車は軸箱支持機構がSud-Est編成の筒型ゴム式からコイルバネを使用した軸梁式に変更され、枕ばねもコイルバネから空気バネに変更された。これらは以後登場するTGV編成にも踏襲されている。」
この台車の構造については、いろいろと薀蓄があるらしい。
調べた限りでは、ボルスタレス台車というのが、最近の流行らしく、TGVの台車についてもボルスタといわれる枕梁という部品を持たない構造になっているようだ。
これは、新幹線などもそうなのだが、主な理由としては、軽量化が挙げられている。
(ボルスタレス台車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%84%E9%81%93%E8%BB%8A%E4%B8%A1%E3%81%AE%E5%8F%B0%E8%BB%8A%E5%8F%B2#.E3.83.9C.E3.83.AB.E3.82.B9.E3.82.BF.E3.83.AC.E3.82.B9.E5.8F.B0.E8.BB.8A
構造については、この記事が詳しい。
(ボルスタレス台車とは)
http://www1.plala.or.jp/kurikou/railway/trivia/daisha-2.html
対して、ボルスタがある方はこちら。
(ボルスタレス「ではない」台車)
http://www1.plala.or.jp/kurikou/railway/trivia/daisha-3.html
浮沈子が棲息する東京という都市には、京浜急行という電車が走っていて、これがボルスタがある台車を使い続けている。
(京浜急行電鉄:車両:仕様)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E6%B5%9C%E6%80%A5%E8%A1%8C%E9%9B%BB%E9%89%84#.E4.BB.95.E6.A7.98
「ボルスタレス台車は走行安定性の観点から現在に至るまで採用されておらず・・・」とある。
このボルスタレス台車については、地下鉄日比谷線の事故の原因の一つではないかと注目された。
(営団日比谷線中目黒駅構内列車脱線衝突事故)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%B6%E5%9B%A3%E6%97%A5%E6%AF%94%E8%B0%B7%E7%B7%9A%E8%84%B1%E7%B7%9A%E8%A1%9D%E7%AA%81%E4%BA%8B%E6%95%85
「事故調査報告会の発した前出輪重比管理指示は、台車の狂いは同じでも車体重量が40%も軽くなると相対的に脱線係数が大きくなっていたのを改める指示であり、その最終報告書でも当該03系台車の操向剛性が比較対象車より若干大きかったことはデータとして指摘したがボルスターレス台車に原因有りとは言っていない。」
しかし、まあ、事故は起こってしまったわけだし、バランスが悪くなると蛇行を生じて脱線しやすい構造であることは確かだ。
しかし、これは軌道の精度や、速度などとの関係もあって、必ずしもボルスタレス構造に欠陥があるとまではいえない。
「2000年(平成12年)3月8日午前9時1分頃に帝都高速度交通営団(現東京地下鉄)が運営する営団地下鉄日比谷線において発生した、列車脱線事故である。死者5名、負傷者63名を出した。」
列車事故といえば、福知山線の脱線事故が思い出される。
(JR福知山線脱線事故)
http://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E7%A6%8F%E7%9F%A5%E5%B1%B1%E7%B7%9A%E8%84%B1%E7%B7%9A%E4%BA%8B%E6%95%85
「「使用している鉄道車両の台車がヨーダンパ付ボルスタレス台車(端梁なし台車DT50・TR235)であって、ねじれに弱い」と鉄道評論家の川島令三などが指摘している。そのねじれによりヨーダンパが跳ね上げ運動を起こし脱線したと論じており京浜急行電鉄・京阪電気鉄道・阪急電鉄などでは、台車は安全上軽量化すべき箇所ではないという考え方からボルスタアンカ付の台車を採用していることを論拠としている。また、異常振幅により空気バネが片方では大きく縮み、もう片方では大きくふくらんだため車体が傾いたのが脱線原因、とした報道もあった」
「技術士、佐藤R&D代表取締役・佐藤国仁は、ボルスタレス台車について、事故時のような極端な超過遠心力が発生したときに初めて露呈する不備であって、通常走行の限りでは顕在化するものではない、とし、ボルスタレス台車の本質的な構造そのものを疑問視する意見には与しない、と前置きしながらも、ストッパ制限いっぱいまで変位するような極端な超過速度で曲線に進入した際には、台車のストッパ構造上ボルスタレス台車はより転覆限界速度が低い、と論じている」
明日から、新幹線に乗るのが心配になってくるな(TGVは当分乗りませんが)。
まあいい。
「なお、福知山線事故・最終報告書は、台車については論じておらず、これに対してボルスタレス台車が事故原因である旨の具体的なデータを伴った充分な再反証は提出されていない。」
さて、もう一つ補足しておきたいのが、モンパルナスタワーである。
(トゥール・モンパルナス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC
