🐼SLS:WDR:今度はヘリウムチェックバルブ ― 2022年04月11日 08:09
SLS:WDR:今度はヘリウムチェックバルブ
(NASAは次のアルテミスの準備をします私はドレスリハーサルの試みを濡らしました)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/04/05/nasa-prepares-for-next-artemis-i-wet-dress-rehearsal-attempt/
「チームは、アルテミス1号のウェットドレスリハーサルの次の試みの準備を進めており 、テスト中に範囲が利用可能になり、推進剤とガスが回復するまで待ちます。」
・Launch Pad 39Bとモバイルランチャーをテスト用に構成します。これは、起動の準備が必要になる場合と同じです。
・推進剤の装填を進めるために、構成後に発射台から人員と機器を片付ける
・固体ロケットブースター、コアステージ、および暫定極低温推進ステージを含む、打ち上げ構成でのオリオンおよびSLSロケットシステムの電源投入
・ヒューストンのNASAジョンソン宇宙飛行でのオリオン宇宙船のカウントダウンとフライトコントローラーによる指揮のチェックアウトと検証
・ガイダンス、ナビゲーション、制御システム、およびロケット、オリオン、地上システム、および打ち上げ制御センターを含む地上サポートセンター全体で動作するすべての統合ソフトウェアを確認してください。
・範囲内のすべての安全性とシステムの検証とチェック
・試験後の液体酸素と液体水素の排出
・ロケット、宇宙船、地上システムの電源を切り、安全な構成にします
「悪天候、商用ベンダーが提供するガス状窒素供給源の稼働の遅れ、期待どおりに機能しなかったファン」
「2回目のテスト後の検査では、チームが液体水素の装填を続行することを禁止するベントバルブが物理的に閉じた位置に構成されていたため、リモートで開いた位置に命令することができませんでした。その後、バルブの位置が修正されました。」
何事もなければ、この予定通りに進むはずだったんだがな。
(アルテミス1号ウェットドレスリハーサルステータス)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/04/07/artemis-i-wet-dress-rehearsal-status/
「チームは上段エンジンのヘリウムパージ圧力を維持する問題に遭遇しました。」
「最初のトラブルシューティングの後、チームは通常のヘリウムパージを再確立し、ヘリウムフローの制限の原因を特定するための作業を続けています。」
「2日間のテストのカウントダウンは、現在、4月9日土曜日の東部標準時午後5時からステーションへの呼び出しで開始される予定です。T-0は4月11日月曜日の午後2時40分に予定されています。」
ヘリウムバルブの問題(後に判明した原因?)が発生し、この予定はさらに延びたようだ。
しかも、WDRの内容を変更したという。
(アルテミス1号ウェットドレスリハーサルアップデート)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/04/09/artemis-i-wet-dress-rehearsal-update/
「エンジニアは、期待どおりに機能していないヘリウムチェックバルブを特定しました。」
「4月12日火曜日にステーションに電話し、4月14日木曜日にタンキングで再開する予定」
「NASAは、主にコアステージのタンキングと、ケネディの地上システムを使用した暫定極低温推進ステージ(ICPS)での最小限の推進剤操作に焦点を当てた、修正されたウェットドレスリハーサルを進める」
まあ、この先だって、何が起こるかは分からない。
「修正されたテストの後、スペースローンチシステムロケットとオリオン宇宙船はスペースシャトル組立棟(VAB)に戻り、エンジニアがバルブを評価し、必要に応じて交換します。チームは、VABに戻ったらバルブを交換できることに自信を持っています。」
このヘリウムバルブがどこについているかに関しては、明確な情報がないようだ。
(バルブの問題を引用して、NASAは次のカウントダウンテストでSLSコアステージのみをロードします)
https://spaceflightnow.com/2022/04/09/citing-valve-problem-nasa-will-load-only-the-sls-core-stage-in-next-countdown-test/
「NASAによると、エンジニアはSLSの上段に関連する問題のあるヘリウム逆止弁を特定しましたが、機関の声明では、弁がロケットにあるのか、パッド39Bの移動式発射塔にあるのかは明確にされていません。」
