😼欧州大戦争:停戦協議:不合意 ― 2025年05月14日 05:02
欧州大戦争:停戦協議:不合意
(ロシア、ウクライナと真剣な協議の用意=外務次官)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/CUIICNQFKNMCBP2DVVPVUHY2DA-2025-05-13/
「「交渉の準備ができているのか」という質問は、ウクライナを支援する国々とウクライナ自身に向けられるべきだと指摘。現状のウクライナ側のアプローチは「不合意」を意味する」(ロシアのリャプコフ外務次官)
ロシアが事態をどう見ているのかは明らかだな。
(米政権のウィットコフ・ケロッグ特使、15日にトルコ訪問=関係筋)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/7PVHNV3NFVI5TDJGEGJPRCKMLY-2025-05-13/
「米政府高官は15日にイスタンブールで予定される協議にロシア政府が代表者を送るかは、現時点では分からないとしている。」
「ロシアは現時点でプーチン氏がトルコを訪問するか明確に示していない。 米政府当局者は、ロシア政府は15日早朝まで何も公表しないとの見方を示している。」
「まずトルコの首都アンカラに向かい、トルコのエルドアン大統領と会談し、プーチン大統領が直接協議に出席するのであれば、イスタンブール入りする」( ウクライナのゼレンスキー大統領)
まあ、無難な選択だろう。
米国は、マルコルビオ国務長官、スティーブン・ウィトコフ特使、キースケロッグ特使と閣僚級を送り込もうとしているが、ロシアがどういう体勢で臨むかは見えない。
浮沈子は、ラブロフも出さないと見ている。
ゼレンスキーはアンカラからUターンし、米国とロシアの実務者協議だけが行われる。
まあ、そんなところか。
大山鳴動して鼠も出ない。
が、こういう動きがあったことは良かった。
次につながる可能性がある。
ロシアが、どういう条件で交渉しようとしているのかを探ることが出来るし、イスタンブール合意に立ち返るというプーチンのスタンスがどの程度の強度なのかを確認できるからな。
一方、政治レベルと実務レベルでのニュアンスの違いは、明確に意識しなければならない。
リャプコフ外務次官の見立ては、あくまで実務レベルの話だ。
イスタンブールでの直接協議再開の提案は、おそらく政治レベルで出てきた話だろうが、現場は冷めている。
「「交渉の準備ができているのか」という質問は、ウクライナを支援する国々とウクライナ自身に向けられるべきだ」(再掲)
ロシアの交渉条件のハードルは、米国をはじめとする西側が想定しているよりはるかに高いだろう。
そして、それが今後低くなる方向へ動くという公算は皆無だ。
2年前の反転攻勢の失敗、その背景となったウクライナの動員体制の欠陥、とどめを刺した米国の政権交代。
既に100日停戦のプランは崩壊し、トランプ政権は窮地に立たされている。
まあ、そこまでではないにしても、面目丸潰れだ。
米国は米国のロジックに従って動く。
ロシアに合わせるわけでも、欧州に合わせるわけでも、ましてやウクライナに合わせるわけでもない。
自国にポイントが入るかどうかを見極めて、冷静に動くだろう。
サプライズはないのか。
ゼレンスキーがアンカラに立ち寄るというところがミソかもしれない。
そう、イスタンブールではなく、アンカラでプーチンとの直接交渉が行われる可能性はある(そうなのかあ?)。
そこにトランプが合流するという仕掛けだ。
べつにアンカラでなくても、第三国でも構わないが、浮沈子はラブロフとトルコのフィダン外相が電話会談を行ったというロシア側の発表に注目している(N社報道)。
プーチンはゼレンスキーの正当性に疑問を投げかけているからな。
「交渉」の相手とは見做さないだろう。
が、会う会わないの話なら別だ。
交渉は別のチャンネルで行い、信頼醸成措置の一環としてトップ会談を行う。
あり得ない話じゃない。
プーチンは逃げたと非難されることもない。
交渉じゃないから、何か成果を出す必要もない。
でもなあ、ロシアがそこまでサービスするかどうかは何とも言えない。
米国にポイントを稼がせようと配慮するとかな。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、サプライズはないと思ってるけどな。
西側は、様々な思惑を振り回して情報戦を仕掛けているけど、ロシアがそれに付き合う必要はない。
トランプは予定通り中東歴訪を終えて帰国する。
