メカトロニクスの陥穽2019年03月19日 10:57

メカトロニクスの陥穽
メカトロニクスの陥穽


昨日は、電動バイクで神田詣で。

片道17.5kmくらいを一気に走る。

自転車にぶち抜かれながら・・・。

例によって、オジサンたちの注目度は高く、信号で並んだトラックの運転手さんに声をかけられた。

「これって、ミニバイク?」

ミニバイクには違いない。

「どのくらい走るの?」

一応、メーカーは30km走るって言ってるけど。

欲しそうな眼をしてたな・・・。

しかし、未だかつて、女性に声をかけられたことはない。

名古屋で、ダイビングショップのスタッフにかわいいと言ってもらっただけ(社交辞令?)。

欲しいとか、乗りたいとかいう反応ではなかった。

で、肝心の神田の面々(約2名)の反応も芳しくない。

階段で3階まで持ち上げて、現物見せたんだがな。

充電させてもらったので、文句は言えない。

18万円は高いとか、今までは輸入元が扱いを止めてしまって、メンテナンスが出来ないことが多かったとか、ネガな話ばっか・・・。

器材屋さんだからな。

プロが見る目はキビシー・・・。

浮沈子も、その辺りが気になって、大手が扱いだすのを待って購入したんだがな。

名古屋の会社を訪ねて、メンテナンス体制の充実を直接依頼したりもした。

今後の課題だな。

まあいい。

充電が終わったところで、さっさと乗って帰ってきた。

帰りに大井町に寄ってフィットネス。

クロストレーナーは、通常に戻したけど、水泳はたったの250m。

水浴び程度で上がった。

気が乗らない時には泳がない。

電動バイクの筋肉痛を癒せればそれでいいのだ。

お風呂でよく温まって、湯冷めしないうちに戻ってきた。

で、ネットをチェックしたら、気になる記事が。

(「ボーイング737 MAX 8」のパイロットはiPadで訓練を受けただけだったと判明、「これはソフトウェアのエラーではない」という指摘も)
https://gigazine.net/news/20190318-boeing-737-max-ipad-lesson/

「パイロットは、シミュレーターではなくiPadを使って1時間の訓練を行うのみだった」

「航空会社や当局が「シミュレーターでの訓練は不要」と判断」

まあ、想定の範囲内だな。

浮沈子が引っかかったのは、後段の記述だ。

「737シリーズは燃料を大量に使うという経済的問題を抱えており、より効率的なエンジンと大きなファンを搭載するために設計されたのが737 MAXだった」

「大きなエンジンを搭載し、かつ操縦席から地面がよく見えるようにするには降着装置を高くする必要がありますが、ボーイングではそういった設計ができず、エンジンを737シリーズよりも前方につけることになった」

「しかし、この設計により、AoAが高い時に安定した操縦を行うことが難しくなりました。そこで開発されたのが、電子的にこの欠陥を取り除くためのMCASです。」

「ボーイングは既存のシステムのアーキテクチャにあう、できるだけシンプルな修正を望みました。このため、エンジニアリングの修正やパイロットの訓練、クルーの管理が最小限になることが求められた」

燃費向上のためにエンジンを換装する。

機体の設計変更は最小限に抑える。

そういう矛盾した要求を解決する手段として、動的安定性を向上させるべく、センサーとソフトウェアを使って尾翼をウニウニする。

その仕掛け自体の問題なのか、それによって生じる別の事象が問題なのか、あるいは、そのことを伏せたまま、顧客(航空会社)に売りつけたのが問題なのか。

「「フライトシステムが新しくなっている」とパイロットたちが気づいたのは、ライオン・エア610便墜落事故のあと、FAAがボーイングに対して737 MAXのマニュアルを更新するように求めたときでした。」

「パイロットたちは737 MAXがそれまでのボーイングの航空機とどう違うのかということを13ページからなるガイドで学びましたが、このガイドにはソフトウェアに組み込まれた失速(ストール)防止のための「操縦特性増強システム(MCAS)」については触れられていませんでした。MCASは2度の墜落事故に関係している可能性があり、現在調査が進められているもの。ガイドでは従来の737シリーズとMAX 8のMCASが全く異なるということが完全に伏せられていました。」

機種転換訓練(移行訓練)のコストを押さえ、燃費を向上させた新型旅客機。

売れに売れて、予約は5000機を超えるという。

B社の主力商品だな。

一応、ウィキでも見てみる。

(Boeing 737 MAX:Maneuvering Characteristics Augmentation System (MCAS))
https://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_737_MAX#Maneuvering_Characteristics_Augmentation_System_(MCAS)

