CCRと事故2011年10月22日 16:12

CCRと事故


潜水器であるCCRと、それを使用している最中に起こった事故との因果関係を検証することは難しい。

特に、死亡に至った場合はなおさらである。誤った操作のためなのか、機器の故障に対応できなかったのか、何らかの原疾患があったのか、あるいはそれらが複合的に関与したのか。

リブリーザーに限らず、レジャーダイビングの場合、事故の原因究明のために徹底した調査が行われることは稀であるという話も聞く(詳しくは知らない)。

死亡事故までいかなくても、インシデントは数多く起きていると思われる。報告される事例もあるだろうが、関係者だけの情報共有に留まっている例も多いのではないか。

安全管理の考え方から言えば、多くのインシデントの中にはアクシデントに繋がる原因が潜んでおり、その情報を分析し共有することで事故を未然に防がねばならないはずだ。

プライバシーなどに十分配慮した上で、情報の公開と分析、共有が図られなければならない。それが、長い目で見たときにはダイビング関連産業とダイバー自信を守ることになる。

まあ、CCR自体の日本での絶対数は高々100とか200の規模であるので、狭い世界である。大きな事故を起こせば、どこの誰かが分かってしまうということはあるだろうし、関係者の数もたかが知れている。

そのことが、いい面に働くこともある。専門性が高い小さな集団なので、例えばインストラクターが中心となって教え子(おじさんもいますが)に働きかけるとか、定期的なミーティングを主催するとか(いわゆる飲み会ですが・・・)。

そうした動きが出てくれば、逆に貴重なインシデント情報が上がってくるかもしれない。それを、指導団体の垣根を超えて共有できたら素晴らしい。

ダイビングという、本質的に危険なレジャーを楽しもうというのであれば、さらに、CCRという一癖も二癖もある器材で潜ろうという心意気のあるダイバーならば、そのくらいのことは簡単にできると信じている。