もう一つの修理ミス ― 2017年08月13日 23:05
もう一つの修理ミス
ボーイング747の機体損失事故(前回記事参照)を眺めていて、筆が止まった(=キーボードが打てなくなった)。
(チャイナエアライン611便空中分解事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3611%E4%BE%BF%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E5%88%86%E8%A7%A3%E4%BA%8B%E6%95%85
「2002年5月25日に中正国際空港(現台湾桃園国際空港)から香港国際空港へ向かっていたチャイナエアラインのボーイング747-200B(機体記号B-18255)が台湾海峡上空を巡航中に空中分解し海上に墜落した航空事故である。」
「事故原因は機体スキン(外皮)の不完全な修理のために起きた金属疲労により破壊が生じたというものであった。」
ちょっと愕然とする。
機体後部隔壁の修理ミスにより、尾翼が吹っ飛んでオイル系統も、補助エンジンももぎ取られて墜落した日本航空123便の教訓は生かされることはなかったのだ。
「午後3時7分(以下、現地時間香港も同一)に離陸した。」
「しかし午後3時28分、レーダーに映っていた611便の機影は大きく4つに分かれ、突然消失した(この時機体が空中分解したものと見られる)。」
「午後3時31分頃、611便は台湾の西方約50kmにある澎湖諸島の北東約18Km付近の台湾海峡の海域に墜落した。」
それって、どこよ!?。
(澎湖諸島)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BE%8E%E6%B9%96%E8%AB%B8%E5%B3%B6
台湾の西、ちょっと離れた程度だ。
「事故機は1980年2月7日に台北発香港啓徳空港行き009便(Dynasty 009)として、香港啓徳空港に着陸する際、機体後部を地上に接触するしりもち事故を起こしていた。」
「5月に本格的な修理が行われた。その際に、ボーイング社の構造修理マニュアルに従わない不完全な方法で修理が行われ、整備記録には構造修理マニュアルに従った修理が行われたと記載されていた。」
これって、犯罪じゃないのかあ?。
「本来であれば大きく損傷している場合は損傷箇所の交換が必要だったが、整備士は表面を磨いた後、「ダブラープレート」と呼ばれるアルミ合金の継ぎ板を損傷部分に被せただけであった。」
「機体はそのまま使われ与圧によってゆっくりと亀裂が広がっていった。」
「亀裂が機体後部を一周し脱落した後、爆発的な減圧が発生したため主翼や機首が分裂しバラバラになった後、海面に激突した。」
不適切なメーカーの修理によって、またもや225人の命が失われた(訂正:追加参照)。
22年余りも、その状態で飛び続けたことになる。
これって、あまりにも長過ぎる。
「飛航安全委員會とNTSBは2002年12月25日、機体後部の残骸から金属疲労の痕跡を発見したと発表した。」
「しかしプレートをかぶせていたことにより外部の目視点検では亀裂が広がっていることがわからなかった。」
やれやれ・・・。
123便の事故と同じ過ちが繰り返されたことは、ちょっとショックだな。
B社は、少なくとも2度の整備不良を起こしている(訂正:追加参照)。
航空機メーカーとしては問題だな(訂正:追加参照)。
しかも、この事故では整備記録の改ざんまで行っていて、悪質性が高い。
123便はどうだったんだろうか?。
運行会社は、メーカーの修理の瑕疵を知り得るんだろうか?(訂正:追加参照)。
また、その修理が適切であったことを、どうやって確認するんだろうか?(訂正:追加参照)。
ダブラープレートを取り付けるような修理では、損傷部分が正しく修理されたかどうかを事後確認することは困難だからな(訂正:追加参照)。
ウィキの記事では、B社がこの後、どういう対応をしたかは記されていない(訂正:追加参照)。
浮沈子は、今日は羽田空港に下見に行ってきた。
巨大なB社の航空機が、ひっきりなしに離陸していた。
きっと、正しい修理が行われ、きっと、正しい点検も行われているんだろう。
その後、787のバッテリー問題については、ニュースとかにはなっていないようだ。
あの時も、バッテリーを隔離するケースの穴を塞いだまま、修理を完了するというチョンボがあったけどな。
(0.8ミリの穴)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/06/02/6833126
