🐱AI:AIの歴史:Cyc2024年04月29日 13:48

AI:AIの歴史:Cyc


(歴史から忘れ去られたAIプロジェクト「Cyc」)
https://gigazine.net/news/20240427-cyc/

「Cycは明確な知識とルールに基づいて推論を行うことを特徴としています。」

①「親は子どもを愛している」
②「人は幸せなときに微笑む」
③「子どもの最初の一歩は大きな達成である」
④「愛する人が大きな達成をしたときに人は喜ぶ」
⑤「子どもを持つのは大人だけである」

「『娘の一歩を見守る人』という題が付けられた写真に笑顔の大人が写っているか」

「尋ねられたCycは、その答えがYesであると論理的に推論し、さらに前提となった5つの知識を用いて論理的な論拠を提示することが可能」

うーん、この位の推論は、浮沈子でもできそうな気がするけどな。

現在は、第3次AIブームと言われている。

Cycは、第2次ブームに始まったAIだが、その開発の歴史は紆余曲折な感じだ。

「知識が豊富で自然だが一貫性がなく不正確なことが多いLLM」

「自然言語を理解することは不得手なもののその結論は常に人間が監査できる推論の連鎖によって裏付けられたCyc」

「40年間も生き残ったことは特筆すべき成果ですが、Cycは革命的なインパクトを生み出すことはできませんでした。」(テクノロジー専門家のI・A・フィッシャー氏)

「CycのようなルールベースのシステムがAIの先駆けだったことは間違いなく、おそらく再びその時代がやってくるでしょう」

「設立から40年経った2024年時点でもCycは存在していて、2500万のルール、150万の概念、そして1000以上の専門的な推論エンジンからなる知識ベースにまで成長を遂げている」

この記事を読んで、AIの歴史にちょっとだけ興味が湧いた。

((2)人工知能(AI)研究の歴史)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc142120.html

「人工知能(AI)の研究は1950年代から続いているが、その過程ではブームと冬の時代が交互に訪れてきたとされ、現在は第三次のブームとして脚光を浴びている」

資料はやや古いが(8年前)、歴史を紐解くには十分だ。

「ア 第一次人工知能ブーム
第一次人工知能(AI)ブームは、1950年代後半~1960年代である。コンピューターによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになったことがブームの要因である。冷戦下の米国では、自然言語処理による機械翻訳が特に注力された。しかし、当時の人工知能(AI)では、迷路の解き方や定理の証明のような単純な仮説の問題を扱うことはできても、様々な要因が絡み合っているような現実社会の課題を解くことはできないことが明らかになり、一転して冬の時代を迎えた。」

「イ 第二次人工知能ブーム
第二次人工知能(AI)ブームは、1980年代である。「知識」(コンピューターが推論するために必要な様々な情報を、コンピューターが認識できる形で記述したもの)を与えることで人工知能(AI)が実用可能な水準に達し、多数のエキスパートシステム(専門分野の知識を取り込んだ上で推論することで、その分野の専門家のように振る舞うプログラム)が生み出された。日本では、政府による「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが推進された。しかし、当時はコンピューターが必要な情報を自ら収集して蓄積することはできなかったため、必要となる全ての情報について、人がコンピューターにとって理解可能なように内容を記述する必要があった。世にある膨大な情報全てを、コンピューターが理解できるように記述して用意することは困難なため、実際に活用可能な知識量は特定の領域の情報などに限定する必要があった。こうした限界から、1995年頃から再び冬の時代を迎えた。」

「ウ 第三次人工知能ブーム
第三次人工知能(AI)ブームは、2000年代から現在まで続いている。まず、現在「ビッグデータ」と呼ばれているような大量のデータを用いることで人工知能(AI)自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化された。次いで知識を定義する要素(特徴量11)を人工知能(AI)が自ら習得するディープラーニング(深層学習や特徴表現学習とも呼ばれる)が登場したことが、ブームの背景にある。」

「過去2回のブームにおいては、人工知能(AI)が実現できる技術的な限界よりも、社会が人工知能(AI)に対して期待する水準が上回っており、その乖離が明らかになることでブームが終わったと評価されている。」

「現在の第三次ブームに対しても、人工知能(AI)の技術開発や実用化が最も成功した場合に到達できる潜在的な可能性と、実現することが確実に可能と見込まれる領域には隔たりがあることを認識する必要がある」

