車載HUD ― 2013年10月07日 01:34
車載HUD
サイバーナビのHUDが登場したときは、ついに、来るものが来たな、という感じで身構えたものだ。
あとは、射出座席と逆噴射が備われば、地上を走行する戦闘機が出来上がる・・・。
(フロントガラスピコピコ状態!最先端、車用HUDナビ)
http://aisakeb.com/?p=1503
先だっても紹介したガーミンだが、HUDも出している。
(Head-Up Display (HUD))
https://buy.garmin.com/en-US/US/prod134348.html
(GARMIN謹製!Bluetooth接続の車用ヘッドアップディスプレイ)
http://aisakeb.com/?p=1018
簡易な(安易な?)HUDだが、必要な情報を峻別して表示するというのは、HUDの基本だ。
常時、視界に入るため、何でも出せばいいというものではない。
音声や、チャイムなどと連動させながら、如何にして情報を絞り込むか、TPOに応じて切り替えるかという点が極めて重要になる。
そこんところを、スマホに任せて、ディスプレイ表示に徹したところがミソだな。
専用ソフトをブラッシュアップさせて、是非ともHUDのスタンダードになっていただきたい。
しかし、やはり、画面が小さいというのは何かと制約も大きい。
(デンソーのヘッドアップディスプレイ、17インチに大画面化)
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1305/24/news031.html
「デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2013」(2013年5月22~24日、パシフィコ横浜)において、17インチサイズの大画面ヘッドアップディスプレイ(HUD)と、車両前方から視線を外さずにHUDの表示操作を行える触覚フィードバック機能付き操作コマンダの連携システムを披露した。」
ダッシュボードのTFT液晶画面をフロントウインドウに反射させて表示するという、コンベンショナルなスタイルだが、まあ、妥当なところだろうな。
もっと簡便にHUDを体験したければ、こんなのもある。
(Nexus7を使って仮想HUDを試してみる)
http://aisakeb.com/?p=301
浮沈子も早速ダウンロードして、鏡像の画面を映し出してみた(画像参照)。
気分だけなら、これで十分だろう。
フロントガラスの反射シールが、どんなものか分からないが、1000円くらいで売っていれば、ペタッと貼り付けて二重映りを改善してOKである。
「「ヘッドアップディスプレイ」は男のロマンである。」というキャッチは、実に的を得ている。
来るものが来たと、身構えるのは、ショボイHUDでも同じだ。
「このアプリの最大にして唯一の欠点はHUDモードでは「夜しか使えない」事である。」
いいじゃないの、昼間は直接見ればいいんだから。
スマホやタブレットならではの、ナイスなアイデアである。
ただ、しっかり固定しておく方法を考えないと、横Gかかったときに、助手席と運転席を行ったり来たりすることになりかねない。
(ヘッドアップディスプレイ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4
このリンクの中に、こんなものがあった。
(自分の体を動かしてゲーム中を走ったりできる完全VRを実現したデバイス「Omni」)
http://gigazine.net/news/20130701-omni/
まあ、こっちはヘッドマウントディスプレイだが、立体画像が表示されて、歩いたり、走ったり、跳んだりできるので、バーチャルリアリティを楽しめるわけだな。
視覚、聴覚、運動感覚を疑似体験でき、後は、味覚や嗅覚、触覚が伴えば、完璧なリアリティが再現できよう。
今のところ、シューティングゲームくらいしかないのだろうが、モンスターハンターとか、格闘系のゲームなどにも応用が利きそうだ。
ストリートファイターに対応するには、グローブなどにもセンサーが必要だな。
そのうち、プレイヤーの姿をカメラで写して、画像解析によりモーションを取得して、プレイに反映するようになるのかもしれない。
ウエアラブルコンピューターの先にあるのは、ユビキタスコンピューティングだが、そのインターフェースもまた、遍在化するに違いない。
どこでもコンピューターは、都市という電脳空間の中で籠の鳥になった人間が、デバイスを身に着けなくてよくなったことを自由を得たと誤解することから始まる。
脱ぎ捨てることの出来ない、逃れることの出来ないコンピューターとの付き合い。
しかし、暇さえあれば、スマホの画面をなぞっている現代の人間は、その方が居心地がいいのかもしれないな。
サイバーナビのHUDが登場したときは、ついに、来るものが来たな、という感じで身構えたものだ。