「Boeing 737 MAX aircraft have engines mounted higher and further forward than previous 737 models. According to The Air Current, "the relocated engines and the refined nacelle shape" cause an upward pitching moment.」(ボーイング737 MAX航空機は、以前の737モデルよりもエンジンの搭載数が多く、さらに前方にあります。The Air Currentによると、「再配置されたエンジンと洗練されたナセル形状」は、上向きのピッチングモーメントを引き起こします。:ワケワカの自動翻訳のまま:マウント位置が高いだけで、エンジンの数が増えたわけではない)

MCASは、この問題を解決するために導入されたシステムだ。

そう、これは物理の神様に逆らう行為なわけだな。

空気より重い航空機は、物理の神様の思し召しで飛んでいる。

動的制御を導入して、あんなことやこんなことをしなければまともに飛べない航空機を作ればどういうことになるか・・・。

ステルス形状を維持するためとか、高機動させるために敢えて安定性を放棄するならともかく、燃費稼ぐための大型のエンジン搭載をクリアするために、機体の設計変更を最小限にして、動的制御で埋め合わせ、規制当局とグルになって航空会社とパイロットを騙くらかすなどとは、言語道断!。

この問題の根は深いな。

737MAXの機体が、構造的な欠陥を抱え込んでいる事が分かった。

それを、センサーとプログラムと動翼(水平尾翼)のウニウニでもって解決しようとすること自体に無理があるのかもしれない。

2件の事故が離陸直後に起きていることが、MCASの関与を示唆する。

墜落の原因はまだ解明されていないが、13ページぽっちのパイロット向けガイドやアイパッドでのトレーニングは、たぶん本質的な問題ではない。

構造的欠陥を有する航空機に、完成度の低い動的制御システムを導入したことそのものが問題だな。

電動バイクが、ボタン一つでオートクルーズになる時代だからな。

動的制御に依存して、手抜きの設計を誤魔化すくらいは当然なのかもしれない。

だが、オートクルーズしようが何しようが、浮沈子が乗る電動バイクが履いている12インチタイヤのショボイ性能は変わらないのだ。

機械には、メカトロニクスで性能向上を図っていいところと、そうでないところがあるに違いない。

エンジン搭載位置をあらまほしき場所に変更し、必要な地上クリアランスを確保するために降着装置を延長し、型式認定を取り直したうえで出直すのがよろしい(もちろん、2か月に渡る機種転換訓練(移行訓練)も実施してな)。

制御ソフトをちょろちょろっと書き変えて、マニュアルに一言添えた程度でお茶を濁すことは許されない。

が、たぶん、きっと、おそらく、再び、FAAとB社は結託して、ごまかし続けることになるだろう。

4月にも実施されるごまかし対応で737MAXがいつの間にか飛び始め、人々は何事もなかったかのようにそれに乗り、楽しい空の旅に出かけるのだ。

空の旅の安全は、メーカーと規制当局と運航するキャリアによって守られている。

それが、単なる神話に過ぎないとしてもだ・・・。

(ボーイング737MAXの操縦系統と新装備「MCAS」とは?:追加)
https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-163/

「念を押しておくが、MCASが墜落事故の原因になったかどうかは、現時点では確定していない。ただ、737MAXが新たにMCASという仕掛けを導入したのは事実。そして、MCASの動作と密接な関係があるAoAセンサーについて、2018年11月7日に耐空性改善命令(AD)が出ているのも事実。また、今回の事故を受けて米連邦航空局(FAA : Federal Aviation Administration)がMCASの改修を指示しているのも事実。」

「そのMCASがどういう動作をするかをパイロットに周知徹底することも重要である。」

「さもないと、パイロットとMCASが喧嘩をすることになってしまう。よかれと思って導入した安全装置が危険要因になったのでは、たまったものではない。」

大丈夫、アイパッドで1時間も「訓練」するからな・・・。

明日はフィットネス休みなのに前日に行く気になれないブルーな気分2019年03月19日 19:00

明日はフィットネス休みなのに前日に行く気になれないブルーな気分
明日はフィットネス休みなのに前日に行く気になれないブルーな気分


737MAXについて記事を書き、そのまま飯を食いに行って、帰ってきてから昼寝する。

怠惰な1日を送ってしまった(まあ、いつものことですが)。

陽が伸びたとはいえ、辺りは暗くなってきて、今日はこのまま晩飯食って寝てしまおうか、それとも意を決して夜のフィットネスに出かけようかと悩んでしまう。

気が乗らない時に行くと、嫌いになってしまうからな。

行きたい気分の時だけ行くのがよろしい。

サボリだ、サボリ!。

で、宇宙ネタで何かないかと探していたら、スペースXが地上テストを行うらしい。

(スペースX、火星ロケットのプロトタイプ「テスト・ホッパー」の初テスト実施へ)
https://www.businessinsider.jp/post-187449

「スペースXは18日、テスト・ホッパーにエンジンを搭載した状態での初の点火テストを行い、その後すぐに、ロケットを係留した状態で「ホップ」(短時間の垂直離陸と垂直着陸)のテストを行うようだ。」

