コートジボワール ― 2014年10月15日 10:53
コートジボワール
WSJの記事によれば、この国へのエボラ感染の可能性が、名指しで指摘されたようだ。
(エボラ出血熱、12月には新規感染が週1万人にも)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12706435818283254423204580214932041981678
「エイルワード氏は、エボラ熱が現在感染の中心地となっているシエラレオネ、ギニア、リベリアと国境を接する国々にも広まる恐れがあり、特にコートジボワールが危険だと話した。」
何人かいるらしいWHOの事務局長補の中で、このおっちゃんは、なかなかいい味出してる。
(エイルワード世界保健機関(WHO)事務局長補とホール・ユニセフ本部ポリオプログラム責任者による阿部外務大臣政務官表敬)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/25/2/0228_04.html
「エイルワード事務局長補から,長年に亘る日本による支援に対する謝意を表すとともに,日本に対する国際社会の高い評価と信頼を活用し,ポリオとの闘いの終盤戦においても日本が重要かつ独自の役割を果たすことへの期待が示されました。」
ポリオの担当者らしい。
(Bruce Aylward)
http://www.who.int/dg/adg/aylward/en/
カナダ出身で、感染症畑の疫学者だな。
で、このおっちゃんに名指しされたコートジボワールという国が、ややっこしい。
(コートジボワール)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B8%E3%83%9C%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB
「同国が独立する以前からこの地域の海岸名として日本語では「象牙海岸(ぞうげかいがん)」、(中略)英語では「Ivory Coast(アイヴォリ・コウスト)」、(中略)のように各国語に訳されていた。」
「同国建国後もこれら各国語訳を同国の国名として各国は用いていたが、同国政府が翻訳国名ではなくフランス語国名の使用を他国に要請しているため(中略)現在の英語表記はフランス語に従って、(the) Republic of Côte d'Ivoire(リパブリク・ァヴ・コウトゥ・ディヴワ)。通称が Côte d'Ivoire」。」
ほんとかあ?。
(スピード26)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/10/11/7455717
画像のグラフのどこを探しても、コートジボワールなんて国はない。
ちゃんと、「Ivory Coast」と英語の翻訳名で掲出されている。
まあ、どうでもいいんですが。
例によって(しばらくぶりですが)、WHOの資料を見てみる。
(Côte d'Ivoire)
http://www.who.int/countries/civ/en/
「・Total population (2012): 19,840,000
・Gross national income per capita (PPP international $, 2012): 1,920
・Life expectancy at birth m/f (years, 2012): 52/54
・Probability of dying under five (per 1 000 live births, 0) :not available
・Probability of dying between 15 and 60 years m/f (per 1 000 population, 2012) :409/396
・Total expenditure on health per capita (Intl $, 2012): 144
・Total expenditure on health as % of GDP (2012): 7.1」
5歳死亡率の統計も出ていない国ということだな。
(Human Development Indicators:Côte d'Ivoire)
http://hdr.undp.org/en/countries/profiles/CIV
あっちゃーっ!、171位ですか・・・。
ギニア(179位)、シエラレオネ(183位)、リベリア(175位)よりは、多少はいいのかもしれないが、やはり、この国で感染が広がるとヤバイな!。
ギニア、リベリアとは、国境を接している。
(WHO: EBOLA RESPONSE ROADMAP UPDATE
10 October 2014:Figure 1: Distribution of Ebola virus disease cases in countries with intense transmission参照)
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/136161/1/roadmapupdate10Oct14_eng.pdf?ua=1
おまけに、このところ、国境沿いの地域での感染者が微妙に増えている。
ギニアのンゼレコレ県、リベリアのニンバ郡は、感染爆発候補生である。
ニンバ(10月11日集計で253人)は、少し落ち着いてきているが、浮沈子が着目しているンゼレコレは、9月末くらいからジリジリと増えてきている(10月11日集計で55人)。
新たな感染が勢いづいているということだな。
ある程度以上の感染者数を記録すると、なかなか終息しないということもあるので、ニンバも油断は出来ない。
