どこまで続く2013年01月16日 21:24

どこまで続く
どこまで続く


(討匪行:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=E70NnlTpSk8

哀愁を帯びた、ちょっと軍歌とは思えないような、足を引きずりながら歩いていく雰囲気の曲である。

状況が膠着状態で好転せず、見通しが立たないときに良く使われる「どこまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ」の元ネタである。

(討匪行:歌詞)
http://www.d1.dion.ne.jp/~j_kihira/band/midi/tohiko.html

歌詞も暗い。終わりの方は、少し勇ましいが、敵の亡骸に花を手向ける下りは泣かせる。

で、話の続きはもちろん、B787である。

今日も朝からやってくれました、緊急着陸!。

ついに、世界の半数を運用するアナジャル(ANA・JAL)が、運行停止に踏み切っちゃった。

やれやれ、これでしばらくはトラブルは起きまい(だって、飛ばさないんだから・・・)。

まてよ、JAL機は整備中でもトラブル起こしたし・・・。

ったく、どうなってんだか。

残りの半数がどこで飛んでいるかは知らないが、この際だから、ほとぼりが冷めるまで運行停止してしまった方がいいんじゃないか。

何か起こってからでは取り返しが付かないし、FAAの検査がどの位かかるかは不明だが、1年くらい飛ばさなくてもなんとかなるでしょう。元々、ANAへの初号機の引渡しが3年も遅れたんだから。

(最新鋭機トラブル 初期不良と安易に済ませるな)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201301165803.html

昨日の毎日の社説とは異なる、厳しい内容だ。

「予断や過信は許されない」とあるが、この社説は、今日の緊急着陸よりも前に書かれている。

準国産機とか書いてあるのは笑えるが、まあ、インテグレーションの困難さを分かっていない素人の記事なので、読み流すしかない。炭素繊維の板を、何百枚作れたって、飛行機にはならない。

さっき配信された記事には、バッテリーの電解液が変色して漏れ出ていたとある。

(バッテリー変色し故障=米国日航機ぼやと同製品-全日空787型機の緊急着陸・高松:配信元の記事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013011600842

「・・・高松空港に緊急着陸したが、地上走行中に管制官から「前輪付近から煙が出ている」との指摘を受け、乗客乗員全員を脱出用スロープで機外に避難させた・・・」とある。

まあ、バッテリー関係のトラブルは、覆いようもなくなったわけだが、浮沈子の心配はそのことではない。ボーイングだって無能じゃない。FAAもアホじゃあない。しかし、次々と不具合が出ている中で、本質的な対応が取れないでいる。

危機管理能力がないんじゃないか。

「初期不良と安易に済ませ」、「予断や過信」を持って事に当っているのではないか。

もっといえば、ボーイングには最早、旅客機を作る能力がないのではないか。

昔は、主翼の設計ちゅうのがキーテクノロジーで、門外不出のノウハウだった。ボーイングも、787以前の機体では内製していたと思う(詳しくは知りません)。三菱が、主翼を取ったというので、大騒ぎしていた記憶がある。

この前乗った747は、機体は古いし、燃費は悪いがいい飛行機だ。エアバス340の後に乗ってみるとよくわかる。ゆれ方が違う。4発の安定した出力も魅力だ。多少軋みが出ているが、機齢なりである。枯れ切った技術の円熟味を感じる。

500Eと似てるなあ。

軍用貨物機として設計されたので、機体強度には余裕があるし、長期間運用されることが前提なので、保守性も高い。大型旅客機の歴史に残るのは間違いない。

777は、押しも押されぬ現代の名機だが、747は20世紀の香がする。

787も、筋は悪くないのだから、ここでケチをつけないように、徹底的に見直すべきだ。泥濘に足を取られないようにするには、泥濘から出て、道が乾くのを待つしかない。

一昨日降った雪も、交通の多い道路や、日当たりの良い屋根の上は、大方溶けてしまった。

今、少しの時間と手間を惜しんで拙速をすることなかれ。

本当に優れたものなら、顧客は必ず付いてくる。800機売れても採算が取れないといわれているらしいが、2000機くらい売れれば大丈夫だろう。

旅客機ビジネスは、装置産業から総合サービス産業への転換を迫られているのだと思う。キャリアは、空気より重いものが大空の彼方を時速900キロとかでぶっ飛んでいるサマを、なるべく見せずに、キャビンアテンダントとか、豪華な食事(松坂牛だってえ?)をアピールして高い運賃を頂かなければならない。

LCC(ローコストキャリア)に対抗するには、差別化するしかないし、見えないところにはなるべく金は掛けたくない。

ああ、それこそ、どこまでも続く泥濘なのだ。

ビッグキャリアの本音は、如何に金を掛けずに飛行機を飛ばすか、ということにある。飛行機なんてモノは、椅子を運ぶための必要悪のようなものだ。

どうか、そこんところをもう一度よーく見直して、乗客も金を払ってくれる荷物としてじゃなくて、ちゃんと人間扱いして欲しいものだ。

三菱に主翼をやらせたのは、ローコストで高い技術を提供できるからだろうが、最終的に空飛ぶ機械として完成させるのは、あくまでメーカーたるボーイングの責任である。

航空機のインテグレーションは、CCRなどとは比べ物にならないほど大変だ。この泥濘から抜け出すには、メーカーの総力を挙げなければならないだろう。

しかし、あれだな、画像の787のイラストを眺めていると、エンジンをサイドマウントにしているリブリーザーダイバーに見えてくるっちゅうのは、どう考えても、ビョーキだな・・・。