🐼スターリンク衛星は極軌道中心に展開されることになるのか ― 2021年06月22日 23:31
スターリンク衛星は極軌道中心に展開されることになるのか
(SpaceXが西海岸と東海岸から極星リンクの一斉射撃を準備)
https://www.teslarati.com/spacex-starlink-west-east-coast-polar-launch-salvo/
「SpaceXは、東海岸の施設から少なくとも半ダースの極地スターリンク衛星の打ち上げを実行する許可を要求する規制文書を予期せず提出しました。」
(Space Exploration Technologies Corp.(SpaceX)
1014-EX-ST-2021:記事でリンクされているFCCの文書のトップにある申請書)
https://fcc.report/ELS/Space-Exploration-Technologies-Corp-SpaceX/1014-EX-ST-2021
「要求された運用期間
運用開始日: 2021年7月26日
運用終了日: 2022年1月26日」
「緯度:経度:モバイル:(以下略)
北23.1750 西78.5845 自律ドローン船」(小数点浮沈子加筆)
半年の間に6機の打ち上げを予定している(申請内容は同じ)。
ドローン船の配置は、キューバとバハマの間。
記事にもあるように、東海岸から打ち上げる極軌道になる。
もちろん、西海岸のバンデンバーグからも上げる(未確認)。
バンバン上げる(「バン」デンバーグだからな!)。
まあ、どうでもいいんですが。
で、このことが何を意味しているかというのが問題だ。
「〜1584衛星の別の同一の半赤道バッチは、スターリンクフェーズ1コンステレーションを肉付けし、帯域幅密度を改善するために計画されていますが、真のグローバルカバレッジを達成するには、別の〜1250極スターリンク衛星が必要です。スターリンクの最初の約4400衛星フェーズでは、これらの極軌道宇宙船は、軌道と傾斜がわずかに異なる3つの「シェル」に分割され、可能な限りカバレッジの幅が広がります。」(テスラリティの記事:以下同じ)
「特に、極地のスターリンク衛星は、極地の緯度以外の陸上ユーザーだけでなく、地球上のどこでも真に途切れることのないカバレッジを提供します。」(ここ、重要です。)
「レーザーインターリンクがインストールされているため、これらの極軌道衛星は、スターリンクが収益性の高い飛行中および海上通信市場に参入し、空中および海上の人々に前例のない高品質のインターネットを提供することも可能にします。」(さらに重要です!。)
「東海岸の極星リンクの打ち上げは効率が悪く、搭載する衛星の数も少なくなる可能性がありますが、東海岸と西海岸から同時に飛行することで、SpaceXは、通常の赤道打ち上げを実行しながら、わずか12〜18か月で星座の約1250の極衛星を打ち上げることができます。同時に。」
全機クロスリンク(記事では、インターリンクと言ってますが)を有する極軌道衛星コンステレーションの早期展開を意図する申請ということなわけだ。
しかも、効率の悪い東海岸からの打ち上げを強行する。
それは、とりもなおさず、スペースレーザーによる衛星バックボーンの展開を急いでいることを意味する。
なぜに?。
おそらくは、記事にあるような収益性(船舶、航空機など)が最大の理由と思われるが、通信速度の向上と遅延時間の更なる短縮を目指しているのかも知れない。
地上局を介さないでポイントツーポイントでやり取りすることができれば、低レイテンシと理論的には光ファイバーを凌ぐ通信速度を実現することが可能だ。
光衛星間通信は、電波によるそれと異なり、秘匿性が高く妨害に対しても強靭と言われる。
軍事利用としては美味しいところだ。
もちろん、米軍は独自に衛星間光通信を模索している。
将来的には、兵器の誘導なども低軌道コンステレーションのインフラから行うに違いない。
しかも、リッチコンテンツで、地形データとかもくれてやれば、地球の裏側からでも精密誘導が可能だ。
まあ、コテコテの兵器運用に民間インフラを使うかどうかはビミョーだけど、米軍がスターリンクに強い関心を示していることは事実だ。
しかし、このペース(年間24回程度)でスペースXが意図する衛星数を打ち上げ続けることはできない。