米ロ閣僚級の話し合いはイスタンブールで行われるだろうが、その成果は皆無だろう。
停戦や交渉の当事国でありながら、ウクライナの出る幕はない。
ロシアは停戦条件の一つとして、西側からの武器供与の停止を示唆しているというから、米国がそれを示せば、何らかの進展が期待できるかもしれない。
それはトランプ政権の方針とも一致しているしな。
欧州は相変わらず蚊帳の外だが、その方向で停戦が動くことになれば、阻害要因として西側陣営に亀裂が入ることになる。
それは、プーチンにとっても思う壺に違いない。
何かが出てくるとしても、せいぜいそのくらいだろう。
「リャプコフ氏はウクライナ戦争における「現場の」現状を認識すべきだと表明。これにはロシアが占領するウクライナ領のロシアへの編入も含まれるとした。」(初出のロイターの記事より)
衣の下からは、相変わらず鎧が覗いている。
ロシアは、単にゼレンスキー政権を排除するだけじゃ不十分なのだ。
未来永劫、二度とロシアにたてつくことが出来ないように、ウクライナ自らが政権を葬ることを望んでいる。
ありえねー・・・。
浮沈子は、我が国のように無条件降伏でもしない限り、紛争の種は尽きないと見ている。
もちろん、それだけじゃない。
西側が支援を続けたこと、ウクライナの次がどこかということ、欧州がそれに対してどう出るかということも含めて、ウクライナ紛争は長期にわたって尾を引くことになる。
これは、欧州大戦争の始まりに過ぎない。
為す術無く見ているだけならロシアの思う壺だし、対ロシア戦線を強化しようと欧州が軍備を増強すればドンパチのリスクは高まる。
どっちにしても、避けては通れない。
ロシアが決して手出しできない強固な体制を欧州が採れるかどうかが見ものだが、浮沈子はムリポと見ている。
まあいい。
誰が何かを言ったとしても、情報戦(=嘘八百の拡散)が乱れ飛ぶ時代に、まともに信じる気にはなれない。
何がどうなっているのかを探り、真実の細い糸を手繰っていくしかない。
その先に、どれだけ突飛な結末が待っていたとしても、それが来るべき未来の世界だからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーーー
(ウクライナの反撃は失敗、ロシアはポコルフスクの破壊を決意)
https://www.vietnam.vn/ja/ukraine-phan-cong-khong-thanh-nga-quyet-danh-sap-pokorvsk
「最近の綱引きは、ウクライナ軍の本質的な弱点を明らかに露呈した。綿密に練られた戦闘計画を持っているにもかかわらず、実際の戦場での展開と対応においては有効性が欠けていたのだ。それどころか、ロシア側は戦闘経験と柔軟な調整能力において優位性を示し、決定的な瞬間に状況を好転させる方法を常に知っていた。」
「戦闘が激化し続けるにつれ、獲得あるいは喪失した土地の1インチごとに戦争の均衡が崩れる可能性がある。激戦地となりつつあるソロネ川防衛線は、ロシアとウクライナの状況全体の次の転換点となる戦略的な要衝となる可能性が高い。」
まあ、ベトナムのメディアだから、それなりの眉唾で見る必要があるけど、ロシア側から見る戦場の現実って概ねこうなんだろうという参考にはなる。
(プーチン氏はトルコ入りせず?ロシアは直接協議に外相派遣…ゼレンスキー氏「交渉はプーチンと行うべきだ」)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250514-OYT1T50078/#google_vignette
「露側はセルゲイ・ラブロフ外相とユーリー・ウシャコフ大統領補佐官が出席する見通し」(米紙ワシントン・ポスト:露側関係者の話)
米国が国務長官出してきたからな。
応じた形だ。
このまま行くと、米ロ高官級会議ということになり、結果としてウクライナ不在の調整が行われる可能性がある。
つーか、それが濃厚になってきている。
やっぱ、サプライズはないだろう・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ外相、トルコ訪問へ)
https://nordot.app/1295310799676572579
「ウクライナ外務省は14日、シビハ外相が北大西洋条約機構(NATO)非公式外相会合が開かれるトルコ南部アンタルヤを訪問すると発表」
