ムーンシップには翼がない:地上に戻れない行ったきりの宇宙船だが何度でも使える ― 2020年06月10日 00:15
ムーンシップには翼がない:地上に戻れない行ったきりの宇宙船だが何度でも使える
NASAがジョークで候補に残したスターシップベースの月面着陸船。
(イーロン・マスク氏が「Starship完成がSpaceXの最優先目標」と宣言)
https://jp.techcrunch.com/2020/06/09/2020-06-08-elon-musk-says-starship-is-now-spacexs-top-priority/
「SpaceXはBlue Origin、Dynecicsと並んでNASAの有人月面基地構築プロジェクトの主契約者3社のひとつに選定された。」
浮沈子は、この宇宙船については、期限までの実現性や運用に関して全く興味がなかった。
出来っこないしな!。
同じ記事では、イーロンマスクがスターシップに資源を集中するとか言ってるが、集中しようが何しようが、吹っ飛ぶものは吹っ飛ぶ!。
「テキサスと平行してフロリダの施設でも開発が行われていたが、SpaceXはその2019年末に、開発をテキサスの施設に集約した。両施設の成果を統合し、集中的にプロトタイプ制作を行い、それを迅速に繰り返す」
やっぱ、フロリダで吹っ飛ばすと、何かと影響が大きいんだろう(テキサスならいいのかあ?)。
「SpaceXでは将来はFalcon 9、Falcon Heavyの両システムをStarshipに置き換えようと計画している。これにより生産ラインが一本化され、再利用性も実現できれば大きなコスト削減が期待できる。」
獲らぬ狸だがな。
「Starhopperと呼ばれる縮小版のプロトタイプに新しく開発したRaptorエンジンを組み込み、地上での燃焼テストに成功した後、フルスケールのプロトタイプの製造が開始された。」
浮沈子の記憶が確かならば、地上試験だけじゃなくて、立派に150m飛行している。
(給水塔に翼を付けた感じのスターホッパーが150mの高度に上がった様だが、注目すべきは水平方向に100m程移動した点かも)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/08/28/9146575
まあ、どうでもいいんですが。
「プロトタイプ3号機、SN3は燃料タンクの圧力テストに失敗、また最近ではSN4がRaptorエンジンの静止燃焼テスト直後に大爆発して失われている。」
「現在、StarshipのSN5を組み立て中だが、さらなるテストのために、SN6とSN7の建造も平行して進められている。」
たぶん、SN5は地上20mで大破、SN6は150mで木っ端微塵(テキトーです)。
SN7で、ようやく給水塔(スターホッパー)と同等のレベルになるが、そこから先には進めない。
ラプター3基の協調制御に苦労することは目に見えている。
高度20kmからの滑空&パワードランディングにこぎつけられるのは、たぶん来年後半。
そんでもって、10機くらいぶっ壊して、ようやく軌道試験(といっても、弾道軌道)に臨むことになる。
イーロンXの記事によれば、LZ-1に着陸することになるらしいが、その前にブースターを作らないとな。
こいつは、基本的にはドローン船に降りることになるらしい。
それだって、10機や20機は物理の神様と技術の女神さまに差し出さないとな。
地球低軌道試験が終わっても、安心はできない。
月軌道へ行くには、タンカーバージョンとのドッキングによる給油という難関を潜り抜けなければならない。
それに費やす試験がどれ程の貢ぎ物を要求することになるのか。
巨大なスターシップが、地球低軌道で給油中に大爆発起こして、デブリばら撒きながら無制御落下するわけだ。
この間の、長征5Bなんてもんじゃない!。
しかも、開発に7年掛かったクルードラゴンと同等以上の有人宇宙船に仕上げなければならない。
2024年のアルテミスはおろか、2030年より前に有人宇宙船で地球低軌道を超えることができたら奇跡だろう。
給油を伴わない有人宇宙船で月周回して戻ってくるにしても、とてもとても2023年なんて無理な話だしな。
そのころまでに、無人輸送機で地球低軌道にスターリンク衛星をばら撒く(一度に400機だそうです)ことができれば、上等の部類だ。
輸送機であれ、完全再使用の軌道打ち上げロケットを手にすることができれば、快挙と言える。
運用コストの削減と高頻度の打ち上げ、大量の衛星の相乗り、デブリ化した衛星の回収、ISSへの大量補給(なんなら、中国の天宮宇宙ステーションに運んでやってもいい)。
積みきれなくて、落下しちまうかもな(無制御ですかあ?)。
まあいい。
今後、10年以内に達成できれば、それで十分だ。
それまでにぶっ壊すロケット(宇宙船含む)は、たぶん、100機じゃ済まないだろう。