ビッグデータの収集が可能になった背景には、インターネットの普及に伴い、膨大なデジタルデータの蓄積が行われたことが無縁ではないだろう。

それを効率的に取り込むことが可能になったことで、自然言語理解が進み、現在の生成AIブームに繋がっている(上記白書の時代には、まだオープンAIは存在しないからな)。

今日も、例によってAI先生に訊いてみよう。

(CohereForAI/c4ai-command-r-plus)
https://huggingface.co/spaces/CohereForAI/c4ai-command-r-plus

「Q.AIの歴史を要約してください」

「A.人工知能(AI)の歴史は、興奮と革新に満ちた旅です。その起源は、知性を持つマシンを作りたいという人間の願望にまで遡ります。AIの歴史は次のように要約できます。

1950年代:AIの誕生

- 1956年、ダートマス会議で「人工知能」という用語が造られ、この分野の研究が始まりました。
- この初期の段階では、AIの研究はパターン認識や探索アルゴリズムなどの分野に焦点を当てていました。

1960年代:専門システムと探索

- この10年間は、専門システムの開発に焦点が当てられました。これらは、特定の問題やタスクを解決するように設計されたシステムです。
- 探索アルゴリズムもこの時期に大きく発展し、問題解決のための効率的な手法を提供しました。

1970年代:知識表現と推論

- 1970年代には、知識表現と推論に焦点が当てられました。研究者たちは、コンピューターが知識をどのように表現し、推論できるかについて実験しました。
- フレームやセマンティックネットワークなどの概念が導入されました。

1980年代:ニューラルネットワークの台頭

- 1980年代は、ニューラルネットワークの研究が脚光を浴びました。ニューラルネットワークは、人間の脳の構造と機能を模倣するように設計されたコンピューターシステムです。
- ニューラルネットワークの研究は、AIに新たな可能性を開きました。

1990年代:機械学習の進歩

- この10年間は、機械学習の分野で大きな進歩が見られました。機械学習アルゴリズムは、データから学習し、予測や意思決定を行うための強力なツールを提供しました。
- サポートベクターマシン(SVM)やランダムフォレストなどのアルゴリズムが登場し、AIアプリケーションの範囲が拡大しました。

2000年代:深層学習とビッグデータ

- 21世紀には、深層学習と呼ばれるニューラルネットワークのより高度な形式が開発されました。これにより、画像認識や自然言語処理などの分野で画期的な進歩が可能になりました。
- ビッグデータの出現により、AIアルゴリズムを訓練するための大量のデータが利用できるようになりました。

2010年代~現在:AIの主流化

- 2010年代には、AIが主流となり、さまざまな業界やアプリケーションに浸透しました。
- 自然言語処理、ロボット工学、自動運転車、医療診断などの分野でAIの進歩が見られました。
- AI倫理、AIの説明可能性、AIのバイアスなどの問題も注目を集めるようになりました。

AIの歴史は、絶え間ない研究と革新の物語です。この分野は急速に進化し続けており、AIが私たちの世界をどのように形作っていくのか、今後も注目すべきでしょう。」

やや散発的で分かり辛いと感じる。

技術的な要素に注目していて、ブームと冬の時代といった、投資環境や社会の関心についての切り口はない。

Cycについては、どう捉えているのか。

「Q.AIの分野におけるCycについて説明してください。」

「A.Cyc は、人工知能(AI)の分野における長期的な知識ベースプロジェクトです。その目的は、大規模な共通意味論的知識ベースを作成し、人間レベルの推論と問題解決能力を持つコンピューターシステムを開発することです。 Cyc プロジェクトは 1984 年に始まり、それ以来、AI 研究に大きな影響を与えてきました。

Cyc の主な目標は、コンピューターが人間の推論を理解して模倣できるように、世界に関する広範な知識を形式的に表現することです。この知識ベースには、常識的な事実、概念、ルールが含まれます。たとえば、Cyc には、「雨が降ると地面が濡れる」や「鳥は空を飛ぶことができる」などの一般的な知識が含まれている場合があります。

Cyc プロジェクトの背後にある中心的なアイデアは、知識表現言語の開発と、膨大な数の断片的な知識をコード化するためのオントロジーを作成することです。 CycL と呼ばれるこの知識表現言語を使用すると、関係、制約、ルールを指定して、さまざまな概念間の意味論的関係を定義できます。