ルマンに行くためにTGVに乗る、モンパルナスの駅の前(というか、駅の上?)に、ドドンと聳える、パリ旧市街で最も目立つ高層ビルである。
パリのどこからでも見える。
「パリ南部のモンパルナス地区(15区)にある超高層ビル。高さ210m、59階建てで、主な用途はオフィス。」
「竣工時にはヨーロッパ一高いビルで、現在でもフランスで一番高いビルとなっている」
「簡素で一枚岩のような外観、およびパリの伝統的な街並みの上に立ちはだかる巨大さから、建築当時からパリには場違いであるという批判を浴び、1972年の竣工から2年後にはパリ都心部での超高層ビル建設は禁止された。」
「トゥール・モンパルナス最上階からの眺めはパリで一番美しい。なぜからパリで唯一トゥール・モンパルナスが見えない場所だからだ」
あれっ?、どっかで聞いたせりふだなあ!。
(ギ・ド・モーパッサン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%B3
「パリ万博に建ったエッフェル塔を嫌い、眺めずに済むからと、塔のレストランで食事した。」
「1891年に発狂し、1892年自殺未遂を起こして、パリ16区パッシー(Passy)の精神病院に収容された。
1893年、43歳、その病院で没し、モンパルナス墓地に葬られた。」
やれやれ、モンパルナスとも縁があるわけだ。
市内観光のガイドをしてくれたリンダさんによれば、モンパルナスタワーは、今でもボロクソに言われているらしい(エッフェル塔は、もう、見慣れてしまったのか、そういう話は聞かないという)。
まあ、あと100年経てば、モンパルナスタワーの評価も変わるかもしれない。
画像は、2つの建造物をリュクサンブール宮殿の庭から眺めたところ。
歴史とハイテクが並び建つ街、パリ。
ちょっと懐かしくなってきた、今日この頃であるな。
ルマン観戦の為に6月11日から17日にかけての旅行について、若干の補足があるので書いておく。
まずは、TGVのこと。
モンパルナスから、ルマンまでの往復で乗ったが、非常に乗り心地が良かった(一等車)。
その原因を調べてみると、どうやら台車に理由があるようだ。
(TGV:概要)
http://ja.wikipedia.org/wiki/TGV#.E6.A6.82.E8.A6.81
「動力車以外は連接台車とし、台車数を減らし、転がり抵抗を減じている。」
(連接台車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E6%8E%A5%E5%8F%B0%E8%BB%8A
「連接台車(れんせつだいしゃ)とは、鉄道車両において車体の連接部に設置して2つの車体を支える台車を言う。」
「2車体が連結器を介さず、台車によって直接つながるため、横方向の複合振動が起きない。」
縦の振動(というか、ふわっとした揺れ)はあったが、確かに横揺れは殆どといっていいほど感じなかった。
きついRを曲がらなければならない新幹線と比較しては酷だが、ハッキリ言ってTGVの方が良かった。
まるで、気流が安定している時の旅客機のようである。
この台車も、当初はコイルばねだったが、第二世代からは空気ばねになった。
(フランス国鉄TGV Atlantique)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%9B%BD%E9%89%84TGV_Atlantique
「中間の客車の台車は軸箱支持機構がSud-Est編成の筒型ゴム式からコイルバネを使用した軸梁式に変更され、枕ばねもコイルバネから空気バネに変更された。これらは以後登場するTGV編成にも踏襲されている。」
この台車の構造については、いろいろと薀蓄があるらしい。
調べた限りでは、ボルスタレス台車というのが、最近の流行らしく、TGVの台車についてもボルスタといわれる枕梁という部品を持たない構造になっているようだ。
これは、新幹線などもそうなのだが、主な理由としては、軽量化が挙げられている。
(ボルスタレス台車)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%84%E9%81%93%E8%BB%8A%E4%B8%A1%E3%81%AE%E5%8F%B0%E8%BB%8A%E5%8F%B2#.E3.83.9C.E3.83.AB.E3.82.B9.E3.82.BF.E3.83.AC.E3.82.B9.E5.8F.B0.E8.BB.8A
構造については、この記事が詳しい。
(ボルスタレス台車とは)
http://www1.plala.or.jp/kurikou/railway/trivia/daisha-2.html
対して、ボルスタがある方はこちら。
(ボルスタレス「ではない」台車)
http://www1.plala.or.jp/kurikou/railway/trivia/daisha-3.html
浮沈子が棲息する東京という都市には、京浜急行という電車が走っていて、これがボルスタがある台車を使い続けている。
(京浜急行電鉄:車両:仕様)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E6%B5%9C%E6%80%A5%E8%A1%8C%E9%9B%BB%E9%89%84#.E4.BB.95.E6.A7.98
「ボルスタレス台車は走行安定性の観点から現在に至るまで採用されておらず・・・」とある。