ラプターエンジンだって、開発ベースで2000基くらいはお釈迦になる(ブースターのスーパーヘビーは20基に減らして初期開発するようです)。
うーん、その結果、再使用可能な打ち上げロケットが出来たとしても、トータルで考えれば、使い捨てロケットを打ち上げたのと同じくらいの資産を食いつぶすことになるんじゃないのかあ?。
開発費用は、20億ドル以上100億ドル未満、イーロンマスクは50億ドルと見込んでいるが、費用自体はべらぼーな数字ではない。
200億ドルをつぎ込んで、たった1機も上がっていないSLSに比べれば、プロトタイプとはいえ、150m上がったスターシップの勝ちだ(そういうことかあ?)。
テッククランチの月着陸しているムーンシップ(仮称)には、地球大気圏に戻る翼がない。
打ち上げ時こそ、滑らかな表面と尖った先っちょを持つ形態が必要だが、その生涯は宇宙空間で終わる。
二度と地上に戻ることはできないのだ。
まあ、月面と月周回軌道を行ったり来たりすることが想定されているだけだからな。
給油とかは、専用のタンカータイプに月まで来てもらうしかない。
まあ、たぶん、地球低軌道に戻って給油してもらった方が正解だろう。
そんでもって、また、月周回軌道に戻る。
延々とそれを繰り返し、最後には地球大気圏で燃え尽きるか、月に激突するか、太陽周回軌道に廃棄される。
浮沈子的には、地球大気圏に制御落下させてやりたい気がするな。
エネルギー的にはもったいない話なんだろう(月面へ落下させるのがよろしい)。
だが、経済的にはともかく、心情的には、たとえ燃え尽きることになっても、地球に戻してやりたい。
地球の大気の一部となり、一体となっていく。
はやぶさがそうであったように。
多くの宇宙機がそうであったように。
さらに多くのスターリンク衛星がそうなるであろうように。
頼むから、有人機では、決してそうならないように。
「マスク氏は現在軌道上でISSに接続されているCrew Dragonカプセルと乗員であるNASAの宇宙飛行士であるDoug Hurley(ダグ・ハーリー)とBob Behnken(ボブ・ベンケン)の両宇宙飛行士を無事に帰還させることを別にすれば、Starshipの完成がSpaceXにとって最重要の目標だと述べている。」
当然だな。
クルードラゴンがものになるかどうかは、まだ分からないのだ。
スターシップにうつつを抜かすのは、彼らが無事に帰還した後からでいいだろう。
月面着陸なんてのは、100年先でも誰も困らんしな・・・。
NASAがジョークで候補に残したスターシップベースの月面着陸船。
(イーロン・マスク氏が「Starship完成がSpaceXの最優先目標」と宣言)
https://jp.techcrunch.com/2020/06/09/2020-06-08-elon-musk-says-starship-is-now-spacexs-top-priority/
「SpaceXはBlue Origin、Dynecicsと並んでNASAの有人月面基地構築プロジェクトの主契約者3社のひとつに選定された。」
浮沈子は、この宇宙船については、期限までの実現性や運用に関して全く興味がなかった。
出来っこないしな!。
同じ記事では、イーロンマスクがスターシップに資源を集中するとか言ってるが、集中しようが何しようが、吹っ飛ぶものは吹っ飛ぶ!。
「テキサスと平行してフロリダの施設でも開発が行われていたが、SpaceXはその2019年末に、開発をテキサスの施設に集約した。両施設の成果を統合し、集中的にプロトタイプ制作を行い、それを迅速に繰り返す」
やっぱ、フロリダで吹っ飛ばすと、何かと影響が大きいんだろう(テキサスならいいのかあ?)。
「SpaceXでは将来はFalcon 9、Falcon Heavyの両システムをStarshipに置き換えようと計画している。これにより生産ラインが一本化され、再利用性も実現できれば大きなコスト削減が期待できる。」
獲らぬ狸だがな。
「Starhopperと呼ばれる縮小版のプロトタイプに新しく開発したRaptorエンジンを組み込み、地上での燃焼テストに成功した後、フルスケールのプロトタイプの製造が開始された。」
浮沈子の記憶が確かならば、地上試験だけじゃなくて、立派に150m飛行している。
(給水塔に翼を付けた感じのスターホッパーが150mの高度に上がった様だが、注目すべきは水平方向に100m程移動した点かも)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/08/28/9146575
まあ、どうでもいいんですが。
「プロトタイプ3号機、SN3は燃料タンクの圧力テストに失敗、また最近ではSN4がRaptorエンジンの静止燃焼テスト直後に大爆発して失われている。」
「現在、StarshipのSN5を組み立て中だが、さらなるテストのために、SN6とSN7の建造も平行して進められている。」