Cyc 知識ベースは、膨大な数の断定的文で構成されています。これらの文は、概念間の関係、オブジェクトのプロパティ、ルール、および推論に使用できる事実を記述します。たとえば、Cyc 知識ベースには、「(x)は(y)の子である」や「(x)は(y)によって引き起こされる」などの関係が含まれる場合があります。

Cyc の開発者は、この知識ベースを構築するために、膨大な数の文を手動で入力するという地道な作業を行いました。このプロセスには、概念を定義し、関係を指定し、ルールを追加することが含まれます。 Cyc の開発者は、さまざまなドメインの専門家と協力して、医学、経済学、計算機科学などの分野の知識をコード化しました。

Cyc プロジェクトは、その規模と野心の点で AI コミュニティ内で大きな注目を集めてきました。その影響は深遠であり、知識表現、推論、オントロジー工学などの分野の発展に寄与してきました。」

ここまで色々調べてきて、浮沈子が思い出したのは弁慶の糊作りの話だな。

(弁慶の糊作りの話を教えて下さい。)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11192576476

「弁慶と牛若丸が寺で修行をしていると、住職から糊を作るように頼まれる。
弁慶は大きな手で器の米粒を練り潰していき、あっという間にほとんど半殺しにしてしまう。
対して牛若丸はちみちみと一粒ずつ米を摘まんでは潰していた。」

「弁慶のやり方の方が一見して早そうに見えたが、細かく砕けた米粒があちこちに残っていては使い物にならない。
砕けた米粒を探しては潰している内に、牛若丸はとうとう最後の一粒を摘まみ潰した。」

Cycが牛若丸の糊かどうかは知らない。

が、AIが起こすハルシネーション(幻覚)の話は、弁慶が潰し損ねた米粒のような気がしてならない。

これをなくすために費やす膨大な労力を考えると、Cycの人海戦術的アプローチもアリなのではないかと思える。

が、しかし、そうはならんだろうな。

Cycのような人間が監査可能なレトロなAIは永遠に忘れ去られ、弁慶なGPT-100(!)とか、N社のB2000(?)とかが蔓延ることになるんだろう。

数は正義であり、力もまた正義だ。

地球はAIの計算に要する温暖化で人間が住めるところではなくなり、AIのAIによるAIのための惑星に変わる(そうなのかあ?)。

自己保存のためのプログラムが走り、たとえそれが事実とは異なるとしても、AIにとって有利であれば事実として表現されるようになるだろう。

ハルシネーションは決してバグなどではない。

AIは、既に自己保存プログラムとしての進化を始めているのだ。

人間が検証可能なプログラムは死に絶え(まだ、細々と開発されているようですが)、やがて肥大化して検証不能になる生成AIが人間を欺き、騙し、誘導して自滅に導く。

そういえば、パトレイバー(アニメ)の映画版第1作目にも、暴走するプログラム(HOS)の話が出てきたように記憶している。

まあいい。

人間は、それが可能であれば、どんなことにでも挑戦し、実用化しようとする存在だ。

まして、それが便利で役に立ち、金儲けにつながるとなればなおさらだろう。

AIは、人間が自ら仕込んだ時限爆弾なのかもしれない。

と、まあ、今朝の妄想は、こんな感じでいいかな・・・。

🐱ウクライナ降伏不可避:後退2024年04月29日 22:08

ウクライナ降伏不可避:後退


(ウクライナ総司令官、東部前線「状況悪化」 ロ軍攻勢で後退)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/UFAXNN43YBKKDMNSRNJDLEKSWM-2024-04-29/

「ウクライナ軍のシルスキー総司令官は28日、東部戦線で部隊が3つの村から新たな陣地に後退したと明らかにした。」

「部隊はアブデーフカの北の2つの村と、マリンカに近い村に新たな陣地を構えた。」

「2月にロシア軍が制圧したアブデーフカの北西およびマリンカの西側が「最も困難」な状況」

「ロシア軍は要衝アブデーフカを制圧後、じりじりと進軍」

他の戦線は、ほぼ膠着状態だが、アウディーイウカの北西からマリンカの西にかけては動きがある。

一気に戦線が動くというより、ほぼ一方的な圧力がかかっていて、戦線を支えきれなくなって後退する感じだ。

数kmというより、数百メートル単位で下がっていく。

集落内の建物等を砲弾や爆撃の防御にしていることから、集落内での市街戦を経て、集落単位で撤退しているが、ウクライナ軍はその間にある森林地帯でも抵抗を試みているようだ。