「その結果、NASAは、「飛行ハードウェアの安全性を確保するために」極低温推進剤で上段を埋めることはないと述べました。」
そういう中途半端なことでいいのかあ?。
エンジン部分でないことは確かなようだ。
「バルブは暫定的な極低温推進ステージの一部ですが、ステージのRL10エンジンには含まれていません。」
(NASAが遅延し、SLSカウントダウンリハーサルを変更する)
https://spacenews.com/nasa-to-delay-modify-sls-countdown-rehearsal/
「最新の遅延は、SLSの上位ステージである暫定極低温推進ステージ(ICPS)のヘリウムチェックバルブの故障に関連しています。」
この記述を読むと、2段目に装着されているバルブのような感じだけどな。
変更された手順の概要もある。
「ICPSにロードされる液体酸素と液体水素推進剤の量を制限することを計画しています。NASAは、カウントダウンのリハーサルはICPSでの「最小限の推進剤操作」で変更されると述べましたが、どのくらいの推進剤が上段に移送されるかについては詳しく説明しませんでした。」
また手抜きか・・・。
「WDRでの遅延と、ICPSでのヘリウムバルブの交換の必要性により、6月6日から16日まで実行される打ち上げウィンドウの準備ができているSLSの能力に疑問が投げかけられています。」
ああ、無理無理!。
しかも、すっ飛ばした手順の中で起こるかも知れないトラブルは、事前に明確になることなく、それらを内包したまま本番の打ち上げに臨むことになる。
VABに戻し、バルブを交換した後、再度WDRを通しで行う必要があるのではないか(初めの手順通り!)。
何年も遅れてリリースされるわけだからな。
今更、少しくらい先延ばしになったとしても、誰も気にしやしないだろう。
コアステージの推進剤充填だけ行えばいいというのは問題だ(2段目にも、ちっと入れるみたいですが)。
2段目の充填を途中で切り上げて済ませようという根性が気に入らない(所期の圧力が復帰したとはいえ、バルブが故障している状態のままで臨んでいいのかどうかも怪しい)。
こんなんで、本当に大丈夫なのかあ?。
WDRは、本番の打ち上げ前の最後の関門だ。
個別システムを統合し、連続して実施することにより、想定される手順での問題を洗い出し、対策を講じることが出来る。
その中でトラブルが見つかることは想定の範囲内だ。
それに適切に対処出来ればそれでいい。
別に、6月までにどーしてもうち上げなければならない事情があるわけじゃない。
7月でも8月でも、来年でも構わない(そうなのかあ?)。
ちゃんとしたテストをクリアして、本番でこけないようにしないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(NASA新型ロケット「SLS」打ち上げ前のリハーサルが一旦中止される)
https://sorae.info/space/20220408-wet-dress-rehearsal.html
「「SLS(スペースローンチシステム)」初号機の「ウェットドレスリハーサル」が一旦中止」
ヘリウムバルブ問題以前の状況が、良くまとめられている記事。
「途中でカウントダウンをホールドしたり、一度充填した推進剤を抜き取ったりすることで、何らかの問題が生じた際に打ち上げを中断できることも確認されます。」
ああ、そうなんだ・・・・。
浮沈子は、トラブル頻発で中断したり推進剤を抜き取ったりしているんだとばかり思っていたが、意図的にやっているとは知らなかったな(全部が想定内じゃないでしょうけど)。
・避雷塔に合計4回の落雷
・推進剤の充填に“ゴー”の判断
・移動式発射台の密閉区画を加圧するファンに問題
・カウントダウンが再開
・SLSのコアステージに液体酸素を50パーセント充填
・コアステージ内部の圧力を下げるベントバルブ(通気弁、逃がし弁)が閉じた位置のままになっていて、遠隔操作で開くことができない問題
・ウェットドレスリハーサルは一旦中止
・ベントバルブの問題はその後解消
で、ファルコン9は無事に発射され、アキショム1はISSに辿り着いた。
民間の民間による民間のためのISS物見遊山。
まあ、随分前からソユーズではやってたけどな(民間人「だけ」とか、「民間の宇宙船」とかじゃないですけど)。
まあいい。
ヘリウムバルブの問題は、後を引きそうな気がする。
目的としては、エンジンや配管内の残留ガスのパージだが、そのトラブルの原因が気になるところだ。
ほら、スターライナーは、バルブの固着で地上に釘づけにされているからな(あれは、メインエンジンじゃなくて、四酸化二窒素使うから別の話だけどな)。
仮に同じ問題が起こっているとすれば、SLSの打ち上げは数か月単位で遅れる可能性もある(そうなのかあ?)。
VABに戻して、当該バルブだけ交換して済む話なのかどうか。