うーん、外相級協議でケリだな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア、交渉団メンバー明らかにせず 「プーチン氏の指示あれば公表」)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/TQGORKSG7JOJ5CBWPZMUB73SBY-2025-05-14/
「ロシアの代表団の構成を明らかにできるかとの質問に「大統領から指示があれば明らかにする」」(ペスコフ大統領報道官)
「プーチン大統領のウクライナとの直接交渉の申し出は「いまも有効」」
「ロシアの代表団は5月15日にイスタンブールでウクライナの代表団を出迎える」
「ルビオ国務長官、ウィットコフ特使(中東担当)、ケロッグ特使(ロシア・ウクライナ担当)を派遣する方針」(米国)
ちなみに、キースケロッグは、3月にロシア担当を外されている(あまりにウクライナ寄りで、ロシアから拒否されたと言われる)。
まあいい。
ウクロインフォルムは、興味深い世論調査の記事を上げている。
(82%のウクライナ国民、ロシアの「和平計画」を否定)
https://www.ukrinform.jp/rubric-society/3992943-noukuraina-guo-minroshiano-he-ping-ji-huawo-fou-ding.html
「研究所は、ウクライナの全ての地域で、大半の回答者がロシアの要求への完全な否定を表明し、和平のために同要求を受け入れる準備があるのはわずかだったと指摘」(研究所:キーウ国際社会学研究所)
つまりだな、ロシアと停戦するためには、彼らが納得する必要があるわけだ。
ロシア案として示されている条件は以下の通り。
「ロシアの条件付き案:
・ウクライナは軍を大幅に縮小し、武装を制限しなければならない
・ウクライナはNATO加盟を永久に放棄する
・ヘルソン市、ザポリッジャ市、そしてドネツィク・ザポリッジャ・ヘルソン(編集注:ママ。ルハンシク州の間違いだと思われる)各州の全域がロシア支配下に入る
・ウクライナは全ての占領地をロシア領と正式に認め、永久に放棄する
・ウクライナはEU加盟に向かう
・米国と欧州はロシアへのすべての制裁を解除する」
領土の支配地域については、多少妥協の余地(現時点での支配地域まで)があるかもしれないが、武装解除、NATO加盟放棄、西側制裁解除(これは、ウクライナ国民に決定権はないだろう)は譲れないところだろう。
制裁解除については、時間軸の設定についても調整が入ると思われる。
細部にわたっては、更にウクライナが譲歩する必要があるに違いない。
([深層NEWS]ロシアの停戦協議、東野篤子教授「時間稼ぎ」…ウクライナの「恒久的な中立国」化にこだわり)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250514-OYT1T50158/
「ロシアがウクライナを「恒久的な中立国」とする2022年の停戦案にこだわっている」(筑波大の東野篤子教授)
「ロシアが譲歩しているような雰囲気を作っているが、中身は変わっていない」
ロシアは、そんな雰囲気を作ったことはないんじゃないのかあ?。
少なくとも浮沈子は見た記憶はない。
そこんところは、ウクライナ紛争をおっぱじめた一丁目一番地だからな。
例え100年かかろうとも譲ることはないだろう。
むしろ、そこが変わっちまったとしたら大いに驚きなわけだ。
「時間稼ぎだ。交渉を長引かせて戦闘を続けるのがロシアの思惑だ」(倉井高志・元ウクライナ大使)
ロシアは、別に時間稼ぎをする必要はない。
停戦を求め、時間に追われているのは米国とウクライナだけだ。
欧州も、時間的制約は感じていないだろう。
あるとすれば、ロシアと直接向かい合うための準備を急ぐ必要という話だが、それはそもそも実現不可能だからな(そうなのかあ?)。
欧州は、常にロシアの脅威を低く見積もり、米国の支援を書かく見積もることで自らの負担を軽減し続けてきた。
もう、それに慣れっこになっていて、先日も核兵器の脅威増大に対して米国からピシャリと窘められている(仏外相のぼやき)。
んなんは、自分で何とかせい!(マルコルビオ)。
まあ、どうでもいいんですが。
プーチンは、マイペースでウクライナにおける軍事侵攻を続ける。
要求の核心は下げない。
それどころか、領土的要求は、今後、時間と共に自然増していくだろう(もちろん、「自然」じゃないけど)。
スムイ州やハルキウ州では、一部領土を支配地域としているし、ドニプロペトロウシク州への侵攻は時間の問題となった。
