😼欧州大戦争:重箱の隅:ドンバス ― 2025年08月24日 01:34
欧州大戦争:重箱の隅:ドンバス
(ウクライナ東部ドンバスの「要塞地帯」、なぜ重要なのか?)
https://www.afpbb.com/articles/-/3594718?act=all
「ISWは、ドンバスの境界は平坦で、地勢的に要塞化に適していないと指摘。ドンバスを放棄した場合、ウクライナの防衛力は現在の防衛線と比べて大幅に低下するとの見解を示した。」
「ストックホルム東欧研究センターのアナリスト、アンドレアス・ウムランド氏は、ドンバスを放棄すればいずれ、「ウクライナのより奥深くへの侵攻の扉を開くことになるだろう」と述べた。」
「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同国にとってドンバスがいかに戦略的に重要かを強調し、「わが国の存亡に関わる問題だ」と総括した。」
2023年のウクライナ軍の反転攻勢の際、米国はロボティネ辺りから南東に進軍し、アゾフ海に至り、ロシア軍の支配地域を分断することを提案した。
この作戦が文字通り実行された場合、ウクライナ軍は半数近い犠牲を払うことになったろうと言われている。
それに対してウクライナは、東部ドンバス地域での戦闘を重視し、戦線全域で攻勢を掛ける戦略を採用、現在に至っている。
ゼレンスキーがドンバスを放棄しないと主張するのは、おそらく政治的な立場(嘘八百を含む)に基づくと思われるが、軍事的にも、ロシアがここを足掛かりにしてウクライナの残りの地域を攻めるという話は嘘じゃない。
リマンからコスティアンティニフカに至る都市群は、ロシアの侵攻に対して巨大防御壁となっている。
少なくとも、東部戦線に対するロジスティクスの最前線であることは間違いない。
従来は、ここにポクロフシクが加わっていたんだがな。
それはすでに失われた(兵站拠点として)。
コスティアンティニフカも、既に最前線に晒され、ロジ拠点としての機能は限定的だ。
従来、浮沈子は重箱の隅を突っつく上で、「ドンバス地域」を俯瞰することはあまりなかった(皆無かあ?)。
今回は、少し視野を広げて、注目を集めたドブロピリア東方の突出部や、その延長線上に見えてきたリマン・シベリスク方面も含めて取り上げたい。
まずは、画像の地図(ISW戦況地図)に➀として表記したリマン・シベリスク方面から。
(前線の動きが激しいリマン・シヴェルシク方面、ロシア軍が成功を収める)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-forces-continue-to-achieve-success-on-the-fast-moving-liman-siversk-front/
「敵にとってセレブリャンスキー自然保護公園は長い間『変化がなく展望が見いだせない戦場』だったが、残念ながら現在はそうではない」「敵は防衛ラインの弱点を見つけ出し、この状況を最大限利用して圧力をかけ、防衛ラインの背後に回り込んで足場を築こうとしている」「トルスケやザリチネでも変化が観測され、敵は集落に侵入して足場を確保しようとしている」「ウクライナ軍はドローンで敵を排除しているものの、敵は歩兵を送り込み続けているためトルスケはまもなくレッドゾーンに移行するだろう」(DEEP STATE:8月3日の言及)
「ロシア軍がトルスケの大部分を支配している」「ザリチネ方向にグレーゾーンが伸びた」「ロシア軍が自然保護公園内で支配地域を大きく増やした」「ロシア軍がセレブリャンカ方向に前進した」「セレブリャンカ集落内のグレーゾーンが広がった」(同上:21日、22日の言及)
「依然として最も衝突回数が多いのはポクロウシク方面とドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面だが、前線の動きに最も変化があるのはリマン・シヴェルシク方面かもしれない。」(航空万能論ブログ管理人)
ここは、従来から偽情報の宝庫で、本当の前線の位置がどこなのかが怪しかったが、ロシア軍の進軍により、ようやく霧の中から現れてきた感じだ。