そんな地域と境を接しているわけだ。
コートジボワールは、8月に主要3か国との国境を閉鎖した。
([FT]エボラ熱拡大、カカオ産業に警戒感)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H0M_Q4A930C1000000/
市場は、カカオの相場にしか興味がないようだな。
「コートジボワールはチョコレート原料としてのカカオ豆の供給量の約4割を担っている。」
「仮にエボラ出血熱がコートジボワールで流行すれば、カカオ豆の相場はあっという間に2倍に跳ね上がる」
「最も憂慮される事態は、リベリアとギニアのエボラ出血熱の感染者が治療のためコートジボワールに移送される可能性があることだ。ナイジェリアやセネガルは感染地域との人の往来によりエボラ出血熱の感染者が確認された。コートジボワールと周辺国との国境は「穴だらけで管理が困難だ」と、業界団体である国際ココア機関の担当者は嘆く。」
「ギニア、リベリア、シエラレオネの3国を合わせたカカオ豆の年間生産量は約2万1000トンで、世界全体の420万トンに比べればわずかだ。だが、コートジボワールは160万トン近く、ガーナは90万トンにのぼる。」
浮沈子は、カカオはガーナが最大の生産国かと思っていた(コマーシャルに毒されてますな)。
(カカオ:経済)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%AB%E3%82%AA#.E7.B5.8C.E6.B8.88
「カカオ豆の貿易に参加している国は少ない。輸出では、コートジボワール(100万4,000トン)、インドネシア(36万6,000トン)、ガーナ(31万1,000トン)、ナイジェリア(18万1,000トン)、カメルーン(12万9,000トン)の5カ国で約9割を占める。」
統計は古いが、コートジボワールがダントツの1位である。
チョコレート大好きな浮沈子は、この国のエボラの感染には関心を持たざるを得ない(って、やっぱ食い気からかあ?)。
まあいい。
WHOは、12月になると毎週1万人が感染するようになるといっているが、各国の統計を見る限り、そんな気配はない。
感染者や死者の実態と統計とが乖離している(数倍)というのは随分宣伝されているが、ではその根拠が何かといわれれば、少なくとも浮沈子は知らない。
死者の割合が、入院患者では7割に登るので、統計上5割弱の数字が実態を反映していないというのはいいとしても、感染者の捕捉が数分の1だというのは、何らかの根拠があるからだろう。
WHOのエイルワードがいっている毎週1万人の感染者の増加というのは、統計上の数字なのか、それとも、実態の話なのか。
文脈からいえば、現在の毎週千人に対して1万人といっているので、統計上の数字ということになるが、それなら、実態は毎週数万人ということになる。
ドシェーッ!。
その規模になれば、統計から漏れる患者の割合も増えることが予想されるので、さらに実態との乖離が大きくなる。
コートジボワールの識字率は5割程度である。
エボラに関する知識の欠如が、主要3か国の感染拡大の一つの原因とされている。
(アフリカ教育情報 アルファベット順)
http://africa-rikai.net/edudata/list.html
「ギニア共和国:
識字率(女) 26.4% (2008)
識字率(男) 49.6% (2008)
識字率(全) 38.0% (2008)
リベリア共和国:
識字率(女) 53.0% (2008)
識字率(男) 63.3% (2008)
識字率(全) 58.1% (2008)
シエラレオネ共和国:
識字率(女) 28.9% (2008)
識字率(男) 51.7% (2008)
識字率(全) 39.8% (2008)
コートジボワール共和国:
識字率(女) 44.3% (2008)
識字率(男) 64.2% (2008)
識字率(全) 54.6% (2008)」
史上最大の感染国であるリベリアが、一番高いというのは皮肉だな。
コートジボワールは、大々的なキャンペーンでもして啓発活動に励まなくてはなるまい。
エボラは人間が媒介する人間の感染症である。
人間が他の生物と異なるのは、発達した神経系(脳)によって、知識や経験を伝達・共有して、あらまほしき行動を取ることが可能であるという点である。
識字率が低ければ、イラストとか口頭でも何でもいい。
別に文字でなくても、エボラの正しい知識の伝達は可能だ。
そして、望ましい行動を為し得るまで、理解して頂くのが肝要である。
分かっちゃいるけど止められないというのでは困るのである。
スペインや米国の医療従事者だって、感染したくてなったわけではない。
人間が広めたエボラを終息させるには、人間らしい方法(正しい知識による正しい行動)しかない。
チョコ食ってる場合ではないのである。
WSJの記事によれば、この国へのエボラ感染の可能性が、名指しで指摘されたようだ。
(エボラ出血熱、12月には新規感染が週1万人にも)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12706435818283254423204580214932041981678
「エイルワード氏は、エボラ熱が現在感染の中心地となっているシエラレオネ、ギニア、リベリアと国境を接する国々にも広まる恐れがあり、特にコートジボワールが危険だと話した。」
何人かいるらしいWHOの事務局長補の中で、このおっちゃんは、なかなかいい味出してる。
(エイルワード世界保健機関(WHO)事務局長補とホール・ユニセフ本部ポリオプログラム責任者による阿部外務大臣政務官表敬)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/25/2/0228_04.html
