格納容器2014年06月05日 02:51

格納容器
格納容器


福一で使われている(いた?)GEのマークⅠという原子炉には、圧力容器の外側に、格納容器という気密性のある入れ物がある。

(原子炉格納容器の構造図と実物写真(マーク1))
http://nikkei225kuroiwa.blog.fc2.com/blog-entry-4372.html

「福島第一原発で使われている沸騰水型原子炉の格納容器(マーク1)の構造は下図になります。原子炉格納容器は、原子炉圧力容器や原子炉再循環ポンプを覆っているフラスコ形の容器と圧力抑制室で構成される気密性の高い鋼鉄製容器です。圧力抑制室は、常時水を貯蔵しているドーナッツ形の容器(マーク1の場合)で、万一配管が破断した場合、原子炉格納容器内の漏れた蒸気をプールに導き、大量の水で冷却凝縮し、格納容器内の圧力上昇を抑制します。」

圧力抑制室というのは、また別の目的の構造なのだが、圧力容器の外側にある鋼鉄製容器であることは間違いない。

浮沈子が、この構造に興味を持ったのは、この記事を読んだから。

(1号機はなぜ過酷事故に至ったか)
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/outline/2_3-j.html

「また、溶融した炉心が圧力容器の底を貫通し、格納容器の床面のコンクリートを侵食しました。」

格納容器の床面のコンクリートって、あんた、そりゃあ、格納容器がぶち破られたってことじゃね?。

だって、格納容器は鋼鉄製って書いてあるじゃん!。

「④コンクリート構造体(この内側に厚さ約3cmの鋼鉄製格納容器があります)」

つまり、格納容器を支えるコンクリート(気密性は期待できない?)を溶かしながら、冷却によって辛うじて容器内(というか、容器外というか)に留まっているってことなわけだ。

うーん、ヤバ過ぎでね?。

(福島第一原発の原子炉構造図)
http://nikkei225kuroiwa.blog.fc2.com/blog-entry-4340.html

(原子炉(MarkⅠ)構造図詳細版を追加(4月2日):画像参照)
http://blog-imgs-31-origin.fc2.com/n/i/k/nikkei225kuroiwa/BWR_fukushima.jpg

この図を見るとよく分かるが、黄色い色で示された「主隔壁」(1~2mのコンクリート)というのが、格納容器(3cm厚の鋼鉄製)を覆っているが、圧力抑制室は、原子炉建てや内にむき出しになっている。

東電の記述によると、格納容器の底板(鋼鉄製)をぶち抜いて、この主隔壁のコンクリートを侵食しているというのが正しい表現になる(実は、これは誤り)。

(動画で見る炉心溶融)
https://www.youtube.com/watch?v=wwYk62WpV_s

殆ど、イヤミじゃないかとおもえる動画だ。

「独立行政法人・原子力安全基盤機構が事故前に、原子力防災専門官向け資料として作成し­ていた、炉心溶融のシミュレーション画像。」とある。

この中で、ペデスタルという言葉が出てきたので、調べたら、基礎、台などという意味だった。

これが、コンクリート製なんだという。

あれえ?、鋼鉄製の格納容器内に、コンクリートの構造があるのかあ?。

あるんですよ、これが!。

(東京電力:福島第一原子力発電所 1~3号機の炉心損傷状況の推定について)
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_111130_07-j.pdf

この資料の図を見ると明らかなように、格納容器の中に、圧力容器を支える基礎があって、これがどうやらコンクリート製らしい。

この構造物をペデスタルといっているようだ。

で、もう、この東電の資料で一発なんだが、1号機は圧力容器の底を貫通して、大部分の燃料はペデスタルのコンクリートと反応しているらしい。

2号機、3号機は、大部分は圧力容器に残っているらしいが、ペデスタルに一部溶け落ちている(23年11月時点)。

いずれにしても、格納容器内には留まっているとしている。

なんだ、やっと分かった。

しかし、これはあくまでも熱量やガスなどの外部のパラメーターから推定した状況なので、確認されたわけではない。

(福島原子力事故における未確認・未解明事項の調査・検討結果のご報告~ 第1回進捗報告 ~:資料P.37参照)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu13_j/images/131213j0101.pdf

(福島第一原子力発電所1~3号機の炉心・格納容器の状態の推定と未解明問題に関する検討 第1 回進捗報告:PDFのP.164以降参照)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu13_j/images/131213j0102.pdf

どうやら、これが最新のようだが、2号機、3号機の状況が変わってきたようだ。

当初の予想より、ペデスタルに溶け落ちている燃料の量が多いらしい。

まあ、どうでもいいんですが。

しかし、この状況で、燃料を取り出すというのは難しい作業になるだろうな。

コンクリートと一体になってしまっているので、削り取るわけにもいかない。

格納容器の下から、トンネル掘ってアプローチして、掘削してコンクリートごとコア抜きしてトンネルに落とすしかあるまい。

もちろん、トンネルの中は、冷却水を循環させて、掘りぬいたコアを容器に納めてからトンネル外に搬出し、さらに容器ごと運搬して使用済み燃料プールとかで冷却する。

それを繰り返して格納容器の底を完全に抜き、ドライにして完了というわけだ。

圧力容器内の燃料は、上から取り出すしかないが、圧力容器の底にこびりついているのもあるので厄介だな。

おまけに、底が抜けているので、水を張るわけにもいかない。

まあ、なんとかして撤去するしかないが、相当ややっこしいだろう。

今回、いろいろ調べたが、このマークⅠというのは、格納容器を小型化して安価に製造するために圧力抑制室をトーラス型に作るという、沸騰水型の初期の原子炉なんだそうだ。

現在の原子炉設計では、こういう構造は取られない。

欠陥設計ということになっているらしい。

(次に事故を起こすとしたら、Mark-I ・・欠陥原子炉)
http://onodekita.sblo.jp/article/48196829.html

「GEも欠陥だと認めたためか、その後の設計では Mark-IIと呼ばれる下図のような格納容器に変更しています。(炉心の下にプールがある構造)」

何にしても、再稼動に際しては、キッチリと評価して、ダメなものはダメとしていただきたいもんだ。

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