が、まだまだ怪しい・・・。
「RYBARはリマン・シヴェルシク方面について新たな報告を行っておらず、20日時点の立場は「まだトルスケ集落内に安定した足場を確保出来ていない」「セレブリャンスキー自然保護公園は戦場の霧が濃いため前線ラインを定義出来ない」「セレブリャンカの状況は依然としてグレーゾーン」」
本当のところが明らかになるまでには、しばらく時間が掛かるだろう。
ドンバス防壁都市群の最南端にあるコスティアンティニフカ方面(画像の地図の➁➂➃)は、いい話はない。
チャシブヤール北方の突出部が戦況地図上に現れ、ドルジュキーウカとの兵站路であるH-20を分断しに掛かっている(➁)。
市外への直接攻撃を示す➂の交戦区域は、若干北に膨らんだ。
この地域で最も戦闘が激しいと見られるクレバンビクスキー貯水池南部➃では、カテリニフカが交戦区域に入り、貯水池南東部の状況が悪化している。
貯水池南部の支配がロシア軍の手に落ちるのは時間の問題だろう。
ここが落ちると、貯水池北部が脅かされ、コスティアンティニフカが南側から狙われることになる。
それでなくても、南東部のオレクサンドロシュルティネ方面からの進軍も見られ、コスティアンティニフカの嬉しくない状況は続いている。
しかし、浮沈子的には何と言ってもゾロティコロディアズ方面(⑤ドブロピリア東方)の動きだ。
ウクライナ軍の素早い反撃で、ロシア軍の電撃戦を凌いだのは良かったんだが、ロシア軍は諦めずに再侵攻を試みている(ゾロティコロディアズは再び交戦区域に入っています)。
やっぱ、出たとこ勝負のテキトーな進撃ではなかったようで、この方面の動きには今後とも注目が必要だろう。
つーか、ドンバス防壁都市群の攻防のメインストリートになる可能性がある。
最後に軽く触れておくが、ウダチネ西部は再びウクライナ軍が取り戻したようだ(⑥)。
やはり、ここが重要拠点であることに変わりはない。
航空万能論の記事にもあるように、交戦回数についてはポクロフシク方面が相変わらず多いようだ(ドニプロペトロフシク州境も含め)。
ドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面(ドニプロペトロフシク州境)については、ウクライナ軍の反撃も見られ、ロシア軍としても一筋縄ではいかない感じだが、ここは政治的要請が強いだろうからそう簡単には攻め切れまい。
ベトナムのメディアは、ゾロティコロディアズ方面(⑤ドブロピリア東方)の動きについて、政治的要請が掛かったと報じている。
(FAB-3000爆弾がミルノフラドのウクライナ軍集結地点を襲う)
https://www.vietnam.vn/ja/bom-fab-3000-danh-trung-diem-tap-ket-quan-cua-ukraine-o-mirnohrad
「テレグラムチャンネル「レギティムニー」は、キエフ指導部がポクロフスクにおける「大釜」の形成をいかなる犠牲を払ってでも阻止するよう要求したと報じた。」
「ポクロフスク戦線の包囲を防ぐため、ウクライナ軍参謀本部は利用可能なすべての予備部隊をこの戦線に投入した。」
「ロシア軍(RFAF)によるポクロフスク北東への侵攻を受けて、AFU参謀本部は残存する予備兵力すべてを緊急に同地域へ移動させなければならなかった。」
実際に予備兵力の全てが投入されたわけではないだろうが、ウクライナが政治的にも戦略的にも、この方面のロシア軍の進撃に敏感になっていることが分かる報道だな。
この報道を読んで、浮沈子的にはドンバス防壁都市群包囲作戦(仮称)の存在を確信した。
ベトナムメディアは、「ポクロフスク戦線の包囲を防ぐため」としているけど、それは違う(断定的!)。
まあ、確かにこの時期(和平交渉開始?)にポクロフシクを失う政治的ダメージはデカいが、ここが軍事的にオワコンであることに変わりはない。
都市群西部を突破される危機感の方がデカいだろう。
T-05-14などを経て、一気に北上されればマジで危機的な状況に陥る。
今後とも、この方面の動きからは目が離せないな・・・。
(ウクライナ東部ドンバスの「要塞地帯」、なぜ重要なのか?)
