🚀スターシップ:IFT-9:遠い道のり ― 2025年06月03日 14:51
スターシップ:IFT-9:遠い道のり
(SpaceXは1つの問題を解決したかもしれないが、最新のStarship飛行でさらに多くの問題が見つかった。)
https://arstechnica.com/space/2025/05/spacex-may-have-solved-one-problem-only-to-find-more-on-latest-starship-flight/
「SpaceXの9番目のスターシップは打ち上げを無事に乗り切ったが、エンジニアたちは克服すべきさらなる問題に直面している。」
・主エンジンはフル稼働し、機体はインド洋への着水に向けて予定の軌道に乗りました。しばらくの間、機体は飛行成功に向けて順調に進んでいるように見えました。
・上昇中に耐熱シールドタイルに大きな損失はありませんでした(スペースXの創設者兼CEOであるイーロン・マスク氏)
・惰性航行と再突入の段階で漏れによりメインタンクの圧力が低下した(同上)
・タンクの圧力が失われたため、ロケットは地球から100マイル以上上空の暗闇の宇宙空間を滑空しながらゆっくりと回転し始めました。
・エンジン停止から数分後、スターシップはスペースXの飛行計画から逸脱し始めた。
スティーブンクラークの記事では、慣性飛行開始後のかなり早い段階でトラブルが発生していたことが伺われる。
録画を見てみたんだが、SECOがT+8分40秒でカーゴベイのドアがあかないトラブルが発覚したのがT+17分過ぎ位で、トラブルはこの間に起きていたのかもしれない(未確認)。
ドアが開かないために、機体は慣性飛行を続けることになる。
中継の映像は、その間も断続的に流れ続けており、テレメトリーで姿勢がグラフィック表示されているT+31分過ぎまでの間に、徐々に姿勢制御を失っていく様子が見て取れる。
顕著な動きはT+26分頃からだが、SECO直後から周期の長い運動の兆候は出ている感じだ。
・スペースXはスターシップのペイロード展開装置の初テストで、模擬スターリンク・インターネット衛星8基の放出を中止した。貨物室のドアが完全に開かず、エンジニアたちはデモンストレーションを中止した(ペイロードベイのドアは、以前の飛行でもテストしてトラブってます:浮沈子注)。
・スターシップ内部の燃料タンクシステムの一部に漏れが発生
・これらの燃料タンクシステムの多くは姿勢制御に使用されています。そのため、現時点ではスターシップの姿勢制御は事実上不可能になっています
・宇宙空間でラプターエンジンの1つを短時間再起動することもできませんでした
テレメトリーはT+46分過ぎに失われたようだ。
・機体はインド洋上空で分解し、予定飛行経路内の遠く離れた海域に残骸を投棄したと考えられます。
さて、例によって炎上爆発木っ端微塵になっちまったわけだが、3回連続での失敗は痛恨の極みだ。
スーパーヘビーブースターの再使用という金字塔は打ち立てたものの、ランディングバーンで再点火した途端にテレメトリーはブチ切れたからな(内周のエンジン1基が未着火であることが確認できる)。
もちろん、その後の最終段階での中央2基+内周1基によるバックアップテストもできなかった。
惨憺たる有り様で、お世辞にも成功とは言えない(断定的!)。
「今日はもっと良い結果になっていたかもしれないけど、もっと悪い結果になっていた可能性もあった」(SpaceXのスターシップエンジニアリングディレクター、シャナ・ディエズ氏)
健全な反応だ。
現実は、常に最良と最悪との間の何処かにある。
まあ、その「どこ」にあるかっちゅーのが最大の問題なんだがな・・・。
(SpaceX - Starship - Suborbital Test Flight 9 - OLP-A - Starbase Texas - May 27, 2025:動画へのリンク)
https://www.youtube.com/watch?v=YOJKZYSOsGs
(SpaceXは1つの問題を解決したかもしれないが、最新のStarship飛行でさらに多くの問題が見つかった。)
https://arstechnica.com/space/2025/05/spacex-may-have-solved-one-problem-only-to-find-more-on-latest-starship-flight/
「SpaceXの9番目のスターシップは打ち上げを無事に乗り切ったが、エンジニアたちは克服すべきさらなる問題に直面している。」
・主エンジンはフル稼働し、機体はインド洋への着水に向けて予定の軌道に乗りました。しばらくの間、機体は飛行成功に向けて順調に進んでいるように見えました。
・上昇中に耐熱シールドタイルに大きな損失はありませんでした(スペースXの創設者兼CEOであるイーロン・マスク氏)
・惰性航行と再突入の段階で漏れによりメインタンクの圧力が低下した(同上)
・タンクの圧力が失われたため、ロケットは地球から100マイル以上上空の暗闇の宇宙空間を滑空しながらゆっくりと回転し始めました。
・エンジン停止から数分後、スターシップはスペースXの飛行計画から逸脱し始めた。
スティーブンクラークの記事では、慣性飛行開始後のかなり早い段階でトラブルが発生していたことが伺われる。
録画を見てみたんだが、SECOがT+8分40秒でカーゴベイのドアがあかないトラブルが発覚したのがT+17分過ぎ位で、トラブルはこの間に起きていたのかもしれない(未確認)。
ドアが開かないために、機体は慣性飛行を続けることになる。
中継の映像は、その間も断続的に流れ続けており、テレメトリーで姿勢がグラフィック表示されているT+31分過ぎまでの間に、徐々に姿勢制御を失っていく様子が見て取れる。
顕著な動きはT+26分頃からだが、SECO直後から周期の長い運動の兆候は出ている感じだ。
・スペースXはスターシップのペイロード展開装置の初テストで、模擬スターリンク・インターネット衛星8基の放出を中止した。貨物室のドアが完全に開かず、エンジニアたちはデモンストレーションを中止した(ペイロードベイのドアは、以前の飛行でもテストしてトラブってます:浮沈子注)。
・スターシップ内部の燃料タンクシステムの一部に漏れが発生
・これらの燃料タンクシステムの多くは姿勢制御に使用されています。そのため、現時点ではスターシップの姿勢制御は事実上不可能になっています
・宇宙空間でラプターエンジンの1つを短時間再起動することもできませんでした
テレメトリーはT+46分過ぎに失われたようだ。
・機体はインド洋上空で分解し、予定飛行経路内の遠く離れた海域に残骸を投棄したと考えられます。
さて、例によって炎上爆発木っ端微塵になっちまったわけだが、3回連続での失敗は痛恨の極みだ。
スーパーヘビーブースターの再使用という金字塔は打ち立てたものの、ランディングバーンで再点火した途端にテレメトリーはブチ切れたからな(内周のエンジン1基が未着火であることが確認できる)。
もちろん、その後の最終段階での中央2基+内周1基によるバックアップテストもできなかった。
惨憺たる有り様で、お世辞にも成功とは言えない(断定的!)。
「今日はもっと良い結果になっていたかもしれないけど、もっと悪い結果になっていた可能性もあった」(SpaceXのスターシップエンジニアリングディレクター、シャナ・ディエズ氏)
健全な反応だ。
現実は、常に最良と最悪との間の何処かにある。
まあ、その「どこ」にあるかっちゅーのが最大の問題なんだがな・・・。
(SpaceX - Starship - Suborbital Test Flight 9 - OLP-A - Starbase Texas - May 27, 2025:動画へのリンク)
https://www.youtube.com/watch?v=YOJKZYSOsGs
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