あとは、射出座席と逆噴射が備われば、地上を走行する戦闘機が出来上がる・・・。
(フロントガラスピコピコ状態!最先端、車用HUDナビ)
http://aisakeb.com/?p=1503
先だっても紹介したガーミンだが、HUDも出している。
(Head-Up Display (HUD))
https://buy.garmin.com/en-US/US/prod134348.html
(GARMIN謹製!Bluetooth接続の車用ヘッドアップディスプレイ)
http://aisakeb.com/?p=1018
簡易な(安易な?)HUDだが、必要な情報を峻別して表示するというのは、HUDの基本だ。
常時、視界に入るため、何でも出せばいいというものではない。
音声や、チャイムなどと連動させながら、如何にして情報を絞り込むか、TPOに応じて切り替えるかという点が極めて重要になる。
そこんところを、スマホに任せて、ディスプレイ表示に徹したところがミソだな。
専用ソフトをブラッシュアップさせて、是非ともHUDのスタンダードになっていただきたい。
しかし、やはり、画面が小さいというのは何かと制約も大きい。
(デンソーのヘッドアップディスプレイ、17インチに大画面化)
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1305/24/news031.html
「デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2013」(2013年5月22~24日、パシフィコ横浜)において、17インチサイズの大画面ヘッドアップディスプレイ(HUD)と、車両前方から視線を外さずにHUDの表示操作を行える触覚フィードバック機能付き操作コマンダの連携システムを披露した。」
ダッシュボードのTFT液晶画面をフロントウインドウに反射させて表示するという、コンベンショナルなスタイルだが、まあ、妥当なところだろうな。
もっと簡便にHUDを体験したければ、こんなのもある。
(Nexus7を使って仮想HUDを試してみる)
http://aisakeb.com/?p=301
浮沈子も早速ダウンロードして、鏡像の画面を映し出してみた(画像参照)。
気分だけなら、これで十分だろう。
フロントガラスの反射シールが、どんなものか分からないが、1000円くらいで売っていれば、ペタッと貼り付けて二重映りを改善してOKである。
「「ヘッドアップディスプレイ」は男のロマンである。」というキャッチは、実に的を得ている。
来るものが来たと、身構えるのは、ショボイHUDでも同じだ。
「このアプリの最大にして唯一の欠点はHUDモードでは「夜しか使えない」事である。」
いいじゃないの、昼間は直接見ればいいんだから。
スマホやタブレットならではの、ナイスなアイデアである。
ただ、しっかり固定しておく方法を考えないと、横Gかかったときに、助手席と運転席を行ったり来たりすることになりかねない。
(ヘッドアップディスプレイ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4
このリンクの中に、こんなものがあった。
(自分の体を動かしてゲーム中を走ったりできる完全VRを実現したデバイス「Omni」)
http://gigazine.net/news/20130701-omni/
まあ、こっちはヘッドマウントディスプレイだが、立体画像が表示されて、歩いたり、走ったり、跳んだりできるので、バーチャルリアリティを楽しめるわけだな。
視覚、聴覚、運動感覚を疑似体験でき、後は、味覚や嗅覚、触覚が伴えば、完璧なリアリティが再現できよう。
今のところ、シューティングゲームくらいしかないのだろうが、モンスターハンターとか、格闘系のゲームなどにも応用が利きそうだ。
ストリートファイターに対応するには、グローブなどにもセンサーが必要だな。
そのうち、プレイヤーの姿をカメラで写して、画像解析によりモーションを取得して、プレイに反映するようになるのかもしれない。
ウエアラブルコンピューターの先にあるのは、ユビキタスコンピューティングだが、そのインターフェースもまた、遍在化するに違いない。
どこでもコンピューターは、都市という電脳空間の中で籠の鳥になった人間が、デバイスを身に着けなくてよくなったことを自由を得たと誤解することから始まる。
脱ぎ捨てることの出来ない、逃れることの出来ないコンピューターとの付き合い。
しかし、暇さえあれば、スマホの画面をなぞっている現代の人間は、その方が居心地がいいのかもしれないな。
21世紀の答 ― 2013年10月07日 23:32
21世紀の答
鉄の時代から炭素の時代へ。
百年後、22世紀初頭に前世紀を振り返るとき、きっと、このように語られるに違いないと、浮沈子は信じている。
機械的強度に優れ、軽量化でき、腐食に強い。
