🚀アルテミス:耐熱シールドの泥沼2024年09月05日 17:47

アルテミス:耐熱シールドの泥沼


(スターライナーの後、NASAは有人宇宙飛行のもう一つの大きな決断を下す必要がある)
https://arstechnica.com/space/2024/09/after-starliner-nasa-has-another-big-human-spaceflight-decision-to-make/

「NASA がどのような決定を下すにせよ、すぐに公式決定が出るとは期待できない。米国大統領選挙前にこの政治的泥沼に手を出したいと思う人は誰もいないし、来年まで続く可能性もある。」

記事の中で提案されている方法は次の通り。

➀ アルテミスIIをオリオンがアルテミスIで使用したのと同様の熱シールドで飛ばす

➁ NASAが設計を見直して新しい熱シールドを構築する

➂ NASA は、アルテミス II ミッションを無人飛行させ、アルテミス I では装備されなかった新しい生命維持装置と熱シールドをテストする

➁や➂では、数年の遅れが生じることは間違いないし、予算も(特に➂では)べらぼーに膨れ上がる。

「アルスが話を聞いたほとんどの人は、NASA はおそらく耐熱シールドをそのままにして飛行するだろうと考えている。」

おっと、選択肢は➀なわけだ・・・。

「NASA のエンジニアは、アルテミス II の期間中に耐熱シールドを保護する最善の方法は、地球の大気圏を通過する軌道を変えることだと考えている」

具体的にはどういうことか。

「アルテミス I では、宇宙船は「スキップ」再突入プロファイルをたどりました。このプロファイルでは、オリオンは大気圏に突入し、再び宇宙空間にスキップし、最後に大気圏に降下しました。これにより、オリオンの着水位置を正確に制御し、機体にかかる重力を軽減することができました。」

この軌道には、しかしデメリットがあった・・・。

「NASA のエンジニアは、アルテミス I で観察されたひび割れの問題は、大気の熱にさらされる時間が長かったことが原因だと考えています。」

で、どうするのか。

「他のオプションとして、重力の面で乗組員にとってより厳しい急勾配の軌道をとる弾道再突入や、ミニチュア スキップを伴う直接再突入があります。」

「軌道が急勾配であれば、オリオンの耐熱シールドが大気の熱と空気抵抗にさらされる時間が短くなります。」

「つまり、理論上は、アルテミス II でオリオンが大気圏に再突入したときに観察される損傷が少なくなるということです。」

そう上手くいくのかあ?。

「エンジニアたちは、より急な軌道での熱シールドの性能についてはおそらく正しいだろうが、設計どおりに熱シールドをそのようなプロファイルで飛行させなければ、確実に知る方法はない。」

で、➂の選択肢が出てくるわけだ。

スケジュールや予算を考えなければ、これしかない。

➂には、熱シールドをそのままにして、再突入軌道を急降下にするだけというバリエーションもある。

無人飛行をもう一度行うわけだ。

それで行けることが確認されれば、安心して先に進むことが出来る(そうなのかあ?)。

「NASA が既存の耐熱シールドをより急な軌道で飛行させると、反対意見が出る可能性があります。スターライナーの審議プロセスで観察されたように、NASA の安全コミュニティは声を上げる勇気をもらいました。同様に、NASA の安全コミュニティの中には、アルテミス 1 号の予期せぬ損傷を受けて耐熱シールドをそのまま飛行させることに懸念を表明する人もいます。」

軌道を変えて急降下させればOKということなら、その選択肢はアリだろう。

新たな耐熱シールドを開発する必要もないしな。

➁を選択するより、少なくとも時間の節約にはなる。

ただし、中に乗り込んでいる宇宙飛行士には過酷な選択になるし、回収地点の精度が落ちることは避けられない。

これらは、複合的に安全を阻害することになる。

やっぱ、ベストは新たな耐熱シールドを開発し、無人試験飛行(「スキップ」再突入プロファイルで)を経て、改めて有人飛行に臨むのが筋だ。

オリオンは、人類が所有する深宇宙への唯一の宇宙船だ(ソユーズ宇宙船もそうだという話もあるが、ロシアには深宇宙に打ち上げるロケットがない!)。

ここは、じっくりと腰を据えて、ベストな選択を行うべきだろうな。

たとえ中国に先を越されることになったとしても、んなことは別に構わんじゃないか。

「NASA がどのような決定を下すにせよ、すぐに公式決定が出るとは期待できない。米国大統領選挙前にこの政治的泥沼に手を出したいと思う人は誰もいないし、来年まで続く可能性もある。」(再掲)

泥沼か・・・。

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