これらは、いずれもウクロインフォルムの記事に掲げられたロシア案の領土要求には含まれていないからな。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア外相、イスタンブールのウクライナ和平協議に参加せず=ロシア紙)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/WQ4L4MITRFM2PFDVHWMHP3PQ7I-2025-05-14/
「ロシアのラブロフ外相は、15日にトルコのイスタンブールで予定されているロシアとウクライナの和平協議に参加しない。」(ロシア紙コメルサント)
おっと、やっぱラブロフは出さないのか。
(ウクライナとの直接協議、プーチン氏欠席か トランプ氏も参加見送り)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/PXCTEQ7ZEFMKZGXEEB6OATRMRU-2025-05-14/
「代表団にはメジンスキー大統領補佐官、フォミン国務次官、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のコスチュコフ局長らが含まれる。」(ロシア大統領府(クレムリン)のウェブサイトに掲載された大統領令)
(直接協議 ロシア側はメジンスキー大統領補佐官らが出席へ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250515/k10014806271000.html
「メジンスキー氏が団長をつとめ、ガルージン外務次官と軍参謀本部のコスチュコフ情報総局長、それにフォミン国防次官らが出席するとしています。」
「メジンスキー氏は2022年にトルコのイスタンブールで行われたロシアとウクライナによる対面での停戦交渉で、ロシア側のトップを務めた人物です。」
ロシアが描くストーリーを、そのまま形にしたわけだ。
これは、イスタンブール合意を巡る西側の介入を排し、当事者だけによる「直接交渉」を再現しようとする試みだ。
米国側は、あくまでも立ち合いということになる(そうなのかあ?)。
ウクライナは、外相級で応じるんだろうか?。
ロシアは、次官級を揃えている。
ボタンの掛け違いだな。
西側がどう応じるかが焦点となった。
米国の対応も注目だろう。
ロシアのシナリオに乗るのか、突っぱねるかの問題だ。
実務者級を充ててきたロシアの一手は、プーチンの固い意志の表出でもある。
翻弄される西側の対応。
どうも、米国は事前通知を貰っているようだな。
(トランプ氏、ウクライナ・ロシア和平交渉参加の可能性低いと示唆)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-14/SW9FN1T0AFB400
「プーチン氏が現れるか、分からない。私に来て欲しいとプーチン氏が考えていることは知っている。その可能性はある。戦争を終わらせることができるなら、それは考える」「スケジュールはかなり厳しい。だが、多くの人命を救うため、それをしないということではない」(トランプ氏)
イスタンブール交渉が再開されるということになれば、この3年間の戦闘の意義を問われることになる。
そういう歴史的構図を描くための、極めて戦略的な意図を感じる。
当事者同士の問題に、西側が介入してウクライナを誑かして悲劇を生んだのだと。
プーチンは、ウクライナとの和解について、最近も言及している。
(ウクライナとの和解は不可避 「時間の問題」とプーチン大統領)
https://nordot.app/1291929484104483184?c=110564226228225532
「現在、われわれが経験している悲劇にもかかわらず避けられないと思う。時間の問題だ」(シアのプーチン大統領)
「トランプ米政権が和平仲介を図る中で、いずれは戦争を終結させる意思を示した発言とみられる。」
「核兵器を使用しなくても侵攻を「ロシアに必要な結果で終わらせる十分な力と手段がある」と自信を示した。」
核の使用はともかく、「ロシアに必要な結果で終わらせる十分な力と手段がある」というところがミソだな。
つまり、通常兵器によるドンパチの継続によって、この紛争をロシアの意図する形で終結させるつもりなわけだ。
記事では、プーチン自身が「和解」という表現を使ったかどうかは明らかではないが、ウクライナ紛争を「悲劇」として描こうとしていることは確認できる。
ロシアは、ロシアの時間で物事を運ぼうとしている。
どちらの時間で世界が動いているかは、すぐに明らかになるだろう・・・。
