略最低低潮面2012年05月05日 00:26

略最低低潮面
略最低低潮面


小型船舶免許をお持ちの方なら、ちゃんと読めますよね。

(略最低低潮面)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%A5%E6%9C%80%E4%BD%8E%E4%BD%8E%E6%BD%AE%E9%9D%A2

「ほぼさいていていちょうめん」が正解。最低水面ともいう(平成14年4月1日からは、基本水準面とはいわなくなりました)。

これは、EEZの基線の元になる「低潮線」(ていちょうせん)を決める大切な概念である。

まあ、ざっと言うと、低潮線とは潮が引ききった時の海岸線ですな。

最近話題の沖ノ鳥島のビデオの中に、画像のような海図(?)が出てくる。「満州」という名前の船が調査した時のもので、礁嶺(しょうれい)の様子やその内部について、克明に描かれている。北小島や東小島などの「島」が全く記入されていないのが気になるが、なぜでしょう?(爆!)。

(知っていますか?沖ノ鳥島の秘密(後編))
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=kRCcFWO2xVg&NR=1

で、よく見ると、「干出一米」とか書いてある。

(海図の知識)
http://www.campingitem.com/boat/kakomon/kaizu/kaizu01.htm

ちなみに、このページの図で「【C】基準の水面」の「海岸線」の表示は誤りなので信用しないように。表の中の「略最高高潮面における海と陸との境界」が正しい。

それはいいとして、画像のなかのサンゴ礁の絵のところに、「+」の記号があちこちに書いてある。上記の海図の知識によれば、これは「暗岩」、つまり最も潮が引いた時でも、水面には出てこない「暗礁」のことである。

この図を見る限り、沖の鳥島の周りにある礁嶺の殆どは潮が引いても水面上に出てこない暗礁(暗岩)であり、低潮線を有しないということになる。

ぽつぽつと描かれている干出岩(かんしゅつがん)の周りだけに、点のような小さな円形の低潮線があるような感じだ。

この図が、どの程度正しいのかは分からない。沖ノ鳥島の正式な海図は見ていないので推測にしか過ぎないし、以下のページでは、「干潮時には環礁の大部分が海面上に姿を現す」と明記されているので、実際には大部分が干出岩になるのかもしれない。

(沖ノ鳥島)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E3%83%8E%E9%B3%A5%E5%B3%B6

このページの右上にある地図は、北小島と東小島が逆だし、観測所基盤のことを無くなってしまった南小島と勘違いしている(ノートで指摘させていただきました)。

このあたりにこだわるのは、「海洋法に関する国際連合条約
」(国連海洋法条約)に以下の記述があるからだ。

「第六条 礁
環礁の上に所在する島又は裾礁を有する島については、領海の幅を測定するための基線は、沿岸国が公認する海図上に適当な記号で示される礁の海側の低潮線とする。」

「礁」が低潮線を有しない「暗礁」だと、基線を設定することができない。したがって、北小島と東小島だけがEEZの根拠になる。

こんなページもある。

(沖ノ鳥島の謎)
http://homepage3.nifty.com/boumurou/island/sp01/observatory.html

干潮時の様子を撮った写真を見ると、礁湖内でも干出岩が多く見えている。50年くらい前の写真であるが、いくら海面上昇があるといっても、それほど変わりはないのではないか。

このあたりのことを含めて、またの機会に取り上げたい。

満州2012年05月05日 03:15

満州
満州


満州とは、「中国東北部およびロシア沿海州を含めた北東アジアの特定地域を指す地域名。渤海、金朝、後金、清朝を建国した満洲民族の故地である」と書いてあるのはこのページ。

(満州)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E5%B7%9E

だが、今回はこちらの方。

(満州 (通報艦))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E5%B7%9E_(%E9%80%9A%E5%A0%B1%E8%89%A6)

画像の方は、例のビデオに出てくる写真で、沖ノ鳥島を測量した船だと紹介されているのだが、どう見ても違う船である。

(満州丸:写真、同じです)
http://blog.goo.ne.jp/luckyhillson/e/16dac8875d9fa2cc200a64cf86d5fb63

(知っていますか?沖ノ鳥島の秘密(後編):例のビデオ)
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=kRCcFWO2xVg&NR=1

どうやら満州丸と取り違えて掲載してしまったのではないか。

いやはや、突っ込みどころの多いビデオである。

で、正しいほうの「満州」なのだが、マリアナ海溝の測量も行っているようだ。

(マリアナ海溝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8A%E6%B5%B7%E6%BA%9D

「満州号」とか書いてあるが、間違いなかろう。

戦前の我が国は、南洋群島を支配下に収め、開発に余念がなかった。

(南洋諸島)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%B4%8B%E8%AB%B8%E5%B3%B6

「四方の海 みな同朋(はらから)と 思う世に など波風の 立ちさわぐらん
明治天皇 御製」

テニアンに自衛隊が駐留するかもしれない今日この頃の状況を思うとき、この歌に込められた平和への願いと、無念さが一際心に響くのだ。