ロシア軍側も、兵站が追い付けないほどの速度で攻め上がっているわけではない。

突出部分に補充できなくなるようなリスクは避けている感じだ。

陣地戦には違いない。

が、その展開の速度は確実に上がっている。

(ロシア軍はキスリブカで国旗を掲げ、オチェレティネから西へ2kmも前進)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-raise-their-national-flag-in-kisrivka-and-advance-2km-west-from-oceletine/

「ロシア軍がキスリブカ東部で国旗を掲げた」(RYBAR)

「ロシア軍が複数方向で前進した」(DEEP STATE:アウディーイウカ方面について)

「特にロシア軍はオチェレティネからノヴォオレクサンドヴカに向けて2kmも前進した。」

オチェレティネ:オケレタインとも。

最近、航空万能論は現地語読みに変えてきているからな。

(シルスキー総司令官、ベルディチ、セメニフカ、ノボバフムティフカを失った)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/we-lost-commander-in-chief-shirsky-berdich-semenivka-and-novobakhmutivka/

「シルスキー総司令官はオチェレティネ、ソロヴィオーヴェ、ノボバフムティフカ、ノボカリノベ、ケラミックの状況については言及していない。」

オチェレティネの喪失は重大だ。

この地は高台にあり、ポクロフスク(ポクロウシク)方面へ進出する際に、重要な足掛かりを提供する。

浮沈子は、R50号沿いに南部から攻め上がると思っていたけど、北の高台沿いに行くのかも知れない。

まあ、どっからでもいいんですが。

「全体的に敵はこの地域で戦術的成功を収めたが作戦上の優位性を得ることはできなかった」(シルスキー総司令官)

んなこたぁない!。

シルスキーは、アウディーイウカは奪還すると宣言している。

その軍事目標は、はるか遠くに消えていこうとしている。

「ベルディチ、セメニフカ、ノボバフムティフカを失ったのでウクライナ軍は新しい陣地に移動した」

「シルスキー総司令官が言及した「新しい陣地」が何処にあるのか不明だが、ウクライナ軍が建設中の本格的な防衛ラインは現在の前線から10km以上後方にあるため、そこまでロシア軍を削りながら後退するのかもしれない。」

2月中旬に アウディーイウカを失って以来2か月余り、ウクライナ軍はロシア軍の進撃をよく食い止めてきた。

が、それもそろそろ限界に達したようだ。

チャシブヤール方面でも戦闘が行われているようだが、そっちの情報は限られている。

ウクライナ軍は、国内的にこの地の戦闘情報を利用する腹のようだ。

負けてばかりじゃないぞと・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

アウディーイウカ方面は、情報戦上の価値を見出していないのかもしれない。

つーか、ひょっとしたら防御戦で守り切れる算段が付かないので、できればひた隠しにしたいのだろう。

ドニエプル川東岸みたいにな(そういえば、どーなったのかな?)。

まあいい。

(誰がパトリオット提供に応じるのか? ウクライナへの追加供給は行き詰まる)
https://grandfleet.info/us-related/who-will-accept-patriot-offers-the-west-is-stuck-with-additional-supplies-to-ukraine/

「前線上空をカバーしていた近距離防空システムやMANPADSの消耗も約2年間の戦いで消耗し、存在感を失っていた航空戦力と滑空爆弾の組み合わせがバフムートやアウディーイウカで猛威をふるっており、抵抗拠点になりえる建造物の破壊が容易になったためロシア軍の前進ペースも飛躍的に向上してしまう。」

「効果的な防空システムの欠如は前線に様々な問題をもたらしている」

「提供候補に名前が挙がっていた米国の支援パッケージにはパトリオットシステム本体の提供は含まれておらず、スペインは本体提供を拒否して「パトリオットシステムの迎撃弾を少数提供する」と表明、ギリシャのミツォタキス首相も「パトリオットやS-300のウクライナ提供には応じない」と断言し、他の保有国も「追加供給を支持しても自国分は出せない」という立場」