1万2千機の衛星群を維持するためには、最低でも年間2400機を上げなければならないし、初期展開にはさらなる機数を上げ続けなければならない。
スペースレーザーを搭載したスターリンク衛星の重量が嵩んで、搭載衛星数が減るようなことがあればなおさらだし、東海岸からの打ち上げの非効率性が影響するようなことがあれば、さらに厳しくなる(未確認)。
つまり、衛星を劇的に小型軽量化して搭載機数を倍増するか、ファルコンヘビーにお出ましいただくか、生煮えのスターシップを投入するしかないのだ。
毎週打ち上げるという手もあるけどな。
それは、なかなか厳しいだろう。
浮沈子は、使い捨てスターシップ(えーと、スーパーヘビーブースターは回収再使用)が現実的な解だと思っているけどな。
そうでなければ、1万2千機は諦めて、もっと少ない運用で凌ぐことになる。
ワンウェブやカイパーは、もっと少ない機数で何とかしようとしているようだから、当面はやってできないことはないだろう。
衛星の性能次第というところか。
極軌道衛星の増加は、そのまま、スペースレーザー搭載機の増加ということになる。
北極や南極に、地上局を多数置くことは困難だからな。
来年からは、中緯度衛星(傾斜角53度くらい)にもスペースレーザーが搭載されることになるらしい。
いよいよ、スターリンクバージョン2が始まるわけだ。
スペースXは、昨年にクロスリンクテストを行っている。
また、極軌道衛星は、既に10機上がっていて、当然スペースレーザーも搭載されている(初期テストのものとは異なるバージョンのようです)。
今後の衛星は、さらにバージョンアップされた第三世代ということになり、コスト的にも低減されているらしい。
自社内生産で、大量に制作して運用するから、ノウハウは急速に蓄積していくだろう。
100億ドルを飲み込むスターリンクが、スペースXのドル箱になるのか、それとも地獄の蓋を開けることになるのかはもうすぐ分かる。
極軌道とスペースレーザーが、そのカギを握っていることは間違いない。
地球の裏側からコントロールされたミサイルが、ピンポイントで降ってくる時代も同時にやってくる。
世の中、いいことばかりは起こらないようだな・・・。
(SpaceXが西海岸と東海岸から極星リンクの一斉射撃を準備)
https://www.teslarati.com/spacex-starlink-west-east-coast-polar-launch-salvo/
「SpaceXは、東海岸の施設から少なくとも半ダースの極地スターリンク衛星の打ち上げを実行する許可を要求する規制文書を予期せず提出しました。」
(Space Exploration Technologies Corp.(SpaceX)
1014-EX-ST-2021:記事でリンクされているFCCの文書のトップにある申請書)
https://fcc.report/ELS/Space-Exploration-Technologies-Corp-SpaceX/1014-EX-ST-2021
「要求された運用期間
運用開始日: 2021年7月26日
運用終了日: 2022年1月26日」
「緯度:経度:モバイル:(以下略)
北23.1750 西78.5845 自律ドローン船」(小数点浮沈子加筆)
半年の間に6機の打ち上げを予定している(申請内容は同じ)。
ドローン船の配置は、キューバとバハマの間。
記事にもあるように、東海岸から打ち上げる極軌道になる。
もちろん、西海岸のバンデンバーグからも上げる(未確認)。
バンバン上げる(「バン」デンバーグだからな!)。
まあ、どうでもいいんですが。
で、このことが何を意味しているかというのが問題だ。
「〜1584衛星の別の同一の半赤道バッチは、スターリンクフェーズ1コンステレーションを肉付けし、帯域幅密度を改善するために計画されていますが、真のグローバルカバレッジを達成するには、別の〜1250極スターリンク衛星が必要です。スターリンクの最初の約4400衛星フェーズでは、これらの極軌道宇宙船は、軌道と傾斜がわずかに異なる3つの「シェル」に分割され、可能な限りカバレッジの幅が広がります。」(テスラリティの記事:以下同じ)
「特に、極地のスターリンク衛星は、極地の緯度以外の陸上ユーザーだけでなく、地球上のどこでも真に途切れることのないカバレッジを提供します。」(ここ、重要です。)