ICPS(暫定的な極低温推進ステージ)はULAが作っているが(もともと、デルタ4ヘビーの2段目を改修したもんだしな)、実際の作業をどこが行っているかは知らない。
ちなみに、ICPSの由緒正しいエンジン(RL10:米国初の液体水素燃料のエンジン:1962年~)は、スターライナーのバルブを作っているのと同じエアロジェット・ロケットダイン製(元はP&W)だからな。
怪しい・・・。
実に怪しい!。
まあ、どうでもいいんですが。
今週行われるテストが順調にいったとしても、2段目の中途半端な推進剤の注入がもたらすネガは不明だ。
WDRは、やってみなくちゃ分からないトラブルを洗い出すためのテストなわけで、やらないで済ませるということは、その洗い出しが不十分な状態で終わるということなわけだ。
それでいいという評価が、何を根拠に出てきたのかが問題だな。
本番の打ち上げの時には、2段目にもたっぷり推進剤が入れられることになる。
その時に問題が出れば、その段階で対処すればいいということなんだろうか?。
アルテミス1自体が、無人テストだからな。
全部先送りだ・・・。
ドキドキもんだ。
心臓がバクバクする。
ベータ遮断薬でも注入しないとヤバいかもな・・・。
<さらに追加:4月14日追記>ーーーーーーーーーー
(NASAがムーンロケットウェットドレスリハーサルカウントダウンを再開)
https://spaceflightnow.com/2022/04/12/nasa-restarts-moon-rocket-wet-dress-rehearsal-countdown/
「唯一のロケット関連の問題(ブースターの第2ステージでの一方向ヘリウム加圧バルブの問題)は発射台で修正できず、エンジニアは木曜日の燃料補給作業中に当初の計画どおりに超低温極低温推進剤をステージに送り込むことができなくなります。」
やっぱ、ヘリウムバルブはロケット側(ICPS)にくっ付いていたわけだ。
「カウントダウンテストの当初の目標には、両方のステージに液体酸素と水素をロードすることが含まれていました。」
つまり、2段目の燃料は今回は1gも投入できないということなわけだ(配管には流れるようです)。
「上段には推進剤が充填されていませんが、液体酸素と水素は発射台の移送ラインを通ってICPS配管に流れ込み、システムに漏れがないことを確認します。」
「打ち上げ前のある時点で追加の燃料補給テストが必要かどうかはまだわかっていませんが、暫定極低温推進ステージ(ICPS)として知られるSLS上段には、コアステージも満たされない限り推進剤を搭載できません。」
とりあえずは、コアステージだけ満タンにして、いったんVABに戻し、ICPS側のバルブを交換修理して、仕切り直そうということなわけだ。
ハッキリ、最初から、そう言えばいいのに・・・。
「その後何が起こるかはまだわかっていません。」
「追加のテストが必要かどうかによって異なります。」
んなもん、必要に決まってんじゃん!?。
そもそも、ヘリウム逆止弁がなぜ故障したのかも特定されていないわけだから、追加のテストがいつ行われるかは分からない。
これまでのユニットテスト(ICPS側の)では発覚しなかったわけだから、故障が発生した条件も特定できていない。
ひょっとしたら、原因が分からないまま、新しいバルブを組み付けて、テストしないでそのまま本番送りにするかも知れないと言うのだ。
マジか!?。
使い捨てだからな。
特殊条件でだけ起こる現象は、その条件に置かないことで回避すればいいだけの話だ。
何百万もある部品の殆ど全てが、そういう状況にあることを確認できただけでも十分納得できる成果なんだろう。
ロケット側の部品が、(今のところ)たった一つだけの不具合で収まっていること自体が、奇跡的なのかもしれない。
まあ、この先どうなるかは分からないけどな。
コアステージの燃料充填は、たぶん、順調に進むだろう。
ロケット側のテストは、グリーンランである程度確認済だ。
いきなり本番で大丈夫なのかあ?。
燃料でチルトしたり、排出して温めたりすること自体、配管やタンクに負荷を与えることになる。
だから、その回数も管理されていて、一定数以上は行えない。
本番に際しても、天候その他の理由で充填排出を繰り返すことはあるわけだから、ウェットドレスリハーサル(WDR)で、全てのカードを切ってしまうわけにはいかない。
必要な回数を評価しなければならない。
確かに、やらずに済めばそれが一番いい。
その一方で、WDRにおける条件は、おそらく本番より厳しい(広い)範囲に置かれているだろうから、そこで発生するトラブルを見ておく必要もある。
アルテミス1が一発目の打ち上げということもあるからな。
2発目からは、1発目の打ち上げデータを活用することもできるが、初号機には参考にできる実運用データがない。
WDRは、それに代わるものだ。
Test as You Fly, Fly as You Test.