「エイルワード事務局長補から,長年に亘る日本による支援に対する謝意を表すとともに,日本に対する国際社会の高い評価と信頼を活用し,ポリオとの闘いの終盤戦においても日本が重要かつ独自の役割を果たすことへの期待が示されました。」
ポリオの担当者らしい。
(Bruce Aylward)
http://www.who.int/dg/adg/aylward/en/
カナダ出身で、感染症畑の疫学者だな。
で、このおっちゃんに名指しされたコートジボワールという国が、ややっこしい。
(コートジボワール)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B8%E3%83%9C%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB
「同国が独立する以前からこの地域の海岸名として日本語では「象牙海岸(ぞうげかいがん)」、(中略)英語では「Ivory Coast(アイヴォリ・コウスト)」、(中略)のように各国語に訳されていた。」
「同国建国後もこれら各国語訳を同国の国名として各国は用いていたが、同国政府が翻訳国名ではなくフランス語国名の使用を他国に要請しているため(中略)現在の英語表記はフランス語に従って、(the) Republic of Côte d'Ivoire(リパブリク・ァヴ・コウトゥ・ディヴワ)。通称が Côte d'Ivoire」。」
ほんとかあ?。
(スピード26)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/10/11/7455717
画像のグラフのどこを探しても、コートジボワールなんて国はない。
ちゃんと、「Ivory Coast」と英語の翻訳名で掲出されている。
まあ、どうでもいいんですが。
例によって(しばらくぶりですが)、WHOの資料を見てみる。
(Côte d'Ivoire)
http://www.who.int/countries/civ/en/
「・Total population (2012): 19,840,000
・Gross national income per capita (PPP international $, 2012): 1,920
・Life expectancy at birth m/f (years, 2012): 52/54
・Probability of dying under five (per 1 000 live births, 0) :not available
・Probability of dying between 15 and 60 years m/f (per 1 000 population, 2012) :409/396
・Total expenditure on health per capita (Intl $, 2012): 144
・Total expenditure on health as % of GDP (2012): 7.1」
5歳死亡率の統計も出ていない国ということだな。
(Human Development Indicators:Côte d'Ivoire)
http://hdr.undp.org/en/countries/profiles/CIV
あっちゃーっ!、171位ですか・・・。
ギニア(179位)、シエラレオネ(183位)、リベリア(175位)よりは、多少はいいのかもしれないが、やはり、この国で感染が広がるとヤバイな!。
ギニア、リベリアとは、国境を接している。
(WHO: EBOLA RESPONSE ROADMAP UPDATE
10 October 2014:Figure 1: Distribution of Ebola virus disease cases in countries with intense transmission参照)
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/136161/1/roadmapupdate10Oct14_eng.pdf?ua=1
おまけに、このところ、国境沿いの地域での感染者が微妙に増えている。
ギニアのンゼレコレ県、リベリアのニンバ郡は、感染爆発候補生である。
ニンバ(10月11日集計で253人)は、少し落ち着いてきているが、浮沈子が着目しているンゼレコレは、9月末くらいからジリジリと増えてきている(10月11日集計で55人)。
新たな感染が勢いづいているということだな。
ある程度以上の感染者数を記録すると、なかなか終息しないということもあるので、ニンバも油断は出来ない。
そんな地域と境を接しているわけだ。
コートジボワールは、8月に主要3か国との国境を閉鎖した。
([FT]エボラ熱拡大、カカオ産業に警戒感)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H0M_Q4A930C1000000/
市場は、カカオの相場にしか興味がないようだな。
「コートジボワールはチョコレート原料としてのカカオ豆の供給量の約4割を担っている。」
「仮にエボラ出血熱がコートジボワールで流行すれば、カカオ豆の相場はあっという間に2倍に跳ね上がる」
「最も憂慮される事態は、リベリアとギニアのエボラ出血熱の感染者が治療のためコートジボワールに移送される可能性があることだ。ナイジェリアやセネガルは感染地域との人の往来によりエボラ出血熱の感染者が確認された。コートジボワールと周辺国との国境は「穴だらけで管理が困難だ」と、業界団体である国際ココア機関の担当者は嘆く。」
