システムトラブル2013年01月15日 15:21

システムトラブル
システムトラブル


やれやれ、まさかと思っていたら、本当に翌日に起こりやがった。

(日航787型機、また燃料漏れ 米から戻り成田で整備中)
http://www.asahi.com/national/update/0113/TKY201301130134.html

ボストンで燃料漏れを起こしたB787型機が、成田で整備中に別の燃料バルブが開いて、ジャバジャバと約100リットルの航空燃料をぶちまけたそうだ。

「日航はシステムトラブルの可能性も含めて原因を調査している」とあるが、「操縦室の計器はバルブが閉じた表示のまま」だというから穏やかではない。

計器の表示は、昔はハード回路からの電気信号などで表示していたのだろうが、昨今は、みんなソフトウェアを咬ませたコンピューター制御になっている。

複雑な回路を設計しなくても、パチャパチャっとキーボードから打ち込めば、どんな制御でも朝飯前である。ハード回路(コンピューター)側は、汎用品として量産できるので、コストの削減にも繋がる。

こっちの方が、安くて簡単、便利でお得な優れものである。

何を隠そう(隠してませんが)、インスピのソレノイドバルブや、警告ブザーなどの制御を行っているのも、ビジョンというコンピューターである。

まあ、いい。

でだ、このソフトウェアというのは、どんどん複雑になって、専門家が見てもわけが分からなくなってきている。構造化言語とかいうものが出てきて、少しは生産性が上がったかと思いきや、組み込み系は相変わらずの状況のようだ。

(ソフトウェア危機:組み込みシステムにおけるソフトウェア危機)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E5%8D%B1%E6%A9%9F#.E7.B5.84.E3.81.BF.E8.BE.BC.E3.81.BF.E3.82.B7.E3.82.B9.E3.83.86.E3.83.A0.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E3.82.BD.E3.83.95.E3.83.88.E3.82.A6.E3.82.A7.E3.82.A2.E5.8D.B1.E6.A9.9F

OSには、割り込み処理の管理に配慮したリアルタイム性の高いものを使用し、想定される業務処理に対して余裕を持った設計にしなければならない。

デバイス側の不良で、大量のデータが誤送信された場合でも、スタックすることがないような仕組み(ちゃんと、エラーではじく)なども必要だ。

アプリ側のバグは、避け難い。必ず内在する。コードを誤って書くなどのバグではなく、論理的な不整合を見逃す。想定しない事象が発生した時のエラーだ。だから、何千時間もの統合テストを行って、ありとあらゆるケースを試す。

それでも、バグは残る。

人の作りし物に、完全性を求めてはならない。だから、人は人を信じる。物ではなく、作った人、使う人を信じるしかない。人が使って安心な物を作る良心が求められる。

あなたが作った物に、最愛の人の命を委ねられるか。

アグリカルチャーの世界も同じだな。自分が作った作物を、自家消費できないような農家は、止めたほうがいい。自分ち用の田圃は別にあって、農薬少なめにして収量適当だが、出荷用はバンバン撒いて、高収量!。

単体で作った物がいくら優れていても、組み上げた時に配線間違えちゃったら全部パーだ。何千メートルもある何百という配線を、間違えずに繋がなければならない。

ここんところも、データバスを使って、パケットでやり取りすれば簡単だ。インターネットと同じである。配線は1本で済む。世界の人々に電子メールを送るのに、相手の数だけ配線しなくてもいいでしょ?。

データ通信のお約束(プロトコール)を守って、需要に応じた通信の容量を確保すればよろしい。最近は、電磁波に影響されない光通信が流行のようだ。配線の重量軽減にもなる。

この中継器、スイッチとかルーターとかいうシロモノにも、ソフトウェアが入っている。経路を決めたりするのに、使うわけだな。詳しくは知らないが、専用の言語で作動する。

航空機の実装が、どうなっているのかは知らないが、最新鋭機というヤツは、この手の話がごろごろしているのだろう。

人間の方は余り変わらない。ボーイングは、フライ・バイ・ワイヤーになっても操縦輪を使っている。パイロットが慣れているから。

今時の若いパイロットは、ゲームパッドの方が慣れてるけど。そのうち、戦闘機のパイロットが、十字キーとかで飛行機飛ばすようになるのかあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

連邦航空局(FAA)とは別に、国土交通省も独自で調査を始めるという(どうやって?)。

大惨事が起こる前に、早く決着をつけてもらいたい(壊れるところは、ヤバイとこばかり)。

メーカーも、株価対策やキャンセル予防で強気発言を繰り返すのはいいが(コストかからないから?)、やることはちゃんとやって欲しい。ガセネタとか、思い過ごしではなく、トラブルは現実に起こっている。

先日のブレーキ故障は、制御用コンピューターの不具合で、コンピューターを交換したという。

(ANA山口発のB787型機が欠航、ブレーキ制御システムに不具合)
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2013/01/91099.php

ちょっと、いやな感じがする。

(社説:B787トラブル 調査は安全向上の好機)
http://mainichi.jp/opinion/news/20130113k0000m070075000c.html

毎日は、相変わらずというか、のん気な記事を載せているが、差し迫った事象が起こっている可能性だってある。通常運行させながらの包括検査って、矛盾していると感じるのは浮沈子だけか。

インスピだって、機嫌のいい時は、これこそ21世紀の潜水器だと確信するが、ぐずっている時は、思い切りケリを入れたくなる。それを承知で運用するのだから、文句は言えない。

B787は、金儲けの道具だ。快適だとか最新鋭だとかいって、乗客から金を吸い上げるマシンである。初期トラブルがつき物とかいって甘やかしたり、安全向上の好機などと寝言をいっていないで、乗客の立場から、もっとボロクソに言ってもいい。この機材を選択した、キャリアの判断も問われていい。

ボーイングのインテグレーション能力に、本質的な欠陥があるのかもしれない。日本の部品メーカー各社は、100機目の納入に沸いているが、笑顔が凍りつかないことを願おう。

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