業界で定番となっている標語らしい。
NASAには、初心に還って、じっくり取り組んでもらいたいもんだな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(NASAは、主要な変更を加えて、SLSロケットの燃料補給テストを再開します)
https://arstechnica.com/science/2022/04/nasa-to-restart-fueling-test-of-sls-rocket-with-key-modifications/
「バルブがこの位置にあると、NASAは、当初の計画どおりの「ウェットドレス」テスト中に極低温の酸素と水素を上段にロードするのは安全ではないと感じています。したがって、木曜日のテストでは、タンキング操作中のコアステージ(ロケットの最大かつ最も証明されていない部分)のみに燃料を供給します。」
うーん、これを読むと、ICPSには推進剤は供給されない感じもするな。
「宇宙機関は、加圧されたヘリウムボトルにつながるロケットの上段の逆止弁に問題があるため、このテストを変更することを決定しました。先週、バルブが動かなくなっていることが判明したため、交換する必要があります。」
明快だ。
少なくとも、タンクの中には入れないんだろう(未確認)。
「T-10分からT-10秒までのターミナルカウントダウン中に、ロケットのテスト目標にほぼ25の「重大なイベント」があります。そのうちの2つだけが上段に固有のものだ」
じゃあ、その2つはやらずに済ませるのか。
「暫定極低温推進ステージとして知られる上段は、ユナイテッドローンチアライアンスによって製造され、約4年前にケネディ宇宙センターに納入されました。ただし、SLSのチーフエンジニアであるJohn Blevins氏は、バルブの問題が貯蔵寿命の問題によるものではないと考えていると述べました。問題のチェックバルブは、20年以上機能すると評価されている」
つーことは、あれだな、4年前に納入された時から、ずーっと壊れてたわけだ。
この記事は、エリックバーガーにしては珍しく、SLSに対する「高い・遅い・ダサい」という評価が一切書かれていない。
が、まあ、こんな感じで、あちこちに地雷が埋めてあるわけだ。
「「2日」は「2週間」になります」
「読み込みの3倍—」(標題より:3回目の充填(浮沈子訳))
「彼らは、ロケットが上段とその地上システムの飛行準備を確実にするために、車両全体の2回目のウェットドレステストを受ける可能性があるかどうかについては述べませんでした。」
「次のステップがどのようになると思うかを、何らかの形で実際に述べる準備ができているとは思わない」
「木曜日にテストを行ってから、データを確認する必要があると思います。」
すっ飛ばしたテストを評価することはできないからな。
本番でトラブルにぶち当たるか、運よくすり抜けるか。
たぶん、2回目のウェットドレスリハーサルは行われるだろう。
もちろん、2段目の充填も含めたフルコースで。
途中、何度かのカウントダウンと中断も挟んで、当初予定通り打ち上げ前9.34秒まで行われる。
Test as You Fly, Fly as You Test.