(ロシア、ウクライナと真剣な協議の用意=外務次官)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/CUIICNQFKNMCBP2DVVPVUHY2DA-2025-05-13/
「「交渉の準備ができているのか」という質問は、ウクライナを支援する国々とウクライナ自身に向けられるべきだと指摘。現状のウクライナ側のアプローチは「不合意」を意味する」(ロシアのリャプコフ外務次官)
ロシアが事態をどう見ているのかは明らかだな。
(米政権のウィットコフ・ケロッグ特使、15日にトルコ訪問=関係筋)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/7PVHNV3NFVI5TDJGEGJPRCKMLY-2025-05-13/
「米政府高官は15日にイスタンブールで予定される協議にロシア政府が代表者を送るかは、現時点では分からないとしている。」
「ロシアは現時点でプーチン氏がトルコを訪問するか明確に示していない。 米政府当局者は、ロシア政府は15日早朝まで何も公表しないとの見方を示している。」
「まずトルコの首都アンカラに向かい、トルコのエルドアン大統領と会談し、プーチン大統領が直接協議に出席するのであれば、イスタンブール入りする」( ウクライナのゼレンスキー大統領)
まあ、無難な選択だろう。
米国は、マルコルビオ国務長官、スティーブン・ウィトコフ特使、キースケロッグ特使と閣僚級を送り込もうとしているが、ロシアがどういう体勢で臨むかは見えない。
浮沈子は、ラブロフも出さないと見ている。
ゼレンスキーはアンカラからUターンし、米国とロシアの実務者協議だけが行われる。
まあ、そんなところか。
大山鳴動して鼠も出ない。
が、こういう動きがあったことは良かった。
次につながる可能性がある。
ロシアが、どういう条件で交渉しようとしているのかを探ることが出来るし、イスタンブール合意に立ち返るというプーチンのスタンスがどの程度の強度なのかを確認できるからな。
一方、政治レベルと実務レベルでのニュアンスの違いは、明確に意識しなければならない。
リャプコフ外務次官の見立ては、あくまで実務レベルの話だ。
イスタンブールでの直接協議再開の提案は、おそらく政治レベルで出てきた話だろうが、現場は冷めている。
「「交渉の準備ができているのか」という質問は、ウクライナを支援する国々とウクライナ自身に向けられるべきだ」(再掲)
ロシアの交渉条件のハードルは、米国をはじめとする西側が想定しているよりはるかに高いだろう。
そして、それが今後低くなる方向へ動くという公算は皆無だ。
2年前の反転攻勢の失敗、その背景となったウクライナの動員体制の欠陥、とどめを刺した米国の政権交代。
既に100日停戦のプランは崩壊し、トランプ政権は窮地に立たされている。
まあ、そこまでではないにしても、面目丸潰れだ。
米国は米国のロジックに従って動く。
ロシアに合わせるわけでも、欧州に合わせるわけでも、ましてやウクライナに合わせるわけでもない。
自国にポイントが入るかどうかを見極めて、冷静に動くだろう。
サプライズはないのか。
ゼレンスキーがアンカラに立ち寄るというところがミソかもしれない。
そう、イスタンブールではなく、アンカラでプーチンとの直接交渉が行われる可能性はある(そうなのかあ?)。
そこにトランプが合流するという仕掛けだ。
べつにアンカラでなくても、第三国でも構わないが、浮沈子はラブロフとトルコのフィダン外相が電話会談を行ったというロシア側の発表に注目している(N社報道)。
プーチンはゼレンスキーの正当性に疑問を投げかけているからな。
「交渉」の相手とは見做さないだろう。
が、会う会わないの話なら別だ。
交渉は別のチャンネルで行い、信頼醸成措置の一環としてトップ会談を行う。
あり得ない話じゃない。
プーチンは逃げたと非難されることもない。
交渉じゃないから、何か成果を出す必要もない。
でもなあ、ロシアがそこまでサービスするかどうかは何とも言えない。
米国にポイントを稼がせようと配慮するとかな。
まあ、どうでもいいんですが。
浮沈子的には、サプライズはないと思ってるけどな。
西側は、様々な思惑を振り回して情報戦を仕掛けているけど、ロシアがそれに付き合う必要はない。
トランプは予定通り中東歴訪を終えて帰国する。
米ロ閣僚級の話し合いはイスタンブールで行われるだろうが、その成果は皆無だろう。
停戦や交渉の当事国でありながら、ウクライナの出る幕はない。