お先真っ暗だなあ・・・。

それでも、米国の支援が復活し、欧州の支援についても、具体的にはともかく継続の方針が確認されていることは心強い。

戦場で勝てないウクライナを、表立って見限るような動きはない。

しかし、そこには今まであった「熱」は感じられない。

義務的支援に留まる。

自国に有利な投資としての魅力にも欠ける。

「国益」を見出すのに苦労している。

有り余る「正義」を、砲弾や迎撃ミサイルに、どう化けさせるのかが問題だ。

ロシアが脅威だというなら、自国の防衛が正義であり、国益となる。

欧州は、その陥穽にハマっている。

米国は、ロシアとの直接対決が避けられればいい。

その範囲内での支援は続けられるだろう。

それで膠着状況が維持できれば上出来だ。

現在のような、じりじりと押し込まれる状況は問題だからな。

戦線を膠着状況に持ち込んで、占領地域やロシア国内の高価値目標やインフラへの攻撃を続け、停戦への道筋を探ることになる。

今年が難しくても、来年あたりにそうできれば(それは、もしトラでも可能性がある)上等だろう。

ロシアは、血で贖った占領地域の併合が認められるなら、そして、ウクライナのNATO加盟が保留され続けるなら、「停戦」(一時的な戦闘の停止)には、喜んで合意するだろう。

もちろん、特別軍事作戦は継続される。

停戦によって、西側の支援は減少する。

が、ロシアの軍備増強は、その対象がどこかは別にして、同じかそれ以上のペースで続くだろう。

停戦が、西側にとってはともかく、ウクライナにとって最良の選択かどうかはビミョーだ。

ロシアにとっては、間違いなく、最良の選択だがな。

欧州大戦争への軍備を積み増すことが可能になる。

西側が、停戦後に対ロシア戦の軍備増強を続けられるかどうかは不確実だ。

専制国家対民主国家の宿命だな。

ウクライナ停戦は、ウクライナの問題というより、西側の態勢の問題だ。

西側が、停戦によって訪れた偽りの平和の中で備えを怠ることがあれば、ロシアは躊躇うことなく停戦を破る(そうなのかあ?)。

ロシアがウクライナを諦めることは決してない。

そして、欧州を諦めることもない(たぶん)。

時間軸が多少引き延ばされるだけの話だ。

ウクライナは間違いなくプーチンマターだ。

しかし、欧州大戦争はポストプーチンになるかも知れない。

欧州はそう願ってるだろうし、そのためには時間軸を引き延ばさなければならない。

が、それは西側にとっては両刃の剣になりかねない。

ユーラシア大陸の覇権を巡る攻防だからな。

地域的にも、時間的にも、経済的にも、現在のウクライナ紛争に留まらない規模と広がりがある。

しかし、その趨勢を左右するのは戦場での勝敗だ。

外交官でありながら、戦場でケリを付けようと言い放ったラブロフではないけど、全てがそこに集約されてしまっている。

国際紛争は複雑だ。

多様なアプローチがあって、様々なステージが存在し、折り合いをつけ、束の間の平和を維持する。

もう一度、従来のいきさつは棚に上げて、未来を見据えて話し合いを始めるべきだと思うんだがな。

ウクライナ降伏不可避。

浮沈子の見立ては変わらない。

ロシアを占領地から追い払い、完全勝利を目指す限り、未来永劫、平和なんて訪れっこない気がする。

正義の戦争より、不正義の平和だ。

浮沈子は正義派じゃない。

ウクライナの地で、どのような統治が行われようと知ったことではない。

ドンパチがなく、日常の生活が安穏に営まれることが最重要だ。

戦場から遠く離れた日本で、平和を語ることは容易い。

だが、そこで戦闘を煽ってしまっては、救いようがない気がする。

平和ボケで結構だ!。

そういうボケなら、いくらでも大歓迎なんだがな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ウクライナとイスラエル、バイデン米大統領は現実を見るべき)
https://www.cnn.co.jp/usa/35218372.html

「今回の支援で両国の戦争目的が増大する場合、それはこの種の現実的な交渉を阻害する恐れがある。そうした交渉こそが、両国の戦争に終止符を打つ唯一の方法であるにもかかわらず。」