それが筋というもんだ。
ポイントは、バルブ故障の原因だけど、それが判明してもしなくても、再テストは行われる。
それだけで済むかどうかも分からない。
NASAが言うように、「何らかの形で実際に述べる準備ができている」わけではないからな。
一点の曇りもなく、自信をもって送り出すことが出来なければ、スペースシャトルの二の舞になる。
発射台で晒し者になり続けているSLS。
次々と起こるトラブルや、世間の目に耐えながら立ち尽くしている姿を見ると、同情を禁じ得ないな・・・。
(NASAは次のアルテミスの準備をします私はドレスリハーサルの試みを濡らしました)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/04/05/nasa-prepares-for-next-artemis-i-wet-dress-rehearsal-attempt/
「チームは、アルテミス1号のウェットドレスリハーサルの次の試みの準備を進めており 、テスト中に範囲が利用可能になり、推進剤とガスが回復するまで待ちます。」
・Launch Pad 39Bとモバイルランチャーをテスト用に構成します。これは、起動の準備が必要になる場合と同じです。
・推進剤の装填を進めるために、構成後に発射台から人員と機器を片付ける
・固体ロケットブースター、コアステージ、および暫定極低温推進ステージを含む、打ち上げ構成でのオリオンおよびSLSロケットシステムの電源投入
・ヒューストンのNASAジョンソン宇宙飛行でのオリオン宇宙船のカウントダウンとフライトコントローラーによる指揮のチェックアウトと検証
・ガイダンス、ナビゲーション、制御システム、およびロケット、オリオン、地上システム、および打ち上げ制御センターを含む地上サポートセンター全体で動作するすべての統合ソフトウェアを確認してください。
・範囲内のすべての安全性とシステムの検証とチェック
・試験後の液体酸素と液体水素の排出
・ロケット、宇宙船、地上システムの電源を切り、安全な構成にします
「悪天候、商用ベンダーが提供するガス状窒素供給源の稼働の遅れ、期待どおりに機能しなかったファン」
「2回目のテスト後の検査では、チームが液体水素の装填を続行することを禁止するベントバルブが物理的に閉じた位置に構成されていたため、リモートで開いた位置に命令することができませんでした。その後、バルブの位置が修正されました。」
何事もなければ、この予定通りに進むはずだったんだがな。
(アルテミス1号ウェットドレスリハーサルステータス)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/04/07/artemis-i-wet-dress-rehearsal-status/
「チームは上段エンジンのヘリウムパージ圧力を維持する問題に遭遇しました。」
「最初のトラブルシューティングの後、チームは通常のヘリウムパージを再確立し、ヘリウムフローの制限の原因を特定するための作業を続けています。」
「2日間のテストのカウントダウンは、現在、4月9日土曜日の東部標準時午後5時からステーションへの呼び出しで開始される予定です。T-0は4月11日月曜日の午後2時40分に予定されています。」
ヘリウムバルブの問題(後に判明した原因?)が発生し、この予定はさらに延びたようだ。
しかも、WDRの内容を変更したという。
(アルテミス1号ウェットドレスリハーサルアップデート)
https://blogs.nasa.gov/artemis/2022/04/09/artemis-i-wet-dress-rehearsal-update/
「エンジニアは、期待どおりに機能していないヘリウムチェックバルブを特定しました。」
「4月12日火曜日にステーションに電話し、4月14日木曜日にタンキングで再開する予定」
「NASAは、主にコアステージのタンキングと、ケネディの地上システムを使用した暫定極低温推進ステージ(ICPS)での最小限の推進剤操作に焦点を当てた、修正されたウェットドレスリハーサルを進める」
まあ、この先だって、何が起こるかは分からない。
「修正されたテストの後、スペースローンチシステムロケットとオリオン宇宙船はスペースシャトル組立棟(VAB)に戻り、エンジニアがバルブを評価し、必要に応じて交換します。チームは、VABに戻ったらバルブを交換できることに自信を持っています。」
このヘリウムバルブがどこについているかに関しては、明確な情報がないようだ。
(バルブの問題を引用して、NASAは次のカウントダウンテストでSLSコアステージのみをロードします)
https://spaceflightnow.com/2022/04/09/citing-valve-problem-nasa-will-load-only-the-sls-core-stage-in-next-countdown-test/
