🚀スターシップ:IFT-10:誤差3m2025年08月31日 03:35

スターシップ:IFT-10:誤差3m
スターシップ:IFT-10:誤差3m


(イーロン・マスクがスターシップフライト10の驚異的な着陸の偉業を語る)
https://www.teslarati.com/elon-musk-shares-unbelievable-starship-flight-10-landing-feat/

「マスク氏は上段ロケットが目標地点からわずか3メートル(10フィート未満)の​​地点に着水したと明かしました。スターシップの上段ロケットの大きさと海面の大きさを考えると、この精度を達成したことはまさに驚異的でした。」

「スターシップは意図的にタイルを外した状態で再突入を成功させ、フラップに意図的に圧力をかける操作を完了し、後部スカートとフラップに目に見える損傷があったにもかかわらず、目標の着水地点から約3メートル離れた場所に機体を反転させて着陸噴射を実行した」(SpaceX)

「Space.comの報道によると、10回目の飛行はスターシップの上段ロケットにとって今年初の着水成功となっただけでなく、損傷が激しいにもかかわらずほぼ完璧な精度を達成したという。」

スペースコムの指摘は、浮沈子的には絶妙な気がする。

損傷は軽微ではなく、激しいものだ。

それは、テストフライトとその目的からしてみればデータ収集という意味では成功であると言えるが、それと高い精度で着水したこととはあまり関係ないようだ。

「過酷な再突入条件に耐え、目標地点から数メートル以内に着陸できる宇宙船は、軌道上ペイロードの輸送、そして最終的には月や火星への着陸を含む将来のミッションに必要な堅牢性を強調するものです。」

忘れてもらっては困るが、この宇宙船は再使用して繰り返し使うことを想定して設計されている。

ちっとでも壊れてもらっては困るわけだ。

もちろん、破損の度合いと誘導精度に因果関係がないとは言わない。

損傷がある程度以上激しければ、再突入時に飛行経路を維持することが困難となり、目標地点から遠く離れた場所に着水せざるを得ない事態も想定しうる。

が、んな事態に陥るような破損を被れば、そもそも着水自体が不可能になり、空中でバラバラになる確率の方が高いのではないのか(未確認)。

耐熱シールドの変色や後部動翼の損傷については、ある程度想定されていたんだろうが、燃焼室内の爆発とスカート部分の破損は想定外だ。

「スペースXが公開した動画と画像には、上段ロケットの耐熱シールドが焦げて黄金色になり、後部スカートの一部が明らかに欠損している様子が映っていました。フラップなどの表面にも、再突入による 大きな負荷の痕跡が見られました。」

正式な評価が行われるのはこれからだが、これらの目に見えるトラブルは等価ではない。

この宇宙船は、ゆくゆくは人間を乗せて大陸間弾道旅客機として世界中を飛び回ることになるのだ。

爆発したり、焼け焦げたり、溶けて無くなっちまったりしてもらっては困る。

約3mという精度が十分高かったのかどうかもビミョーな気がする。

最終誘導に、水面ドローンとの通信があったのかどうかは不明だが、再使用の際には1段目と同じくメカジラキャッチを行うわけで、数mではなく、数cm以下の精度が要求されるはずだ(未確認)。

この要求精度には、海洋の広大さも宇宙船の巨大さも関係はない。

メカジラと機体のハードポイントだけに意味がある。

何万km離れた所であっても、何十mの高さの巨大ロケットであったとしても、メカジラのレールとハードポイントのギャップだけが命だ。

来年のいつか、V3(ブロック3)でそれは行われる。

今回のテストでは、1段目の中央エンジン1基の失火を想定して、内周の予備エンジン1基でそれを補うランディングのシミュレーションが行われた。

2段目で同様のテストが行われるかどうかは知らない。

エンジンの基数も少ないし、中央エンジンと外周のエンジンは仕様が異なる。

バックアップとして使うことは出来ないだろう(未確認)。

一方、3基の中央エンジンのうち、2基が稼働すれば2段目は着陸できる仕様になっているはずだ。

が、2段目の着陸は、失敗が許されないという点で1段目よりも要求は遥かに過酷だ(1段目は、失敗しても人が死んじまうことはないし、ヤバそうだったら海に落としちゃえばいいからな)。