少なくとも、構造材としての需要の殆んどが置き換えられたとしても驚くには当らない。
とくに、移動体の構造材としては、他に代わるものはないだろう。
CFRP、今や、その未来を疑うものは誰もいない。
唯一の欠点があるとすれば、あまりの耐久性の高さに、モデルチェンジがしにくくなって、メーカーの儲けが少なくなるくらいか・・・。
最近、木造住宅の価値が見直され、骨格構造を再利用した改築に注目が集まっているという話を聞いた。
クルマも同じように、ボディパネルを張り替えて、リビルドするようになるかもしれない。
昔、日産のエンジンの堅牢さを称える言葉として、ボディが腐ってもエンジンはまだまだいける、といわれたことがあったが、褒めているんだか、貶しているんだか・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
逆に、ハイテンを多用した500Eのボディは、ミッションのオーバーホールや、エンジンの載せ換えを何度か行えるほど、堅牢なつくりである。
W123あたりは、エンジンを載せ換えて走っているクルマの方が多いかもしれない。
話は、変わる。
(エアバスA350)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%90%E3%82%B9A350
当初、新鋭機B787の当て馬として、既存のA330を改造した安価で手頃な航空機を狙って開発が始まったが、各航空キャリアから総スカンを食らい、急遽A350XWB(エクストラワイドボディ)として、焼きなおしたといういわく因縁のある機体である。
「・A350XWB-800 短胴型。3クラスで270座席。
・A350XWB-900 標準胴体長の形式。3クラスで314席。
・A350XWB-1000 A350XWB-900の胴体を延長した型。350席規模。最大離陸重量の増大に対応するため、この型は主脚が6輪式となっている。」
「ダブル・バブルのキャビン部分の半径は2.98m」
「エコノミークラスは9列配置が可能となった。」
「ダブル・バブル構造とすることで胴体下半分はLD3コンテナが二列積載できる最小限の断面に絞られており機体重量の軽減に寄与している。」
「新設計、全複合材製の高効率な主翼。主翼面積は従来A350の361m²からXWBでは443m²に拡張された。この値はボーイング777の424m²より大きい。」
「ライバル787より多い座席数、大きな搭載量。胴体の拡幅により、エコノミー座席の標準配列が9列となったことでより多くの乗客を収容できるとしている。」
標準形式のA350XWB-900の314席という席数は、B777-200に匹敵する。
(ボーイング777)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0777
「仕様:777-200 乗客数 3Class:約300」とある。
A350XWBの機体構造については、数度の変更を経ている。
「エアバス社は2007年9月に、構造並びに一部形状の変更を公表した。それによるとこれまでアルミニウム・リチウム合金製とされてきた胴体構造はカーボンファイバーのフレームリングとアルミニウム・リチウム合金のビームからなる骨組みにカーボンファイバーパネルを張り合わせた構造になり、ボーイング787とほぼ同等のカーボンファイバー使用率となった。」
そして、今日、我が国の航空関係者の、たぶん全員が驚くニュースが駆け巡った。
(日航:エアバス機を初めて発注-最大56機、総投資は9500億円)
http://www.bloomberg.co.jp/bb/newsarchive/MUABVR6K50XT01.html
「発表によると、エアバスの最新型A350-900が18機と、より座席の多いA350-1000を13機購入する。現在のボーイングB777の路線に2019年から投入する。」とある。
「ボーイングは日航の決定について同日「残念だ」と声明を発表した。」
そりゃ、そうだろう!。
「日航は航空機を214機保有しているが、ボーイング製が166機と8割近くを占め、他の機種もカナダのボンバルディアやブラジルのエンブラエルで、エアバス製は1機もない。ANAホールディングスもボーイング機が全体の8割以上。エアバスは今回の受注で、ボーイングが圧倒的なシェアを占める日本市場に本格的に食い込むきっかけを得る。」
しかも、今後の成り行き次第では、フラッグシップのA380の導入だってあるかもしれない(浮沈子の予想)。
エアバスのメリットは、高い相互運用性であり、機種間転換訓練を短期化し、複数機種での運用を容易にしたコックピット設計にある。
マンマシンインターフェースを統合化するというのは、かつて、メルセデスベンツが展開していた手法と同じだ(最近は、また、バラバラのようだが)。