「NASAによると、エンジニアはSLSの上段に関連する問題のあるヘリウム逆止弁を特定しましたが、機関の声明では、弁がロケットにあるのか、パッド39Bの移動式発射塔にあるのかは明確にされていません。」
「その結果、NASAは、「飛行ハードウェアの安全性を確保するために」極低温推進剤で上段を埋めることはないと述べました。」
そういう中途半端なことでいいのかあ?。
エンジン部分でないことは確かなようだ。
「バルブは暫定的な極低温推進ステージの一部ですが、ステージのRL10エンジンには含まれていません。」
(NASAが遅延し、SLSカウントダウンリハーサルを変更する)
https://spacenews.com/nasa-to-delay-modify-sls-countdown-rehearsal/
「最新の遅延は、SLSの上位ステージである暫定極低温推進ステージ(ICPS)のヘリウムチェックバルブの故障に関連しています。」
この記述を読むと、2段目に装着されているバルブのような感じだけどな。
変更された手順の概要もある。
「ICPSにロードされる液体酸素と液体水素推進剤の量を制限することを計画しています。NASAは、カウントダウンのリハーサルはICPSでの「最小限の推進剤操作」で変更されると述べましたが、どのくらいの推進剤が上段に移送されるかについては詳しく説明しませんでした。」
また手抜きか・・・。
「WDRでの遅延と、ICPSでのヘリウムバルブの交換の必要性により、6月6日から16日まで実行される打ち上げウィンドウの準備ができているSLSの能力に疑問が投げかけられています。」
ああ、無理無理!。
しかも、すっ飛ばした手順の中で起こるかも知れないトラブルは、事前に明確になることなく、それらを内包したまま本番の打ち上げに臨むことになる。
VABに戻し、バルブを交換した後、再度WDRを通しで行う必要があるのではないか(初めの手順通り!)。
何年も遅れてリリースされるわけだからな。
今更、少しくらい先延ばしになったとしても、誰も気にしやしないだろう。
コアステージの推進剤充填だけ行えばいいというのは問題だ(2段目にも、ちっと入れるみたいですが)。
2段目の充填を途中で切り上げて済ませようという根性が気に入らない(所期の圧力が復帰したとはいえ、バルブが故障している状態のままで臨んでいいのかどうかも怪しい)。
こんなんで、本当に大丈夫なのかあ?。
WDRは、本番の打ち上げ前の最後の関門だ。
個別システムを統合し、連続して実施することにより、想定される手順での問題を洗い出し、対策を講じることが出来る。
その中でトラブルが見つかることは想定の範囲内だ。
それに適切に対処出来ればそれでいい。
別に、6月までにどーしてもうち上げなければならない事情があるわけじゃない。
7月でも8月でも、来年でも構わない(そうなのかあ?)。
ちゃんとしたテストをクリアして、本番でこけないようにしないとな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(NASA新型ロケット「SLS」打ち上げ前のリハーサルが一旦中止される)
https://sorae.info/space/20220408-wet-dress-rehearsal.html
「「SLS(スペースローンチシステム)」初号機の「ウェットドレスリハーサル」が一旦中止」
ヘリウムバルブ問題以前の状況が、良くまとめられている記事。
「途中でカウントダウンをホールドしたり、一度充填した推進剤を抜き取ったりすることで、何らかの問題が生じた際に打ち上げを中断できることも確認されます。」
ああ、そうなんだ・・・・。
浮沈子は、トラブル頻発で中断したり推進剤を抜き取ったりしているんだとばかり思っていたが、意図的にやっているとは知らなかったな(全部が想定内じゃないでしょうけど)。
・避雷塔に合計4回の落雷
・推進剤の充填に“ゴー”の判断
・移動式発射台の密閉区画を加圧するファンに問題
・カウントダウンが再開
・SLSのコアステージに液体酸素を50パーセント充填
・コアステージ内部の圧力を下げるベントバルブ(通気弁、逃がし弁)が閉じた位置のままになっていて、遠隔操作で開くことができない問題
・ウェットドレスリハーサルは一旦中止
・ベントバルブの問題はその後解消
で、ファルコン9は無事に発射され、アキショム1はISSに辿り着いた。
民間の民間による民間のためのISS物見遊山。
まあ、随分前からソユーズではやってたけどな(民間人「だけ」とか、「民間の宇宙船」とかじゃないですけど)。
まあいい。
ヘリウムバルブの問題は、後を引きそうな気がする。
目的としては、エンジンや配管内の残留ガスのパージだが、そのトラブルの原因が気になるところだ。
ほら、スターライナーは、バルブの固着で地上に釘づけにされているからな(あれは、メインエンジンじゃなくて、四酸化二窒素使うから別の話だけどな)。
仮に同じ問題が起こっているとすれば、SLSの打ち上げは数か月単位で遅れる可能性もある(そうなのかあ?)。