「ギニア、リベリア、シエラレオネの3国を合わせたカカオ豆の年間生産量は約2万1000トンで、世界全体の420万トンに比べればわずかだ。だが、コートジボワールは160万トン近く、ガーナは90万トンにのぼる。」
浮沈子は、カカオはガーナが最大の生産国かと思っていた(コマーシャルに毒されてますな)。
(カカオ:経済)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%AB%E3%82%AA#.E7.B5.8C.E6.B8.88
「カカオ豆の貿易に参加している国は少ない。輸出では、コートジボワール(100万4,000トン)、インドネシア(36万6,000トン)、ガーナ(31万1,000トン)、ナイジェリア(18万1,000トン)、カメルーン(12万9,000トン)の5カ国で約9割を占める。」
統計は古いが、コートジボワールがダントツの1位である。
チョコレート大好きな浮沈子は、この国のエボラの感染には関心を持たざるを得ない(って、やっぱ食い気からかあ?)。
まあいい。
WHOは、12月になると毎週1万人が感染するようになるといっているが、各国の統計を見る限り、そんな気配はない。
感染者や死者の実態と統計とが乖離している(数倍)というのは随分宣伝されているが、ではその根拠が何かといわれれば、少なくとも浮沈子は知らない。
死者の割合が、入院患者では7割に登るので、統計上5割弱の数字が実態を反映していないというのはいいとしても、感染者の捕捉が数分の1だというのは、何らかの根拠があるからだろう。
WHOのエイルワードがいっている毎週1万人の感染者の増加というのは、統計上の数字なのか、それとも、実態の話なのか。
文脈からいえば、現在の毎週千人に対して1万人といっているので、統計上の数字ということになるが、それなら、実態は毎週数万人ということになる。
ドシェーッ!。
その規模になれば、統計から漏れる患者の割合も増えることが予想されるので、さらに実態との乖離が大きくなる。
コートジボワールの識字率は5割程度である。
エボラに関する知識の欠如が、主要3か国の感染拡大の一つの原因とされている。
(アフリカ教育情報 アルファベット順)
http://africa-rikai.net/edudata/list.html
「ギニア共和国:
識字率(女) 26.4% (2008)
識字率(男) 49.6% (2008)
識字率(全) 38.0% (2008)
リベリア共和国:
識字率(女) 53.0% (2008)
識字率(男) 63.3% (2008)
識字率(全) 58.1% (2008)
シエラレオネ共和国:
識字率(女) 28.9% (2008)
識字率(男) 51.7% (2008)
識字率(全) 39.8% (2008)
コートジボワール共和国:
識字率(女) 44.3% (2008)
識字率(男) 64.2% (2008)
識字率(全) 54.6% (2008)」
史上最大の感染国であるリベリアが、一番高いというのは皮肉だな。
コートジボワールは、大々的なキャンペーンでもして啓発活動に励まなくてはなるまい。
エボラは人間が媒介する人間の感染症である。
人間が他の生物と異なるのは、発達した神経系(脳)によって、知識や経験を伝達・共有して、あらまほしき行動を取ることが可能であるという点である。
識字率が低ければ、イラストとか口頭でも何でもいい。
別に文字でなくても、エボラの正しい知識の伝達は可能だ。
そして、望ましい行動を為し得るまで、理解して頂くのが肝要である。
分かっちゃいるけど止められないというのでは困るのである。
スペインや米国の医療従事者だって、感染したくてなったわけではない。
人間が広めたエボラを終息させるには、人間らしい方法(正しい知識による正しい行動)しかない。
チョコ食ってる場合ではないのである。
CRS-4その後 ― 2014年10月15日 12:06
CRS-4その後
スペースXのCRS-4のその後の情報がないので、ちょっと調べていたら、こんな記事があった。
(キヤノンEOS+Codex 4Kレコーダー、宇宙でIMAXプロダクション)
http://www.pronews.jp/news/20141014193039.html
「CRS-4自身のミッション期間は4週間。地球には10月18日に戻ってくる予定。」
4Kカメラとデジタルレコーダーを積んで、何やら怪しげな映画を撮影しているらしい。
「宇宙に浮かぶザ・ブルー・マーブル“地球”を一つ青く輝く命として捉え、人類の未来までを模索するようなテーマ。本作は2016年初頭に一般公開予定。」
「撮影監督のジェームズ・ネイハウス氏はキヤノンEOS C500が一番フィルム感を残せるカメラとして今回のIMAX 3Dスペースプロジェクトで採用」
やっぱ、フィルムが懐かしいんだなあ。
しかし、このプロジェクトについては、ウィキには掲載されていない。
(SpaceX CRS-4)
http://en.wikipedia.org/wiki/SpaceX_CRS-4
3Dプリンターとか、ネズミ20匹の方が派手だから?。
まあ、どうでもいいんですが。
(Codex & Canon C500 Record SpaceX Mission to International Space Station)
http://www.digitalmedia-world.com/Cameras/codex-canon-c500-record-spacex-mission-to-international-space-station.html
撮影は来年まで行われるようなので、ドラゴンがデータを持ち帰るのか、狭いソユーズに詰め込んで持って帰るのかは不明だ。
ひょっとしたら、電送するかもしれないが、そんな大容量のデータを、貴重な帯域使って送るんだろうか?。