「改修時の米ボーイング社の作業ミスで、容器側面の穴(直径0・8ミリ)二つがテープでふさがれていたことが原因とみられる。」
「さらにキャリアは、例によって修理はB社任せにして、修理後の点検は行っていないということ。」
メーカーと航空会社との間で何かがあっても、一般の乗客の知るところではない。
最終的に責任を負っているのは、運航会社だ。
日本航空123便は、そこに問題があって落ちた。
日本航空は、修理ミスを知らなかったということになっている。
浮沈子は、当然疑っている。
だが、それを確認することは出来ない。
(委託先監督責任)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/06/05/6836541
「我々のような、乗客(金を払ってくれる荷物?)には、選択の余地はないんだろうか。規制当局は、毅然としてメーカーの指導監督を行い、揺るぎない安全が確保されているという「麗しい伝説」を信じるしかないのか。」
まあ、それを信じることが出来なければ、空気より重い乗り物に乗ることなんて出来っこないけどな・・・。
<追加>
本稿でとり上げたチャイナエアラインの修理について、2020年5月13日にコメントを頂きました。
「ずいぶん古い記事に今更かも知れませんが、611便の墜落原因になった尻もち事故の修理は、航空機メーカーのB社ではなく、運行会社のチャイナエアラインが行っています。マニュアルに従わなかったのは、チャイナエアライン側です。そして、チャイナエアラインの書類には、B社のマニュアル通りに修理したと記載されていたそうです。」(FNDの民)
ウィキの記事には、以下の記述があります。
「整備士は表面を磨いた後、損傷部分にアルミ合金製の継ぎ板(ダブラープレート)を前後に2枚、リベットで張り付けて補強しただけ」
ボーイング社によるメーカー修理と思い込んでしまっていました。
古い記事にも拘らず、丁寧なご指摘に感謝申し上げます。
本稿の該当箇所には、注を付けて訂正させていただきました。
今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
ボーイング747の機体損失事故(前回記事参照)を眺めていて、筆が止まった(=キーボードが打てなくなった)。
(チャイナエアライン611便空中分解事故)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3611%E4%BE%BF%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E5%88%86%E8%A7%A3%E4%BA%8B%E6%95%85
「2002年5月25日に中正国際空港(現台湾桃園国際空港)から香港国際空港へ向かっていたチャイナエアラインのボーイング747-200B(機体記号B-18255)が台湾海峡上空を巡航中に空中分解し海上に墜落した航空事故である。」
「事故原因は機体スキン(外皮)の不完全な修理のために起きた金属疲労により破壊が生じたというものであった。」
ちょっと愕然とする。
機体後部隔壁の修理ミスにより、尾翼が吹っ飛んでオイル系統も、補助エンジンももぎ取られて墜落した日本航空123便の教訓は生かされることはなかったのだ。
「午後3時7分(以下、現地時間香港も同一)に離陸した。」
「しかし午後3時28分、レーダーに映っていた611便の機影は大きく4つに分かれ、突然消失した(この時機体が空中分解したものと見られる)。」
「午後3時31分頃、611便は台湾の西方約50kmにある澎湖諸島の北東約18Km付近の台湾海峡の海域に墜落した。」
それって、どこよ!?。
(澎湖諸島)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BE%8E%E6%B9%96%E8%AB%B8%E5%B3%B6
台湾の西、ちょっと離れた程度だ。
「事故機は1980年2月7日に台北発香港啓徳空港行き009便(Dynasty 009)として、香港啓徳空港に着陸する際、機体後部を地上に接触するしりもち事故を起こしていた。」
「5月に本格的な修理が行われた。その際に、ボーイング社の構造修理マニュアルに従わない不完全な方法で修理が行われ、整備記録には構造修理マニュアルに従った修理が行われたと記載されていた。」
これって、犯罪じゃないのかあ?。
「本来であれば大きく損傷している場合は損傷箇所の交換が必要だったが、整備士は表面を磨いた後、「ダブラープレート」と呼ばれるアルミ合金の継ぎ板を損傷部分に被せただけであった。」
「機体はそのまま使われ与圧によってゆっくりと亀裂が広がっていった。」