https://www.afpbb.com/articles/-/3594718?act=all
「ISWは、ドンバスの境界は平坦で、地勢的に要塞化に適していないと指摘。ドンバスを放棄した場合、ウクライナの防衛力は現在の防衛線と比べて大幅に低下するとの見解を示した。」
「ストックホルム東欧研究センターのアナリスト、アンドレアス・ウムランド氏は、ドンバスを放棄すればいずれ、「ウクライナのより奥深くへの侵攻の扉を開くことになるだろう」と述べた。」
「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同国にとってドンバスがいかに戦略的に重要かを強調し、「わが国の存亡に関わる問題だ」と総括した。」
2023年のウクライナ軍の反転攻勢の際、米国はロボティネ辺りから南東に進軍し、アゾフ海に至り、ロシア軍の支配地域を分断することを提案した。
この作戦が文字通り実行された場合、ウクライナ軍は半数近い犠牲を払うことになったろうと言われている。
それに対してウクライナは、東部ドンバス地域での戦闘を重視し、戦線全域で攻勢を掛ける戦略を採用、現在に至っている。
ゼレンスキーがドンバスを放棄しないと主張するのは、おそらく政治的な立場(嘘八百を含む)に基づくと思われるが、軍事的にも、ロシアがここを足掛かりにしてウクライナの残りの地域を攻めるという話は嘘じゃない。
リマンからコスティアンティニフカに至る都市群は、ロシアの侵攻に対して巨大防御壁となっている。
少なくとも、東部戦線に対するロジスティクスの最前線であることは間違いない。
従来は、ここにポクロフシクが加わっていたんだがな。
それはすでに失われた(兵站拠点として)。
コスティアンティニフカも、既に最前線に晒され、ロジ拠点としての機能は限定的だ。
従来、浮沈子は重箱の隅を突っつく上で、「ドンバス地域」を俯瞰することはあまりなかった(皆無かあ?)。
今回は、少し視野を広げて、注目を集めたドブロピリア東方の突出部や、その延長線上に見えてきたリマン・シベリスク方面も含めて取り上げたい。
まずは、画像の地図(ISW戦況地図)に➀として表記したリマン・シベリスク方面から。
(前線の動きが激しいリマン・シヴェルシク方面、ロシア軍が成功を収める)
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-forces-continue-to-achieve-success-on-the-fast-moving-liman-siversk-front/
「敵にとってセレブリャンスキー自然保護公園は長い間『変化がなく展望が見いだせない戦場』だったが、残念ながら現在はそうではない」「敵は防衛ラインの弱点を見つけ出し、この状況を最大限利用して圧力をかけ、防衛ラインの背後に回り込んで足場を築こうとしている」「トルスケやザリチネでも変化が観測され、敵は集落に侵入して足場を確保しようとしている」「ウクライナ軍はドローンで敵を排除しているものの、敵は歩兵を送り込み続けているためトルスケはまもなくレッドゾーンに移行するだろう」(DEEP STATE:8月3日の言及)
「ロシア軍がトルスケの大部分を支配している」「ザリチネ方向にグレーゾーンが伸びた」「ロシア軍が自然保護公園内で支配地域を大きく増やした」「ロシア軍がセレブリャンカ方向に前進した」「セレブリャンカ集落内のグレーゾーンが広がった」(同上:21日、22日の言及)
「依然として最も衝突回数が多いのはポクロウシク方面とドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面だが、前線の動きに最も変化があるのはリマン・シヴェルシク方面かもしれない。」(航空万能論ブログ管理人)
ここは、従来から偽情報の宝庫で、本当の前線の位置がどこなのかが怪しかったが、ロシア軍の進軍により、ようやく霧の中から現れてきた感じだ。
が、まだまだ怪しい・・・。