4Kで120フレームで動画撮ったら、どのくらいのデータ量になるんだろうか(たぶん、ペタバイトクラスだな)。
映画の素材として使うなら、相当たっぷり撮影する必要があるだろう。
宇宙から見れば、パーフェクトプラネットなんだろうが、戦乱は絶えないし、エボラは流行るし、ろくな星ではない。
しかし、今のところ、我々人類が住める星というのはここしかない。
ISSに数人滞在していても、それは、自給自足の生活が出来るという意味ではない。
火星の殖民が成功したら、イーロン・マスクが言うところの、2つの惑星に住む種族ということになるんだろう。
まあ、あっちは、ダメ惑星(フォールティ・プラネット?)ということになるんだろうが。
まあいい。
いずれにしても、いくら4Kで撮影したって、地上のゴタゴタは映らない。
そんな映像を見せ付けられて、騙されるわけにはいかない。
富戸の水中でも撮影してくれたほうが、ナンボかマシというものである。
スペースXのCRS-4のその後の情報がないので、ちょっと調べていたら、こんな記事があった。
(キヤノンEOS+Codex 4Kレコーダー、宇宙でIMAXプロダクション)
http://www.pronews.jp/news/20141014193039.html
「CRS-4自身のミッション期間は4週間。地球には10月18日に戻ってくる予定。」
4Kカメラとデジタルレコーダーを積んで、何やら怪しげな映画を撮影しているらしい。
「宇宙に浮かぶザ・ブルー・マーブル“地球”を一つ青く輝く命として捉え、人類の未来までを模索するようなテーマ。本作は2016年初頭に一般公開予定。」
「撮影監督のジェームズ・ネイハウス氏はキヤノンEOS C500が一番フィルム感を残せるカメラとして今回のIMAX 3Dスペースプロジェクトで採用」
やっぱ、フィルムが懐かしいんだなあ。
しかし、このプロジェクトについては、ウィキには掲載されていない。
(SpaceX CRS-4)
http://en.wikipedia.org/wiki/SpaceX_CRS-4
3Dプリンターとか、ネズミ20匹の方が派手だから?。
まあ、どうでもいいんですが。
(Codex & Canon C500 Record SpaceX Mission to International Space Station)
http://www.digitalmedia-world.com/Cameras/codex-canon-c500-record-spacex-mission-to-international-space-station.html
撮影は来年まで行われるようなので、ドラゴンがデータを持ち帰るのか、狭いソユーズに詰め込んで持って帰るのかは不明だ。
ひょっとしたら、電送するかもしれないが、そんな大容量のデータを、貴重な帯域使って送るんだろうか?。
4Kで120フレームで動画撮ったら、どのくらいのデータ量になるんだろうか(たぶん、ペタバイトクラスだな)。
映画の素材として使うなら、相当たっぷり撮影する必要があるだろう。
宇宙から見れば、パーフェクトプラネットなんだろうが、戦乱は絶えないし、エボラは流行るし、ろくな星ではない。
しかし、今のところ、我々人類が住める星というのはここしかない。
ISSに数人滞在していても、それは、自給自足の生活が出来るという意味ではない。
火星の殖民が成功したら、イーロン・マスクが言うところの、2つの惑星に住む種族ということになるんだろう。
まあ、あっちは、ダメ惑星(フォールティ・プラネット?)ということになるんだろうが。
まあいい。
いずれにしても、いくら4Kで撮影したって、地上のゴタゴタは映らない。
そんな映像を見せ付けられて、騙されるわけにはいかない。
富戸の水中でも撮影してくれたほうが、ナンボかマシというものである。
レベル4 ― 2014年10月15日 22:48
レベル4
(バイオセーフティーレベル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
「バイオセーフティーレベル(英: biosafety level, BSL)とは、細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う実験室・施設の格付け。」
1がオープンウォーター、2がレスキュー、3がダイブマスターで、4がインストラクターと思えばいい(って、何のこっちゃ!?)。
要するに、4がエライのである。
WHOのLaboratory biosafety manual(実験室生物安全指針)に基づき、各国が定める。
(Laboratory Biosafety Manual - Third Edition)
http://www.who.int/csr/resources/publications/biosafety/WHO_CDS_CSR_LYO_2004_11/en/
このマニュアルは、日本語版もある。
(実験室バイオセーフティ指針−第3版)
http://www.who.int/csr/resources/publications/biosafety/Biosafety3_j.pdf?ua=1
PDFのページで、185ページと大部であるが、ざっと目を通した。
「WHOは、本書の内容となる情報が完全で正確であるとの保証はせず、本書を利用したために被った損害の責任は負わない。」
あくまでも、指針なのである。
「最近の世界的動向として、微生物および毒素の意図的悪用および撒布による公衆衛生上の脅威の可能性が示された。このような状況下に第3版は生物学的安全保障(biological security)の概念をとり込み、微生物学的資産が盗難、紛失または流用により、不適切に使用されて、公衆衛生上の災害をもたらす事の予防策を示している。」
