スピード272014年10月16日 04:15

スピード27
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ようやくWHOの発表ということになった。

(WHO: Ebola Response Roadmap Situation Report
15 October 2014)
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/136508/1/roadmapsitrep15Oct2014.pdf?ua=1

「15 Oct 2014:
国名:感染者:死者
Guinea:1472:843
Liberia:4249:2458
Sierra Leone:3252:1183
Nigeria:20:8
Senegal:1:0
United States:2:1
Spain:1:0
Total:8997:4493」

ということで、ウィキも更新。

(Timeline of cases and deaths)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ebola_virus_epidemic_in_West_Africa#Timeline_of_cases_and_deaths

「11 Oct 2014:
国名:感染者:死者
Guinea:1,441:831
Liberia:4,279:2,458
Sierra Leone:3,187:1,173
Nigeria:20:8
Senegal:1:0
United States:2:1
Spain:1:0
Total:8,931:4,471」

例によって、最新の数字を充てる。

「国名:感染者:死者
Guinea:1472:843(10月15日)
Liberia:4249:2458(10月11日)
Sierra Leone:3298:1198(10月14日)
Nigeria:20:8(10月15日)
Senegal:1:0(10月15日)
United States:2:1(10月15日)
Spain:1:0(10月15日)
Total:9043:4508」

10月15日としているのは、WHOの発表である。

ウィキのリベリアの感染者の数字が合わないが、30人くらいはどうでもいい(1日の増加程度である)。

感染者が9000人を超えて、今月中の1万人到達は確実になった。

というより、逆に、2万人になるのは来月に持ち越しになったというべきだろうか。

原因はハッキリしている。

リベリアの伸びが鈍化してきたから。

相変わらず、首都モンロビアのあるモンテセラド郡が多いが、その増加が鈍化しているのだ。

終息に向けた兆しだといいのだが、たぶん集計漏れがあるというのが実態なんだろう。

意外にも、主要3か国の中で最大の増加を見せたのはシエラレオネである。

先週、今週と、トップの座を守っている。

まあ、リベリアの増加が下がってきたということもあるが、増加傾向が続いていることも確かだ。

浮沈子は、ギニアの増加が本格化するのではないかと懸念している。

エボラの感染は、終息どころか、むしろこれからが本番なのである。

今までは、単なる序章に過ぎない。

終息までには、万単位の感染者が避けられない情勢だが、全感染者の大部分は、今後、新たに感染することになる人々なのだ。

リベリアの増加が鈍化したとはいえ、次回の報告では、感染者数が1万人になる可能性もある。

それは、エボラの感染が第2章に入ったことを示すことになる。

海外での飛び火感染も、僅かではあるが増加している。

米国では、3例目の感染者の発生が報告されている(1次検査)。

アジアに飛び火するのがいつなのか。

関係者は、固唾を呑んで見守るしかない。

飛び火感染が、感染先で蔓延するかどうかは、当局の対応次第だな。

セネガルに続いて、主要3か国から隣国への感染も懸念されている(コートジボワール)。

その意味でも、エボラ第2章が始まったといえるだろう。

主要3か国では、リベリアからシエラレオネへと、主役の座は移りつつある。

まあ、そんな座は、喜んで譲り渡したいところではあるが。

フリータウンを擁するウエスタン地区の増加が、いよいよ本格的になってきた(画像参照)。

落ち着いていたケネマの増加が気になる。

首都圏は、まるでリベリアの再現のようになってきた。

ギニアの首都、コナクリの増加も、僅かずつとはいえ増え続けており、いつ感染爆発が起きてもおかしくない状態が続いているのだ。

バラク・オバマは、各国に演説をぶち、エボラ対策の強化に、強力な要請をかけている。

(エボラ熱、米で新たに感染疑い オバマ氏、欧州と会談へ)
http://www.asahi.com/articles/ASGBH363LGBHUHBI00C.html

「もともと過激派組織「イスラム国」への対応を協議する会議だったが、オバマ氏はあいさつの半分近くをエボラ出血熱対策にあて、安全保障上の最重要課題の一つであることを強調した。」

イスラム国とエボラとを比較しては、エボラに失礼かもしれないが、人類が恐れるべきはエボラの方が格上ということなのだろう。

格下になったイスラム国は、ちとむくれるかもしれない。

まあ、どうでもいいんですが。

今後、各国の関心は、主要3か国でのエボラの行方と共に、自国への飛び火感染を防ぐことの方に重点が移ってくるかもしれない。

それはそれで結構だが、そのために主要3か国への援助や関心が薄れるようなことになれば、やがてはツケが回ってくることになる。

主要3か国での蔓延を終息させることは、エボラ対策の王道である。

敢えて踏み込んでいうなら、大都市圏での感染爆発を抑えなければ、飛び火感染の危険は消えない。

人口密度の低い地方での感染を効果的に抑制するのには時間が掛かるが、人口密集地では、効率良く感染経路の遮断が可能だ。

ブロック毎に、徹底したバリアを作って、あらゆる資源の過剰投資を行うべきだろう。

そうすれば、その爆発的な感染の糸を断ち切ることが出来る。

都市での感染は、時間との戦いになる。

今は、エボラの方が遥かに速い。

ターボでも、スーパーチャージャーでも何でもいいから、対策を加速させる必要がある。

ワクチンは、年明けまでは供給されない。

それまで待っていたら、12月初旬には、毎週1万人の新規感染者を生み出すことになる。

そんな事態に対応する術を、人類は知らない。

14世紀の欧州でのペスト以来の事態になる。

「1348年にはアルプス以北のヨーロッパにも伝わり、14世紀末まで3回の大流行と多くの小流行を繰り返し、猛威を振るった。全世界でおよそ8,500万人、当時のヨーロッパ人口の3分の1から3分の2に当たる、約2,000万から3,000万人が死亡したと推定されている。」

(ペスト:14世紀の大流行)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%83%88#14.E4.B8.96.E7.B4.80.E3.81.AE.E5.A4.A7.E6.B5.81.E8.A1.8C

21世紀に、そんな事態を招くようなことがあれば、人類史に大きな汚点を残すことになる。

じたばたするなら、今のうちだ。

そのうち、じたばたしたところで、どうしようもなくなるのは目に見えているのだから。