「RYBARはリマン・シヴェルシク方面について新たな報告を行っておらず、20日時点の立場は「まだトルスケ集落内に安定した足場を確保出来ていない」「セレブリャンスキー自然保護公園は戦場の霧が濃いため前線ラインを定義出来ない」「セレブリャンカの状況は依然としてグレーゾーン」」
本当のところが明らかになるまでには、しばらく時間が掛かるだろう。
ドンバス防壁都市群の最南端にあるコスティアンティニフカ方面(画像の地図の➁➂➃)は、いい話はない。
チャシブヤール北方の突出部が戦況地図上に現れ、ドルジュキーウカとの兵站路であるH-20を分断しに掛かっている(➁)。
市外への直接攻撃を示す➂の交戦区域は、若干北に膨らんだ。
この地域で最も戦闘が激しいと見られるクレバンビクスキー貯水池南部➃では、カテリニフカが交戦区域に入り、貯水池南東部の状況が悪化している。
貯水池南部の支配がロシア軍の手に落ちるのは時間の問題だろう。
ここが落ちると、貯水池北部が脅かされ、コスティアンティニフカが南側から狙われることになる。
それでなくても、南東部のオレクサンドロシュルティネ方面からの進軍も見られ、コスティアンティニフカの嬉しくない状況は続いている。
しかし、浮沈子的には何と言ってもゾロティコロディアズ方面(⑤ドブロピリア東方)の動きだ。
ウクライナ軍の素早い反撃で、ロシア軍の電撃戦を凌いだのは良かったんだが、ロシア軍は諦めずに再侵攻を試みている(ゾロティコロディアズは再び交戦区域に入っています)。
やっぱ、出たとこ勝負のテキトーな進撃ではなかったようで、この方面の動きには今後とも注目が必要だろう。
つーか、ドンバス防壁都市群の攻防のメインストリートになる可能性がある。
最後に軽く触れておくが、ウダチネ西部は再びウクライナ軍が取り戻したようだ(⑥)。
やはり、ここが重要拠点であることに変わりはない。
航空万能論の記事にもあるように、交戦回数についてはポクロフシク方面が相変わらず多いようだ(ドニプロペトロフシク州境も含め)。
ドネツク南西・ドニプロペトロウシク南東方面(ドニプロペトロフシク州境)については、ウクライナ軍の反撃も見られ、ロシア軍としても一筋縄ではいかない感じだが、ここは政治的要請が強いだろうからそう簡単には攻め切れまい。
ベトナムのメディアは、ゾロティコロディアズ方面(⑤ドブロピリア東方)の動きについて、政治的要請が掛かったと報じている。
(FAB-3000爆弾がミルノフラドのウクライナ軍集結地点を襲う)
https://www.vietnam.vn/ja/bom-fab-3000-danh-trung-diem-tap-ket-quan-cua-ukraine-o-mirnohrad
「テレグラムチャンネル「レギティムニー」は、キエフ指導部がポクロフスクにおける「大釜」の形成をいかなる犠牲を払ってでも阻止するよう要求したと報じた。」
「ポクロフスク戦線の包囲を防ぐため、ウクライナ軍参謀本部は利用可能なすべての予備部隊をこの戦線に投入した。」
「ロシア軍(RFAF)によるポクロフスク北東への侵攻を受けて、AFU参謀本部は残存する予備兵力すべてを緊急に同地域へ移動させなければならなかった。」
実際に予備兵力の全てが投入されたわけではないだろうが、ウクライナが政治的にも戦略的にも、この方面のロシア軍の進撃に敏感になっていることが分かる報道だな。
この報道を読んで、浮沈子的にはドンバス防壁都市群包囲作戦(仮称)の存在を確信した。
ベトナムメディアは、「ポクロフスク戦線の包囲を防ぐため」としているけど、それは違う(断定的!)。
まあ、確かにこの時期(和平交渉開始?)にポクロフシクを失う政治的ダメージはデカいが、ここが軍事的にオワコンであることに変わりはない。
都市群西部を突破される危機感の方がデカいだろう。
T-05-14などを経て、一気に北上されればマジで危機的な状況に陥る。
今後とも、この方面の動きからは目が離せないな・・・。

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