ったく、物騒な時代になったものだ。
この指針では、感染性微生物のリスク群分類というのをおこなっている。
「BSレベル分類に取り扱われている病原体のリスク群分類とは相関するが必ずしも一致するものではない。」
が、まあ、危ないやつは、厳重に閉じ込めようという考え方に変わりはない。
「表2:リスク群分類と、BSレベル分類の関連、主な作業方式、機器」では、この関係を示している。
「リスク群:BSレベル:実験室の型:作業方式:安全機器
・1:基本−BSレベル1:基本教育、研究:GMT:特に無し;開放型作業台
・2:基本−BSレベル2:一般医療、診断、検査、研究:GMT+保護衣、バイオハザード標識:開放型作業台 +エアロゾル発生の可能性ある場合は BSC」
ここで、略語解説を。
「略語:
・BSC:生物学的安全キャビネット
・GMT:基準微生物実験技術」
まあ、部屋の中で、オープンな作業台の上での実験ということである。
安全キャビネットとかもあるが、完全に隔離されているわけでもなく、場合によっては環境中に漏れ出ることも許容する。
しかし、リスク群3になると、ぐっと厳しくなる。
「リスク群:BSレベル:実験室の型:作業方式:安全機器
・3:封じ込め−BSレベル3:特殊診断検査、研究:BSレベル2+特別な保護衣、入域の制限、一定気流方向:全操作を BSC/ないし、その他の封じ込め機器を用いて行う」
実験室の隔離、気流のコントロール、前室の設置などが義務付けられ、実験室内からの病原体の外部への漏れに対して、一定程度の防御がなされる。
が、このレベルでは、完全とはいえない。
廃棄物や排水の処理については、必要な対応を取るが、排気については完全ではない。
空気感染(飛沫核感染)に対する防御には限界がある。
実験室そのものがある程度隔離されているので、実験室内での生物学的安全キャビネットの使用も必要ない。
だから、毒性が高くて、実験室内で研究者がバタバタと倒れてしまうような、超ヤバの病原体は扱えない。
「リスク群:BSレベル:実験室の型:作業方式:安全機器
4:高度封じ込め 実験室−BSレベル4:特殊病原体施設:BSレベル3+入口部はエアロック、出口にシャワー、特別な廃棄物処理:クラスⅢ BSCまたは陽圧スーツ +クラスⅡBSC,(壁に固定した)両面オートクレーブ;給排気は濾過」
問題のレベル4の施設では、およそ考えられるありとあらゆる方策を取っている。
排気のHEPAフィルター濾過、エアロック+シャワー、排水処理、オートクレーブによる滅菌、実験室内での生物学的安全キャビネットの使用、職員安全モニタリング設備は、このレベルで無条件に義務付けられる。
この施設は、実験室の中で、研究者が死ぬことを想定している。
実験室内に病原体が充満し、陽圧スーツが破れ、感染した研究者が倒れてしまうという、ハリウッド映画さながらの状況も考慮されている(監視カメラなど)。
って、そん時は、外に運び出すわけにも行かないだろうから、中で焼却するのかな。
もう、何があってもおかしくない状況での対応になる。
レベル3までは、簡略化されたイメージの図が付いているが、レベル4にはない。
「バイオセーフティレベル4施設の実験室は、キャビネット実験室、宇宙服実験室を問わず、技術、設計および建設の点で非常に複雑なので、簡略化した図説は表示しない。」
次元の違う施設なのだ。
浮沈子が、特に重要だと感じたのは、この指針の中の運用にかかわる部分である。
「第Ⅶ部 安全組織と訓練 19.バイオセーフティ管理者とバイオセーフティ委員会 参照」
「バイオセーフティ委員会は異なった部門や専門 (例えば放射線防護、産業安全、火災防止など )の安全管理者の助言を求めるべきであると共に、必要があれば何時でも地域社会代表を委員に入れる事も、多くの関連分野、地方当局、国の規制機関の研究機関とは独立の専門家に助力を求めるべきである。」
地域社会代表を入れるところに注目だな。
メンテナンスや清掃について、きちんとした対応を求めているところもいい。
要するに、運用に関して、実際に応じた管理を徹底しなければバイオセ-フティは機能しないということである。
物理的な設備や器具が、如何に万全であっても、それを使用しているのは人間だし、人間は概ね、定められた規則を守らず、管理者のいうことを聞かず、それらの制約が意味するところをわきまえずに、自分が取り組んでいる研究や実験が全てだと思い込んでいる。
危険物の取扱い基準は、それが危険であるから定められており、それについては自分が一番知っているから、自分がいいと思う方法で管理すればいいのだ、そんな煩わしい基準を遵守していたら、仕事を効率よく行うことなんてできっかよ!、と思っている当事者の身勝手な思い込みよりも、通常は概ね正しい。
「第Ⅸ部 文献、附録、索引」
「表A4-2 機器に関連した事故の一般的原因」
「不適切な改造:
家庭用魔法瓶の爆発:不適切な液体窒素の運搬:・特別に設計された機器を使用する。」
気化した窒素を逃がす弁がついていない家庭用魔法瓶で、液化窒素を運搬するという信じがたい愚行を起こした前例があるわけだ。
トラブルは、概ね、こんなつまらないところから起こる。
そして、小さなトラブルが負の連鎖を引き起こし、大災害に発展するのだ。
この指針は、細部にわたって、よく検討されている。
もちろん、全てを網羅したものではないし、必要な観点が漏れているかも知れないが、それらは徐々に補われていくだろう。
重要なことは、このような文書が世界基準として示されていて、遵守すべき事項が明記されているということだ。
各国で具体的な指針を策定する際の、拠り所となるものである。
レベル4の実験施設が我が国に存在しない理由が、何となく分かってくる。
