イノベーション2014年06月19日 02:33

イノベーション
イノベーション


(イノベーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

「イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。」

「新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革」

事例として挙げられているのが、以下の二つ。

「イノベーションの例:
・熱機関 ⇒ 蒸気機関車・自動車・飛行機
・半導体 ⇒ コンピュータ・インターネット・携帯電話・カーナビゲーション・現金自動預け払い機」

活版印刷とか、火薬の発明も、その意味ではイノベーションに当たるのではないか。

「ノベーションは、1911年に、オーストリア出身の経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターによって、初めて定義された。
シュンペーターはイノベーションを、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合することと定義した。そしてイノベーションのタイプとして、
・新しい財貨すなわち消費者の間でまだ知られていない財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産(発明・発見?)
・新しい生産方法の導入(カイゼン?)
・新しい販路の開拓(ネット通販?)
・原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得(リサイクル?)
・新しい組織の実現(分散型ネットワーク組織?)
という5つを挙げている。:( )内、浮沈子」

エネルギーの転換や、生命科学の進展も、そのうちイノベーションを引き起こすだろう。

こんな話を始めたのは、今日読んだ記事の中に、2つのイノベーションの話があったから。

(植松電機 Part1:どうせ無理だと思わなければ、宇宙開発だってできる)
http://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140422_31887.html

「どんな仕事にも寿命がある。
大事なのは、寿命を延ばす努力ではなく、次の仕事に変化する努力だと思います。」

はあ、そんなことが出来る企業は限られている。

「50%で“食いぶち”を稼いで、50%で未来へとつながる道を探すべきです。
研究開発は、どんな企業でも必ずやらないといけないことだと思っています。
でも、日々の食いぶち100%で生きている企業が多いのが心配です」

心配だろうが何だろうが、50パーセントで食っていける企業なんて、数えるほどしかないだろう。

この会社にしても、鉄鋼業という産業の隙間で食っている会社だ。

社長が言うように、鉄の社会が崩壊すれば、別の業態を探らなければなるまい。

それが宇宙なのか、住環境や食のカイゼンなのかは分からない。

しかし、宇宙開発という荒唐無稽な分野に挑戦しているというのは偉い話だ。

(HIT-SAT)
http://ja.wikipedia.org/wiki/HIT-SAT

(超小型人工衛星関連)
http://uematsudenki.com/UE1/rc-sate.html

ちっこい会社である。

だからこそ、小回りが利くということがある。

もう一つ、こんな記事もあった。

(米テスラ、知的財産権を開放へ…EVの開発を促進)
http://response.jp/article/2014/06/16/225501.html

「テスラモーターズが持つEV技術に関する知的財産権を他社が利用することで、EVの普及に弾みをつける狙いがある。」

「イーロン・マスクCEOは、「我々にとって、真の競合相手は、小規模EVメーカーではない。世界中の自動車工場から、日々生産される大量のガソリン車だ」とコメントしている。」

電気自動車を普及させることで、温室効果ガスを低減したり、化石燃料の枯渇を遅らせることが出来る。

ハイブリッド車の初代プリウスから、300Eに乗り換えた浮沈子なんぞは、イーロンから見たら、時代に逆行する不届き者であり、さらに、ガソリン車を3台所有し、300Eから500Eに乗り換えたことまで考えれば、罪万死に値するであろう・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子には浮沈子の言い分があり、燃費の悪い過去のクルマを所有して、市場から隔離し、なるべく乗らないでいるのが、最も地球に優しいと確信しているのである。

新車を開発し、製造販売し、中古車をリサイクルするのにもエネルギーは必要だ。

また、製品寿命が長いクルマであれば、浮沈子以外のオーナーの手に渡れば、かなりの距離を走ることが想定されて、それだけ環境負荷が増えようというものだ。

だが、まあ、しかし、長い目で見れば、徐々に環境負荷の小さい車に取って代わられていくのが正解である。

そのためには、電気自動車が魅力的な商品である必要がある。

そこんところで、現在の技術情報を電気自動車のコミュニティで共有し、開発コストを下げ、ガソリン車に対抗しようというわけだな。

浮沈子は、蓄電池やモーターの性能が、現在の少なくとも10倍位にならなければ、電気自動車がガソリン車に取って代わることは無いと確信している。

満タンで2000km以上走ることが出来て(現在は200km)、2分以内に空の状態から完全充電を制限なく繰り返すことが可能で(現在は急速充電でも20分)、電池やモーターの寿命はクルマの寿命と同等かそれ以上(現在は5年)、バッテリー重量は現在の10分の1(日産リーフで300kgだから、30kg)以下。

この条件を満たせば、ガソリン車の代わりに売り出すことが出来て、電気自動車の時代になる。

トータル・コスト・オブ・オーナーップを考えた時に、ガソリン車に勝る電気自動車はない。

今の時代にそんなもんを買うのは、道楽以外の何物でもない。

当然、ガソリン車と2台持ちになって、メインはガソリン車になるので、結局、トータルでの二酸化炭素排出量は大して変わらない(新車の開発・製造・販売にも二酸化炭素は排出されている)。