ロシアは停戦条件の一つとして、西側からの武器供与の停止を示唆しているというから、米国がそれを示せば、何らかの進展が期待できるかもしれない。
それはトランプ政権の方針とも一致しているしな。
欧州は相変わらず蚊帳の外だが、その方向で停戦が動くことになれば、阻害要因として西側陣営に亀裂が入ることになる。
それは、プーチンにとっても思う壺に違いない。
何かが出てくるとしても、せいぜいそのくらいだろう。
「リャプコフ氏はウクライナ戦争における「現場の」現状を認識すべきだと表明。これにはロシアが占領するウクライナ領のロシアへの編入も含まれるとした。」(初出のロイターの記事より)
衣の下からは、相変わらず鎧が覗いている。
ロシアは、単にゼレンスキー政権を排除するだけじゃ不十分なのだ。
未来永劫、二度とロシアにたてつくことが出来ないように、ウクライナ自らが政権を葬ることを望んでいる。
ありえねー・・・。
浮沈子は、我が国のように無条件降伏でもしない限り、紛争の種は尽きないと見ている。
もちろん、それだけじゃない。
西側が支援を続けたこと、ウクライナの次がどこかということ、欧州がそれに対してどう出るかということも含めて、ウクライナ紛争は長期にわたって尾を引くことになる。
これは、欧州大戦争の始まりに過ぎない。
為す術無く見ているだけならロシアの思う壺だし、対ロシア戦線を強化しようと欧州が軍備を増強すればドンパチのリスクは高まる。
どっちにしても、避けては通れない。
ロシアが決して手出しできない強固な体制を欧州が採れるかどうかが見ものだが、浮沈子はムリポと見ている。
まあいい。
誰が何かを言ったとしても、情報戦(=嘘八百の拡散)が乱れ飛ぶ時代に、まともに信じる気にはなれない。
何がどうなっているのかを探り、真実の細い糸を手繰っていくしかない。
その先に、どれだけ突飛な結末が待っていたとしても、それが来るべき未来の世界だからな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーーー
(ウクライナの反撃は失敗、ロシアはポコルフスクの破壊を決意)
https://www.vietnam.vn/ja/ukraine-phan-cong-khong-thanh-nga-quyet-danh-sap-pokorvsk
「最近の綱引きは、ウクライナ軍の本質的な弱点を明らかに露呈した。綿密に練られた戦闘計画を持っているにもかかわらず、実際の戦場での展開と対応においては有効性が欠けていたのだ。それどころか、ロシア側は戦闘経験と柔軟な調整能力において優位性を示し、決定的な瞬間に状況を好転させる方法を常に知っていた。」
「戦闘が激化し続けるにつれ、獲得あるいは喪失した土地の1インチごとに戦争の均衡が崩れる可能性がある。激戦地となりつつあるソロネ川防衛線は、ロシアとウクライナの状況全体の次の転換点となる戦略的な要衝となる可能性が高い。」
まあ、ベトナムのメディアだから、それなりの眉唾で見る必要があるけど、ロシア側から見る戦場の現実って概ねこうなんだろうという参考にはなる。
(プーチン氏はトルコ入りせず?ロシアは直接協議に外相派遣…ゼレンスキー氏「交渉はプーチンと行うべきだ」)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250514-OYT1T50078/#google_vignette
「露側はセルゲイ・ラブロフ外相とユーリー・ウシャコフ大統領補佐官が出席する見通し」(米紙ワシントン・ポスト:露側関係者の話)
米国が国務長官出してきたからな。
応じた形だ。
このまま行くと、米ロ高官級会議ということになり、結果としてウクライナ不在の調整が行われる可能性がある。
つーか、それが濃厚になってきている。
やっぱ、サプライズはないだろう・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(ウクライナ外相、トルコ訪問へ)
https://nordot.app/1295310799676572579
「ウクライナ外務省は14日、シビハ外相が北大西洋条約機構(NATO)非公式外相会合が開かれるトルコ南部アンタルヤを訪問すると発表」
うーん、外相級協議でケリだな・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア、交渉団メンバー明らかにせず 「プーチン氏の指示あれば公表」)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/TQGORKSG7JOJ5CBWPZMUB73SBY-2025-05-14/