しかし、まあ、なんだな、同じEクラスとはいえ、300Eと500Eの違いが、スピードメーターの最大値が240kmと260kmというだけで、他は全て同じというのは、新車の価格が倍以上違うクルマのインパネの設計として、いかがなものか。
まあいい。
問題なのは、世界に冠たるJALが、最大56機のフリートを所有することによる波及効果だ。
「今回の発注により、ボーイングの次世代機の対抗馬として「A350が浮上したことが世界の航空業界に広く知らしめることにつながり、エアバスは今後の世界的な営業で大きなサポートを得たことになる」というコメントもある。
開発初期のゴタゴタは、後出しジャンケンの優位さに繋がり、787の開発の遅れと、数々のチョンボという敵失にも助けられて、同等の発注を受けている。
「エアバスのファブリス・ブレジエ社長は「今回の受注で日本市場でのブレークスルーを達成した」と述べ、「将来の日本の航空関連企業にも寄与するだろう」とした。」
三菱や川重で、エアバスの部品作るってことかあ?。
「機体の53%に複合材を採用」
「全く新しい複合材製の主翼」
「最大推力92,000lbを生み出すロールス・ロイス社製最新エンジンのトレントXWBは最先端の製造、素材、熱力学技術を用いて開発さ れ、これまで以上に燃料消費を軽減し、整備コストを削減すると同時に、空港周辺の騒音レベルを最小限に抑え、環境への影響を低めます。」
「A350 XWBファミリーには、空港ナビゲーション・システム、乗客の快適性や滑走路の使用に配慮したブレーキ・システムなど最先端の機能が搭載されます。」
「整備間隔も従来より長くなり、整備スケジュールもカスタマイズできるなど信頼性もさらに向上します。これにより、航空会社は今まで以上に運航の生産性を上げることができるようになるでしょう。」
「21世紀の最新技術を導入」と題された仰々しい宣伝の最後は、こう締めくくられている。
「A350 XWBファミリーは、このサイズ・カテゴリーにおける21世紀の答なのです。」
木造布張りに始まり、アルミ合金の長い時代を経て、航空機は炭素の時代に確実に転換した。
リニア新幹線は、きっとアルミ合金になるのだろうが、浮沈子は、早晩炭素素材に転換すると見ている。
アルミで時速500km、炭素で時速700kmというわけだな。
それもまた、21世紀の答だろう。
鉄の時代から炭素の時代へ。
百年後、22世紀初頭に前世紀を振り返るとき、きっと、このように語られるに違いないと、浮沈子は信じている。
機械的強度に優れ、軽量化でき、腐食に強い。
少なくとも、構造材としての需要の殆んどが置き換えられたとしても驚くには当らない。
とくに、移動体の構造材としては、他に代わるものはないだろう。
CFRP、今や、その未来を疑うものは誰もいない。
唯一の欠点があるとすれば、あまりの耐久性の高さに、モデルチェンジがしにくくなって、メーカーの儲けが少なくなるくらいか・・・。
最近、木造住宅の価値が見直され、骨格構造を再利用した改築に注目が集まっているという話を聞いた。
クルマも同じように、ボディパネルを張り替えて、リビルドするようになるかもしれない。
昔、日産のエンジンの堅牢さを称える言葉として、ボディが腐ってもエンジンはまだまだいける、といわれたことがあったが、褒めているんだか、貶しているんだか・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
逆に、ハイテンを多用した500Eのボディは、ミッションのオーバーホールや、エンジンの載せ換えを何度か行えるほど、堅牢なつくりである。
W123あたりは、エンジンを載せ換えて走っているクルマの方が多いかもしれない。
話は、変わる。
(エアバスA350)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%90%E3%82%B9A350
当初、新鋭機B787の当て馬として、既存のA330を改造した安価で手頃な航空機を狙って開発が始まったが、各航空キャリアから総スカンを食らい、急遽A350XWB(エクストラワイドボディ)として、焼きなおしたといういわく因縁のある機体である。
「・A350XWB-800 短胴型。3クラスで270座席。
・A350XWB-900 標準胴体長の形式。3クラスで314席。
・A350XWB-1000 A350XWB-900の胴体を延長した型。350席規模。最大離陸重量の増大に対応するため、この型は主脚が6輪式となっている。」
「ダブル・バブルのキャビン部分の半径は2.98m」
「エコノミークラスは9列配置が可能となった。」
「ダブル・バブル構造とすることで胴体下半分はLD3コンテナが二列積載できる最小限の断面に絞られており機体重量の軽減に寄与している。」
「新設計、全複合材製の高効率な主翼。主翼面積は従来A350の361m²からXWBでは443m²に拡張された。この値はボーイング777の424m²より大きい。」