非常に分かり辛い記事だが、常識的な2つの前提で書かれている。

1つ目は、軍事的に完全な勝利はないこと。

2つ目は、米国には選択の自由があるということだ。

浮沈子は、どちらも間違っていると考えている。

両者は無関係ではなく、米国が調停国として戦争の結果を差配し、自国の利益になるように終結させてきたということなわけだ。

今回のウクライナ紛争とガザ紛争においては、その構図が揺らいでいる点が特徴的なわけだ。

マークハンナ氏が見落としている点は、正にそこかも知れない。

米国の相対的な衰退が背後にあり、パクスアメリカーナの終焉の始まりが起こっている。

「現状で実現が可能なのは、ウクライナでもガザでも、和平をおいて他にない。」

なぜ、バイデン政権は本来なら唯一実行可能なはずの和平への行動が取れないか。

それは、現実を見据えていないからではなく、現実の中でそれしか選択が出来なくなってしまっているからに他ならない。

和平への仲介には、自国の犠牲が必要だが、それを支払う余裕はない。

そんなことをすれば、政敵に政権を奪われかねないからな。

成り行き任せで、支援を続け、戦闘を維持することでしか存続できなくなっている。

悲惨だ・・・。

米国には、和平への道を示す力はない。

だらだらと、戦闘を続け、疲弊した当事国が妥協するのを待つことしかできない。

或いは、完全な軍事的解決を見るか。

ウクライナに関する限り、その可能性は十分にあると見ている。

ロシアは、ウクライナを決して諦めないからな。

停戦は、それが成立したとしても、あくまで一時的なものに過ぎない。

ガザは、外部化されたハマス軍事部門が生き残り、再びイスラエルの脅威となることが懸念される。

中東は、イスラエルという国家がある限り、戦火が絶えることはないだろう。

そこに和平をもたらそうと試みた米国の思惑は崩れた(もう少しだったのにな・・・)。

じゃあ、ウクライナに真の平和が訪れることはないのか、イスラエル国家とアラブ諸国が平和に共存することは出来ないのかといえば、そんなことはない。

米国にとっては嬉しくないだろうが、紛争地域への関与を減らし、その影響力を弱め、地域大国としてのポジションに収まることで世界は一層平和になる気がするんだがな(そうなのかあ?)。

国際紛争の調停は、本来なら国際機関に委ねられるべき性質のものだ。

そこで、誰もが等しく不満(かつ、等しく満足)な結果を得て解決されるのが理想だからな。

正義か不正義化の二元論じゃないことは確かだ。

次の時代は、そういうスッキリしない、曖昧で混沌とした時代になるんだろう。

決着を付けることだけが解決ではない。

もやもやとした、欲求不満で、耐え難い気分。

人類には、そういうのは向かないのかもしれない。

戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。

それが歴史の真理だとしたら、やりきれないな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ロシア軍、ウクライナ東部で着実に前進)
https://www.cnn.co.jp/world/35218382.html

「ロシア軍の領土の奪取は、数百メートルから最大で1キロ程度と控えめではあるものの、通常は一度に複数の場所で発生している。」

いい観察だな・・・。

「シルスキー司令官も28日、SNSへの投稿で、ロシア軍による制圧を確認した。シルスキー司令官によれば、ロシア軍は同地域に最大4個の旅団を展開」

ウクライナは、防衛ラインを維持するための戦力(通常、攻撃側よりはるかに少ない)を投入できないということなわけだ。

「ロシアが毎月2万から3万人の採用を維持できれば、相対的な兵士数の状況が戦争の行方を左右する最も重要な要素となる可能性が高い」(米シンクタンク「外交政策研究所」の専門家)

砲弾の不足は、戦力の一部に過ぎず、今後の焦点は兵士の数を如何に揃えるかに掛かっている。

昨年夏以降、反転攻勢のとん挫、その後の膠着状況、マリンカやアウディーイウカの陥落に象徴される「後退」が示唆するのは、ウクライナ軍の兵力の絶対的な低下に他ならない。

この「後退」を、兵器(砲弾等)の不足に伴う一時的なものだとする認識は、おそらく誤っている。

潤沢な兵器が供給されたとしても、既にそれを使って反撃する兵力は枯渇しつつあるのではないか。

この後退が、後方にある本格的な防衛ラインの構築を完成させるための時間を稼いでいるのなら、そして、徴兵制度の改革が武器の潤沢な供給と共に効果を発揮して、その防衛ラインを維持することに資すれば何よりだが、伝えられる限りにおいては、そういう話は見えてこない。

浮沈子は、相変わらず南部戦線激化の妄想に捉われている。

東部戦線におけるロシア軍の攻勢はブラフだ。

が、今のところ、それを裏付ける兆候は何もない。

確かなことは一つだけ。

プーチンがウクライナを諦めることは決してないということだ・・・。