地域住民が反対しているから稼動していないというのは、新規施設建設の予算獲得的、マスコミ報道的理由であって、真の理由ではない。
だって、WHOの指針の中には、バイオセーフティ委員会に地域社会代表を入れるべきだと明記しているのだから。
地域社会の理解を得ずに、勝手に物理的な建物や組織を作っておいて、稼動しないのは地域社会が悪いみたいなことを言うのは、本末転倒なのだ。
要するに、我々の社会(国家でも何でもいい)が、レベル4を運用する能力がないということだけなのである。
施設を受け入れる社会的な理解を得ることを含めて、あるいは、施設外に排気した空気の十分な拡散を行うための敷地(何平方キロになるかは知りませんが)を確保できるかどうかを含めて、その能力(や、潤沢な資金)がなければ、レベル4は持てないということである。
浮沈子は、レベル4施設がなければエボラの研究に貢献できないとは思っていない。
そりゃあ、直接弄れるかどうかは、重要なことには違いないが、それが出来ないからといって、何も出来ないわけではなかろう。
嵩にかかって、この機に乗じた施設建設に乗り出そうとする態度そのものが、レベル4施設を持つ資格がないことの何よりの証拠だと考える。
止めちまえ!。
このエボラ騒ぎが収まって、100年くらい経ってほとぼりが冷め、レベル4施設を作る必要なんてないんじゃないかという議論がマスコミを賑すようになったら検討すればいい。
人類にとって本当に必要不可欠の研究を行うために、多額の税金を投じて作り、運用していく意義があると納得させるだけの社会的、経済的、倫理的基盤が出来たら作ればいいのだ。
現在の我が国には、レベル4施設を持つ資格なんてないのだ。
だからといって、浮沈子がダイブマスターしか取れないかもしれないとかいう話にはならない。
いや、両者はよく似ているかもしれない。
社会的、経済的、倫理的基盤(特に、倫理的)という点では、かなりの問題がありそうだな。
(バイオセーフティーレベル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
「バイオセーフティーレベル(英: biosafety level, BSL)とは、細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う実験室・施設の格付け。」
1がオープンウォーター、2がレスキュー、3がダイブマスターで、4がインストラクターと思えばいい(って、何のこっちゃ!?)。
要するに、4がエライのである。
WHOのLaboratory biosafety manual(実験室生物安全指針)に基づき、各国が定める。
(Laboratory Biosafety Manual - Third Edition)
http://www.who.int/csr/resources/publications/biosafety/WHO_CDS_CSR_LYO_2004_11/en/
このマニュアルは、日本語版もある。
(実験室バイオセーフティ指針−第3版)
http://www.who.int/csr/resources/publications/biosafety/Biosafety3_j.pdf?ua=1
PDFのページで、185ページと大部であるが、ざっと目を通した。
「WHOは、本書の内容となる情報が完全で正確であるとの保証はせず、本書を利用したために被った損害の責任は負わない。」
あくまでも、指針なのである。
「最近の世界的動向として、微生物および毒素の意図的悪用および撒布による公衆衛生上の脅威の可能性が示された。このような状況下に第3版は生物学的安全保障(biological security)の概念をとり込み、微生物学的資産が盗難、紛失または流用により、不適切に使用されて、公衆衛生上の災害をもたらす事の予防策を示している。」
ったく、物騒な時代になったものだ。
この指針では、感染性微生物のリスク群分類というのをおこなっている。
「BSレベル分類に取り扱われている病原体のリスク群分類とは相関するが必ずしも一致するものではない。」
が、まあ、危ないやつは、厳重に閉じ込めようという考え方に変わりはない。
「表2:リスク群分類と、BSレベル分類の関連、主な作業方式、機器」では、この関係を示している。
「リスク群:BSレベル:実験室の型:作業方式:安全機器
・1:基本−BSレベル1:基本教育、研究:GMT:特に無し;開放型作業台
・2:基本−BSレベル2:一般医療、診断、検査、研究:GMT+保護衣、バイオハザード標識:開放型作業台 +エアロゾル発生の可能性ある場合は BSC」
ここで、略語解説を。
「略語:
・BSC:生物学的安全キャビネット
・GMT:基準微生物実験技術」
まあ、部屋の中で、オープンな作業台の上での実験ということである。
安全キャビネットとかもあるが、完全に隔離されているわけでもなく、場合によっては環境中に漏れ出ることも許容する。
しかし、リスク群3になると、ぐっと厳しくなる。
「リスク群:BSレベル:実験室の型:作業方式:安全機器
・3:封じ込め−BSレベル3:特殊診断検査、研究:BSレベル2+特別な保護衣、入域の制限、一定気流方向:全操作を BSC/ないし、その他の封じ込め機器を用いて行う」
実験室の隔離、気流のコントロール、前室の設置などが義務付けられ、実験室内からの病原体の外部への漏れに対して、一定程度の防御がなされる。
が、このレベルでは、完全とはいえない。
廃棄物や排水の処理については、必要な対応を取るが、排気については完全ではない。
空気感染(飛沫核感染)に対する防御には限界がある。
実験室そのものがある程度隔離されているので、実験室内での生物学的安全キャビネットの使用も必要ない。
だから、毒性が高くて、実験室内で研究者がバタバタと倒れてしまうような、超ヤバの病原体は扱えない。