たぶん、SN5は地上20mで大破、SN6は150mで木っ端微塵(テキトーです)。
SN7で、ようやく給水塔(スターホッパー)と同等のレベルになるが、そこから先には進めない。
ラプター3基の協調制御に苦労することは目に見えている。
高度20kmからの滑空&パワードランディングにこぎつけられるのは、たぶん来年後半。
そんでもって、10機くらいぶっ壊して、ようやく軌道試験(といっても、弾道軌道)に臨むことになる。
イーロンXの記事によれば、LZ-1に着陸することになるらしいが、その前にブースターを作らないとな。
こいつは、基本的にはドローン船に降りることになるらしい。
それだって、10機や20機は物理の神様と技術の女神さまに差し出さないとな。
地球低軌道試験が終わっても、安心はできない。
月軌道へ行くには、タンカーバージョンとのドッキングによる給油という難関を潜り抜けなければならない。
それに費やす試験がどれ程の貢ぎ物を要求することになるのか。
巨大なスターシップが、地球低軌道で給油中に大爆発起こして、デブリばら撒きながら無制御落下するわけだ。
この間の、長征5Bなんてもんじゃない!。
しかも、開発に7年掛かったクルードラゴンと同等以上の有人宇宙船に仕上げなければならない。
2024年のアルテミスはおろか、2030年より前に有人宇宙船で地球低軌道を超えることができたら奇跡だろう。
給油を伴わない有人宇宙船で月周回して戻ってくるにしても、とてもとても2023年なんて無理な話だしな。
そのころまでに、無人輸送機で地球低軌道にスターリンク衛星をばら撒く(一度に400機だそうです)ことができれば、上等の部類だ。
輸送機であれ、完全再使用の軌道打ち上げロケットを手にすることができれば、快挙と言える。
運用コストの削減と高頻度の打ち上げ、大量の衛星の相乗り、デブリ化した衛星の回収、ISSへの大量補給(なんなら、中国の天宮宇宙ステーションに運んでやってもいい)。
積みきれなくて、落下しちまうかもな(無制御ですかあ?)。
まあいい。
今後、10年以内に達成できれば、それで十分だ。
それまでにぶっ壊すロケット(宇宙船含む)は、たぶん、100機じゃ済まないだろう。
ラプターエンジンだって、開発ベースで2000基くらいはお釈迦になる(ブースターのスーパーヘビーは20基に減らして初期開発するようです)。
うーん、その結果、再使用可能な打ち上げロケットが出来たとしても、トータルで考えれば、使い捨てロケットを打ち上げたのと同じくらいの資産を食いつぶすことになるんじゃないのかあ?。
開発費用は、20億ドル以上100億ドル未満、イーロンマスクは50億ドルと見込んでいるが、費用自体はべらぼーな数字ではない。
200億ドルをつぎ込んで、たった1機も上がっていないSLSに比べれば、プロトタイプとはいえ、150m上がったスターシップの勝ちだ(そういうことかあ?)。
テッククランチの月着陸しているムーンシップ(仮称)には、地球大気圏に戻る翼がない。
打ち上げ時こそ、滑らかな表面と尖った先っちょを持つ形態が必要だが、その生涯は宇宙空間で終わる。
二度と地上に戻ることはできないのだ。
まあ、月面と月周回軌道を行ったり来たりすることが想定されているだけだからな。
給油とかは、専用のタンカータイプに月まで来てもらうしかない。
まあ、たぶん、地球低軌道に戻って給油してもらった方が正解だろう。
そんでもって、また、月周回軌道に戻る。
延々とそれを繰り返し、最後には地球大気圏で燃え尽きるか、月に激突するか、太陽周回軌道に廃棄される。
浮沈子的には、地球大気圏に制御落下させてやりたい気がするな。
エネルギー的にはもったいない話なんだろう(月面へ落下させるのがよろしい)。
だが、経済的にはともかく、心情的には、たとえ燃え尽きることになっても、地球に戻してやりたい。
地球の大気の一部となり、一体となっていく。
はやぶさがそうであったように。
多くの宇宙機がそうであったように。
さらに多くのスターリンク衛星がそうなるであろうように。
頼むから、有人機では、決してそうならないように。
「マスク氏は現在軌道上でISSに接続されているCrew Dragonカプセルと乗員であるNASAの宇宙飛行士であるDoug Hurley(ダグ・ハーリー)とBob Behnken(ボブ・ベンケン)の両宇宙飛行士を無事に帰還させることを別にすれば、Starshipの完成がSpaceXにとって最重要の目標だと述べている。」
当然だな。
クルードラゴンがものになるかどうかは、まだ分からないのだ。
スターシップにうつつを抜かすのは、彼らが無事に帰還した後からでいいだろう。
月面着陸なんてのは、100年先でも誰も困らんしな・・・。
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