このボルスタレス台車については、地下鉄日比谷線の事故の原因の一つではないかと注目された。
(営団日比谷線中目黒駅構内列車脱線衝突事故)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%B6%E5%9B%A3%E6%97%A5%E6%AF%94%E8%B0%B7%E7%B7%9A%E8%84%B1%E7%B7%9A%E8%A1%9D%E7%AA%81%E4%BA%8B%E6%95%85
「事故調査報告会の発した前出輪重比管理指示は、台車の狂いは同じでも車体重量が40%も軽くなると相対的に脱線係数が大きくなっていたのを改める指示であり、その最終報告書でも当該03系台車の操向剛性が比較対象車より若干大きかったことはデータとして指摘したがボルスターレス台車に原因有りとは言っていない。」
しかし、まあ、事故は起こってしまったわけだし、バランスが悪くなると蛇行を生じて脱線しやすい構造であることは確かだ。
しかし、これは軌道の精度や、速度などとの関係もあって、必ずしもボルスタレス構造に欠陥があるとまではいえない。
「2000年(平成12年)3月8日午前9時1分頃に帝都高速度交通営団(現東京地下鉄)が運営する営団地下鉄日比谷線において発生した、列車脱線事故である。死者5名、負傷者63名を出した。」
列車事故といえば、福知山線の脱線事故が思い出される。
(JR福知山線脱線事故)
http://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E7%A6%8F%E7%9F%A5%E5%B1%B1%E7%B7%9A%E8%84%B1%E7%B7%9A%E4%BA%8B%E6%95%85
「「使用している鉄道車両の台車がヨーダンパ付ボルスタレス台車(端梁なし台車DT50・TR235)であって、ねじれに弱い」と鉄道評論家の川島令三などが指摘している。そのねじれによりヨーダンパが跳ね上げ運動を起こし脱線したと論じており京浜急行電鉄・京阪電気鉄道・阪急電鉄などでは、台車は安全上軽量化すべき箇所ではないという考え方からボルスタアンカ付の台車を採用していることを論拠としている。また、異常振幅により空気バネが片方では大きく縮み、もう片方では大きくふくらんだため車体が傾いたのが脱線原因、とした報道もあった」
「技術士、佐藤R&D代表取締役・佐藤国仁は、ボルスタレス台車について、事故時のような極端な超過遠心力が発生したときに初めて露呈する不備であって、通常走行の限りでは顕在化するものではない、とし、ボルスタレス台車の本質的な構造そのものを疑問視する意見には与しない、と前置きしながらも、ストッパ制限いっぱいまで変位するような極端な超過速度で曲線に進入した際には、台車のストッパ構造上ボルスタレス台車はより転覆限界速度が低い、と論じている」
明日から、新幹線に乗るのが心配になってくるな(TGVは当分乗りませんが)。
まあいい。
「なお、福知山線事故・最終報告書は、台車については論じておらず、これに対してボルスタレス台車が事故原因である旨の具体的なデータを伴った充分な再反証は提出されていない。」
さて、もう一つ補足しておきたいのが、モンパルナスタワーである。
(トゥール・モンパルナス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC
ルマンに行くためにTGVに乗る、モンパルナスの駅の前(というか、駅の上?)に、ドドンと聳える、パリ旧市街で最も目立つ高層ビルである。
パリのどこからでも見える。
「パリ南部のモンパルナス地区(15区)にある超高層ビル。高さ210m、59階建てで、主な用途はオフィス。」
「竣工時にはヨーロッパ一高いビルで、現在でもフランスで一番高いビルとなっている」
「簡素で一枚岩のような外観、およびパリの伝統的な街並みの上に立ちはだかる巨大さから、建築当時からパリには場違いであるという批判を浴び、1972年の竣工から2年後にはパリ都心部での超高層ビル建設は禁止された。」
「トゥール・モンパルナス最上階からの眺めはパリで一番美しい。なぜからパリで唯一トゥール・モンパルナスが見えない場所だからだ」
あれっ?、どっかで聞いたせりふだなあ!。
(ギ・ド・モーパッサン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%B3
「パリ万博に建ったエッフェル塔を嫌い、眺めずに済むからと、塔のレストランで食事した。」
「1891年に発狂し、1892年自殺未遂を起こして、パリ16区パッシー(Passy)の精神病院に収容された。
1893年、43歳、その病院で没し、モンパルナス墓地に葬られた。」
やれやれ、モンパルナスとも縁があるわけだ。
市内観光のガイドをしてくれたリンダさんによれば、モンパルナスタワーは、今でもボロクソに言われているらしい(エッフェル塔は、もう、見慣れてしまったのか、そういう話は聞かないという)。
まあ、あと100年経てば、モンパルナスタワーの評価も変わるかもしれない。
画像は、2つの建造物をリュクサンブール宮殿の庭から眺めたところ。
歴史とハイテクが並び建つ街、パリ。
ちょっと懐かしくなってきた、今日この頃であるな。
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