寸止め2012年05月20日 11:12

寸止め
寸止め


(民間宇宙船:ドラゴン打ち上げ直前に中止)
http://mainichi.jp/select/news/20120520k0000m040023000c.html

別の記事によれば、打ち上げの0.5秒前に中止したとのこと。

発射寸前、正に寸止めである。

(寸止め)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%B8%E6%AD%A2%E3%82%81

いやいや、こっちの意味じゃない。

(寸止め:詳細は書けないので、こちらで納得してください)
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%A3%BB%DF%A4%E1

えーっと、ここで言いたかったのは、今回の打ち上げ中止が何を意味するかということなのだが、私は肯定的に捉えたい。

異常を感知する能力、直前であれ、その異常を抱えたままの状況を進行させない判断(まあ、事前の設定で、コンピューターが止めたらしいのですが)、その状況を直ちに公表する決断(隠そうなどという、さもしい根性ではない)など、見習うべきことが「おおい」。

おおい(大飯)といえば、原発再開直前の状況になっている(無理やりな繋がり・・・)。

(大飯原発再稼働「判断の時期は近い」 首相)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120517/plc12051722250013-n1.htm

(大飯原発、橋下市長が夏だけの再稼働案に言及 「容認ではない」とも強調)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3EBE2E3858DE3EBE2E7E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

やはり、文系の方々は発想が違う。パーシャルに運用可能な原発ができるくらいなら、揚水式発電所なんてものを作ることはないわけで、やれやれ、こんなことでは、「容認ではない」などと政治的なアピールをしたつもりだろうが、単なる「恥さらし」になってしまった。

まあ、融通が利かない原発運用の実態を再確認させてくれた功績は大きいので、よしとしよう。

原発再稼動については、多くの関係者(反対する方々も含めて)が、事故に対する安全性の確保と、政治的、行政的な手続き論に矮小化してしまっている。

冗談ではない!。

福井県知事の認識が、私にはしっくりくる。

(大飯原発:再稼働問題 「首相の指導力発揮を」 知事、副経産相に要望 /福井)
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20120516ddlk18040663000c.html

消費する側が、「腹を括れ」といっているのだ。

そもそも事故なんか起こさなくたって、原発は多くの問題を抱えている。ウランの資源枯渇、採掘、濃縮、加工過程での多くの放射線被曝の問題、温排水による環境への影響(発電量の2倍のエネルギーを捨てている)、稼働中にも放射線は容赦なく作業員に降り注ぐ。そして、核燃料サイクルが破綻しなくても(商業用高速増殖炉はできる見込みがないので、事実上破綻しているが)、人類最悪の負の遺産である大量の核廃棄物が残る(百万年の管理が必要)。

私自身は、少なくとも過渡的なエネルギーとしての原子力発電に賛成するし、核融合発電には大きな期待を寄せている(ここでも山のような問題があるのだが)。

子々孫々にツケをまわして、現代の享楽的な生活を続けるのか、停電による不便、社会的混乱を甘んじて受け入れて、原発の稼動を止めるのか。

「停電を絶対おこすな」のいうのであれば、現実の問題として原発の再稼動に踏み切らざるを得ない。少なくとも原発立地自治体では、再びリスクを抱え込むことになる。どうしても必要だというのなら、「どうか再稼動を認めてください、お願いします」と、関西中の県知事などが現地に行って土下座して頼むのが「当然」だろう。

しかし、この夏の節電計画はなんなんだ?。大事故を起こした東京電力管内、立地自治体を擁し復興途上にある東北電力管内は「数値目標を定めない節電」であるのに対し、その他の地域は軒並み5パーセントから15パーセントの節電を求められている。関西電力管内などでは計画停電も見込まれる。

(【7地域で5~15%節電 政府、7月から3カ月】 関電、計画停電の回避に努力)
http://www.47news.jp/47topics/e/229448.php

何とも皮肉な状況である。

ところで、次回のスペースXの発射がいつになるのかは、故障の原因が判明しないと分からない(予備日は22日)。

慌てなくてもいいから、着実な実績を積み重ねていって欲しいものだ。「寸止め」する能力があるのだから、きっと成功するに違いないと信じている。