「リスク群:BSレベル:実験室の型:作業方式:安全機器
4:高度封じ込め 実験室−BSレベル4:特殊病原体施設:BSレベル3+入口部はエアロック、出口にシャワー、特別な廃棄物処理:クラスⅢ BSCまたは陽圧スーツ +クラスⅡBSC,(壁に固定した)両面オートクレーブ;給排気は濾過」
問題のレベル4の施設では、およそ考えられるありとあらゆる方策を取っている。
排気のHEPAフィルター濾過、エアロック+シャワー、排水処理、オートクレーブによる滅菌、実験室内での生物学的安全キャビネットの使用、職員安全モニタリング設備は、このレベルで無条件に義務付けられる。
この施設は、実験室の中で、研究者が死ぬことを想定している。
実験室内に病原体が充満し、陽圧スーツが破れ、感染した研究者が倒れてしまうという、ハリウッド映画さながらの状況も考慮されている(監視カメラなど)。
って、そん時は、外に運び出すわけにも行かないだろうから、中で焼却するのかな。
もう、何があってもおかしくない状況での対応になる。
レベル3までは、簡略化されたイメージの図が付いているが、レベル4にはない。
「バイオセーフティレベル4施設の実験室は、キャビネット実験室、宇宙服実験室を問わず、技術、設計および建設の点で非常に複雑なので、簡略化した図説は表示しない。」
次元の違う施設なのだ。
浮沈子が、特に重要だと感じたのは、この指針の中の運用にかかわる部分である。
「第Ⅶ部 安全組織と訓練 19.バイオセーフティ管理者とバイオセーフティ委員会 参照」
「バイオセーフティ委員会は異なった部門や専門 (例えば放射線防護、産業安全、火災防止など )の安全管理者の助言を求めるべきであると共に、必要があれば何時でも地域社会代表を委員に入れる事も、多くの関連分野、地方当局、国の規制機関の研究機関とは独立の専門家に助力を求めるべきである。」
地域社会代表を入れるところに注目だな。
メンテナンスや清掃について、きちんとした対応を求めているところもいい。
要するに、運用に関して、実際に応じた管理を徹底しなければバイオセ-フティは機能しないということである。
物理的な設備や器具が、如何に万全であっても、それを使用しているのは人間だし、人間は概ね、定められた規則を守らず、管理者のいうことを聞かず、それらの制約が意味するところをわきまえずに、自分が取り組んでいる研究や実験が全てだと思い込んでいる。
危険物の取扱い基準は、それが危険であるから定められており、それについては自分が一番知っているから、自分がいいと思う方法で管理すればいいのだ、そんな煩わしい基準を遵守していたら、仕事を効率よく行うことなんてできっかよ!、と思っている当事者の身勝手な思い込みよりも、通常は概ね正しい。
「第Ⅸ部 文献、附録、索引」
「表A4-2 機器に関連した事故の一般的原因」
「不適切な改造:
家庭用魔法瓶の爆発:不適切な液体窒素の運搬:・特別に設計された機器を使用する。」
気化した窒素を逃がす弁がついていない家庭用魔法瓶で、液化窒素を運搬するという信じがたい愚行を起こした前例があるわけだ。
トラブルは、概ね、こんなつまらないところから起こる。
そして、小さなトラブルが負の連鎖を引き起こし、大災害に発展するのだ。
この指針は、細部にわたって、よく検討されている。
もちろん、全てを網羅したものではないし、必要な観点が漏れているかも知れないが、それらは徐々に補われていくだろう。
重要なことは、このような文書が世界基準として示されていて、遵守すべき事項が明記されているということだ。
各国で具体的な指針を策定する際の、拠り所となるものである。
レベル4の実験施設が我が国に存在しない理由が、何となく分かってくる。
地域住民が反対しているから稼動していないというのは、新規施設建設の予算獲得的、マスコミ報道的理由であって、真の理由ではない。
だって、WHOの指針の中には、バイオセーフティ委員会に地域社会代表を入れるべきだと明記しているのだから。
地域社会の理解を得ずに、勝手に物理的な建物や組織を作っておいて、稼動しないのは地域社会が悪いみたいなことを言うのは、本末転倒なのだ。
要するに、我々の社会(国家でも何でもいい)が、レベル4を運用する能力がないということだけなのである。
施設を受け入れる社会的な理解を得ることを含めて、あるいは、施設外に排気した空気の十分な拡散を行うための敷地(何平方キロになるかは知りませんが)を確保できるかどうかを含めて、その能力(や、潤沢な資金)がなければ、レベル4は持てないということである。
浮沈子は、レベル4施設がなければエボラの研究に貢献できないとは思っていない。
そりゃあ、直接弄れるかどうかは、重要なことには違いないが、それが出来ないからといって、何も出来ないわけではなかろう。
嵩にかかって、この機に乗じた施設建設に乗り出そうとする態度そのものが、レベル4施設を持つ資格がないことの何よりの証拠だと考える。
止めちまえ!。
このエボラ騒ぎが収まって、100年くらい経ってほとぼりが冷め、レベル4施設を作る必要なんてないんじゃないかという議論がマスコミを賑すようになったら検討すればいい。
人類にとって本当に必要不可欠の研究を行うために、多額の税金を投じて作り、運用していく意義があると納得させるだけの社会的、経済的、倫理的基盤が出来たら作ればいいのだ。
現在の我が国には、レベル4施設を持つ資格なんてないのだ。
だからといって、浮沈子がダイブマスターしか取れないかもしれないとかいう話にはならない。
いや、両者はよく似ているかもしれない。
社会的、経済的、倫理的基盤(特に、倫理的)という点では、かなりの問題がありそうだな。
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