VABに戻して、当該バルブだけ交換して済む話なのかどうか。
ICPS(暫定的な極低温推進ステージ)はULAが作っているが(もともと、デルタ4ヘビーの2段目を改修したもんだしな)、実際の作業をどこが行っているかは知らない。
ちなみに、ICPSの由緒正しいエンジン(RL10:米国初の液体水素燃料のエンジン:1962年~)は、スターライナーのバルブを作っているのと同じエアロジェット・ロケットダイン製(元はP&W)だからな。
怪しい・・・。
実に怪しい!。
まあ、どうでもいいんですが。
今週行われるテストが順調にいったとしても、2段目の中途半端な推進剤の注入がもたらすネガは不明だ。
WDRは、やってみなくちゃ分からないトラブルを洗い出すためのテストなわけで、やらないで済ませるということは、その洗い出しが不十分な状態で終わるということなわけだ。
それでいいという評価が、何を根拠に出てきたのかが問題だな。
本番の打ち上げの時には、2段目にもたっぷり推進剤が入れられることになる。
その時に問題が出れば、その段階で対処すればいいということなんだろうか?。
アルテミス1自体が、無人テストだからな。
全部先送りだ・・・。
ドキドキもんだ。
心臓がバクバクする。
ベータ遮断薬でも注入しないとヤバいかもな・・・。
<さらに追加:4月14日追記>ーーーーーーーーーー
(NASAがムーンロケットウェットドレスリハーサルカウントダウンを再開)
https://spaceflightnow.com/2022/04/12/nasa-restarts-moon-rocket-wet-dress-rehearsal-countdown/
「唯一のロケット関連の問題(ブースターの第2ステージでの一方向ヘリウム加圧バルブの問題)は発射台で修正できず、エンジニアは木曜日の燃料補給作業中に当初の計画どおりに超低温極低温推進剤をステージに送り込むことができなくなります。」
やっぱ、ヘリウムバルブはロケット側(ICPS)にくっ付いていたわけだ。
「カウントダウンテストの当初の目標には、両方のステージに液体酸素と水素をロードすることが含まれていました。」
つまり、2段目の燃料は今回は1gも投入できないということなわけだ(配管には流れるようです)。
「上段には推進剤が充填されていませんが、液体酸素と水素は発射台の移送ラインを通ってICPS配管に流れ込み、システムに漏れがないことを確認します。」
「打ち上げ前のある時点で追加の燃料補給テストが必要かどうかはまだわかっていませんが、暫定極低温推進ステージ(ICPS)として知られるSLS上段には、コアステージも満たされない限り推進剤を搭載できません。」
とりあえずは、コアステージだけ満タンにして、いったんVABに戻し、ICPS側のバルブを交換修理して、仕切り直そうということなわけだ。
ハッキリ、最初から、そう言えばいいのに・・・。
「その後何が起こるかはまだわかっていません。」
「追加のテストが必要かどうかによって異なります。」
んなもん、必要に決まってんじゃん!?。
そもそも、ヘリウム逆止弁がなぜ故障したのかも特定されていないわけだから、追加のテストがいつ行われるかは分からない。
これまでのユニットテスト(ICPS側の)では発覚しなかったわけだから、故障が発生した条件も特定できていない。
ひょっとしたら、原因が分からないまま、新しいバルブを組み付けて、テストしないでそのまま本番送りにするかも知れないと言うのだ。
マジか!?。
使い捨てだからな。
特殊条件でだけ起こる現象は、その条件に置かないことで回避すればいいだけの話だ。
何百万もある部品の殆ど全てが、そういう状況にあることを確認できただけでも十分納得できる成果なんだろう。
ロケット側の部品が、(今のところ)たった一つだけの不具合で収まっていること自体が、奇跡的なのかもしれない。
まあ、この先どうなるかは分からないけどな。
コアステージの燃料充填は、たぶん、順調に進むだろう。
ロケット側のテストは、グリーンランである程度確認済だ。
いきなり本番で大丈夫なのかあ?。
燃料でチルトしたり、排出して温めたりすること自体、配管やタンクに負荷を与えることになる。
だから、その回数も管理されていて、一定数以上は行えない。
本番に際しても、天候その他の理由で充填排出を繰り返すことはあるわけだから、ウェットドレスリハーサル(WDR)で、全てのカードを切ってしまうわけにはいかない。
必要な回数を評価しなければならない。
確かに、やらずに済めばそれが一番いい。
その一方で、WDRにおける条件は、おそらく本番より厳しい(広い)範囲に置かれているだろうから、そこで発生するトラブルを見ておく必要もある。
アルテミス1が一発目の打ち上げということもあるからな。
2発目からは、1発目の打ち上げデータを活用することもできるが、初号機には参考にできる実運用データがない。
WDRは、それに代わるものだ。
Test as You Fly, Fly as You Test.