「我々はホッパーの新しいノーズコーンの製造をスキップすることに決めた。作っているのは、地球軌道を飛行できるスターシップ」

「数日以内に新たに設置した地上システムの点検を行い、短時間のスタティック・ファイア・テストを行う予定」(先週の話)

「プロトタイプはラプターエンジンを搭載し、弾道飛行が可能なように設計されているが、最初のテストでは係留されている。そして、ホップは現場以外からは見ることができない」

非公開の秘密テストだな。

余程自信がないんだろう(そうなのかあ?)。

テストホッパーには、3基のラプターエンジンが搭載される(どうやら、1基だけのようです:追加)。

点火のタイミングを見たりするには十分かも知れない。

新しく開発したエンジンの点火時期をそろえるだけでも、結構大変そうだからな(そういうのは、軌道プロトタイプ(エンジン3基のやつ)で、別途行うようです)。

それに成功したら、短時間のホップ(浮き上がり?)を行うようだ。

秘密裏にな・・・。

浮かなかったりしても、バレることはない。

スターシップの開発は難航するだろう。

今まで、誰も挑戦してこなかった技術だ。

「スターシップは超高温のプラズマから船体を守るために燃料を「放出」する大気圏再突入システムを備える。」

巨大なロケットを、丸ごと大気圏に突入させ、あわよくば直ちに再使用しようとしている。

アブレーターや耐熱タイルのような既存の技術とは異なり、再使用を見据えた画期的な技術だ。

機体の素材がステンレスだったこともあり、各方面から注目されている。

ありそうな話ではなく、ありそうもない話なわけだ。

そう簡単に成功するとは思えないしな。

ノーズコーンは、まあ、洒落のようなものだから、なくても問題はないだろう。

そんなもんに拘らずに、必要なテストを積み重ねていく方を取ったわけだ。

正しい選択というものだ。

スターシップの開発は、成功すれば画期的な事業になる。

1段目のスーパーヘビーは、まあ、ファルコン9で実績がある技術の延長線上にあるからな。

エンジンが新しくなって数が増えただけだ(そうなのかあ?)。

こっちの方が先に開発されると思ってたんだがな。

より困難が予想される2段目から手を付けたわけだ。

つーか、開発期間が長くなることを想定しているわけで、その困難さは承知の上ということになる。

スーパーヘビーとスターシップは、セットで運用されるからな。

どちらかが先に完成しても、例えば、スターシップをファルコンヘビーで打ち上げたり、ファルコン9の2段目をスーパーヘビーで打ち上げたりすることはない。

完成時期を合わせなければならないわけだ。

エンジン制御とか、着陸時の機体制御技術の点では、スーパーヘビーとスターシップで共通かも知れないし、なんといっても、新規開発のエンジンの実運用でのテストは重要だ。

信頼性を確保するには、とにかく飛ばして見なくては分からないからな。

温度管理や流量管理、振動や加速など、実際の環境で試す必要がある。

初期のファルコン9は、ヘリウム系の配管トラブルで、しょっちゅう打ち上げ延期になってたからな。

まあいい。

現在、ファルコン9ブロック5は、有人宇宙船を打ち上げるほどの信頼性を獲得した。

スターシップとスーパーヘビーは、最初から有人ロケットとして設計されている。

しかも、完全再使用だ。

誰もなしえなかったロケット。

SFか、漫画の中でしか登場しない、夢のロケットだな。

今世紀中に飛べばめっけものかもしれない。

その最初のテストが間もなく始まるという(もうやったかも)。

新たな歴史のページが書かれる時代に生きていることを実感する。

再使用ロケットが着陸した時もそう感じたが、完全再使用ロケットは、更にその先を行くものだ。

燃料と酸化剤を注入し、簡単なメンテナンスといくつかの交換部品を入れ替えて、1時間くらいの間隔で再発射するようになれば、打ち上げロケットの定義が変わる。

それは、現在の航空機そのものだしな。

地球低軌道までの往復なら、リーズナブルな価格で行くことが出来るに違いない(今は10億円くらいか)。

そして、大陸間移動は1時間以内になる。

発射場まで行く時間の方が長いだろうな。

おっと、現行機種であるファルコンヘビーの打ち上げが決まったようだな。

(Second SpaceX Falcon Heavy flight gets April 7 launch date: Sources)
https://www.cnbc.com/2019/03/15/spacex-falcon-heavy-arabsat-6a-launch-april-7-sources.html

「SpaceXの大規模ファルコンヘビーロケットは4月7日午後6時36分(米国東部標準時22時36分)にその次の打ち上げを予定している、と計画に詳しい人々はCNBCに語った。」(自動翻訳のまま)

前回から1年以上の間があったが、なんとか再発射にこぎつけたようだな。

やれやれ・・・。