「ライバル787より多い座席数、大きな搭載量。胴体の拡幅により、エコノミー座席の標準配列が9列となったことでより多くの乗客を収容できるとしている。」
標準形式のA350XWB-900の314席という席数は、B777-200に匹敵する。
(ボーイング777)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0777
「仕様:777-200 乗客数 3Class:約300」とある。
A350XWBの機体構造については、数度の変更を経ている。
「エアバス社は2007年9月に、構造並びに一部形状の変更を公表した。それによるとこれまでアルミニウム・リチウム合金製とされてきた胴体構造はカーボンファイバーのフレームリングとアルミニウム・リチウム合金のビームからなる骨組みにカーボンファイバーパネルを張り合わせた構造になり、ボーイング787とほぼ同等のカーボンファイバー使用率となった。」
そして、今日、我が国の航空関係者の、たぶん全員が驚くニュースが駆け巡った。
(日航:エアバス機を初めて発注-最大56機、総投資は9500億円)
http://www.bloomberg.co.jp/bb/newsarchive/MUABVR6K50XT01.html
「発表によると、エアバスの最新型A350-900が18機と、より座席の多いA350-1000を13機購入する。現在のボーイングB777の路線に2019年から投入する。」とある。
「ボーイングは日航の決定について同日「残念だ」と声明を発表した。」
そりゃ、そうだろう!。
「日航は航空機を214機保有しているが、ボーイング製が166機と8割近くを占め、他の機種もカナダのボンバルディアやブラジルのエンブラエルで、エアバス製は1機もない。ANAホールディングスもボーイング機が全体の8割以上。エアバスは今回の受注で、ボーイングが圧倒的なシェアを占める日本市場に本格的に食い込むきっかけを得る。」
しかも、今後の成り行き次第では、フラッグシップのA380の導入だってあるかもしれない(浮沈子の予想)。
エアバスのメリットは、高い相互運用性であり、機種間転換訓練を短期化し、複数機種での運用を容易にしたコックピット設計にある。
マンマシンインターフェースを統合化するというのは、かつて、メルセデスベンツが展開していた手法と同じだ(最近は、また、バラバラのようだが)。
しかし、まあ、なんだな、同じEクラスとはいえ、300Eと500Eの違いが、スピードメーターの最大値が240kmと260kmというだけで、他は全て同じというのは、新車の価格が倍以上違うクルマのインパネの設計として、いかがなものか。
まあいい。
問題なのは、世界に冠たるJALが、最大56機のフリートを所有することによる波及効果だ。
「今回の発注により、ボーイングの次世代機の対抗馬として「A350が浮上したことが世界の航空業界に広く知らしめることにつながり、エアバスは今後の世界的な営業で大きなサポートを得たことになる」というコメントもある。
開発初期のゴタゴタは、後出しジャンケンの優位さに繋がり、787の開発の遅れと、数々のチョンボという敵失にも助けられて、同等の発注を受けている。
「エアバスのファブリス・ブレジエ社長は「今回の受注で日本市場でのブレークスルーを達成した」と述べ、「将来の日本の航空関連企業にも寄与するだろう」とした。」
三菱や川重で、エアバスの部品作るってことかあ?。
「機体の53%に複合材を採用」
「全く新しい複合材製の主翼」
「最大推力92,000lbを生み出すロールス・ロイス社製最新エンジンのトレントXWBは最先端の製造、素材、熱力学技術を用いて開発さ れ、これまで以上に燃料消費を軽減し、整備コストを削減すると同時に、空港周辺の騒音レベルを最小限に抑え、環境への影響を低めます。」
「A350 XWBファミリーには、空港ナビゲーション・システム、乗客の快適性や滑走路の使用に配慮したブレーキ・システムなど最先端の機能が搭載されます。」
「整備間隔も従来より長くなり、整備スケジュールもカスタマイズできるなど信頼性もさらに向上します。これにより、航空会社は今まで以上に運航の生産性を上げることができるようになるでしょう。」
「21世紀の最新技術を導入」と題された仰々しい宣伝の最後は、こう締めくくられている。
「A350 XWBファミリーは、このサイズ・カテゴリーにおける21世紀の答なのです。」
木造布張りに始まり、アルミ合金の長い時代を経て、航空機は炭素の時代に確実に転換した。
リニア新幹線は、きっとアルミ合金になるのだろうが、浮沈子は、早晩炭素素材に転換すると見ている。
アルミで時速500km、炭素で時速700kmというわけだな。
それもまた、21世紀の答だろう。
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