業界で定番となっている標語らしい。
NASAには、初心に還って、じっくり取り組んでもらいたいもんだな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(NASAは、主要な変更を加えて、SLSロケットの燃料補給テストを再開します)
https://arstechnica.com/science/2022/04/nasa-to-restart-fueling-test-of-sls-rocket-with-key-modifications/
「バルブがこの位置にあると、NASAは、当初の計画どおりの「ウェットドレス」テスト中に極低温の酸素と水素を上段にロードするのは安全ではないと感じています。したがって、木曜日のテストでは、タンキング操作中のコアステージ(ロケットの最大かつ最も証明されていない部分)のみに燃料を供給します。」
うーん、これを読むと、ICPSには推進剤は供給されない感じもするな。
「宇宙機関は、加圧されたヘリウムボトルにつながるロケットの上段の逆止弁に問題があるため、このテストを変更することを決定しました。先週、バルブが動かなくなっていることが判明したため、交換する必要があります。」
明快だ。
少なくとも、タンクの中には入れないんだろう(未確認)。
「T-10分からT-10秒までのターミナルカウントダウン中に、ロケットのテスト目標にほぼ25の「重大なイベント」があります。そのうちの2つだけが上段に固有のものだ」
じゃあ、その2つはやらずに済ませるのか。
「暫定極低温推進ステージとして知られる上段は、ユナイテッドローンチアライアンスによって製造され、約4年前にケネディ宇宙センターに納入されました。ただし、SLSのチーフエンジニアであるJohn Blevins氏は、バルブの問題が貯蔵寿命の問題によるものではないと考えていると述べました。問題のチェックバルブは、20年以上機能すると評価されている」
つーことは、あれだな、4年前に納入された時から、ずーっと壊れてたわけだ。
この記事は、エリックバーガーにしては珍しく、SLSに対する「高い・遅い・ダサい」という評価が一切書かれていない。
が、まあ、こんな感じで、あちこちに地雷が埋めてあるわけだ。
「「2日」は「2週間」になります」
「読み込みの3倍—」(標題より:3回目の充填(浮沈子訳))
「彼らは、ロケットが上段とその地上システムの飛行準備を確実にするために、車両全体の2回目のウェットドレステストを受ける可能性があるかどうかについては述べませんでした。」
「次のステップがどのようになると思うかを、何らかの形で実際に述べる準備ができているとは思わない」
「木曜日にテストを行ってから、データを確認する必要があると思います。」
すっ飛ばしたテストを評価することはできないからな。
本番でトラブルにぶち当たるか、運よくすり抜けるか。
たぶん、2回目のウェットドレスリハーサルは行われるだろう。
もちろん、2段目の充填も含めたフルコースで。
途中、何度かのカウントダウンと中断も挟んで、当初予定通り打ち上げ前9.34秒まで行われる。
Test as You Fly, Fly as You Test.
それが筋というもんだ。
ポイントは、バルブ故障の原因だけど、それが判明してもしなくても、再テストは行われる。
それだけで済むかどうかも分からない。
NASAが言うように、「何らかの形で実際に述べる準備ができている」わけではないからな。
一点の曇りもなく、自信をもって送り出すことが出来なければ、スペースシャトルの二の舞になる。
発射台で晒し者になり続けているSLS。
次々と起こるトラブルや、世間の目に耐えながら立ち尽くしている姿を見ると、同情を禁じ得ないな・・・。

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