うーん、満身創痍で3mの精度での着水が、賞賛に値するものなのかどうか。

今回のフライトテストは、地上爆発を合わせて過去4機のスターシップが連続して失われた後の、いわば背水の陣で臨んだテストだった。

そのテストの目的は、おそらく十全に果たされたことだろう。

だからといって、スターシップの成功が見えたとかいう話にはならんような気がする。

一向になくならない打ち上げ時のエンジンの失火(1段目)、追い込んだマニューバをしているとはいいながら、構造破壊を伴う後部フラップの損傷、全く想定外のエンジンルームでの爆発(と、それに伴うスカートの損傷)、解決の糸口が見えたかどうかは不明な各種耐熱シールド。

どれをとっても不安材料であることは間違いない。

幸い、エンジン回りの話はV3(とラプター3)が控えているし、今回、軌道上再着火とペッツドアからのデプロイが成功したことで、耐熱タイル関係は2段目使い捨てで稼ぎながら開発が続けられるという見通しは立った(そういうことかあ?)。

後部フラップの損傷は、技術的には何とかなりそうな感じがしないでもない(今回、前部フラップには目に見える損傷は見られなかったからな)。

いずれにしても、IFT-10は、S社にとってホッと一息の結果に終わった。

やれやれ・・・。

(スターシップの耐熱シールドはテストで非常に良好な性能を示したようだ)
https://arstechnica.com/space/2025/08/spacex-got-good-heat-shield-data-for-starship-so-what-comes-next/

「火曜日の試験は概ね成功しました。飛行後半に上段のラプターエンジンの1つに問題が発生したようですが、同社は詳細をまだ明らかにしていません。新しい写真では、エンジンベイと機体のフラップの1つに損傷がはっきりと確認できます。インド洋への軟着陸と正確な着陸には影響がなかったようですが、明らかに正常な着陸ではありませんでした。」

エリックバーガーの見立ては正当だ。

スカートの損傷を引き起こした爆発は、エンジンの問題と見ている。

そって、もしかすると、軌道上再着火と何か関係があるんだろうか?。

IFT-11から14については既に以前に引用しているので、それ以降の記事を見ていく。

「15~20便目:いずれ、テスト飛行と呼ぶことはなくなるでしょう。この一連のミッションでは、SpaceXがStarshipの上段ロケットを捕捉する最初の試みを行うと予想されます(マスク氏は最近、V3ロケットの飛行状況次第では、13~15便目に捕捉が行われる可能性があると発言しました)。」

「また、この期間中にSpaceXは2機のStarshipを打ち上げ、軌道上燃料補給テストを実施する可能性も高く、2機のStarshipが燃料を輸送できる能力を実証するでしょう。」

メカジラキャッチの前に、まともなエンジンと燃料配管系を持ったロケットを飛ばす必要があるだろう。

捕捉のプロセスを急げば、地上施設の損傷も避けられなくなるからな。

軌道上燃料補給テストは、スターシップの運用にとって不可欠な要素の一つだ。

これは、ひょっとすると2段目の再使用より重要と言える。

ぶっちゃけ、2段目使い捨てでも、軌道上給油ステーション(デポ)の運用は可能だからな。

しかし、まあ、そこへ推進剤をピストン輸送するのに、2段目をバンバン使い捨てにするというのも考え物だ。

耐熱シールドと軌道上燃料補給の優先順位がどうなるかは、何とも言えないのではないか。

まあいい。

次のテスト飛行(IFT-11)は、8週間以内に行われると言われている。

10月だな。

今回のテストが順調だったことから、FAAがごちゃごちゃ言うことはないだろう。

浮沈子の見立てと異なり、V2(シップ38の機体とラプター2エンジン)で行わことになるなるだろう。

エンジン回りのトラブルに関しては、幸運の女神さまに縋るしかない(物理の神様が昼寝するとかな)。

そのスケジュールが明らかになるころ、今回のトラブルの原因が公表される。

もう、パターン化しているからな・・・。