「レーザーインターリンクがインストールされているため、これらの極軌道衛星は、スターリンクが収益性の高い飛行中および海上通信市場に参入し、空中および海上の人々に前例のない高品質のインターネットを提供することも可能にします。」(さらに重要です!。)
「東海岸の極星リンクの打ち上げは効率が悪く、搭載する衛星の数も少なくなる可能性がありますが、東海岸と西海岸から同時に飛行することで、SpaceXは、通常の赤道打ち上げを実行しながら、わずか12〜18か月で星座の約1250の極衛星を打ち上げることができます。同時に。」
全機クロスリンク(記事では、インターリンクと言ってますが)を有する極軌道衛星コンステレーションの早期展開を意図する申請ということなわけだ。
しかも、効率の悪い東海岸からの打ち上げを強行する。
それは、とりもなおさず、スペースレーザーによる衛星バックボーンの展開を急いでいることを意味する。
なぜに?。
おそらくは、記事にあるような収益性(船舶、航空機など)が最大の理由と思われるが、通信速度の向上と遅延時間の更なる短縮を目指しているのかも知れない。
地上局を介さないでポイントツーポイントでやり取りすることができれば、低レイテンシと理論的には光ファイバーを凌ぐ通信速度を実現することが可能だ。
光衛星間通信は、電波によるそれと異なり、秘匿性が高く妨害に対しても強靭と言われる。
軍事利用としては美味しいところだ。
もちろん、米軍は独自に衛星間光通信を模索している。
将来的には、兵器の誘導なども低軌道コンステレーションのインフラから行うに違いない。
しかも、リッチコンテンツで、地形データとかもくれてやれば、地球の裏側からでも精密誘導が可能だ。
まあ、コテコテの兵器運用に民間インフラを使うかどうかはビミョーだけど、米軍がスターリンクに強い関心を示していることは事実だ。
しかし、このペース(年間24回程度)でスペースXが意図する衛星数を打ち上げ続けることはできない。
1万2千機の衛星群を維持するためには、最低でも年間2400機を上げなければならないし、初期展開にはさらなる機数を上げ続けなければならない。
スペースレーザーを搭載したスターリンク衛星の重量が嵩んで、搭載衛星数が減るようなことがあればなおさらだし、東海岸からの打ち上げの非効率性が影響するようなことがあれば、さらに厳しくなる(未確認)。
つまり、衛星を劇的に小型軽量化して搭載機数を倍増するか、ファルコンヘビーにお出ましいただくか、生煮えのスターシップを投入するしかないのだ。
毎週打ち上げるという手もあるけどな。
それは、なかなか厳しいだろう。
浮沈子は、使い捨てスターシップ(えーと、スーパーヘビーブースターは回収再使用)が現実的な解だと思っているけどな。
そうでなければ、1万2千機は諦めて、もっと少ない運用で凌ぐことになる。
ワンウェブやカイパーは、もっと少ない機数で何とかしようとしているようだから、当面はやってできないことはないだろう。
衛星の性能次第というところか。
極軌道衛星の増加は、そのまま、スペースレーザー搭載機の増加ということになる。
北極や南極に、地上局を多数置くことは困難だからな。
来年からは、中緯度衛星(傾斜角53度くらい)にもスペースレーザーが搭載されることになるらしい。
いよいよ、スターリンクバージョン2が始まるわけだ。
スペースXは、昨年にクロスリンクテストを行っている。
また、極軌道衛星は、既に10機上がっていて、当然スペースレーザーも搭載されている(初期テストのものとは異なるバージョンのようです)。
今後の衛星は、さらにバージョンアップされた第三世代ということになり、コスト的にも低減されているらしい。
自社内生産で、大量に制作して運用するから、ノウハウは急速に蓄積していくだろう。
100億ドルを飲み込むスターリンクが、スペースXのドル箱になるのか、それとも地獄の蓋を開けることになるのかはもうすぐ分かる。
極軌道とスペースレーザーが、そのカギを握っていることは間違いない。
地球の裏側からコントロールされたミサイルが、ピンポイントで降ってくる時代も同時にやってくる。
世の中、いいことばかりは起こらないようだな・・・。
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