「ロシアの代表団の構成を明らかにできるかとの質問に「大統領から指示があれば明らかにする」」(ペスコフ大統領報道官)
「プーチン大統領のウクライナとの直接交渉の申し出は「いまも有効」」
「ロシアの代表団は5月15日にイスタンブールでウクライナの代表団を出迎える」
「ルビオ国務長官、ウィットコフ特使(中東担当)、ケロッグ特使(ロシア・ウクライナ担当)を派遣する方針」(米国)
ちなみに、キースケロッグは、3月にロシア担当を外されている(あまりにウクライナ寄りで、ロシアから拒否されたと言われる)。
まあいい。
ウクロインフォルムは、興味深い世論調査の記事を上げている。
(82%のウクライナ国民、ロシアの「和平計画」を否定)
https://www.ukrinform.jp/rubric-society/3992943-noukuraina-guo-minroshiano-he-ping-ji-huawo-fou-ding.html
「研究所は、ウクライナの全ての地域で、大半の回答者がロシアの要求への完全な否定を表明し、和平のために同要求を受け入れる準備があるのはわずかだったと指摘」(研究所:キーウ国際社会学研究所)
つまりだな、ロシアと停戦するためには、彼らが納得する必要があるわけだ。
ロシア案として示されている条件は以下の通り。
「ロシアの条件付き案:
・ウクライナは軍を大幅に縮小し、武装を制限しなければならない
・ウクライナはNATO加盟を永久に放棄する
・ヘルソン市、ザポリッジャ市、そしてドネツィク・ザポリッジャ・ヘルソン(編集注:ママ。ルハンシク州の間違いだと思われる)各州の全域がロシア支配下に入る
・ウクライナは全ての占領地をロシア領と正式に認め、永久に放棄する
・ウクライナはEU加盟に向かう
・米国と欧州はロシアへのすべての制裁を解除する」
領土の支配地域については、多少妥協の余地(現時点での支配地域まで)があるかもしれないが、武装解除、NATO加盟放棄、西側制裁解除(これは、ウクライナ国民に決定権はないだろう)は譲れないところだろう。
制裁解除については、時間軸の設定についても調整が入ると思われる。
細部にわたっては、更にウクライナが譲歩する必要があるに違いない。
([深層NEWS]ロシアの停戦協議、東野篤子教授「時間稼ぎ」…ウクライナの「恒久的な中立国」化にこだわり)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250514-OYT1T50158/
「ロシアがウクライナを「恒久的な中立国」とする2022年の停戦案にこだわっている」(筑波大の東野篤子教授)
「ロシアが譲歩しているような雰囲気を作っているが、中身は変わっていない」
ロシアは、そんな雰囲気を作ったことはないんじゃないのかあ?。
少なくとも浮沈子は見た記憶はない。
そこんところは、ウクライナ紛争をおっぱじめた一丁目一番地だからな。
例え100年かかろうとも譲ることはないだろう。
むしろ、そこが変わっちまったとしたら大いに驚きなわけだ。
「時間稼ぎだ。交渉を長引かせて戦闘を続けるのがロシアの思惑だ」(倉井高志・元ウクライナ大使)
ロシアは、別に時間稼ぎをする必要はない。
停戦を求め、時間に追われているのは米国とウクライナだけだ。
欧州も、時間的制約は感じていないだろう。
あるとすれば、ロシアと直接向かい合うための準備を急ぐ必要という話だが、それはそもそも実現不可能だからな(そうなのかあ?)。
欧州は、常にロシアの脅威を低く見積もり、米国の支援を書かく見積もることで自らの負担を軽減し続けてきた。
もう、それに慣れっこになっていて、先日も核兵器の脅威増大に対して米国からピシャリと窘められている(仏外相のぼやき)。
んなんは、自分で何とかせい!(マルコルビオ)。
まあ、どうでもいいんですが。
プーチンは、マイペースでウクライナにおける軍事侵攻を続ける。
要求の核心は下げない。
それどころか、領土的要求は、今後、時間と共に自然増していくだろう(もちろん、「自然」じゃないけど)。
スムイ州やハルキウ州では、一部領土を支配地域としているし、ドニプロペトロウシク州への侵攻は時間の問題となった。