さらに、我が国では、原発が停止していることもあり、電力の殆どを化石燃料に依存している。

総合効率として、既にガソリン車の方が環境に優しくなっているのだ。

プラグインでないハイブリッド車(基本的にガソリン車)に乗るのが、現実的な解だろう。

あるいは、プラグイン・ハイブリッドで、こまめに充電するとか。

(<特別編>PHVというクルマの未来(1)ハイブリッドがより普及するには)
http://www.asahi.com/and_M/interest/SDI2014061786261.html?iref=comtop_fbox_u04

「ピュア電気自動車や燃料電池車も選択肢だが、当面の技術として電気モーターが動く範囲を拡大し、排出ガスをできるだけ抑えたプラグインハイブリッドが現実的なのだ。」

まあ、その通りかも知れない。

それでも、そんなPHVが電池だけで殆どの走行をこなすということになれば、動いていないエンジンを積んで走っている分、効率が落ちることになる。

下手すると、悪いとこ取りになってしまう。

イノベーションは、簡単には起こらないのだ。

特に、自動車のような完成され、低コスト化が極限まで進んだ商品ではなおさらである。

ロケットとはわけが違う。

手作りの一品物ではないのだ。

だからこそ、一見無謀に見える知的財産の開放という手段が、最も理に適った方法になる。

イーロン・マスクの考え方の根底には、ソフトウェア屋として、オープンソースの考え方があるのだろう。

手の内を明かし、みんなで寄って集って作り上げていった方が、短期間でより良いものができるという伽藍とバザールの信仰を信じているのだ。

電気自動車は、しかし、どこかで大きな技術的なブレークスルーをしなければ、一部の好事家のおもちゃに過ぎなくなる。

5年毎にバッテリーを積み替え、そのための投資を行い、場合によってはモーターも交換して乗り継いでいくなどということが、果たして現実的に可能なのかどうか。

それが証拠に、プリウスの初代の型が走っているのを見ることは殆どなくなった。

皆、スクラップになってしまったのだ。

そういえば、パリの街にも電気自動車が走っていたな。

(パリのEVカーシェアプロジェクトAutolib”のいま)
http://www.cordia.jp/blog/?p=1276

カーシェアリング方式で、パリ市内の交通緩和と駐車場不足を解消しようとしているが、果たして効果の程はどうなのか。

浮沈子が見た限りでは、このクルマが走っているところは見ていない。

みなさん、自家用車を利用している。

ヴェリブ(自転車のシェアリング)は、何度か見かけたが、オートリブは定着していないのではないだろうか。

もちろん、このシステムは、ガソリン自動車を駆逐することを目的としているわけではない。

一定数の導入が図られれば、ピークカットが行われ、様々なインフラの投資が抑制される。

そのコストの一部で運用が出来れば、システムへの投資効果は果たせるわけだ。

将来的には、自家用車のかなりの部分を置き換えて、パリを初めとする都市の機能の一部となり、バスやメトロのような公共交通機関としての役割を担うことが期待されているのだろう。

自転車と違って、莫大な投資と相当の運営費を必要とするが、それに見合う効果を得ることが出来るかどうかが問題だな。

しかし、オートリブにしても、都市内の近距離移動を目的としたものであって、結局は自家用車がなければならず、タクシーとの競合もあって、浮沈子は一定以上の効果は得られないのではないかと考えている。

モータリゼーションが成熟し、多様な交通体系とミックスされて、適材適所の展開をみせるのは当然だし、様々な形態があっていい。

どれが最善かではなく、どの組み合わせと存在割合が最適かという、動的バランスの世界なのだろう。

イノベーションは、ここでも、容易ではない。

しかし、何も試みずに手をこまねいているよりは、失敗を恐れずに何かをやってみることの方が健全だろう。

「どうせ無理だから」と思ってしまっては、イノベーションは果たせないし、新たな業態を切り開くことなど出来はしない。

しかし、浮沈子は、どうせならセグウェイを公道で走らせた方がいいような気がしているんだが・・・。

(セグウェイ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B0%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4

どうやら、パリにも観光客向けのツアーがあるようだな。

我が国で最も一般的にセグウェイを見ることができるのは、成田空港であろう。

飛行機サイズに作られた、広大な空港ビルの警備に活用されている。

ルマンとかでも、是非活用してもらいたいものだ。

もっとも、パリの市内は坂があったり、石畳だったり、路上駐車が当たり前だったり、ゴミ箱があったり、しょっちゅう工事してたりするので、実用にはならないんじゃないか。

世紀の発明といわれたセグウェイだが、我が国では普通自動車免許が必要であり、事実上、一部の例外を除いて公道走行や歩道の通行はできない。

日本という国では、100年経ってもモータリゼーションの成熟なんて望めないな。

そのくせ、自転車は歩道から締め出され、事実上、時速80キロで流れている幹線道路に追いやられているのだ。

自転車専用レーンなんて、浮沈子の知る限り、どこにもない(知らないだけじゃないの?)。

全国の公道の総延長の1パーセントになったら、是非とも教えてもらいたいものだ(生きてるうちは、無理じゃね?)。

イノベーションは、ある日、ある時、突然に訪れるものではない。

ある技術的なきっかけが与えられたとしても、それから時間を掛けて、様々な実体が整えられて、社会に普及して初めて成立する。

50年とか100年という時間がかかることもある。

少しずつでも、年月が積み重なれば大きな変化になる。

継続は力なのだ。

イノベーションは、一夜にして成らず。

どうやら、それが今夜の結論のようだな。

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