「亀裂が機体後部を一周し脱落した後、爆発的な減圧が発生したため主翼や機首が分裂しバラバラになった後、海面に激突した。」
不適切なメーカーの修理によって、またもや225人の命が失われた(訂正:追加参照)。
22年余りも、その状態で飛び続けたことになる。
これって、あまりにも長過ぎる。
「飛航安全委員會とNTSBは2002年12月25日、機体後部の残骸から金属疲労の痕跡を発見したと発表した。」
「しかしプレートをかぶせていたことにより外部の目視点検では亀裂が広がっていることがわからなかった。」
やれやれ・・・。
123便の事故と同じ過ちが繰り返されたことは、ちょっとショックだな。
B社は、少なくとも2度の整備不良を起こしている(訂正:追加参照)。
航空機メーカーとしては問題だな(訂正:追加参照)。
しかも、この事故では整備記録の改ざんまで行っていて、悪質性が高い。
123便はどうだったんだろうか?。
運行会社は、メーカーの修理の瑕疵を知り得るんだろうか?(訂正:追加参照)。
また、その修理が適切であったことを、どうやって確認するんだろうか?(訂正:追加参照)。
ダブラープレートを取り付けるような修理では、損傷部分が正しく修理されたかどうかを事後確認することは困難だからな(訂正:追加参照)。
ウィキの記事では、B社がこの後、どういう対応をしたかは記されていない(訂正:追加参照)。
浮沈子は、今日は羽田空港に下見に行ってきた。
巨大なB社の航空機が、ひっきりなしに離陸していた。
きっと、正しい修理が行われ、きっと、正しい点検も行われているんだろう。
その後、787のバッテリー問題については、ニュースとかにはなっていないようだ。
あの時も、バッテリーを隔離するケースの穴を塞いだまま、修理を完了するというチョンボがあったけどな。
(0.8ミリの穴)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/06/02/6833126
「改修時の米ボーイング社の作業ミスで、容器側面の穴(直径0・8ミリ)二つがテープでふさがれていたことが原因とみられる。」
「さらにキャリアは、例によって修理はB社任せにして、修理後の点検は行っていないということ。」
メーカーと航空会社との間で何かがあっても、一般の乗客の知るところではない。
最終的に責任を負っているのは、運航会社だ。
日本航空123便は、そこに問題があって落ちた。
日本航空は、修理ミスを知らなかったということになっている。
浮沈子は、当然疑っている。
だが、それを確認することは出来ない。
(委託先監督責任)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/06/05/6836541
「我々のような、乗客(金を払ってくれる荷物?)には、選択の余地はないんだろうか。規制当局は、毅然としてメーカーの指導監督を行い、揺るぎない安全が確保されているという「麗しい伝説」を信じるしかないのか。」
まあ、それを信じることが出来なければ、空気より重い乗り物に乗ることなんて出来っこないけどな・・・。
<追加>
本稿でとり上げたチャイナエアラインの修理について、2020年5月13日にコメントを頂きました。
「ずいぶん古い記事に今更かも知れませんが、611便の墜落原因になった尻もち事故の修理は、航空機メーカーのB社ではなく、運行会社のチャイナエアラインが行っています。マニュアルに従わなかったのは、チャイナエアライン側です。そして、チャイナエアラインの書類には、B社のマニュアル通りに修理したと記載されていたそうです。」(FNDの民)
ウィキの記事には、以下の記述があります。
「整備士は表面を磨いた後、損傷部分にアルミ合金製の継ぎ板(ダブラープレート)を前後に2枚、リベットで張り付けて補強しただけ」
ボーイング社によるメーカー修理と思い込んでしまっていました。
古い記事にも拘らず、丁寧なご指摘に感謝申し上げます。
本稿の該当箇所には、注を付けて訂正させていただきました。
今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
コメント
_ FNDの民 ― 2020年05月13日 23:40
ずいぶん古い記事に今更かも知れませんが、611便の墜落原因になった尻もち事故の修理は、航空機メーカーのB社ではなく、運行会社のチャイナエアラインが行っています。マニュアルに従わなかったのは、チャイナエアライン側です。そして、チャイナエアラインの書類には、B社のマニュアル通りに修理したと記載されていたそうです。
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