これらは、いずれもウクロインフォルムの記事に掲げられたロシア案の領土要求には含まれていないからな。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(ロシア外相、イスタンブールのウクライナ和平協議に参加せず=ロシア紙)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/WQ4L4MITRFM2PFDVHWMHP3PQ7I-2025-05-14/
「ロシアのラブロフ外相は、15日にトルコのイスタンブールで予定されているロシアとウクライナの和平協議に参加しない。」(ロシア紙コメルサント)
おっと、やっぱラブロフは出さないのか。
(ウクライナとの直接協議、プーチン氏欠席か トランプ氏も参加見送り)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/PXCTEQ7ZEFMKZGXEEB6OATRMRU-2025-05-14/
「代表団にはメジンスキー大統領補佐官、フォミン国務次官、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のコスチュコフ局長らが含まれる。」(ロシア大統領府(クレムリン)のウェブサイトに掲載された大統領令)
(直接協議 ロシア側はメジンスキー大統領補佐官らが出席へ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250515/k10014806271000.html
「メジンスキー氏が団長をつとめ、ガルージン外務次官と軍参謀本部のコスチュコフ情報総局長、それにフォミン国防次官らが出席するとしています。」
「メジンスキー氏は2022年にトルコのイスタンブールで行われたロシアとウクライナによる対面での停戦交渉で、ロシア側のトップを務めた人物です。」
ロシアが描くストーリーを、そのまま形にしたわけだ。
これは、イスタンブール合意を巡る西側の介入を排し、当事者だけによる「直接交渉」を再現しようとする試みだ。
米国側は、あくまでも立ち合いということになる(そうなのかあ?)。
ウクライナは、外相級で応じるんだろうか?。
ロシアは、次官級を揃えている。
ボタンの掛け違いだな。
西側がどう応じるかが焦点となった。
米国の対応も注目だろう。
ロシアのシナリオに乗るのか、突っぱねるかの問題だ。
実務者級を充ててきたロシアの一手は、プーチンの固い意志の表出でもある。
翻弄される西側の対応。
どうも、米国は事前通知を貰っているようだな。
(トランプ氏、ウクライナ・ロシア和平交渉参加の可能性低いと示唆)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-05-14/SW9FN1T0AFB400
「プーチン氏が現れるか、分からない。私に来て欲しいとプーチン氏が考えていることは知っている。その可能性はある。戦争を終わらせることができるなら、それは考える」「スケジュールはかなり厳しい。だが、多くの人命を救うため、それをしないということではない」(トランプ氏)
イスタンブール交渉が再開されるということになれば、この3年間の戦闘の意義を問われることになる。
そういう歴史的構図を描くための、極めて戦略的な意図を感じる。
当事者同士の問題に、西側が介入してウクライナを誑かして悲劇を生んだのだと。
プーチンは、ウクライナとの和解について、最近も言及している。
(ウクライナとの和解は不可避 「時間の問題」とプーチン大統領)
https://nordot.app/1291929484104483184?c=110564226228225532
「現在、われわれが経験している悲劇にもかかわらず避けられないと思う。時間の問題だ」(シアのプーチン大統領)
「トランプ米政権が和平仲介を図る中で、いずれは戦争を終結させる意思を示した発言とみられる。」
「核兵器を使用しなくても侵攻を「ロシアに必要な結果で終わらせる十分な力と手段がある」と自信を示した。」
核の使用はともかく、「ロシアに必要な結果で終わらせる十分な力と手段がある」というところがミソだな。
つまり、通常兵器によるドンパチの継続によって、この紛争をロシアの意図する形で終結させるつもりなわけだ。
記事では、プーチン自身が「和解」という表現を使ったかどうかは明らかではないが、ウクライナ紛争を「悲劇」として描こうとしていることは確認できる。
ロシアは、ロシアの時間で物事を運ぼうとしている。
どちらの時間で世界が動いているかは、すぐに明らかになるだろう・・・。
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